タグ別アーカイブ: 観光

震災ガイドで伝えるべき基本事項を受講者に解説する瀬戸元さん(左から2人目)

釜石来訪者のおもてなし強化へ 観光ガイド会新人6人が養成講座修了

釜石観光ガイド養成講座の現地研修=13日

釜石観光ガイド養成講座の現地研修=13日

 

 釜石市の釜石観光ガイド会(三浦達夫会長、27人)は14日、10月から開いてきたガイド養成講座の全日程を終えた。公募で集まった40~60代の男女6人が受講。今後、先輩ガイドの補助を受けながら実習を重ね、独り立ちを目指す。同会には世界遺産「橋野鉄鉱山」や東日本大震災、まちなかガイドなど多様な依頼が寄せられる。会では新人6人の活動に期待し、釜石のさらなる魅力発信に取り組んでいく考えだ。

 

 同会のガイド会員確保のための養成講座は、ほぼ隔年で行われる。10期目となる今回は10月2日から11月14日まで全7回の日程で実施。現会員が講師となり、ガイドの心構え、同市の歴史、観光名所に加え、釜石を発展させた製鉄業の歴史、東日本大震災の被災・復興状況、三陸ジオパークなどについて座学と現地研修を行った。

 

両石町の震災慰霊碑(18年建立)前での研修

両石町の震災慰霊碑(18年建立)前での研修

 

現会員を含む10人が参加し、知識を深めた

現会員を含む10人が参加し、知識を深めた

 

 現地研修最終日の13日は、甲子町の旧釜石鉱山事務所など製鉄業の関連遺産を巡った後、震災研修として両石町の慰霊碑、鵜住居町の祈りのパーク、いのちをつなぐ未来館などを訪問。受講者の八幡恵史さん(48、橋野町)、小笠原明彦さん(65、同)、岩間ゆかりさん(59、中妻町)が、会員からガイドをする際に伝えるべきポイントや分かりやすい説明の仕方を学んだ。

 

 震災研修で講師を務めた瀬戸元さん(76)は各地の被災状況とともに、明治、昭和の三陸大津波の歴史も紹介。先人が伝えてきた津波の教訓“命てんでんこ”や沿岸部に残る津波石碑の重要性を改めて説き、「先人の教訓を生かし切れなかったのが今回の震災。話を聞く人が確実な避難行動をとれるように導くのもガイドの役割」と教えた。

 

鵜住居町の祈りのパークでは、震災犠牲者に手を合わせてから説明を始めることを教えた

鵜住居町の祈りのパークでは、震災犠牲者に手を合わせてから説明を始めることを教えた

 

震災ガイドで伝えるべき基本事項を受講者に解説する瀬戸元さん(左から2人目)

震災ガイドで伝えるべき基本事項を受講者に解説する瀬戸元さん(左から2人目)

 

 受講者の岩間さんは「震災を経験し、微力ながら自分も伝承という部分で釜石のために役立つことができれば」と応募。一連の講座を終え、「すごく勉強になった。まだ不安のほうが大きくイメージは湧かないが、会員として長く活動できるように頑張りたい」と意欲を示した。

 

 同会のガイド分野は、2011年の東日本大震災、13年の「三陸ジオパーク」認定、15年の「橋野鉄鉱山」世界遺産登録により、この10年で大幅に拡大。依頼者の増加、ニーズの多様化に対応するには、会員の能力向上と人員確保が求められる。会員の瀬戸さんは「新人の加入はありがたい。会員の高齢化もあり、引き継いでいく人材が必要。何回も数をこなすことで自信も生まれてくると思うので、ぜひ戦力になり第一線で活躍してほしい。個性を生かしながら活動してもらえれば」と願った。

 

 14日は修了式が行われ、受講者に修了証を交付。活動時に着用するユニフォームが貸与された。

親子でエンジョイ 1day 夜釣り

【初心者大歓迎】親子でエンジョイ 1day 夜釣り

親子でエンジョイ 1day 夜釣り

 

開催要項・参加申込書チラシ(PDFファイル/334KB)

目的

海での親子共同体験活動を通して、親子のふれあいを深める。

内容

山田町船越漁港での夜釣り体験(そい・どんこ等) ※堤防釣り

期日

令和3年11月20日(土) ※状況により中止の場合があります。

対象・定員

小・中学生の子どもを持つ親子 定員30人ほど

日程

15:00 受付(船越漁港に集合)
15:30~ 釣り開始(船越漁港) ※夕飯はお弁当を配布
20:30 釣り終了(船越漁港にて解散)

参加費

1人 1,500円(仕掛け、釣り餌、弁当代、保険料等)

携行品等

□釣り道具(竿・リール等) ※貸出可能
□マスク
□防寒具・雨具(カッパ等)
□手袋(軍手)
□釣った魚を入れるクーラーボックスなど
□飲み物(温かいものをおすすめします)
□その他(個人で必要と思われるもの)

