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休校中の生活指導を担任教師から聞く生徒ら=釜石中

釜石市も小中休校、新型ウィルス感染拡大防止〜突然の長い「春休み」に、“緊急事態”学校現場混乱

休校中の生活指導を担任教師から聞く生徒ら=釜石中

 

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応した文部科学省の通知を受け、釜石市は3日から市内の小中学校を臨時休校とした。新年度が始まる4月初めまでの措置で、児童生徒は想定外の長い「春休み」に入る。修了式や教職員の離任式も中止する。市内の小中各校には2日、児童・生徒が本年度最後の登校。教職員は、唐突に訪れた〝緊急事態〟へ、対応に追われた。休業対象は市内の子育て支援センターを含み、学童クラブや幼稚園、児童館などは通常通り開く。

 

 新町の双葉小(千葉伸一校長、児童185人)では2日、休校中の生活指導が行われた。市教委の通知に応じ、▽18日に学年ごとの修了行事を実施▽不要不急の外出を控える―などが伝えられた。

 

 6年生48人は19日に卒業式を迎える。式の参加者は卒業生、保護者、教職員のみ。内容を簡略化し、時間も短縮。ただ、6年生が練習を重ねた「式歌」は披露する予定だ。

 

 6年1組の人首颯眞君は「感染経路や防ぐ方法も分からないウイルスだから、しょうがない。もっとみんなと楽しみたかった。休み中は復習に集中する。みんなと一緒に外出したり、遊べない。空手のスポ少も4月5日まで休みになり、ピアノ教室もどうなるか」と長い休みに不安をのぞかせた。

 

 千葉校長は「すでに転出が決まった中学進学者もあり、学業の進度は中学校に申し送りする。保護者から、仕事との関係で相談もある。学区内には学童クラブ(校舎に併設)と上中島児童館があり、助かる。教職員は出勤し、児童と保護者の相談や連絡、必要なら家庭訪問で対応するが(感染拡大の可能性があり)見通しが立たないところもある」と語った。

 

最後の給食を味わいブラッシング、そして休校へ=双葉小

最後の給食を味わいブラッシング、そして休校へ=双葉小

 

 釜石中(川崎一弘校長、304人)も2日、ホームルームで家庭生活について指導が行われた。修了式は行わず、15日に生徒が時差登校して通知票を受け取るという。部活動や生徒会活動は禁止する。

 

 3年生(99人)の公立高校受験は6日。前日まで、志望校などグループごとに時差登校し、受験指導を受ける。15日に卒業式を行うが、出席者は絞り込み、来賓や在校生は入場しない。

 

 生徒には「生活のきまり」を示し、外出を控え、友人間の訪問も止める。SNSの利用に注意することなども求めた。健康指導では感染防止、免疫力の維持、万一のり患や感染懸念の対処法などを盛り込んだ。

 

 市内の中学校4校は新年度早々に予定する修学旅行を中止(または延期)したが、釜石中は秋に計画しており、おおむね実施の予定だ。

 

 新入学生と保護者の説明会は2月初旬に終え、受け入れに問題はない。入学式は4月6日に予定する。

 

(復興釜石新聞 2020年3月4日発行 第872号より)

 

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地元企業の担当者から事業内容について説明を聞く高校生ら

地元就職促進へ合同企業説明会、釜石職安〜働きやすい環境アピール、保護者向けのガイダンス初めて併催

地元企業の担当者から事業内容について説明を聞く高校生ら

地元企業の担当者から事業内容について説明を聞く高校生ら

 

 「しごと☆みらいスケッチ」をテーマに、来年度卒業予定の高校2年生を対象にした企業説明会(釜石職安など主催)が26日、釜石市民ホールTETTOで開かれた。就職活動を半年後に控え、「この時期に企業の説明を聞くことができるのは大助かり」と高校生ら。今回は初めて保護者向けのガイダンスも併せて開かれ、「進路について子どもと話す手掛かりになる」と好評だった。

 

