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「違和感」で架空料金請求詐欺防ぐ 釜石警察署、セブンイレブン中妻町1丁目店に感謝状

釜石警察署の日山良則署長(右)から感謝状を受けたセブンイレブン釜石中妻町1丁目店の関係者ら

釜石警察署の日山良則署長(右)から感謝状を受けたセブンイレブン釜石中妻町1丁目店の関係者ら

 
 釜石警察署(日山良則署長)は19日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして釜石市中妻町のコンビニ、セブンイレブン釜石中妻町1丁目店(中澤英樹オーナー)に署長感謝状を贈った。電子ギフトカードの購入金額が高額だったことに加え、常連客のいつもと違う買い物に「あれ?」と“違和感”を覚えたのが奏功。詐欺の手口が多様化する中、こうした店頭や窓口を通した異変への気づきが被害拡大の防止に貢献している。
 
 贈呈式は同店で行われ、当時対応した店員の真壁香利さん(32)に日山署長が感謝状を手渡した。日山署長は「的確な判断と迅速な声かけが水際の被害防止につながった。被害の恐れを把握するのは、警察だけでは難しい。これからも協力を」と期待した。
 
日山署長から感謝状を受け取る真壁香利さん(奥)

日山署長から感謝状を受け取る真壁香利さん(奥)

 
 同署によると、4月15日夜のはじめ頃、常連の50代男性が来店し、総額3万3000円分の電子ギフトカードを購入しようとした。特に慌てた様子もなく普段通りだったと振り返る真壁さん。「高額だし、カードを買うのを見たことがない」と不審に思った。
 
 扱い方も分からない様子だったことから使用目的を尋ねると、男性はスマートフォンに届いた「多額の支援金を受け取れる。そのためには手数料が必要」といった内容が記されたメールを見せたという。真壁さんは「これ絶対に危ない。詐欺だ」と疑いを強め通報した。
 
 同店に急行した署員が真壁さんと客とのやりとりを確認し、詐欺の疑いを説明。購入を思いとどまった男性からさらに詳細を聞き出し、捜査する中で、架空料金請求詐欺と判断した。
 
電子ギフトカードに触れながら当時の状況を振り返る真壁さん

電子ギフトカードに触れながら当時の状況を振り返る真壁さん

 
 真壁さんは「自分の力で防ぐことができ、安心できたなというのが正直な気持ち」と表情をやわらげた。日ごろの客との会話や交流が異変を察知するのにつながったと改めて感じたようで、「これからも勇気を出して声かけしたい」と背筋を伸ばした。
 
 今回の声がけ対応や通報の流れは店内ですでに共有している。同店ではこれまでも複数回、詐欺被害を阻止しているといい、中澤オーナーは「(詐欺は)コンビニで食い止めなきゃ。最後のとりでだと思って」と力を込めた。
 
レジ近くにも陳列されている電子ギフトカード(レジの左横)

レジ近くにも陳列されている電子ギフトカード(レジの左横)

 
なじみの客と言葉を交わす真壁さん。「気づきを大事にしたい」

なじみの客と言葉を交わす真壁さん。「気づきを大事にしたい」

 
 岩手県内でみると、今年の特殊詐欺認知件数は4月末現在で94件(前年同期比35件増)、被害額は6億1617万円(同比2億7023万円増)。SNSのやりとりで架空の投資話などに引き込む「SNS型投資詐欺」「SNS型ロマンス詐欺」、電子ギフトカードを使うケースも増えている。
 
 釜石署管内で今年認知された特殊詐欺の発生件数は1件(SNS型ロマンス詐欺被害)。また、「公共料金(電気代やガス代など)が安くなると勧誘された」といった相談は、詐欺の可能性があるものを含め日々寄せられているという。同署は「電話やメールでお金の話が出てきたら詐欺。一人で悩まず、不安な時は迷わず警察に相談を」と呼びかけている。

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釜石地方森林組合「大槌町林野火災相談室」開設中 被災した山林所有者の不安軽減へ対応

大槌町の2地区で発生した林野火災の被災状況を話す釜石地方森林組合の高橋幸男参事

大槌町の2地区で発生した林野火災の被災状況を話す釜石地方森林組合の高橋幸男参事

 
 釜石市と大槌町の山林所有者が加入する釜石地方森林組合(野田武則代表理事組合長、組合員1616人)は、4月22日に大槌町で発生した林野火災への対応として、被災した所有者らの相談を受け付けている。同市片岸町の組合事務所に相談室を開設。所有林の復旧に向けた手続きや被災の有無など、組合が把握する情報を提供し、所有者の不安軽減につなげたいとしている。組合員以外の相談も受け付けており、「まずは電話で問い合わせを」と呼びかける。同組合の電話番号は0193・28・4244。
 
「大槌町林野火災相談室」を開設している釜石地方森林組合の事務所(釜石市片岸町)

「大槌町林野火災相談室」を開設している釜石地方森林組合の事務所(釜石市片岸町)

 
 大槌町の林野火災は、小鎚、吉里吉里の2地区で発生し、焼損面積は約1600ヘクタールに及ぶとみられる。これは昨年2月に本県大船渡市で発生した林野火災(3370ヘクタール)に次ぐ、平成以降で国内2番目の被害規模。同組合の高橋幸男参事によると、被災したエリアは全体でみると民有林(町有、私有など)が多いという。私有林は広葉樹が多く人工林率は低めだが、「吉里吉里地区では、収入になる伐採時期を迎えた木が多く焼け、伐採後、新たに植林したばかりの木も被害を受けた」。
 
火災で焼けた大槌町吉里吉里地区の山林。葉が茶色になった木々が見える

火災で焼けた大槌町吉里吉里地区の山林。葉が茶色になった木々が見える

 
焼けて幹が黒く焦げたスギ林=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

焼けて幹が黒く焦げたスギ林=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

 
地表部から上部まで火に包まれたとみられる木々も=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

地表部から上部まで火に包まれたとみられる木々も=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

 
 民有林の復旧に向け、県、町、同組合は20日から焼損面積の確定や被災木(人工林)のデータ取得のための現地調査を始めた。期間は5月末までを見込む。高橋参事は「国土調査が終わっていないため、所有地の境界が明確でない場所がある。被災の有無や復旧の進め方など不安を抱える所有者のために、組合員に限らず、できるだけ相談に応じたい」と話す。
 
 組合による相談室は5月7日に設置。これまでに組合員以外の所有者を含め7件の相談があり、組合の保険手続きや復旧に対する助成の有無、「被災しているかもしれないが、どうすれば?」など、さまざまな相談が寄せられている。
 
組合では森林資源管理図(林相図)で被災した組合員らの特定を進めている

組合では森林資源管理図(林相図)で被災した組合員らの特定を進めている

 
 同火災が「局地激甚災害」指定を受けられれば、災害復旧事業に対する国の補助割合が通常より上乗せされる。高橋参事は「知らずに事業の申請が終わってしまうことのないよう、組合が知り得た情報は適時、所有者にお伝えしたい。正しく情報を得て考えをまとめ、方向性を決められるようなお手伝いができれば」と話す。今回の被災エリアは同組合員以外の所有が多いとみられる。被害規模が大きいため、復旧には長い期間を要するものと考えられ、組合では同災害指定の期限後も見据えた対応をしていく構え。「出前相談会」にも応じていて、希望する場合は組合に問い合わせてほしいとのこと。

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探る!一緒にできること 釜石市長と市民「ざっくばらんに」車座トーク 協働まちづくり推進

釜石市の小野共市長と市民が直接対話する「車座トーク」=19日

釜石市の小野共市長と市民が直接対話する「車座トーク」=19日

 
 釜石市は市民参加のまちづくりを推進するため、小野共市長が市民の声を直接聞く「市長と話そう!車座トーク」を始めた。19日夕、本庁地区(新浜町~駒木町)の住民を対象に初開催。住みやすい地域づくりを考える15人が参加し、困り事や解決へのアイデア、熱い思いを伝えた。小野市長は「地域の現状を知り、行政が一緒にできることは何かを考える時間になった」と好感触を実感。この日を皮切りに、7月まで各地区で順次開催する。
 
