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釜石山岳協会60周年

釜石山岳協会創立60周年、震災乗り越え大きな節目〜五葉山山小屋改修も後押し

釜石山岳協会60周年

 

 釜石市内の登山愛好者らで組織する「釜石山岳協会」(菅原長一郎会長)は25日、同会の創立60周年記念式典と祝賀会を大町のホテルサンルート釜石で開いた。会員と来賓65人が出席。震災を乗り越え迎えた大きな節目に会員の思いもひとしおで、積み上げてきた歴史の重みを感じながら、会のさらなる発展を誓った。

 

 式典で菅原会長は会の活動実績を紹介し、「これからも山のロマンを追い続け、健全な登山活動の啓もうに努めたい」とあいさつ。長年にわたり組織の強化と安全登山、登山技術の普及に尽力した友菊忠男さん(78)=釜石岳友会会長=を功労者として表彰した。

 

 友菊さんは「加入団体が団結し、各種活動を行ってきたことが思い出される。花やパノラマなど山の魅力は尽きない。あと5年ぐらいは五葉山に登りたい」と80代現役に意欲を見せた。

 

 同協会は市内の山岳団体が集まり、1955年に創立。製鉄業の繁栄で、まちの人口がピークとなった頃には約10団体が加盟した。89年に協会体制を再構築。現在はアトラス山岳会(後藤好克会長、27人)、釜石岳友会(友菊忠男会長、25人)、シャモニー山岳同人(菅原長一郎会長、33人)の3団体に個人会員10人を加えた95人が加入する。

 

 長年にわたり、釜石、大船渡、住田の3市町にまたがる五葉山(標高1351メートル)を中心に活動を展開。毎年4月29日の山開きでは各地から訪れる登山者をサポート、夏山シーズンが終わる11月には登山道と山小屋の清掃活動に励む。熟練者は同山をパトロールする自然保護管理員や遭難救助会員としても活躍する。

 

 昨年から今年にかけては、老朽化が進む山小屋「石楠花(しゃくなげ)荘」の改修促進協議会(会長=市川滋・同協会顧問)を関係団体と立ち上げ、署名募金活動を実施。3市町で組織する五葉山自然保護協議会(会長=野田武則釜石市長)に多額の寄付を行い、早期改修を求めてきた。

 

 式典に招かれた野田市長は「石楠花荘は改修への設計段階に入った。環境整備を進め、五葉山の素晴らしさを内外に発信していきたい」と協会との連携を願った。

 

 同協会は県山岳協会に役員を派遣し、岩手山の避難小屋管理などにも協力する。各団体は遠征登山を含む積極的な活動で、知識や技能の習得、健康増進、仲間との親睦を図る。3団体の交流登山も行う。

 

 海外の名峰登山も経験してきた菅原会長(77)は「ハードな挑戦も楽しんで登るのも続けてきたが、今の協会員は60代が中心。今後は若い人にどんどん入ってもらい、登山の面白さを伝えるとともに、将来の指導者育成にもつなげていきたい」と新たな目標を見据えた。

 

 2011年の震災で同協会では役員や会員7人が犠牲になった。60周年は本来、15年だったが、諸事情を勘案し記念行事は見送り、7回忌を迎えた本年に開催した。

 

(復興釜石新聞 2017年11月29日発行 第643号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

かわいらしい「ミッフィー」をデザインしたマンホールのふたを笑顔で囲む釜石小1年生

「ミッフィー」ほほ笑むマンホール、大町の歩道にふたを設置〜カードも作製、12月9日から配布

かわいらしい「ミッフィー」をデザインしたマンホールのふたを笑顔で囲む釜石小1年生

かわいらしい「ミッフィー」をデザインしたマンホールのふたを笑顔で囲む釜石小1年生

 

 釜石市大町の歩道に、世界で知られるウサギのキャラクター「ミッフィー」をモチーフにしたマンホールのふたが設置され、24日、除幕式が開かれた。街のにぎわい創出、観光で訪れる人にもっと釜石を楽しんでもらうのを目的に、市が考案。このマンホールふたの「マンホールカード」も作製し、12月9日から配布する。

 

 ふたは釜石情報交流センター内にある「ミッフィーカフェ」前の歩道に設置された。直径約60センチ、重さ約40キロの鋳鉄製。中央部に白い樹脂で固めたプレートが取り付けられ、ミッフィーの顔と「MIFFY CAFE」の文字が描かれている。

 

