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鵜住居川周辺を隊列を組んで飛ぶ姿も見られた

まれに見るオオハクチョウの群れに感激 鵜住居川で水辺の鳥観察会

片岸公園遊歩道から水辺の鳥観察を楽しむ参加者

片岸公園遊歩道から水辺の鳥観察を楽しむ参加者

 

 釜石市の鵜住居川河口周辺で15日、水辺の鳥観察会が開かれた。市生活環境課が行う環境保全事業の一環。県内有数の「野鳥の宝庫」として知られる同所は、2011年の東日本大震災の津波で大きな被害を受け、野鳥の生息状況にも影響を及ぼした。震災から10年となった昨年は、河川堤防の内側に片岸公園が完成。生態園をイメージした大きな沼地が整備され、複数種の野鳥が集う様子が見られている。

 

 同観察会は1970年代後半から続けられる冬の恒例行事。震災後は新たな水門や防潮堤を建設する復興工事のため中止されてきたが、昨年度から再開されている。今回は一般市民と関係者14人が参加した。

 

釜石野鳥の会の会員に教わりフィールドスコープをのぞき込む子ども

釜石野鳥の会の会員に教わりフィールドスコープをのぞき込む子ども

 

 釜石野鳥の会(臼澤良一会長、7人)の会員3人の案内で、片岸公園駐車場から観察をスタート。最初に目に飛び込んできたのは、三陸鉄道の線路近くの遊休地で枯れ草などをついばむオオハクチョウの群れ。羽が灰色の幼鳥を含め、20羽前後が見られた。この後、移動した同公園の沼地ではマガンとともに泳ぐ姿も。鵜住居川周辺上空を隊列を組んで飛ぶ光景も見られ、参加者は肉眼のほか、双眼鏡やフィールドスコープで追った。

 

餌を求め片岸町の遊休地に集まるオオハクチョウ

餌を求め片岸町の遊休地に集まるオオハクチョウ

 

片岸公園の沼地でマガンとともに憩うハクチョウ

片岸公園の沼地でマガンとともに憩うハクチョウ

 

鵜住居川周辺を隊列を組んで飛ぶ姿も見られた

鵜住居川周辺を隊列を組んで飛ぶ姿も見られた

 

 野鳥の会の臼澤会長(73)によると、観察会の1週間ほど前の時点で、同河川周辺で確認したオオハクチョウは約40羽。震災後、これほど多くの飛来は初めてで、「冬を越すのに適した生息環境が戻ってきているのではないか」と推測。2月末ごろまで見られそうだが、「決して餌付けはしないように。マナーを守って観察を」と呼び掛ける。

 

 観察会ではこの他、同所で見られるのは珍しいハクガンも1羽確認。名前の通り全身が白いが、翼の先だけ黒色なのが特徴で、オオハクチョウと比べるとその大きさの違いがよく分かる。

 

鵜住居川でオオハクチョウと行動を共にしていたハクガン(左)。翼の先端が黒いのが特徴

鵜住居川でオオハクチョウと行動を共にしていたハクガン(左)。翼の先端が黒いのが特徴

 

 さらにこの日、参加者を喜ばせたのが、鮮やかな体色で「飛ぶ宝石」と称されるカワセミ。頭から背中にかけての青色、腹部のオレンジ色のコントラストが目を引く留鳥。鵜住居川では昨年1月の「こどもエコクラブ」の野鳥観察会でも確認され、今回もその時と同じ場所、鎧坂橋近くで見ることができた。

 

 約1時間の観察で確認された野鳥は28種類。種別ではガン・カモ類が最も多く、個体数ではオオハクチョウやオオバンの数が際立った。タカの仲間「ノスリ」、サギ、キジ、チドリなども見られた。

 

ヨシ原から飛び立つキジの姿も確認された

ヨシ原から飛び立つキジの姿も確認された

 

 震災で被災し、山田町から同市定内町に移り住んだ佐藤幸博さん(71)は、初めて鵜住居川を訪れ、「こんな近場にたくさんの種類の鳥がいるとは驚き。環境が良い所なんでしょうね」。初めて生で見たカワセミの美しさにも感動し、「また見に来てみたい」と声を弾ませた。

 

 鵜住居川河口周辺で行われてきた市主催の野鳥観察会では、震災前、最多で57種を確認した年もあり、自然環境の素晴らしさを裏付けた。震災の津波で、片岸海岸に隣接していた元の河口は失われ、川沿いに広がっていたヨシ原や樹木も全て流失。野鳥もすみかを奪われ、被災後数年間は見られる鳥の種類、数ともに激減した。現在の水門から上流は10年かけて植生がだいぶ回復し、それに伴って野鳥も増えてきた。

 

新設された水門から上流は鳥の隠れ家となる草地が回復してきた

新設された水門から上流は鳥の隠れ家となる草地が回復してきた

 

昨年完成した片岸公園の沼地。震災前にあったミノスケ沼のように鳥が集まる場所になりつつある

昨年完成した片岸公園の沼地。震災前にあったミノスケ沼のように鳥が集まる場所になりつつある

 

 臼澤会長は「ハクチョウやガンなど渡り鳥の飛来も増えてうれしい限り。これは鵜住居川の環境が整ってきた証拠。一方で、私たちに身近なスズメなどがあまり見られなくなったのが気になる。こうした変化にも気付いて環境保全への取り組みを考えていかなければならない」と話した。

釜石市と協定を結んだ明治安田生命保険の横山幸司盛岡支社長(右から4人目)と釜石営業所のスタッフ(右3人)

