タグ別アーカイブ: 医療・健康

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今年2人目 仙人の里で100歳 橋野町出身の打川キクヱさん 小野共市長がお祝い訪問

満100歳を迎えた打川キクヱさん(中)を小野共市長(左)らがお祝い

満100歳を迎えた打川キクヱさん(中)を小野共市長(左)らがお祝い

 
 釜石市甲子町の特別養護老人ホーム仙人の里(千葉敬施設長/長期利用66人、短期同14人)で暮らす打川キクヱさんが13日、満100歳を迎えた。小野共市長が施設を訪れ、市からの祝い品を贈呈。家族らと誕生日を祝った。同施設の100歳以上の方は打川さんを含め4人(最高齢103歳)となった。
 
 小野市長は市からの特別敬老祝い金5万円と自ら筆を執った「寿」の額入り祝い状、記念品の羽毛肌掛け布団を贈呈。ベッド生活中の打川さんに代わり、長男幸吉さん(70)が受け取った。施設を運営する社会福祉法人陽風会の清野信雄理事長は花を贈り、幸吉さんは「いっぱいお祝いをいただいたよ」と母に声をかけた。
 
小野市長(写真上段左)と清野理事長(同右)が記念品を贈呈した

小野市長(写真上段左)と清野理事長(同右)が記念品を贈呈した

 
 打川さんは1924(大正13)年2月13日、同市橋野町和山で生まれた。3姉妹の2番目。20代で当時、同地に山仕事に来ていた秋田県大曲出身の男性と結婚。2男を授かった。農林業で生計を立てた後、野田町に転居。会社勤めを始めた夫を支えながら子育てに奔走した。親族が経営する石材店も長く手伝い、働き者だったという。夫は三味線が得意な人で、打川さんも習い親しんだ。
 
 長男幸吉さん、おいの田中忠肝さん(85)によると、「性格は明るく、おしゃべり好き。友達も多かった」という。田中さんの母(打川さんの姉)は病弱で、叔母(打川さん)と祖母が母親代わり。「叔母はとてもやさしく、自分を気遣ってくれた。育ててもらい感謝している」と田中さん。長年、石材業に携わってきたこともあり、長寿社会の伸展には驚きを隠せない様子で、「30~40年前だったら100歳まで生きられる人はまれだった。時代は変わった。自分の血縁にそういう人が出たのは感慨深い」と実感を込める。
 
打川さん100歳のお祝いに駆け付けた長男幸吉さん(左)、おいの田中忠肝さん(右)/写真提供:仙人の里

打川さん100歳のお祝いに駆け付けた長男幸吉さん(左)、おいの田中忠肝さん(右)/写真提供:仙人の里

 
小野市長は「おめでとうございます。元気でいてください」と声をかけた

小野市長は「おめでとうございます。元気でいてください」と声をかけた

 
 打川さんは2019年に同施設に入った。ベッド生活が長く、今は会話が難しくなったが、食事は口から取ることができている。コロナ禍による面会制限もなくなったことで、幸吉さんらは次に会える時を楽しみに施設を後にした。
 
 同市によると、市内の100歳以上の方は打川さんを含め26人(男1、女25)。最高齢は104歳の女性(市外施設に入所中)。

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潮風あふれるコース新設!釜石健康マラソン大会 市民ランナー、海沿いを爽やかに駆け抜ける

完走を目指して勢いよくスタートを切る子どもたち

完走を目指して勢いよくスタートを切る子どもたち

  
 第49回釜石健康マラソン大会(釜石市体育協会、市陸上競技協会、市主催)は7日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムと周辺コースで行われた。今回、近くにある海に親しんでもらおうと新ルートを設定。既存と新設合わせて6種目に県内外の1歳から75歳までのランナー約300人が参加し、潮風を感じながら爽やかな汗を流した。
   
 甲子町の市球技場から会場を移して3回目の開催。場所やコースは違っても、年齢を問わず初心者でも楽しめる大会の特徴は変わらない。一方で、参加者から距離やコース設定に関する要望もあり、すぐそばの根浜海岸に向かう「5キロの部」を用意。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行したこともあってか、エントリーは昨年より100人ほど多くなった。
   
 開会式で野田武則市長は「市民総参加の生涯スポーツ大会として回を重ねる。自然に恵まれた地域で一緒に健康に活動していこう」とあいさつ。市陸協の菊池信男会長が「釜石と言えば海。潮風あふれるコースを楽しんで」と激励し、競技がスタートした。
   
小学校高学年から一般までが一緒にスタート

小学校高学年から一般までが一緒にスタート

   
海沿いを走る新設の5キロの部。坂道は少しきつい?

海沿いを走る新設の5キロの部。坂道は少しきつい?

