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狙うは世界一! いわて・釜石ラグビー 派遣団、仏のアマ大会出場へ結団式

世界一へジャンプ!日本代表としてアマチュアラグビー大会に挑む選手たち

世界一へジャンプ!日本代表としてアマチュアラグビー大会に挑む選手たち

  
 9月にフランスで開幕するラグビーのワールドカップ(W杯)に合わせて初めて開かれる「ワールドアマチュアラグビーフェスティバル」に、日本代表として岩手県釜石市からチームが出場する。その名はずばり「いわて釜石ラグビーフットボールクラブ」。市や県にゆかりのあるメンバー30人が公募で選ばれている。8月26日に釜石鵜住居復興スタジアムで結団式。「世界一を狙う」と戦いを前に気持ちを高めている。
   
 派遣団は選考を通過した釜石シーウェイブス(SW)のOBや県内クラブチーム在籍者、県外在住の元プロ選手らに加え、役員・スタッフ5人で構成。団長は県ラグビーフットボールクラブ協会の白根敬介会長が務める。
   
結団式に臨んだ「いわて釜石ラグビーフットボールクラブ」

結団式に臨んだ「いわて釜石ラグビーフットボールクラブ」

   
 結団式では、チームを派遣するラグビー国際交流推進事業実行委員会の小泉嘉明会長が「岩手、釜石の思いを発信しながら、思いっ切りプレーしてきて」、野田武則市長は「日本代表として有意義な戦いを」などと激励。チームフラッグなどを贈って活気づけた。
   
 大漁旗をモチーフにしたユニホームもお披露目。「KAMAISHI大漁旗Tシャツ」をアレンジし、明るい太陽(赤)とダイナミックな波(黒と白)が目を引く。制作に関わった「釜石応援ふるさと大使」の藤原綾子さん(56)=東前町出身、ユミカツラインターナショナルアクセサリーデザイナー=は「身に着けた皆さんは格好いい。実力、気力、体力十分に、気持ちで頑張ってきてください」と背中を押した。
  
大漁旗をモチーフにしたユニホームを紹介する藤原綾子さん

大漁旗をモチーフにしたユニホームを紹介する藤原綾子さん

  
決意を語る(右から)福士周太主将、白根敬介団長、佐伯悠ヘッドコーチ

決意を語る(右から)福士周太主将、白根敬介団長、佐伯悠ヘッドコーチ

  
 ヘッドコーチ兼選手で、市スポーツ推進課の佐伯悠さん(38)は「世界一を狙える、素晴らしいメンバーが集まった。戦うだけでなく、東日本大震災の復興支援への感謝、岩手や釜石は元気だ!と世界に発信してくる」と熱を込めた。主将の福士周太さん(29)は「世界で戦えるチャンスをもらった。優勝を目指し頑張ってくる」と意気込んだ。
  
 この日から27日まで事前合宿。式の後、さっそくグラウンドに出て練習。攻撃や守備の連係を確認し、チームの結束を高めた。練習後には、近くの震災伝承施設・いのちをつなぐ未来館で津波発災当時の出来事や教訓を学ぶ研修会を実施。ほか、9月10日にも練習会を予定する。
  
合宿の練習でプレーの連係を確認し、チームの結束を高める

合宿の練習でプレーの連係を確認し、チームの結束を高める

  
 「パパ、かっこいい!」。スタンドから送られる、かわいらしい応援が目に入った。埼玉県宮代町の中村勇琥(ゆうご)君(小学3年生)、碧葉(あおば)さん(同1年)、燦斗(あきと)ちゃん(3)きょうだいが見つめていたのは、父彰さん(36)の雄姿。フランスで見せてほしいのは「かっこいいスロー」と声をそろえ、フッカーとしての活躍を期待していた。きょうだいの母江里子さん(41)は「子どもたちにラガーマンとしての姿を記憶してほしかったから、選手としてチャンスをもらえてうれしい。持ち味のフィールドワークを生かしたプレーをしてくれたら」と目を細めた。
  
「パパ、頑張れ!」。中村彰選手の挑戦を家族が応援

「パパ、頑張れ!」。中村彰選手の挑戦を家族が応援

  
チーム一丸!迫る戦いに向け、練習に励む中村選手ら

チーム一丸!迫る戦いに向け、練習に励む中村選手ら

  
 そんなキラキラ輝くまなざしを力にする彰さん。いくつかのクラブチームを渡り歩いたというが、特に思い入れがあるのが釜石SW時代だったことから、「この地でまたジャージーを着ること」を望んだ。メンバーとは、この日が初顔合わせ。「短い期間でチームを作り上げなければならない。コミュニケーションをとって、ユニホームのように明るい仲間たちと戦いに挑みたい」と気合を入れた。
  
いわて釜石クラブ派遣団、活躍を期待する関係者

いわて釜石クラブ派遣団、活躍を期待する関係者

   
 フェスティバルは9月23~30日、釜石と姉妹都市提携を結ぶディーニュ・レ・バン市を中心としたプロバンス地方で開かれる。ラグビーW杯の出場国を主に20カ国が出場。いわて釜石チームは同20日に渡仏する。

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岩手県で第50回東北総体 釜石市はラグビー成年男子・女子、ボクシング会場に 国体出場県決定

第50回東北総体(特別国体東北ブロック大会)ボクシング競技=釜石市・TETTO、26日

第50回東北総体(特別国体東北ブロック大会)ボクシング競技=釜石市・TETTO、26日

 
 この夏、岩手県を会場に行われてきた第50回東北総合体育大会。本県開催は2015年以来8年ぶりで、釜石市では8月19、20の両日、ラグビー競技「成年男子」「女子」(いずれも7人制)、同25日から27日までボクシング競技が行われた。ボクシングは釜石初開催。2競技に東北6県から選手、監督ら200人以上が来釜。地元出身、ゆかりの選手も出場した。各競技の上位県は10月に鹿児島県で開かれる特別国民体育大会に東北ブロック代表として出場する。
 
 ラグビー成年男子、女子は鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。18年に完成、19年にラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場となった同スタジアムでは初の東北総体開催となった。成年男子は6県が参加。初日に予選リーグを行い、勝ち点の合計順位により2日目に決勝トーナメントが行われた。女子は5県が参加し、2日間にわたりリーグ戦を実施。勝ち点の合計で順位を決めた。試合は7分ハーフ。
 
東北総体ラグビー競技(7人制)成年男子=釜石鵜住居復興スタジアム、19日

東北総体ラグビー競技(7人制)成年男子=釜石鵜住居復興スタジアム、19日

 
予選リーグ「岩手-山形」で先制トライを決めた岩手・畠山克巳選手(日本製鉄、緑ジャージ)

予選リーグ「岩手-山形」で先制トライを決めた岩手・畠山克巳選手(日本製鉄、緑ジャージ)

 
予選リーグ「岩手-宮城」。22対12で岩手が勝利した

予選リーグ「岩手-宮城」。22対12で岩手が勝利した

 
 成年男子の岩手県チームには、釜石シーウェイブス(SW)RFCの元選手4人がメンバーに名を連ねた。昨季でSWを退団した佐々木絃選手(25)は同大会初出場。「15人制とはいろいろ違う部分があるが、各県ともレベルが高い。暑かったが、いい天気の中で気持ち良くプレーできた」と喜んだ。9月にフランスで初開催されるワールドアマチュアラグビーフェスティバルにも参加予定で、新たな舞台での活躍を目指す。
 