復興後のまちづくりを協働で 釜石市と明治安田生命「包括連携協定」締結

釜石市と協定を結んだ明治安田生命保険の横山幸司盛岡支社長(右から4人目)と釜石営業所のスタッフ(右3人)

釜石市と協定を結んだ明治安田生命保険の横山幸司盛岡支社長(右から4人目)と釜石営業所のスタッフ(右3人)

 

 釜石市と明治安田生命保険(永島英器執行役社長)は13日、市民の健康づくりや生活の利便向上などを目的とした幅広い分野での包括連携協定を結んだ。同市のさまざまな課題、地域ニーズに対応した取り組みを連携して進め、健康長寿、より良い市民生活の実現を目指す。

 

 締結式は市役所で行われ、同社から横山幸司盛岡支社長、蓙谷兼明釜石営業所長ら5人が出席。横山支社長と野田武則市長が署名した協定書を取り交わし、内容を確認した。連携するのは▽高齢者の生活支援や市民の健康づくり▽結婚、出産、子育ての支援▽市民サービス、生活の利便向上▽産業、観光振興の支援▽環境保護活動の支援―の5分野。まずは健康面から着手し、がん検診や保健事業の周知、認知症予防への取り組みなどを検討する。

 

 横山支社長(48)は「能動的に動けるのが私どもの強み。釜石営業所の約20人を中心に、市の施策PRや円滑な事業推進から一歩ずつ進め、しっかりとした成果を出していく。地元に貢献しながら本業にも生かせるようにしたい」と決意を表した。

 

横山支社長が明治安田生命のプロジェクトを説明

横山支社長が明治安田生命のプロジェクトを説明

 

 同社は国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を視野に、「人々の健康づくり」と「豊かな地域づくり」のサポートを行う2大プロジェクトを推進。こうした基本理念のもと、地方自治体との連携協定締結にも取り組む。本県市町村との協定は釜石市が12番目。

 

 野田市長は復興後の新たなまちづくりを進める上で、「災害の脅威、少子高齢化、医療・介護の問題など課題が山積している。地球温暖化、新型コロナウイルスへの対応も不可欠。課題解決に力添えをいただき、釜石がますます元気になるよう取り組んでいきたい」と協力を願った。

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「お絵かき列車」表彰式 園児が描く、みんなの三陸鉄道

三鉄の「園児お絵かき列車」入賞者と家族、関係者ら

三鉄の「園児お絵かき列車」入賞者と家族、関係者ら

 

 三陸鉄道(本社宮古市、中村一郎社長)が沿線の保育園児などを対象に募集した「お絵かき列車作品」で、最高賞となる県三陸鉄道強化促進協議会(会長=達増拓也知事)会長賞に中妻子供の家保育園の渋谷実希ちゃん(6)が選ばれた。小佐野保育園の寺田茉希ちゃん(5)が釜石市特別賞、小川葵愛(あいな)ちゃん(6)は市さんてつくん賞を受賞。表彰式は8日に鈴子町のシープラザ釜石で行われ、入賞者に賞状などが贈られた。

 

 同列車は同協議会と三鉄が主催。列車の旅を楽しみながら車両の絵を描いてもらうもので、1995年から続く。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で乗車を見合わせる園が多かったが、作品は募集した。沿線の11市町村から690人が参加。釜石市内からは6保育園、こども園が参加し、計97点が寄せられた。

 

 表彰式で、中村社長は「力作ぞろいで、選ぶのに苦労した」と総評。コロナ禍で厳しい経営が続くが、昨秋から客足が戻りつつあると説明し、「家族と一緒に利用して盛り上げてほしい」と期待を込めた。野田市長も「久慈から盛まで163キロもあるリアス線は駅ごとに楽しい場所がある。みんなの三鉄を大事にしていこう」と呼び掛けた。

 

最高賞に輝いた作品の前で笑顔を見せる渋谷実希ちゃん

最高賞に輝いた作品の前で笑顔を見せる渋谷実希ちゃん

 

 中妻子供の家保育園では三鉄から提供された写真を見本に年長児が取り組んだ。まだ三鉄に乗ったことがないという実希ちゃんは、青い空と海が広がる景色の中を走る様子を想像しながら、クレヨンと絵の具を使って「楽しい気持ち」を表現。白い車体に赤と青のラインが入った車両を描くのを頑張り、「(賞をもらって)うれしい」とはにかんだ。

 

 小佐野保育園は三鉄釜石駅に出向いてホームでお絵かき。いろんな車両を見る機会にもなり、外出気分を楽しんだ。茉希ちゃんは車両を囲むようにたくさんの笑顔を描いていて、かわいらしさ満載の力作。葵愛ちゃんの作品は画用紙の半分を占めるほどの大きい車両が印象的な、ダイナミックな絵に仕上がった。

 

子どもたちの愛らしい作品が紹介された

子どもたちの愛らしい作品が紹介された

 

 釜石市内の応募作品は14日までシープラザで展示。入賞作品を車内で公開する「たいへんよくできました号」も同日まで三鉄リアス線で運行された。

広報かまいし2022年1月15日号(No.1776)

広報かまいし2022年1月15日号(No.1776)

広報かまいし2022年1月15日号(No.1776)

 

広報かまいし2022年1月15日号(No.1776)

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【P1】
表紙
【P2-4】
税の申告
【P5-7】
コロナワクチン接種関係(3回目)
【P8-9】
国民健康保険の税率改正・灯油購入費の一部助成
【P10-13】
特集 釜石シーウェイブスRFC
【P14-15】
子どもはぐくみ通信
まなびぃ釜石
【P16-19】
市民のひろば
まちのお知らせ
【P20-21】
まちの話題
【P22-23】
保健だより
【P24】
【10万円給付】子育て世帯・非課税世帯への臨時特別給付