 除幕式で、野田武則市長は「たくさんある釜石の良さを発信する一助になれば。観光の名物、新名所として見守っていきたい」とあいさつ。お手伝いにやって来た釜石小1年生13人と一緒に幕のひもを引き、関係者に完成したふたをお披露目した。

 

 かわいらしい顔がお目見えすると、児童らは歓声。ミッフィーが好きな藤原大吾君は「かわいかった。みんなに教える」と笑った。

 

 マンホールふたのデザインは全国に1万2千種類ほどあるとされ、景勝地や名産など「ご当地もの」を丁寧に描いた凝ったものも少なくない。近年、絵柄から歴史や文化がうかがえる「路上の文化物」として魅力を楽しむ愛好家が増え、海外からも注目されているという。

 

「MIFFY CAFE」と刻まれたマンホールのふた

「MIFFY CAFE」と刻まれたマンホールのふた

 

 マンホールカードは、GKP(下水道広報プラットホーム)が企画・監修するマンホールふたのコレクションアイテムで、マンホールふたを管理する都道府県や市町村とGKPが共同で作製したもの。マンホールの魅力を通じて下水道の役割などについて情報発信するとともに、観光振興につなげるという狙いで発行されている。

 

 ミッフィーをあしらったカードは2千枚作製。配布は12月9日からで、同センター内釜石まちづくり会社窓口に行くと、1人1枚を原則的に無料でもらえる。

 

 市ではこのほか、虎舞をあしらったマンホールふたのカードを作製する予定。2019年のラグビーワールドカップに向けて建設中の鵜住居復興スタジアムには、ラグビーにちなんだマンホールふたの設置を検討している。

 

(復興釜石新聞 2017年11月29日発行 第643号より)

 

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釜石市民ホールTETTO インタビュー&開館記念式典・施設見学会

《インタビュー》釜石市民ホールTETTO インタビュー&開館記念式典・施設見学会

釜石市民ホールTETTO インタビュー&開館記念式典・施設見学会

 

12月8日、釜石市民ホールが開館を迎えます(グランドオープンは2018年4月)。釜石の文化・芸術の中心舞台だった釜石市民文化会館は、東日本大震災による津波で被災し、2015年3月に解体されました。それから約7年間、環境的な困難を乗り越え、工夫を凝らし活動を継続してきた市内の様々な団体の姿に、多くの皆さんが元気や勇気をもらってきたのではないでしょうか。

 

そんなこれまでの想いを受け止める場所となる、釜石市民ホール(愛称 TETTO)。主催する人、鑑賞する人、それぞれが様々な期待を寄せていることでしょう。そこで今回縁とらんす取材班は、二組の若い世代にインタビューをしてきました。

 

TETTOの名付け親、森 美惠さん

 

TETTOの名付け親、森 美惠さん

 

まずは、市民ホールの愛称“TETTO”の名付け親、森 美惠(みさと)さん 。(釜石市立双葉小学校 4年生)

 

市民ホールが出来たら、どんな事が楽しみですか?と聞くと、「前にやった、ミュージカルみたいな事をやってみたい!」と答えが返ってきました。

 

今年3月に市民ホールプレイベントとして開催された、「釜石こどもミュージカル~明けない夜はないから~」。美惠さんは、その中で、アナウンサーとチアリーダーの役を演じ、その時の楽しかった思い出が今も心に残っているそうです。

 

TETTOの名付け親、森 美惠さん

 

またそういうチャンスが来るといいね、と話していると、実はすでに市民ホールのステージに立つ日が予定されているとのこと。来年2月下旬に開催される釜石市郷土芸能祭に“八雲神楽”の一員として参加するそうです。

 

「お友達に“やってみない?”と誘われて、今年の釜石まつりで初めて踊りました。神楽は難しい踊りもあるけど、上手に出来ると嬉しいし、お客さんの前で踊るのが楽しみ。」と話してくれました。

 

市民の皆さんにも市民文化会館との素敵な思い出があると思います。特に小さい頃、観る側から初めてステージに立った体験は、忘れられない記憶として残っているのではないでしょうか?

