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「うま」書けたよ! 正福寺幼稚園年長児が書き初め 日本古来の風習を体験

「ウマ(午)く書けた~!」。初めて“書き初め”を体験した正福寺幼稚園の年長児ら

「ウマ(午)く書けた~!」。初めて“書き初め”を体験した正福寺幼稚園の年長児ら

 
 日本の新年に欠かせないワードと言えば「初○○」「○○始め」。初詣、初日の出、初売り、仕事始め、稽古始め…とさまざまあるが、伝統的な風習の一つが「書き初め」。釜石市内では昭和の時代に、“小川(こがわ)体育館”の愛称で親しまれた新日鉄釜石体育館(後の市民体育館)で大々的な書き初め大会が行われていたことを記憶する市民もいるのではないか? そんな日本の伝統「書き初め」を市内の幼稚園児が体験した。
 
 書き初めをしたのは、甲子町の正福寺幼稚園(松岡公浩園長、園児24人)の年長児9人。23日、園舎に隣接する正福寺(須藤寛人住職)に足を運び、新年&人生?初の書道に挑戦した。教えるのは、同園を運営する学校法人釜石学園の理事長でもある須藤住職。「お正月がきて初めて書く習字を書き初めと言います。みんなは小学校に行くと習字を始めます。今日は(その前に)少し勉強しましょう」と話し、書き方の指導が始まった。
 
書道用の筆や墨汁に興味津々。「どうやって書くのかな?」

書道用の筆や墨汁に興味津々。「どうやって書くのかな?」

 
 園児が書くのは、今年のえと「うま」の平仮名2文字。始めに点や横線、縦線などの書き方を新聞紙で練習した。仕上げは“ま”の縦線を左にぐるっと回す練習。園児たちは、筆先に墨汁を付けて字を書くという初めての感覚にワクワク、ドキドキ。「難しいねー」などと声を上げながら筆を運んだ。
 
「先生、書けたよ!」。初めての筆文字に笑顔を広げる園児

「先生、書けたよ!」。初めての筆文字に笑顔を広げる園児

 
お題は今年のえと「うま」。須藤住職がお手本を見せる

お題は今年のえと「うま」。須藤住職がお手本を見せる

 
 そしていよいよ、真っ白い半紙に清書。ちょっぴり緊張しながらも、のびのびと筆を動かし、練習の成果を表した。子どもらしいダイナミックな作品のほか、書道家のような味わいのある作品も。見守った先生方も驚く素敵な作品に仕上がった。最後は細い筆に持ち替え、自分の名前も書き入れた。
 
 鍵寧花ちゃん(5)は「点、書くところが面白かった。うまく書けたので、お父さんに見せたい。お習字はまたやってみたい」とにっこり。残り少ない幼稚園生活の楽しい思い出をまた一つ増やした。
 
真剣なまなざしで半紙に向かう。ゆっくりと慎重に筆を動かす

真剣なまなざしで半紙に向かう。ゆっくりと慎重に筆を動かす

 
清書2枚目に挑戦。「う」の点の書き始めを見定めながら…

清書2枚目に挑戦。「う」の点の書き始めを見定めながら…

 
個性あふれる「うま」文字に大人たちも顔をほころばせる

個性あふれる「うま」文字に大人たちも顔をほころばせる

 
 須藤住職は「みんな、想像以上に上手に書けていた。こういう風習が日本にずっとあったことを覚えていてもらえれば」と期待。同寺では東日本大震災後、被災者が写経にいそしむ場を提供したこともあった。「書道は集中できて、書いている間は嫌なことも忘れられる」と心の安定効果を挙げ、「大きくなっても書道に触れる機会を持ってもらえれば」と望んだ。
 
 仏教の教えを保育に取り入れる同園では、日本の伝統文化に触れる機会を大事にする。書き初めはコロナ禍でしばらく休止していたが、昨年から復活。松岡園長は「初めてやることは(子どもが成長する上での)一つの経験として大切。いろいろな視野を広げることにもつながる。正月にちなんだ催しなどと抱き合わせで、園の新春行事として発展させていければ」と継続実施を願う。
 
園児からは「楽しかった」「面白かった」「墨がちょっとこわかった」など、さまざまな感想が…。小学校でもがんばるぞー!

園児からは「楽しかった」「面白かった」「墨がちょっとこわかった」など、さまざまな感想が…。小学校でもがんばるぞー!

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迅速・的確に!油流出に備え、防除手順確認 関係機関、釜石港で訓練 連携深める

油の流出を想定した訓練で防除の手法を確認する参加者

油の流出を想定した訓練で防除の手法を確認する参加者

 
 釜石港や周辺海域に関係する26機関でつくる岩手県沿岸排出油等防除協議会釜石地区部会(事務局・釜石海上保安部)は21日、釜石市大平町の県オイルターミナル(略称・IOT)専用桟橋周辺で油の海上流出事故に備えた対策訓練を行った。釜石海保や石油会社など同協議会の関係者ら35人が参加。早期解決に向けた関係機関の連携、被害を抑えるために必要な対応策を確認した。
 
 同協議会は、船舶事故などで油や有害液体物質が海に排出された際、関係機関が連携、協力を図って被害拡大を防止する。釜石地区部会ではコロナ禍で同訓練の実施を見送っていたが、2023年に必要な資機材の取り扱いを確認する形で再開した。
 
