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被災地釜石に復興の力を与えてきたSL銀河。その雄姿や汽笛の音に市民が元気をもらってきた

SL銀河 2023年春で運行終了 今季ラストランでファンから惜しむ声

2023年春の運行終了が発表されたSL銀河

2023年春の運行終了が発表されたSL銀河

 

 東日本大震災で被災した釜石市の復興に大きな力をもたらしてきた蒸気機関車「SL銀河」が、2023年春で運行を終了する。JR東日本盛岡支社が復興支援と地域活性化を目的に、14年4月から釜石線(花巻―釜石間、90・2キロ)で運行してきたが、旅客車が老朽化。部品調達が困難なため、運行終了を決断した。11月中旬の同社の発表以降、沿線住民や鉄道ファンからは「残念」との声が聞かれ、今季最終運行となった今月4、5の両日は停車駅や沿線に多くの人が詰めかけた。

 

 山あいの景色とSLのコラボ写真を目当てに鉄道ファンが集う釜石市西端の陸中大橋駅。今季最後の下り運行となった4日は、駅や周辺の撮影スポットで、県内外から訪れた多くの愛好家がカメラを構えた。

 

陸中大橋駅付近でSLの到着を待ちわびるファン

陸中大橋駅付近でSLの到着を待ちわびるファン

 

停車時間を利用して乗客もホームに降り、機関車の迫力をカメラに収める

停車時間を利用して乗客もホームに降り、機関車の迫力をカメラに収める

 

 久慈市の鹿島孝幸さん(46)は写真と動画の2本立て。「インスタグラムに載せる。SL銀河は魅力的な被写体。できれば機関車だけでも何とかして走らせてくれたら」と、いちるの望みをつなぐ。神奈川県川崎市の阿部貴志さん(44)は「ずっと撮りに来たいと思っていた。昔のブルートレインに似た客車が珍しい。なくなるのはもったいない」と話し、運行終了までに「一度は乗ってみたい」と願った。

 

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の世界観を醸す旅客車。機関車に引けをとらない人気

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の世界観を醸す旅客車。機関車に引けをとらない人気

 

 釜石駅では下り列車の到着時に、市内の虎舞団体によるお出迎えを継続してきた。4日は只越虎舞が威勢のいいお囃子と舞で乗客を歓迎。観光関係者らが釜石グッズや、買い物、宿泊施設で利用可能なクーポン券を配り、おもてなしの気持ちを表した。

 

対面ホームで演舞する虎舞に目がくぎ付け=4日、釜石駅

対面ホームで演舞する虎舞に目がくぎ付け=4日、釜石駅

 

市や釜石観光物産協会職員らが乗客をおもてなし

市や釜石観光物産協会職員らが乗客をおもてなし

 

 盛岡市の清水一博さん(44)は家族3人で初乗車。「仕事柄、新幹線移動が多いが、それとは違ってゆっくり流れる車窓からの景色が最高」と大喜び。「ずっと乗りたがっていた」という長女捺愛(なつめ)ちゃん(3)の願いをかなえるべく、今季ラスト運行に合わせ上下分の切符を取ったが、その後、運行終了のニュースを聞いてびっくり。「震災復興を盛り上げる源みたいなところがあった。寂しい」と残念がった。

 

 上り運行の5日は釜石駅に見送りの人たちが大勢集まった。今季の運行に感謝の横断幕を掲げる人、乗員に声をかけ労をねぎらう人。SL愛にあふれる人たちの熱気がホームいっぱいに広がった。釜石市民吹奏楽団有志は鉄道にちなんだ曲演奏で出発気分を盛り上げた。

 

SLの出発を演奏で盛り上げる釜石市民吹奏楽団有志=5日、釜石駅

SLの出発を演奏で盛り上げる釜石市民吹奏楽団有志=5日、釜石駅

 

SL銀河を愛するファンらが感謝のメッセージ

SL銀河を愛するファンらが感謝のメッセージ

 

運行開始から続く横断幕や大漁旗でのお見送り

運行開始から続く横断幕や大漁旗でのお見送り

 

 釜石駅でのお出迎え、お見送りを先導してきた釜石観光物産協会の澤田政男会長は「県外から人を呼び込むツールとして大きな力があっただけに(運行終了は)非常に残念。コロナ禍でダウンした観光の巻き返しを図ろうと思っていた矢先の発表。今後の影響が懸念される」とし、新たな観光振興策の模索を考える。

 

 SL銀河は、花巻市出身の童話作家宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」をモチーフに列車全体をプロデュース。機関車(C58形239号機)は1972年まで山田線や釜石線などで運行し、後に県営運動公園で展示保存されていたものを復元。旅客車(キハ141系)はJR北海道から譲渡された車両を改造。急勾配のある路線でSL運転を可能にするエンジン付き車両で、機関車との協調運転により、春から初冬にかけ土・日曜を中心に運行してきた。

 

被災地釜石に復興の力を与えてきたSL銀河。その雄姿や汽笛の音に市民が元気をもらってきた

被災地釜石に復興の力を与えてきたSL銀河。その雄姿や汽笛の音に市民が元気をもらってきた

 