 

やりたい事や夢を叶える場として、子ども達が舞台に上がる機会がたくさん訪れることを願います。

 

<釜石市民ホールの愛称 “TETTO”について>
愛称は、応募総数775件の中から、森美惠(もりみさと)さん(双葉小4年)の「TETTO(テット」)」が選ばれました。

 

「TETTO(テット)」には、釜石と鉄の深いつながりを表した「鉄都」と、釜石市民ホールと釜石情報交流センターをつなぐ広場上部のガラスから建物につながる「屋根」が建築の特徴でもあることから、イタリア語で屋根を意味する「tetto」の2つの意味が込められています。(釜石市HPより)

 

釜石を拠点に活動されている「劇団もしょこむ」

 

釜石を拠点に活動されている「劇団もしょこむ」

 
そしてもう一組は、釜石の“劇団もしょこむ”。来年(2月~3月)の新作上演に向け、メンバーが集まった所へお邪魔して来ました。一番興味があったのは、“市民ホールの使い方”についてでしたが、先日、ちょうど施設を見学してきたばかりということで、具体的なお話を聞くことが出来ました。

 

「演技スペースの取り方も“自由自在”に出来る環境で、“ステージと客席”という固定概念を取り払って、使い方次第で色々と遊べそうですね。私たちが使うとしたら、ホールBかなぁという話をしていたのですが、全体がフラットになったり、広場やロビー側に面している部分もガラス戸になったり、開け放って隣の空間と繋がったりするので、単なる“壁”ではなく、“舞台装置”として使用する演出も出来るなぁと考えながら見学しました。ホール以外の場所も“ここを使ったらこんな事が出来るかも”とアイデアが浮かんで来ました。」

 

釜石を拠点に活動されている「劇団もしょこむ」

 

そして、「地元の団体がメインで活動する場所になって欲しい」という事も改めて感じたそう。「今、岩手県の沿岸部で演劇の熱が高まってきています。劇団もしょこむは、“釜石で演劇が娯楽の一つとして定着して欲しい”という想いを持って活動していますが、自分たちの他にもどんどんと劇団が出てきて欲しいなと思っています。特に若い世代。演劇をしたいけど、高校に演劇部は無いし・・・と思っている高校生が居たら、一緒にやりましょう。」“楽しさ”が原動力という劇団もしょこむが、市民ホールを“自由自在”に使った舞台を届けてくれる日が待ち遠しくなりました。

 

気になる最新情報はこちらから。
劇団もしょこむ Facebookページ
https://www.facebook.com/moshokom/

 

<「劇団もしょこむ」について>
2015年3月釜石で旗揚げ。旗揚げ公演 「平行螺旋」は被災者のリアルな声を表現し注目を集め、1年をかけて、岩手県内(雫石、盛岡、遠野)、そして東京での旅公演を行う。空き店舗、商店街、映画祭、お花見会場等々、様々な場所を舞台にし、身近に演劇に触れる機会を届けている。

 

――――――――――――――――――

さぁ、あなたは市民ホールでどんな事をしてみたい、どんな楽しみ方をしたいですか?それには、やはり現場を見ないと、ですよね!まずは、開館記念式典や施設見学会にお出掛けしてみませんか?

 

釜石市民ホールTETTO 開館記念式典

日時

12月8日(金) 10時から

場所

釜石市民ホールTETTO(釜石市大町1-1-9) 

プログラム(予定)

10時~ オープニングセレモニー (屋根のある広場)
10時10分~ 開場
10時30分~ 開館記念式典(ホールA) ※1時時間程度
 一番太鼓(藤舎千穂さん)
 ピアノ演奏(小井土文哉さん)
 釜石市民歌斉唱 他
= 式典終了後~14時まで施設内を見学できます =

入場

無料(満席の場合は入場をお待ちいただくことがあります)

その他

釜石市民ホールには駐車場がございません。公共交通機関をご利用いただくか、近隣の有料駐車場(市営大町駐車場など)をご利用下さい。

お問い合わせ

釜石市市民生活部 生涯学習文化スポーツ課 芸術・文化係
TEO:0193-22-8835 / FAX:0193-22-3633

 

釜石市民ホールプレオープンイベント 施設見学会 OPEN TETTO

日時・内容

①2017年12月17日(日) 10:00~16:00
<ホールA:音楽ホール形式(音響反射板仕様)>
クラシック音楽や合唱などの演奏会などに使用されるスタイル
②2017年12月24日(日) 10:00~16:00
<ホールA:劇場形式(袖幕仕様)>
講演会や式典、ポップス・演歌などのコンサート、演劇などに使用されるスタイル
③2018年1月14日(日)  10:00~16:00
<ホールA+B:オールフラット形式>
ホールA~ロビー~ホールBまで平土間で繋がるスタイル
※当日、会場へお越しください。各日とも30分毎にスタッフがご案内いたします

見学方法

①受付で施設資料とパスカードをお受け取り下さい。
②見学順路に沿って施設内をご覧ください。
③見学コースの各ポイントで職員が施設の概要を説明します。
④施設利用相談コーナーでは、さらに詳しい内容を相談できます。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO
TEO:0193-22-2266 / FAX:0193-22-3809