油流出事故に備えた対策訓練の開始式

油流出事故に備えた対策訓練の開始式

 
 開始式であいさつした釜石地区部会長の尾野村研吾・釜石海上保安部長によると、釜石港には年間1100隻ほどの大型船舶が出入港し、IOTには総容量約2万4000キロリットルの石油タンク(計8基)がある。各事業者の事故防止や防除体制の強化などにより、「ここ数年、油などの排水事故は発生していない」。
 
参加者を激励する釜石海保の尾野村研吾部長

参加者を激励する釜石海保の尾野村研吾部長

 
 全国的にも減少傾向だというが、「事故が発生した場合、地域生活や経済活動への悪影響は甚大」と指摘。「被害をいかに最小限に食い止めるかが重要。原因者の迅速かつ的確な防除と合わせ、関係者が協力して対処することも必要となる。訓練で日頃の取り組みを振り返り、練度の向上、相互連携の強化につなげてほしい」と激励した。
 
 訓練は、タンカーが岸壁に接触して船体に穴が開き、重油が海に漏れたとの想定。IOTの関係者は海上保安部に通報し、被害状況を調査。重油の広がりを防ぐため海上にオイルフェンスを張り、油吸着材を使って回収する手順を確かめた。
 
油に見立てた着色剤で海面が染まったのを確認、情報伝達を受け動き出す参加者

油に見立てた着色剤で海面が染まったのを確認、情報伝達を受け動き出す参加者

 
油の広がりを抑えるためオイルフェンスを張る作業船

油の広がりを抑えるためオイルフェンスを張る作業船

 
油防除訓練で回収作業地点に資機材を運び込む参加者

油防除訓練で回収作業地点に資機材を運び込む参加者

 
油吸着材を使用して油を回収する手順を確認した

油吸着材を使用して油を回収する手順を確認した

 
 釜石海保の巡視船「きたかみ」の搭載艇やゴムボートによる放水、航走攪拌(かくはん)も実施。万一、設置したオイルフェンスから漏れ出た場合の分散処理につながる方法として実演した。海に見立てた水槽に油を浮かべ、油吸着材による回収や油処理剤の散布による微細化の様子を見せる講習もあった。
 
船からの放水や高速走行で油の分散処理につなげる訓練

船からの放水や高速走行で油の分散処理につなげる訓練

 
重油を使って吸着材や処理剤の取り扱いを説明する講座

重油を使って吸着材や処理剤の取り扱いを説明する講座

 
 警察や消防、港湾関係者ら約20人が見学しており、釜石海保警備救難課の池田隆課長が訓練内容を解説した。自身が携わった事案として、2021年に八戸港沖で発生した外国船籍の貨物船の油流出事故を挙げ、「船を撤収するまでに5年かかった」と、ひとたび起これば長期間、その地域に甚大な被害をもたらす可能性があることを示唆。「いつ、どこで、こうした事故が起こるか分からない。この訓練での動き、感じ考えたことをそれぞれの機関で共有してほしい」と求めた。
 
 IOTの柏﨑理(おさむ)統括マネジャーによると、同桟橋にオイルタンカーが着岸する際、日常的にオイルフェンスの展張を行っている。訓練では普段の作業時と同様にスムーズにできたとした上で、「協議会の連携強化と防除のスキル向上について、参加者の真剣な姿勢によって十分に達成されたと認識。特に油吸着材の効果的な使用法についての実践は今後の貴重な財産となった」と手応えを実感。「皆さんが使うエネルギーを預かっていることから、安定供給と安全操業を続ける」と気を引き締めた。
 
訓練参加者の動きを見守り、総評したIOTの柏﨑理統括マネジャー

訓練参加者の動きを見守り、総評したIOTの柏﨑理統括マネジャー

 
 池田課長も「油防除の手法を会員にしっかりと伝えられ、有効な訓練となった」との認識。油流出の事故が起きた場合、「早い通報、流出範囲の特定など時間の速さが大事になる。協議会の会員が持つ資機材を集め、できるだけ早く現場に投入することも重要で、今回の訓練を生かし、連携して対応したい」と話した。

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日本製鉄釜石シーウェイブス パブリックビューイング in 釜石PIT Supported by J SPORTS vol.2 NECグリーンロケッツ東葛戦

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対象試合

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26 ディビジョン2 第5節
vs. NECグリーンロケッツ東葛 ビジター戦 
https://kamaishi-seawaves.com/news/game/28667/

 

日本製鉄釜石シーウェイブスを見るならJ SPORTS!
J SPORTSオンデマンドではジャパンラグビー リーグワンDiv.1~3の全試合を徹底配信

日時

2026年2月8日(日) 12:00 キックオフ(開場 11:30開場)

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

 

■入場無料
■来場者全員にスタンプカードを進呈…来場するほどお得!スタンプカードをためて特典GET!
■飲食・飲料の持込可。(アルコールは不可) 

主催

一般社団法人釜石市―ウェイブスRFC
協力:釜石ラグビー応援団/釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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虎舞、餅つき…元気いっぱい楽しむ かまいしこども園・新春まつり 心も体もぽかぽかに

