熱心にひな人形を縫い上げる参加者=7日、平田集会所
釜石市平田町の平田集会所で7日、「ちりめん手芸教室」が開かれ、地域住民ら15人が桃の節句を前に、「おひなさま」作りに取り組んだ。平田地区生活応援センター(平田公民館)コミュニティ支援員サロン事業の一環。参加者は会話も楽しみつつ熱心に手を動かしていた。
2回シリーズの最終回。講師は、ミシン・手芸用品の販売などを行う大町のニコー商会の里舘恭子さん(61)が務めた。参加者は色鮮やかな模様の付いたちりめん布を使い、高さ5センチほどの男びなを縫い上げた。オレンジやピンク、グリーンなどの色が付いた布で花飾りのタチバナと桜も作製。ひな人形の目が太かったり細かったり、タチバナの実も大きさがバラバラで、「みんな違っていい。どれもかわいい」と笑顔の連鎖も作った。
参加者は細かい作業も楽しんで取り組んだ=7日、平田集会所
細かな作業が続き、90歳女性は「目が悪いから大変。だけど、手芸が好きだから。いい出来栄え。どこに飾ろうかな」と思いを巡らす。ひざを悪くし、集会所の階段を上るのは苦になるが、「おしゃべりが好き。一人で家にいるよりいい」と目を細めた。
同教室は昨年秋にも3回シリーズで実施。好評だったことから、今回のひな人形づくりが企画された。参加者から継続実施の要望が多く、4月以降、月1回程度開催することが、同日に決まった。「お月見」にちなんだ飾りづくりを楽しむという。
釜石市民ホールでひなまつり展 25日から
ひなまつり展のチラシを手に来場を呼び掛ける里館さん=10日、大町・ニコー商会
里館さんは、釜石の店舗や大槌町で手芸教室を開いている。参加する女性たちの作品を紹介する「ひなまつり展」を25日から、釜石市大町の市民ホールTETTOギャラリーで予定する。
釜石では木曜日に教室を開催。50~80代の女性10人ほどが通う。10日午前の教室には5人が参加し、展示会で並べるつるし飾りづくりを進めた。平田の女性(78)は「縫うのが楽しい。みんなとおしゃべりできるのもいい。ストレス発散、情報交換の場で、生活に欠かせない」と頬を緩めた。
おひなさま展には壁掛けや人形、和の細工物など約200点を出品予定。里館さんは「一つひとつ表情が違う。見て楽しんでほしい。コロナ禍、少しでもほっこりしてもらえたら」と来場を呼び掛ける。ものづくりと会話を楽しむ手芸教室への参加は随時募集中。問い合わせは同社(電話0193・24・2366)へ。