 

釜石市民ホールオープニングチラシ

釜石市民ホールオープニングチラシ

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市民ホールについての最新情報は、公式Facebookページ(公式サイトは近日OPEN予定)で随時発信されていますので、こちらもチェックしてください。

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

 

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

広報かまいし2017年12月1日号(No.1677)

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【目次】
表紙:市道港町2号線の橋の名称が決まりました
P02:マイナンバー制度の本格運用が始まりました
P03:道路の除雪作業にご理解・ご協力を、住宅用新エネルギー導入支援事業費補助金 など
P04:釜石市民ホールTETTO「邦楽の調べ」三味線出演者を募集します、釜石市民ホールTETTOの施設見学会を開催します、釜石情報交流センター&ミッフィーカフェかまいしオープン2周年記念感謝祭
P05:魚河岸にぎわい創出施設検討委員会の委員を公募します、市道新町堤防線への切り替えのお知らせ、オリジナルフレーム切手を販売します
P06:今月のインフォメーション
P08:岩手大学地域連携フォーラムin釜石を開催します など

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1214490_2596.html
釜石市

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ラグビーW杯カウントダウンボードの設置に成功への意欲を高める野田市長ら関係者

ラグビーW杯へカウントダウン〜市役所前に表示板、盛り上げに大きな力

 ラグビーW杯カウントダウンボードの設置に成功への意欲を高める野田市長ら関係者

ラグビーW杯カウントダウンボードの設置に成功への意欲を高める野田市長ら関係者

 

 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)開催に向け、釜石市で1戦目の試合が行われるまでの残り日数を表示するカウントダウンボードが釜石市役所にお目見えした。釜石での第1戦まで672日となった22日に除幕式が行われ、野田武則市長が市職員らにアピール。「選手が最高のコンディションで戦える環境、来訪者に喜んでもらえるおもてなしができるまちづくりを進めていこう」と呼び掛けた。

 

 市役所本庁舎正面玄関前に設置されたボードは縦1メートル20センチ、横1メートル60センチ。発光ダイオード(LED)で文字を表示する電光板が取り付けられ、大会までの日数を周知する。30分に1回、大会キャッチコピー「4年に一度じゃない。一生に一度だ。ONCE IN A LIFETIME」がスクロール表示される。事業費は230万円で、ラグビーW杯2019釜石開催実行委員会事業として実施した。

 

 除幕式で、野田市長は「震災被災地、東北6県の代表としての開催で、日本のみならず世界からいただいた支援に対し、ラグビーを通じて感謝を伝え、復興の姿を見せる機会になる。意義、目的を確認しながら、期待を持ってW杯を迎えてほしい。来庁した市民の目に触れ、盛り上がりにつながれば」と期待した。

 

 W杯の周知、機運醸成を狙いにしたカウントダウンボードについて、釜石商工高生も製作を進めており、12月に釜石市民ホールに設置する予定。ラグビーW杯2019アンバサダーの桜庭吉彦さん(釜石シーウェイブスRFCゼネラルマネジャー)は「W杯開催までの具体の日数が見え、開幕に向けた盛り上げの大きな力になる」と話した。

 

 釜石では、建設中の「釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)」で2試合が行われる。9月25日にフィジーとアメリカ地区2位が、10月13日にアフリカ地区1位と敗者復活戦勝者が対戦する。

 

(復興釜石新聞 2017年11月25日発行 第642号より)

 

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息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

高炉稼働時代の森を復元、「橋野」で育樹祭〜釜石市と国 共同事業

100年先の豊かな森づくりに協力したボランティアら

100年先の豊かな森づくりに協力したボランティアら

 

 ユネスコ世界遺産の橋野鉄鉱山で、鉄を生産していた160年前の森を復元する「稼働時代の森づくり育樹祭」が18日、釜石市橋野町の現地で行われた。市と周辺の国有林を管理する林野庁東北森林管理局三陸中部森林管理署(大船渡市、畠沢重年署長)が共催。100年をかけて針葉樹と広葉樹の豊かな森をつくる壮大なプロジェクトがスタートした。

 

 育樹祭は、橋野町青ノ木の第一高炉跡の東側にあるスギ林(約1・2ヘクタール)で行われた。樹齢12年の高さ8ヘクタールほど、胸高径12センチ前後の約3千本が育つ。市産業振興部の似内敏行部長ら市職員、森林管理署職員、同署管内の林業関係者、県職員のほか、地元橋野町や栗林町などから市民ボランティアを含む小学生から80代まで約60人が参加した。