元気いっぱい虎舞を披露する「かまいしこども園」の園児

元気いっぱい虎舞を披露する「かまいしこども園」の園児

 
 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児81人)は17日、同市大町の市民ホールTETTOで新春まつりを開いた。虎舞の引き継ぎ式、餅つき会、バザーなどの園行事をひとまとめにした楽しさ満点の企画。豚汁のお振る舞いやキッチンカーなど飲食提供もあり、園児や保護者、地域住民らは身も心もぽかぽかにした。
 
 まつりは年長児13人による虎舞の発表でスタート。年中児16人のおはやしに合わせ、年長児たちが扮(ふん)するかわいらしい虎たちが跳ねたり寝転がったり、元気いっぱいに舞を披露した。
 
年長児が虎頭を持って踊り、年中児が後方からおはやしで盛り立てる

年長児が虎頭を持って踊り、年中児が後方からおはやしで盛り立てる

 
 虎頭の引き継ぎでは、年長児が年中児へ「腰を低くして踊るとかっこいいよ」などとアドバイスしながら手渡した。花川蓮君(6)は「緊張したけど頑張った。うまくできたから楽しかった。ちょっと悲しいけど、かっこよく踊ってほしい」と名残惜しそう。受け取った井上陽斗君(4)は「うれしい。めちゃくちゃ頑張りたい」と笑顔を見せた。
 
虎を演じる時に気を付けるポイントを伝える年長児

虎を演じる時に気を付けるポイントを伝える年長児

 
受け取った年中児は虎頭を大事そうに抱えて笑顔を見せた

受け取った年中児は虎頭を大事そうに抱えて笑顔を見せた

 
 虎舞は同園の前身、釜石保育園時代から続く。きっかけは東日本大震災。津波で園舎が全壊し、仮園舎で過ごす中で園児や保護者らを元気づけようと始めた。天神町に再建後も恒例行事として継続。今年度は園行事や市内で開かれるイベントなどで披露した。
 
 式では、長年指導する岩間久一さんらに年長児がお礼の気持ちを伝えた。今年度から指導役を担う北山到さん(33)は「最後の踊りに成果を出し切って楽しく踊っていた」とうれしそうに話した。
 
指導者を交えて記念にパチリ。踊り終えて満足げな年長児

指導者を交えて記念にパチリ。踊り終えて満足げな年長児

 
 郷土芸能として虎舞を継承した後は、餅つき会で盛り上がった。年長児が育てたもち米を使用。子どもたちは、大人からアドバイスを受けたり協力し合いながら、「よいしょ!」の掛け声で思い切りきねを振り下ろし、元気よく餅をついた。
 
「よいしょ」「ぺったん」とのかけ声で餅つきを楽しむ

「よいしょ」「ぺったん」とのかけ声で餅つきを楽しむ

 
「おいしいねー」。つきたてのお餅を味わう親子

「おいしいねー」。つきたてのお餅を味わう親子

 
 つきたての餅はしょうゆ、きな粉で味付け。あたたかい豚汁と合わせて振る舞われた。おいしそうに頬張る蓮君の姿に、母の由希子さん(42)は「最後の踊りに泣いてしまった。切なくなって…お兄ちゃんのまねして踊っていたのが、いつの間にか成長し、うまくなっていた」と感慨深げに話し、「人を思いやれる気持ちを持ち続けてもらえたらいい」と優しいまなざしを向けた。
 
たくさんの人でにぎわった新春まつり

たくさんの人でにぎわった新春まつり

 
 例年、最後の発表の場となっていた全国虎舞フェスティバル(2月)が隔年開催となったため、ステージで踊る楽しい思い出を残してもらおうと企画した。藤原園長は「虎舞は釜石にとって大事な文化。小さい頃から触れることで、音を感じ、仲間と息を合わせることや未来につないでいくという気持ちも育んでいる。これをきっかけに、郷土芸能を続けてもらえたら」と期待。今回は「地域の中のこども園」を目指していることから、誰もが楽しめるようイベント化して街中で開いた。

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第18回鉄の検定 難問突破、成績優秀小中学生13人を表彰 1級認定は3人

第18回鉄の検定で成績優秀者として表彰された小中学生と学校関係者ら

第18回鉄の検定で成績優秀者として表彰された小中学生と学校関係者ら

 
 “鉄のまち釜石”を深く知ることができる「鉄の検定」が、昨年12月に行われた。18回目となる本年度は釜石市内の小中学生133人が挑戦。中学生の部では90点以上の1級に3人、80点以上の2級に7人が認定された。小学生の部上位3人を含む13人が表彰対象となり、今月17日、大平町の鉄の歴史館で表彰式が行われた。
 
 同検定は“近代製鉄発祥の地”釜石市で続けられるご当地検定。盛岡藩士大島高任が釜石・大橋で国内初の鉄鉱石を原料とした鉄の連続出銑に成功した日に由来する「鉄の記念日(12月1日)」の前後に実施される。鉄のふるさと釜石創造事業実行委員会(会長:小野共市長)が主催。近代製鉄発祥150周年となった2008年から行われている。
 
 本年度は小学生の部に平田小の5年生、中学生の部に釜石中、釜石東中の1年生が団体受検。小中共通の問題50問に挑んだ。出題は大きく分けて▽鉄と釜石に関わる歴史、文化財▽大島高任と田中製鉄所に関わった偉人▽世界遺産―の3分野。答えは4つの中から正解を選ぶ方式で、制限時間は30分。100点満点中、小学生の最高得点は72点、中学生は96点だった。
 