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022010700013/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
「釜石市成人のつどい」式典に臨む新成人=9日

2年ぶりに参集開催「釜石市成人のつどい」 二十歳の門出に笑顔はじける

「釜石市成人のつどい」式典に臨む新成人=9日

「釜石市成人のつどい」式典に臨む新成人=9日

 

 10日の「成人の日」を前に釜石市では9日、成人のつどい(市、市教委主催)が大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルス感染状況を踏まえ、昨年は出席者を限定した式典をウェブ配信しており、参集開催は2年ぶり。検温や体調確認、マスク着用などの対策を徹底し、保護者も入場可能とした。長引くコロナ禍で帰郷がかなわなかった市外在住者も多く、会場では友人との再会を喜び合う姿が目立った。感染症の収束が見えぬまま、大人としての一歩を踏み出す新成人らは、困難を乗り越えた先の輝く未来に希望を託し、それぞれの人生をしっかり歩むことを誓った。

 

晴れ着姿の新成人で華やぐ式典会場の市民ホール

晴れ着姿の新成人で華やぐ式典会場の市民ホール

 

 今年の新成人は2001年4月2日から02年4月1日までに生まれた人。式には対象者295人中、227人が出席した。野田武則市長は東日本大震災の教訓、釜石人の不撓(ふとう)不屈の精神を胸に、たくましく生きることを新成人に期待。多様な課題を抱える世界と共に歩む必要性を示し、「限りある人生の中で精いっぱい自分の幸せを求めて生きてほしい。それがひいては世界の平和、幸福につながる」とエールを送った。

 

新成人を代表し、抱負を発表する三嶋瑛菜さん

新成人を代表し、抱負を発表する三嶋瑛菜さん

 

 釜石郵便局に勤務する三嶋瑛菜(あきな)さん(唐丹中、釜石商工高出身)が、新成人を代表し抱負発表。「つらいことも人生経験の価値を上げるチャンス。自分の素直な気持ちと向き合い、考えて出した答えを大事にし、自分色の人生を歩んでいこう。これまでの家族や地域の支えに感謝し、しっかり生きていくことが恩返しにつながる」と述べた。

 

 同市の成人のつどいは今年から、公募で集まった新成人が実行委員となり式典内容などを協議。今回は5人が名乗りを上げ、過去を振り返り未来につなぐイメージ動画、出身2高校の恩師から集めたメッセージ動画を自主制作し上映した。恒例の新成人有志による虎舞披露も式典を盛り上げた。

 

恩師のメッセージ動画上映で高校時代を懐かしむ

恩師のメッセージ動画上映で高校時代を懐かしむ

 

“寅年”の成人のつどいを虎舞で盛り上げる有志

“寅年”の成人のつどいを虎舞で盛り上げる有志

 

 式典の前後にはフォトスポットでの記念撮影を楽しんだり、再会した友人と会話を弾ませるいつもの光景が見られ、会場は華やいだ雰囲気に包まれた。大東文化大2年の本間勇樹さん(20)は甲子中の同級生らと再会し、「式典ができ、懐かしいみんなと会えたのが一番うれしい」と笑顔。大学はオンライン授業が続き、この2年間はほぼ釜石生活だが、体育教員の免許取得を目指し勉学に励む。成人としての自覚を高めつつ、「大好きな釜石を誇れるような大人になりたい」と地元愛をにじませた。

 

甲子中出身の同級生は「K」ポーズで記念の1枚

甲子中出身の同級生は「K」ポーズで記念の1枚

 

 市内の企業に勤める藤井利咲さん(20)は12月に誕生日を迎え、20歳になったばかり。初めて口にしたお酒の味に「おいしかった」とにっこり。今春から社会人3年目に入るにあたり、「自分の技能を磨きながら、後輩にも教えていければ」と決意を新たにする。長年続ける民謡でも夢を描き、「小さい子たちに民謡を広めていきたい」と後進育成に意欲を見せた。

 

 盛岡大短期大学部2年の山本菜摘さん(20)は、20年間育ててくれた両親に感謝。周りから「大人の仲間入りだね」と言われ、20歳の実感をかみしめる。保育士の資格を取得し、4月から就職予定。「子どもの目線に合わせ、気持ちを分かってあげられる保育士になりたい。まずは仕事を理解し、先輩方についていけるように頑張る」と目標を掲げた。

 

風船アートで彩られたフォトスポットで笑顔満開

風船アートで彩られたフォトスポットで笑顔満開

 

 今年の新成人は小学3年時に東日本大震災を経験。幾多の困難を乗り越えながら小・中・高校生活を送り、まちの復興をつぶさに見てきた。各種活動で震災後のまちづくりにも貢献。高校3年時に同市で開催されたラグビーワールドカップ(W杯)では、世界中から訪れる人たちへのもてなしや震災伝承活動で活躍する生徒もいた。

 

 ラグビーW杯の会場となった釜石鵜住居復興スタジアムのこけら落としイベント(2018年8月)でキックオフ宣言を行った洞口留伊さん(20)は現在、慶應義塾大の2年生。成人のつどいでは市民憲章、防災市民憲章の唱和を担当した。

 

釜石東中在学時の校長だった髙橋勝教育長(左)、野田武則市長と記念写真に納まる洞口留伊さん

釜石東中在学時の校長だった髙橋勝教育長(左)、野田武則市長と記念写真に納まる洞口留伊さん

 