 女子の岩手県チームは高校生が主体。6人がメンバー入りした花巻東高の選手の中には釜石ゆかりの選手も。同校3年の片山彩子選手(17)は小佐野小、釜石中出身で、小中と釜石SWジュニアに所属。中学2年時に同スタジアムでラグビーW杯を観戦している。「ここでW杯を見た者として、思い出の地でプレーできたのはうれしい」と片山選手。高校ラグビーの3年間を振り返り、「きついけど女子でやれて楽しかった。今年はいろいろな大会にも出られた。ラグビーを続けてきて良かった」と実感を込めた。
 
ラグビー女子のリーグ戦「岩手-宮城」=19日

ラグビー女子のリーグ戦「岩手-宮城」=19日

 
 トライを決め、喜ぶ岩手県チーム(青ジャージ)

トライを決め、喜ぶ岩手県チーム(青ジャージ)

 
 大会の結果、国体には成年男子が秋田県と青森県、女子は福島県が出場することになった。八幡平市で行われた少年男子は宮城県と青森県が国体出場権を手にした。
 
 一方、ボクシングは大町の市民ホールTETTOが会場。ホールAにリングを設置して行われた。25日に行われた開会式で野田武則釜石市長は「東日本大震災の復興を発信する当市にとって絶好の機会。スポーツの力が地域に活力を与えてくれるものと期待している。日ごろの厳しい練習の成果を存分に発揮し熱い試合を」と選手を激励した。
 
東北総体ボクシング競技の開会式に集まった東北6県の選手=25日

東北総体ボクシング競技の開会式に集まった東北6県の選手=25日

 
ホールAのステージと客席の一部をつなげ、特設リングを設置した競技会場

ホールAのステージと客席の一部をつなげ、特設リングを設置した競技会場

 
 競技は「成年男子」「少年男子」「成年女子」の3種目で行われた。男子は成年、少年とも8階級(成年:ライトフライ~ライトヘビー、少年:ピン~ミドル)で試合を実施。各県は任意の5階級に1人ずつ出場。各階級の総合得点で順位を決めた。試合は成年が3分3ラウンド、少年は2分3ラウンドで行われた。各県の選手は仲間や家族の声援を受けながら激しい戦いを繰り広げ、会場内は終始、熱気に包まれた。
 
 地元からは釜石高3年の佐々木夏選手(18)が少年男子ピン級に出場。佐々木選手は開会式で選手宣誓も担当した。「市民ホールが会場になるのは想像できなかったが、競技環境としては問題なくプレーできた。地元開催はうれしい」と歓迎。初戦の相手は過去の対戦で2度敗れている選手で、リベンジをかけて臨んだが、あと一歩及ばず敗戦。悔しい結果とはなったが、3年間の集大成を見せた。ボクシングとともにあった高校生活。「合宿や減量など家族の支えがあってここまでこられた」と感謝の気持ちを口にした。
 
選手宣誓をした釜石高3年の佐々木夏選手(右)少年男子ピン級初戦で山形県の選手と対戦(左)

選手宣誓をした釜石高3年の佐々木夏選手(右)少年男子ピン級初戦で山形県の選手と対戦(左)

 
仲間に声援を送る岩手県チームの選手ら(手前)

仲間に声援を送る岩手県チームの選手ら(手前)

 
 ボクシングの国体には成年男子が岩手、山形、青森の3県、少年男子が青森、福島、山形の3県、成年女子は青森、岩手の両県が出場を決めた。
 
 本年の国体は、2020年に鹿児島県で開催予定だった第75回大会が新型コロナウイルス感染症の影響で23年に延期されたことに伴い、回数をつけない特別大会として開催される。24年の佐賀県大会からは、大会名称が「国民スポーツ大会」(略称・国スポ)に変更される。

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鵜住居地域の球友 再会に笑顔 伝統の「水野旗お盆野球」4年ぶりに快音 好・珍プレーも!?

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4年ぶりに開かれた第67回水野旗争奪お盆野球大会=14日、鵜住居町

 
 釜石市鵜住居地区の夏恒例、水野旗争奪お盆野球大会(大里芳章実行委員長)が14日、釜石東中グラウンドで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていたが、4年ぶりに復活。大会は67回目を迎えた。あいにくの雨模様となったが、顔なじみの仲間との野球の楽しさは昔も今も変わらず。和気あいあいの試合にたくさんの笑顔が弾けた。
 
 同大会は地元の開業医だった故水野勇さん(1995年逝去)が、「戦後の青少年の健全育成に」と提案。48(昭和23)年に第1回大会が開かれて以来、今に受け継がれる。お盆中に行われることから帰省者らも数多く参加。年に一度、旧交を温め合う場になってきた。2011年の東日本大震災後、6年の中断を経て17年に復活。3年続けたところでコロナ禍に見舞われた。再び中止を余儀なくされたが、今年待望の“再復活” を果たした。
 
 今大会には鵜住居、日向、両石、箱崎、白浜の5チームが参加。中学生から社会人まで約70人が集った。1試合7回のトーナメント戦。試合中は、グラウンドのぬかるみで予想外の動きをする球にてこずったり、野球経験のある投手の速球に翻弄(ほんろう)されたり…。得点に結びつく好打が出ると、ベンチは大いに盛り上がった。ホームランが出ると記念品の贈呈も。
 
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断続的に雨が降り続く中、行われた大会。鵜住居対箱崎の一戦

 
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親睦大会でもプレーでは随所に本気がにじみ出る

 
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泥まみれもなんのその。野球の面白さは変わらず…

 
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ホームランを打った選手(右)には記念品を贈呈

 
 今大会初ホームランを放ったのは、中学、高校で野球経験のある鵜住居チームの紺野聖人さん(30)。「気持ちが乗って遠くまで飛んだ」と、笑顔でホームラン賞を受け取った。同大会には中学生時代から参加。4年ぶりの大会に「待ち遠しかった。これがないと鵜住居のお盆は盛り上がらない」と再開を喜んだ。
 
 白浜チームのベンチで、父久嗣さん(43)、兄爽汰さん(19)に声援を送ったのは鵜住居小4年の浦島光真君。「頑張っているけど、パパ、あまり打ってない…」。それでも2人がグラウンドに立つ姿は「ちょっとかっこいい」とにっこり。「中学生になったら自分も出たい」と3年後の大会を心待ちにした。「うちのチームはガチでいくよりは、みんなで楽しむ感じ。親子での参加も多い」と久嗣さん。震災後、被災地域ではコミュニティーの形成が課題となっているが、「こうしてみんなが集まって何かするというのはなかなかないので、とてもいいこと」と実感を込めた。
 
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投手は野球経験者らが中心。迫力の速球も…

 
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渾身の長打で得点につなげる選手も。仲間からは拍手喝采

 
 両石チームの瀬戸大地さん(22)は現在、東京都在住。大会参加は2回目で「顔見知りが多く、めったに会えない人たちと会えるので楽しい」と満喫。小中高と野球に親しんだ瀬戸さん。昨年、夏の高校野球で東北勢初の全国制覇を果たした仙台育英学園高の3年生メンバー洞口優人さん(釜石東中出身、富士大1年)とは小学生時代、一緒にプレーしていたといい、「甲子園出場、優勝は同じ地元としてうれしかった」と話す。岩手出身の野球選手の活躍が古里に与える効果も感じながら、「お盆野球もまちが活気づく。長く続いてほしい」と願った。
 
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渾身のフルスイングあり、おどけあり… 野球を楽しむのも全力で!!