鉄の歴史館で行われた表彰式。対象者9人が出席した=17日

鉄の歴史館で行われた表彰式。対象者9人が出席した=17日

 
小学生の部1位(72点)で表彰された田中玲那さん(平田小5年)

小学生の部1位(72点)で表彰された田中玲那さん(平田小5年)

 
 表彰式には対象となった13人中9人が出席。家族や学校関係者が見守る中、同実行委会長の小野市長から賞状と副賞(文房具、世界遺産記念グッズ、鉄鉱石など)を受け取った。表彰を受けた小中学生からは「鉄についてたくさん勉強できた」「もっと知識をつけたい」「次は1級を目指して頑張る」などの声が聞かれた。
 
 全受検者で最高の96点をマーク、1級に認定された中学生の部1位の佐々木朋哉さん(釜石中1年)は同検定初挑戦。「まさか1位になれるとは」と驚きと喜びを表した。「過去問題を隙間時間にひたすら解いていた。かなり難しかったが、量をこなしていくうちに覚えていった」と勉強法を明かした佐々木さん。「もっと勉強して、次はアイアンマスター(100点に贈られる称号)を目指したい」と意気込んだ。釜石が近代製鉄発祥の地であることに、「誇らしい。知らない人にも釜石の鉄の魅力を伝えたい」と頼もしい言葉も。
 
中学生の部1位(96点)で表彰された佐々木朋哉さん(釜石中1年)

中学生の部1位(96点)で表彰された佐々木朋哉さん(釜石中1年)

 
式には表彰を受けた小中学生の家族らも出席。頑張りをたたえた

式には表彰を受けた小中学生の家族らも出席。頑張りをたたえた

 
 市内の小中学校では郷土学習の一環で、児童生徒が釜石の製鉄の歴史を学ぶ。鉄の歴史館や釜石鉱山展示室Teson、世界遺産になっている橋野鉄鉱山などの見学のほか、市や県から講師を招いて座学を行う学校も。2022年度からは中学校全5校で1年生による「鉄づくり体験」がスタート。本年度から小学校全9校で5年生が「鋳造体験」を行うなど、小中一貫の教育が進む。

 
一人一人、鉄の検定の感想を発表。「もっと勉強してみたい」などの声が聞かれた

一人一人、鉄の検定の感想を発表。「もっと勉強してみたい」などの声が聞かれた

 
表彰式後は親子で館内を見学。各種展示資料に見入った

表彰式後は親子で館内を見学。各種展示資料に見入った

 
 検定の問題を作成した市教委文化財課の加藤幹樹主査は「80点以上はかなり勉強しないと取れないレベル。過去問題やパンフレットでの学習以外に、体験学習や鉄関連イベントへの参加など自ら学びにいかなければ正解できない問題もちりばめた」と明かす。その上で「鉄に関する問題は釜石に特化したものがほとんど。(検定を通じて)子どもたちが知識として蓄えてくれるのはうれしい。地元のことを知る機会をさらに充実させ、やる気を持って取り組めるようにしたい」と今後を見据える。
 
 本年6月には大島高任生誕200年の節目を迎える。市教委の髙橋勝教育長は「鉄を通して古里釜石を大切に思う心を持ち続けてほしい。さらに学びを深め、鉄の魅力を発信できる人になってほしい」と期待した。

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県消防職員意見発表会 釜石大槌消防本部代表に前川柊哉さん(釜石署)を選出

意見発表した(右から)釜石消防署の佐藤優樹さん、前川柊哉さん、大槌消防署の大久保太陽さん

意見発表した(右から)釜石消防署の佐藤優樹さん、前川柊哉さん、大槌消防署の大久保太陽さん

 
 2月16日開催の第49回岩手県消防職員意見発表会(県消防長会主催)への出場者を決める釜石大槌地区行政事務組合消防本部(駒林博之消防長)の選考会が14日、釜石市鈴子町の釜石消防庁舎で開かれた。釜石、大槌両消防署に勤務する消防士3人が、業務に関わる課題や改善策を発表。審査により、釜石署の前川柊哉さん(28)が同消防本部の代表に選ばれた。
 
 同発表会は若手消防職員が業務の諸課題解決へ意識を高め、さらなる研さん、業務改善につなげるのが目的。県内12消防本部から代表1人が出場して意見発表を行う。釜石大槌地区消防本部の本年度の代表選考会には、釜石消防署の佐藤優樹さん(25)、前川柊哉さん(28)、大槌消防署の大久保太陽さん(23)が出場。制限時間5分の中で、自らの経験を基にそれぞれの視点で意見を述べた。
 
県消防職員意見発表会に向けた釜石大槌地区行政事務組合消防本部の代表選考会=14日

県消防職員意見発表会に向けた釜石大槌地区行政事務組合消防本部の代表選考会=14日

 
「サイレンが届く社会へ」と題して発表した佐藤優樹さん(25)

「サイレンが届く社会へ」と題して発表した佐藤優樹さん(25)

