歌で応援したい!鉄のまち釜石 奥州市のボランティア団体 作詞楽曲CDを届ける

作詞楽曲のCDを釜石に届けた奥州市のボランティア団体のメンバー(左)
東日本大震災から15年を迎えた岩手県沿岸部の被災地域に思いを寄せて作った楽曲をCDにし、配布活動を始めた奥州市のボランティア団体「雑草華のように蘇る会」(伏見慈団長)のメンバーが8日、釜石市を訪れ、「何かしらの励みになれば」と市関係者にCDを手渡した。釜石を題材にした曲があることから、市民らに広く聴いてもらえる方法など、市から助言をもらう機会にもした。
同団体は今年、設立されたばかり。奥州市の佐藤巌さん(81)が作詞した曲を紹介したり、高齢者施設での触れ合いボランティア活動などに取り組む。メンバーとして6~7人が協力。佐藤さんは団体責任者でもあり、以前から自身が考えた歌詞に好きなようにメロディーをつけて歌ってもらうような取り組みもしていた。
佐藤さんは今回、釜石市、大船渡市、遠野市を題材に3曲を作詞。秋田県出身の演歌歌手、山川大介さんが作曲、編曲に協力し、歌唱も担当してCD化した。各市の1曲を収めたものを100枚ずつ、3曲収録したものを50枚制作。大漁旗を掲げる漁船や五葉山の風景などを織まぜた大船渡をテーマにした楽曲「漁港の香り」のCDは、4月に三陸町越喜来であったイベントで無料配布した。

釜石や大船渡、遠野を題材にした歌を作詞した佐藤巌さん
釜石での活動を模索する中、佐藤さん、伏見団長(66)、メンバーの藤澤育代さん(71)が来訪し、市保健福祉部の鈴木伸二部長と懇談。近代製鉄発祥の地としての歴史、世界遺産・橋野鉄鉱山が刻む証しなどを盛り込んだ楽曲「心の魂釜石」を聴かせ、詞に込めた思いやCD制作の過程を伝えた。
震災以降、沿岸部の復興は進んだが、人口減少をはじめ活気の低下が指摘される。地域をテーマにした歌で「活気づけたい」と、作詞に取り組んだ佐藤さん。誕生の地であり、製鉄所勤めと仕事場にもなった釜石での思い出を詞につづった。♪自慢の製鉄 煙突は 世界遺産の 風が吹く…。入社後まもなく君津(千葉県)の製鉄所に出向し、約30年働いた。「私が持つ思い出が、皆さんの心のつえ(支え)になれば」。旅立つ若者たちが「古里を誇りに思い、未来あるまちづくりをしてほしい」と思いを込めた。
鈴木部長は「メロディーがすっと入ってくる。駅前に製鉄所の煙突がそびえ立った当時を知る人は懐かしく聴けるのでは」と感想を話した。それぞれ曲に合わせた映像も制作予定との説明を受け、周知の仕方を庁内で検討したいとの対応。CD配付については「福祉まつりなどの催しで紹介するのはどうか」などと案を出した。

釜石でできる取り組みについて市関係者と意見を交わした
そうした対応を受け、釜石に嫁ぎ20年生活した藤澤さんは「地域の歌を地元の皆さんに喜んでもらえたら。長く浸透する曲になればうれしい」と期待。夫が釜石出身という伏見団長は「話を聞いてくださって感謝。この曲が地域に定着し歌い継がれていけば、会としての地域貢献になる」と、活動の方向性を探る機会になったことを喜んだ。
佐藤さんは、総本山身延山久遠寺の身延山本願人継承会員「五代当匠継承者龍生」としての肩書も持ち、「龍生」との名で作詞に取り組む。母の生まれ故郷でもあることから作詞した楽曲「ふるさと遠野」は、農作業の厳しさの中に喜びを見いだす農婦の心情を歌う。今後の活動は定まっていないが、「この3曲が、地域が活気を取り戻す一助になればうれしい」と願う。

釜石新聞NewS
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