   
 新設の5キロの部はスタジアムを1周し、根浜海岸のレストハウス付近を折り返すコース。小学校高学年から社会人、高齢ランナーら50人が挑んだ。ルートには短いながら坂道があり、息が上がったり足取りがゆっくりとなる人も。沿道から届く「ハイ、前に」などの声援に笑顔や手を振って応えながら走り抜けた。
  
 「ゴーレン(ベトナム語で「頑張って」の意)」との応援に元気をもらったのはゴーチュン・トゥエンさん(33)。「走るのが楽しかった。海のそばも気持ちよかった」と満喫した。仕事の関係で釜石に来て半年ほど。「田舎でのんびりしていて、いい感じ。楽しめることを見つけたい」と前向きだった。
  
沿道の声援に応え笑顔を見せるランナー

沿道の声援に応え笑顔を見せるランナー

  
1キロの部では小学生低学年が元気に走り出す

1キロの部では小学生低学年が元気に走り出す

  
 小学生はバスケットボール、サッカー、ラグビーなどスポーツクラブ単位での出場が多かった。釜石野球団Jrの小山幸亜さん(双葉小6年)は初参加で3キロを完走。海岸ルートの坂道がやはりきつかったというが、「3キロ走るのも初めてだったけど、走りきれた。うれしい」と晴れやかに笑った。
  
スタジアムの山際にある坂道を駆け上がる子どもたち

スタジアムの山際にある坂道を駆け上がる子どもたち

  
「いいぞ、がんばれー」。ランナーは沿道からの応援を力にした

「いいぞ、がんばれー」。ランナーは沿道からの応援を力にした

  
ゴールテープを切ってホッと一息。「やりきった」

ゴールテープを切ってホッと一息。「やりきった」

  
 芝が広がるメイングラウンド内では約200メートルの特設コースで幼児の部が行われた。父母らに手を引かれた子どもたちが元気にかけっこ。コースを外れたり、泣き出して抱っこや肩車をしてもらったりと自由な姿に観客は頬を緩めた。
  
 最年少出場者の菊池朔羽ちゃんはほぼ自力で歩を進め笑顔のゴール。父翔太さん(31)が後を追いかけ、母絵里さん(36)が前方で撮影しながら誘導する形が功を奏した。「もう一回」と楽しそうな様子に2人はにっこり。「小さい子が参加できる大会はこれだけ。動くのが好きなのでいろんなことを体験させたい」と見守った。
  
親子で走る光景がほほ笑ましい幼児の部

親子で走る光景がほほ笑ましい幼児の部

  
子どもも大人も一緒に楽しむ健康マラソン大会

子どもも大人も一緒に楽しむ健康マラソン大会

  
 大会は来年50回という節目を迎える。主催関係者らは「健康づくりや仲間づくりのきっかけに」と継続に願いを込める。

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脳外科の入院受け入れ、分娩休止…県立釜石病院のいま 公開講座で説明 市民、動きに理解も不安残す

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県立釜石病院の市民公開講座で現状を伝える坂下伸夫院長

 
 医師の不足や確保も困難なことから脳神経外科の入院受け入れや、分娩(ぶんべん)の業務などを休止した県立釜石病院。地域に戸惑いや不安をもたらしたが、医療を取り巻く状況は今も変化する。「新型コロナウイルス感染症の影響などで行った病棟再編で業務が効率化し、常勤医、奨学金養成医師の増員により診療体制が充実している」。9月26日、釜石市大町の釜石PITで開かれた市民公開講座で同病院の坂下伸夫院長が説明した。
  
 同病院が市民向けに講座を開くのは4年ぶり。「釜石病院の役割と今の動きを知ろう」をテーマに、坂下院長は外来患者数や入院患者数、病床利用率などの変化を示しながら2020年以降の動きを振り返った。
 
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診療体制の変化などの説明に耳を傾けた釜石市民ら

 
 釜石大槌医療圏の基幹病院としての役割を担うが、圏域の人口は減少傾向にあって患者数の増加は見込めない状況もあり、病棟再編で1つがコロナ専用に。21年4月に脳外科の入院受け入れを停止し、緊急処置などが必要な患者は地域外の病院に搬送している。同10月には分娩の取り扱いが休止。産婦人科の外来は続け、産前・産後健診を行う。「医療資源の少ない地域なので、医師会や行政などとの連携が必須。医師の大幅な増加は困難である以上、近隣の病院との連携、機能分化も不可欠だ」と強調した。
 
 22年から今年にかけ、常勤医の増加で脳神経内科や形成外科が新設され、泌尿器科や消化器内科などは複数体制となった。専門医がいない診療科の疾患や診療科を特定できないケースに対応するため新たに設けた総合診療科は入院件数が増加。こうした変化の要因の一つが、奨学金養成医師の配置だ。坂下院長は「若い医師が増えて活性化している。貴重な戦力だが、医師としてはまだまだ。自己研さんに努める必要があり、地域で育てるという気持ち、あたたかい視点で見守ってほしい」と求めた。
  