洞口さんが復興スタジアム完成イベントでキックオフ宣言する姿を伝えた記事(復興釜石新聞)

洞口さんが復興スタジアム完成イベントでキックオフ宣言する姿を伝えた記事(復興釜石新聞)

 

 震災の津波で鵜住居町の自宅が全壊。18年に再建を果たした家で家族と暮らす洞口さんは「助けてもらった世界中の皆さんに感謝を伝えたいという思いは今も変わらない」。コロナ禍で世界の人々が苦しい日々を送る中、「自分も誰かのために何かしてあげられる人になりたい」と意を強くする。大学では防災を学ぶ。「勉強して多くの命を救うことが、これまでの支援への恩返しになる」と信じ未来を開く。

寄せ書きが添えられた日章旗(画像)を示す小野さん(前列右)、佐々木宮司(同左)。後列は左から安藤さん、安美留さん、佐々木利恵さん

持ち主不明の寄せ書き日章旗 情報求め、金沢から釜石へ~尾崎神社の押印を手掛かりに

寄せ書きが添えられた日章旗(画像)を示す小野さん(前列右)、佐々木宮司(同左)。後列は左から安藤さん、安美留さん、佐々木利恵さん

寄せ書きが添えられた日章旗(画像)を示す小野さん(前列右)、佐々木宮司(同左)。後列は左から安藤さん、安美留さん、佐々木利恵さん

 

 釜石にゆかりのある日章旗ではないか―。昨年12月、北陸地方に住む男女3人が手掛かりを求めて釜石市を訪れた。尾崎神社の押印や約60人分の寄せ書きがあり、「佐々木」「菊池」「吉田」といった釜石でなじみのある名字が多く見られたため。陸上十種競技で活躍した人や「柔道部」という書き込みもあり、釜石製鉄所(現日本製鉄東日本製鉄所釜石地区)に関わりがありそうだとも考えている。

 

 手掛かりを探しに来たのは、石川県金沢市の主婦小野晴美さん(59)、大学教員の安藤竜さん(47)、滋賀県彦根市の会社員安美留久見子さん(35)の3人。観光や歴史研究に取り組む仲間だという。2020年12月に北陸地方の新聞に掲載された、太平洋戦争時に出征した兵士が持っていたとみられる日章旗の持ち主の情報提供を求める記事が気になり、活動してきた。

 

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金沢に届けられた持ち主不明の日章旗(小野さん提供)。右上隅に尾崎神社の押印が入っている

 

 小野さんによると、その日章旗は19年9月に金沢市の尾崎神社に持ち込まれた。日本へ旅行に訪れていた米国人男性が「この旗は尾崎神社で清められた日本の旗ではないか。家族のもとに届けば幸いだ」という手紙を添え、託した。金沢の尾崎神社は寄せ書きにあった氏名を電話帳などで調べたが、持ち主や遺族らしい人にたどり着くことはできず、現在は石川護国神社にある県遺族連合会で保管しているという。

 

 日章旗は縦75センチ、横1メートルで、「武運長久」「盡(じん)忠報国」「千人力」「玉砕」「奮闘祈」など文字が確認できる。右上隅に尾崎神社の押印が入っていて、血痕が数カ所にある。遺族会員ではない小野さんらが熱心に取り組みを続けたのは、書き込まれた言葉、戦地に行くのを見送った人たちが残した思いを想像したから。「敵軍に向けられた恐ろしい言葉。うれしくもないだろうに万歳の文字。生きて帰って―と願って書いた人もいただろう」。旗に込められた思いに突き動かされるように独自に調べ、「釜石」にたどり着いた。

 

釜石にゆかりのある姓が並ぶ(小野さん提供)

釜石にゆかりのある姓が並ぶ(小野さん提供)

 

「柔道部」などの言葉も確認できる(小野さん提供)

「柔道部」などの言葉も確認できる(小野さん提供)

 

 小野さんは釜石の尾崎神社に旗の画像を送るとともに問い合わせをし、昨年8月に押印について「(釜石のもので)間違いない」と確認。石応禅寺(大只越町)の押印や住職らしき名前もあったことから、「釜石ゆかりの旗だ」と確信した。ただ、こうした旗にはふつう、出征する兵士の名前が記されているが、今回の旗には個人名の記載はなく、持ち主を特定することは難しいと考えている。石川の遺族会も「持つべき本人か遺族に直接渡したい」とのことで、現物が釜石に届く見通しは立っていない。

 

 そこで、3人は旗の帰還につながる動きを見つけ出そうと、昨年12月に来釜。4日に市内を回った際、訪問先で対応した人が記名のある男性の遺族らしき人に電話で問い合わせをしてくれたといい、「20歳で出征し、戦地で亡くなった」などと情報を得た。「釜石ゆかりのもの」と認識を確かにし、5日には尾崎神社を訪問。佐々木裕基宮司(56)、妻利恵さん(54)に「この旗は、あるべき場所に納められるのがいいはず。釜石と石川の遺族会でやりとりしてもらえたら」と思いを伝えた。

 

釜石の尾崎神社を訪ねた金沢の3人。持ち主探しに込めた思いを伝えた

釜石の尾崎神社を訪ねた金沢の3人。持ち主探しに込めた思いを伝えた

 

 宮司の母郁子さん(78)は釜石遺族会長で、5日は不在だったが電話で応対。「釜石でつくられたもの。古里に帰って来たいでしょう。戻ってくることで報われるのでは」とおもんぱかり、協力を引き受けた。今後、盛岡市の岩手護国神社や県遺族会関係者らからも働き掛けてもらえるよう要請するほか、釜石市が行う戦没者追悼式などで画像を公開し、より多くの情報を得られるよう取り組みたいとしている。