 

 背の高さまで枝打ちしたほか、生育不良木を除伐。多くはのこぎりで作業し、根元から曲がって隣の木に掛かった数本を伐り倒した。

 

 枝打ちは、木肌を整え付加価値を高めるために欠かせない。最後にシカの食害から守る防除ネットを幹に巻き付け、約1時間の作業を終えた。

 

 稲作のほか山林も所有する栗林町の川﨑正次郎さん(77)は「それぞれができることをして協力しないと。地域の多くの人がかかわれば、遺産の関心が高まり、お客さんも呼ぶことができる」と活動の意義を語った。

 

 息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

 

 畠沢署長によると、間伐は20年に1回をめどに繰り返し、50年後に伐期を迎える。針葉樹と広葉樹の「混交林」は製鉄に欠かせなかった木炭の原料を提供するとともに、建屋など関連施設の建設にも活用された。スギ林を管理し続けることで、徐々にかつての自然林のサイクルを取り戻す。

 

 畠沢署長は参加者に感謝し、「しっかりと森林を管理し、橋野鉄鉱山に多くの人が訪れるよう協力したい」と意欲を伝えた。

 

(復興釜石新聞 2017年11月22日発行 第641号より)

 

復興釜石新聞

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ラグビーW杯カウントダウンボード、市民ホールに設置へ〜釜石商工高校が協力

ラグビーW杯のカウントダウンボード製作に取り組む釜石商工高生

ラグビーW杯のカウントダウンボード製作に取り組む釜石商工高生

 

 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)のPRと機運醸成を図ろうと釜石市は、県立釜石商工高(千葉尚校長、生徒350人)の協力を得て、釜石での試合開催日(1戦目)までのカウントダウンボードを製作している。今月末までに完成する見込み。大町の釜石市民ホールに設置し、釜石開催まで650日となる12月14日に除幕式を行う予定だ。

 

 釜石では、建設中の「釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)」で2試合が行われる。9月25日にフィジーとアメリカ地区2位が、10月13日にアフリカ地区1位と敗者復活戦勝者が対戦する。

 

 カウントダウンボードの設置は、大会に向けた市民の参画意識の高揚、次代の地域産業を担うものづくり人材育成の一助にと企画。製作は同校の工業クラブ(佐々木颯太部長、生徒9人)が担い、製作費(30万円)を釜石ライオンズクラブ(LC、鎌田博之会長)が支援した。

 

 ボードは縦90センチ、横1メートル80センチ。建築資材の薄い板「コンパネ」を使ったフレームに、発光ダイオード(LED)で文字をスクロール表示する電光板を取り付ける。フレームには市のイメージキャラクター「かまリン」、市の花「はまゆり」、虎舞などの絵柄が貼り付けられ、釜石らしさにあふれたデザインに。コンパネと断熱材で作った橋野鉄鉱山(高炉跡)の石組みをモチーフにした台座や、鉄板を切って、曲げて、溶接して作るラグビーボールのオブジェと組み合わせると完成する。

 

 製作は今年8月から開始。それぞれ得意分野を生かして、ボードの電源や電光表示プログラム、絵柄部分を電気電子科、台座の組み立てや塗装、オブジェの溶接などは機械・電子機械科の生徒が担当。部活動などの時間に製作を進めている。電光板の文字は、1戦目の開催までの残り日数、対戦国などを周知する内容を予定。

 

 製作状況を公開した16日時点での進み具合は8割。今後は台座の塗装、オブジェの磨き作業など仕上げを進める。

 

 電光板の表示プログラムを担当する佐々木部長(3年)は「開催日を知り、楽しみにしてもらえるようなボードを完成させたい。W杯をきっかけに、たくさんの人が釜石に興味を持って、まちが活気づくことにつながれば、うれしい」と期待する。

 

 釜石LCが支援した製作費は、震災を機に愛知県の東海LCから贈り続けられている復興支援金を充てた。作業の様子を見た鎌田会長は「想像以上のものができる」と、うれしそうに話した。

 

(復興釜石新聞 2017年11月18日発行 第640号より)

 

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ミッフィーカフェかまいしがマンホール蓋のデザインになりました!

ミッフィーカフェかまいしがマンホール蓋のデザインになりました!

ミッフィーカフェかまいしがマンホール蓋のデザインになりました!

 

平成29年12月9日(土)ミッフィーカフェかまいしのマンホールカード配布開始!

