感謝の歌声でフィナーレ、ラグビーワールドカップ閉幕〜ファンゾーンに感動広がる、「釜石の挑戦」今後も


2019/11/12
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ #地域

44日間にわたり日本国内を熱狂させたラグビーW杯。ファンゾーン釜石は子どもらの「感謝」の歌声で幕を開け、フィナーレを飾った

44日間にわたり日本国内を熱狂させたラグビーW杯。ファンゾーン釜石は子どもらの「感謝」の歌声で幕を開け、フィナーレを飾った

 

 日本で初めて開かれたラグビーワールドカップ(W杯)は2日、南アフリカの3度目の優勝で幕を閉じた。釜石市も舞台となり、国内がラグビーに熱狂した44日間。最終日のこの日、大町の市民ホールTETTOに設けられたファンゾーンには約3千人が入場。パブリックビュー(PV)が行われ、南アとイングランドが繰り広げる「ラグビー世界一」を懸けた激闘に酔いしれた。グランドフィナーレでは市内の小中学生が「ありがとうの手紙」の歌声を高らかに響かせ、復興支援への感謝の思いを改めて世界に向けて発信した。

 

「世界一」を懸けた南アフリカとイングランドの激闘に拍手を送るラグビーファン

「世界一」を懸けた南アフリカとイングランドの激闘に拍手を送るラグビーファン

 

 釜石のファンゾーンにはこの日、2つの大型スクリーンが設けられた。うち一つは、中継するNHKの協力による超精細の8K放送。360度方向に響く迫力の音声とともに、300インチの大画面に白熱の激闘シーンが映し出され、試合会場にいるような雰囲気が楽しめた。

 

NHKの協力で設置された超精細8K放送の大型画面に映し出された決勝戦

NHKの協力で設置された超精細8K放送の大型画面に映し出された決勝戦

 

 秋田市から家族4人で訪れた会社員平川和人さん(46)は「迫力が全然違う」と画面にくぎ付けとなった。花巻からJR釜石線で「SL銀河」の旅を楽しみ、釜石へ。「にわかラグビーファンの一人ですが、会場のこの盛り上がりには驚いた」と目を丸くした。妻の美衣子さん(43)は「家ではテレビの前で、家族4人でラグビーを楽しんでます」。会場で手渡された楕円(だえん)のボールを手にはしゃぎ回る杏樹さん(6)、悠人ちゃん(2)を笑顔で見守った。

 

「SL銀河」に乗り継ぎ秋田市から訪れた平川さん一家もファンゾーンの熱気を満喫

「SL銀河」に乗り継ぎ秋田市から訪れた平川さん一家もファンゾーンの熱気を満喫

 
 八幡平市の会社員高橋俊二さん(63)は、大会前に釜石鵜住居復興スタジアムを見学。9月25日のフィジー対ウルグアイ戦を観戦し、台風の影響で中止となったナミビア対カナダ戦のチケットも持っていた。この日は、仮設スタンドの撤去が進む復興スタジアムの状況をその目で確かめた上でファンゾーンへ。「決勝戦の臨場感が味わえて良かった。ベスト8まで進んだ日本代表の頑張りがあって、この盛り上がりもある。4年後が楽しみ」。早くも次回の大会へ期待を膨らませた。

 

 釜石のファンゾーンは、市内の小中学生でつくる「かまいし絆会議」の「ありがとう」の歌声で幕を開け、フィナーレも飾った。市によるとファンゾーンの入場者は3万9千人に上り、当初の見込み(1万4千人)の3倍に迫る人が世界レベルのプレーに熱狂した。

 

 決勝戦の表彰式まで見届けた多くの市民を前に、野田武則市長は「みなさんと歴史的な瞬間を楽しむことができた。『サンキュー フロム かまいし!』は感動を世界に発信する言葉になった。釜石の挑戦はこれからも続く」と締めくくった。

 

(復興釜石新聞 2019年11月6日発行 第839号より)

 

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