 花巻市の高橋弘喜さん(60)は運行開始からSL銀河を追っかけ、写真を撮り続けてきた1人。「列車と共に沿線の風景の素晴らしさ、人の良さなど多くの魅力を再発見させてもらった」。新型コロナウイルス禍で仕事も大変だったこの2年は「SLを見て勇気づけられてきた」という。「釜石線は交通の難所を克服し、鉄道が開通したころのロケーションを今に残す貴重な場所。急勾配の峠をSLが走って見せてくれるところはここしかない」と特異性を示し、「夢はまだ捨てていない。また新たな形で走ってくれることを願っている」と希望を込めた。

ポニーに乗って海辺を散歩=根浜あおぞらパーク

根浜の海辺をポニーで散歩!あおぞらパーク初の試みで子どもたち笑顔

ポニーに乗って海辺を散歩=根浜あおぞらパーク

ポニーに乗って海辺を散歩=根浜あおぞらパーク

 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でストレスを抱えがちな子どもたちに安全安心な遊び場を提供する「根浜あおぞらパーク」(同実行委主催)は11月21日、釜石市鵜住居町の根浜海岸でポニーとの触れ合い体験を行った。海水浴場のオフシーズンを利用し、初めて開催。ポニーの背にまたがり、普段とは違う目線で海の景色を楽しんだ。

 

 橋野町でホースセラピー事業などを手掛ける一般社団法人三陸駒舎理事の黍原豊さん(44)が協力。飼育する馬3頭のうち、雌のポニー笑馬(えま)ちゃん(8)が子どもたちを迎えた。参加者は代わる代わる乗馬し、砂浜を往復。天気に恵まれたこの日は目にも鮮やかな美しい海辺風景が広がり、心地よい揺れに身をまかせながら散歩を楽しんだ。

 

乗せてもらう前に「よろしくね~」とごあいさつ。馬のぬくもりは心の安らぎも生む

乗せてもらう前に「よろしくね~」とごあいさつ。馬のぬくもりは心の安らぎも生む

 

馬との触れ合いは子どもの成長に大きな効果が。海での乗馬で特別な思い出も作った

馬との触れ合いは子どもの成長に大きな効果が。海での乗馬で特別な思い出も作った

 

 甲子町の萬大樹君(4)は「(馬上から見る)景色がきれい。楽しかった。お馬さん大好き」と目を輝かせた。母如子(ゆきこ)さん(34)は、四つんばいになり馬のまねをする大樹君の姿にほほ笑み、「自然や動物との触れ合いの場はありがたい」と喜んだ。

 

 海岸での乗馬体験企画は黍原さん自身も初めて。「波の音を聞きながら(馬と一体となって)揺れる感覚は、すごく気持ちいいのでは。根浜の風景にもなじむ」と話し、海辺ならではの効果を感じていた。

 

笑馬ちゃんも黍原さんの誘導で初めての海を体験

笑馬ちゃんも黍原さんの誘導で初めての海を体験

 

 あおぞらパークは一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校(伊藤聡代表理事)など7団体が実行委を組織し、昨年5月にスタート。医師のアドバイスを受けた感染症対策を講じ、冬季を除く毎週土、日曜に開設してきた。2年目の本年はコロナ感染拡大に伴う県の緊急事態宣言で8、9月は休止したが、10月から再開。予定していた11月までに全19回を開催した。

 

 実行委はこのほど、今後について話し合う会議を開き、感染の局面や求められるニーズの変化などから本年をもって事業を終了することを決定。12月末に根浜シーサイドレストハウスでラストパークを開き、参加者と思い出などを語り合う。詳細は同パークのフェイスブックで告知する予定。

普段は公開されていない収蔵品も見られる企画展

12月1日は「鉄の記念日」 近代製鉄発祥の地・釜石で関連イベント多数開催

「鉄の記念日」にちなんだ企画展=鉄の歴史館

「鉄の記念日」にちなんだ企画展=鉄の歴史館

 

 12月1日は「鉄の記念日」。江戸時代末期の1857(安政4)年12月1日、大島高任が現釜石市甲子町大橋に建設した洋式高炉で日本初の鉄鉱石を用いた製鉄(連続出銑)に成功したことにちなみ、日本鉄鋼連盟が1958(昭和33)年に制定した。同市では記念日の前後1週間を「鉄の週間」として、鉄にまつわる各種イベントを開催している。

 

 大平町の鉄の歴史館では11月27日、名誉館長の小野寺英輝さん(岩手大理工学部准教授)による講演会が開かれた。釜石から複数の技術者が派遣された官営八幡製鉄所(現北九州市)が開業120年を迎えるにあたり、「釜石の技術が八幡でどう生かされたのか」にスポットをあてた。

 

「必要とされた釜石の製鉄技術」と題し講演する小野寺英輝名誉館長(岩手大理工学部准教授)

「必要とされた釜石の製鉄技術」と題し講演する小野寺英輝名誉館長(岩手大理工学部准教授)

 

 八幡製鉄所はドイツの最新技術や設備を導入し、1901(明治34)年2月に操業を開始したが、過多な銑鉄生産で在庫が過剰となり、稼働停止命令が下された。04(同37)年4月に第2次操業を開始するも、わずか17日で高炉が閉塞。低品質のコークス、人的ミスによる送風の停止などが要因とされた。対策を託されたのが、釜石鉱山田中製鉄所で木炭からコークス銑生産への移行に成功した野呂景義。関係設備の改善で良質なコークスの安定供給が可能となり、わずか2か月後に第3次操業が開始された。野呂は後に高炉の大改修も行い、八幡を一大製鉄所に押し上げた。

 