 説明会には釜石職安管内の釜石(定時制を含む)、釜石商工、大槌、遠野の各高校のほか、気仙沼市の支援学校を合わせて147人が参加。水産食料品製造、機械製造、建設、介護、官公庁など19事業所がブースを構え、事業内容や採用条件などを丁寧に説明した。

 

 合同説明会を前に参加企業の若手社員らがステージに並び、それぞれの事業所をPR。「とてもやりがいのある職場。一緒に働こう」と呼び掛けた。「残業がなく、土日はしっかり休めます」などと働きやすい職場環境をアピールする事業所が多かった。

 

 青紀土木(土木工事業)の青木健一社長(46)は「求人を出してもこの3年ほどは高校生を採用することができず、中途採用できても40歳から50歳代。今のうちに若い人材を確保しないと会社の死活問題になる」と必死で説明に当たった。

 

 説明に耳を傾けた釜石商工電気電子科の金崎大和君(大槌中出身)は「震災の津波で壊れた建物や道路の復旧に当たった土木事業者をかっこいいと感じた。自分も復興のために働きたい」と卒業後の進路を描く。

 

 介護事業所のブースに足を運んだ同総合情報科の松田春香さん(釜石中出身)は「兄が介護の仕事をしていて、興味があった。介護の仕事もいいなと思った」と手応えを話した。

 

 隣接する情報交流センター釜石PITで開かれた保護者向けのガイダンスには10人が参加。盛岡市内の高校で学んでいる子どもに代わって参加したという甲子町の50代の女性は「自己決定を子どもに押しつけてはいけないと思い参加。とても参考になった」と喜んだ。

 

 釜石職安によると、この春卒業する管内高校生の就職内定率は100%。うち55%が地元企業に内定しているが、管内企業は深刻な人手不足に悩んでいるという。

 

 同職安の長野弘元所長は「高校生の進路決定に保護者の力は大きい。地元就職促進へ向け、今後もこういう機会を設けていきたい」としている。

 

(復興釜石新聞 2020年2月29日発行 第871号より)

 

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4/4ジャパンラグビートップリーグ2020市内小中高生対象試合観戦招待券 受付引き換え日時変更のお知らせ

【中止】4/4ジャパンラグビートップリーグ2020市内小中高生対象試合観戦招待券 受付引き換え中止のお知らせ

【3月16日追記】
新型コロナウイルス感染拡大防止対策の為、招待券の受付・引き換えは中止とさせて頂きます。

 

広報かまいし3月1日号にて「市内小中高生対象 試合観戦招待お知らせ」のチケット申込受付・引き換え日を、3月14日(土)・15日(日)とご案内しておりましたが、コロナウイルス感染拡大防止対策の為、3月28日(土)・29(日)に延期いたします。
 

ご迷惑をおかけしますが、ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。

 

市内小中高生対象 試合観戦招待チケットの詳細

ラグビーワールドカップ2019日本大会釜石開催での盛り上がりを未来につなげるために、市内の小中高生を対象に試合に招待します。

試合

2020年4月4日(土) 13:00キックオフ 【NTTコミュニケーションズシャイニングアークスvsトヨタ自動車ヴェルブリッツ】

開催場所

釜石鵜住居復興スタジアム

チケット申込受付・引き換え日

2020年3月28日(土)、3月29日(日) 10時~17時

受付場所

シープラザ釜石2階「ラグビーカフェ」
申込方法ラグビーカフェに申請書を備えつけます。申請書1枚につきチケット1枚と引き換えます。(先着順1人5枚まで)
小中学生は、保護者または責任者が来場し、申し込んでください。

※招待の対象は令和2年4月現在の小学生から高校生です。
※保護者の入場は、別途一般の観戦チケットが必要となります。
※高校生は、試合当日に学生証を持参してください。

関連HP・SNS

かまいし情報ポータルサイト縁とらんす:https://en-trance.jp/rugby
釜石鵜住居復興スタジアム 公式ホームページURL : https://kamaishi-stadium.jp/
Facebook : https://www.facebook.com/Kamaishistadium/
Twitter : https://twitter.com/kama_stadium

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釜石市 ラグビーワールドカップ2019推進本部
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被災地励ます音楽交流、ダンスを楽しく 心通わせる〜コミュニティー再形成の一助に、千葉県の吹奏楽愛好者ら