 

 新たな動きが見え、小野さんは「一日も早く釜石に届いてほしい」と期待。安美留さん、安藤さんは「活動を通じ、いろんな人の人生に関わり、戦争や生きることを考えるきっかけになった。歴史的資料として残してもらえれば」と願う。

 

釜石製鉄所とのつながりを感じさせる名前もある(小野さん提供)

釜石製鉄所とのつながりを感じさせる名前もある(小野さん提供)

 

 釜石新聞NewSにも昨年9月、小野さんから画像の送付と問い合わせがあり、旗に記名のある人と同姓同名の男性(96)を訪ねてみた。「当時は20歳前後。こういう旗にいくつも名を記した」というが、画像を見ても自分が書いたものか判断できない様子だった。

 

 1941(昭和16)年12月8日(現地時間7日)の開戦から、45年8月の敗戦まで続いた太平洋戦争。80年近くを経る中、日章旗の持ち主や遺族に関する情報を得るのは難しい。この旗を持って戦地に赴いたのは誰なのか、どんな運命をたどったのか。名を記した古里の人たちは、どんな思いを込めたのだろうか。

 

 情報提供は、釜石市浜町の尾崎神社(電話0193・22・3095)へ。

JR釜石駅が無料配布している「すべらない砂」と「合格駅行き特急券」

「すべらない砂」で受験生を応援!JR釜石駅で配布

JR釜石駅が無料配布している「すべらない砂」と「合格駅行き特急券」

JR釜石駅が無料配布している「すべらない砂」と「合格駅行き特急券」

 

 受験シーズンが本番に突入した。釜石市鈴子町のJR釜石駅(吉田正樹駅長)では、今年も合格祈願を込めた「すべらない砂」を無料配布し、受験生を応援している。列車が上り坂を走行する際、砂を車輪の空転防止に使うことにちなんだ験担ぎ。「合格駅」行き「特急券」とセットで3月中旬まで配布する予定だ。

 

 同駅では15年ほど前から受験応援グッズとして配布している。市内の神社でおはらいした砂と、合格特急券と表した片道切符を袋詰め。砂をもらうために駅を訪れる人もいる、リクエストの多い取り組みとのこと。今回は1000個を用意した。改札前に設置した「合格祈願神社」で、自由に入手できる。

 

駅員らが思いを込めて手作りした「合格祈願神社」と「招きトラ」パネル

駅員らが思いを込めて手作りした「合格祈願神社」と「招きトラ」パネル

 

砂も駅員たちが一つ一つ気持ちを込めて袋詰めしている

砂も駅員たちが一つ一つ気持ちを込めて袋詰めしている

 

 今年は、干支(えと)の「寅(とら)」にちなんだ手作りパネルもお目見えした。五角形と四角形を重ねてデザインした「合格」の文字を、招き猫ならぬ「招きトラ」が呼び込んでいるよう。「五角で合格、四角にはいろんな資格にも挑戦してほしい」と願いを込めた。

 

 配布を始めた4日に、さっそく手に入れた男性は「一番乗りで幸先がいい感じ」と目を細めた。自身は英検の受験を控え、親族にも受験生がいて、2人分の〝お守り″を大切そうにリュックサックにしまい込んだ。

 

砂を手に取る男性。「いい結果につながりますように」

砂を手に取る男性。「いい結果につながりますように」

 

 この砂ですべりませんように、うまくいきますように―。吉田駅長は「受験や就職活動、いろんな資格取得に向かって頑張る人たちへの応援を込めた。ぜひ手に取ってほしい」と呼び掛ける。同駅構内には寅年にちなんで郷土芸能・虎舞を紹介する掲示も。「釜石と言えば虎舞。虎の勢いでコロナを吹き飛ばし、いい年になれば」と期待する。

2年ぶりに開催!社寺を巡る「初詣ウオーク」

2年ぶり「初詣ウオーク」に笑顔 筋力維持で今年も元気な1年を!

2年ぶりに開催!社寺を巡る「初詣ウオーク」

2年ぶりに開催!社寺を巡る「初詣ウオーク」

 

 釜石市ウォーキング協会(桝井昇会長、52人)は2日、新年恒例の「初詣ウオーク」を2年ぶりに開催。新型コロナウイルス感染拡大防止のため昨年は中止したが、ワクチン接種などの対策が進み、感染状況も落ち着いていることから実施を決めた。協会員と一般参加者20人が参加。市内の神社や寺を詣でながら2022年の初歩きを楽しんだ。

 

 今年で17回目。これまでは桜木町の釜石製鉄所山神社を出発点に浜町の尾崎神社までの約10キロのコースで行われてきたが、会員の高齢化もあり今回から距離を短縮。中妻町の昭和園クラブハウスをスタート地点とした。

 

 最初の参詣地は八雲神社(八雲町)。同ハウスからは目と鼻の先だが、神社の急階段を回避するため、西側の大天場公園入口から緩やかな坂道を登って神社に向かった。到着後、さい銭を入れて参拝。1年の健康などを祈願した。その後も八幡神社(大渡町)、薬師山観音寺(大町)と巡り、ゴールの尾崎神社まで約8キロの道のりを元気に歩いた。途中にある歌碑なども見て回り、体力づくりと合わせ文学や歴史も学んだ。

 