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「救急受診」をキーワードに講話する角地浩明医師

  
 変化の背景には慢性的な医師不足に加え、医師の働き方改革がある。来年4月からは病院などの勤務医の時間外労働に上限を設ける制度が開始。坂下院長が概要に触れ、それにつながる市民の協力について同病院救急医療科長の角地浩明医師が紹介した。近年、救急車での搬送が増えているというが、その半数は高齢者で、中には緊急性が高くないケースもあり、「救急受診するか悩む時は、スマートフォンのアプリ(教えて!ドクターなど)を参考にしてほしい」と提案。もしもの時に望む医療やケアを事前に家族、医師らと話し合う取り組み「人生会議」も知らせた。
 
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懇談では市民の疑問に答えたり意見を聞いた

 
 講話の後は、聴講した市民ら約60人と懇談。釜石地域は脳血管疾患(脳卒中)による死亡率が極めて高く、市外への緊急搬送が必要な場合の不安や、分娩再開を求める声が聞かれた。「かかりつけ医」の考え方について質問も。コロナ禍で病院と地域の関係性が希薄化したと感じている人も多く、投書を通したやりとりを求めていた。
  
 「患者が減ったから、病院の規模を縮小するというのは安易。地域医療を支えるためには人員が必要。医師派遣や働き方改革の問題はあるが、県医療局など関係機関に働きかける」と坂下院長。それには地域の後押しが重要となることから、状況を市民に広く伝えて協力を得ていきたいとした。
 
 

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岩手のおいしい野菜、肉を食べて元気に 食の楽しみPR 上中島こども園に県食育キャラバン

「県食育普及啓発キャラバン」上中島こども園に来園=8月29日

「県食育普及啓発キャラバン」上中島こども園に来園=8月29日

 
 釜石市の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児50人)に8月29日、岩手県の食育普及啓発キャラバンが来園。園児らは紙芝居やクイズ、ダンスを通して、食べることの大切さ、食品ロス削減について学んだ。キャラバン隊の訪問は県内4カ所目。
 
 県職員や本県の農畜産物を全国にPRしているJA全農いわての「いわて純情むすめ」など8人が訪問。楽しく学べる教材で園児らに食育を行った。純情むすめの髙橋美有さん(24)、村中咲心さん(19)は本県のおいしい食べ物の紙芝居を披露。豊かな自然と畜産農家の愛情で育てられる「いわて牛」と「いわて純情豚」を紹介し、「おいしいお肉はパワーの源。しっかり食べて毎日を元気に過ごそうね」と呼び掛けた。
 
紙芝居を上演する「いわて純情むすめ」の髙橋美有さん(左)と村中咲心さん

紙芝居を上演する「いわて純情むすめ」の髙橋美有さん(左)と村中咲心さん

 
園児らは岩手のおいしいお肉についてお勉強

園児らは岩手のおいしいお肉についてお勉強

 
野菜の名前を当てるクイズは大盛り上がり!にぎやかな声が響いた

野菜の名前を当てるクイズは大盛り上がり!にぎやかな声が響いた

 
 野菜の絵を見せて名前を当てるクイズも実施。絵を見せると園児らはすぐに「ダイコン!」「タマネギ!」「キュウリ!」などと声を上げ、正解すると大喜び。純情むすめの2人は「お腹の調子を良くしてくれる」「血をサラサラにしてくれる」など、それぞれの野菜が体にもたらす効果も教えた。
 
 近年、問題になっている「食品ロス」を知ってもらおうと、消費者庁が作成した絵本「たべものかいじゅうあらわる!?」も読み聞かせた。採りすぎた野菜や果物、作りすぎた料理、食べ残しの山…。まだ食べられるものを捨ててしまうことにならないよう、日ごろから食べ物を大切にすることを教えた。最後は県3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進キャラクター「エコロル」ちゃんが登場。みんなで食育ダンスを踊って楽しんだ。
 
食べ物にちなんだ振り付けで踊る食育ダンス。エコロルちゃんと一緒に!

食べ物にちなんだ振り付けで踊る食育ダンス。エコロルちゃんと一緒に!