 小野寺さんは、創業のため釜石から派遣された6人の技術者についても紹介。いずれも工手学校や帝国大工科大を卒業、実践的職能を身に付けた人たちで、こうした人材が各地の工業の最前線に立つことで、日本の近代化が推し進められていったことも説明した。「釜石の技術が本格的銑鋼一貫製鉄所の稼働に果たした役割は大きい。特に野呂は近代化を急ぐ日本にとって、なくてはならない技術の持ち主であった」と強調した。

 

釜石の技術が八幡製鉄所発展の礎を築いたことを学ぶ講演会の聴講者

釜石の技術が八幡製鉄所発展の礎を築いたことを学ぶ講演会の聴講者

 

 鉄の歴史館では特別企画展「釜石から八幡へ―日本の製鉄、近代化の軌跡―」を開催中。大島高任の長男で、八幡製鉄所の初代技監として創業に尽力した道太郎が1897(明治30)年、同製鉄所建設に関する出張中にベルリンから投函した英文の手紙、田中製鉄所で野呂景義が設計したコークス窯の下部構造と考えられるれんがの一部(日本製鉄所蔵)など普段は公開されない資料、八幡と釜石の関わりを解説したパネルなどが並ぶ。来年1月10日まで開催(毎週火曜日、12月29日~1月3日休館)。

 

普段は公開されていない収蔵品も見られる企画展

普段は公開されていない収蔵品も見られる企画展

 

 

 甲子町大橋の国登録有形文化財「旧釜石鉱山事務所」は、1951(昭和26)年の建設から70年を迎えた。その歴史をたどる企画展が12月6日まで開かれている。建物は54(同29)年に西側を増築した形状が今に残り、2008(平成20)年に寄贈を受けた釜石市が、昭和の事務所を再現した展示や貴重な鉱山関連資料を一般公開している。

 

建設から70年を迎えた「旧釜石鉱山事務所」

建設から70年を迎えた「旧釜石鉱山事務所」

 

 鉄筋コンクリート(外壁は型枠コンクリートブロック)造り、2階建ての建物は、日鉄鉱業が釜石鉱業所総合事務所として建設。1979(昭和54)年、子会社・釜石鉱山の設立で同総合事務所となった。2007(平成19)年、事務所を大松に移転後、日鉄鉱業が建物を市に寄贈。市は09(同21)年から、寄託された鉱山関連の資料を展示公開する施設として運営を始めた。建物は13(同25)年に国登録有形文化財(建造物)に指定されている。

 

釜石鉱山事務所が歩んだ歴史を紹介する企画展

釜石鉱山事務所が歩んだ歴史を紹介する企画展

 

 

 企画展では、大島高任が洋式高炉による連続出銑に成功して以降の鉱山の歴史をなぞりながら、各時代の事務所の場所や形状をパネルで解説。鉱山の経営移管に伴う事務所の変遷が分かる興味深い展示となっている。現建物に関する資料では、建設時の設計図面、その後の増築や外壁塗装工事などの関連書類のほか、昭和20、40年代の事務所内部の写真も公開されている。

 

 今後予定される鉄の週間行事は下記の通り。
◆12/4(土)午前10時~・釜石PIT 鉄の学習発表会(録画公開)
◆12/5(日)、6(月)午前9時~・鉄の歴史館 県指定文化財「紙本両鉄鉱山御山内並高炉之図」(幕末の高炉操業の絵巻)公開
◆12/5(日)午後1時半~・市立図書館 市民教養講座「鉄の町かまいし歴史講座」
 *同館で14日(火)まで「鉄の記念日図書展」開催(月曜休館)
◆12/5(日)まで・シープラザ釜石 鉄のパネル展
◆12/7(火)まで・橋野鉄鉱山インフォメーションセンター 橋野高炉跡発掘調査速報展(御日払所跡出土資料の展示)
◆12/26(日)まで・市郷土資料館 企画展「古銭(おかね)のはなし」

震災ガイドで伝えるべき基本事項を受講者に解説する瀬戸元さん(左から2人目)

釜石来訪者のおもてなし強化へ 観光ガイド会新人6人が養成講座修了

釜石観光ガイド養成講座の現地研修=13日

釜石観光ガイド養成講座の現地研修=13日

 

 釜石市の釜石観光ガイド会(三浦達夫会長、27人)は14日、10月から開いてきたガイド養成講座の全日程を終えた。公募で集まった40~60代の男女6人が受講。今後、先輩ガイドの補助を受けながら実習を重ね、独り立ちを目指す。同会には世界遺産「橋野鉄鉱山」や東日本大震災、まちなかガイドなど多様な依頼が寄せられる。会では新人6人の活動に期待し、釜石のさらなる魅力発信に取り組んでいく考えだ。

 

 同会のガイド会員確保のための養成講座は、ほぼ隔年で行われる。10期目となる今回は10月2日から11月14日まで全7回の日程で実施。現会員が講師となり、ガイドの心構え、同市の歴史、観光名所に加え、釜石を発展させた製鉄業の歴史、東日本大震災の被災・復興状況、三陸ジオパークなどについて座学と現地研修を行った。

 

両石町の震災慰霊碑(18年建立)前での研修

両石町の震災慰霊碑(18年建立)前での研修

 

現会員を含む10人が参加し、知識を深めた

現会員を含む10人が参加し、知識を深めた

 

