「うのスタ・シネマ」でW杯後夜祭、野外上映会に興奮〜ラグビー体験 施設公開、スタジアム利活用促進に光


2019/11/13
復興釜石新聞アーカイブ #地域

初の映画会が開かれた釜石鵜住居復興スタジアム

初の映画会が開かれた釜石鵜住居復興スタジアム

 

 釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで3日、映画「ボヘミアン・ラプソディ」の野外上映会が開かれた。民間有志による「うのスタで映画を観る会」(平松伸一郎代表)が主催。市ラグビーワールドカップ(W杯)2019推進本部事務局が後援した。上映前にはラグビー体験やスタジアムのバックヤード見学もあり、幅広い年代が足を運んだ。

 

 W杯の興奮冷めやらぬ同スタジアムで映画鑑賞を楽しもうと開かれた上映会。屋根があるメインスタンド1階屋上ステージ広場に客席を設け、建物側に大型スクリーンを配置した。開場の午後4時前からチケット販売所前に来場者が列をつくり、午後6時からの上映には約200人が詰めかけた。

 

上映を待つ客で満席となった会場。期待感が高まる

上映を待つ客で満席となった会場。期待感が高まる

 

 “うのスタ・シネマ”開会にあたり平松代表は「2日でラグビーW杯の44日間にわたる熱戦が終わった。今日は釜石での後夜祭。思い思いのスタイルで作品を楽しんで」と呼び掛けた。

 

 上映作品は米製作で2018年公開。英の伝説的ロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーを主人公とした伝記映画で、日本でも反響を呼んだ作品。来場者は開放的な雰囲気の中で見入り、スタジアム初の映画イベントを満喫した。

 

 上映前に行われたスタジアムに親しむ企画も好評。ラグビー体験には釜石シーウェイブスRFCが協力し、参加者がパスやキック、トライなどに挑戦。W杯選手が踏みしめた芝の感触を味わい、プレーの面白さを体験した。

 

 千葉県柏市の佐藤剛さん(42)は、鵜住居にある妻の実家に帰省。初めて同スタジアムに足を踏み入れ、「立派ですね。観戦もしやすそう」と目を輝かせた。W杯期間中はテレビで観戦していたといい、「普段あまり関心がない人も巻き込んでの大会で、すごく良かった。釜石もW杯で活気づいている。この盛り上がりが続けば」と期待を込めた。

 

 バックヤード見学では普段、一般客は立ち入れない選手のロッカールームや最上階のティンバーラウンジを見学。釜石で対戦カードが組まれた4カ国と日本代表のサイン入りジャージー、スタジアムを訪れた安倍晋三首相、元日本代表の五郎丸歩さん、キャスターとしても活躍する嵐の櫻井翔さんらのサイン入りグッズなども公開された。来場者は各所で記念撮影し、感激の時間を味わった。

 

 唐丹町の50代女性は7月の前哨戦、9月のW杯と同スタジアムでの観戦を経験。今後の維持費や活用法が気になる中で、「今日もどんな形になるのかと思って来てみた」と興味津々。さまざまな利活用への取り組みが始まったことを受け、「高校ラグビーの全国大会が開催されるといいな。『目指せ!鵜住居』みたいな」と夢を膨らませた。

 

 平松代表は「手探りだったが、スタジアムで上映会ができることが分かり次につながる手応えを感じた。次回は暖かい季節に開催し、ビールでも飲みながら鑑賞できる場を設けられたら」と意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2019年11月6日発行 第839号より)

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