タグ別アーカイブ: 地域

新市庁舎建設へ200万円寄付〜釜石市 来年着工、22年度完成目指す

新市庁舎建設へ200万円寄付〜釜石市 来年着工、22年度完成目指す

釜石市の新庁舎外観イメージ図

釜石市の新庁舎外観イメージ図

 

 釜石市は、新市庁舎を天神町の旧釜石小跡地に建設する計画を進めている。現在は実施設計に取り組み、年度内に完成する見込み。2021年度に着工、22年度末の完成を目指す。この動きに役立ててもらおうと、甲子町の佐々木貞雄さん(94)が8月20日、市に200万円を寄付した。市は庁舎建設基金に積み立てて活用する。

 

 庁舎建設基金は1990年に設置。これまでに市予算から約19億6千万円が積み立てられている。市によると、新庁舎建設への個人の寄付は今回が初めてと見られる。

 

 佐々木さんは、55歳の定年退職まで釜石鉱山で40年働いた。その後も、75歳ころまで土木、大工、測量関係の仕事に携わった。「健康で長く働くことができた。生きているうちに何かまちのために役立てることを」と思い立ち、こつこつとためてきたものを寄付金に充てた。

 

 寄付金を受け取った野田武則市長は「これを機に寄付が増えてくれるとありがたい」などと応じたという。

 

庁舎建設に役立ててもらおうと、野田市長に寄付金を託す佐々木さん(右)

庁舎建設に役立ててもらおうと、野田市長に寄付金を託す佐々木さん(右)

 

 1950年代から建設・増築を繰り返してきた現庁舎(只越町など)は、一部が東日本大震災の津波に浸水。耐震性に欠け老朽化が進んでいたほか、手狭にもなっていた。

 

 2016年に市民を中心とした新市庁舎建設検討委員会を設置。17年8月、7カ所に分散する機能を集約した一体型庁舎で、震災の教訓を生かした防災拠点、市民に開かれた利便性などの機能を持たせることを提言していた。

 

 新庁舎の基本計画、基本設計業務委託者は18年10月に決定。この時点で、着工は20年度、完成は21年度を見込んでいた。基本計画は19年3月に策定。示された整備の方向性を踏まえ基本設計に着手し、同7月に完了した。

 

 基本設計によると、現庁舎北側の現在、仮設住宅が建つ敷地約1万1800平方メートルに、延べ床面積7850平方メートルの庁舎を建設。仮設住宅の退去・解体は本年度末となっており、市庁舎建設は被災者に配慮し進めるため、着工が当初の見込みより1年遅れる形となった。

 

 概算事業費は約59億円。財源には庁舎建設基金、地方債の公共施設等適正管理推進事業費などを見込む。基本計画策定、基本設計を手掛けた佐藤総合計画東北オフィスが実施設計にも携わっている。

 

 建設予定地周辺では一部の仮設住宅が撤去され、道路など環境整備工事が進められている。市新庁舎建設推進室の洞博室長補佐は「現在、実施設計中で、来年度着工を目指している。令和5年度の開庁に向け、しっかり取り組んでいく。1カ所に集約された市庁舎の開庁により、市民サービス、利便性の向上に期待できる」と力を込める。

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

ラッピング列車運行開始、小林覚さんデザイン〜JR盛岡支社、釜石線開業70周年記念

ラッピング列車運行開始、小林覚さんデザイン〜JR盛岡支社、釜石線開業70周年記念

ヘラルボニーの松田文登副社長と車両を紹介する小林覚さん(右)

ヘラルボニーの松田文登副社長と車両を紹介する小林覚さん(右)

 

 JR東日本盛岡支社(石田亨支社長)は、釜石線全線開業70周年を記念したラッピング列車の運行を8月29日から開始した。車両デザインを手がけたのは、釜石市出身で、花巻市の「るんびにい美術館」で創作活動を行う小林覚さん(31)。知的障害のあるアーティストの優れた作品をさまざまな形で世に送り出している花巻市の福祉企画会社、ヘラルボニー(松田崇弥社長)がプロデュースした。来年3月下旬まで、釜石線(花巻―釜石駅間)、東北本線(花巻―盛岡駅間)での運行を予定する。

 