申込方法

メール、FAX、郵便でお申し込みください。
 
岩手県立陸中海岸青少年の家(マリンランド陸中)
〒028-1371 岩手県下閉伊郡山田町船越2-42
TEL 0193-84-3311
FAX 0193-84-3312
メール kenriturikuchu@echna.ne.jp

募集期間

10月29日(金)〜11月12日(金)

その他

・参加決定後に参加できなくなった場合は、早めに連絡をお願いします。
・11月18日(木)17:00以降のキャンセルは参加料をいただきますのでご了承願います。
・仕掛けや餌等はこちらで準備しますが、ご持参いただいても構いません。
・イベント終了後に陸中海岸青少年の家に宿泊する事ができます。(素泊まり 1人130円)

主催

(公財)岩手県スポーツ振興事業団・陸中海岸青少年の家

青少年の家

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 岩手県立陸中海岸青少年の家

公式サイト / TEL 0193-84-3311 / FAX 0193-84-3312 〒028-1371 山田町船越2-42

霞露ヶ岳(かろがだけ)トレッキング

霞露ヶ岳(かろがだけ)トレッキング

霞露ヶ岳(かろがだけ)トレッキング

 

山田町船越半島の最高峰「霞露ヶ岳(かろがたけ)」のトレッキングを行います。“海抜0メートルから登れる山”として知られていますが、今回は海抜0メートルへ下ります。ゴールの漉磯海岸(すくいそかいがん)は、目の前に広がる太平洋の海原とビーチの開放感が最高です。三陸の海と紅葉のコラボレーションを味わうのにも絶好の機会です。

期日

2021年11月6日(土)
※荒天候による予備日11月7日(日)

場所

霞露ヶ岳(山田町船越)
※集合場所は青少年の家、全員バス乗車で現地へ向かいます。

対象

小学生以上〜一般 30名程度

参加費

400円(傷害保険代、諸雑費等)

内容

みちのく潮風トレイルの山田町ルート「霞露ヶ岳(標高508m)」の自然散策
8:00集合・出発~ 9:30開始~ 11:30山頂~ 13:00下山・昼食~ 15:30帰所・解散

申込期間

2021年10月13日(水)〜10月27日(水)
参加申込書に必要事項を記入の上、FAXかメール、郵送にてお申し込みください。

申し込み・問い合わせ

岩手県立陸中海岸青少年の家(マリンランド陸中)
〒028-1371岩手県下閉伊郡山田町船越2-42
TEL 0193-84-3311/FAX0193-84-3312
メール kenriturikurikuchu@echna.ne.jp

主催

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 陸中海岸青少年の家

青少年の家

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 岩手県立陸中海岸青少年の家

公式サイト / TEL 0193-84-3311 / FAX 0193-84-3312 〒028-1371 山田町船越2-42

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

コロナ禍でみこし渡御中止も神事で平穏祈る~尾崎神社例祭~

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

 

 釜石市の尾崎神社と日本製鉄釜石製鉄所山神社の合同祭「釜石まつり」は、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年に続き、みこし渡御が中止された。両神社は16日、それぞれに例祭の神事を実施。「来年こそは」と願いを込めながら、コロナの完全終息、景気回復、住民の無事などを切に祈った。

 

 浜町の尾崎神社(佐々木裕基宮司)では15日に宵宮祭、16日に例祭神事を行った。神事には関係者22人が参列。宮司、献幣使が神前に祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。終了後、あいさつした佐々木宮司は「来年こそは、みこしに神様の御霊を乗せて釜石のまちを歩き、多くの方々に拝んでいただきたい。より豊かな秋をみんなで迎えられたら」と願った。

 

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

 

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

 

 尾崎神社の渡御行列は300年の歴史を誇る。釜石製鉄所山神社との合同渡御は、釜石市制施行30周年の1967(昭和42)年から行われ、市内最大規模の秋祭りとして定着。市内外から見物客を集めるが、新型コロナ感染症の収束が見込めず、今年も合同みこし渡御、曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)共に開催を断念した。

 

 尾崎神社の責任役員で祭典委員長の浜川幸雄さん(76)は「(2年連続の渡御中止は)非常に残念だが、致し方ない。何とかコロナも収束に向かっているよう。人類はこれまでもさまざまな細菌と戦ってきた。いかに知恵を振り絞って戦うかだ。来年は、状況が良くなっていることを期待したい」と話した。

 

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

 

 同神社のみこし担ぎ手団体「輿衆(よしゅう)会」の川畑裕也会長(59)は「みこしはどうしても密になってしまうのでやむを得ない。早く平常に戻って、みんなでにぎやかに祭りができるよう祈るばかり。間が空くと会員離れにもつながる。尾崎神社は大みこしなので、担ぐにはそれなりの人数が必要」と担ぎ手不足も心配した。

 

釜石LC会員が境内をきれいに 尾崎神社例祭前に恒例の清掃活動

 

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

 