 
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味方選手のプレーに笑みを広げる両石チーム(上段)と、ホームランに沸く白浜チーム(下段)

 
 試合開始時は小雨程度で、一時やむ時間帯もあったが、3試合目の途中で雨脚が強まり試合継続を断念。3-3の同点だった両石対白浜は、選手9人のじゃんけん対決で白浜の決勝進出。最後は、決勝で対戦するはずだった白浜と鵜住居が同じゃんけんで勝敗を決めた。
 
大会結果は次の通り
【1回戦】日向1-5白浜
【2回戦=準決勝】鵜住居5-4箱崎  両石3-3白浜(じゃんけんで白浜勝利)
【決勝】鵜住居と白浜がじゃんけんし鵜住居が優勝
【最優秀選手】小笠原忠大(鵜住居)
【優秀選手】佐々木陽聖(白浜)
 
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被災後、町中心部4地区を集約した鵜住居チームは17年の復活大会から3連覇。今回のじゃんけん決戦も制した

 
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準優勝の白浜チームは、次世代の大会を担う子どもたちが表彰を受けた

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釜石SW リーグワン3年目へ始動 「2部トップ3」今季こそ FW強化に注力

新シーズン始動記者会見に臨んだ釜石SWの首脳陣と新加入選手=7日

新シーズン始動記者会見に臨んだ釜石SWの首脳陣と新加入選手=7日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは7日、釜石市甲子町の市球技場クラブハウスで新シーズン始動の記者会見を開き、チームの体制や目標を発表。夕方、選手が練習を開始した。今季のクラブスローガンに、強固なつながりを意識した「CHAIN」(チェーン)」を掲げ、昨季成し遂げられなかった「2部トップ3」を目指す。リーグ開幕は12月上旬の予定。
 
 桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)、坂下功正総監督、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は留任。2021年からアカデミー(中学生対象)のHCを務める鈴木亮大郎さんがアシスタントコーチを兼務し、スクラムなど課題のフォワード強化にあたる。WTB小野航大主将も続投。チームの各種活動でリーダー的役割を担うクラブキャプテンが新設され、河野良太選手が務める。
 
今季の体制などについて説明する坂下功正総監督(中)、桜庭吉彦GM(左)、須田康夫HC

今季の体制などについて説明する坂下功正総監督(中)、桜庭吉彦GM(左)、須田康夫HC

 
今季もチームを率いる小野航大主将(右)。新設のクラブキャプテンを務める河野良太選手(左)

今季もチームを率いる小野航大主将(右)。新設のクラブキャプテンを務める河野良太選手(左)

 
 選手たちが決めたスローガン「CHAIN」は鉄の鎖のような強いつながりを意味し、切らさずボールをつなぐゲームプレーのほか、チーム全員、地域、ファンとの結び付きを大事にして戦うことを目標に据える。
 
 釜石SWは昨季、4位で2部残留を決めた。坂下総監督は「スクラム、ラインアウトで劣勢になり、そこから得点されるケースが多かった。まずはスクラム。そこに特化した形で練習ができれば」。須田HCも「セットプレーの強化をしっかり進め、全体としてもランクアップしたい。一歩上に上がるため、何としてもトップ3は達成したい」と決意を示した。
 
 チームには今季、2選手が新たに加入し、現時点で選手は40人。現在、交渉中の選手もいて、昨季並みの45~46人規模を見込む。「コーチ陣も含め、今後も人材確保に努め、体制強化を図っていきたい」と坂下総監督。
 
新シーズンのスタートに気持ちを高めるSW選手

新シーズンのスタートに気持ちを高めるSW選手

 
7日夕方から市球技場で行われた今季初練習

7日夕方から市球技場で行われた今季初練習(Photo by 西条佳泰/釜石シーウェイブス)

 
 プレシーズンマッチは9~10月に1部チームとの4試合を予定。釜石鵜住居復興スタジアムでは3試合が計画される。初戦は9月17日(日)、釜石絆の日・絆マッチとして静岡ブルーレヴズと対戦する。桜庭GMは「特にセットプレー、スクラムが格上の相手にどのくらいチャレンジできるか。選手層底上げのため、若手を含め経験値を上げてもらいたい」と期待する。

新戦力・フッカー青柳魁、フランカー髙橋泰地両選手 会見で意気込み

 
新加入選手(左側2人)への期待を述べる須田HC(右)

新加入選手(左側2人)への期待を述べる須田HC(右)

 
 会見には新加入のフッカー青柳魁(すぐる)選手(22)、フランカー・ナンバー8髙橋泰地選手(23)も出席。自分の強みや意気込みを話した。
 
 青柳選手は福島県福島市出身。聖光学院高、八戸学院大卒。大学時代はナンバー8やフランカーを経験したが、SWではフッカーとして育成する。「1対1の強さ、体の強さを出してチームに貢献していきたい。ボールキャリーの部分では自信がある。そこで勝負していきたい」と青柳選手。
 
新チームでの意気込みを示した髙橋泰地選手(左)と青柳魁選手

新チームでの意気込みを示した髙橋泰地選手(左)と青柳魁選手

 
 髙橋選手は茨城県日立市出身。秋田工業高、日本体育大卒。大学4年時には主将としてチームを率いた。秋田ノーザンブレッツでプレー。今年に入り、ニュージーランドにラグビー留学していた。「釜石というチーム、リーグワンという舞台で戦えることを心からうれしく思う。自分はタックルなど接点の部分で持ち味がある。バックスとフォワードをつなぐコネクションのところをしっかりコントロールできるように頑張りたい」と話した。

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過去最多276人がエントリー 釜石オープンウオータースイミング 根浜の海で泳力競う

釜石オープンウオータースイミング2023=根浜海岸、7月30日

釜石オープンウオータースイミング2023=根浜海岸、7月30日

 
 第7回釜石オープンウオータースイミング(OWS)2023根浜(実行委主催)は7月30日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場で開かれた。全国から過去最多の276人がエントリー。2016年の岩手国体から同競技が正式種目に採用され、会場地となった同海岸で続けられる大会は、競技環境の良さや地元の支援体制などが選手の心をつかみ、着実に参加者を増やしている。今年も幅広い年代のスイマーが己の目標に挑んだ。
 
 OWSは海など自然水域でタイムを競う長距離泳。国体後の翌17年から地元主導で始まった釜石大会は、2年目から日本水泳連盟(日水連)の認定大会となり、今大会は国内サーキットシリーズ第10戦として行われた。種目は500メートル(小学4~6年)、1キロ(小学生以上)、3キロ(中学生以上)、5キロ(同)。5キロは、男女上位3人に本年度の日本選手権への出場権が与えられる「トライアルの部」も設けられた。
 