 29日は、同列車の企画を提案、協賛した、岩手銀行中妻支店の取引先でつくる「中妻岩友会」(小泉嘉明会長)が中心となり、釜石駅で出発式を開催。小泉会長は「コロナ禍で、皆さんの心が前を向けない状況。小林さんデザインのラッピング列車に元気をもらいながら、みんなで釜石線を盛り上げていきたい」とあいさつ。来賓の野田武則釜石市長は「小林さんの素晴らしい才能に多くの方々が関心を寄せる。この列車が幸せを運ぶ列車になれば」と期待を込めた。

 

 ラッピングされたのは、キハ100系車両1両。文字を独特の形にアレンジし、魅力的な造形表現を生み出す小林さんが「釜石線70周年記念銀河ドリームライン」の文字をデザイン。豊かな色彩で描かれた〝サトル文字〟が、車両側面を生き生きと飾る。

 

 小林さんは父俊輔さん(65)、母眞喜子さん(63)と一緒に式に出席。多くの関係者から祝福を受けた。今までにないスケールの大きな話に「最初は信じられなかった」と眞喜子さん。初めて列車を目にし「想像以上に素敵。感動です」と目を見張った。

 

 自閉症と知的障害を持つ小林さん。列車のデザインを描いた後、「紫色を塗った。描いた」と両親に笑顔で教えてくれたという。「覚は細かいことは分からないが、人懐っこく、みんなが集まってくれるのが大好き。自分の絵を喜んでもらっているのは理解していて、うれしいと思っているよう。今日もとても楽しそう」と眞喜子さん。式の後は列車に乗り込み、陸中大橋駅までのミニ旅を楽しんだ。

 

 小林さんは、平日は花巻市の障害者支援施設「ルンビニー苑」に宿泊しながら、同美術館で創作活動を行う。施設を運営する社会福祉法人光林会の三井信義理事長(同美術館管理者)は「作品を評価し、地域で生かしてもらえるのは大変うれしく、ありがたい。今回は特にも地元釜石で受け入れられ、ご家族にとっても晴れがましい。障害者もまちづくりに参加し、共に生きる社会の実現へ少しでも近付いていけたら」と願った。

 

 このラッピング列車は通常ダイヤに組み入れて運行され、どこで出会えるかは運次第。鉄道マニアの注目も集めそうだ。

 

 JR盛岡支社は、開業70周年を迎える10月10日には、釜石線沿線の住民を招待する記念列車の運行を計画。駅前などでのイベント開催は、新型コロナの情勢を見ながら判断する。

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石鵜住居復興スタジアム、木製座席を塗り替え〜ラグビーW杯から1年を前に

釜石鵜住居復興スタジアム、木製座席を塗り替え〜ラグビーW杯から1年を前に

木製座席の塗装作業に取り組む職員

木製座席の塗装作業に取り組む職員

 

 釜石地方森林組合(久保知久代表理事組合長)は27日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで木製座席を塗装するボランティア活動に取り組んだ。全国一斉の森林組合デー(8月の第4木曜日)にちなんだ地域貢献活動の一環。職員らは「訪れた人が気持ちよく利用できるように」と作業に汗を流した。

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場となったスタジアム。設置された木製座席には2017年に平田の尾崎半島で発生した林野火災の被災木(スギ)が使われていて、同組合が提供した。

 

 W杯から1年となるのを前に、スタジアムを管理する市では座席の塗り替えを進めている。市民らを対象にした塗装のボランティア活動を今月2回実施し、延べ約160人が参加。同組合は運営のサポートを行ってきた。

 

 塗装作業が行われているのはバックスタンド(約3千席)で、これまでに7割を色付け。茶色を背景に、青色で「KAMAISHI UNOSUMAI」の文字が浮かび上がった。

 

 この日は残る約830席を塗装。同組合職員や県、釜石市、大槌町の林業担当職員ら約30人が参加し、木材保護性能を持つ塗料(茶色)で座席を彩った。

 

 スポンジを手に丁寧に色付け作業に励む職員たち。中には、座席に使用した木材の切り出し作業に携わった人もおり、「立派なスタジアム。愛着がある」「100年後も残ってほしい」「多くの人に利用してもらえたらうれしい」などと思いも込めた。

 

 同組合ではメインスタンドに整備された木製諸室の木材も供給。高橋幸男参事(56)は「自分たちの仕事が形となって見える場所。できることをやりながら、ラグビーのまちを応援していきたい」と汗をぬぐった。

 
 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石市×楽天ペイ「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を実施します!

