「ひとつぼ」から広がる交流 GWの釜石・TETTO ロビーが「好き」を見せる場に


2026/05/08
釜石新聞NewS #地域

釜石市民ホールのロビーを使った催し「ひとつぼてっと」

釜石市民ホールのロビーを使った催し「ひとつぼてっと」

 
 「ひとつぼてっと!」でやりたかったことをやってみよう―。そんな呼びかけの催しが、大型連休中の釜石市大町の市民ホールTETTOであった。この期間は施設利用が少なく、静まりかえっていることから、何とか人を呼び込もうと考えた突然企画。ロビーを開放し、一坪(縦横約1.8メートル)という限られたスペースを使って好きなことを自由に楽しんでもらった。
 
 この企画は3、4の2日間開催。4日にのぞいてみると、大正琴の教室、陶器や雑貨などを並べたフリーマーケット、マジック体験など楽しめる区画ができていた。ゲーム相手を探したい人が、神経衰弱のカードゲームを用意。バイオリンを奏でる人もいて、BGMとして場を盛り上げるのに一役買った。
 
大正琴の演奏に挑戦する女性。「初めてだけど、なんかできた」

大正琴の演奏に挑戦する女性。「初めてだけど、なんかできた」

 
小道具を使った手品を披露する男性に子どもたちは興味津々

小道具を使った手品を披露する男性に子どもたちは興味津々

 
バイオリンを持ち込んだ男性(奥)は演奏したり教えたりした

バイオリンを持ち込んだ男性(奥)は演奏したり教えたりした

 
 その中、途切れることなく話し声がしていた区画では、女性たちがちぎり絵や新聞紙を活用したブローチづくりを楽しんでいた。「趣味を生かせるのなら」と参加した甲子町の木村房子さん(79)のブース。ものづくりをしていたと思うと、トランプゲームが始まったり、体験しに来た人が持ち込んだ手製のおにぎりを味わったりと、変化するやりたいことを好きなようにやって笑顔の花を咲かせていた。
 
ものづくりを楽しむ女性たち。教えるのは木村房子さん(右から2人目)

ものづくりを楽しむ女性たち。教えるのは木村房子さん(右から2人目)

 
ちぎり絵の名札を作ったり、トランプしたり、お茶っこしたり

ちぎり絵の名札を作ったり、トランプしたり、お茶っこしたり

 
 紙製の小さな花を束ねてブローチを完成させた甲子町の小向久子さん(83)は「ぼけ防止になる。新しいことに触れられた」と笑顔を見せた。大型連休中の子どもたちの帰省がずれたことから「来れた」と喜んだのは佐野才子さん(77)。「お友達と過ごす楽しいGWになった」と表情は明るかった。
 
細かな手作業で花束のようなブローチを作る参加者

細かな手作業で花束のようなブローチを作る参加者

 
 木村さんは「好きなことをできる空間があるのはいい。釜石でこういうものづくりをやっている人がいることを知ってもらえたらいい」と、企画を歓迎した。特技を生かした活動を広く提供するのは、初めての挑戦。TETTOスタッフから事前に「人がくるか分からないですよ」と伝えられたこともあり、今回は自分で知人らに声をかけて臨んだ。にぎやかな声はしていたが、「近くに住む人がもう少し来てくれたら」と残念がる。それでも「楽しくできるから、またやってみたい」と意欲を高める。
 
 参加に当たって活動名は「fufufu」とした木村さん。“fu(ふ)”が3つで“ふさこ”だからと言って「フフフ」といたずらっぽく笑った。
 
 射的やボードゲームなどを楽しめる遊びの空間、キッズスペースも用意。「懐かしい」などと言いながら夢中になる親子連れの姿がみられた。
 
ダーツや射的などのゲームを楽しめる遊びの空間も

ダーツや射的などのゲームを楽しめる遊びの空間も

 
カードゲームで参加者と触れ合うTETTOスタッフ(左)

カードゲームで参加者と触れ合うTETTOスタッフ(左)

 
 閑散とした雰囲気をやわらげようと、TETTOスタッフの阿部美香子さん(47)が企画した。きっかけとなったのは、少し前に目にした新聞のコラム。「文化という資源を享受するのが難しい人が増えている」というような視点に触れ、ハッとさせられた。「文化的素養にも経済的な要素が関わる…そうではいけない」。できることと言えば、「やりたいことをやってもらえる場所ならある。提供しよう」と実行した。
 
 ただ、「突然だったから、やっぱり」と苦笑いする阿部さん。こじんまりでも、参加してくれた人たちが思い思いに時間を過ごし、聞こえてくる声や音に総合文化施設としての役割をあらためて考えさせられたようだ。演奏を聴いたり演劇を観たりする時だけでなく、「気軽に立ち寄れる、そして人と関われる場所でありたい」。普段から感じていることを実践させる形として、一坪から生まれる交流を「続けていけたら」と模索する。

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