釜石「鉄の検定」成績優秀9人表彰 「アイアンマスター」今回は出ず
第14回「鉄の検定」上位入賞者ら=JR釜石駅前広場の大島高任像の前で
第14回「鉄の検定」(鉄のふるさと釜石創造事業実行委員会主催、釜石市文化振興課共催)の表彰式は15日、鈴子町のシープラザ釜石で行われ、小中学生、一般の上位9人に賞状や記念品が贈られた。100点満点を獲ると得られる称号「アイアンマスター」は前回、2人の中学生が初獲得。続く期待感もあったが、今回の参加者は「難しかった」と口をそろえていて、結果はやはり「対象者なし」だった。
今から160年以上前の安政4年12月1日(1858年1月15日)、大橋地区に建設された洋式高炉でわが国初の鉄鉱石精練による連続出銑(しゅっせん)に成功し、近代製鉄が始まった。近代日本の歩みが始まったともいえるこの日を記念し実施しているのが、鉄の検定。釜石の製鉄の歩みや関わった人物・施設の変遷はもちろん、世界の製鉄の歴史や地学、鉱物学など幅広い知識が問われる。
14回目の鉄検は昨年12月1日に行われ、184人が参加。ほとんどが児童・生徒で、一般は5人だった。小中学生は▽釜石の鉄の歴史▽鉄都釜石の偉人▽世界遺産・橋野鉄鉱山-に関する50問に挑戦し、解答時間は30分。一般は60分で、「鉄に関わる文化財」「明治時代の釜石と鉄」「田中製鉄所」など多岐にわたる80問に挑んだ。
小中学生、一般とも80点以上を2級、90点以上は1級、満点をアイアンマスターに認定。今回は1、2級の認定者は各1人で、いずれも中学生だった。
鉄検の入賞者らは晴れ晴れした表情を見せた=JR釜石駅前広場の大島高任像の前で
表彰式で、同実行委会長の野田武則市長があいさつ。「試験は難しかったようだが、難関を乗り越え素晴らしい成績を収めた。鉄とともに発展してきたまちの歴史を学び、さらに研究を深め、釜石の代表として鉄の発信に協力を」と期待した。
14回までの累計認定者は小・中学校の部が1級10人、2級56人。一般の部では1級11人、2級30人(いずれも延べ)と、市民の間で「超難関」とされているのがこの鉄検だ。そんな中、13回目でついにアイアンマスターが誕生、しかも2人。だが、昨年は新型コロナウイルス禍で表彰式を行わなかったこともあり、市民の多くは知らずにいる。
シープラザ釜石で行われた表彰式で、賞状を受け取る川端海惺君
前回、マスターの称号を得た川端海惺君(釜石中2年)は「今回も」と臨んだが、手に届かず、「ちょっと悔しい」と苦笑い。4回目の受検だったが、「今まで出たことのない問題があって難しかった」と振り返った。それでも、全受検者の最高得点となる96点を獲得し、「今まで頑張ってきたから」と達成感も得る。「難しさ」「挑戦者の少なさ」が鉄検の魅力だといい、「次こそは」と早くも気合十分。レベルの高い一般の部に参加できる日を待ち望んでもいて、「住んでいるまちの歴史を知ることができて面白い。知ったことを伝えることもできる」と熱を込めた。
上位入賞者は次の通り。
【小学校の部】
①川端俐湖(双葉小4年)②松田翔希(甲子小5年)③藤原七海(同)
【中学生の部】
①川端海惺(釜石中2年)=1級②佐藤靖都佳(同3年)=2級③森美惠(同2年)
【一般の部】
①谷藤稔②川畑郁美③佐々木真吾
釜石新聞NewS
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