釜石市×楽天ペイ「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を実施します!

釜石市×楽天ペイ「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を実施します!

 

釜石市と楽天ペイメント株式会社は、釜石市内の対象店舗において「楽天ペイ」で決済すると、決済金額の最大20%の楽天ポイントが戻ってくる「20%還元!楽天ペイでトクすっペイ」を令和2年9月1日(火曜日)10:00から令和2年10月31日(土曜日)23:59まで実施します。当事業は、市民の方はもちろん、市外の方・観光客の方でもご利用いただけます。

 

キャンペーン内容

本キャンペーン開催期間中に、市内対象店舗において楽天ペイで支払うと、決済金額の最大20%の楽天ポイントを付与します。
詳細内容や楽天ペイアプリの使い方については、 楽天ペイのホームページ をご覧ください。
 
例)通常・・・1,000円ご利用で10円相当ポイント還元(1%還元の場合)
今回・・・1,000円ご利用で200円相当ポイント還元(20%還元の場合)

開催期間

令和2年9月1日(火)10:00~令和2年10月31日(土)23:59

対象店舗

市内の楽天ペイを導入している参加意思表明店舗でご利用可能です。
市内飲食店や小売店を初め、コンビニエンスストアやドラッグストア等でもご利用可能です。
対象店舗一覧はこちらから

還元上限

還元上限ポイント:期間中20,000円相当(合計100,000円のお支払いで最大となります。)
※ポイントはお支払い後すぐに付与されるわけではありませんのでご注意ください。
※ポイントは2020年12月末日頃までに通常ポイントで進呈いたします。

事業者の皆様へ

楽天ペイは、スマートフォンやパソコンがあれば無料で導入することができます。
申し込みや導入に関するお問い合わせは、楽天ペイのサポートセンターまでお願いします。
楽天ペイサポートセンター ☎0570-200-234 9:30~23:00(土日祝日も対応)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 商工業支援係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-22-2111 / FAX 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020080400031/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
広報かまいし2020年9月1日号(No.1743)

広報かまいし2020年9月1日号(No.1743)

広報かまいし2020年9月1日号(No.1743)

 

広報かまいし2020年9月1日号(No.1743)

広報かまいし2020年9月1日号(No.1743)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 1.39MB
ダウンロード


 

【P1】
・地震・津波避難訓練週間
【P2-3】
・市道只越天神町線交通規制のお知らせ
・地域企業再建支援事業補助金 他
【P4-5】
・大腸がん検診容器回収
・介護保険説明会 他
【P6-7】
・まちのお知らせ
・各種相談 他
【P8】
・イベントのお知らせ

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020082600019/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
修正案へ意見を聞いた3回目のワークショップ=中妻地区生活応援センター

完成楽しみ「鈴子広場」、新しい遊具や築山整備〜来年度中の着工、完成目指す

修正案へ意見を聞いた3回目のワークショップ=中妻地区生活応援センター

修正案へ意見を聞いた3回目のワークショップ=中妻地区生活応援センター

 

 釜石市は、震災後、仮設飲食店用地となっていた鈴子町の公園「鈴子広場」(0・4ヘクタール)の復旧整備事業を来年度にかけて行う。市街地における憩いの場、遊び場確保の観点から、市民の意見を設計に反映させるためのワークショップ(WS)を6月から開催(全3回)。最終日の22日は、これまで出された課題解決策のアイデアを盛り込んだ設計案が示され、メンバーからさらに意見を聞いた。今後、具体的設計を進め、来年度中の着工、完成を目指す。

 

 「みんなでつくる鈴子広場」と題したWSには、公募で集まった小学生以下の子どもを持つ親や地元町内会員など12人が参加。1、2回目は現地を見学しての課題の洗い出し、解決策のアイデア出し・検討などを行い、市が示した計画素案への意見を聞いてきた。

 

 3回目の22日は、参加者から出された意見を基に修正した案について協議。設計を請け負う八州(本社・東京都)の担当者とオンラインでつなぎ、修正内容の説明を受けた後、2グループで再度、検討を行った。

 