被災地励ます音楽交流、ダンスを楽しく 心通わせる〜コミュニティー再形成の一助に、千葉県の吹奏楽愛好者ら

「渚のシンドバッド」を振り付きで演奏し、観客を楽しませるメンバー

「渚のシンドバッド」を振り付きで演奏し、観客を楽しませるメンバー

 

 千葉県の吹奏楽愛好者らで結成する「accordien(あこーでぃあん)」(石塚睦未代表、21人)が22日、釜石市の平田集会所で、復興支援の演奏会を開いた。同団体が釜石で演奏するのは、昨年に続き2回目。楽器演奏のほか、手話を交えての合唱、ダンスを取り入れた楽しい企画など盛りだくさんのプログラムで、観客と心を通わせた。

 

 同団体は「東日本大震災の被災地で何かできないか」と考えた石塚代表が、自身の母校・習志野高の同級生らに声を掛け、集まった有志で結成。2016年から岩手、宮城両県で演奏活動を行ってきた。メンバーは当初10人ほどだったが、趣旨に賛同する仲間が増え、現在は21人に。20~28歳の社会人、大学生の女性が参加している。

 

 5年目となる今年は、22~24日までの3連休を利用して全6カ所で公演。釜石市平田地区は初めての訪問となった。

 

 前半は楽器紹介を兼ねて、5つのパートがアンサンブルを披露。「いい日旅立ち」「崖の上のポニョ」、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のオープニングテーマなどで、各楽器の音色の特徴を味わってもらった。後半は冬の演歌(雪国、津軽海峡冬景色など)や昭和の名曲(青い山脈、高校三年生など)をメドレーで楽しませ、来場者も歌声を重ねた。合唱は2曲。「今日もどこかで」(小田和正)は、手話とともに聞かせた。

 

 伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」を再現したコーナーも。5位から1位までランキング形式で懐かしい歌謡曲が演奏され、「さよならはダンスの後に」「渚のシンドバッド」では、歌とともにダンスで盛り上げた。

 

 演奏曲は20曲以上にもなり、観客を巻き込んでのプログラムにたくさんの笑顔が広がった。佐藤美智子さん(72)は「生で聞くのは最高。若い人たちに囲まれてパワーをもらった。昔の歌も一緒に歌って、とても楽しい時間だった」と大喜び。「また来てほしい」と再演を願った。

 

 石塚代表(26)は震災から8年が経過する中で、「微力ながら何らかの力になれればと続けている。演奏会が住民のつながりを生むきっかけとなり、会話が増えるなど、地域コミュニティー再形成の一助になれば。できる限り継続し、思いを届けられたら」と期待を込めた。

 

 団体名はフランス語のaccord(音、和音)とlien(つながり)を意味し、「音楽でたくさんの人とつながりたい」という思いが込められている。

 

 今回は釜石市のほか、陸前高田市、宮城県気仙沼市、南三陸町、女川町、石巻市を訪問した。

 

(復興釜石新聞 2020年2月26日発行 第870号より)

 

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広報かまいし2020年3月1日号(No.1731)

広報かまいし2020年3月1日号(No.1731)

広報かまいし2020年3月1日号(No.1731)

 

※東日本大震災津波岩手県・釜石市合同追悼式の開催については、後日改めて連絡します
【お知らせ】東日本大震災津波 岩手県・釜石市合同追悼式における新型コロナウイルス感染症への対応について – 釜石市

 

広報かまいし2020年3月1日号(No.1731)

広報かまいし2020年3月1日号(No.1731)

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【P1】東日本大震災津波岩手県・釜石市合同追悼式
【P2-3】新型コロナウィルスなどの感染症の予防/三陸鉄道リアス線全線で運行再開/東京2020オリンピック聖火リレー 岩手県「復興の火」
【P4-5】ジャパンラグビートップリーグ2020 小中高生試合観戦招待/佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラ 三陸音楽祭2020/沖縄美ら海水族館のイベント/うのすまい・トモス1周年記念イベント/かまいし地域づくりフォーラム/ごみ減量にトライ
【P6-7】まちのお知らせ
【P8】3月11日の主な追悼行事/釜石市郷土資料館 企画展第5弾「釜石の災害史」-備えあれば憂いなし-