 釜石ライオンズクラブ(蓙谷兼明会長、会員40人)は9日、例祭を控えた尾崎神社で清掃奉仕活動を行った。10月8日の「世界ライオンズ奉仕デー」にちなんだ毎年恒例の活動。会員9人が境内と周辺の道路で、ごみや落ち葉を回収した。

 

 神社境内や参道の木々は紅葉が始まり、各所に落ち葉が散らばっていた。会員らはほうきや熊手で丁寧に葉をかき集め、参拝者の歩行や車両の通行に支障が出ないようにした。約1時間半の清掃で、周辺はすっきりとした景観を取り戻し、例祭を迎える準備が整った。

 

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

 

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

 

 蓙谷会長(55)は「由緒正しいこの神社を清めるのは、私たち会員にとってもありがたいこと。世界のライオンズクラブは『奉仕の精神』を掲げ、地域に貢献する活動を行っている。コロナ禍で活動の自粛が続いていたので、今日は会員同士が顔を合わせる機会にもなりうれしい」と喜んだ。

 

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

 

 結成56周年を迎える同クラブは、年内に市立図書館への本の寄贈、地元サッカースポーツ少年団の大会への協賛、クリスマス献血キャンペーンへの協力などを予定する。

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

橋野鉄鉱山高炉場「御日払所跡」を発掘調査 建物の痕跡を確認

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会=2日

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会=2日

 

 釜石市が7月から発掘調査を行う、世界遺産「橋野鉄鉱山」高炉場跡内の「御日払所跡」で2日、調査結果を報告する一般向けの現地説明会が開かれた。同調査は、市が2018年から進める「橋野高炉跡範囲内容確認調査」の一環。御日払所では労働者への賃金の支払い、採掘場から運ばれた鉄鉱石や生産された銑鉄の管理などが行われていた。今回の発掘調査では、建物の礎石や水路の痕跡を確認。出土した遺物は、同鉄鉱山インフォメーションセンターで公開されている。

 

 発掘調査は、江戸末期(1860年代前半)の高炉絵巻に描かれている「御日払所、板蔵(倉庫)、土蔵」の位置と各建物の規模を確認するために実施。説明会では、調査を担当する市世界遺産課の髙橋岳主査が成果などを示した。

 

「橋野鉄鉱山惣御山内略図」(絵巻)に描かれている御日払所など(図右上)

「橋野鉄鉱山惣御山内略図」(絵巻)に描かれている御日払所など(図右上)

 

 1892(明治25)、94(同27)年の建物記録に「平屋(御日払所)68坪、板蔵15坪、土蔵6坪」の記載があることから、推定される範囲を発掘。御日払所は礎石配列の痕跡が一部確認された。同所には昭和初期に地元住民が居宅を構えており、建物登記に27坪と記載がある。調査では、その礎石配列が多く遺存していることが分かった。明治期の御日払所の礎石の大半は、昭和期の居宅用に転用された可能性があるとみられる。建物の山際には水路跡が見られ、ため井のような円形石組みも確認された。

 

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

 

御日払所跡の山際に見られる水路跡。水をためるような円形の石組みも確認できる

御日払所跡の山際に見られる水路跡。水をためるような円形の石組みも確認できる

 

 板蔵は、御日払所の北側に位置。同様に礎石配列の痕跡が確認された。礎石と礎石の間の補強材、礎石の根石代替材として、れんがが利用されているのが特徴。れんがは高炉構築材の再利用と考えられる。

 

 御日払所、板蔵があった平場は石垣で囲まれ、その構築材には1871(明治4)年に操業をやめた二番高炉の石組みが再利用されている。明治の記録では板蔵が2階建てになっており、71年以降に平場石垣と建物が新築または改築された可能性が考えられるという。

 

御日払所跡の北側に位置する板蔵跡(約15坪)。所々にれんがが見られる

御日払所跡の北側に位置する板蔵跡(約15坪)。所々にれんがが見られる

 

御日払所、板蔵があった平場を囲む石垣。廃棄された二番高炉の石組みが再利用される

御日払所、板蔵があった平場を囲む石垣。廃棄された二番高炉の石組みが再利用される

 

 橋野高炉には1868(明治元)年に銭座が併設され、71年まで鋳銭が行われていた。御日払所では地元民が持ち込んでくる餅鉄を買い取っていたことも記録に残されている。今回の発掘調査でも、銭や銭ざお、餅鉄が出土。他に鉄製の平くぎ、舟くぎなどが見つかった。居宅跡周辺からは昭和初期の暮らしを物語る生活用品や薬瓶、一銭銅貨、五銭アルミ貨などの遺物が出ている。

 

出土した遺物は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで公開中

出土した遺物は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで公開中

 

銭と銭ざお(鋳型に流す湯道が冷えて固まった部分)。当時の鋳銭法を物語る

銭と銭ざお(鋳型に流す湯道が冷えて固まった部分)。当時の鋳銭法を物語る

 