 車座トークは、小野市長の発案。「市民参加の協働によるまちづくり」を進めるため、地域に出向いて市民と対話し地域課題を把握するとともに、これからのまちづくりを考えるのを狙いにする。これまでも地域会議や市政懇談会など市民の意見を聞く機会は設けているが、開催に当たってはテーマが定まっている場合がほとんど。市の施策を伝えるのが主で、参加者からは「市長の考えをもっと聞きたい」などの声が寄せられていたという。小野市長も市民との距離を縮め「ざっくばらんに話したい」と考えており、車座トークを実践した。
 
 会場もこれまでとは違った場所を選んだ。初回は同市浜町にある企業の研修などを受け入れる人材育成拠点「ねまるポート」で開催。集まった市民に向かい、小野市長は、4月下旬に発生した大槌町の大規模山林火災への市職員派遣などの対応や、市長選で掲げた公約の実現に向けた動きを説明した。
 
市政のかじ取り役を担う小野市長が率直に思いを話す

市政のかじ取り役を担う小野市長が率直に思いを話す

 
 公約に関し▽県立釜石病院の新築とリハビリセンターの設置▽公共ふ頭の拡張▽三陸道釜石両石インターチェンジのフルインター化―の3点を挙げ、「地方の経済状況は厳しくなるが、付け焼き刃的ではない財政支援が必要。それは社会資本を整えること、商圏を拡大することだ」と強調。実現の手応えを得るもの、めどの見当も定まらないものもあるが、国や県などに対し繰り返し働きかける考えを明かした。
 
 市政への理解を深めてもらった後、「対話型まちづくり」に向けたトークがスタート。浜町や東前町の住民たちは高齢化する地域の状況を改めて伝えたうえで、2階にある集会所の利用のしやすさを考慮した修繕への支援、住民任せとなっている市有地の市による適正管理などを求めた。千鳥町で子育て世帯の居場所づくりに取り組む女性は市が進める子育て支援策の満足度を上げるための取り組みについて質問。子ども食堂の実施を検討していたり、空き家の活用のアイデアを出す人もいた。
 
「市長に会って直接話をしたかった」と思いを伝える参加者

「市長に会って直接話をしたかった」と思いを伝える参加者

 
 クマ出没に関し、追い払いのための爆竹使用に当たっての悩みを明かす人も。火花が散ることで山火事につながる可能性もあり、「代替策を教えて」と切実に訴えた。小野市長は、市街地への侵入を早期に察知するAI(人工知能)カメラを紹介。先行する花巻市の事例を調べているところだと話し、「クマ対策は県からの予算も付きやすい」と何かしらの手を打つ考えを示した。
 
 本町地区は東日本大震災の津波で被害を受けた地域。早めの生活再建にと地区外に転居した人もいて、「子どもたちの声が少なくなった。うるさいけど、やっぱり声があるのはいいね」と寂しそうに語り合う場面もあった。住み慣れた地区をよりよい地域にとできる範囲で取り組む浜町の50代女性は「地域の人がどんなことを話すか、興味本位で参加。人が集まればいろんな思いを聞けるし、要望できるのもいい」と歓迎した。
 
 トークが盛り上がり、予定時間を少し延長。小野市長は「(市政懇談会など)これまでとは違った顔ぶれ、発言していなかった皆さんが集まってくれた」と振り返り、「マイクを通した言葉ではなく、より近くで考えや思いを伝えられた。参加者同士、横断的なクロストークみたいになったのもよかった」と手応えを実感。「自分たちのまちを自分たちでつくり上げていくことを考える機会になったらいい」と、次の開催地へ気持ちを向けた。
 
「市民との距離を近く」「広く声を」と実施される車座トーク

「市民との距離を近く」「広く声を」と実施される車座トーク

 
 今後の車座トークの日程は次の通り。時間はいずれも午後6時~1時間程度。
【5月】
◆21日(木)中妻地区/昭和園クラブハウス◆26日(火)鵜住居地区/川目集会所◆29日(金)小佐野地区/上小川・中小川集会所
【6月】
◆1日(月)松原・平田地区/上平田集会所◆3日(水)栗橋地区/さんあいセンター◆30日(火)甲子地区/洞関地区コミュニティ消防センター
【7月】
◆3日(金)唐丹地区/本郷地区コミュニティ消防センター

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感謝、感動! 白山小76年の歴史胸に最後の運動会 閉校への1年を地域とともに…

白山小最後の運動会でかけがえのない思い出を作った27人の児童=16日 

白山小最後の運動会でかけがえのない思い出を作った27人の児童=16日

 
 釜石市嬉石町の白山小(鈴木慎校長、児童27人)で16日、運動会が開かれた。本年度で閉校する同校にとって最後の運動会。児童と保護者、教職員、卒業生、地域住民…。これまで同校に関わってきた多くの人たちが集い、思い出いっぱいの校庭で各種種目を楽しんだ。この日に向け、競技や応援練習に一生懸命取り組んできた児童らは、その成果を存分に発揮。自分たちのひたむきな姿で、支えてくれる人たちへ感謝の気持ちを表した。
 
 開会式で鈴木校長は「最後の運動会をこの場所でできることを幸せに思い、全力で競技、応援をしよう。『ありがとう』『がんばってね』と相手を思いやる言葉がたくさん飛び交う運動会に」と児童らに呼びかけた。紅白各組団長の佐々木莉愛さん(6年、赤)、藤井望夢さん(同、白)は「届け感謝! 27人の絆で すてきな思い出を」との児童会スローガンを示し、「一人一人が全力で競技に挑み、仲間と協力し本気で戦い抜く」と宣誓した。
 
1年生2人が開会のことば(左上)。紅白各組の団長(6年)が宣誓した(右上)。校舎の窓には「ありがとう白山小学校」の文字が掲げられた

1年生2人が開会のことば(左上)。紅白各組の団長(6年)が宣誓した(右上)。校舎の窓には「ありがとう白山小学校」の文字が掲げられた

 
両団長が応援団旗を交換し、互いの健闘を誓うエールを送り合った

両団長が応援団旗を交換し、互いの健闘を誓うエールを送り合った

 
 紅白のエール交換のあと、12の種目がスタート。徒競走は1、2年生が50メートル、3、4年生が80メートル、5、6年生が100メートルで競った。最後の運動会の思い出にと、初めて挑んだのが紅白対抗の“全校大縄跳び”。制限時間内に何回跳べるかを2回戦の合計で競うもので、1~6年生全員が心を一つに飛び跳ねた。結果は赤組58回、白組60回で白組の勝ち。
 
徒競走は50(1・2年)、80(3・4年)、100(5・6年)メートルで競い合った

徒競走は50(1・2年)、80(3・4年)、100(5・6年)メートルで競い合った

 
みんなで息を合わせ、大縄跳びに挑戦する赤組児童

みんなで息を合わせ、大縄跳びに挑戦する赤組児童

 
白組も負けじとジャンプ! 最後まで頑張り抜き、大縄跳び対決を制した

白組も負けじとジャンプ! 最後まで頑張り抜き、大縄跳び対決を制した

 
 過去の運動会で行われていた種目“チャンスレース”の復刻版もあった。「スパイミッション2026」と銘打ったのは、仮装と借り物レースを組み合わせた競技。スタート後、4種の服装(1年生、スポーツ選手、アイドル、ハンター)のどれかに早着替え。本部に集まった全員に指令が出され、お題に合った人を会場から探し出し、一緒にゴールするものだ。本部からは「○○に変装して」という、さらなる着替え指令も…。お題が出されると、会場にいる人たちが「こっち、こっち」とアピールし、児童と手をつないでゴールに駆け込んだ。
 
「スパイミッション2026」。最初の早着替えの後は本部前で記念写真も(左上)。その後、ミッションスタート!

「スパイミッション2026」。最初の早着替えの後は本部前で記念写真も(左上)。その後、ミッションスタート!