八雲神社にお参りする参加者。1年の無事を祈願

八雲神社にお参りする参加者。1年の無事を祈願

 

アップダウンのあるコースも元気に歩みを進める

アップダウンのあるコースも元気に歩みを進める

 

 栗林町の小澤勲さん(79)は4年ほど前に静岡県からUターン。2年前に同協会に加入した。「1日5キロを目安に歩いている。歩かないと筋力の衰えはあっという間。今年もできるだけ続けていきたい」と新年の抱負。

 

 小澤さんのご近所という小笠原京子さん(75)は12年前に東京都から夫のふるさと栗林に移住。直後に病に倒れた夫の介護をしながら地域活動に参加するうち、地元協会員に誘われ、協会行事にも参加するようになった。初めての初詣ウオークに「知らなかった神社にも案内してもらい、気持ちよく歩けた」と心身共にリフレッシュ。「東京では日常生活でよく歩くが、こちらは車生活。主人のためにも自分が健康でいなくちゃいけないので、意識して歩くようにしている」と話した。

 

薬師山観音寺(大町)を後にし、市街地へ向かう

薬師山観音寺(大町)を後にし、市街地へ向かう

 

震災後に建てられた浜町の復興住宅前を通りゴール地点の尾崎神社へ

震災後に建てられた浜町の復興住宅前を通りゴール地点の尾崎神社へ

 

 同協会は昨年、毎月の例会は継続したが、県独自の緊急事態宣言が出された8、9月は活動を休止。例年行う県外遠征も取りやめた。桝井会長(81)は「今年の年間行事も組んだが、どこまでできるか。感染防止策を徹底しながら1つでも多く活動できれば」と意気込む。

 

 2001年に設立した協会は、50人前後の会員数を維持。発足当初からの会員も多く、平均年齢は78歳。「若い世代にも入ってもらい、末永く会を継続させたい」と桝井会長。

かねを鳴らし、高額当選を祝福する市場スタッフ

コロナ禍で落ち込む経済回復願う 市内の初売り元日からスタート

初売りは出足好調=元日午前8時すぎ/イオン釜石

初売りは出足好調=元日午前8時すぎ/イオン釜石

 

 釜石市内の初売り商戦は元日スタート。港町の大型商業施設「イオンタウン釜石」は通常より1時間早い午前8時に開店し、福袋販売などで買い物客を迎えた。鈴子町の駅前橋上市場「サン・フィッシュ釜石」は2日から初売り。人気のガラポン抽選会を2年ぶりに復活させた。新型コロナウイルス禍の影響が色濃く出た昨年に比べると客足は回復基調に。感染防止対策を取りながら、初売りならではの買い物を楽しんだ。

 

イオンタウン釜石初売り 正月3が日で約3万人来店

 

 

 イオンタウン釜石の初売りは8年目。今年もお目当ての商品を手に入れようという客が開店前から列を作った。午前8時の開店とともに目的の売り場に急ぎ、広告の品などを購入。お得な買い物に満足げな様子を見せた。

 

 イオンでは各専門店合わせ約2100個の福袋を用意。コロナ対策として密集を避けるため、昨年に続き、年末の12月29日から販売を開始したことで、客も余裕を持って購入できた。例年行ってきた餅まきは今年も中止したが、2日には唐丹町の桜舞太鼓が演奏を披露し、正月気分を盛り上げた。

 

お得な福袋は初売りならでは。購買意欲をそそる

お得な福袋は初売りならでは。購買意欲をそそる

 

 正月3が日の来店者は約3万人。コロナ禍前の4万人台には及ばないものの、昨年比120%と回復基調を見せた。元日は午後2時から3時ごろが来店のピークとなった。

 

 甲子町の伊藤康一さん(51)は「(イオンは)それなりに品ぞろえがあるので普段から利用している。ここ何年かは初売りにも来ている」と新年の楽しみを満喫。コロナの影響を受ける飲食店や商業施設の厳しい現状に「市民としても何とか協力できればと思う」と話した。

 

 イオン釜石には昨年新たに、飲食など4店が出店。コロナ禍ながら、消費者ニーズを捉えた魅力ある店舗展開を図ってきた。野村武男モールマネジャーは「昨年はコロナ対策に明け暮れた1年だった。各店とも従業員の苦労やストレスが大きかったと思う」と話し、「今後も感染対策を第一に、イベントやセールの開催を考えていきたい」と気を引き締めた。

 

イオン釜石で開催中の「イーハトーブ写真展」

イオン釜石で開催中の「イーハトーブ写真展」

 

 現在、2階イベントスペースでは、JR釜石線と三陸鉄道沿線の風景などを収めた「イーハトーブ写真展」を開催中。展示は10日まで。

 

サン・フィッシュ釜石 2年ぶりのガラポン抽選会で初売りの景気付け

 

サン・フィッシュ初売り恒例「ガラポン抽選会」

サン・フィッシュ初売り恒例「ガラポン抽選会」

 

 サン・フィッシュ釜石の初売りは例年通り、2日午前8時にスタート。新春吉例「ガラポン抽選会」は、昨年は中止したため2年ぶりの開催となり、楽しみに待っていた人たちが午前10時の開始を前に並んだ。

 

 先着50人限定の同抽選会は、500円で福引に参加し、出た玉の色で1千円~2万円分の商品券がプレゼントされるお得な初売り企画。今年も家族連れなどが運試しを楽しんだ。参加者は高額券への期待を込め、ハンドルを一回し。転がる玉の色に一喜一憂した。商品券は当日限り有効で、参加者はさっそく市場に繰り出した。

 