 本年度は三番高炉跡周辺の試掘調査も実施。1956(昭和31)年に岩手大が主体となって行った発掘調査記録箇所の再確認と未調査箇所の地下遺構の有無を確認する試掘を行った。本格的な調査は来年度以降に行う予定。

釜石虎舞定期公演

釜石虎舞定期公演

釜石虎舞定期公演

 

今年度のSL銀河は、8月21日から運行していますが、10月2日からの毎週土曜日、釜石駅着便を虎舞で出迎えます。虎舞の演舞は、ホームで乗客を出迎えた後、下記日程でシープラザ釜石及びサン・フィッシュ釜石でも披露されます。

 

虎舞演舞

10月2日(土)シープラザ釜石〔錦町虎舞〕
10月9日(土)サン・フィッシュ釜石〔鵜住居虎舞〕
10月16日(土)シープラザ釜石〔尾崎町虎舞〕
10月30日(土)サン・フィッシュ釜石〔平田虎舞〕
11月6日(土)シープラザ釜石〔只越虎舞〕
11月20日(土)サン・フィッシュ釜石〔白浜虎舞〕

 

※開始時間:15時30分前後からを予定
※天候等により予告なしに変更・中止となる場合があります。
※車でお越しの方は、シープラザ釜石西側駐車場をご利用ください。

 

SL銀河の発着時間

 

土曜日 釜石駅着15:10(虎舞でお出迎え)
日曜日 釜石駅発9:57(大漁旗、かまリンでお見送り)

虎舞演舞の問合せ先

(一社)釜石観光物産協会(電話:0193-22-5835)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 観光物産係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021093000102/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜

秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜

秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜

 

陸中海岸青少年の家より
今年も、宮古市と盛岡市の間にある「区界高原」で、「兜明神岳登山」を行います。今年は、「見晴山」「兜明神岳」「岩神山」の3つの山を登ります!体力に自信のある方は、ぜひ3山制覇を!もちろん、ゆっくり登りたい方はすべての山を登らなくても大丈夫です。

 

秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜応募チラシ(PDF/704KB)

期日

2021年10月9日(土)
※予備日10月10日(日)

場所

区界高原少年自然の家スタート(宮古市区界2-111)

対象

小学生以上〜一般 30名程度

参加費

700円(傷害保険代、諸雑費等)

内容

区界高原にある見晴山・兜明神岳・岩神山の三山を登る。
※荒天などにより、内容を変更する場合があります。

申込期間

2021年9月21日(火)〜9月30日(木)
参加申込書に必要事項を記入の上、FAXかメール、郵送にてお申し込みください。

申し込み・問い合わせ

岩手県立陸中海岸青少年の家(マリンランド陸中)
〒028-1371岩手県下閉伊郡山田町船越2-42
TEL 0193-84-3311/FAX0193-84-3312
メール kenriturikurikuchu@echna.ne.jp

主催

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 陸中海岸青少年の家

 

このほか、日程や携行品などの詳細は応募チラシをご覧ください。
秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜応募チラシ(PDF/704KB)

青少年の家

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 岩手県立陸中海岸青少年の家

公式サイト / TEL 0193-84-3311 / FAX 0193-84-3312 〒028-1371 山田町船越2-42

釜石よいさの開幕は前囃子から。よいさ小町があでやかに舞う

コロナ下でも「さ~さ、よいやっさ~」 釜石よいさLIVE配信で心をつなぐ

オンライン配信した「みんなで踊ろう!よいさLIVE」=23日

オンライン配信した「みんなで踊ろう!よいさLIVE」=23日

 

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨夏に続き、釜石市中心部目抜き通りでの開催が中止された「釜石よいさ」。踊りを楽しむ機会を失った市内外の人たちにYouTube(ユーチューブ)チャンネルや地元ケーブルテレビ局の放送で〝よいさの夏〟を味わってもらおうと、23日、同実行委(岩城一哉実行委員長)が企画した番組が配信・放映された。

 

 番組は大町の市民ホールTETTOホールAから生中継。事前収録した映像を交え、1時間余りの番組を視聴者に届けた。冒頭で岩城実行委員長(34)は「2年間よいさから遠ざかり、寂しい思いをしている人たちに何か届けたいとオンライン企画を考えた。一緒に踊って楽しんで」と呼び掛けた。

 

 お囃子(はやし)隊22人とよいさ小町6人が前囃子を披露。例年、子供よいさに参加している市内の幼児施設4園(正福寺幼稚園、甲東こども園、上中島同、かまいし同)は、事前に録画した踊りで〝釜石っ子〟の元気を発信した。

 

釜石よいさの開幕は前囃子から。よいさ小町があでやかに舞う

釜石よいさの開幕は前囃子から。よいさ小町があでやかに舞う

 

市内の幼稚園、こども園の園児はVTR出演で番組を盛り上げた

市内の幼稚園、こども園の園児はVTR出演で番組を盛り上げた

 