 計画では、園内を5エリアに分類。岩手銀行側は、震災復興支援で民間企業により2013年に整備された複合遊具や健康器具があることから、それらを生かしつつ、新たな遊具を導入。「運動広場」「遊具広場」とエリア分けし、遊具広場には、要望のあった柵で区切った乳幼児向けスペースも確保する。

 

 薬王堂側は、緑地を生かしたエリアに。現在あるステージは撤去し、「築山広場」を整備。築山の周りには遊歩道や多目的デッキ(イベント時は簡易ステージとして利用)を設ける。震災殉職消防団員の顕彰碑周辺は「やすらぎの広場」とし、園内にある既存の像やモニュメントを移設。中心部に位置する噴水(現在は休止中)周辺は「中央広場」とし、再整備する予定。

 

1993年に供用開始した鈴子広場。28年ぶりに新たな姿に生まれ変わる

1993年に供用開始した鈴子広場。28年ぶりに新たな姿に生まれ変わる

 

 WSの意見を受け、園内にはあずまや、ベンチを複数設置。サクラなど季節を感じられる樹木は残し、残りは伐採。すっきりとした景観を作る。子どもたちの安全を考え、運動、遊具、中央の3広場には土素材のダスト舗装を採用する。駐車場は仮設店舗に利用されていた両サイドのスペースに整備。幼稚園などの中型バス、障害者用の駐車スペースも確保する。

 

 修正案に対し参加者からは、築山の遊び場としての活用法やバスケットゴールの設置など選定遊具に関する意見、多目的トイレのおむつ交換台の耐加重、駐車場の一方通行への要望も出された。噴水については「夏場の暑さ対策であれば、代わりにミスト的な設備も効果的ではないか」という意見もあり、噴水を残すかどうかは今後の検討事項となった。

 

 小学4年生の子どもを持つ小佐野町の及川佳奈子さん(44)は「地元住民や障害者の視点も取り入れ、素敵な公園ができそう。自然に親しみながら安全に利用できる場所になれば。完成が楽しみ」と期待。鈴子町に住む高橋光子さん(72)は「地元町内会は高齢者が多い。子どもの遊び場だけではない要素も入れられたのは良かった。鈴子は公民館がないので、住民活動の場としても利用できれば」と願った。

 

 市のニーズ調査で、子育て中の保護者が充実を望む支援策の1位は「子どもが安心して遊べる場所」。今回のWSは、市が子育て支援の重点プロジェクトの一つに掲げる「遊び場開拓」の取り組み第1弾となった。

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

海での遊びは幾通りも!参加者は夏の海辺で最高の一日を楽しんだ

海を満喫ワンデイキャンプ〜子どもらに夏の思い出、コロナ下だからこその喜び

海での遊びは幾通りも!参加者は夏の海辺で最高の一日を楽しんだ

海での遊びは幾通りも!参加者は夏の海辺で最高の一日を楽しんだ

 

 釜石の海の魅力をまるごと体験できる「海あそびワンデイキャンプ」が9日、釜石市箱崎町白浜の通称“小白浜”ビーチで行われた。市内の海に関わる団体や地元漁師らでつくる「海と子どもの未来プロジェクト実行委員会(さんりくBLUE ADVENTURE)」が主催。7年目の今年は新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じ、楽しみにしていた子どもたちに、かけがえのないひと夏の思い出を提供した。

 

 県内での感染者確認を考慮し、参加者を釜石市内在住者に限定。同居家族を含め、過去2週間に感染の可能性がある滞在や接触がないことを確認し、小学生と保護者同伴の幼児ら56人を受け入れた。

 

 白浜漁港でウエットスーツとライフジャケットを身に着け、地元漁師の船で隠れ家的ビーチ「小白浜」に上陸。スタッフから簡易トイレの使用方法、シュノーケリング用具に名前を付け1日同じものを使うことなどコロナ対策の説明を受け、さまざまな海遊びを楽しんだ。

 

 シーカヤック、スタンドアップパドルボード(SUP)、レスキューボードは今年も大人気。インストラクターから操作方法を教えてもらい、海上に繰り出した。シュノーケリングチームは岩場で生き物探し。ウミウシやナマコ、ヤドカリ、小魚などを見つけ観察した。幼児は波打ち際で水しぶきを上げてはしゃいだ。