 現地研修最終日の13日は、甲子町の旧釜石鉱山事務所など製鉄業の関連遺産を巡った後、震災研修として両石町の慰霊碑、鵜住居町の祈りのパーク、いのちをつなぐ未来館などを訪問。受講者の八幡恵史さん(48、橋野町)、小笠原明彦さん(65、同)、岩間ゆかりさん(59、中妻町)が、会員からガイドをする際に伝えるべきポイントや分かりやすい説明の仕方を学んだ。

 

 震災研修で講師を務めた瀬戸元さん(76)は各地の被災状況とともに、明治、昭和の三陸大津波の歴史も紹介。先人が伝えてきた津波の教訓“命てんでんこ”や沿岸部に残る津波石碑の重要性を改めて説き、「先人の教訓を生かし切れなかったのが今回の震災。話を聞く人が確実な避難行動をとれるように導くのもガイドの役割」と教えた。

 

鵜住居町の祈りのパークでは、震災犠牲者に手を合わせてから説明を始めることを教えた

鵜住居町の祈りのパークでは、震災犠牲者に手を合わせてから説明を始めることを教えた

 

震災ガイドで伝えるべき基本事項を受講者に解説する瀬戸元さん(左から2人目)

震災ガイドで伝えるべき基本事項を受講者に解説する瀬戸元さん(左から2人目)

 

 受講者の岩間さんは「震災を経験し、微力ながら自分も伝承という部分で釜石のために役立つことができれば」と応募。一連の講座を終え、「すごく勉強になった。まだ不安のほうが大きくイメージは湧かないが、会員として長く活動できるように頑張りたい」と意欲を示した。

 

 同会のガイド分野は、2011年の東日本大震災、13年の「三陸ジオパーク」認定、15年の「橋野鉄鉱山」世界遺産登録により、この10年で大幅に拡大。依頼者の増加、ニーズの多様化に対応するには、会員の能力向上と人員確保が求められる。会員の瀬戸さんは「新人の加入はありがたい。会員の高齢化もあり、引き継いでいく人材が必要。何回も数をこなすことで自信も生まれてくると思うので、ぜひ戦力になり第一線で活躍してほしい。個性を生かしながら活動してもらえれば」と願った。

 

 14日は修了式が行われ、受講者に修了証を交付。活動時に着用するユニフォームが貸与された。

親子でエンジョイ 1day 夜釣り

【初心者大歓迎】親子でエンジョイ 1day 夜釣り

親子でエンジョイ 1day 夜釣り

 

開催要項・参加申込書チラシ(PDFファイル/334KB)

目的

海での親子共同体験活動を通して、親子のふれあいを深める。

内容

山田町船越漁港での夜釣り体験(そい・どんこ等) ※堤防釣り

期日

令和3年11月20日(土) ※状況により中止の場合があります。

対象・定員

小・中学生の子どもを持つ親子 定員30人ほど

日程

15:00 受付(船越漁港に集合)
15:30~ 釣り開始(船越漁港) ※夕飯はお弁当を配布
20:30 釣り終了(船越漁港にて解散)

参加費

1人 1,500円(仕掛け、釣り餌、弁当代、保険料等)

携行品等

□釣り道具(竿・リール等) ※貸出可能
□マスク
□防寒具・雨具(カッパ等)
□手袋(軍手)
□釣った魚を入れるクーラーボックスなど
□飲み物(温かいものをおすすめします)
□その他(個人で必要と思われるもの)

申込方法

メール、FAX、郵便でお申し込みください。
 
岩手県立陸中海岸青少年の家(マリンランド陸中)
〒028-1371 岩手県下閉伊郡山田町船越2-42
TEL 0193-84-3311
FAX 0193-84-3312
メール kenriturikuchu@echna.ne.jp

募集期間

10月29日(金)〜11月12日(金)

その他

・参加決定後に参加できなくなった場合は、早めに連絡をお願いします。
・11月18日(木)17:00以降のキャンセルは参加料をいただきますのでご了承願います。
・仕掛けや餌等はこちらで準備しますが、ご持参いただいても構いません。
・イベント終了後に陸中海岸青少年の家に宿泊する事ができます。(素泊まり 1人130円)

主催

(公財)岩手県スポーツ振興事業団・陸中海岸青少年の家

青少年の家

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 岩手県立陸中海岸青少年の家

公式サイト / TEL 0193-84-3311 / FAX 0193-84-3312 〒028-1371 山田町船越2-42

霞露ヶ岳(かろがだけ)トレッキング

霞露ヶ岳(かろがだけ)トレッキング

霞露ヶ岳(かろがだけ)トレッキング

 

山田町船越半島の最高峰「霞露ヶ岳(かろがたけ)」のトレッキングを行います。“海抜0メートルから登れる山”として知られていますが、今回は海抜0メートルへ下ります。ゴールの漉磯海岸(すくいそかいがん)は、目の前に広がる太平洋の海原とビーチの開放感が最高です。三陸の海と紅葉のコラボレーションを味わうのにも絶好の機会です。

期日

2021年11月6日(土)
※荒天候による予備日11月7日(日)

場所

霞露ヶ岳(山田町船越)
※集合場所は青少年の家、全員バス乗車で現地へ向かいます。

対象

小学生以上〜一般 30名程度

参加費

400円(傷害保険代、諸雑費等)