 20~30代の若手が多い現実行委メンバーは、この機会に同祭りの歴史も知ろうと歴代関係者4人に事前インタビュー、番組内で紹介した。祭りを立ち上げた団体「釜石レボリューション」のメンバーだった澤田龍明さんは、当時の思いや郷土芸能「虎舞」をモチーフにした踊り創作など、「1万人の虎祭り」と銘打ったよいさの原点を語った。初代よいさ小町の樋岡悦子さん、東日本大震災で途絶えた祭り復活に尽力した「ネクスト釜石」の青木健一さん、君ヶ洞剛一さんも、それぞれに熱い思いを述べた。

 

メモリアルインタビューでは歴代関係者の思いを紹介した

メモリアルインタビューでは歴代関係者の思いを紹介した

 

 同祭りは、釜石製鉄所の高炉休止発表で沈滞ムードが漂うまちに活気を取り戻そうと1987(昭和62)年、地元の若者たちが中心となって始めた。震災の前年2010年まで連続24回開催。被災で存続が危ぶまれたが、「復興の原動力に」と有志による実行委が13年に復活させ、一昨年まで通算31回を数えた。

 

 番組の最後は視聴者と共に本囃子の踊りを楽しむコーナー。会場のスクリーンにはZoom(ズーム)で参加した市内の家族や、復興支援で祭りへの参加を続けてきた首都圏の企業の社員らの姿が映し出された。「来年こそは(通りでの祭りを)」と願いを込め、出演者と視聴者が心を通わせた。ユーチューブ視聴数は1千回を超えたという。

 

視聴者と踊る「みんなでよいさ」。各地のよいさファンが画面越しに楽しんだ

視聴者と踊る「みんなでよいさ」。各地のよいさファンが画面越しに楽しんだ

 

笑顔で躍動するよいさ小町。コロナ禍を忘れるひとときを届けた

笑顔で躍動するよいさ小町。コロナ禍を忘れるひとときを届けた

 

 よいさ小町で出演した三塚麻央さん(29)は「震災後、釜石を応援してくれる人たちに、また別の形でアピールできたのは良かった」と実行委に感謝。自身は幼稚園からよいさに参加。震災後は復活から3年間、小町を務めた。現在は2児の母親として子育てに奮闘する。「来年開催できれば、長女(4)が子供よいさに出る。すごく楽しみ。よいさが古里の思い出になるような祭りであってほしい」と願った。

 

「次の夏に会いましょう!」通常開催への願いを込め、手を振る出演者ら

「次の夏に会いましょう!」通常開催への願いを込め、手を振る出演者ら

 

 14年から実行委員として運営を支える佐々木慶太さん(30)は「コロナでみんな気分が沈みがち。少しでも元気を与え、通常開催ができるようになったら、また参加してもらえるよう気持ちをつなぎたかった。これからもできることをやって次世代によいさを継承していきたい」と意気込んだ。

オンライン配信「みんなで踊ろう!よいさLIVE」に向けたリハーサル=1日・TETTO

オンラインで楽しもう!「釜石よいさ」 TETTO会場から9月23日生配信

オンライン配信「みんなで踊ろう!よいさLIVE」に向けたリハーサル=1日・TETTO

オンライン配信「みんなで踊ろう!よいさLIVE」に向けたリハーサル=1日・TETTO

 

 釜石よいさ実行委員会(岩城一哉実行委員長)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止した今夏の祭りに替え、9月23日、釜石市大町の市民ホールTETTOから「みんなで踊ろう!よいさLIVE」をオンライン配信する。午後6時からの1時間番組で、同実行委YouTubeチャンネルのほか、地元ケーブルテレビ局・三陸ブロードネット(sbn)の自主放送「かもめチャンネル(11ch)」で視聴できる。

 

 例年8月上旬に大町、只越町の目抜き通りを会場に開かれる「釜石よいさ」は、新型コロナ感染症の影響で昨年、今年と2年連続で中止された。同実行委は、一昨年まで31回を数えた同祭りを何らかの形でつないでいきたいと代替企画を発案。sbnの協力を得て、オンラインでの番組生配信を行うことになった。

 

 番組はTETTOホールAのステージから送る。お囃子(はやし)隊約20人、よいさ小町6人が出演予定。小町による前囃子の踊り披露、本囃子の踊りのレクチャーなどに続き、事前収録したVTR(約25分)を放映。最後にZoom参加の団体や一般視聴者らと踊りを楽しむ時間を設ける。

 

当日はZoom参加の様子も映しながら、それぞれの場所で〝リモートよいさ〟を楽しんでもらう

当日はZoom参加の様子も映しながら、それぞれの場所で〝リモートよいさ〟を楽しんでもらう

 

 VTRでは、1987年に同祭りを始め、東日本大震災(2011年)前まで運営を担った「釜石レボリューション」の澤田龍明さん、初代よいさ小町の樋岡悦子さん、震災で途絶えた祭りの復活に尽力した「NEXT KAMAISHI(ネクスト釜石)」の青木健一さん、君ヶ洞剛一さんのインタビューのほか、子供よいさに参加している正福寺幼稚園、甲東こども園、かまいし同、上中島同の園児による踊りやメッセージを紹介する。