 
 佐藤さんは、救急出動など緊急車両の走行時に進路を譲ってもらえない場面が増えていることに危機感を表した。一般車両が進路を譲ることは道路交通法で定められている義務だが、社会意識の低下が見られるという。改善策としてシミュレーターなどでの緊急車両の接近体験、緊急走行中の動画を利用したSNSなどでの意識啓発、子どものころからの交通教育を提案。「サイレンが届かない社会は命の優先順位を失った社会。進路を譲る行為は人の命を救う行動である」と訴えた。
 
「消防分野におけるAI導入の現状と有用性」と題して発表した大久保太陽さん(23)

「消防分野におけるAI導入の現状と有用性」と題して発表した大久保太陽さん(23)

 
 大久保さんは、消防分野へのAI導入の可能性について発表した。AI(人工知能)技術を利用した消防ロボットシステムの研究、広域監視型火災検知システムの導入など国内の動きを挙げ、消防へのAI導入が職員の負担軽減につながると期待。緊急通報の内容解析、出動指令の自動分類のほか、火災現場などで隊員の心身の状態をAIが評価することで、疲労や心的ストレスによる受傷事故を未然に防げるのではないかと考えた。「今後、重要になるのはテクノロジーと現場知識の融合」とし、安全で効率的な消防活動の未来を描いた。
 
「私だから言えること」と題して発表した前川柊哉さん(28)

「私だから言えること」と題して発表した前川柊哉さん(28)

 
 同消防本部に採用される前、千葉市消防局で6年間勤務した経験を持つ前川さんは「私だから言えること」と題して発表した。都市部と地方の救急、火災件数や活動事案、課題の違いを示した上で、近年、顕著な広域化する大規模災害への対応には両方の経験が強みになると主張。都市部と地方の消防職員の交換留学(相互派遣)制度の運用を提案した。経験の幅が広がることで現場の対応力が格段に向上、ネットワークができることで緊急消防援助隊の派遣でも効力を発揮するなどの利点を挙げ、「実現すれば若手職員のレベル、モチベーションアップにもつながる」と今後の制度整備を望んだ。
 
 市教委の髙橋勝教育長、駒林消防長ら4人が審査員を務め、▽論旨の明確性、説得力▽業務に対する問題意識、発展性▽発表態度、表現力―の3項目で採点した。その結果、前川さんが同消防本部の代表に選ばれた。審査長の髙橋教育長は講評で、「喫緊の課題への対応、大規模災害を見据えた提言、新たな技術の活用と三者三様の提案で、とてもいい発表だった。代表の前川さんには県大会でもいい成績を挙げられることを期待したい」と述べた。
 
3人の発表には審査員のほか、消防職員約20人が耳を傾けた

3人の発表には審査員のほか、消防職員約20人が耳を傾けた

 
審査長の市教委、髙橋勝教育長(左)が講評。発表者3人の着目点をたたえ、今後につながるアドバイスも行った

審査長の市教委、髙橋勝教育長(左)が講評。発表者3人の着目点をたたえ、今後につながるアドバイスも行った

 
 代表に選ばれた前川さんは「都市部でも地方でも消防としてやることは変わらないが、出動件数、組織の風土、地理的環境などの違いがあり、目的達成までの過程も異なる。今回のような問題提起があれば、消防全体がさらに良くなるのでは」と期待。県大会に向け、「共に発表した2人の思いも背負って発表できれば。抑揚など伝え方をもう少し工夫し、本番に臨みたい」と意気込んだ。県消防職員意見発表会は2月16日午後1時から、盛岡市のアートホテル盛岡で開かれる。

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第27回釜石市郷土芸能祭

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市内に伝わる郷土芸能を皆様にご覧いただき、広く知っていただくとともに、郷土芸能の次世代への伝承・継承者の育成のため、2年に1回開催しているものです。
 
27回目となる今回は、市内8団体の出演に加え、平成23年に世界遺産登録された平泉町から、平泉町指定無形民俗文化財の『達谷窟毘沙門神楽』をゲストに迎え開催します。
 
皆様お誘いあわせのうえ、ぜひご来場ください。※入場は無料です。

 

市内出演団体(出演順)

尾崎町虎舞(市指定文化財) 10:15~
平田神楽 10:40~
外山鹿踊 11:15~
只越虎舞 11:40~
田郷鹿子踊 12:15~
錦町虎舞(市指定文化財) 12:40~
砂子畑鹿踊(市指定文化財) 13:05~
東前太神楽(市指定文化財) 14:20~

※時間はおおよその目安ですので前後する場合があります。
 
特別出演
達谷窟毘沙門神楽(たっこくのいわやびしゃもんかぐら)
※平泉町指定無形民俗文化財
13:35~
 
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日時

令和8年2月8日(日)
10:00〜(開場:9:30 ※終演予定15:00)

会場

釜石市民ホールTETTO ホールA (釜石市大町1-1-9)
入場無料

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 教育委員会 文化財課 文化財係
〒026-0003 岩手県釜石市嬉石町1丁目7番8号
電話 0193-27-7567 / FAX 0193-27-7568 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2026010700011/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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人にも環境にも優しく 新型車両、JR釜石線を走る 釜石駅で出発式「歴史を紡いで」