内容

みちのく潮風トレイルの山田町ルート「霞露ヶ岳(標高508m)」の自然散策
8:00集合・出発~ 9:30開始~ 11:30山頂~ 13:00下山・昼食~ 15:30帰所・解散

申込期間

2021年10月13日(水)〜10月27日(水)
参加申込書に必要事項を記入の上、FAXかメール、郵送にてお申し込みください。

申し込み・問い合わせ

岩手県立陸中海岸青少年の家(マリンランド陸中)
〒028-1371岩手県下閉伊郡山田町船越2-42
TEL 0193-84-3311/FAX0193-84-3312
メール kenriturikurikuchu@echna.ne.jp

主催

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 陸中海岸青少年の家

青少年の家

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 岩手県立陸中海岸青少年の家

公式サイト / TEL 0193-84-3311 / FAX 0193-84-3312 〒028-1371 山田町船越2-42

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

コロナ禍でみこし渡御中止も神事で平穏祈る~尾崎神社例祭~

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

 

 釜石市の尾崎神社と日本製鉄釜石製鉄所山神社の合同祭「釜石まつり」は、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年に続き、みこし渡御が中止された。両神社は16日、それぞれに例祭の神事を実施。「来年こそは」と願いを込めながら、コロナの完全終息、景気回復、住民の無事などを切に祈った。

 

 浜町の尾崎神社(佐々木裕基宮司)では15日に宵宮祭、16日に例祭神事を行った。神事には関係者22人が参列。宮司、献幣使が神前に祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。終了後、あいさつした佐々木宮司は「来年こそは、みこしに神様の御霊を乗せて釜石のまちを歩き、多くの方々に拝んでいただきたい。より豊かな秋をみんなで迎えられたら」と願った。

 

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

 

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

 

 尾崎神社の渡御行列は300年の歴史を誇る。釜石製鉄所山神社との合同渡御は、釜石市制施行30周年の1967(昭和42)年から行われ、市内最大規模の秋祭りとして定着。市内外から見物客を集めるが、新型コロナ感染症の収束が見込めず、今年も合同みこし渡御、曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)共に開催を断念した。

 

 尾崎神社の責任役員で祭典委員長の浜川幸雄さん(76)は「(2年連続の渡御中止は)非常に残念だが、致し方ない。何とかコロナも収束に向かっているよう。人類はこれまでもさまざまな細菌と戦ってきた。いかに知恵を振り絞って戦うかだ。来年は、状況が良くなっていることを期待したい」と話した。

 

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

 

 同神社のみこし担ぎ手団体「輿衆(よしゅう)会」の川畑裕也会長(59)は「みこしはどうしても密になってしまうのでやむを得ない。早く平常に戻って、みんなでにぎやかに祭りができるよう祈るばかり。間が空くと会員離れにもつながる。尾崎神社は大みこしなので、担ぐにはそれなりの人数が必要」と担ぎ手不足も心配した。

 

釜石LC会員が境内をきれいに 尾崎神社例祭前に恒例の清掃活動

 

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

 

 釜石ライオンズクラブ(蓙谷兼明会長、会員40人)は9日、例祭を控えた尾崎神社で清掃奉仕活動を行った。10月8日の「世界ライオンズ奉仕デー」にちなんだ毎年恒例の活動。会員9人が境内と周辺の道路で、ごみや落ち葉を回収した。

 

 神社境内や参道の木々は紅葉が始まり、各所に落ち葉が散らばっていた。会員らはほうきや熊手で丁寧に葉をかき集め、参拝者の歩行や車両の通行に支障が出ないようにした。約1時間半の清掃で、周辺はすっきりとした景観を取り戻し、例祭を迎える準備が整った。

 

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

 

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

 

 蓙谷会長(55)は「由緒正しいこの神社を清めるのは、私たち会員にとってもありがたいこと。世界のライオンズクラブは『奉仕の精神』を掲げ、地域に貢献する活動を行っている。コロナ禍で活動の自粛が続いていたので、今日は会員同士が顔を合わせる機会にもなりうれしい」と喜んだ。

 

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

 

 結成56周年を迎える同クラブは、年内に市立図書館への本の寄贈、地元サッカースポーツ少年団の大会への協賛、クリスマス献血キャンペーンへの協力などを予定する。

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

橋野鉄鉱山高炉場「御日払所跡」を発掘調査 建物の痕跡を確認

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会=2日

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会=2日

 

 釜石市が7月から発掘調査を行う、世界遺産「橋野鉄鉱山」高炉場跡内の「御日払所跡」で2日、調査結果を報告する一般向けの現地説明会が開かれた。同調査は、市が2018年から進める「橋野高炉跡範囲内容確認調査」の一環。御日払所では労働者への賃金の支払い、採掘場から運ばれた鉄鉱石や生産された銑鉄の管理などが行われていた。今回の発掘調査では、建物の礎石や水路の痕跡を確認。出土した遺物は、同鉄鉱山インフォメーションセンターで公開されている。

 

 発掘調査は、江戸末期(1860年代前半)の高炉絵巻に描かれている「御日払所、板蔵(倉庫)、土蔵」の位置と各建物の規模を確認するために実施。説明会では、調査を担当する市世界遺産課の髙橋岳主査が成果などを示した。

 

「橋野鉄鉱山惣御山内略図」(絵巻)に描かれている御日払所など(図右上)

「橋野鉄鉱山惣御山内略図」(絵巻)に描かれている御日払所など(図右上)

 