かねを鳴らし、高額当選を祝福する市場スタッフ

かねを鳴らし、高額当選を祝福する市場スタッフ

 

商品券を手に市場内の各店舗で買い物を楽しむ

商品券を手に市場内の各店舗で買い物を楽しむ

 

 松原町の大久保聖子さん(40)は家族5人で9千円分の商品券をゲット。「正月の楽しみの1つ。今日は、近年高値となっているサケの新巻きやスジコなどを買った。今晩のおかずです」。次女杏弥(あみ)さん(6)は「千円当てた。お魚好き」と笑顔を広げた。

 

 同市場を運営する釜石駅前商業協同組合(5店)の八幡雪夫理事長(東鮮魚店)は「やっぱりいいね。できて良かった」と抽選会復活を喜び、今年の来店者増に期待。年末年始は、この時期需要が高まるサケやイカが少なく、商品確保に苦労した。サケの不漁など水産物を取り巻く環境は依然厳しいが、消費者のためにさまざまな努力を重ねる。

 

 今年は市場内の付加価値化にも取り組む。空き区画を改造し、一般客が利用可能なキッチンを備えたにぎわいスペースを作る計画で、本年度中の完成を目指す。新たな変異ウイルスの感染確認でコロナの今後はなかなか見通せないが、八幡理事長は「何とか夏ごろまでには収まってくれて、売り上げ改善につながっていければ」と強く願う。

建立から10年となる「釜石復興の鐘」の継承に思いを新たにするプロジェクトメンバーら

「釜石復興の鐘」建立から10年 震災の記憶継承、慰霊の思い新たに

建立から10年となる「釜石復興の鐘」の継承に思いを新たにするプロジェクトメンバーら

建立から10年となる「釜石復興の鐘」の継承に思いを新たにするプロジェクトメンバーら

 

 釜石市鈴子町のJR釜石駅前広場に建つ「釜石復興の鐘」は、2021年12月31日で建立から10年を迎えた。東日本大震災の犠牲者の鎮魂と復興への祈りが込められた鐘は、全国の支援者の協力で建てられ、傷ついた市民の心を癒やす音(ね)を響かせてきた。鐘を設置した市民団体「釜石復興の風プロジェクト」(八幡徹也代表)は毎年、建立日の打鐘を欠かさず、「震災を忘れない」思いを発信し続けている。

 

 恒例となった“大みそか打鐘”は11回目。活動に協力する若者団体「小さな風」(八幡達史代表)のメンバーも加わり、夕刻に鐘を鳴らして祈りをささげた。鐘の周辺にはLEDキャンドルをともした竹灯籠約70個を並べた。北九州市の「小倉城竹あかり実行委員会」(世話人:同市職員/森井章太郎さん)から釜石観光物産協会を通じて贈られた300個の一部。22年の3・11には、この灯籠を生かした慰霊行事も予定する。

 

 同鐘は復興うちわの販売収益と寄付金を資金に、震災があった11年に建立。大みそかに除幕し市に寄贈された。鐘の四方には、野田武則市長が揮ごうした「鎮魂」「復興」「記憶」「希望」の4つの言葉が刻まれる。駅前という好立地にあることで観光バスの立ち寄りも多く、市外の人に震災の事実を知ってもらう場にもなっている。

 

恒例の“大みそか打鐘”には一般の人も参加。震災の記憶を後世につなぐ=昨年12月31日 

恒例の“大みそか打鐘”には一般の人も参加。震災の記憶を後世につなぐ=昨年12月31日

 

 自らも被災した同プロジェクトの八幡代表(69)は「この10年はあっという間。全てを失い、生きるのに必死だったころが今でも鮮明に思い出される」と回顧。同鐘建立に協力した全国の支援者にあらためて感謝し、「皆さんの『釜石頑張れ』という気持ちを、いつまでも忘れてはいけない。若いメンバーを増やし、確実に引き継いでいける方法を考えたい」と気を引き締める。

 

 プロジェクトには今なお、個人から毎月支援金が送られてくるといい、寄せられた善意は鐘の維持管理や関連行事の費用などに充てられている。「今後は震災をいかに伝えていくかが大事。細々でも活動を続け、風化防止の一翼を担いたい」と八幡代表。

観音像の入り口で新年初のお参り。幸多き年に

願うは「コロナの早期収束」 先行きに不安抱え2022年がスタート

 「寅年」の2022年が幕開け。釜石虎舞も躍動

「寅年」の2022年が幕開け。釜石虎舞も躍動

 

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、始まった2022年―。今季最強寒波の襲来で、釜石市内も大みそかから元日にかけて厳しい冷え込みとなったが、コロナ感染が抑えられたこともあり、各地の初詣の人出は昨年より増加。「寅年」の本年に、郷土芸能「虎舞」が盛んな同市の市民からは御利益を期待する声が聞かれた。収束が見えぬまま3年目に入るコロナとの戦い。初詣客は神仏に手を合わせ、元の生活に戻れるよう一層強く願った。

 

鵜住神社の年越し 地元青年会の虎舞奉納で華やかに新年幕開け

 

新年初の虎舞を奉納する鵜住居青年会=元日午前0時15分、鵜住神社

新年初の虎舞を奉納する鵜住居青年会=元日午前0時15分、鵜住神社

 

 鵜住居町の鵜住神社(花輪宗嗣宮司)には年越しに合わせ、地元の虎舞伝承団体「鵜住居青年会」のメンバー約30人が集まり、新年初の舞を奉納した。昨年はコロナ感染拡大防止を考慮し、中止したため2年ぶりの演舞。境内などで手踊りを含む5演目を披露し、初詣客に祝いムードと明日への活力を届けた。