 
振りをまねて食育ダンスを楽しむ園児

振りをまねて食育ダンスを楽しむ園児

 
 小笠原悠天君(5)は「食べ物のクイズが面白かった。好きな野菜はキュウリ。朝ごはんは毎日食べる。これからもいっぱい食べる」と話した。純情むすめの髙橋さんは「子どもたちのリアクションがすごくいい。食べ物を大事にするとともに食べること自体を楽しんでくれたら」。前日まで必死にダンスを練習していたと笑う村中さんは「子どもたちが笑顔で応えてくれてうれしかった。ピーマンやニンジンは子どもが嫌いなイメージがあったが、好きな野菜に挙げる子もいて驚いた」。2人は「岩手のおいしいものをいっぱい食べてすくすくと育ってほしい」と願った。
 
キャラバン隊から園児らに記念品の贈呈。園児からは感謝の気持ちを込めた手作りペンダントが贈られた(右下)

キャラバン隊から園児らに記念品の贈呈。園児からは感謝の気持ちを込めた手作りペンダントが贈られた(右下)

 
最後はクラスごとに記念撮影。思い出の一枚

最後はクラスごとに記念撮影。思い出の一枚

 
 県内の幼児施設を訪問する同キャラバンは新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いたが、昨年度から再開。今年度は上中島こども園を含め5カ所を訪問する予定。

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今年も元気に歩こう! 寒風もなんのその 釜石「初詣ウオーク」で22人が健脚祈願

釜石市ウオーキング協会 第18回初詣ウオーク

釜石市ウオーキング協会 第18回初詣ウオーク

 
 釜石市ウオーキング協会(桝井昇会長、会員54人)は2日、新年恒例の「初詣ウオーク」を開催。市内外からの参加者22人が、神社と寺4カ所を詣でながら約8キロの道のりを歩いた。時折、小雪がちらつく厳しい寒さの中、元気に歩みを進め、すがすがしい新年のスタートを切った。
 
 今年で18回目の開催。同協会員と一般参加者が中妻町の昭和園クラブハウスに集まり、新年のあいさつを交わしたあとウオーキングに出発した。最初の参詣地は八雲町の八雲神社。一旦、国道283号に出て、西側の大天場公園入口から遊歩道を登って神社に向かった。鳥居をくぐり、社殿の前で参拝。かしわ手を打ち、今年1年の健康、家内安全などを祈願した。
 
木々が茂る遊歩道を進み八雲神社に向かう参加者

木々が茂る遊歩道を進み八雲神社に向かう参加者

 
「健康で歩けますように…」今年1年の無事を祈る=八雲神社

「健康で歩けますように…」今年1年の無事を祈る=八雲神社

 
高台にある神社周辺はアップダウンの道。足元に気を付けながら進む

高台にある神社周辺はアップダウンの道。足元に気を付けながら進む

 
 中妻町内の市道を東に進み、千鳥町から駒木町にかけては地域住民の散歩コースにもなっている甲子川河川敷の遊歩道を歩いた。川には水鳥の姿が見られ、周辺の冬景色も楽しんだ。
 
 大渡町で訪れたのは八幡神社。段差の大きい急傾斜の階段を慎重な足取りで上り、参拝した。階段とは別の下り口には作家・長谷川時雨の文学碑があり、釜石ゆかりの人物についても学んだ。この後、薬師山観音寺(大町)を巡り、ゴールの尾崎神社(浜町)を目指した。
 
右手に甲子川を臨む河川敷の遊歩道は軽快に…

右手に甲子川を臨む河川敷の遊歩道は軽快に…

 
急な階段を上った先にある八幡神社でも参拝

急な階段を上った先にある八幡神社でも参拝

 
 小川町の新田幸男さん(74)は同ウオークに初めて参加。「普段から体を動かしているので苦にならない。神社、仏閣を見るのも好きなので。いろいろな人と話しながら歩けるのも楽しい」と余裕の表情。悪天候時以外はほぼ毎日、約1時間のウオーキングに励み、市交通指導隊員としても活動する。新たな年の始まりに「とにかく健康で、笑顔で過ごせる1年であれば」と思いを込めた。
 
 同協会に入って3年という嬉石町の藤原巴さん(79)は「今朝は寒かったけど、歩いているうちに暑さを感じるまでになった。今日が歩き始めです」と爽やかな表情。今年80歳を迎える。歩くことによる筋力、体力維持のほか、認知症予防効果にも期待し、「買い物に出かける際など普段からできるだけ歩くようにしている。ぼけが一番心配なので。今年も元気で歩けますように」と願った。
 
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20年の活動についてまとめた釜石協会の記念誌

20年の活動についてまとめた釜石協会の記念誌

 
 2001年に創立した同協会は昨年、20周年記念誌を作成。協会発足からの歩みを年表や会員の寄稿文、豊富な写真などで記録した。会では今後も、会員の拡大を図りながら末永い活動を目指す。

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みんなで歩こう!釜石横断駅伝ウオーク 陸中大橋-釜石駅間を4日に分け踏破目指す

新緑が深まる甲子地区でウォーキングを楽しむ参加者

新緑が深まる甲子地区でウォーキングを楽しむ参加者

 
 釜石市西部地区の住民らが12日から、JR釜石線の陸中大橋駅(甲子町)から釜石駅(鈴子町)までを歩く「釜石横断駅伝ウォーキング」に取り組んでいる。健康増進、地域の風景と他地区の住民との交流を楽しんでもらおうと、甲子、小佐野、中妻の3公民館が合同で企画。約17キロの距離を31日までの4日間に分けて歩く。
 