新型コロナ対策で中止していた選手を激励するハイタッチも今年は解禁

新型コロナ対策で中止していた選手を激励するハイタッチも今年は解禁

 
スタート地点に向かう選手を家族や仲間が笑顔で送り出す

スタート地点に向かう選手を家族や仲間が笑顔で送り出す

 
 海上に設置したブイでつくる四角形(1周1キロ)周回コースで3キロ、5キロ競技、三角形(1周500メートル)周回コースで500メートル、1キロ競技が行われた。小学3年以上を対象とするOWS検定5級の集団泳もあり、3人がチャレンジした。総合順位と、年代や男女別での順位で1~3位を表彰した。
 
部門ごとに時間をずらしてスタート。波は穏やか

部門ごとに時間をずらしてスタート。波は穏やか

 
3キロ、5キロの部のスタート前準備

3キロ、5キロの部のスタート前準備

 
午前10時台は5キロ男子日本選手権トライアルから順にスタート

午前10時台は5キロ男子日本選手権トライアルから順にスタート

 
 500メートルのトップでゴールしたのは、花巻市の小学6年蛯名勝絆君(11)。2歳から水泳を始め、昨年初挑戦した同大会では2位。今年は「最初から突っ込んだら(後続と)距離が離れたので、後半も楽だった」と戦略勝ち。「来年は1キロに挑戦したい」と意欲を高めた。東日本大震災があった2011年の9月生まれ。震災時、両親は鵜住居町に暮らし、勝絆君は母親のお腹の中にいた。母有美さん(39)は「元気に育ってくれてうれしい。被災し大変だったが、こういう形でまた鵜住居に戻ってこられて幸せ」と喜びをかみしめた。
 
生まれ故郷の鵜住居でOWSに挑む蛯名勝絆君

生まれ故郷の鵜住居でOWSに挑む蛯名勝絆君

 
 実力者がそろう5キロトライアルの部は、ラスト1周の時点で男子トップ集団が10~20秒差の激しい競り合い。混戦を制したのは本県一関市出身、慶應義塾大2年の菊池幹大さん(19)。競泳で鍛えた泳力で大会初参加、初優勝を果たした。「ずっと2番でついていき、ラスト1周で追い越そうと考えていた。最後はきつかったが、誰も前に行かせまいと気合いで押し切った」。国体出場を目指し、今年からOWSに参入。同大会は本県代表選手選考会を兼ねており、「選ばれたら、入賞して岩手県に貢献したい」と話していた。大会後、県水泳連盟は今年の鹿児島国体OWSの代表に男子・菊池さん、女子・辻山小珀さん(東北学院大1年、一関市)を選出した。
 
5キロ男子日本選手権トライアルで初優勝した菊池幹大さん

5キロ男子日本選手権トライアルで初優勝した菊池幹大さん

 
 今大会、最も遠方からの参加は長崎県の高校3年小串優佳さん(17)。今年の国体の同県代表に選出され、強化事業の一環で女子のトライアルに参戦した。昨年は2位。「今年こそ(優勝を)」と臨んだレースは、ラストスパートで大学生選手と競り合うもゴールタッチでミスがあり、わずか0.2秒差で惜しくも優勝を逃した。レース後、悔しさをにじませつつも、「タイムは昨年より3分ほど縮まっている」と自己ベスト更新に手応えを実感。国体の県代表には3年連続で選ばれているが、過去2年は新型コロナの影響や開催池の水質悪化でいずれも競技ができず、今年が国体初レースとなる。「今日の悔しさをばねに入賞を目指して頑張る」と誓った。
 
5キロ女子日本選手権トライアルで2位の小串優佳さん

5キロ女子日本選手権トライアルで2位の小串優佳さん

 
 タイムを競う一方、距離で記録を打ち立てる人も。新潟県小千谷市の星雅文さん(68)は2019年以降に参加した日水連認定大会(サーキットシリーズ)の総完泳距離が、この日の釜石大会(5キロ)で101.7キロに到達。20年はコロナ禍で全大会が中止、21年も2大会のみの開催となる中、地元新潟県の佐渡大会では1.5キロ、3キロ、5キロの3種目完泳を3回(19、22、23年)果たすなどし、100キロ超えの偉業を成し遂げた。
 
この日の大会で5キロを完泳し、19年からの総完泳距離101.7キロを達成した星雅文さん

この日の大会で5キロを完泳し、19年からの総完泳距離101.7キロを達成した星雅文さん

 
 「100キロは1つの目標としてやってきた。達成できほっとした」と星さん。今後、日水連に自己申告し、「100キロスイマーズ」の認定を受ける予定。同制度でこれまで認定されているのは女性2人だけで、星さんが認定されると男性では初となる。星さんは30代から趣味で水泳を始め、自分に合った長距離泳で各地の大会に参加。定年後は平日午前中に3~6キロを泳ぐのが日課。「70歳になると出られない大会もある。次は200キロが目標。地道に100キロ単位で」と生涯現役を描く。
 
花巻東高の水泳部は昨年から釜石大会に参加

花巻東高の水泳部は昨年から釜石大会に参加

 
地元のライフセービングクラブや漁協、海上保安部などが協力し救助体制も整えられた大会

地元のライフセービングクラブや漁協、海上保安部などが協力し救助体制も整えられた大会

 
 大会を主管する県水泳連盟の小田島秀俊会長は「目標とする参加者数300人規模まであと少し。OWSは国体種目になったことで少しずつ知られるようになった。個人競技だけでなく、リレーのような参加しやすい要素も取り入れていければ」と今後の大会の形を模索する。

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「全力で戦う」高校総体へ壮行式 釜石高 空手道・ボクシング出場選手、活躍誓う 在校生から温かいエール

青木校長から激励を受ける釜石高空手部、ボクシング部の選手たち

青木校長から激励を受ける釜石高空手部、ボクシング部の選手たち

  
 北海道を中心に開催される2023年度全国高校総合体育大会(インターハイ)に向け、21日、釜石高(青木裕信校長、生徒426人)で出場選手の壮行式が行われた。今大会には空手部とボクシング部の生徒計15人が岩手県代表として参加。在校生から温かいエールを受けた選手たちは全国の晴れ舞台での健闘を誓った。
  
 体育館で行われた壮行式は、同校生徒会執行部が進行。ステージ上に整列した選手たちを前に、青木校長が「皆さんが全国の舞台に立つためにどれだけの時間を費やしてきたのか、部活の仲間、家族、私たちが知っている。全国大会では最高のパフォーマンスを発揮してきてください」と激励した。
 
ステージ上の選手たちは応援委員、在校生からのエールを力にする

ステージ上の選手たちは応援委員、在校生からのエールを力にする

 
 新型コロナウイルス下で応援活動を控える状況が続いたが、同校応援委員会は伝統を引き継ごうと全校生徒での応援体制を再構築した。「フレーフレー拳闘」「頑張れーがんばれー空手」。エールを送る側の応援委員、在校生はそうした成果を声に乗せた。
  