 

4人のインタビューで釜石よいさの歴史も伝える

4人のインタビューで釜石よいさの歴史も伝える

 

 岩城実行委員長(34)は「釜石よいさを築き上げてきた人たちから話を聞くことで、祭りの意義や目的を再認識し、今後につなげられたらと考えた。番組を通して、よいさへの思い、心を共有できれば」と話す。

 

 番組は、配信日直近の釜石保健所管内新型コロナ感染状況によっては中止となる場合がある。詳しくは同実行委公式サイトで確認を。

 

番組出演者、実行委メンバーら、本番に向け準備着々

 

VTR出演の収録に臨むかまいしこども園=1日

VTR出演の収録に臨むかまいしこども園=1日

 

 1日は、番組にVTR出演する市内のこども園が、踊りやメッセージの収録を行った。このうち、かまいしこども園(藤原けいと園長、園児79人)は市民ホールTETTO屋根のある広場に年長児23人が出向き、踊りを披露。sbnの制作スタッフが元気いっぱいに躍動する姿を映像に収めた。

 

カメラの前で元気いっぱいに踊る年長児

カメラの前で元気いっぱいに踊る年長児

 

子供よいさの模様は23日の配信、放送で見られる

子供よいさの模様は23日の配信、放送で見られる

 

 同園は例年、子供よいさに年少~年長児が参加。職員手作りの山車とともに祭りを盛り上げている。藤原園長は「釜石よいさは園にとっても夏の大イベント。通常の祭りができない寂しさはあるが、こういう形でも園児が踊れる場を設けていただき、ありがたい」と喜ぶ。コロナ禍で園行事もさまざまな制約を余儀なくされるが、「こんな時代でも子どもたちの思い出は減らしたくない。できることは経験させてあげたい」と思いを込める。

 

 同日夜には、ホールAで番組のリハーサルが行われた。お囃子隊とよいさ小町、実行委メンバーが当日の進行を確認。同ホール、sbnスタッフがカメラ割りや音声などをチェックした。

 

番組配信の打ち合わせを行う関係スタッフら

番組配信の打ち合わせを行う関係スタッフら

 

 お囃子に参加する千代川智紀さん(43)は市内の高齢者介護施設で働く。「釜石よいさは入居者さんも楽しみにしている祭り。コロナ禍で外出も控えざるを得ない今、画面越しでも季節感を届けられるのはいいこと。当日はみんなでよいさを楽しみましょう」と視聴を呼び掛ける。

 

中高生や社会人で結成するお囃子隊。太鼓や笛の音で釜石の元気を発信する

中高生や社会人で結成するお囃子隊。太鼓や笛の音で釜石の元気を発信する

 

前囃子の練習に励む「よいさ小町」の女性ら。艶やかな舞で番組を盛り上げる

前囃子の練習に励む「よいさ小町」の女性ら。艶やかな舞で番組を盛り上げる

 

 よいさ小町には新人2人が参加。昨年までよいさ中継でリポーターを務めてきたsbnの本田絵美アナウンサーは憧れだった小町に初挑戦。「夢中になって踊れるのですごく楽しい。気分が高揚する」と声を弾ませる。埼玉県出身で釜石生活5年目。「まちを挙げてよいさに取り組む姿、市民の一体感から『絶対に引き継ぐぞ』という強い意志を感じる」という。「コロナでうっ屈としている人も多い。配信、放送で元気を届け、コロナ収束後にはみんなで釜石の夏を盛り上げられるよう、しっかり務めたい」と本番に備える。

今年も中止が決まった「釜石まつり」。感染症が原因での中止は関係者も記憶にないと話す=写真:2019年

「釜石まつり」2年連続の中止に 新型コロナ感染拡大防止図る

今年も中止が決まった「釜石まつり」。感染症が原因での中止は関係者も記憶にないと話す=写真:2019年

今年も中止が決まった「釜石まつり」。感染症が原因での中止は関係者も記憶にないと話す=写真:2019年

 

 10月15~17日に予定されていた釜石市の「釜石まつり」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止される。6日に開かれた釜石まつり委員会(委員長=野田武則釜石市長)で決まった。2年連続の中止となる。

 

 釜石の秋を彩る同まつりは、尾崎神社(浜町)と釜石製鉄所山神社(桜木町)の合同祭。1967(昭和42)年の市制施行30周年を機に始まり、釜石湾内での曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)、両神社合同みこし渡御が呼び物の市内最大規模の祭りとして親しまれる。

 

 東日本大震災があった2011年にも合同祭の神事は行い、翌12年からは合同渡御も復活。まちの復興を後押ししてきたが、昨年春から続く新型コロナ感染症の影響で、今年の合同祭も見送られることになった。曳き船まつりは2019年も悪天候のため開催できず、3年連続という異例の中止となった。

 

大漁、海上安全などを祈願する「曳き船まつり」。来年こそはと願わずにはいられない=写真:2017年

大漁、海上安全などを祈願する「曳き船まつり」。来年こそはと願わずにはいられない=写真:2017年

 

 両神社はそれぞれ宵宮祭、例祭の神事を、規模を縮小して関係者のみで行う予定。

8年目の運行を開始した「SL銀河」。雄姿再び!