 
サングラス(眼鏡)をかけている人、白山小の卒業生、アイドルのようにすてきなお母さん、釜石SWの選手のようにかっこいいお父さん…などお題はさまざま

サングラス(眼鏡)をかけている人、白山小の卒業生、アイドルのようにすてきなお母さん、釜石SWの選手のようにかっこいいお父さん…などお題はさまざま

 
会場の人たちの協力で全員が無事ゴール。にぎやかな種目となった

会場の人たちの協力で全員が無事ゴール。にぎやかな種目となった

 
 今回の運動会では、しばらく歌われていなかった紅白の応援歌を復活させ、児童らが練習を重ねてきた。2回の応援合戦で応援歌やエール、三三七拍子を披露。声や動きの大きさ、態度を3人の審査員が評価し、勝った組の小旗を挙げた。応援歌復活には、同校卒業生らも記憶のすり合わせなどで協力。当日は、懐かしさを感じながら聞き入る姿もあった。
 
 全校で取り組んだ「白山ソーラン」では半てん姿の児童らが躍動した。2008年、同運動会にソーランを導入し、今回、児童の指導にもあたった元教員の髙橋道明さん(64)も駆け付けた。PTAの綱引き、地域住民や卒業生が参加しての玉入れ、パン食い競走も大盛り上がり。児童らの声援を受けながら、幅広い年代が楽しんだ。最後の全校リレーでは、各組の陣地で児童の父母らが旗を振り全力応援。接戦のレースと相まって会場の熱気は最高潮に達した。
 
地元「松原神社」の名前が入った半てんなどを身にまとい、「白山ソーラン」の演舞

地元「松原神社」の名前が入った半てんなどを身にまとい、「白山ソーラン」の演舞

 
これまでの練習の成果を発揮し、ダイナミックに踊る児童

これまでの練習の成果を発揮し、ダイナミックに踊る児童

 
PTA競技「魂の綱引き」。子どもたちに負けず全力で!

PTA競技「魂の綱引き」。子どもたちに負けず全力で!

 
地域住民参加の玉入れ。相手組の“鬼”が棒の先端の大きな手で、玉が籠に入るのをじゃまする

地域住民参加の玉入れ。相手組の“鬼”が棒の先端の大きな手で、玉が籠に入るのをじゃまする

 
 両組とも持てる力を十二分に発揮した運動会。総合得点は赤組258点、白組247点で赤組が優勝。閉会式では、互いの頑張りをたたえ合い、会場に集まった全員が同校の絆と誇りを再認識した。川﨑仁遥児童会長(6年)は「長い歴史の最後の運動会をみんなで楽しく終えることができた。今日まで支えてくれた皆さん、そして、たくさん走って泣いて笑ったこの校庭にも『ありがとう』を伝えたい」と感謝の思いを口にした。
 
 伊藤來嬉さん(5年)、喜來さん(4年)兄弟は同じ赤組で優勝し、喜びを分かち合った。兄來嬉さんは「応援歌はかなり時間を使って覚えたのでしっかり歌えた。楽しかったのはチャンスレース。いっぱい思い出ができた」とにっこり。弟喜來さんは得意の徒競走で1位に。「(兄と)同じ組で優勝できてうれしい。みんなの力が集まって応援もすごかったから勝てたと思う」と振り返った。
 
心のバトンもつなぐ全校リレー。各組陣地では父母らが旗を振って応援

心のバトンもつなぐ全校リレー。各組陣地では父母らが旗を振って応援

 
リレーは最後まで接戦。果たして勝敗の行方は?

リレーは最後まで接戦。果たして勝敗の行方は?

 
 1951(昭和26)年開校の白山小は本年度で76年の歴史を刻む。学区内には3世代が同校出身、在籍という家族も。息子2人(1、2年)が同校に通う花川由希子さん(42)は自身の小学校時代の記憶を重ねつつ、「母校がなくなるのは本当に寂しい。でも、最後に親も地域の人たちも一緒に(運動会が)でき、やり切った感がある」と充実の表情。次男蓮さん(6)は新1年生2人で「開会のことば」を担当。「練習を頑張った」という通り、暗唱で堂々の開会宣言をした。由希子さんの父與志樹さん(77)は55(昭30)年度の入学。市の人口増加期で「1学級40人、1学年3学級の時代」。運動会では地区対抗の種目があり、「あれが一番盛り上がった」と懐かしむ。閉校は「何とも言えない気持ち」と複雑な思いをにじませるが、残り1年、継続してきた児童の登下校の見守り活動で貢献していきたい考え。
 
 運動会にはさまざまな年代の卒業生も多数集まった。大平中1年の阿部琉芯さん(12)は「統合になるのは少し悲しい」と残念がるも、母校最後の運動会を盛り上げようと同級生らと足を運んだ。3種目に参加し、応援でも後輩たちを後押し。「みんな頑張っている。最後の1年、いろいろなことに挑戦し楽しんでほしい」とエールを送った。
 
卒業生も多数駆け付けた。“白山小愛”あふれる仲間たち

卒業生も多数駆け付けた。“白山小愛”あふれる仲間たち

 
校舎前には県キッチンカー協会から飲食の4台が出店。さまざまなメニューを味わいながら運動会の余韻に浸った

校舎前には県キッチンカー協会から飲食の4台が出店。さまざまなメニューを味わいながら運動会の余韻に浸った

 
 本年度、PTA会長を務める川﨑秀樹さん(40)は「子どもたちはいつもとは違う1年であることを自覚しつつ、各種活動に取り組んでいる。閉校自体は寂しいが、むしろ『こういう1年があって良かった』と(後で)思えるぐらい、楽しく充実した時を過ごしてほしい」と願う。自身も白山小出身。今回、運動会準備のため、同級生はじめOBと連絡を取り合う中で、母校への強い思いを改めて感じた。呼びかけに応え、当日、会に参加してくれた人たちもいたという。釜石を離れている同級生らにはグループLINEで運動会の様子をリアルタイムで伝え、喜ばれたとも。今後の閉校に向けた行事にも地域住民や出身者らの協力を得て取り組んでいきたいと望んだ。
 
輝く笑顔が見られた白山小運動会。思い出は一人一人の脳裏に刻まれる

輝く笑顔が見られた白山小運動会。思い出は一人一人の脳裏に刻まれる

 
 閉会式で「白山小の“閉校物語”はまだまだ続く。みんなで最高の1年にしていこう」と呼びかけた鈴木校長。校舎に掲げた「ありがとう 白山小学校」の言葉を胸に、同校最後の1年が動き出した。

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酒造り支える田んぼ(大槌)で挑戦 釜石・浜千鳥の体験塾 親子ら、田植えに歓声

浜千鳥酒造り体験塾で田植えに取り組む参加者

浜千鳥酒造り体験塾で田植えに取り組む参加者

 
 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は17日、大槌町大槌の田んぼで田植え体験会を開いた。地元の釜石や大槌のほか、盛岡、宮古、東京など岩手県内外から親子連れや学生ら約120人が参加。ぬかるむ泥の感触を楽しみつつ、酒造りの一端に触れた。
 
 体験の場は、同社に酒米を提供する佐々木重吾さん(69)の田んぼ(約7アール)。晴天の下、大人も子どもも泥まみれになりながら、酒米「吟ぎんが」の苗を横一列で手植えしていった。
 
参加者は横一列に並んで吟ぎんがの苗を植え付けた

参加者は横一列に並んで吟ぎんがの苗を植え付けた

 
 初めて体験した子どもたちは「気持ちいい」「ふにゅふにゅしてる」「ちょっとぬるい」などと、はしゃぎながら作業。大船渡市の小学生廣田千佳さん(8)は「天気がよくて気持ちいい。成長が楽しみ。おいしいお米ができたらいいな」とはにかんだ。父親の将さん(38)は「泥に触れる機会はめったになく、子どもたちの思い出になればと参加。人と触れる場でもあり、ずっと続いてほしい取り組み」と目を細めた。
 