 激励を受けた空手部の松田郷佑主将(3年)は「インターハイではこれまで練習してきた成果を十分に発揮したい。全員、全力で戦ってくる」と決意表明。ボクシング部からただ一人参加する男子ピン級の佐々木夏さん(同)は「男子部員が少ない中で、日々の練習を工夫しながら自分を追い込んできた。一戦一戦を大切にし、一つでも多く勝てるよう頑張ってくる」と力を込めた。
  
「仲間とともに全力発揮」と意気込む空手部の松田郷佑選手(左)

「仲間とともに全力発揮」と意気込む空手部の松田郷佑選手(左)

 
「一勝でも多く」と活躍を誓うボクシング部の佐々木夏選手

「一勝でも多く」と活躍を誓うボクシング部の佐々木夏選手

 
 インターハイは22日に開幕。空手道は26~29日に恵庭市総合体育館で行われ、同校は男女ともに団体組手で出場する。男子は3年の松田さんと坂本嘉之さん、2年の倉澤威琉さんと岩間瑛心さん、1年生は上野大雅さん、佐々木楓舞さん、人首颯眞さんが参加。松田さんと倉澤さんが個人組手、坂本さんは個人形にも挑む。女子は3年の佐々木來愛さんと松下鈴空さん、2年の石村海鈴さんと照井万尋さん、1年の髙橋愛里さん、佐野心洵さん、小松倫子さん。髙橋さんは個人形にも臨む。
 
 ボクシングは29日~8月4日、北ガスアリーナ札幌46(札幌市中央体育館)で実施。コロナの5類移行に伴い、4年ぶりの通常開催となるインターハイは8月21日まで熱戦が繰り広げられる。

釜石鵜住居復興スタジアムから届けるエール「ワンチーム!」

輝け!ラグビー日本代表 応援企画「ワンチーム大作戦」 釜石から届けるエール「甲子中ハカ」

釜石鵜住居復興スタジアムから届けるエール「ワンチーム!」

釜石鵜住居復興スタジアムから届けるエール「ワンチーム!」

 

 9月に開幕するラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会に出場する日本代表にエールを送るプロジェクト「ONE TEAM(ワンチーム)大作戦」が7日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。甲子中(山蔭深思校長)の3年生(43人)が参加し、「世界で輝けるように頑張って!」などのメッセージを手に必勝を祈願。戦いに挑む人たちを鼓舞する「甲子中ハカ」も披露し、応援機運を高めた。

 

 日本代表オフィシャルスポンサーの三菱地所(東京都)が主催し、ラグビーにゆかりのある場所などでイベントを開いて応援メッセージを集め、動画にして日本代表に届ける企画。ラグビーのまちで、2019年日本大会の開催地でもあり、スタジアムに隣接する「釜石ラグビー神社」を無償譲渡したのが三菱地所といった縁もあり、釜石もエールポイントになった。

  

石ラグビー神社で神事。日本代表の必勝を祈る

釜石ラグビー神社で神事。日本代表の必勝を祈る

   

 この日は、プロジェクトのアンバサダーとして元日本代表で、釜石シーウェイブス(SW)RFCでも活躍した伊藤剛臣さん(52)が駆け付けた。神社で神事を行い、日本代表の勝利を祈願。甲子中の生徒は熱いエールを込めたハカを見せ、伊藤さんに応援メッセージを託した。

  

 阿部海凛(かいり)さんは幼少期からラグビー競技を続けていて、「日本代表は憧れ」と目を輝かす。「ハカは相手チームに敬意を込めるもので、始まりの合図でもある。僕たちのハカを見て『勝つぞ』という気持ちになってもらえたら」と期待。応援メッセージには「bring it on!(ブリング・イット・オン―「かかってこい」の意)」と書き込んだ。「フランス大会が楽しみ。早くトライを見たい。目指せ、ベスト8進出」。気持ちを高ぶらせた。

 

熱いエールを込めた「ハカ」を披露する甲子中の3年生

熱いエールを込めた「ハカ」を披露する甲子中の3年生

 

「頑張れ!」。生徒たちがつづった応援メッセージ

「頑張れ!」。生徒たちがつづった応援メッセージ

 

 「W杯フランス大会の開幕まであと2カ月。わくわくしてきますね」と伊藤さん。中学生とラグビー体験で交流もし、「釜石から日本代表へたくさんのエールをもらった。活躍を願うみんなの気持ちが届くよう一緒に応援して、ラグビーを盛り上げよう。ワンチーム!」と熱かった。

 

「ONE TEAM大作戦」のアンバサダーとして来釜した伊藤剛臣さん(左)、応援団長(右)、甲中生

「ONE TEAM大作戦」のアンバサダーとして来釜した伊藤剛臣さん(左)、応援団長(右)、甲中生

 

 プロジェクトは6月29日に始動。「エールカー」と称したキャラバンカーに乗った応援団長が全国各地を巡っている。北海道と鳥取県を出発し、約1カ月間かけて38都道府県を走行予定。衛星利用測位システム(GPS)を利用し、ルートの軌跡で文字などを描く「GPSアート」にも挑戦中だ。その手法で、列島を巡ったルートを結ぶと、「ONE TEAM」という7文字が浮かび上がるという。ちなみに東北地方に描かれる文字は「A」で、釜石がスタートとなった。

 

 道中で集めるのが、応援の声。うのスタにエールカーが到着すると、地元のファンらが足を運んでメッセージを寄せた。スタジアム見学をしていた久慈中の生徒も「ぜったい優勝」「がんばれ日本」などと言葉を残し、W杯フランス大会へ関心を高めた。

 

エールカーの前に設けられたメッセージを書き込むブース

エールカーの前に設けられたメッセージを書き込むブース

 

久慈市の中学生もメッセージを寄せた。「ファイト!」

久慈市の中学生もメッセージを寄せた。「ファイト!」

 

 三菱地所ラグビーマーケティング室主事の出雲隆佑さん(36)は「ラグビーを起点に人が集まり、19年のような光景をいろんな場所で作っていけたら。日本代表に、あの時の『ワンチーム』をフランスに持って行ってもらえるように」と願う。エールカーの現在地や走行ルートを確認できる特設サイトを用意。「どんどんアクセスを」と関心の裾野が広がることを期待した。

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水泳シーズン到来 釜石市営プール開き 今年は屋外25メートルプールも利用可能に

屋外プール開きで利用者の安全を祈願する関係者=市営プール、8日

屋外プール開きで利用者の安全を祈願する関係者=市営プール、8日

 
 釜石市大平町の市営プールは8日、今夏の屋外プールの利用を開始した。幼児プール周辺の地盤の不具合で、2021年度から利用を休止していた隣接する25メートルプールは、安全性が確認されたことから利用を再開する。幼児プールは引き続き利用不可。屋外2プール(50、25メートル)は9月3日まで開放する予定。
 
 8日は、同プール市指定管理者の協立管理工業(小笠原拓生社長)、釜石水泳協会(山崎達会長)の主催で、利用者の安全を祈る神事が行われた。関係者18人が出席した。尾崎神社(浜町)の佐々木裕基宮司が祝詞を奏上。出席者の代表が玉串をささげ、シーズン中の無事故を祈った。
 