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釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
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ラグビー神社が建立される鵜住居復興スタジアムの背後地

「釜石ラグビー神社」地鎮祭、W杯遺産継承の聖地へ〜建立する会「まちづくりの象徴的な場に」、丸の内から無償で移設

ラグビー神社が建立される鵜住居復興スタジアムの背後地

ラグビー神社が建立される鵜住居復興スタジアムの背後地

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場となった釜石鵜住居復興スタジアム隣接地に建立する「釜石ラグビー神社」(通称・うのスタ神社)の地鎮祭が24日、釜石市鵜住居町の現地で行われた。昨年のW杯期間中に東京・丸の内に設置されていたラグビー神社を譲り受け、来月上旬の完成を見込む。建立に動いた有志は「ラグビーW杯のレガシー(遺産)を継承する聖地としたい」と期待を込める。

 

 ラグビー神社を建立するのは、復興スタジアムの背後に隣接する約40平方メートルの民有地。地元の所有者が無償で土地を譲渡した。高台にあり、復興スタジアムを一望できる。

 

 地鎮祭にはラグビー神社を建立する会(中田義仁会長)のメンバーら10人が出席。関係者が玉串をささげ、くわ入れなどの神事を行い工事の安全を祈願した。

 

「ラグビー神社を聖地に」と期待を込める建立する会のメンバー

「ラグビー神社を聖地に」と期待を込める建立する会のメンバー

 

 東京都千代田区に建立された「丸の内ラグビー神社」。ラグビーとゆかりの深い京都「下鴨神社」境内の「雑太社(さわたしゃ)」の祭神をまつり、W杯期間中は国内外から大勢のファンが参拝した。大会終了後、神社をどうするか決まっていなかったが、釜石の有志が名乗りを上げ、神社を建てた三菱地所(千代田区)が無償譲渡を快諾。釜石への移設が決まった。

 

 神社の名称と通称は鵜住居小の児童が考案した。ゴールポストを模した鳥居が特徴で、釜石商工高の生徒が真ちゅうで作るラグビーボール形のご神体をまつる。

 

 費用は企業や団体からの寄付や、インターネットのクラウドファンディングを活用。23日現在、目標の300万円を上回る357万円が集まっている。

 

 このうち昨年12月5日から始めたクラウドファンディングは、目標の150万円を1週間で突破。1月末までに231人が214万円を寄せた。一方、地元企業や団体からの寄付は50件余りで143万円に上る。

 

 中田会長は「全国から予想以上の寄付が集まった。W杯釜石開催が評価されたからだと思う。今後の目標とする、ラグビーを生かしたまちづくりへ向け象徴的な場所にしたい」と思いを込める。

 

 鎮座祭は来月20日に行う予定。

 

(復興釜石新聞 2020年2月26日発行 第870号より)

 

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さらなる交流促進へ釜石視察、震災の教訓 絆を実感〜「復興ありがとうホストタウン」縁結ぶ

さらなる交流促進へ釜石視察、震災の教訓 絆を実感〜「復興ありがとうホストタウン」縁結ぶ

いのちをつなぐ未来館で、震災時の話を聞く議員ら

いのちをつなぐ未来館で、震災時の話を聞く議員ら

 

 オーストラリアの連邦・州議会議員3人は16日、日豪若手政治家交流プログラムの一環で釜石市を視察。東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた鵜住居町などで、同市の被災状況や復興の現状を学んだ。今年の東京五輪・パラリンピックで、同国の「復興ありがとうホストタウン」になっている縁で釜石訪問が実現した。

 

 連邦下院議員ニコル・フリントさん(41)、ニューサウスウェールズ州議会上院議員タラ・モリアーティさん(42)、南オーストラリア州議会下院議員ジョー・ソックアーチさん(37)、日豪の随行者計7人が来釜。始めに市役所を訪れ、野田武則市長らと懇談した。

 