 初日は陸中大橋駅で出発式があり、中妻公民館の菊池拓朗館長が「自分たちが住む地区以外を歩く機会は少ない。無理せず、ゆっくりと、周りの景色を楽しみながらウォーキングしてほしい」と激励した。参加者約20人を代表し、小佐野地域会議の黒田至議長が「私たち若人は楽しみながら友情を深めます」と選手宣誓。午前9時半過ぎ、「エイエイオー」の掛け声とともに出発した。
 
ゆっくりと歩いて景色を楽しみ、会話を弾ませる参加者

ゆっくりと歩いて景色を楽しみ、会話を弾ませる参加者

 
ヤエザクラ、タニウツギなど自生する花木を間近でめでる楽しみも

ヤエザクラ、タニウツギなど自生する花木を間近でめでる楽しみも

 
 新緑が深まり心地よい春風が吹く中、大松の釜石鉱山まで約4・3キロを約1時間半かけて歩いた。自生する花木や住宅から顔をのぞかせる草花、川のせせらぎなど、「ここに、こんなのがあったのね」などと新たな発見を楽しみながら散策。コースとなった国道沿いの歩道には空き缶などがあり、ごみを拾って「SDGsだね」と環境保全や持続可能な社会づくりへ意識を高める人もいた。
 
 中妻町の70代女性は「歩けるか不安があったけど、会話したり景色を見たりしながらで楽しかった。みんなでやる―というのが新鮮。よく歩いた」と、すがすがしい表情。この日着用していたTシャツにプリントされていた「五葉山」の文字を示して、「次の目標は登山」と元気だった。
 
1回目のゴール地点で笑顔を見せる参加者。「次回もここで会いましょう」と約束した

1回目のゴール地点で笑顔を見せる参加者。「次回もここで会いましょう」と約束した

 
 17日は釜石鉱山からセブンイレブン甲子町店まで4・8キロをウォーキング。24日は、午前9時半に同店に集合して定内公園まで4・1キロを歩く。31日は同公園から4・1キロ先のゴール、釜石駅を目指す。希望日のみの参加も可能だが、全日程に参加した人には「完歩賞」が贈られる。
 
参加すると「よくできました」シールがもらえる。4つたまると「完歩賞」につながる

参加すると「よくできました」シールがもらえる。4つたまると「完歩賞」につながる

 
 3地区の公民館による合同事業は昨年始まった。スポーツ大会や甲子柿を使った干し柿づくり体験は今年も継続。ほかに、日向ダム見学やソフトボール大会など新たな交流活動の実施を予定している。

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

復興住宅の寄松さん100歳「今が一番充実」~釜石市、長寿を祝い記念品

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

 

 釜石市は11月22日、只越町の復興住宅で暮らす寄松みささんに満100歳の特別敬老祝い金(5万円)と記念品の羽毛掛け布団、野田武則市長が筆をとった「寿」の額入り祝い状を贈った。寄松さんは「忙しいのに(来てもらって)、ありがとうございます」と感謝した。

 

 寄松さんは1921(大正10)年11月20日、青森県十和田市に生まれた。釜石・小川町出身の故幸一さん(享年64)との結婚を機に20歳代後半に釜石へ。樺太(現ロシア・サハリン)からの戦後引き揚げ者だった幸一さんが始めた飲食に関する事業などを手伝いながら、2男1女を育てた。50歳代になると、孫5人、ひ孫2人の成長を見守る生活が中心に。もともと手先が器用で、趣味の裁縫をしながら穏やかに暮らした。

 

 2011年の東日本大震災では津波で港町の自宅を失った。天神町の避難所、仮設住宅での生活を経て、約5年前に現在の復興住宅に入居。持ち前の明るい性格で不便な生活を苦にせず、お茶っこサロンなど人が集まる場に積極的に参加してきた。同居する長女久美子さん(69)は「(母は)いつも誰かのために過ごしてきたが、震災後は自分の時間を楽しむことができるようになった。被災して過去のものは失ったけど、人との出会いに恵まれた。交流が生きがいになり、今が一番充実して楽しいそう」と柔らかなまなざしを向ける。

 

100sai_0「こんなに長生きするなんて。いい思い出になったね」と寄松さんに寄り添う久美子さん(右)

「こんなに長生きするなんて。いい思い出になったね」と寄松さんに寄り添う久美子さん(右)

 