尾崎神社の協力で安全祈願の神事が行われた

尾崎神社の協力で安全祈願の神事が行われた

 
出席者の代表が玉串をささげ、かしわ手を打って祈りをささげた

出席者の代表が玉串をささげ、かしわ手を打って祈りをささげた

 
 市は25メートルプールの利用再開にあたり、幼児プールエリアとの間に仕切り用のフェンスを設置。利用者の立ち入りを制限する。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行した今年は、基本的に利用人数、時間の制限は行わないが、「土日に混雑が予想される場合は利用時間を1時間半でお願いすることもある」と理解を求める。
 
フェンスを設置、幼児プールエリアへの立ち入りを制限して利用を再開する25メートルプール

フェンスを設置、幼児プールエリアへの立ち入りを制限して利用を再開する25メートルプール

 
 指定管理責任者の大久保孝信さんは「水に入る前にきちんとシャワーを浴びるなど衛生面に十分配慮してほしい。事故防止の観点から、水泳指導者がついている時以外は飛び込みは禁止しているので、危険な行為は絶対にしないで」と安全利用を呼び掛ける。
 
 プールは市内小中学校の夏休み期間(7月22日~8月20日)は無休で営業する。期間中は未就学児の利用は無料。学校にプールがない市内の中学生は生徒手帳を提示すれば無料となる。
 
施設の運営、維持管理を担う協立管理工業スタッフ(右下)も今季の利用者回復に期待

施設の運営、維持管理を担う協立管理工業スタッフ(右下)も今季の利用者回復に期待

 
 1970年に開設された同施設は近年、老朽化による度重なる不具合が発生。屋外幼児プール周辺は調査で、地盤の緩みによる陥没の危険性が指摘されたため、一昨年から利用を休止していた。幼児プール再開のめどは立っていない。
 
 同プールの昨年度の利用者数は約2万人(前年度比約7400人減)。新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業措置や屋外2プールの利用休止などで、過去3年は2万人台で推移している。

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久しぶりの“声援”を力に8競技で熱戦 釜石大槌地区中総体 コロナ制限なく開催

コロナ制限がない通常開催は4年ぶり。釜石大槌地区中総体=17日

コロナ制限がない通常開催は4年ぶり。釜石大槌地区中総体=17日

 
 2023年度釜石大槌地区中学校総合体育大会(中総体)は17、18の両日、釜石、大槌、遠野3市町の公共体育施設や学校体育館で行われた。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行後、初の大会。基本的に観戦者の制限は行わず、各会場の感染拡大予防策に準じる形をとった。声出し応援も解禁となり、選手たちは家族や仲間の声援を受けながら、これまでの練習の成果を思う存分発揮した。
 
 本来は9種目の大会だが、サッカーは参加1校のため今回も試合ができず、8種目での開催。ソフトテニスは地区内での会場確保が難しく、遠野運動公園テニスコートを借用して行われた。
 
 卓球は大槌町の城山公園体育館が会場。団体戦男子は4校によるトーナメント戦、女子は2校での決戦となり、シングルス4、ダブルス1で県大会出場の1枠をかけて戦った。個人戦(シングルス)には男女ともに6校から参加があり、トーナメント戦で優勝を競った。2階観客席の座席数の関係で、保護者観戦は選手1人につき2人までとなったが、選手たちは応援に力をもらい全力プレーを見せた。
 
卓球女子団体戦は甲子と大槌の対戦。チームの総力で挑む

卓球女子団体戦は甲子と大槌の対戦。チームの総力で挑む

 
 卓球男子団体戦で準優勝となった甲子中の白岩優一朗キャプテン(3年)は「点を取った時とかに拍手をもらうと、やる気がみなぎる。中学最後の大会なので家族も楽しみにしていたと思う」と、過去2年は味わえなかった会場の雰囲気を満喫。「来年は今の2年生に優勝を成し遂げてほしい」と望みを託した。自身は水泳個人(自由形50M、100M)で県大会出場が決まっていて、記録更新へさらなる努力の日々が続く。
 
 バスケットボールは大槌学園体育館で行われた。男子4校はトーナメント戦、女子3校は総当たりのリーグ戦。一昨年の新人戦で県大会初優勝を果たした男子の釜石は選手層が厚く、今大会でも大量得点を重ねて優勝。女子は一昨年の新人戦から連覇を続ける大平が今大会も他校を制し、県大会出場を決めた。
 
バスケットボール男子1回戦・釜石-大槌。釜石の強さは今年も顕在

バスケットボール男子1回戦・釜石-大槌。釜石の強さは今年も顕在

 
 大平中女子バスケ部の阿部愛華キャプテン(3年)は「チームは勢いがあり雰囲気もいい。コロナ禍の2年は道具や椅子の消毒に手間を取られるなどプレー以外の負担も大きかった。今年は多くの応援もあって頑張れる」と笑顔。「全員がシュートを入れ、自分たちのプレーをして勝ちたい」と挑んだ結果、望み通り、県大会への切符を手にした。昨年の新人戦県大会はベスト8。「今年はそれ以上を」と意気込んだ。
 
 大会前日の雨の影響で平田公園野球場のグラウンドコンディションが整わず、18日に順延となった軟式野球。少子化による生徒数の減少などで野球は年々、1校単位でチーム編成するのが難しくなっており、2校、3校で合同チームを結成し大会に出場するケースが増えている。今大会は3校ずつ2チームを結成しての対戦(大槌・釜石東・釜石―大平・唐丹・甲子)となった。
 
 試合は3回まで両チーム無得点。4回裏、走者を3塁に進めた「大槌・釜石東・釜石」は先制点のチャンス。「(大会)最後の3年生を絶対にかえす」と、釜石中2年川崎頼仁選手が放った打球はレフト前へ。待望の1点は決勝点となり、最終回で粘りを見せた「大平・唐丹・甲子」を抑え、1-0で県大会出場を決めた。重要な場面でのヒットに川崎選手は「レフト方向は得意なほう。今日はバッチリはまった」と喜びを表した。
 
4回裏、大槌・釜石東・釜石合同チームは釜石中2年の川崎頼仁選手(右下写真)のヒットで先制

4回裏、大槌・釜石東・釜石合同チームは釜石中2年の川崎頼仁選手(右下写真)のヒットで先制

 
優勝を喜ぶ3校の選手(上段)と保護者(下段)

優勝を喜ぶ3校の選手(上段)と保護者(下段)

 
 3校25人をキャプテンとして率いた釜石東中3年の小笠原颯真選手は「3校合同って本当に難しいと思うが、練習を重ねるうちにみんな仲良くなってチームとしてまとまることができた」。緊張もあったが、「チャンスでしっかり点を取れた。みんな最後まで諦めず、声を出し合い、メンバー全員で勝ち取った勝利」と胸を張った。チームの県大会目標はベスト8。これまで培ったチームワークでさらなる高みを目指す。
 
県大会出場を決めた大槌・釜石東・釜石の選手ら

県大会出場を決めた大槌・釜石東・釜石の選手ら

 
いつもの野球応援の風景が戻ったスタンド。3校の保護者も力を結集

いつもの野球応援の風景が戻ったスタンド。3校の保護者も力を結集

 
 チームを応援する家族も団結した。1塁側スタンドで太鼓を鳴らしながら熱い声援を送ったのは釜石中など3校の保護者。声を出して応援できる喜びを感じながら、選手たちを精いっぱい鼓舞した。釜石中野球部に兄弟で所属する栗澤琉彗(3年)、虹空(1年)両選手の母美香さん(45)は「どんな形であれ、野球をできることが子どもたちにとっては一番。支えてくれる人たちに感謝して頑張ってほしい」。選手たちの労をねぎらい、県大会での活躍にも期待を寄せた。
 