 

配布開始:2017年12月9日(土)
配布場所:釜石情報交流センター1階 受付カウンター
※取りに来られた方に無償配布しますが、一人一枚となります。

 

日本のマンホール蓋は世界に誇れる文化物

 
日本には、およそ1,500万枚のマンホール蓋が設置されています。それを管理する自治体は約1,700あり、マンホール蓋のデザイン総数は12,000種以上にのぼるといわれます。デザインの面白さは、その土地にゆかりにある人物や名所、名産などが描かれた「ご当地モノ」であること。そして、見た目の華やかさだけでなく、絵柄から歴史や文化がうかがえる「路上の文化物」としての魅力を有していることです。これほど豊富なデザインが揃う国は他になく、日本独自の文化として国内はもとより、近年は国外からも注目されています。

 

マンホールカードとは

 
下水道広報プラットホーム(GKP)のプロジェクトチームである「マンホール・エンジョイ・プロモーション」(マエプロ)が中心となりマンホール蓋を管理する自治体と共同で作っているマンホール蓋のコレクションカードです。
 
「日本のマンホール蓋は世界に誇れる文化物!」。そんなメッセージを込めて、下水道関連施設や観光案内所などで無料で配布されている「カード型パンフレット」で以下の楽しさを追求しています。

 

①「集める楽しさ」にこだわったコレクションカード

全種類コンプリートはもちろん、色分けされた9つの地域、都道府県、テーマを分類化したピクトグラムなど、自分の好きなカテゴリーで集められるよう設計されています。

②「マンホールデザインの奥深い楽しさ」を伝えることに特化したデザイン

全国各地でデザインが異なるマンホール蓋には、ご当地ならではの名所、名産品、キャラクターなどがデザインされています。そんなマンホール蓋の写真と位置情報がオモテ面に、マンホール蓋のデザインの由来がウラ面に記載されています。

③「統一感ある楽しさ」を重視したクオリティ

全国共通のフォーマットと品質を大切にし、サイズ、材質、彩色など、コレクションカードには欠かせない統一感を重視しています。

 

2016年4月に第1弾の配布が始まったマンホールカードは、2017年12月に第6弾が発行されると計293種類(252自治体)となります。テレビや新聞、雑誌など、1年間で600件以上のメディアが取り上げ、大きな反響を呼んでいます。

 

ミッフィーカフェかまいしがマンホール蓋のデザインになったのはなぜ?
それは・・・カードの裏面に記載されております!実際にカードをゲットして調べてみてくださいね!

 

マンホールカードのこともっと知りたい!他の自治体はどんなカードなの?どこに行けばもらえるの?
などなどマンホールカードについて聞きたいこと、調べたいことがある方はココ をクリック!
下水道広報プラットホーム(GKP)

 

マンホールカード第6弾についてはここからダウンロードしてね!
マンホールカード第6弾 内容紹介(4,425 KB pdfファイル)
第6弾 一覧(20,574 KB pdfファイル)
全国のマンホールカード(24,533 KB pdfファイル)
マンホールカード全種類(49,959 KB pdfファイル)

このページに関するお問い合わせ
釜石市 建設部 下水道課 施設係
〒026-0002 岩手県釜石市大平町4丁目2番20号
電話: 0193-22-1061 / Fax: 0193-22-3810 メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/gesuido/oshirase/detail/1214398_2147.html
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広報かまいし2017年11月15日号(No.1676)

広報かまいし2017年11月15日号(No.1676)

広報かまいし2017年11月15日号(No.1676)

 

広報かまいし2017年11月15日号(No.1676)

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【目次】
表紙:ラグビーワールドカップ™優勝トロフィーお披露目
P02:ラグビーワールドカップ2019試合日程決定
P04:平成28年度決算のあらまし
P08:12月1日は鉄の記念日など
P09:市営住宅入居者募集、後期地域会議開催など
P10:まちの話題
P12:保健案内板
P14:まちのお知らせ
P16:市民ホール開館記念式典、かまいしの第九など

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新店舗に夢を描く川端学店長(左)。父實さん、母秀子さん、妻美幸さん(右から)と

釜石を「そばの里」に、地場素材にこだわるメニュー〜製麺業の川喜、そば処「川㐂」開店 野田町の工場を改装

新店舗に夢を描く川端学店長(左)。父實さん、母秀子さん、妻美幸さん(右から)と

新店舗に夢を描く川端学店長(左)。父實さん、母秀子さん、妻美幸さん(右から)と

 

