釜石大観音仲見世通りを訪問、商店街復活の取り組み学ぶ〜釜石商工高総合情報化、就職促進 キャリア意識の醸成図る


2019/02/26
復興釜石新聞アーカイブ #地域

東谷さん(左)と意見を交わす釜石商工高の生徒ら

東谷さん(左)と意見を交わす釜石商工高の生徒ら

 

 釜石商工高(村上則文校長、生徒338人)の総合情報科2年生約60人は18日、空き家リノベーションによるまちづくりが進められている釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りを見学。「ゼロ店舗商店街からの復活」を目指し、新事業を立ち上げた3人から取り組みへの思いや展望などを聞き取った。

 

 1970年代に形成された仲見世通り商店街は20店舗以上が軒を連ねたが、閉店が相次ぎ、2017年12月には稼働店舗がゼロとなった。空き家や2階の住宅利用のみとなっていた通りに着目した若者たちが、空き店舗を改修し仕事場として活用したり、イベント開催など新たな人の流れが生まれている。

 

 再生の明かりをともしたシェアオフィス「co―ba(コーバ) kamaishi」オーナーの宮崎達也さん(47、三重県出身)、不動産活用を推進する合同会社「sofo(ソホ)」共同代表の神脇隼人さん(30、千葉県出身)、「民泊あずま家」店主の東谷いずみさん(25、大槌町出身)が、それぞれ取り組みを説明した。

 

 震災復興に携わるため移住した一級建築士の宮崎さんは本業の傍ら、同通りを再び人の行き交う場にしようと各種イベントも手掛けてきた。土産物店だった木造2階建ての物件を改修し、昨年5月にシェアオフィスをオープン。同通りの魅力は「赤い屋根の建物群と景観。建物を改修すれば活性化、おしゃれなまちになる。釜石の復興に貢献したい」と語った。

 

 そば店だった建物の2階で昨年9月から民泊営業を始めた東谷さんは、人のつながりを大切にした交流の場づくりへの思いを打ち明けた。神脇さんは1階部分を活用し、6月を目標にカフェを開業する予定。「釜石は受け入れる文化、新しいことが動き出す余白がある。チャレンジできるまち」と印象を話した。

 

 家業の理容店を継ぐと意志を固めている熊谷長士(たけし)さんは「人のつながりを大事にしたいという思いに共感。起業にも興味を持った。釜石がもっと大きなまちになるよう盛り上げたい」と夢を膨らませた。

 

 この企業見学は県沿岸広域振興局が釜石・大槌地域の小中高生を対象に地元企業への理解や就職の促進、キャリア意識の醸成を目的に行っている。本年度は同地域の17校が地元企業を見学。同校は18校目で、同日は市内のホテルや水産加工会社も回った。

 

(復興釜石新聞 2019年2月20日発行 第767号より)

 

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