バレーボール女子・釜石東-大平。釜石東は攻守で力を見せつけた

バレーボール女子・釜石東-大平。釜石東は攻守で力を見せつけた

 
 各競技の地区代表が出場する県中総体は7月15~17日に県内各会場で開催される。
 
2023年度釜石大槌地区中学校総合体育大会成績一覧表

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目指せ!ラグビーアマ代表入り 今秋、仏へ派遣 釜石で選考会 市内外の経験者41人挑戦

釜石鵜住居復興スタジアムで行われたラグビーアマ代表選考会

釜石鵜住居復興スタジアムで行われたラグビーアマ代表選考会

  
 9月にフランスで初開催される「ワールドアマチュアラグビーフェスティバル」に、日本代表としてチーム「いわて釜石ラグビーフットボールクラブ」を派遣するラグビー国際交流推進事業実行委員会(小泉嘉明会長)は11日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで選手選考会を行った。県内外から経験者41人が参加。体力や技術、コミュニケーション力を確認するミニゲームなどに挑んだ。
  
 同フェスティバルは、同国で開幕するラグビーのワールドカップ(W杯)に合わせて実施。W杯出場国を中心に20カ国が参加する。会場の一つになっているのが釜石の姉妹都市ディーニュ・レ・バン市で、出場の打診があった。そこで、市や県などで同実行委を組織し、釜石と縁があることなどを条件に選手を公募。全国から47人の応募があった。
 
参加選手たちは実戦形式のミニゲームでアピール

参加選手たちは実戦形式のミニゲームでアピール

  
 この日は、釜石シーウェイブス(SW)の元選手12人を含む19歳から58歳までの経験者が参加。ランニングなどの体力、パスやタックルなどの基本スキル、スクラムやラインアウトなどポジション別スキルを確かめるテストに臨んだ。実戦形式のゲームも行い、連係を確認。「いいよ。ナイス」「ハイ!パス…こっち」などと積極的に声をかけ合いながら、それぞれ強みをアピールした。
 
審査員(写真右下)はさまざまな視点から参加選手の動きを確認した

審査員(写真右下)はさまざまな視点から参加選手の動きを確認した

  
 昨季まで釜石SWでWTB(ウイング)として活躍した同市桜木町の会社員佐々木絃さん(25)は、高校時代の仲間から誘われて応募。「年齢層が広め。それぞれのラグビーがあり、みんなで目指すラグビーの完成度を高められたら、面白いチームになりそう」と、気持ちのいい汗を流した。メンバーに選ばれたら、「海外のアマはインパクトあるプレーが多いイメージ。日本代表としての意地を見せたい」と笑った。
 
「多様な考えを持つ人と作り上げるラグビーは楽しい」と佐々木絃さん(右)

「多様な考えを持つ人と作り上げるラグビーは楽しい」と佐々木絃さん(右)

  
 トップリーグ(当時)に所属したヤマハ発動機ジュビロの選手だった池町信哉さん(34)も挑戦者の一人。東日本大震災直後に釜石SWとの復興祈願試合のために来釜して以来、毎年のようにチームで訪れていた。「ここでプレーするのは特別なこと。そして、記念すべき世界大会の日本代表。選ばれたら、恥じないプレー、釜石ここにありというプレーをしたい」と熱く語った。
  
ラグビー、釜石へ熱い思いを持つ池町信哉さん(右)

ラグビー、釜石へ熱い思いを持つ池町信哉さん(右)

  
 釜石SWの元主将で市スポーツ推進課の佐伯悠主任(38)は、チームスタッフとして選考会をサポート。楽しみながら、本気でプレーする参加者の様子に「初めて会ったのにコミュニケーションをとりながら、しっかりとしたプレーをしていた。大会が楽しみ」と頬を緩めた。限られた時間の中でチームを作り上げる難しさはあるが、「同じ方向を目指し、立ち向かってくれる仲間たち」に期待は上向き。「大会を通じて復興支援への感謝、岩手と釜石のパワーを世界に伝える」と意気込んでいる。
  
選考会を終え、すがすがしい表情の参加者たち

選考会を終え、すがすがしい表情の参加者たち

  
 実行委では今後、書類審査(経験や経歴、釜石への愛、競技への熱意などの評価)と選考会(基礎的な技術力や判断力、適応力、協調性などの評価)を踏まえ、選手27人を選ぶ。コーチやメディカルスタッフらを合わせて選手団は35人となる見通し。メンバー決定後は、うのスタでの合宿なども行って大会に臨む。
 
 

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釜石SW 納会とファン感謝祭で選手、スタッフをねぎらう 今季のMVP選手発表も

釜石SWのファン感謝祭で記念写真に収まる参加者ら=19日夜、市民ホール前広場

釜石SWのファン感謝祭で記念写真に収まる参加者ら=19日夜、市民ホール前広場

 
 釜石シーウェイブス(SW)RFCの今季を締めくくる納会とファン感謝祭は19日、釜石市大町で開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で見合わせていた飲食を伴う感謝イベントを解禁。チーム関係者、スポンサーのほか、一般のファンなども無料で入場できる交流の場が設けられた。来場者はシーズンを終えた選手、スタッフをねぎらい、来季のさらなる活躍を願った。
 
 納会は釜石PITで行われ、選手とスタッフ約60人が参加した。坂下功正総監督は「ディビジョン2(2部)に残れたのは、ここにいるメンバー全員のおかげ。今季は非常に勝てずに苦労した。もう一度気持ちを奮い立たせ、強くなるためにみんなで頑張っていきたい」と話した。
 
 チームのシーズンMVPは、入れ替え戦2試合で2部残留につながるトライを決めたナンバー8サム・ヘンウッド選手(32)。「一番、チームの推進力になった」(坂下総監督)として、入団3年目の活躍をたたえた。
 
納会であいさつする坂下功正総監督(左)シーズンMVPに選ばれたサム・ヘンウッド選手(右)

納会であいさつする坂下功正総監督(左)シーズンMVPに選ばれたサム・ヘンウッド選手(右)

 
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 退団する選手、スタッフには記念品が贈られた。2014年から9年間在籍したCTB菅原祐輝選手(28)は「つらいこともたくさんあったが、素晴らしい仲間に出会えて一緒に共有した時間は私の中で大きな財産」と感謝。16年から7年間プレーし、選手会長も務めたナンバー8中野裕太選手(33)は、残る選手に向けメッセージ。「常に自分にベクトルを向け続けていれば、大変な時も乗り越えられる。自分を評価するのは他人。自分はやれているつもりでも注意されるのは、足りない部分があるから。そういう意識で練習にも取り組んでほしい」と促した。
 