待ってた!お帰り!SL銀河 8年目の運行開始に沿線住民も笑顔

8年目の運行を開始した「SL銀河」。雄姿再び!

8年目の運行を開始した「SL銀河」。雄姿再び!

 

 JR釜石線(花巻―釜石間、90・2キロ)を走る蒸気機関車「SL銀河」は、21日から今季の運行を開始した。初日は「SL銀河東北DC結び号」として、特別に盛岡駅始発で釜石駅まで運行。沿線では、1年ぶりの運行を喜ぶ住民らが手旗を振って歓迎した。12月5日まで、毎週土・日曜日に上下32本の運行を予定する。

 

 東日本大震災で被災した東北の復興支援、地域活性化を目的に、2014年に運行を開始した「SL銀河」。例年は春の観光シーズン入りに合わせ、4月に運行を開始するが、今年は昨年の運行終了後、数年に一度の機関車の大規模な点検整備を実施したことで夏の開始となった。

 

 21、22の両日は、「東北デスティネーションキャンペーン(DC)」(4月1日~9月30日)のヘッドマークを付けて運行した。東北DCは、震災10年に合わせ、東北6県の自治体、観光関係者、JRなどが一体となって行う大型観光キャンペーンだが、新型コロナウイルス感染拡大により、各地で予定されていたイベントや周遊列車は相次いで中止に。同結び号には「駅や鉄道と地域を結ぶ架け橋に」との願いが込められた。

 

釜石駅に到着。周辺では市民らがお出迎え=21日

釜石駅に到着。周辺では市民らがお出迎え=21日

 

 21日は午前8時に盛岡駅を出発。午後3時10分に釜石駅に到着した。当初、各駅では郷土芸能やご当地キャラクターによるおもてなしを予定していたが、県独自の緊急事態宣言発出を受け、一部が取りやめになった。それでも、沿線住民らは列車の通過時に手を振るなど、精いっぱいの歓迎の気持ちを表した。

 

 八雲町の踏切で待ち構えた前田雄基君(釜石小6年)は、「釜石線からありがとう」「結(むすび)」などの文字が入った手旗を振って歓迎した。自宅は線路のすぐ近くで、「乗り鉄」「撮り鉄」「音鉄」を自称する大の鉄道好き。黒煙を上げる姿をタブレット端末に収め、「手を振ったら汽笛を鳴らしてくれた。乗客も手を振ってくれた」と大喜び。「やっぱりSLっていい。ずっと走ってほしい」と、隣に立つ母親と笑顔を重ねた。

 

 釜石駅では、例年行っている虎舞による歓迎は中止されたが、JR社員や観光関係者がホームで横断幕や大漁旗を掲げ、乗客を迎えた。長野県のホテル勤務の男性(30)は、観光業の視察を兼ねてSL銀河に初乗車。「(宮沢賢治の)『銀河鉄道の夜』の世界観が最高。子どもも大人も楽しめる」と感動。今年に入り4路線のSLに乗っており、「それぞれに違う魅力があるのが、SLの楽しみの1つ」と目を輝かせた。

 

対面ホームも使い、距離を取りながら乗客を歓迎

対面ホームも使い、距離を取りながら乗客を歓迎

 

旅の思い出に歓迎の様子をカメラに収める乗客

旅の思い出に歓迎の様子をカメラに収める乗客

 

 吉田正樹釜石駅長は「私たちも心待ちにしていた。乗客からも『やっと乗ることができた』という喜びが伝わってくる。コロナ禍で不安もあったが、お客様の笑顔が見られて何より」と一安心。8年目の運行に「SLの蒸気の音を聞くと元気がもらえるという声をよく耳にする。沿線住民にも乗ってもらい、素晴らしさを体験してほしい」と願う。

 

 SL銀河では、消毒液を用いた車内の拭き清掃、乗員、乗客のマスク着用、手指消毒、検温、停車駅での換気強化など感染防止策を徹底。人気の車内プラネタリウムは当面、休止するが、代わりにスマートフォンでQRコードを読み込むと、映像が見られるようにしている。

 

運行2日目 上り列車も市内各所で歓迎ムード 家族連れらが熱視線

 

上り運行で陸中大橋駅に入るSL銀河=22日

上り運行で陸中大橋駅に入るSL銀河=22日

 

 運行2日目22日は前日からの雨も上がり、市内の各駅や線路沿いのポイントで鉄道ファンや家族連れが花巻行きのSL銀河の到着、通過を待ちわびた。

 