 野田市長は震災後の支援に感謝し、被災から復興への歩みを紹介。釜石湾や鵜住居町の空撮写真を指しながら、津波がどのように襲ったか、湾口防波堤や防潮堤の復旧、土地のかさ上げなどについて説明した。大規模森林火災の被害が深刻な同国に対し見舞いの気持ちも伝え、市内で募金活動を展開していることなど支援の意思を示した。

 

市長室では野田市長自ら写真を示し、被災状況や復興について説明

市長室では野田市長自ら写真を示し、被災状況や復興について説明

 

 議員からは「被災後、まちに残ってもらうための取り組みは」、「被災した子どもたちの心の問題(トラウマ)への対応は」、「復興事業の指揮を執るのは」―といった質問が出され、市長の話に熱心に聞き入った。

 

 両市国のつながりも話題に上った。同市は中学生の派遣事業を実施。同国はラグビーが盛んで、自国出身のスコット・ファーディー選手が釜石シーウェイブス(SW)RFCで活躍したことを聞くと、「より一層の交流をうれしく思う」と喜んだ。

 

 野田市長は1月末で市国際交流員を退任したエミリー・ハラムズさんが同国出身であることも挙げ、「オーストラリアは世界の中でも一番身近で親近感のある国。(五輪のある)今年はさらなる交流促進を」と期待した。

 

 この後、ラグビーワールドカップ(W杯)会場となった釜石鵜住居復興スタジアムを見学。津波で被災した小・中学校跡地への立地ストーリー、座席やラウンジなどへの尾崎半島林野火災被災木の活用、維持費削減などにつながるハイブリッド天然芝の導入―といった特徴を学んだ。台風の影響でW杯試合が中止となったナミビア対カナダ戦の今秋実現に向け取り組んでいることも紹介された。

 

 鵜住居駅前の釜石祈りのパークでは震災犠牲者に献花。防災市民憲章の意味を学び、いのちをつなぐ未来館で、震災時の対応や教訓にさらなる理解を深めた。

 

 一連の視察を通し、フリント議員は「復興の力強さや柔軟さ、住民の絆を実感した。釜石の教訓や復興の様子を自国に持ち帰り、『必ず立ち上がることができる』ということを、声を大にして伝えたい。これからも国を超えて支えていける関係を築いていけたら」と願い、自国ラグビーチームの釜石訪問の夢も描いた。

 

 同プログラムは1991年の日豪閣僚委員会の合意に基づき実施。29回目の今回は15~21日までの日程でオーストラリアの議員らが来日。陸前高田市、宮城県南三陸町でも震災関連の視察を実施後、国会視察や日本の議員との意見交換などを行った。

 

(復興釜石新聞 2020年2月22日発行 第869号より)

 

復興釜石新聞

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三陸沿岸都市会議で釜石市に集まった7市の代表

三陸沿岸道の早期全線開通を〜三陸沿岸都市会議、政府追悼式継続も要望

三陸沿岸都市会議で釜石市に集まった7市の代表

三陸沿岸都市会議で釜石市に集まった7市の代表

 

 釜石市など本県沿岸5市と青森県八戸市、宮城県気仙沼市で構成する三陸沿岸都市会議は12日、釜石市で開かれた。「復興道路」として整備が進む三陸沿岸道路の早期全線開通を国に要望するなど14項目の決議を採択。三陸沿岸地域の持続可能なまちづくりに向けた取り組みをめぐって活発な議論が交わされた。

 

 同会議は三陸沿岸地域の振興発展に向けた問題提起や情報発信を行う場として1983年に本県沿岸5市でスタート。翌84年に八戸、気仙沼の2市が加わり、毎年持ち回りで会議を開いている。今回で36回目。釜石での開催は2013年以来7年ぶり6回目となった。

 

 大町の釜石ベイシティホテルで開かれた会議には、八戸市の大平透副市長、久慈市の遠藤譲一市長、宮古市の山本正徳市長、大船渡市の戸田公明市長、陸前高田市の戸羽太市長、気仙沼市の菅原茂市長が出席。開催地・釜石市の野田武則市長が座長を務め、「令和2年度末の三陸道全線開通を見据え、都市間連携の重要性は増す。三陸の隆盛、発展を期してともに頑張りたい」と呼び掛けた。