 

 中妻町の藤井結衣ちゃん(3)は、父悠さん(37)のお腹に乗って水に浮かぶ“ラッコさん遊び”がお気に入り。母茉依さん(33)は「先月参加した根浜あおぞらビーチパークでも大喜びで、だんだん水も怖がらなくなってきた。年の近い子とも一緒に遊び、すごく楽しそう」と目を細めた。悠さんの転勤で釜石に来て5年目。「釜石の良さをまた一つ発見できた。自然に癒やされ、心を開放して遊ぶ経験はこれからの糧になる」と実感を込めた。

 

 御箱崎半島に位置するこの浜辺は、リアス海岸特有の入り海の穏やかさ、白砂と背後に迫る山の緑が生み出す絶景が大きな魅力。津波など有事の際にはハイキング路を登り、高台避難も可能。キャンプでは、海上で救助を待つ場合の浮き身姿勢を学ぶ「浮いて待て」講習も行い、自助防災力も高める。

 

 今夏は震災で被災した根浜海岸の砂浜再生工事の完了で、本格的な海開きが期待されていたが、新型コロナの影響で中止。遠出旅行もままならない今、少しでも子どもたちに自然体験の場をつくってあげたいと、実行委は例年通りのキャンプ実施を決めた。運営メンバーは、5月から開設される感染症対策を施した遊び場「根浜あおぞらパーク」のスタッフとしても関わっており、その実績も開催を後押しした。

 

 同実行委共同代表の柏﨑未来さん(35)は「こういう時だからこそ、地元の自然を地元の人に体験してもらいたい。できる限りの対策をして安全安心に配慮した。専門家の指導を仰ぎながらやってきたあおぞらパークのノウハウを今後も生かせれば」と話した。

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

10年後の釜石を見据え、自分たちに何ができるかをグループごとに発表

10年後の将来像探る、まちづくり担う一員として〜かまいし絆会議・未来づくり委員会

10年後の釜石を見据え、自分たちに何ができるかをグループごとに発表

10年後の釜石を見据え、自分たちに何ができるかをグループごとに発表

 

 釜石市内14小中学校の児童・生徒で組織する「かまいし絆会議」と、市の次期総合計画策定への提言を行う「かまいし未来づくり委員会」(委員62人)は7日、市民ホールTETTOで、それぞれの会合と今後のまちづくりに向けた意見交換を行った。小中高生と社会人約50人が参加した意見交換会では、絆会議で出された10年後の釜石の姿を実現可能なものにするため、それぞれの役割を考えた。

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を機に2017年から活動する絆会議。本年度2回目のこの日の集まりでは、釜石でのW杯試合から1周年となる9月25日を「絆の日」とし、各校で記念の取り組みを行うことを確認。出席した児童会、生徒会のリーダーらが活動案を示した。

 

 各校から出されたのは▽絆会議が作詞を手がけ、W杯会場で歌った「ありがとうの手紙」の校内・市内放送や合唱▽タグラグビー大会や釜石シーウェイブス(SW)RFC選手との交流▽日ごろの感謝を込めた地域清掃、お世話になっている人たちへの感謝の手紙贈呈―など。W杯のレガシー継承や地域貢献を通じて、まちづくりを担う一員としての意識も高める。

 

 市民公募により昨年12月に設置された未来づくり委員会は、2021年度から10年間の市総合計画策定に向け、6つの部会で基本目標や実現のための戦略、実行者について検討を重ねてきた。10回目のこの日は、8月下旬に予定する市への中間提言を前に、まとめられた報告書の内容を共有。研究発表で同席した釜石高の地域ゼミ生からの質問も受けた。

 

 委員会では10年後の釜石の将来像を3つのフレーズで表現。市民の主体性、柔軟性、多様性を尊重し、前進・挑戦し続けるまちの姿を文言に込めた。市民の役割、大事にしたい思いも記した。

 

 「震災から10年が経過するこれからが正念場。市民がまちの未来を本気で考え、主役として頑張っていった先により良い地域があるのでは」と青木健一委員長。同計画の素案は各地域会議などにも諮り意見を聞いた後、10月下旬の委員会最終提言を踏まえ、策定作業に入る。

 