 寄松さんは8月に脳梗塞を患い、現在は車いす生活を送る。訪問した市高齢介護福祉課の山﨑教史課長が「市内には100歳以上の先輩が30人いる。これからも、ますますお元気で」と声を掛けると、寄松さんは「100歳まで生きるのは大変なことだよ。元気ならいいけど、寝たきりはやだね」と応じるなど健在。人をもてなすのが大好きだといい、「座ってください。煮しめとか食べて。ビールでも飲んで」と世話焼きの面も見せていた。

 

 釜石市の高齢化率(65歳以上)は9月末現在で40%。100歳以上は寄松さんが31人目で、最高齢は105歳の女性。

【写真・意見交換会】県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

産み育てられるまちへ 釜石市が妊産婦支援策 相談体制強化・助成拡充

出産や子育ての不安解消に向けたサポートに意欲を高める「妊産婦支援チーム」のメンバー=9月10日、市保健福祉センター

出産や子育ての不安解消に向けたサポートに意欲を高める「妊産婦支援チーム」のメンバー=9月10日、市保健福祉センター

 

 釜石市甲子町の県立釜石病院で10月から普通分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することを受け、市は妊産婦支援に向けた対策の強化に乗り出した。9月1日から、市子育て世代包括支援センター内に、保健師と助産師ら5人体制の「妊産婦支援チーム」を設置。分かりやすい相談窓口として門戸を開き、妊産婦らの不安解消につなげる。市外で出産する妊産婦の通院交通費や待機宿泊費などを助成する支援策も拡充し、10月に開始。関係機関と連携、情報共有し、女性の意見も取り入れながら、「安心して子どもを産み育てられるまちづくり」を進める。

 

妊産婦の不安解消へ 支援チーム設置

 

妊産婦への支援や対応を話し合うチームメンバーら=9月10日、市保健福祉センター

妊産婦への支援や対応を話し合うチームメンバーら=9月10日、市保健福祉センター

 

 妊娠・出産・子育ての総合相談窓口となる同支援センター(大渡町、市保健福祉センター2階)は、市保健福祉部内に2017年度に設置された。健康推進課で妊娠届出書の受け付けや母子健康手帳の交付時に妊産婦らと面談し、状況を初期から把握。相談支援に応じ、必要なサービスを切れ目なく利用してもらう体制を整えてきた。

 

 妊産婦支援チームは市内での分娩機能休止を受け、出産を控える女性らの不安を解消し、安心して出産できる体制を強化するため設置。妊娠期の食事や栄養、出産後の体調管理、子どもの発育、育児など幅広く相談に応じる。子育て期まで必要な情報提供や専門知識を生かした助言、保健指導も行う。

 

 「妊産婦支援チーム、分かりやすい名称が一番のポイント。窓口はここです」と強調するリーダーの村上美波さん(保健師)。女性たちが地域で安心して出産を迎え、子育てができるよう専門スタッフで支えていこうと奮闘中で、「ささいなことでも心配事を気軽に相談してほしい」と呼び掛ける。

 

市外での出産支援策 交通、宿泊費など助成 給付金も

 

県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

【写真・意見交換会】県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

 

 市外で出産する妊産婦の経済負担を軽減するため、市は支援策として通院交通費や出産前の待機宿泊費などを助成する。県のハイリスク妊産婦助成(1人10万円上限)に加え、市独自事業としてハイリスク以外の妊産婦も妊娠32週以降の通院費などを1人5万円を上限に助成する。妊婦が周辺の宿泊施設に待機が必要な場合の付き添いの家族らの宿泊費、交通費にはタクシーも含め、上限額の範囲で助成。里帰り出産を予定する妊婦も助成対象とする。事業費は334万円。

 

 追加策として、妊婦1人当たり3万円を給付する。対象は市に住民登録があり、10月1日以降に出産予定の妊婦などで母子健康手帳交付時に申請を受け付ける。開始日以前に県立釜石病院から市外病院に転院した妊婦らも対象とする方針で、給付・申請に関する周知に集中して取り組む。事業費は450万円。2つの支援策は2021年度一般会計補正予算案に盛り込まれ、17日の市議会9月定例会で可決された。

 

 こうした支援策は県や大槌町との協議、子育て中の女性らの声を参考にまとめた。支援チームの立ち上げもその一つ。市地域医療連携推進室の岩崎隆室長は「妊産婦の不安を解消しながら、安心して産み育てる環境の整備に全力で取り組む」と力を込める。

 

 問い合わせは妊産婦支援チーム(市健康推進課内、電話0193・22・0179)へ。

 

県も支援策 安全確保・不安解消・産後ケアを柱に

 

妊産婦支援策について説明する県医師支援推進室、県立釜石病院の関係者ら=9月17日、県釜石地区合同庁舎

妊産婦支援策について説明する県医師支援推進室、県立釜石病院の関係者ら=9月17日、県釜石地区合同庁舎

 