 

 政府が2021年までとする方針を示した政府主催の東日本大震災の追悼式について、陸前高田市の戸羽市長は「高田松原津波復興祈念公園など国営の施設を整備しており、一度は追悼の気持ちを表現してほしい」と強調。被災3県の国営追悼記念施設での開催継続を望んだ。また、復興事業完了まで各種支援制度の継続が必要との考えで一致。7市が連携して関係機関に要望していく方針を確認した。

 

 人口減少が進む三陸沿岸地域の課題として話題になったのは、地域医療。久慈市の遠藤市長、気仙沼市の菅原市長は「子どもを生める環境を整えることが地域創生につながる」などと指摘し、分娩や産科医療体制の確保を強く求めた。

 

 宮古市の山本市長は「クルーズ客船の受け入れ体制づくりを一層進め、効果を三陸地域に波及させたい」と意欲を示した。

 

 決議では、三陸道の早期整備要望のほか、▽物流ネットワークを支える港湾施設整備と機能拡充・強化▽多重防災型まちづくりの推進▽三陸道を利用した周遊観光モデルの検討やPR▽新たな労働力の創出を見据えた各種施策の推進―など14項目を採択した。

 

 次回は気仙沼市で開催する。今年のリアス・ハイウェイ早期実現大会は10月28日に釜石市で開くことも決定した。

 

(復興釜石新聞 2020年2月15日発行 第867号より)

 

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ラグビーW杯2019釜石開催推進協議会

「オール釜石」取り組みを前へ、ワールドカップ釜石開催推進協議会〜W杯効果をまちづくりに、「ナミビア対カナダ」実現目指す

ラグビーW杯2019釜石開催推進協議会

ラグビーW杯2019釜石開催推進協議会

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019釜石開催推進協議会(小泉嘉明会長)は13日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで3回目の会議を開催。大会1周年記念事業に向けた取り組みなどをめぐり意見を交わした。同協議会は3月末でいったん解散。来年度に新たな組織を立ち上げ、W杯の成果をまちづくりに生かす「オール釜石」の取り組みを推進する。

 

 釜石市によると、W杯開催1周年記念事業は10月下旬から11月上旬に鵜住居復興スタジアムや市民ホールTETTOなどで開催を予定。昨年10月の台風災害の影響で中止となったナミビア対カナダ戦を改めて国際親善試合として実施することを検討している。新日鉄釜石OBなどによるレジェンドマッチのほか、観戦チケットを購入できなかった人にも1周年記念事業が体感できるようファンゾーンも開設する。

 

 協議会メンバーの中からは「W杯開催で釜石の名は世界にとどろいた。台風で1試合が中止になるアクシデントもあったが、市内の小中学生が大きな自信を得たことは何よりの宝。カナダチームが被災地でボランティア作業に取り組んだことも、改めて釜石が世界から注目される結果につながった。ナミビアとの対戦はぜひ実現してほしい」という声が上がった。

 

 小泉会長は「市内の小中学生が手にした希望を前面に出し、進んでいこう」と呼び掛けた。

 

 市によると、採用した公式ボランティアのうち昨年7月のパシフィック・ネーションズカップとW杯で延べ625人が活動。W杯期間中(9月30日~11月2日)のファンゾーン入場者は当初の見込みを大幅に上回る3万8982人に上った。ラグビーの国際統括団体ワールドラグビーが顕著な貢献をした団体に贈る「キャラクター賞」も受賞した。

 

 野田武則市長は「『ラグビーのまち釜石』のさらなる発展へ一緒に進んで行こう」と呼び掛けた。

 

ワールドカップ県内経済効果113億円、大会前の見込みを大幅に上回る

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019釜石開催実行委のまとめによると、W杯に伴う県内への経済波及効果は113億4500万円に上ることが分かった。同実行委が調査を委託した岩手経済研究所の試算。総効果額は、大会前の16年度に試算した83億2千万円を30億2500万円も上回る。