JR釜石線で営業運転が始まった新型車両「HB-E220系」。出発の合図で走り出す

JR釜石線で営業運転が始まった新型車両「HB-E220系」。出発の合図で走り出す

 
 JR釜石線の花巻-釜石駅間で19日、新型車両「HB-E220系」の営業運転が始まった。JR東日本盛岡支社によると、動力に「ディーゼルハイブリッドシステム」を搭載し、環境への負荷を低減。電動車いす対応のトイレやベビーカーなどを置けるフリースペースなども設けた「人と環境に優しい車両」だ。岩手県内の路線で新型車両が導入されるのは2017年の八戸線以来。初日は釜石駅(釜石市鈴子町)で出発式があり、“デビュー”を祝う住民や鉄道ファンらでにぎわいだ。
 
新型車両を見に来た住民や鉄道ファンらが記念撮影を楽しんだ

新型車両を見に来た住民や鉄道ファンらが記念撮影を楽しんだ

 
 新型車両は、ステンレス製で全長20.6メートル。2両編成で定員243人。軽油を使ったディーゼルエンジン発電機と蓄電池からの電力を単独または組み合わせて動力を発生させるハイブリッドシステムを採用する。ブレーキ時にモーターを発電機として利用し、蓄電池に充電。発電機や蓄電池からの電力を走行にも役立てるという仕組み。環境対策として、排気中の窒素酸化物(NOx)や黒煙などの粒子状物質(PM)を低減するエンジンを搭載する。
 
 利用者に対しては、通勤や通学時の乗降をスムーズにするため、従来の車両からドアを1カ所増やして片側3カ所とした。車いすやベビーカー利用者のためのフリースペース、電動車いす対応の洋式トイレも設置。また、各車両には防犯カメラと非常通話装置が設置されており、安全性の向上が図られている。列車が進む方を向いた座席や向かい合わせの「ボックス席」を主体とした車両から転換し、全席を窓に背を向けるロングシートとした。
 
明るい青と緑色のラインが入った車体。車内はロングシート化し広いフリースペースなどが設けられた

明るい青と緑色のラインが入った車体。車内はロングシート化し広いフリースペースなどが設けられた

 
ホームを挟んだ左側には従来の車両が停車。貴重な共演!?

ホームを挟んだ左側には従来の車両が停車。貴重な共演!?

 
 出発式は釜石駅のホームで行われ、約60人が駆け付けた。同支社の大森健史支社長が「沿線に住む皆さんの利用はもちろん、観光を目的とした利用の一助にもなり、沿岸部の盛り上げに貢献できれば」とあいさつ。釜石市の小野共市長は「鉄道は人と人、地域と地域を結ぶ大切なインフラ。この車両が多くの人々に愛され、地域とともに歩み、歴史を紡ぐことを期待する」と歓迎の気持ちを示した。
 
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出発式であいさつする(右から)大森健史支社長、小野共市長、渋谷祭雄駅長

 
 記念のクリアファイルが配布されたほか、車内も公開された。「列車が大好き」という三木夏樹ちゃん(4)は新型車両のシートに座って「前のと違うね。かっこいいね」と大はしゃぎ。母綾菜さん(41)は「新しい匂いがする。広いのもいい。次は乗って旅してみたい」とほほ笑んだ。
 
 初列車に乗るために前日に釜石入りした滝沢市の袖林北翔さん(24)は「環境や人の流れに配慮されていて、いい」と好感触を持った。座り心地もよい車両で「仙人峠の景色を楽しみたい」とわくわくした様子。鉄道は通勤、通学の手段だと話しつつも“乗り鉄”を自認し、「釜石線は遠野とか魅力的な観光があり、グルメも楽しめる。また乗ってみたい」と再訪への思いを口にした。
 
出発式に集まった地域住民や観光関係者ら

出発式に集まった地域住民や観光関係者ら

 
出発を前に表示を確認する運転士ら

出発を前に表示を確認する運転士ら

 
 午前9時2分、釜石駅の渋谷祭雄駅長と小野市長が手を挙げて出発の合図。市職員が虎舞を披露する中、初列車が走り出し、観光関係者らは横断幕を掲げたり手旗を振って見送った。
 
多くの人が横断幕や手旗を持って初列車を見送った

多くの人が横断幕や手旗を持って初列車を見送った

 
 釜石線ではダイヤ改正を行う3月14日以降は全列車が新型車両に切り替わる。渋谷駅長は「地域の顔として末永く愛される列車となるよう育てていきたい。ぜひ、ご利用を」と呼びかけた。
 
 同支社によると、県内では東北本線の盛岡―花巻駅間へも新型車両を投入。JR東では高崎エリアの八高線で先行し、昨年12月から高崎(群馬県高崎市)-高麗川(埼玉県日高市)駅間を走る。

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花輝く!異質の融和、遊び心で魅せる 草月流・村上マサ子さん、釜石で傘寿生け花展

80歳を迎え集大成の個展を開いた村上マサ子さん

80歳を迎え集大成の個展を開いた村上マサ子さん

 
 生け花の草月流一級師範理事で釜石草月会顧問の村上翠華(本名・マサ子)さん(80)=大槌町吉里々々=は17、18の2日間、傘寿を記念した個展「翠華展」を釜石市大町の市民ホールTETTOで開いた。生け花に親しんで半世紀以上。究めた技と遊び心、異質な物を融合させた“斬新さ”が光る作品10点を展示した。「集大成」と満面の笑顔を見せ、「欲張らないで、『私の花』をいけていきたい」。花道(はなみち)への愛着は変わらない。
 