青々とした苗を手に笑顔を見せる家族連れ

青々とした苗を手に笑顔を見せる家族連れ

 
幅広い世代が集結。苗の手植えに挑戦した

幅広い世代が集結。苗の手植えに挑戦した

 
子どもも大人も泥だらけになりながら作業を楽しむ

子どもも大人も泥だらけになりながら作業を楽しむ

 
 苗ができるだけ等間隔になるよう、スタッフが張ったロープに沿って植え付けるといった工夫も。釜石市内の銀行に勤める行員の佐藤碩人さん(24)は昨年に続いて2回目の参加で、「作業の大変さ、工夫あっての田植えを体験できるいい機会」と心地よい汗を流した。実は、日本酒に苦手意識があるというが、「浜千鳥は飲みやすい」とニヤリ。酒造りの一工程に携わったことで「より一層おいしく飲めそう」と心待ちにした。
 
 岩手大の学生団体「いわてi-Sakeプロジェクト」のメンバー5人も力を発揮した。農学部1年の桑野陽菜さん(19)、伊藤月野さん(18)は農業、米作りに関心があり、さらに酒造りの流れを知りたいと参加。「中腰の作業は腰が痛くなるし、泥に足をとられて大変だった。幅広い年代の人たちと関わりながら作業ができて楽しかった」と爽やかな笑顔を重ねた。それぞれ神奈川県横浜市、秋田県鹿角市の出身で、「いろんなことに挑戦したい」とあふれる意欲も共通。酒をたしなむのはまだ先だが、「いつか味わってみたい」と楽しみを残した。
 
手植えの大変さを実感。ひと休みして腰の筋肉を伸ばしたり

手植えの大変さを実感。ひと休みして腰の筋肉を伸ばしたり

 
力を合わせて7アールの田んぼに酒米の苗を植え付けた参加者

力を合わせて7アールの田んぼに酒米の苗を植え付けた参加者

 
 佐々木さんが会長を務める大槌酒米研究会では今年、6個人1法人が同社に供給する吟ぎんがを栽培。体験会の田んぼを含めて約20ヘクタールに作付けした。昨年より5日ほど早く進行。苗の出来もよく、「根づきが早いかも」との見立てだ。一方、今後の天候が読めない状況は例年通りのようで、佐々木さんは「やってみないと分からない」と笑う。
 
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苗の植え方を伝える佐々木重吾さん(右)。体験を通して農業や米作りへの理解が深まるのを願う

 
作業の安全や豊作を祈り行われた神事。新里進社長(右上)らが玉串をささげた

作業の安全や豊作を祈り行われた神事。新里進社長(右上)らが玉串をささげた

 
 地産地消の酒造りを目指す同社では、同研究会が栽培する吟ぎんがを使い「ゆめほなみ」などを醸造。今では同社が使うコメの半数を占める。そうした取り組みを理解してもらおうと、「酒造り体験塾」を展開。今後は稲刈りや仕込み体験も予定する。
 
 新里社長(68)は多世代の関わりについて「若い人のアルコール離れがある中で、日本の文化を見直す機会になるのでは。心強い。日本酒への親しみも感じてもらえるといい」と歓迎。「いい酒を届けたい」。これから始まる酒造りに腕まくりする。

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役割、やりがい、専門性…看護師の仕事 じかに 県立釜石病院で中高生が体験

患者に声をかけながら足浴に挑戦する生徒

患者に声をかけながら足浴に挑戦する生徒

 
 釜石市甲子町の県立釜石病院(阿部薫院長)は11、12の2日間、ふれあい看護体験を行った。医療、看護の道を志す近隣市町の中高生らが患者へのケアを通して先輩の姿勢を学んだ。
 
 11日は釜石中、甲子中から計12人が参加した。同病院の看護師と同じ白衣を身に着けた生徒たちはグループごとに病棟に分かれ、入院患者の手浴や足浴に挑戦。気さくに話しかける先輩看護師に倣い、「(湯は)熱くないですか?」「かゆい所はありますか?」などと声をかけながら丁寧に洗った。
 
力加減を気にしながら丁寧に手を洗う中学生

力加減を気にしながら丁寧に手を洗う中学生

 
先輩看護師に教わりながら足を拭く生徒たち

先輩看護師に教わりながら足を拭く生徒たち

 
 患者一人一人に合わせて用意される食事を運んだり、車椅子に患者を乗せて院内を移動する体験も。手術室での活動もあり、生徒たちは現場の雰囲気を肌で感じた。
 
 釜石中3年の伊藤碧泉さんは洗髪に挑み、「傷つけたりしないよう洗う時の力の入れ具合や声の大きさに気をつけた」と肩の力を抜いた。患者に接する際の先輩看護師の姿もよく“観察”したようで、「私も笑顔を大切にして患者さんと接することができるよう、コミュニケーション力を磨きたい。いろいろなことを勉強して、テキパキと動ける看護師になりたい」と刺激を受けていた。
 
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車椅子での院内散歩、食事の配膳なども行い患者と触れ合った

 
 医者を目指す甲子中3年の米澤悠真さんは、手術室で活動。手術で使用する器具に触れるといった貴重な体験に夢実現への思いは強まった。部活動などで自身がけがをした時や不調の家族らを快方へと導く医師の姿を目の当たりにし、「今後は自分が誰かを助けられようになりたい」と感化。たくさんの人と関わり、「一人一人の患者さんに寄り添える医者に」と思い描く。さらに「いつかは釜石に貢献したい」と、地域への愛着もにじませた。
 
 看護体験は職業として医療職を選択してもらう機会を提供するのが目的。なかでも看護の仕事はイメージと現実にギャップを感じる若手も多いといい、村上恵理子総看護師長は「実際の現場を見て、知って、興味をほしい。役割とやりがい、専門的な知識を持って仕事に臨んでいることを」と切望する。
 
先輩看護師(右)の動きをじっと見つめ看護の心を学ぶ生徒

先輩看護師(右)の動きをじっと見つめ看護の心を学ぶ生徒

 
体の動きに制約がある人を移動させる際のポイントなども教わった

体の動きに制約がある人を移動させる際のポイントなども教わった

 
 県立病院の特長として、チーム医療や教育サポートの充実を挙げた村上総看護師長。同病院には▽皮膚・排泄ケア▽感染管理▽認知症介護―など、専門性を発揮して活躍する認定看護師が5人おり、「看護の質を高めている」と強調した。また、近年は人口減や高齢化、医療従事者の不足などで同病院の機能が変化しているとし、「治療だけでなく、介助や介護といった視点も取り入れなければ」と、看護の力を深める必要性を認識。その上で、看護体験を通して地域医療を支える仲間が増えることを期待していた。
 
 12日の体験には釜石、釜石商工、遠野、大槌の4校から十数人が参加した。

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ゆる~く満喫!?音楽×キャンプ×脱炭素 釜石・根浜で環境配慮型イベント

根浜シーサイドキャンプ場で開かれたライブイベント

根浜シーサイドキャンプ場で開かれたライブイベント

 
 釜石市鵜住居町の根浜海岸にある観光施設「根浜シーサイド」のキャンプ場で10日、環境配慮型音楽イベント「NEBAMA MUSIC JAM ~脱炭素ライブ」が初開催された。釜石、大槌を中心に活動するバンド4組が出演。ライブで使用するアンプなど音響機材の電力供給には廃食油から精製されたバイオディーゼル燃料を採用し、CO2排出量削減に努めながら未来につながる取り組みに挑戦した。
 
 キャンプ場フリーサイトに、廃材を活用したステージがお目見え。50年近く活動するジャズバンド「トライデント」、アコースティックバンド「ブラック★かまリンズ」などジャンルを超えて独自に演奏活動を楽しむ地元ミュージシャンたちが熱い思いを音に乗せて聴かせた。
 
心地よいジャズの音色を響かせた「トライデント」

心地よいジャズの音色を響かせた「トライデント」

 
楽しい音を重ね合わせた「ブラック★かまリンズ」

楽しい音を重ね合わせた「ブラック★かまリンズ」

 
出演者も観客も開放的な空間で音楽を楽しむ

出演者も観客も開放的な空間で音楽を楽しむ

 
 来場者はリズムに乗って体を揺らし、歌ったり、手拍子を加えたりしながら楽しんだ。飲食もあり、ノンアルコール飲料を片手に耳を澄ます人も。テントを張って、楽な姿勢でゆったりとした時間を過ごす姿も見られた。
 