 

 経済波及効果のうち約6割は、試合会場となった釜石鵜住居復興スタジアム建設に伴うもので、建設費は70億2千万円。大会運営費は35億4900万円。昨年7月のパシフィック・ネーションズカップとW杯、ファンゾーンなどの来場者消費支出は7億7800万円とした。

 

 主な産業分類別では建設が51億6600万円、業務委託などの対事業所サービスは16億3600万円、運輸・郵便8億2千万円、飲食や宿泊施設など対個人サービス7億7500万円など。

 

 「日本チームの活躍などで盛り上がり、経済波及効果が大きくなった。台風の影響で1試合が中止になり、長期滞在が難しくなる面もあったが、県内事業所にも一定の経済効果があった」と分析している。

 

 一方、釜石市のまとめによると、W杯期間中(9月30日~11月2日)の道の駅など市内公共施設の入り込み数は増えたが、市内主要3ホテルの稼働率は60~75%にとどまり、前年以下となった。

 

(復興釜石新聞 2020年2月15日発行 第867号より)

 

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新たに作成したファイルを手にPRするライフサポートかまいしの八幡理事長(中)

高齢者に救いの手、「まちの便利屋」本格再開〜ライフサポートかまいし、暮らしの困りごと何でも相談を

新たに作成したファイルを手にPRするライフサポートかまいしの八幡理事長(中)

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 東日本大震災後は事業活動がほとんど休止状態となっていた協同組合ライフサポートかまいし(八幡徹也理事長、組合員17人)が本格的に事業を再開することになった。「まちの便利屋」として事業をPRするパンフレットなどを新たに作成。「暮らしの困りごと 地元のプロが丁寧にサポートします」と利用を呼び掛ける。

 

 同組合は2000年、釜石商工会議所青年部の有志を中心に結成。高齢者向けの弁当宅配、買い物代行などの事業に取り組んだ。しかし、震災で組合の中心メンバーが亡くなったことなどから事業活動を中断していた。5年ほど前から仮設事務所で活動を再開。年間20件ほどの困りごと相談を受けるようになり、本格的な事業再開を目指すことになった。

 

 県中小企業団体中央会の助成、中小企業診断士の木村裕美さん(早稲田大学都市・地域研究所招聘研究員)のアドバイスを受けながらPR用のパンフレットやファイルなどを作成。近くイベント会場などで配布を始める。

 

 これを前に7日、八幡理事長らが釜石市役所を訪ね、野田武則市長に支援を要請。「一時は組合解散の話も出たが、できることを模索し継続を決めた。事業のレールを敷き、次の世代に渡したい」と思いを伝えた。市内の一人暮らしの高齢者が4千人を超えるなどの現状も説明した上で、超高齢化社会を支える同組合の事業をアピールした。

 

 野田市長は「高齢者を支援する事業は人手不足が課題と聞く。組合事業の本格再開は非常に期待が持てる。市としても事業の支援を検討したい」などと応えた。

 

 同組合がサポートするのは、草取り、家事手伝い、リサイクル品処分、パソコン・スマホの操作など。問い合わせは同組合(電話22・0051/FAX22・5395)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年2月12日発行 第866号より)

 

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広報かまいし2020年2月15日号(No.1730)

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【P1】表紙/もくじ
【P2-3】東日本大震災津波岩手県・釜石市合同追悼式/心のケア班市民講座/こころのセミナー/台風第19号被害への対応状況/持続可能な観光東北フォーラム2020/海洋環境フォーラムin釜石
【P4-5】市・県民税、所得税の申告/宅地の売却/ドラレコでの運転診断/宝くじ助成金での備品整備/釜石シーウェイブスRFCシーズン終了
【P6-9】市民のひろば/まちのお知らせ
【P10-11】まちの話題
【P12-13】保健だより
【P14-15】復興情報/大石地区復興まちづくり協議会地権者連絡会
【P16】三陸ジオパーク

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移住促進へ 釜石をPR、人口減に歯止めを〜コーディネーターに4人委嘱、3人が市外から定住