 色とりどりの和洋の花、形状が面白い草木などをこだわりの花器にいけた作品はどれも豊かな感性があふれる。「花は、いけたら、人になる」「いける、生きる」という流派の根本をたどる中、見いだした遊び心や異質な物との組み合わせで独特の世界観を表現。22歳で始めた生け花だが、色の対比など日々研究を重ねていて、その成果としての“今”を見せた。
 
村上さんの感性があふれ出す作品が配置された展示会場

村上さんの感性があふれ出す作品が配置された展示会場

 
 大作「流木オブジェ」は「床の間風」に仕立てた空間に、縁起の良い松や梅、ストレチア(漢字表記は極楽鳥花)などを配し新年の祝いを表した作品。夫でアマチュアカメラマンの民男さん(78)が拾ってきた流木を組み合わせた夫婦共同作だった。
 
流木を生かした造形美を見せた作品に興味津々

流木を生かした造形美を見せた作品に興味津々

 
縁起の良い松を3種使い、祝いを込めた「流木オブジェ」

縁起の良い松を3種使い、祝いを込めた「流木オブジェ」

 
 村上さんが大切にしているテーマの一つが「銀河」。金色などで色づけした竹やバショウの葉、大輪の花火のようなアリウム・シュベルティや赤い実を付けたノバラを星に見立てた作品が表現したのは、東日本大震災発生当夜の美しい星空だ。
 
「大切な人を忘れない」との思いも込めた作品「銀河」

「大切な人を忘れない」との思いも込めた作品「銀河」

 
 震災で、釜石・鵜住居町の母小川静子さん(当時91)、弟満さん(同62)が犠牲になった。「2人を亡くしたが、15年経ってもあの夜の星空は特別だから」と村上さん。自身が創り出した“天の川”に「明るく元気に生活を過ごせるように(なったよ)」との報告や、亡き人への思いをのせている。
 
 「花とあそぶ」は、私生活の一端をのぞかせるシリーズ。自宅で育てるムラサキジキブなどの花材と孫たちが食した菓子の箱などを組み合わせたり、黒のパンプスに真っ赤なアンスリウムをあしらったり、型に縛られない自由な発想がキラリと輝く。「何でも花材になるの」。村上さんはいたずらっぽく笑った。
 
遊び心や異質な物を組み合わせた作品がずらり

遊び心や異質な物を組み合わせた作品がずらり

 
 釜石草月会の会長や草月流岩手支部に所属する「陽の会」のグループ長などの役職を後進につなぎ、「体も頭も暇になった」と感じた時に、「やってみよう」と思ったのが今回の個展。これまで会派の展覧会への出品や民男さんとの「二人展」などを開いてきたが、「80歳。集大成として個展を」とあたためてきた目標を実現させた。
 
 村上さんを知る人や芸術に関心のある人らが来場し、1点1点じっくりと見入った。その中でうれしかったのは「斬新」との声。「50数年培った知識を応用した形。うつり変わる『私の花』は喜びであり、難しさに悩み苦しむことでもあるが、自分の今を表現しているから満足」と充実した表情を見せた。
 
優しく支える夫の民男さんと寄り添い笑顔の村上さん

優しく支える夫の民男さんと寄り添い笑顔の村上さん

 
 一つの目標を達成した村上さん。「欲張らないで、一つ一つ流派の方針についていく」と、生け花への思いは色あせない。次なる目標として掲げるのは「日輪賞」を受けること。草月流の90歳以上の現役指導者に贈られるもので、これからも後進の指導に当たる構えだ。

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幸多き1年へ― 荒川熊野権現御神楽「悪魔払い」 豊漁豊作、火伏せ、無病息災…願い地域巡行

荒川町内会が年始に続ける「悪魔払い」。家々などを回り1年の無事を祈る

荒川町内会が年始に続ける「悪魔払い」。家々などを回り1年の無事を祈る

 
 釜石市唐丹町の荒川町内会(雲南幹夫会長、80世帯)は11日、新年恒例の伝統行事、“荒川熊野権現御神楽”による悪魔払いを行った。神楽衆約40人が地域の家々や海岸、点在する複数の神社を回り、舞を奉納。厄を払い、新しい年が災難のない穏やかな1年になるよう祈願した。
 
 同市最南端に位置する荒川地区は海岸部から山間部に集落が連なる。住民が信仰する荒川鎮座熊野神社は1187(文治3)年、紀州熊野から分霊を勧請して建立。海上安全、火伏せ、五穀豊穣の守護神として熊野大権現を祭る。この地で古くから受け継がれる年始の行事が、御神楽(権現舞)による“悪魔払い”。新しい年を迎えた家々などを回り、厄払いを行う門打ちだ。
 
 別当の鈴木剛さん(48)宅で天照御祖神社(唐丹町片岸)の河東直江宮司によるおはらいを受けた一行は、熊野権現を化した獅子頭3体を携え出立。海岸部にある熊野神社で舞を奉納後、荒川海岸で「御水(塩)取り」と呼ばれる神事を行った。海水を付着させた笹竹で頭を清め、お神酒、塩を供えて拝礼。海と海神を祭る高台の湊神社に向かって舞を奉納し、海上安全、豊漁を祈願した。
 
