春の爽やかさ、ブラス生演奏に乗せ~釜石市民吹奏楽団 半屋外型コンサート
音楽ファンを魅了した釜石市民吹奏楽団のスプリングコンサート
釜石市民吹奏楽団(山内真紀人団長、団員50人)は1日、大町の市民ホールTETTOでスプリングコンサートを開いた。昨年に続き2回目の開催で、新型コロナウイルスの影響が続いていることから、感染防止策を講じた屋外空間で演奏を楽しむスタイルを継続。肌寒い雨空にもかかわらず、音楽好きな市民らは懐かしい曲や軽やかな音色に足を止め聴き入っていた。
ホールBと屋根のある広場を一体化する半屋外式の会場設営で行った。第一部はアンサンブルステージとし、5グループが出演。フルートをこよなく愛するメンバーによる五重奏ではディズニー映画、木管五重奏や金管五重奏で「春」をテーマにした曲を披露し、柔らかな暖かさを音で届けた。サックス八重奏、打楽器四重奏と続いた。
4~8人でチームを組んで演奏、楽器の魅力を伝えた
全団員による演奏では懐かしいサウンドやクラシックの名曲を聴かせた
第2部は全団員によるステージで、オープニングのマーチ「ベスト・フレンド」は「コロナ禍でも大好きな人に会いたいな」との思いを乗せて演奏。ポップスや歌謡曲など耳なじみのある7つのプログラムで観客を楽しませた。昭和アイドルコレクションでは「ダンシング・ヒーロー」「赤いスイトピー」など、クラシック・メドレー(ブラス・ロック)では「交響曲第9番新世界より第4楽章」「ウィリアム・テル序曲」などを聴かせた。アンコールに応え、演奏したのは「五月の風」。爽やかなマーチング曲で季節感を演出した。
団員の家族という上中島町の60代男性は「いろんな音を近くで聴いたり、楽器の弾き方を見ることができて、いい。コロナ禍で何もしないのではなく、気を付けながら日常を送っていけば」と見守る。自身もクラシックギターの演奏を楽しんでいて、「音楽は聴くのも、演奏しても気持ちが安らぐ。ストレス発散にもなる」と実感を込めた。
立ち見が出るほど多くの人がブラスの生演奏を楽しんだ
釜石市吹は沿岸他市(宮古~気仙沼)の社会人吹奏楽団と一緒に、三陸自動車道の早期完成を願う「ルート45港町コンサート」を1997年から毎年春に開催してきた。コロナの流行で中止され、代替えとして昨年、スプリングコンサートを企画。今年も発表の機会にと継続した。山内団長(48)は「コロナ禍でも、感染対策を講じてできること、形を発信したかった。楽器演奏や歌、音楽をやりたい若い人たちの受け皿になり、釜石に根付いた音楽文化を残していくことができるよう活動していきたい」と意欲を見せる。
釜石新聞NewS
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