移住促進へ 釜石をPR、人口減に歯止めを〜コーディネーターに4人委嘱、3人が市外から定住

移住コーディネーターに委嘱された(左から)伊藤さん、城守さん、手塚さん、石黒さん

移住コーディネーターに委嘱された(左から)伊藤さん、城守さん、手塚さん、石黒さん

 

 釜石市は6日、まちの魅力発信や移住希望者への情報提供などを行う移住コーディネーターに4人を委嘱した。副業というのが特徴で、会社員や学生、地域づくり活動に取り組む人らが個々の仕事、活動の中で市への移住・定住をPR。釜石への関心、理解を深めてもらい移住を促し、将来に向けて持続可能なまちづくりにつなげる。市では「それぞれの視点で、幅広い活動が可能となる、多様性のある制度」と期待を寄せる。

 

 人口減対策を加速させるため、行政と民間が協働で行う新たな取り組み。コーディネーターは、▽インターネットでの情報発信▽県内外の移住関連イベントでのPR▽移住検討者らの相談・助言―などの活動を進める。

 

 国が進める、移住や関係人口の創出・拡大に取り組む拠点の設置、強化を受けて設けた制度。特別交付税措置を活用し、月額2万円(月1回の活動報告が必要)の報酬を支払う。

 

 昨年12月に公募し、応募した4人全員を採用した。任期は1年だが、初年度となる今期は3月末まで。この制度は来年度も継続する予定だ。

 

 4人のうち、3人が実際に市外から移住。手塚さや香さん(40)は埼玉県さいたま市出身で、現在は釜石リージョナルコーディネーター協議会(釜援隊)でまちづくりの手助けをしている。2014年10月に岩手へのUターン者2人と任意団体「岩手移住計画」を立ち上げ、移住定住の促進や移住者の交流を柱にした活動を展開。県から受託し実施した移住体験ツアーでは27人の移住に結び付けた。

 

 ただ、移住者のほとんどが県内陸部で、沿岸部では陸前高田市の2人。交通の便を課題の一つに挙げたが、「デメリットを上回る地域の魅力を発信していき、釜石に1人でも多くUIターンしてもらう取り組みにしたい」と意気込む。

 

 花巻市出身の城守理佳子さん(26)は東京の人材派遣会社勤務を経て、18年9月から甲子町のパソナ東北創生に勤める。首都圏企業を対象にした研修ツーリズムや大学生のインターンコーディネート、地域企業への人材マッチングなどを担当。仕事するうえで大事にする「チャレンジするまち釜石」のアピールを継続させ、「チャレンジする仲間を増やしていきたい」と力を込める。

 

 今回の取り組みには大学生も参加する。岩手大農学部水産システム学コースで学ぶ3年の石黒智大さん(21)は秋田県秋田市出身。昨年10月から同大釜石キャンパスでドンコ(エゾイソアイナメ)を研究している。「よそ者、素人の視点で口出し、活動を後押しできると思う。『魚のまち』を象徴する魚種づくりに向け、自分の研究もしっかり進めたい」と意欲満々。内陸部で沿岸部の情報に触れる機会は少なく、「アピールの仕方を考えるべき」と指摘した。

 

 釜石出身の伊藤聡さん(40)は、一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校の代表理事。12年4月に同法人を設立し、ボランティアの受け入れ、支援者と地域をつなぐイベント開催のコーディネートなどを手掛けている。移住促進を目的にしていないが、これまで活動で関わった20人ほどが釜石周辺に移住。現在、力を入れる高校生の地域活動支援を継続し、「Uターンにつながる関係づくり、情報発信を進めたい」とした。

 

 委嘱状の交付は市役所で行われ、野田武則市長は「震災からの復興完遂を目指す中でハード面は完成しても、人口が減少しては意味がなくなる。歯止めをかけるための取り組みが必要。それぞれの立場で可能な限り頑張ってほしい」と激励した。

 

 今年度の活動として、9日に東京で開かれる学生対象の「かまいし就職準備フェア」に参加。釜石で働く、暮らす魅力をアピールする予定だ。

 

(復興釜石新聞 2020年2月8日発行 第865号より)

 

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