 小川町の団体職員新張英明さん(72)は「海が目の前に広がる根浜は夏のイメージだが、新緑を背景にした春も楽しめると思っていた。開放的で音楽を楽しむのにいい」と歓迎。自身もギターをたしなみ、「(出演者は)みんな仲間だから。次があれば、一緒にステージに立ちたいな」と笑顔を見せた。
 
野外で、芝生に座って、テントでゆったりと思い思いに楽しむ

野外で、芝生に座って、テントでゆったりと思い思いに楽しむ

 
 大槌町を拠点とするロックバンド「ムーミンズ」はイーグルスの「テイク・イット・イージー」や、東日本大震災をモチーフにしたオリジナル曲「幻の街にあの娘が」などを披露。バンドマスター(リーダー)の赤﨑潤さん(61)は「ちょっと風が強かったけど、ロケーションがよく、気持ちいい演奏ができた。天気もよくて、ピクニック気分を味わえた」と、サングラスの奥から満ち足りた雰囲気をのぞかせた。
 
春の日差しを浴びながらの演奏を楽しむ「ムーミンズ」

春の日差しを浴びながらの演奏を楽しむ「ムーミンズ」

 
他バントとの協演で熱唱する赤﨑潤さん(右から2人目)

他バントとの協演で熱唱する赤﨑潤さん(右から2人目)

 
 イベント出演の少し前に大槌で山林火災が発生した際、多くの人から心を寄せてもらったと感謝の気持ちも込めて演奏した赤﨑さん。「こうした空間で仲間と集える機会がずっと続くといい」。自身が営む喫茶店「夢宇民(ムーミン)」に集う、70年代の洋楽を愛するメンバーと結成したバンドの活動へ意欲を深めた。
 
大槌町林野火災支援の募金や飲食の販売、子どもの遊び場も用意 width=

大槌町林野火災支援の募金や飲食の販売、子どもの遊び場も用意

 
 キャンプ場で音出ししよう―。この呼びかけが、音楽イベント開催のきっかけとなった。“言い出しっぺ”は、軽音楽バンド「ザ・クロコダイル・ティアーズ」のドラマー木下義則さん(60)。「青空の下で、飲み会をやろうと思った。ミュージシャンだから合間に好きな曲演奏しながら」と、当初は仲間内で楽しむつもりだった。
 
エネルギッシュな演奏で魅せた「ザ・クロコダイル・ティアーズ」

エネルギッシュな演奏で魅せた「ザ・クロコダイル・ティアーズ」

 
野外音楽イベントにつながる企画を考えた木下義則さん(中)

野外音楽イベントにつながる企画を考えた木下義則さん(中)

 
 場所を貸してもらおうと施設を訪れると、管理・運営業務を行う観光地域づくり法人かまいしDMCのスタッフ佐藤奏子さん(47)から「イベントにしてほしい」と求められた。釜石市が環境省の「脱炭素先行地域」に選定され、同法人は推進会員として事業を展開。施設では地域から出る廃食油を回収しており、それを橋野町の一般社団法人ユナイテッドグリーン(山田周生代表理事)が燃料に精製して各種イベントで使う発電機の燃料に活用していた。
 
 佐藤さんがちょうど、キャンプ場と音楽を組み合わせた催しを構想していたのもあり、木下さんのやりたいことに“脱炭素”という要素をかけ合わせてイベント化した。会場ではバイオディーゼルカー(山田代表理事所有)の展示、太陽光発電による携帯充電ステーションの設置なども行い、来場者に「地球環境に優しいエネルギーで持続可能な社会を」という意識を持つ機会にしてもらった。
 
音響機材の電力源は廃食油を精製した燃料を使った発電機

音響機材の電力源は廃食油を精製した燃料を使った発電機

 
音楽を愛する仲間たちが集った「根浜ミュージックジャム」

音楽を愛する仲間たちが集った「根浜ミュージックジャム」

 
 所属バンドのほか、他の出演バンドのヘルプドラマーとしても盛り上げた木下さんは「やっぱり野外は心地いい。気持ちをラクにして演奏できる」と満喫。自然あふれる空間を共有する人たちを見つめ、「最近の世の中は嫌な話が多い。全部忘れて、好きなことをして過ごす時間もないとね」とうなずく。継続性については「気が向いたら。だって、飲み会だもん」。いたずらっぽく笑っていた。
 
 音楽イベントの前には、施設周辺に開設された「根浜ビオトープ」で生物観察会を開催。佐藤さんは「自然環境を守り、地域資源を生かす活動や使用済みの食用油から作ったエコ燃料で循環型社会につなげる取り組みを継続したい。その中で、地域で活動する人たちの応援もできたらいい」と展望した。

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2カ月後の成長に期待 釜石・鵜住居川、甲子川にアユの稚魚放流 解禁は7月5日

「元気に育て!」。鵜住居川へのアユの稚魚放流=10日

「元気に育て!」。鵜住居川へのアユの稚魚放流=10日

 
 県内外の釣り客に愛される釜石市の鵜住居川と甲子川に、今年もアユの稚魚が放流された。大船渡市の盛川漁協で中間育成された稚魚は体長6~8センチ。両河川の関係者が10、11日に放流した。両河川とも解禁日は7月5日。稚魚の繁殖保護のため、6月1日から解禁日前日まで全魚種が禁漁となる。(禁漁区域は現地の立て看板などを参照)
 
 10日の鵜住居川の放流は、鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長、組合員148人)が実施。組合員35人が2班に分かれて作業した。鵜住居町の日ノ神橋下流域から橋野町の産直、橋野どんぐり広場付近までの区間で、約20カ所のポイントに稚魚を放った。放流量は400キロ(約4万6500尾)。
 
鵜住居川漁協の組合員が放流にあたった=鵜住居町田郷

鵜住居川漁協の組合員が放流にあたった=鵜住居町田郷

 
放流された稚魚は1尾平均8.6グラム。解禁日には15センチ以上に成長

放流された稚魚は1尾平均8.6グラム。解禁日には15センチ以上に成長

 
 同組合によると、昨季のアユ釣りは釣果、型ともに良く、県内外から多くの釣り客が訪れた。遠くは関東方面から足を運ぶ人も。例年、シーズン前に組合員らが河川敷のごみ拾いや草刈りを行っていることもあり、釣り場環境の良さで人気を集める。県内の河川は昨年、異常渇水で後半は釣果が落ちた。今季は適度な雨量が欲しいところ。
 
 近年は飼料代や電気代の高騰で稚魚の価格が上昇。例年並みの放流量を維持するには遊漁券販売の売り上げ増が必須で、組合では多くの釣り客の来訪を願う。川崎組合長(76)は「沿岸地域の人口減に伴い、釣り客も減っている。県内陸部や県外の人にも、さらに足を運んでほしい。河川漁協の経営はどこも厳しさを増す。子どものうちから川に親しむ機会を増やし、将来の釣り人口拡大につなげていければ」と望んだ。
 
橋の上ではトラックの水槽からホースを垂らして放流=栗林町上栗林

橋の上ではトラックの水槽からホースを垂らして放流=栗林町上栗林

 
放流日は晴れて気温も上がり絶好のコンディション。新緑がまぶしい鵜住居川

放流日は晴れて気温も上がり絶好のコンディション。新緑がまぶしい鵜住居川

 
 鵜住居川漁協の組合員費は年間5000円。一般遊漁料は年券が7000円、日券が1500円。遊漁券は市内釣具店や赤いのぼり旗を掲げた流域の販売所で購入できる。スマホアプリ「フィッシュパス」での購入も可能。最近は同アプリの利用が増えているという。
 
 11日は甲子川でアユの稚魚の放流があった。甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)、クボタ環境エンジニアリング、市水産農林課から約30人が参加。2班に分かれ、上流は甲子町砂子渡、下流は上中島町から放流を開始。それぞれ甲子町松倉まで各ポイントに稚魚を放った。放流量は250キロ(約2万7700尾)。
 