今季で退団する選手、スタッフがチームへの思いを込めあいさつ

今季で退団する選手、スタッフがチームへの思いを込めあいさつ

 
選手会長としてもチームをまとめた中野裕太選手(中央)。残る仲間へ2つのメッセージを送った

選手会長としてもチームをまとめた中野裕太選手(中央)。残る仲間へ2つのメッセージを送った

 
リーグワン2季目を終了した釜石SWの選手、スタッフら

リーグワン2季目を終了した釜石SWの選手、スタッフら

 
 納会後のファン感謝祭は市民ホールTETTOのホール前広場で開かれた。約200人が参加。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーが「地元の声援が本当に力になり、選手を奮い立たせてくれた。来年こそ、皆さまと共にうのスタで勝利を味わいたい」とあいさつ。小野航大主将の発声で乾杯した。
 
 乾杯し、シーズン中の労をねぎらい合う参加者ら

乾杯し、シーズン中の労をねぎらい合う参加者ら

 
 来場者は選手、スタッフらと言葉を交わしたり記念撮影をしたりし、久しぶりの対面交流を楽しんだ。会場内にはホーム戦でも出店したキッチンカーが並んだ。選手やスタッフが使用したウェアなどを格安で販売するガレージセールやチームグッズの販売も。選手らもリラックスした表情で談笑し、長いシーズンの疲れを癒やした。
 
選手との記念撮影で楽しい思い出づくり!

選手との記念撮影で楽しい思い出づくり!

 
こちらは家族ぐるみで記念の一枚。交流の輪が広がる感謝祭

こちらは家族ぐるみで記念の一枚。交流の輪が広がる感謝祭

 
選手、スタッフ実使用のトレーニングウェアなどが並んだガレージセール

選手、スタッフ実使用のトレーニングウェアなどが並んだガレージセール

 
 市内の公務員阿部帆歌さん(19)は「2部残留が決まって良かった。SWは応援したくなるいいチーム。来シーズンも頑張ってほしい」と期待。会社員の綿貫雅俊さん(38)は初めての感謝祭に「オープンな雰囲気で交流でき貴重な機会」と笑顔。選手のジャージーも複数ゲットし、「みんなの努力の証し。自分もチームとの一体感を味わえそう。ラグビーだけでなく仕事も頑張っている姿にこちらも力をもらっている」と声を弾ませた。
 
 会場ではチームの公式サイトで行ったファン選出MVPの発表も行われた。投票総数256件。5位から順に名前が呼ばれると会場は大盛り上がり。堂々の1位にはSO中村良真選手(28)が輝いた。正確なゴールキックなどでチームに貢献。投票者からは「キックの精度が大きく上がった」「シーズン終盤の踏ん張りどころでのゲームメークが素晴らしかった」などの声があり、努力する姿勢や人間性もファンを魅了した。中村選手は「非常にうれしい。唯一の心残りはうのスタで勝利できなかったこと。来シーズンは必ず皆さんとともに勝利したい」と意気込んだ。
 
ファン投票のMVPに選ばれ、仲間から祝福される中村良真選手(中央)。金一封を贈られ、笑顔で喜びを語った(左下写真)

ファン投票のMVPに選ばれ、仲間から祝福される中村良真選手(中央)。金一封を贈られ、笑顔で喜びを語った(左下写真)

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女子ラグビー柏木那月選手(釜石出身) 豪州リーグ参戦、経験報告 成長と活躍期す

野田武則市長(左から3人目)に海外リーグでの収穫を報告した柏木那月選手(同4人目)ら

野田武則市長(左から3人目)に海外リーグでの収穫を報告した柏木那月選手(同4人目)ら

  
 釜石市出身の女子ラグビー選手・柏木那月さん(24)=東京山九フェニックス、釜石商工高―日体大=は今春、豪州の海外リーグに初参戦した。期限付きの在籍で、活動期間を終えて里帰り中の18日に市役所を訪問。「短期間だったが、日本では体感できないプレースタイルを肌で感じ、成長できる機会になった」などと、野田武則市長らに報告した。
  
「恥じないプレーでチームに貢献しようと思った」。海外リーグ初参戦への思いを語った

「恥じないプレーでチームに貢献しようと思った」。海外リーグ初参戦への思いを語った

  
 柏木選手は2月中旬から5月上旬までの約3カ月間、豪州でプレー。強豪が集うリーグ「スーパーW」のウェスタンフォースに所属しFW第1列として、全5試合にフル出場した。チームは6チーム中5位だったが、「スクラムの重さ、パワーが違う。体格で不足している分を細かなスキルで補えるよう考えたり、力で負けないよう低い姿勢でのタックルを意識したり、さまざまな学びを得て成長できた」と充実感をにじませた。
  
 言葉は通じずとも「ラグビーは世界共通。海外の文化も教えてもらいながら、楽しく過ごせた」と表情は明るい。こうした貴重な経験が刺激となり、さらなるレベルアップを期す。目指すは、日本代表。「体づくりに専念し、15人制のシーズンが始まるころにはもっと強い自分になりたい」と意気込んだ。
   
「エンジョイラグビー」を続ける柏木選手(左)を見守る父・斉さん

「エンジョイラグビー」を続ける柏木選手(左)を見守る父・斉さん

   
 同行した父斉さん(58)によると、今回の海外行きは豪州チームからのオファーを受けたもので、「ラグビーのまち釜石で育ち、ひたむきに取り組んできたから。そして、いろんな人たちの協力、支えがあってこそ」と手応えを感じていた。フェニックスは2月の全国女子選手権(15人制)で優勝。柏木選手は決勝にフッカーで先発し勝利に貢献し、そうした実力が評価されて機会を得た。自信に満ちたまな娘を優しく見つめ、「エンジョイラグビーを続けて」と願った。
  
 兄2人がラグビーに励んでいたり、斉さんが釜石シーウェイブスRFCジュニアのコーチだったこともあり、小学3年生でラグビーを始めた柏木選手。ジュニア、高校時代を知る同ジュニア校の大畑勇校長(68)も同席し、「木登りして落ちたり、活発な子だった。試合では鼻血を出しながらも続けたりと負けん気も強く、ガッツがある。明るく、みんなに愛されるキャラも魅力」と強調。大槌町出身の平野恵里子選手(アザレア・セブン、釜石高―日体大)に続く「日本代表に」と期待を高めていて、「なっちゃんの活躍でジュニアも盛り上がる」と見守っていた。
   
 野田市長は「まさにこれから。海外での実績を糧に活躍し、ラグビーのまち釜石を発信してほしい」とエールを送った。
    
古里からの応援も力に、さらなる活躍を誓う柏木選手

古里からの応援も力に、さらなる活躍を誓う柏木選手

   
 古里で顔なじみの人たちと触れ合いながら、リフレッシュした柏木選手。ラグビーを頑張る後輩たちに「最後まで諦めないことが大切。つらかったり、けがに悩まされたり、うまくいかない時期があってもトレーニングに励んでいれば、誰かが見ていてくれる」と助言を残す。東日本大震災後は深刻な被災状況を見て、ラグビーをやめることも考えたというが、当時のSW選手が支援物資の配布を手伝うなど地元のために力を尽くす姿を目にし、「自分も頑張って地域に笑顔を届けられたら」と発起。それが今につながっていて、「岩手で女子ラグビーを広げていけるよう、もっと活躍して恩返ししたい。釜石にも女子チームができれば」と思いを巡らせていた。