 釜石市の製麺業、川喜(川端實会長)グループは3日、野田町3丁目に「そば処川㐂家」をオープンした。震災の影響で休業した直営の麺食堂を復活させる形で、場所を移し開業。橋野町和山高原で自社栽培するソバなど県内産の原料にこだわったメニューを提供する。川端会長の長男で、自らソバ栽培を行う川端学店長(45)=カワキ商事社長=は「収量を増やし、釜石のそばの認知度を高めていきたい。夢は『そばの里釜石』」と新店舗からの発信に志を新たにする。

 

 同社は2011年の震災で、定内町の製麺工場の津波被害は無かったものの、物流が途絶えたことにより、首都圏の販路を失う大打撃を受けた。03年から営業してきた食堂「喜庵」が入居する鈴子町のサン・フィッシュ釜石は津波で被災。食堂は閉店せざるを得なかった。

 

 震災後2、3年は売り上げが戻らなかったが、回復に転じたきっかけが、岩手大と共同開発した「いわて南部地粉そば」。独自の殺菌技術で確立した無添加の日持ちする生麺が消費拡大を生み、取引先を増やしていった。15年度の優良ふるさと食品中央コンクール新技術開発部門で農林水産大臣賞(最優秀)を受賞したこともブランド力強化を後押しした。

 

 本業が軌道に乗ってきたことを追い風に、念願だった食堂再開を決意。国や県の補助事業の採択を受け、主力となったそばをメーンにした新たな店を開いた。元の工場を改修した食堂(98平方メートル)は28席で、セルフサービス方式。冷・温のそば、うどんのほか、釜石ラーメンも提供する。名物は標高800メートルの和山高原で栽培するソバを使った「和山もりそば」。一般的な1人前の約3倍、800グラムを800円(税込み)で提供する”8”づくしの一品。喜庵で人気だった、天ぷらを盛った「釜石大皿うどん」(税込み800円)も復活した。

 

開店初日、にぎわいを見せる店内

開店初日、にぎわいを見せる店内

 

 開店初日の昼営業には、待ちわびた市内外の客が続々と来店。約80食が出るなど期待の高さをうかがわせた。甲子町の80代の夫婦は和山もりそばを注文。「地元のソバを使っているというので楽しみにしてきた。量が多くてびっくり。おいしいし近いので、今後も通いたい」と大満足。大渡町の鈴子陽一さん(67)は「家族みんな川喜の大ファン。やっぱり一流だと思うよ。サン・フィッシュの店にもよく行っていた。また一通り食べてみたい」と顔をほころばせた。

 

 川喜に県内産の小麦粉などを提供する東日本産業(紫波町)の佐々木徹社長は「ソバ栽培から製粉、製麺、食堂まで手がける川喜さんの取り組みは地元の皆さんの励みにもなるのでは。そばの味もさすがです」と絶賛した。

 

 地粉そばは、そば粉と小麦粉を5対5の割合で使用。自社のソバ農場(11・5ヘクタール)の不足分は県内陸部産で賄う。「挽(ひ)きぐるみ(ソバの殻だけをむき粉にする=全粒粉)で、添加物を使わない生そばとしては国内でも負けない」と自信をのぞかせる川端会長(70)。「安く食べてもらい、地域にご奉仕ができれば」と願う。

 

 川㐂家の営業時間は昼が午前11時半から午後2時半まで、夜は午後5時半から同9時まで。火曜定休。問い合わせは同店(電話0193・27・5811)へ。

 

(復興釜石新聞 2017年11月8日発行 第637号より)

 

復興釜石新聞

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ボタンを押すと「おかえりなさい」が流れる音声装置

島倉千代子さんの歌碑に音声装置〜根浜に流れる「おかえりなさい」、後援会員ら寄付募り実現

 音声装置が加わった島倉千代子さんの歌碑の前で関係者らが記念撮影

音声装置が加わった島倉千代子さんの歌碑の前で関係者らが記念撮影

 

 釜石市鵜住居町の根浜海岸を望む一角に建つ、2013年に死去した歌手島倉千代子さんの歌碑近くに音声装置が設置され、10月28日、現地でお披露目された。装置は高さ約120センチ、幅約75センチで、ボタンを押すと歌碑に刻まれた島倉さんの「おかえりなさい」を聞ける仕組み。♪あなたの帰りを待っている 変わらぬ心がここにある――。集まったファンらは温かみのある島倉さんの歌声にじっくり聴き入り、歌声を重ねて笑顔を見せた。

 

 歌碑は白御影石製で高さ90センチ、幅約1・4メートル。表に歌詞を刻み、背面には島倉さんが優しくほほ笑むジャケット写真が配置されている。同曲は定年を迎える団塊世代の男性に向けて歌ったものだが、東日本大震災を受け、「帰っておいで」と呼び掛ける歌詞が、犠牲者や行方不明者に向けて歌っているような内容であることから、島倉さんは「被災地が落ち着いたら歌いに行きたい」と希望。その思いを遂げられぬまま、他界した。