甲子川では甲子川鮎釣協力会の有志らが放流にあたった=11日

甲子川では甲子川鮎釣協力会の有志らが放流にあたった=11日

 
松倉橋上流での稚魚放流。この日も近年では最高の“放流日和”

松倉橋上流での稚魚放流。この日も近年では最高の“放流日和”

 
 甲子川には河川漁協がなく、入漁料を徴収しないため、稚魚の放流費は同協力会に寄せられる釣り人からの協力金や企業の寄付金などで賄われている。安久津会長(85)は「皆さんの協力で昨年並みに資金が集まり、今年も放流できた」と感謝。昨年は釣果が良く、市内の釣り人有志から寄付されたアユ約700匹を道の駅釜石仙人峠で2年ぶりに振る舞った。「甲子川のアユは味で全国一になるなど、おいしさには定評がある。水質がいいんですね。これからもみんなでこの川を守っていきたい」と話した。
 
放流稚魚は1尾平均9グラム。体長15センチぐらいになると縄張りを作る

放流稚魚は1尾平均9グラム。体長15センチぐらいになると縄張りを作る

 
クボタ環境エンジニアリング社員、市水産農林課職員も協力して作業

クボタ環境エンジニアリング社員、市水産農林課職員も協力して作業

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今年は満開の下で… 橋野鉄鉱山八重桜まつり 花観賞、世界遺産見学、餅まき… 楽しみ方いろいろ

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満開の八重桜に囲まれ、お振る舞いの豚汁を味わう親子=10日、橋野鉄鉱山八重桜まつり

 
 釜石市の桜シーズンを締めくくる催し「橋野鉄鉱山八重桜まつり」が10日、橋野町青ノ木の現地で開かれた。風はあったものの晴れの天候に恵まれ、濃桃色の花と青空、新緑が織り成す光景に来場者は感激。「きれいだねー」「気持ちいいねー」と山里の春を満喫した。地元の女性らが調理した春の山菜入りの豚汁も味わい、家族連れや友人同士で“満開”の笑顔を広げた。
 
 同まつりは地元住民組織、橋野町振興協議会(菊池郁夫会長)と栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が主催。両組織が地域の魅力を季節ごとに発信する「はしの四季まつり」のシーズン最初の行事として行われている。今年も市街地から無料送迎バス2台(大型、中型)が運行され、約60人が利用。マイカーも含め、新緑の中のドライブを楽しみながら来場した。
 
 釜石観光ガイド会(瀬戸元会長)会員の案内で巡る世界遺産、高炉場跡の見学ツアーには20人余りが参加。満開の八重桜を愛でながら、史跡エリアに向かった。現存する国内最古の高炉の石組み3基を巡りながら、ガイドが江戸時代末期に始まった同所の製鉄の歴史、出銑の方法、操業規模などを説明。さまざまな裏話も飛び出し、参加者は興味をそそられながら遺産価値に理解を深めた。
 
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釜石観光ガイド会員の案内で巡る高炉場跡の見学ツアー。興味深い話が聞ける

 
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毎年大好評の餅まき。老若男女が手を伸ばして楽しんだ

 
 来場者お待ちかねの餅まきは同鉄鉱山インフォメーションセンター駐車場で行われた。開始時刻が近づくと子どもから大人まで大集合。同振興協、菊池会長の歓迎のあいさつに続き、約1千個の紅白餅がトラックの荷台からまかれた。
 
 先着300杯の豚汁のお振る舞いには今年も長蛇の列ができた。振興協女性部自慢の豚汁は定番の野菜に加え、春の山菜ワラビやウルイが入った具だくさん。12種の具材のうまみと地元の自家製みその味付けが融合し、橋野“ならでは”の味わいを生み出している。会場では地元産直「橋野どんぐり広場」の出張販売もあり、タケノコ、コゴミ、シドケ、ウドなど旬の山の幸を求める人たちでにぎわった。
 
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山菜も入った具だくさんの豚汁を求めて大勢の人たちが列を作った

 
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「あ~ん!」お口を広げて豚汁の豆腐をパクリ。いっぱい食べて大きくな~れ

 
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橋野どんぐり広場の出張販売。旬の山菜はこの日も人気

 
 4月末に長野県から訪れ、橋野町の一般社団法人三陸駒舎でホースセラピーなどの研修を行う清水蛍さん(40)は、同行している子ども4人と来場。「八重桜の並木が連なり、すてきな場所ですね。このまつりがなかったら来る機会がなかったかもしれないので、すごくうれしい」と声を弾ませた。長女の兎さん(8)も「桜、きれい。ハッピーな気分」と笑顔で豚汁の箸を進めた。蛍さんは豚汁のおいしさにも感激。「山菜入りは初めての味。長野では昔からサバ缶とタケノコのみそ汁はよく食べられているけど」と食文化の違いにも驚いた様子だった。
 
 高炉場跡のガイドツアーに参加した甲子町の佐々木正美さん(62)は「世界遺産になったのは知っていたが、足を運ぶのは初めて。昔の人はすごいなあと思って…」と操業当時に想像をめぐらせながら見学。妻の誘いで、無料バスを利用して来場。「八重桜がこんなになっているのも知らなかった。きれいだね。散歩するにもいい場所」と新たな発見を喜んだ。
 
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桜と新緑に囲まれた橋野鉄鉱山は今が一番いい季節。散策にもうってつけ

 
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まつり会場の橋野鉄鉱山インフォメーションセンター駐車場。キッチンカーも出店した

 
 同まつりへの交通手段としてはマイカーや主催者が運行する無料バスが一般的だが、今年はなんと自転車で訪れたつわものも。釜石東中3年の男子生徒3人組だ。橋野町在住の友人の誘いで、鵜住居町から自転車を走らせてきた菅原怜利さん(14)は「途中、足がしびれたりつったりして(自転車を)押しながらというのもあったが、何とか上がってきた」。満開の八重桜の出迎えに「来たかいがあった。ソメイヨシノとかとも違う美しさ」と感動。よくよく話を聞くと、3人は「時々、自転車で来ている。体力づくりと冒険を兼ねて」と口をそろえ、「このまつりは初めてだが、すてきなイベント。また来たい」と笑顔を重ねた。
 
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マイ“自転車”で訪れた釜石東中生。フレッシュな笑顔で記念の一枚!

 
 同まつりは地域活性化などを目的に2007年にスタート。東日本大震災があった11年は休止したが、12年からは世界遺産登録を後押ししようと、餅まきや豚汁の振る舞い、高炉場跡見学などを始めた。登録後の16年から名称に「橋野鉄鉱山」の冠が付き、認知度もさらに高まった。新型コロナ感染症の影響で20年から3年間、中止を余儀なくされたが、23年から復活させた。
 
 同所の八重桜は1980年代に植えられた。世界遺産登録された2015年には新たな植樹も行われ、順調に花を咲かせている。近年は開花が早まる傾向にあるものの、その年の気温の推移や気象によって大きく変わるため、主催者はまつり日程を組むのに苦労する。25年のまつり当日(11日)は多くがつぼみ状態。24年(12日)は終盤、23年(14日)は桜吹雪の中での開催となった。
 
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濃いピンク色の花が目にも鮮やかな八重桜並木。1980年代に釜石ライオンズクラブが植樹した

 
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最高の天気の中で行われた今年のまつり。来場者は豊かな自然にも癒やされ、心地よい時間を過ごした

 
 菊池会長によると今年の開花は4日。1週間かけて満開となり、まつりの日は近年にない最高の状態で迎えた。「何よりも天気が良かったのが一番。皆さんに楽しんでもらえたよう」と安堵する菊池会長。「振興協の会員が毎年、一生懸命準備してくれることにも感謝。長くまつりを続けていくために今後は次世代への継承にも取り組んでいきたい」と話した。
 
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インフォメーションセンター周辺はツツジの花も咲き出し色彩の競演。橋野鉄鉱山の春景色はまだまだ楽しめる

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「思い出深い最後の1年に」 白山小 閉校への取り組み始動 16日の運動会で復刻応援歌、種目導入