 

 昨年は目に見えて少なかった初詣客の数も今年は復活。虎舞奉納の後、地元住民や帰省客らが順に参拝し、昨年の加護に感謝しながら新年の無事を祈った。兄弟ら5人で訪れた舘鼻鉄心君(釜石東中2年)は「マスク生活が続き息苦しかった」と昨年を振り返り、「今年はプラス指向で何事も楽しくできるようにしたい。受験勉強も頑張る」と前を向いた。

 

「良い年に」と願いを込める参拝客。年越しの人出は昨年を上回った

「良い年に」と願いを込める参拝客。年越しの人出は昨年を上回った 

 

寅年のスタートを手踊りで祝う青年会メンバー

寅年のスタートを手踊りで祝う青年会メンバー

 

 コロナの影響で虎舞を披露する機会が減ってしまった同青年会の小原正人会長(34)は“寅年”への期待を込め、「ウイルスに負けないという意味でもたくさん踊って、見てくれた人たちが健康に過ごせるような1年になれば」と望んだ。

 

 東日本大震災で甚大な被害を受けた鵜住居町。10年を経て自宅再建などまちの復興は進んだが、「心の復興はまだまだ」との声も聞かれる。心の復興には人的交流が不可欠。花輪宮司は「何の心配もなく人々が自由に行き来できるようになり、にぎわいを取り戻せれば」とコロナの早期収束を願う。

 

「初日の出」に希望託し、新年の誓い新たに

 

両石漁港から臨む初日の出。神々しい陽光が湾内に差し込む=午前7時13分

両石漁港から臨む初日の出。神々しい陽光が湾内に差し込む=午前7時13分

 

 元日朝、釜石市内の海岸部には「初日の出」を拝もうという人たちが多数訪れた。釜石の日の出時刻は午前6時52分ごろ。両石町の漁港には海から昇る朝日を目当てに人が集まり、今か今かと日の出を待った。

 

 水平線上にはあいにく雲がかかり、太陽が顔を出したのは午前7時10分すぎ。まばゆい光が湾内に差し込むと、美しい光景を写真や動画に収め、手を合わせて祈りを込める姿が見られた。

 

 地元両石町の久保秀悦さん(62)は「今年1年、頑張ろうという気持ちになる」とすがすがしい表情。震災で被災し、平田の仮設住宅に暮らしていた時も毎年欠かさず足を運び、初日に手を合わせてきた。2018年に自宅を再建。民泊も受け入れ、19年のラグビーワールドカップ(W杯)の際には、海外から訪れる観戦客をもてなした。「あの時の楽しさが忘れられない。早くコロナが収まり、多くのお客様を迎えられるようになれば」と思いを語った。

 

市内最大の初詣スポット釜石大観音 元日のにぎわい再び

 

初詣客でにぎわう釜石大観音=元日午前10時半

初詣客でにぎわう釜石大観音=元日午前10時半

 

 大平町の釜石大観音は大みそか午後10時に開館。年越しの午前0時前後、初日の出を拝める元日午前7時前後を中心に多くの参拝客が訪れ、日中も人の流れが続いた。「日の出の時間帯の人出は、昨年と比べ格段に増えている。ありがたい」と佐々木富也部長代理。コロナ禍で迎える2回目の正月に、低迷する拝観者数回復への希望をつないだ。

 

 新型コロナワクチンの接種、PCR検査などの体制整備が進んだ今年は、初詣客の出足も昨年より好調。久しぶりに帰省した人たちが実家の家族と連れ立って、参拝に訪れる姿も見られた。

 

観音像の入り口で新年初のお参り。幸多き年に

観音像の入り口で新年初のお参り。幸多き年に

 

 千葉県の中野一寿さん(40)一家は、妻愛美さん(37)の山田町の実家に帰省。長女瑠梛ちゃん(4)と「元気でいられますように」と観音様に手を合わせ、「今年はたくさんお出かけしたいね。昨年は(コロナで)どこにも行けなかったから」と顔を見合わせた。愛美さんの母川﨑フジ子さん(70)は2年ぶりとなる娘家族との初詣に笑顔を広げ、「家族みんなの健康と孫の高校受験合格を祈願した」。宮古市で被災、山田町に自宅を再建して暮らすフジ子さんは「震災はもう嫌。全国でいろいろな災害もあり心配」と行く末を案じた。

 

青空に映える観音像。正月3が日は厳しい寒さながらおおむね好天に恵まれた

青空に映える観音像。正月3が日は厳しい寒さながらおおむね好天に恵まれた

 

 釜石大観音はコロナの影響で、昨年1年間も金・土・日曜のみの開館を継続。佐々木部長代理は「団体観光客の予約も全てキャンセルとなり、非常に厳しい。雇用調整助成金だけではやっていけない。宗教法人にも何らかの支援策を」と窮状を訴える。願うはコロナの1日も早い収束。「何とか事業を安定させたい」と意を強くする。

広報かまいし2022年1月1日号(No.1775)

広報かまいし2022年1月1日号(No.1775)

広報かまいし2022年1月1日号(No.1775)

 

広報かまいし2022年1月1日号(No.1775)

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【P1】
表紙
【P2-3】
市長年頭あいさつ
第25回釜石市郷土芸能祭 他
【P4-5】
【10万円給付】子育て世帯への臨時特別給付金
経営支援給付金 他
【P6-7】
まちのお知らせ
【P8】
松飾りの収集
水辺の鳥観察会

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021122800031/
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