 1892(明治25)、94(同27)年の建物記録に「平屋(御日払所)68坪、板蔵15坪、土蔵6坪」の記載があることから、推定される範囲を発掘。御日払所は礎石配列の痕跡が一部確認された。同所には昭和初期に地元住民が居宅を構えており、建物登記に27坪と記載がある。調査では、その礎石配列が多く遺存していることが分かった。明治期の御日払所の礎石の大半は、昭和期の居宅用に転用された可能性があるとみられる。建物の山際には水路跡が見られ、ため井のような円形石組みも確認された。

 

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

 

御日払所跡の山際に見られる水路跡。水をためるような円形の石組みも確認できる

御日払所跡の山際に見られる水路跡。水をためるような円形の石組みも確認できる

 

 板蔵は、御日払所の北側に位置。同様に礎石配列の痕跡が確認された。礎石と礎石の間の補強材、礎石の根石代替材として、れんがが利用されているのが特徴。れんがは高炉構築材の再利用と考えられる。

 

 御日払所、板蔵があった平場は石垣で囲まれ、その構築材には1871(明治4)年に操業をやめた二番高炉の石組みが再利用されている。明治の記録では板蔵が2階建てになっており、71年以降に平場石垣と建物が新築または改築された可能性が考えられるという。

 

御日払所跡の北側に位置する板蔵跡(約15坪)。所々にれんがが見られる

御日払所跡の北側に位置する板蔵跡(約15坪)。所々にれんがが見られる

 

御日払所、板蔵があった平場を囲む石垣。廃棄された二番高炉の石組みが再利用される

御日払所、板蔵があった平場を囲む石垣。廃棄された二番高炉の石組みが再利用される

 

 橋野高炉には1868(明治元)年に銭座が併設され、71年まで鋳銭が行われていた。御日払所では地元民が持ち込んでくる餅鉄を買い取っていたことも記録に残されている。今回の発掘調査でも、銭や銭ざお、餅鉄が出土。他に鉄製の平くぎ、舟くぎなどが見つかった。居宅跡周辺からは昭和初期の暮らしを物語る生活用品や薬瓶、一銭銅貨、五銭アルミ貨などの遺物が出ている。

 

出土した遺物は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで公開中

出土した遺物は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで公開中

 

銭と銭ざお(鋳型に流す湯道が冷えて固まった部分)。当時の鋳銭法を物語る

銭と銭ざお(鋳型に流す湯道が冷えて固まった部分)。当時の鋳銭法を物語る

 

 本年度は三番高炉跡周辺の試掘調査も実施。1956(昭和31)年に岩手大が主体となって行った発掘調査記録箇所の再確認と未調査箇所の地下遺構の有無を確認する試掘を行った。本格的な調査は来年度以降に行う予定。

釜石虎舞定期公演

釜石虎舞定期公演

釜石虎舞定期公演

 

今年度のSL銀河は、8月21日から運行していますが、10月2日からの毎週土曜日、釜石駅着便を虎舞で出迎えます。虎舞の演舞は、ホームで乗客を出迎えた後、下記日程でシープラザ釜石及びサン・フィッシュ釜石でも披露されます。

 

虎舞演舞

10月2日(土)シープラザ釜石〔錦町虎舞〕
10月9日(土)サン・フィッシュ釜石〔鵜住居虎舞〕
10月16日(土)シープラザ釜石〔尾崎町虎舞〕
10月30日(土)サン・フィッシュ釜石〔平田虎舞〕
11月6日(土)シープラザ釜石〔只越虎舞〕
11月20日(土)サン・フィッシュ釜石〔白浜虎舞〕

 

※開始時間:15時30分前後からを予定
※天候等により予告なしに変更・中止となる場合があります。
※車でお越しの方は、シープラザ釜石西側駐車場をご利用ください。

 

SL銀河の発着時間

 

土曜日 釜石駅着15:10(虎舞でお出迎え)
日曜日 釜石駅発9:57(大漁旗、かまリンでお見送り)

虎舞演舞の問合せ先

(一社)釜石観光物産協会(電話:0193-22-5835)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 観光物産係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021093000102/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜

秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜

秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜

 

陸中海岸青少年の家より
今年も、宮古市と盛岡市の間にある「区界高原」で、「兜明神岳登山」を行います。今年は、「見晴山」「兜明神岳」「岩神山」の3つの山を登ります!体力に自信のある方は、ぜひ3山制覇を!もちろん、ゆっくり登りたい方はすべての山を登らなくても大丈夫です。

 

秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜応募チラシ(PDF/704KB)

期日

2021年10月9日(土)
※予備日10月10日(日)

場所

区界高原少年自然の家スタート(宮古市区界2-111)

対象

小学生以上〜一般 30名程度

参加費

700円(傷害保険代、諸雑費等)

内容

区界高原にある見晴山・兜明神岳・岩神山の三山を登る。
※荒天などにより、内容を変更する場合があります。

申込期間

2021年9月21日(火)〜9月30日(木)
参加申込書に必要事項を記入の上、FAXかメール、郵送にてお申し込みください。

申し込み・問い合わせ

岩手県立陸中海岸青少年の家(マリンランド陸中)
〒028-1371岩手県下閉伊郡山田町船越2-42
TEL 0193-84-3311/FAX0193-84-3312
メール kenriturikurikuchu@echna.ne.jp

主催

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 陸中海岸青少年の家

 

