コロナ禍でみこし渡御中止も神事で平穏祈る~尾崎神社例祭~


2021/10/23
釜石新聞NewS #地域 #観光

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

 

 釜石市の尾崎神社と日本製鉄釜石製鉄所山神社の合同祭「釜石まつり」は、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年に続き、みこし渡御が中止された。両神社は16日、それぞれに例祭の神事を実施。「来年こそは」と願いを込めながら、コロナの完全終息、景気回復、住民の無事などを切に祈った。

 

 浜町の尾崎神社(佐々木裕基宮司)では15日に宵宮祭、16日に例祭神事を行った。神事には関係者22人が参列。宮司、献幣使が神前に祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。終了後、あいさつした佐々木宮司は「来年こそは、みこしに神様の御霊を乗せて釜石のまちを歩き、多くの方々に拝んでいただきたい。より豊かな秋をみんなで迎えられたら」と願った。

 

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

 

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

 

 尾崎神社の渡御行列は300年の歴史を誇る。釜石製鉄所山神社との合同渡御は、釜石市制施行30周年の1967(昭和42)年から行われ、市内最大規模の秋祭りとして定着。市内外から見物客を集めるが、新型コロナ感染症の収束が見込めず、今年も合同みこし渡御、曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)共に開催を断念した。

 

 尾崎神社の責任役員で祭典委員長の浜川幸雄さん(76)は「(2年連続の渡御中止は)非常に残念だが、致し方ない。何とかコロナも収束に向かっているよう。人類はこれまでもさまざまな細菌と戦ってきた。いかに知恵を振り絞って戦うかだ。来年は、状況が良くなっていることを期待したい」と話した。

 

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

 

 同神社のみこし担ぎ手団体「輿衆(よしゅう)会」の川畑裕也会長(59)は「みこしはどうしても密になってしまうのでやむを得ない。早く平常に戻って、みんなでにぎやかに祭りができるよう祈るばかり。間が空くと会員離れにもつながる。尾崎神社は大みこしなので、担ぐにはそれなりの人数が必要」と担ぎ手不足も心配した。

 

釜石LC会員が境内をきれいに 尾崎神社例祭前に恒例の清掃活動

 

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

 

 釜石ライオンズクラブ(蓙谷兼明会長、会員40人)は9日、例祭を控えた尾崎神社で清掃奉仕活動を行った。10月8日の「世界ライオンズ奉仕デー」にちなんだ毎年恒例の活動。会員9人が境内と周辺の道路で、ごみや落ち葉を回収した。

 

 神社境内や参道の木々は紅葉が始まり、各所に落ち葉が散らばっていた。会員らはほうきや熊手で丁寧に葉をかき集め、参拝者の歩行や車両の通行に支障が出ないようにした。約1時間半の清掃で、周辺はすっきりとした景観を取り戻し、例祭を迎える準備が整った。

 

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

 

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

 

 蓙谷会長(55)は「由緒正しいこの神社を清めるのは、私たち会員にとってもありがたいこと。世界のライオンズクラブは『奉仕の精神』を掲げ、地域に貢献する活動を行っている。コロナ禍で活動の自粛が続いていたので、今日は会員同士が顔を合わせる機会にもなりうれしい」と喜んだ。

 

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

 

 結成56周年を迎える同クラブは、年内に市立図書館への本の寄贈、地元サッカースポーツ少年団の大会への協賛、クリスマス献血キャンペーンへの協力などを予定する。

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