2026年度で閉校し平田小と統合する白山小。5月16日には最後の運動会が開かれる

2026年度で閉校し平田小と統合する白山小。5月16日には最後の運動会が開かれる

 
 釜石市嬉石町の白山小学校(鈴木慎校長、児童27人)は、児童生徒数の減少に伴う市学校規模適正化・適正配置推進計画により、2026年度をもって閉校する。1951(昭和26)年の開校から76年の歴史を刻む同校最後の1年を、在校生、卒業生、地域住民ら関わってきた大勢の人たちの心に残るものにしようと、各種取り組みが始まっている。16日に開かれる運動会では、かつて歌われていた紅白各組の応援歌や、名物種目を復活。会の後にキッチンカーによる飲食交流の時間も設け、親子や地域住民が思い出を作る機会とする。
 
 同校最後の運動会に向け、児童、教職員らは各種種目や応援合戦の練習に励んでいる。1~6年生を縦割りで紅白2組に分け、対抗で競う運動会。7日午前に行われた“紅白集会”におじゃますると、各組がそれぞれに応援合戦の練習中。応援歌、エール、三三七拍子を太鼓のリズムに合わせて繰り返し練習した。
 
赤組の応援練習。元気いっぱいの声を響かせる=7日、ミーティングルーム

赤組の応援練習。元気いっぱいの声を響かせる=7日、ミーティングルーム

 
復活させた応援歌(左上)などを熱心に練習。上級生の指導のもと三三七拍子も息を合わせて…

復活させた応援歌(左上)などを熱心に練習。上級生の指導のもと三三七拍子も息を合わせて…

 
 紅白の両応援歌は同校運動会の定番だったが、いつからか歌われなくなっていた。卒業生らの思い出の曲をもう一度、みんなで歌おうと、過去の記録媒体などを頼りに復活。応援の要として児童らが元気な声を響かせる。また、過去の運動会で行われていた名物種目「チャンスレース」も復活させる。児童らがより意欲的に取り組めるようにと初めての種目も。少人数の強みを生かし、紅白対抗の「大縄跳び」に挑戦する。
 
 白組応援団長の藤井望夢さん(6年)は初めて歌う応援歌に「最初は難しかったけど、歌えるようになってきた。白組に力をもらえそう」と当日を楽しみに。団長として「率先して声を出し頑張りたい。みんなで跳ぶ大縄跳びも楽しみ」と胸を躍らせる。赤組同の佐々木莉愛さん(同)は「覚えやすい応援歌。下級生も真似してすぐ覚えた」と話し、「みんなで勝てるように練習を頑張る。最後だから優勝したい」と意気込む。
 
上級生が旗を振りながら応援練習する白組=7日、体育館

上級生が旗を振りながら応援練習する白組=7日、体育館

 
運動会当日は紅白応援歌それぞれの歌詞にも注目!

運動会当日は紅白応援歌それぞれの歌詞にも注目!

 
 全校児童で取り組む種目「白山ソーラン」の練習にも力が入る。8日は、運動会に同種目を取り入れた“スターター”で元教員の髙橋道明さん(64)=西和賀町在住=を招き、演舞に磨きをかけた。秋田県を拠点に活動する劇団の「わらび座ソーラン」を取り入れた踊りは高学年が披露してきたが、今回は高学年が低学年に伝える形で練習を重ねる。髙橋さんからは「体全体を使って大きく踊って」などとアドバイスをもらった。
 
 「憧れていた踊りなのでうれしい。キレのいい感じを見てほしい」と意気込むのは平野愛茉さん(3年)。「かっこいい踊りを」と目標を掲げる佐々永翔さん(5年)は「はー、どっこいしょおっ、どっこいしょ!」との元気なかけ声も響かせようと気合を入れる。
 
大きくてかっこいい「白山ソーラン」を目指し練習する児童。体全体を使って踊る

大きくてかっこいい「白山ソーラン」を目指し練習する児童。体全体を使って踊る

 
白山ソーランの生みの親、髙橋道明さん(写真左)から指導を受け、さらにパワーアップ。児童らは気合十分!

白山ソーランの生みの親、髙橋道明さん(写真左)から指導を受け、さらにパワーアップ。児童らは気合十分!

 
 ソーランは髙橋さんが赴任した2008年に導入。以前、取り組んでいた組み体操に代わる新たな種目として試行した。釜石は漁師町でもあることから地域住民の受け止めも好意的で、踊る児童は見てもらう喜びを感じ、定着していった。
 
 東日本大震災があった11年、高台にある同校は避難所になったが、運動会は計画通り、この時期に実施。ソーランの練習をしていると、音や声に誘われ避難者、地域住民が集まってきた。子どもたちが懸命に踊る姿に「元気づけられると泣いていた」と、当時を思い起こす髙橋さん。みんなで踊る本番では「15年前のあの時、地域の力になったように一生懸命さを伝えてほしい」と願う。
 
「行くぞー!」全員で運動会本番に向け心を一つにする

「行くぞー!」全員で運動会本番に向け心を一つにする

 
 同校では26年度で閉校を迎えるにあたり、本年2月、教職員らによる校内閉校事業推進委員会を立ち上げた。これまで学校運営に協力してきた地域住民、保護者、卒業生の熱い思いを受け止め、最後の1年に何ができるか、学校行事や各種活動の在り方について意見交換を行った。今回の運動会に導入したアイデアも同委員会での案を基にしたもの。合わせて4月には、地域、保護者、学校の三者で構成する閉校事業実行委員会(橘内修委員長、33人)を設立。4部会を組織し、閉校式典や記念行事の開催、記念誌発刊、記念碑建立に向け取り組みを進めていくことを決めた。
 
 地域と関わる活動としては、各年代の「卒業生のお話を聞く会」を6月から複数回に分けて開催。地域住民と全児童27人が対話する「トークフォークダンス」も行う。校内職員室前には、来校した人たちに書いてもらったメッセージカードを掲示する「ありがとうの木」のボードを設置中。多くの人たちの白山小への思いを目に見える形で発信する。
 
来校者のメッセージを掲示する「ありがとうの木」。鈴木慎校長(左)らがPR。年度末には白山小への思いが“大樹”となる

来校者のメッセージを掲示する「ありがとうの木」。鈴木慎校長(左)らがPR。年度末には白山小への思いが“大樹”となる

 
 この他、校歌や復活させた応援歌、児童会の歌などを収録し後世に残すことや、閉校式典で披露するオリジナルソングを児童らが参画して制作することなども検討中。鈴木校長は「一番大事にしたいのは本校に関わってきた人たちの思い。地域に学校がなくなる寂しさだけでなく、『いい1年だった』『いい終わり方だった』と感じてもらえるような1年にしたい。みんなが笑顔で終われるように…」と願う。児童には各種活動に主体性を持って取り組むことを望み、「最後の在校生として、白山小のために自分たちが何をしたか、はっきり見えるような1年に」と期待を込める。
 
7日は紅白対抗の全員リレーの練習も。勝利への鍵となるバトンパス

7日は紅白対抗の全員リレーの練習も。勝利への鍵となるバトンパス

 
本番を楽しみに練習に励む。ワクワク感いっぱいの笑顔が花咲く

本番を楽しみに練習に励む。ワクワク感いっぱいの笑顔が花咲く

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歌で応援したい!鉄のまち釜石 奥州市のボランティア団体 作詞楽曲CDを届ける

作詞楽曲のCDを釜石に届けた奥州市のボランティア団体のメンバー(左)

作詞楽曲のCDを釜石に届けた奥州市のボランティア団体のメンバー(左)

 
 東日本大震災から15年を迎えた岩手県沿岸部の被災地域に思いを寄せて作った楽曲をCDにし、配布活動を始めた奥州市のボランティア団体「雑草華のように蘇る会」(伏見慈団長)のメンバーが8日、釜石市を訪れ、「何かしらの励みになれば」と市関係者にCDを手渡した。釜石を題材にした曲があることから、市民らに広く聴いてもらえる方法など、市から助言をもらう機会にもした。
 