このほか、日程や携行品などの詳細は応募チラシをご覧ください。
秋の区界 三山制覇〜見晴山・兜明神岳・岩神山〜応募チラシ(PDF/704KB)

青少年の家

(公財)岩手県スポーツ振興事業団 岩手県立陸中海岸青少年の家

公式サイト / TEL 0193-84-3311 / FAX 0193-84-3312 〒028-1371 山田町船越2-42

釜石よいさの開幕は前囃子から。よいさ小町があでやかに舞う

コロナ下でも「さ~さ、よいやっさ~」 釜石よいさLIVE配信で心をつなぐ

オンライン配信した「みんなで踊ろう!よいさLIVE」=23日

オンライン配信した「みんなで踊ろう!よいさLIVE」=23日

 

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨夏に続き、釜石市中心部目抜き通りでの開催が中止された「釜石よいさ」。踊りを楽しむ機会を失った市内外の人たちにYouTube(ユーチューブ)チャンネルや地元ケーブルテレビ局の放送で〝よいさの夏〟を味わってもらおうと、23日、同実行委(岩城一哉実行委員長)が企画した番組が配信・放映された。

 

 番組は大町の市民ホールTETTOホールAから生中継。事前収録した映像を交え、1時間余りの番組を視聴者に届けた。冒頭で岩城実行委員長(34)は「2年間よいさから遠ざかり、寂しい思いをしている人たちに何か届けたいとオンライン企画を考えた。一緒に踊って楽しんで」と呼び掛けた。

 

 お囃子(はやし)隊22人とよいさ小町6人が前囃子を披露。例年、子供よいさに参加している市内の幼児施設4園(正福寺幼稚園、甲東こども園、上中島同、かまいし同)は、事前に録画した踊りで〝釜石っ子〟の元気を発信した。

 

釜石よいさの開幕は前囃子から。よいさ小町があでやかに舞う

釜石よいさの開幕は前囃子から。よいさ小町があでやかに舞う

 

市内の幼稚園、こども園の園児はVTR出演で番組を盛り上げた

市内の幼稚園、こども園の園児はVTR出演で番組を盛り上げた

 

 20~30代の若手が多い現実行委メンバーは、この機会に同祭りの歴史も知ろうと歴代関係者4人に事前インタビュー、番組内で紹介した。祭りを立ち上げた団体「釜石レボリューション」のメンバーだった澤田龍明さんは、当時の思いや郷土芸能「虎舞」をモチーフにした踊り創作など、「1万人の虎祭り」と銘打ったよいさの原点を語った。初代よいさ小町の樋岡悦子さん、東日本大震災で途絶えた祭り復活に尽力した「ネクスト釜石」の青木健一さん、君ヶ洞剛一さんも、それぞれに熱い思いを述べた。

 

メモリアルインタビューでは歴代関係者の思いを紹介した

メモリアルインタビューでは歴代関係者の思いを紹介した

 

 同祭りは、釜石製鉄所の高炉休止発表で沈滞ムードが漂うまちに活気を取り戻そうと1987(昭和62)年、地元の若者たちが中心となって始めた。震災の前年2010年まで連続24回開催。被災で存続が危ぶまれたが、「復興の原動力に」と有志による実行委が13年に復活させ、一昨年まで通算31回を数えた。

 

 番組の最後は視聴者と共に本囃子の踊りを楽しむコーナー。会場のスクリーンにはZoom(ズーム)で参加した市内の家族や、復興支援で祭りへの参加を続けてきた首都圏の企業の社員らの姿が映し出された。「来年こそは(通りでの祭りを)」と願いを込め、出演者と視聴者が心を通わせた。ユーチューブ視聴数は1千回を超えたという。

 

視聴者と踊る「みんなでよいさ」。各地のよいさファンが画面越しに楽しんだ

視聴者と踊る「みんなでよいさ」。各地のよいさファンが画面越しに楽しんだ

 

笑顔で躍動するよいさ小町。コロナ禍を忘れるひとときを届けた

笑顔で躍動するよいさ小町。コロナ禍を忘れるひとときを届けた

 

 よいさ小町で出演した三塚麻央さん(29)は「震災後、釜石を応援してくれる人たちに、また別の形でアピールできたのは良かった」と実行委に感謝。自身は幼稚園からよいさに参加。震災後は復活から3年間、小町を務めた。現在は2児の母親として子育てに奮闘する。「来年開催できれば、長女(4)が子供よいさに出る。すごく楽しみ。よいさが古里の思い出になるような祭りであってほしい」と願った。

 

「次の夏に会いましょう!」通常開催への願いを込め、手を振る出演者ら

「次の夏に会いましょう!」通常開催への願いを込め、手を振る出演者ら

 

 14年から実行委員として運営を支える佐々木慶太さん(30)は「コロナでみんな気分が沈みがち。少しでも元気を与え、通常開催ができるようになったら、また参加してもらえるよう気持ちをつなぎたかった。これからもできることをやって次世代によいさを継承していきたい」と意気込んだ。

オンライン配信「みんなで踊ろう!よいさLIVE」に向けたリハーサル=1日・TETTO

オンラインで楽しもう!「釜石よいさ」 TETTO会場から9月23日生配信

オンライン配信「みんなで踊ろう!よいさLIVE」に向けたリハーサル=1日・TETTO

オンライン配信「みんなで踊ろう!よいさLIVE」に向けたリハーサル=1日・TETTO

 