 両会終了後の意見交換会は、市民協働のまちづくりへの取り組みの一環。子どもたちにとっては地域とつながることによる実行性の向上、大人たちには子どもたちの思いを感じ、共に活動する視点を持ってもらう狙いがある。

 

 参加者は①活気にあふれ人が多いまち②ラグビーで盛り上がれるまち③防災意識の高いまち④ごみが無いきれいなまち―のテーマごとにグループ協議。絆会議で考えた具体的取り組みを実行するにあたり、小中高生、大人、行政の5者が「どんな役割を担えるか」意見を出し合い、発表した。

 

 震災の教訓を語り継ぎ、次の災害に生かすことを考えた③グループは、▽紙芝居や動画による小学校低学年への伝承▽中学生によるハザードマップの作成▽語り部の養成―などを提案。ポイ捨て防止の啓発に着目した④グループは、▽美術の授業でのポスター作成▽登下校時のごみ拾いの習慣化▽防災無線での地域への呼び掛け―を発案。大人と子どもが一緒に活動するメリットを生かし、▽エコバッグ作り▽ハイキング、自然遊びとごみ拾いを組み合わせたボランティア活動―のアイデアも出された。

 

 高校生や大人との話し合いの場を経験した小中学生からは「自分にはない発想や意見を聞き、釜石の未来についてより深く考えることができた」「今後、釜石のために自分ができることを考えながら活動していきたい」などの声が聞かれた。

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

水しぶきをあげ、園庭のプール遊びを満喫する園児

猛暑 釜石37.9度、プール遊びに歓声

水しぶきをあげ、園庭のプール遊びを満喫する園児

水しぶきをあげ、園庭のプール遊びを満喫する園児

 

 20日の県内は高気圧に覆われて晴れ、各地で厳しい暑さとなった。釜石では最高気温が平年より10・6度も高い37・9度を記録するなど、36観測地点中7地点で35度を超える猛暑日となった。

 

 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児83人)では、園児が園庭に設置されたプールで水遊びを楽しみ、晴れ渡った空に歓声が響いた。園庭には組み立て式プール(約15平方メートル)が用意され、今月上旬から使用している。20日は、子どもたちが水しぶきを上げながら元気な笑顔を見せた。3歳児(14人)は、手をプールの底について顔を水面から出した状態で水中を進む「ワニ歩き」に挑戦。桜庭えまちゃん(4)は「水が冷たくて気持ちいい。みんなでバシャバシャやるのが楽しい」と喜んだ。

 

 同園では毎年8月に市営プールでの水泳教室(2回、年長児対象)を行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの感染者が県内でも確認されたことから中止した。園での水遊びは年齢別、短時間での活動に限定するなど、天候や気温に配慮しながら行っている。

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

広報かまいし2020年8月15日号(No.1742)

広報かまいし2020年8月15日号(No.1742)

広報かまいし2020年8月15日号(No.1742)

 

広報かまいし2020年8月15日号(No.1742)

広報かまいし2020年8月15日号(No.1742)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 6.01MB
ダウンロード


 
【表紙】
【P2-3】
・新型コロナウイルス感染症に関する情報
【P4-7】
・空き家の管理と活用
【P8-9】
・防災情報
・市営住宅入居者募集 他
【P10-11】
・ラグビーワールドカップ1周年記念事業
・まなびぃ釜石
【P12-13】
・こどもはぐくみ通信
・市民のひろば
【P14-15】
・まちの話題
【P16-21】
・まちのお知らせ
・復興情報
【P22-23】
・保健案内板
【P24】
・釜石の歴史よもやま話

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020080700018/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
釜石祈りのパークで白菊を手に黙とうする市幹部職員

お盆を前に震災犠牲者供養〜野田市長ら市幹部職員、追悼施設や納骨堂で

釜石祈りのパークで白菊を手に黙とうする市幹部職員

釜石祈りのパークで白菊を手に黙とうする市幹部職員

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大傾向が続く中、間もなくお盆の行事が始まる。先祖を迎え供養する8月、太平洋戦争末期に艦砲射撃を受けた釜石市では戦争犠牲者に鎮魂の祈りをささげる時期でもある。しかし、今年は感染症の影響で市戦没者追悼式が中止。それでも市は、追悼式とともに行ってきた東日本大震災犠牲者の供養は続け、7日に野田武則市長、市幹部職員ら約30人が市内の追悼施設や納骨堂で献花、焼香し犠牲者を悼んだ。