 県は17日、妊産婦の安全確保、不安解消、産後ケアの充実を柱とする支援策を発表した。患者搬送車などで利用するモバイル型妊婦胎児遠隔モニター2台を県立釜石病院に追加整備し、安全を確保。電子カルテの一元化や分娩施設の事前見学などで検診と出産する病院が変わることの不安解消につなげる。

 

 同病院内でデイサービス型の産後ケア(有料)事業を始める。健康状態のチェックや乳房マッサージ、赤ちゃんの食事や発育の相談などを検討しており、産後ケアを強化。妊産婦からの電話相談は同病院の助産師が24時間態勢で対応する。

 

 県医師支援推進室の植野歩未室長は「地元の思いを重く受け止め、安全確保や不安解消に取り組む。支援策の運用開始後のさまざまなニーズや改善要望に柔軟に対応していく」とした。

地域医療をテーマにした釜石地区母親大会

地域医療を守る 釜石地域母親大会 改善を目指す行動への思い共有

地域医療をテーマにした釜石地区母親大会

地域医療をテーマにした釜石地区母親大会

 

 釜石市、大槌町の母親や女性が集い、平和や教育、生活について考える釜石地域母親大会(同実行委員会主催)が11日、釜石市中妻町の昭和園クラブハウスで開かれた。67回目となる大会には約20人が参加。県立釜石病院が循環器内科診療体制の縮小や産婦人科の分娩休止という問題で揺れる中、「地域に信頼される充実・安心の医療を」をテーマに命と暮らしを守る行動について意見を交わした。

 

 地域医療を守る会幹事の岩鼻美奈子さん(69)が県立釜石病院の病床数、患者数、医師数の変遷、病院の機能低下により住民が受ける影響などを解説。人口減少でも住みたい街、安心して暮らせる街を目指すため、「社会の仕組みと現実の動きを知り、改善を目指して発信し、行動する必要がある。主体は自分として市、町政に積極的に関わっていこう」と呼び掛けた。

 

参加者は住民の安心を守る地域医療について意見を交わした

参加者は住民の安心を守る地域医療について意見を交わした

 

 実行委員長で県立釜石病院の助産師森優子さん(45)=県医労釜石病院支部長=は同会が行った署名活動、市や県への要請活動について報告した。医師確保の難しさから昨年10月に休止された循環器内科の入院受け入れ、今年3月の分娩休止の方針発表を受け始めた署名活動では約1万6000筆を集め、6月に県議会に請願書を提出。病院関係者との懇談や県議との意見交換を重ねてきたが、8月に「特定の地域の問題での請願では不採択になる可能性がある」と返答があったという。「市民に大きく影響が出る問題なのに」とやるせなさを覚えたというが、「医療機能の低下は私たちの命、生活に直結する。住民や現場の声を聞いて考えるべき」と語気を強めた。

 

 報告などを受けた意見交換で、参加者からは「政策は男の人たちが考えている。簡単に決められるのは困る」「本来、病院は命を助けるところ。助かる命も助からない方向に行っているのでは」と懸念の声が聞かれた。「働いている世代も問題意識はあるが、行動しづらい」「地域の現状に目を向け、当事者意識を持ち、万一に備えて考えなければいけない」という指摘もあった。

 

 森さんは「皆さんの声を聞き、安心して子どもを生み育てられるため取り組む運動の力にしたい」と気分を一新。大会開催をばねに地域医療を守る活動が広がることを期待する。

食生活改善推進員養成講座の開講式

食を通じた健康づくり活動を推進~食生活改善推進員養成講座始まる

食生活改善推進員養成講座の開講式

食生活改善推進員養成講座の開講式

 

 地域の食生活改善活動を担う釜石市食生活改善推進員(食育アドバイザー)の2021年度養成講座が6日、始まった。主婦や食に関する職場で働く30~70代の女性ら6人が受講。12月まで8回にわたり、栄養バランスの取れた食事や運動など食生活の改善に必要な知識、技術を学ぶ。

 

 大町の青葉ビルで行われた開講式で、市健康推進課の鈴木伸二課長が短命、脳血管性の疾患による死亡率が高い傾向にあるといった地域の状況を紹介。「みんなで健康になれるまちづくり」を目標に掲げ市政を上げて取り組む考えを示し、「健康に関係する分野は食、運動と多岐にわたるが、特に食習慣は大事。講座受講後、最前線に立って市政の目標に向かい協力を」とあいさつした。

 

 市食改員協議会の佐々木ひろ子会長が祝辞。「チャレンジすることは、飛躍できるチャンス。健康でいるための知識を学び、吸収し、日々の生活に役立ててもらえたら。学びを周囲に伝え、地域の健康づくりにつなげてほしい」と激励した。引き続き1回目の講座があり、佐々木会長や同課職員が食改員の活動、「国民の健康と生活習慣病予防」をテーマに講話した。

 

