「思い出深い最後の1年に」 白山小 閉校への取り組み始動 16日の運動会で復刻応援歌、種目導入

2026年度で閉校し平田小と統合する白山小。5月16日には最後の運動会が開かれる
釜石市嬉石町の白山小学校(鈴木慎校長、児童27人)は、児童生徒数の減少に伴う市学校規模適正化・適正配置推進計画により、2026年度をもって閉校する。1951(昭和26)年の開校から76年の歴史を刻む同校最後の1年を、在校生、卒業生、地域住民ら関わってきた大勢の人たちの心に残るものにしようと、各種取り組みが始まっている。16日に開かれる運動会では、かつて歌われていた紅白各組の応援歌や、名物種目を復活。会の後にキッチンカーによる飲食交流の時間も設け、親子や地域住民が思い出を作る機会とする。
同校最後の運動会に向け、児童、教職員らは各種種目や応援合戦の練習に励んでいる。1~6年生を縦割りで紅白2組に分け、対抗で競う運動会。7日午前に行われた“紅白集会”におじゃますると、各組がそれぞれに応援合戦の練習中。応援歌、エール、三三七拍子を太鼓のリズムに合わせて繰り返し練習した。

赤組の応援練習。元気いっぱいの声を響かせる=7日、ミーティングルーム

復活させた応援歌(左上)などを熱心に練習。上級生の指導のもと三三七拍子も息を合わせて…
紅白の両応援歌は同校運動会の定番だったが、いつからか歌われなくなっていた。卒業生らの思い出の曲をもう一度、みんなで歌おうと、過去の記録媒体などを頼りに復活。応援の要として児童らが元気な声を響かせる。また、過去の運動会で行われていた名物種目「チャンスレース」も復活させる。児童らがより意欲的に取り組めるようにと初めての種目も。少人数の強みを生かし、紅白対抗の「大縄跳び」に挑戦する。
白組応援団長の藤井望夢さん(6年)は初めて歌う応援歌に「最初は難しかったけど、歌えるようになってきた。白組に力をもらえそう」と当日を楽しみに。団長として「率先して声を出し頑張りたい。みんなで跳ぶ大縄跳びも楽しみ」と胸を躍らせる。赤組同の佐々木莉愛さん(同)は「覚えやすい応援歌。下級生も真似してすぐ覚えた」と話し、「みんなで勝てるように練習を頑張る。最後だから優勝したい」と意気込む。

上級生が旗を振りながら応援練習する白組=7日、体育館

運動会当日は紅白応援歌それぞれの歌詞にも注目!
全校児童で取り組む種目「白山ソーラン」の練習にも力が入る。8日は、運動会に同種目を取り入れた“スターター”で元教員の髙橋道明さん(64)=西和賀町在住=を招き、演舞に磨きをかけた。秋田県を拠点に活動する劇団の「わらび座ソーラン」を取り入れた踊りは高学年が披露してきたが、今回は高学年が低学年に伝える形で練習を重ねる。髙橋さんからは「体全体を使って大きく踊って」などとアドバイスをもらった。
「憧れていた踊りなのでうれしい。キレのいい感じを見てほしい」と意気込むのは平野愛茉さん(3年)。「かっこいい踊りを」と目標を掲げる佐々永翔さん(5年)は「はー、どっこいしょおっ、どっこいしょ!」との元気なかけ声も響かせようと気合を入れる。

大きくてかっこいい「白山ソーラン」を目指し練習する児童。体全体を使って踊る

白山ソーランの生みの親、髙橋道明さん(写真左)から指導を受け、さらにパワーアップ。児童らは気合十分!
ソーランは髙橋さんが赴任した2008年に導入。以前、取り組んでいた組み体操に代わる新たな種目として試行した。釜石は漁師町でもあることから地域住民の受け止めも好意的で、踊る児童は見てもらう喜びを感じ、定着していった。
東日本大震災があった11年、高台にある同校は避難所になったが、運動会は計画通り、この時期に実施。ソーランの練習をしていると、音や声に誘われ避難者、地域住民が集まってきた。子どもたちが懸命に踊る姿に「元気づけられると泣いていた」と、当時を思い起こす髙橋さん。みんなで踊る本番では「15年前のあの時、地域の力になったように一生懸命さを伝えてほしい」と願う。

「行くぞー!」全員で運動会本番に向け心を一つにする
同校では26年度で閉校を迎えるにあたり、本年2月、教職員らによる校内閉校事業推進委員会を立ち上げた。これまで学校運営に協力してきた地域住民、保護者、卒業生の熱い思いを受け止め、最後の1年に何ができるか、学校行事や各種活動の在り方について意見交換を行った。今回の運動会に導入したアイデアも同委員会での案を基にしたもの。合わせて4月には、地域、保護者、学校の三者で構成する閉校事業実行委員会(橘内修委員長、33人)を設立。4部会を組織し、閉校式典や記念行事の開催、記念誌発刊、記念碑建立に向け取り組みを進めていくことを決めた。
地域と関わる活動としては、各年代の「卒業生のお話を聞く会」を6月から複数回に分けて開催。地域住民と全児童27人が対話する「トークフォークダンス」も行う。校内職員室前には、来校した人たちに書いてもらったメッセージカードを掲示する「ありがとうの木」のボードを設置中。多くの人たちの白山小への思いを目に見える形で発信する。

来校者のメッセージを掲示する「ありがとうの木」。鈴木慎校長(左)らがPR。年度末には白山小への思いが“大樹”となる
この他、校歌や復活させた応援歌、児童会の歌などを収録し後世に残すことや、閉校式典で披露するオリジナルソングを児童らが参画して制作することなども検討中。鈴木校長は「一番大事にしたいのは本校に関わってきた人たちの思い。地域に学校がなくなる寂しさだけでなく、『いい1年だった』『いい終わり方だった』と感じてもらえるような1年にしたい。みんなが笑顔で終われるように…」と願う。児童には各種活動に主体性を持って取り組むことを望み、「最後の在校生として、白山小のために自分たちが何をしたか、はっきり見えるような1年に」と期待を込める。

7日は紅白対抗の全員リレーの練習も。勝利への鍵となるバトンパス

本番を楽しみに練習に励む。ワクワク感いっぱいの笑顔が花咲く

釜石新聞NewS
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