 

 市は毎年8月9日に戦没者の慰霊と平和への願いを込め追悼式を行ってきた。合わせて市職員らによる震災犠牲者の供養を継続。今年は追悼式が中止になったことから、実施日を変更して震災犠牲者を慰霊することとした。

 

 鵜住居町の追悼施設「釜石祈りのパーク」では、野田市長ら参列者が犠牲者の芳名版を前に黙とう。白菊を手向け、冥福を祈った。

 

 身元不明遺骨を安置する大平町の大震災物故者納骨堂では、釜石仏教会(大萱生修明会長、14カ寺)による法要が営まれた。現在、全身遺骨5柱、部分骨4柱を安置。僧侶5人が読経し、参列者が焼香、手を合わせた。

 

大震災物故者納骨堂では身元不明遺骨の悲しみを思い供養した

大震災物故者納骨堂では身元不明遺骨の悲しみを思い供養した

 

 導師を務めた大只越町の仙寿院、芝﨑惠應住職は「お盆のひととき、亡くなった方のために心を向けてほしい」と呼び掛けた。

 

(復興釜石新聞 2020年8月8日発行 第898号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

W杯の遺産継承へ設立された「釜石ラグビー応援団」

「釜石ラグビー応援団」結成、交流事業や情報発信へ〜W杯の遺産継承目指す

W杯の遺産継承へ設立された「釜石ラグビー応援団」

W杯の遺産継承へ設立された「釜石ラグビー応援団」

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催のレガシー(遺産)を継承しようと、釜石市の官民ラグビー関係者が7月29日、「釜石ラグビー応援団」を結成した。W杯開催で培われた地域間の交流、全国のボランティア参加者との連携などを民間レベルで継続的に推進。10月に行われるW杯1周年記念事業のボランティ運営や「ラグビーのまち釜石」についての情報発信などに取り組む。

 

 大町の情報交流センター釜石PITで行われた結団式には関係者約40人が出席。18年8月に釜石鵜住居復興スタジアムのオープン行事でキックオフ宣言をした洞口留伊さん(18)=慶応大1年=も駆け付け、進行役を務めた。

 

 設立趣旨や活動方針などを確認。団長にW杯2019釜石開催支援連絡会の副会長を務めた中田義仁さん(51)、副団長には釜石シーウェイブスRFC理事の浜登寿雄さん(51)を選出した。

 

 ラグビーW杯開催の実現に向けて誘致活動を進めてきた中田団長は「W杯では世界から釜石が評価され、市民が自信と誇りを持つことができた。W杯は終わりではなく、これからが重要。市民みんなで作り上げてきた釜石のラグビーの盛り上がりを生かし、これからの釜石のまちづくりを未来につなげていきたい」とあいさつした。

 

 結団式には市内の男子高校生らが参加。「今後イベントなどで釜石を訪れる外国人に英語で地元の魅力を伝えるボランティアをしたい」などと思いを膨らませた。

 

 同応援団はW杯釜石開催支援連絡会のプロモーション部会メンバーを中心に、W杯に携わった県内外のボランティアら有志約300人で構成する。W杯釜石開催の機運醸成を担った同連絡会の後継組織として活動。ラグビーを活用したまちづくり交流事業、W杯日本大会で培われた各開催都市や友好都市との交流事業、ラグビーカフェ釜石(シープラザ釜石2階)での情報発信、W杯の公式・独自ボランティア参加者への各種サポートなどを展開する。

 

釜石ラグビー応援団

 【団員】中田義仁(中田薬局)、浜登寿雄(浜登医院)、松田宇善(グループホームやかた)、上田康広(釜石青年会議所)、下村達志(釜石まちづくり会社)、市川香織(同)、川崎杏樹(釜石DMC)、久保知久(釜石地方森林組合)、篠原洋介(釜石市ラグビーフットボール協会)、梅澤義明(釜石シーウェイブスRFC)
 【アドバイザー】エミリー・ハラムズ(オーストラリア・ニュージーランド商工会議所事務局長)アシュリン・バリー(釜石市文化スポーツ部国際交流課国際交流員)

 

(復興釜石新聞 2020年8月1日発行 第897号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3