 受講者の多くが以前から食に関心を持っている様子で、「食べることが好き。健康でいたいし、食べ物に気を使っていきたい」「昨年出産した。子どもの食事を学べたら」などと自己紹介した。退職、子育てや親の介護を終え、「一息ついた。何かにチャレンジしてみようと思った」と話す人も。親子を対象にした料理教室を開いている人は「アドバイスできるようになりたい」と意欲を見せていた。

 

自己紹介で受講のきっかけなどを伝え合った

自己紹介で受講のきっかけなどを伝え合った

 

 この講座は地域における食育、健康づくりを推進するため食生活を通じたボランティア活動を行う食改員の養成が目的。バランスの取れた食事・献立の立て方、食品衛生、心の健康、口腔(こうくう)の健康に関する講義、運動実技などが組み込まれている。調理実習は新型コロナウイルス感染症予防のため、調理のみ行い、料理は自宅に持ち帰って試食する。

 

 市内の食改推進員は現在99人。30~80代の男女会員が食育、郷土料理伝承、生活習慣病予防に力を入れ活動している。

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

県立釜石病院建て替え・分娩確保など 釜石市 県に15項目要望

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

 

 釜石市は8月27日、県沿岸広域振興局に対し、▽県立釜石病院の感染症病棟を含めた建て替え整備▽釜石保健医療圏における普通分娩の確保▽土砂災害などの対策事業促進による安全・安心なまちづくりの推進▽釜石港の国際貿易拠点化に向けた着実な整備促進・機能強化▽市内高校ラグビー部強化に向けた取り組み―など15項目を要望した。

 

 県の来年度予算編成に向けた市町要望は新町の釜石地区合同庁舎で行われ、市側は野田武則市長、木村琳蔵市議会議長、担当部長らが出席。沿岸振興局側は森達也局長、葛尾淳哉副局長らが応じた。

 

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

 

 野田市長は「要望項目は重要な案件ばかり。特にも釜石病院の分娩休止は妊婦の思いに寄り添って対応していく必要があり、建て替えについては具体的なところに入っていきたい。必要な医療資源を取りまとめていくので、思いをくみ取ってほしい」などと支援を求めた。

 

 木村議長は「医療はまちづくりの核。大事な基幹病院である県立釜石病院の機能確保を」と重ねて要請。高橋勝市教育長は「新型コロナウイルス感染症がもたらす社会的影響により、子どもたちの不安感も多くなると予想される」とし、児童・生徒の心のケア対策としての臨床心理士、スクールソーシャルワーカーの継続的な派遣を求めた。

 

 市の要望に対し、森局長は「釜石地域の振興に不可欠、基礎的な項目で、実現に向け努めていきたい。本庁に投げかける時に具体的な内容を教えていただければ後押ししやすい。一日でも早く前に進めていけるようにしたい」と理解を示した。

 

 担当部長らが各項目に対する具体策を回答。県立釜石病院の整備計画について、「建て替えと既存施設を改修した場合の投資規模や効果、県立病院全体の経営に及ぼす影響などを考慮し、検討を進めていく」と述べるにとどめた。分娩の確保については「大船渡病院と役割分担しながら産前産後ケアの充実や相談体制を構築し、妊産婦検診や婦人科外来を行う。市町村と連携し周産期医療の充実に努め、釜石地域の妊産婦を支えていきたい」とした。

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

高齢者「安心した」 釜石市でコロナワクチン集団接種始まる

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

 

 65歳以上の高齢者を対象にした釜石市の新型コロナウイルスワクチン集団接種が16日、港町のイオンタウン釜石3階催事スペースで始まった。専用のコールセンターを通じて予約した130人が1回目の接種を受けた。

 

 釜石医師会(小泉嘉明会長)の医師2人と看護師や市職員ら34人体制で対応。市によると、接種はおおむねスムーズに進み、体調不良になる人もいなかったという。

 

 1回目から3週間後に2回目を接種する。箱崎町の男性(77)は「痛みもほとんどなく、スムーズにできた。妻にアレルギーの不安もあったが、無事に終わって安心した」と肩の力を抜いた。

 

 野田武則市長(68)も接種を受け、経過観察の合間に取材に応じた。「大きなトラブルがなくて良かった。今回の結果を踏まえて今後に生かす」と強調した。

 

野田武則市長も1回目を接種。市民の不安解消に腕をまくった

野田武則市長も1回目を接種。市民の不安解消に腕をまくった

 

 今後、イオン釜石会場での集団接種は毎週日曜日に実施していく。高齢者向けの接種に関し、国は7月末完了を目標に掲げる。これを受け、市ではワクチン供給や接種状況を見て医師会と協議しながら、予約枠や開設日増など体制の見直しを図る方針。市新型コロナワクチン接種推進室の佐々木尊子室長は「多くの人が速やかに接種できるよう体制整備に努めていきたい」と話した。