 

 それを知った後援会(吉田恵美子代表)が「思いをかなえたい」と被災地に歌碑を建てることを計画。島倉さんの思いを知った旅館「宝来館」が快く場所を提供し、16年に旅館の裏山にある避難路入り口付近に歌碑を建立した。

 

 今回、音声装置を設けるきっかけとなったのは、歌碑を訪れた人から多く寄せられた「どんな曲?歌が聞けたらいいのに」「曲が聞けないのは寂しいね」との声。会員に寄付を募ったところ150万円が集まり、要望に応えることができた。

 

ボタンを押すと「おかえりなさい」が流れる音声装置

ボタンを押すと「おかえりなさい」が流れる音声装置

 

 お披露目には後援会の会員、地元ファンのほか、歌碑や避難路の清掃、花の植栽活動を続けている花巻市シニア大学の受講者有志でつくる「花っ子夢クラブ」のメンバーも参加。作詞の友利歩未さん、作曲の杉村俊博さんも駆けつけ、装置の除幕を行った後、歌碑の前で声を合わせて「おかえりなさい」を歌った。

 

 吉田代表(67)=大阪府吹田市=は「『一緒に歌っているよ』という島倉さんの声が聞こえてくるよう」と感無量の様子。「島倉さんの歌声が、震災で今も行方の分からない人たちへの呼び掛けに、被災した方たちの希望の明かりになれば。この場を訪れた人が震災を記憶し続ける手伝いにもなれたらいい」と願った。

 

(復興釜石新聞 2017年11月1日発行 第635号より)

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ウッドデッキの先にはブドウ畑が広がる

障害者の就労を支援〜新センター甲子町天洞に完成、NPO遠野まごころネット運営

ウッドデッキの先にはブドウ畑が広がる

ウッドデッキの先にはブドウ畑が広がる

 

 NPO法人遠野まごころネット(臼澤良一理事長)が運営する「まごころ就労支援センター釜石」が釜石市甲子町天洞に移転、新築され、22日、竣工(しゅんこう)式・祝賀会が行われた。就労者ら50人が参加し、広く、自然環境に恵まれた本設施設の完成を喜び合った。施設は11月から運用、31人が利用する。

 

 新支援センターは釜石鉱山から借用した用地約4千平方メートルの一部に建設。木造平屋建て198平方メートルに作業室2部屋、ホール、調理室、トイレを配置。南側に広いウッドデッキを加えた。その先には、同ネットがなりわい創出、地域活性化を期待するワイン造りのためのブドウ畑が広がる。

 

 作業室にはブックカバー、トートバッグなどを作るミシン数台、看板や表札、記念プレートも製作できるレーザー加工機も備え、整然と作業デスクが並ぶ。ホールの一角に畳敷きの小上がりとテーブルが区画され、休息と語らいの場となる。

 

機能性を重視した作業室は広く、明るく

機能性を重視した作業室は広く、明るく

 

 神事の後、落成式で臼澤理事長が「多くの支援、地域のみなさんの理解で完成した。広く、素晴らしい環境の中で、就労、作業学習で十分に力を発揮できるだろう。ここが地域コミュニティーを強め、生業(なりわい)づくりと、大橋地域がはばたく場になるよう期待する。私たちスタッフもがんばる」と意欲を示した。

 

 来賓の野田武則市長は「ワイン造りに取り組み、新しいセンターもできた。過疎的地域で、公的施設が少ない。センター、まごころネットの活動に期待する」と激励。テープカットのあと、出席者らが屋内を見学した。 

 

テープカットで新センターがオープン

テープカットで新センターがオープン

 

 同ネットは東日本大震災を契機に障害者の支援活動を続ける。就労支援事業はこれまで大槌センター(定員15人)と、釜石市甲子町大畑団地の民家を借り受けた旧釜石センター(定員16人)で行って来たが、新しい支援センター(小谷千恵センター長)は定員を31人に拡充した。

 

 同ネットは「一般企業への就労を目指す利用者(契約者)もおり、いろんな人と接する体験も重視する」。この施設では週末や休日にカフェを開設し、地元の食材を使った食事を提供する構想も進める。夏休みの子どもや地域住民と共に、ブドウ畑と周囲の自然を活用した交流の場とする計画もあるという。

 

(復興釜石新聞 2017年10月28日発行 第634号より)

 

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