 同団体は今年、設立されたばかり。奥州市の佐藤巌さん(81)が作詞した曲を紹介したり、高齢者施設での触れ合いボランティア活動などに取り組む。メンバーとして6~7人が協力。佐藤さんは団体責任者でもあり、以前から自身が考えた歌詞に好きなようにメロディーをつけて歌ってもらうような取り組みもしていた。
 
 佐藤さんは今回、釜石市、大船渡市、遠野市を題材に3曲を作詞。秋田県出身の演歌歌手、山川大介さんが作曲、編曲に協力し、歌唱も担当してCD化した。各市の1曲を収めたものを100枚ずつ、3曲収録したものを50枚制作。大漁旗を掲げる漁船や五葉山の風景などを織まぜた大船渡をテーマにした楽曲「漁港の香り」のCDは、4月に三陸町越喜来であったイベントで無料配布した。
 
釜石や大船渡、遠野を題材にした歌を作詞した佐藤巌さん

釜石や大船渡、遠野を題材にした歌を作詞した佐藤巌さん

 
 釜石での活動を模索する中、佐藤さん、伏見団長(66)、メンバーの藤澤育代さん(71)が来訪し、市保健福祉部の鈴木伸二部長と懇談。近代製鉄発祥の地としての歴史、世界遺産・橋野鉄鉱山が刻む証しなどを盛り込んだ楽曲「心の魂釜石」を聴かせ、詞に込めた思いやCD制作の過程を伝えた。
 
 震災以降、沿岸部の復興は進んだが、人口減少をはじめ活気の低下が指摘される。地域をテーマにした歌で「活気づけたい」と、作詞に取り組んだ佐藤さん。誕生の地であり、製鉄所勤めと仕事場にもなった釜石での思い出を詞につづった。♪自慢の製鉄 煙突は 世界遺産の 風が吹く…。入社後まもなく君津(千葉県)の製鉄所に出向し、約30年働いた。「私が持つ思い出が、皆さんの心のつえ(支え)になれば」。旅立つ若者たちが「古里を誇りに思い、未来あるまちづくりをしてほしい」と思いを込めた。
 
 鈴木部長は「メロディーがすっと入ってくる。駅前に製鉄所の煙突がそびえ立った当時を知る人は懐かしく聴けるのでは」と感想を話した。それぞれ曲に合わせた映像も制作予定との説明を受け、周知の仕方を庁内で検討したいとの対応。CD配付については「福祉まつりなどの催しで紹介するのはどうか」などと案を出した。
 
釜石でできる取り組みについて市関係者と意見を交わした

釜石でできる取り組みについて市関係者と意見を交わした

 
 そうした対応を受け、釜石に嫁ぎ20年生活した藤澤さんは「地域の歌を地元の皆さんに喜んでもらえたら。長く浸透する曲になればうれしい」と期待。夫が釜石出身という伏見団長は「話を聞いてくださって感謝。この曲が地域に定着し歌い継がれていけば、会としての地域貢献になる」と、活動の方向性を探る機会になったことを喜んだ。
 
 佐藤さんは、総本山身延山久遠寺の身延山本願人継承会員「五代当匠継承者龍生」としての肩書も持ち、「龍生」との名で作詞に取り組む。母の生まれ故郷でもあることから作詞した楽曲「ふるさと遠野」は、農作業の厳しさの中に喜びを見いだす農婦の心情を歌う。今後の活動は定まっていないが、「この3曲が、地域が活気を取り戻す一助になればうれしい」と願う。

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「ひとつぼ」から広がる交流 GWの釜石・TETTO ロビーが「好き」を見せる場に

釜石市民ホールのロビーを使った催し「ひとつぼてっと」

釜石市民ホールのロビーを使った催し「ひとつぼてっと」

 
 「ひとつぼてっと!」でやりたかったことをやってみよう―。そんな呼びかけの催しが、大型連休中の釜石市大町の市民ホールTETTOであった。この期間は施設利用が少なく、静まりかえっていることから、何とか人を呼び込もうと考えた突然企画。ロビーを開放し、一坪(縦横約1.8メートル)という限られたスペースを使って好きなことを自由に楽しんでもらった。
 
 この企画は3、4の2日間開催。4日にのぞいてみると、大正琴の教室、陶器や雑貨などを並べたフリーマーケット、マジック体験など楽しめる区画ができていた。ゲーム相手を探したい人が、神経衰弱のカードゲームを用意。バイオリンを奏でる人もいて、BGMとして場を盛り上げるのに一役買った。
 
大正琴の演奏に挑戦する女性。「初めてだけど、なんかできた」

大正琴の演奏に挑戦する女性。「初めてだけど、なんかできた」

 
小道具を使った手品を披露する男性に子どもたちは興味津々

小道具を使った手品を披露する男性に子どもたちは興味津々

 
バイオリンを持ち込んだ男性(奥)は演奏したり教えたりした

バイオリンを持ち込んだ男性(奥)は演奏したり教えたりした

 
 その中、途切れることなく話し声がしていた区画では、女性たちがちぎり絵や新聞紙を活用したブローチづくりを楽しんでいた。「趣味を生かせるのなら」と参加した甲子町の木村房子さん(79)のブース。ものづくりをしていたと思うと、トランプゲームが始まったり、体験しに来た人が持ち込んだ手製のおにぎりを味わったりと、変化するやりたいことを好きなようにやって笑顔の花を咲かせていた。
 
ものづくりを楽しむ女性たち。教えるのは木村房子さん(右から2人目)

ものづくりを楽しむ女性たち。教えるのは木村房子さん(右から2人目)

 
ちぎり絵の名札を作ったり、トランプしたり、お茶っこしたり

ちぎり絵の名札を作ったり、トランプしたり、お茶っこしたり

 
 紙製の小さな花を束ねてブローチを完成させた甲子町の小向久子さん(83)は「ぼけ防止になる。新しいことに触れられた」と笑顔を見せた。大型連休中の子どもたちの帰省がずれたことから「来れた」と喜んだのは佐野才子さん(77)。「お友達と過ごす楽しいGWになった」と表情は明るかった。
 
細かな手作業で花束のようなブローチを作る参加者

細かな手作業で花束のようなブローチを作る参加者

 
 木村さんは「好きなことをできる空間があるのはいい。釜石でこういうものづくりをやっている人がいることを知ってもらえたらいい」と、企画を歓迎した。特技を生かした活動を広く提供するのは、初めての挑戦。TETTOスタッフから事前に「人がくるか分からないですよ」と伝えられたこともあり、今回は自分で知人らに声をかけて臨んだ。にぎやかな声はしていたが、「近くに住む人がもう少し来てくれたら」と残念がる。それでも「楽しくできるから、またやってみたい」と意欲を高める。
 
 参加に当たって活動名は「fufufu」とした木村さん。“fu(ふ)”が3つで“ふさこ”だからと言って「フフフ」といたずらっぽく笑った。
 
 射的やボードゲームなどを楽しめる遊びの空間、キッズスペースも用意。「懐かしい」などと言いながら夢中になる親子連れの姿がみられた。
 
ダーツや射的などのゲームを楽しめる遊びの空間も

ダーツや射的などのゲームを楽しめる遊びの空間も

 
カードゲームで参加者と触れ合うTETTOスタッフ(左)

カードゲームで参加者と触れ合うTETTOスタッフ(左)

 
 閑散とした雰囲気をやわらげようと、TETTOスタッフの阿部美香子さん(47)が企画した。きっかけとなったのは、少し前に目にした新聞のコラム。「文化という資源を享受するのが難しい人が増えている」というような視点に触れ、ハッとさせられた。「文化的素養にも経済的な要素が関わる…そうではいけない」。できることと言えば、「やりたいことをやってもらえる場所ならある。提供しよう」と実行した。
 
 ただ、「突然だったから、やっぱり」と苦笑いする阿部さん。こじんまりでも、参加してくれた人たちが思い思いに時間を過ごし、聞こえてくる声や音に総合文化施設としての役割をあらためて考えさせられたようだ。演奏を聴いたり演劇を観たりする時だけでなく、「気軽に立ち寄れる、そして人と関われる場所でありたい」。普段から感じていることを実践させる形として、一坪から生まれる交流を「続けていけたら」と模索する。