 上りの始発・釜石駅の発車時刻は、昨年までと比べ約1時間早い午前9時57分になった。遠野駅での停車時間を約2時間と長くし、駅周辺観光を楽しんでもらう狙い。花巻駅には午後3時19分に到着する。

 

 仙人峠手前の陸中大橋駅には、午前10時29分の到着時刻を前に、市内や近隣市町から続々と見物客が訪れた。山の緑を背景に黒煙をたなびかせながら走る雄姿を写真に収めようと、周辺では思い思いのポイントでカメラを構える人の姿が。列車がホームに滑り込むと、集まった人たちが手を振って歓迎した。

 

到着した列車に手を振る家族連れら

到着した列車に手を振る家族連れら

 

 約10分の停車時間には、列車を降りた乗客が、周囲の景色とともに車体をカメラに収める光景も。山あいの無人駅がひととき華やいだ。

 

黒煙を上げる機関車の姿は、かつて大橋から鈴子に鉄鉱石を運んだ「釜石鉱山鉄道」時代をほうふつとさせる

黒煙を上げる機関車の姿は、かつて大橋から鈴子に鉄鉱石を運んだ「釜石鉱山鉄道」時代をほうふつとさせる

 

「よい旅を!」花巻に向け出発する列車を見送る

「よい旅を!」花巻に向け出発する列車を見送る

 

 遠野市の佐藤義孝(よしゆき)さん(45)、梨紗さん(35)夫妻は、愛娘の希空(のあ)ちゃん(1)を連れて来駅。「いつも遠くからは見ていたが、こんなに近くで見るのは初めて。すごい迫力。娘も汽笛の音にびっくりしていた」と堪能。職場が釜石という義孝さんは「沿線のまちを元気にする意味でも釜石線を走ってくれるのはいいこと」と歓迎。梨紗さんは「今度はぜひ乗ってみたい」と望んだ。

震災10年 600発の打ち上げ花火で犠牲者追悼~唐丹ゆめあかり~

震災10年 600発の打ち上げ花火で犠牲者追悼~唐丹ゆめあかり~

震災10年 600発の打ち上げ花火で犠牲者追悼~唐丹ゆめあかり~

 

 東日本大震災で大きな被害を受けた釜石市唐丹町で7日、犠牲者を追悼し、地域の安寧を祈る花火が打ち上げられた。震災以降、毎年夏に継続するイベント「唐丹ゆめあかり」(同実行委主催)の一環。約600発の花火が上がり、住民らは震災から10年となる特別な年にさまざまな思いを重ねながら、夜空を焦がす大輪の花を見つめた。

 

 花火は仙台市の芳賀火工(芳賀克司社長)によって、同町小白浜漁港で午後7時半から約15分間打ち上げられた。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、岸壁に集まる人は少なめだったが、漁港に面する高台の民家などから多くの住民が夏の風物詩に見入った。

 

小白浜漁港で打ち上げられた唐丹ゆめあかりの花火

小白浜漁港で打ち上げられた唐丹ゆめあかりの花火

 

唐丹の夜空を彩る花火に地元住民らが見入った

唐丹の夜空を彩る花火に地元住民らが見入った

 

 唐丹ゆめあかりは震災があった2011年にスタート。ペットボトルキャンドルを防潮堤など海岸エリアにともし、犠牲者の鎮魂と復興への祈りを込める場としてきた。13年には、東北の被災各地で花火を打ち上げるプロジェクト「LIGHT UP NIPPON」とのコラボも実現。市内外の支援者らの協力で、郷土芸能披露や縁日なども加えた復興イベントに発展してきたが、昨年、今年は新型コロナ感染防止のため、打ち上げ花火のみの実施となった。

 

 夏休み中の一関航帆君(唐丹中3年)は友人4人で岸壁から花火見物。「今までのように盛大にはできないけど、ほとんどのイベントが中止される中、こうやってきれいな花火が見られるのはうれしい」と笑顔。「震災10年という節目の年なので、これまで受けた支援を、今、災害とかで大変な地域に返していくことが大事」と思いを込めた。

 

震災犠牲者の鎮魂とともに、コロナの早期終息への願いが込められた花火

震災犠牲者の鎮魂とともに、コロナの早期終息への願いが込められた花火

 

 同花火の打ち上げは、16年から地域住民や地元企業、団体からの協賛金で支えられる。昨年はコロナ禍で実行委はイベント中止を決めていたが、例年打ち上げに協力している芳賀火工が支援を申し入れ、地域限定の〝サプライズ花火〟として実施された。

 

 唐丹地域会議の佐々木啓二議長(77)は「継続してこられたのは住民の力によるところが大きい。震災を風化させず、次の世代に伝えていこうとする気持ちの表れ」と実感。コロナ禍2年目の夏に、地元を離れる唐丹出身者にも思いを寄せ、「帰ってきたいだろうが、盆にも帰れない状況。震災10年だから地元の様子を見に行こうという人もいたと思う。非常に残念」と心を痛めた。