 釜石よいさ実行委員会(岩城一哉実行委員長)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止した今夏の祭りに替え、9月23日、釜石市大町の市民ホールTETTOから「みんなで踊ろう!よいさLIVE」をオンライン配信する。午後6時からの1時間番組で、同実行委YouTubeチャンネルのほか、地元ケーブルテレビ局・三陸ブロードネット(sbn)の自主放送「かもめチャンネル(11ch)」で視聴できる。

 

 例年8月上旬に大町、只越町の目抜き通りを会場に開かれる「釜石よいさ」は、新型コロナ感染症の影響で昨年、今年と2年連続で中止された。同実行委は、一昨年まで31回を数えた同祭りを何らかの形でつないでいきたいと代替企画を発案。sbnの協力を得て、オンラインでの番組生配信を行うことになった。

 

 番組はTETTOホールAのステージから送る。お囃子(はやし)隊約20人、よいさ小町6人が出演予定。小町による前囃子の踊り披露、本囃子の踊りのレクチャーなどに続き、事前収録したVTR(約25分)を放映。最後にZoom参加の団体や一般視聴者らと踊りを楽しむ時間を設ける。

 

当日はZoom参加の様子も映しながら、それぞれの場所で〝リモートよいさ〟を楽しんでもらう

当日はZoom参加の様子も映しながら、それぞれの場所で〝リモートよいさ〟を楽しんでもらう

 

 VTRでは、1987年に同祭りを始め、東日本大震災(2011年)前まで運営を担った「釜石レボリューション」の澤田龍明さん、初代よいさ小町の樋岡悦子さん、震災で途絶えた祭りの復活に尽力した「NEXT KAMAISHI(ネクスト釜石)」の青木健一さん、君ヶ洞剛一さんのインタビューのほか、子供よいさに参加している正福寺幼稚園、甲東こども園、かまいし同、上中島同の園児による踊りやメッセージを紹介する。

 

4人のインタビューで釜石よいさの歴史も伝える

4人のインタビューで釜石よいさの歴史も伝える

 

 岩城実行委員長(34)は「釜石よいさを築き上げてきた人たちから話を聞くことで、祭りの意義や目的を再認識し、今後につなげられたらと考えた。番組を通して、よいさへの思い、心を共有できれば」と話す。

 

 番組は、配信日直近の釜石保健所管内新型コロナ感染状況によっては中止となる場合がある。詳しくは同実行委公式サイトで確認を。

 

番組出演者、実行委メンバーら、本番に向け準備着々

 

VTR出演の収録に臨むかまいしこども園=1日

VTR出演の収録に臨むかまいしこども園=1日

 

 1日は、番組にVTR出演する市内のこども園が、踊りやメッセージの収録を行った。このうち、かまいしこども園(藤原けいと園長、園児79人)は市民ホールTETTO屋根のある広場に年長児23人が出向き、踊りを披露。sbnの制作スタッフが元気いっぱいに躍動する姿を映像に収めた。

 

カメラの前で元気いっぱいに踊る年長児

カメラの前で元気いっぱいに踊る年長児

 

子供よいさの模様は23日の配信、放送で見られる

子供よいさの模様は23日の配信、放送で見られる

 

 同園は例年、子供よいさに年少~年長児が参加。職員手作りの山車とともに祭りを盛り上げている。藤原園長は「釜石よいさは園にとっても夏の大イベント。通常の祭りができない寂しさはあるが、こういう形でも園児が踊れる場を設けていただき、ありがたい」と喜ぶ。コロナ禍で園行事もさまざまな制約を余儀なくされるが、「こんな時代でも子どもたちの思い出は減らしたくない。できることは経験させてあげたい」と思いを込める。

 

 同日夜には、ホールAで番組のリハーサルが行われた。お囃子隊とよいさ小町、実行委メンバーが当日の進行を確認。同ホール、sbnスタッフがカメラ割りや音声などをチェックした。

 

番組配信の打ち合わせを行う関係スタッフら

番組配信の打ち合わせを行う関係スタッフら

 

 お囃子に参加する千代川智紀さん(43)は市内の高齢者介護施設で働く。「釜石よいさは入居者さんも楽しみにしている祭り。コロナ禍で外出も控えざるを得ない今、画面越しでも季節感を届けられるのはいいこと。当日はみんなでよいさを楽しみましょう」と視聴を呼び掛ける。

 

中高生や社会人で結成するお囃子隊。太鼓や笛の音で釜石の元気を発信する

中高生や社会人で結成するお囃子隊。太鼓や笛の音で釜石の元気を発信する

 

前囃子の練習に励む「よいさ小町」の女性ら。艶やかな舞で番組を盛り上げる

前囃子の練習に励む「よいさ小町」の女性ら。艶やかな舞で番組を盛り上げる

 

 よいさ小町には新人2人が参加。昨年までよいさ中継でリポーターを務めてきたsbnの本田絵美アナウンサーは憧れだった小町に初挑戦。「夢中になって踊れるのですごく楽しい。気分が高揚する」と声を弾ませる。埼玉県出身で釜石生活5年目。「まちを挙げてよいさに取り組む姿、市民の一体感から『絶対に引き継ぐぞ』という強い意志を感じる」という。「コロナでうっ屈としている人も多い。配信、放送で元気を届け、コロナ収束後にはみんなで釜石の夏を盛り上げられるよう、しっかり務めたい」と本番に備える。