荒川海岸で行われた「御水(塩)取り」。海神をあがめる伝統の神事

荒川海岸で行われた「御水(塩)取り」。海神をあがめる伝統の神事

 
海に向かって舞を奉納する「荒川熊野権現御神楽」。海上安全、豊漁を祈願

海に向かって舞を奉納する「荒川熊野権現御神楽」。海上安全、豊漁を祈願

 
 この後、地区内に点在する各神社、班長宅などを回った。自宅裏に八幡神社がある鈴木賢一さん(80)方では、孫の悠真君(5)が獅子頭に頭をかんでもらい、健やかな成長を祈願。「かみかみしてもらって、うれしかった」と笑顔を広げた。姉の紬心さん(7)は父や中学生の兄が参加する神楽で小学生の女の子が踊る姿を目にし、「自分もいつか踊ってみたい」と目を輝かせた。
 
下荒川、鈴木賢一さん方で厄払いの門打ち。家内安全、無病息災などを祈る

下荒川、鈴木賢一さん方で厄払いの門打ち。家内安全、無病息災などを祈る

 
獅子頭に頭をかんでもらう子ども。邪気を吸い取ってくれるとされる

獅子頭に頭をかんでもらう子ども。邪気を吸い取ってくれるとされる

 
地区内には山の神(左上)、五葉神社(右上)など複数の神社がある。神楽衆は各所を回り舞を奉納

地区内には山の神(左上)、五葉神社(右上)など複数の神社がある。神楽衆は各所を回り舞を奉納

 
 三陸最高峰「五葉山」の赤坂峠に続く県道沿いでは、山間部にある「山の神」神社まで足を延ばし、舞を奉納。帰路の荒金集会所では、一行を迎えるために食事を準備していた町内の女性11人の前で複数の演目を踊った。同神楽は熊野神社の信仰とともに伝承され、神の使いである御獅子が悪魔を退散させ、安寧の世に導く意味が込められる。現在は同町内会が4演目を継承し、年始の同巡行のほか、3年に一度の天照御祖神社式年大祭「釜石さくら祭り」で踊りを披露している。
 
 豚汁などのお振る舞いのため前々日から準備にあたった小野寺未徳さん(79)は「年に1回のお祭り。若い衆が頑張って踊ってくれた。きっとご利益があると思う」と晴れの笑顔。同地区山間部では農林業従事者も多い。「クマやイノシシ被害もあるが、頑張っている。今年1年、みんな元気で、秋には豊作になれば」と期待した。
 
笛や太鼓のお囃子(はやし)を響かせながら、荒金集会所に向かう一行

笛や太鼓のお囃子(はやし)を響かせながら、荒金集会所に向かう一行

 
集会所では舞を披露した後、女性たちが準備したお振る舞いをいただいた。室内には小正月のみずき団子飾りも…

集会所では舞を披露した後、女性たちが準備したお振る舞いをいただいた。室内には小正月のみずき団子飾りも…

 
 4班班長の久保正勝さん(69)方の庭には近隣住民も訪れ、御神楽を楽しんだ。「昔からずっと続いている行事。ありがたい」と久保さん。自身も神楽に長年携わってきた。「昔は若い人たちがもっと多かったが、今は後継者不足で。何とかつないでいってほしいが…」と未来を案じる。神楽衆をまとめる世話人長の久保直人さん(45)は「これ(悪魔払い)がないと1年が始まらない。御神楽は地区住民の団結の証し」と誇りを示す一方で、やはり人材不足を課題に挙げる。「荒川から出ている人たちの協力もあって、今はできているが…。激しい踊りなので、若い人たちの参加が不可欠。地元に残る若者が少しでも増えてほしい。地域の伝統はなくしたくない」と願う。
 
上荒川、久保正勝さん方で舞を披露。近隣住民も集まり、新年のあいさつを交わしながら交流

上荒川、久保正勝さん方で舞を披露。近隣住民も集まり、新年のあいさつを交わしながら交流

 
威勢のいい舞に太鼓をたたくメンバーも笑みがこぼれる

威勢のいい舞に太鼓をたたくメンバーも笑みがこぼれる

 
「元気に育て!」。御神楽は子どもたちの健やかな成長も祈る

「元気に育て!」。御神楽は子どもたちの健やかな成長も祈る

 
 荒川地区は2011年の東日本大震災津波で、国道45号東側エリアから今の三陸沿岸道路(震災後に建設)橋脚付近まで浸水。約50戸が被災し、住民数人が犠牲になった。同震災から今年で15年―。町内会の雲南会長(73)は「山に囲まれる荒川地区は沢が多く、豪雨による土砂災害の危険もある」とし、地震津波だけではない自然災害への備えの必要性を認識。地区内には防災士の有資格者が11人いて、「現在、自主防災組織の充実強化を図っているところ」と明かした。町内会は郷土芸能や地域の伝統文化を通じて住民のつながりをより強固にし、コミュニティーの力を防災にも生かしていきたい考えだ。

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事件、事故は「110番」、 困り事は交番などへ 安全安心に暮らすために釜石署2交番啓発活動

「110番の日」にちなみ、高齢者に防犯などを呼びかけた釜石署署員と市職員ら=13日

「110番の日」にちなみ、高齢者に防犯などを呼びかけた釜石署署員と市職員ら=13日

 
 1月10日は数字の語呂合わせで「110番の日」。緊急通報用電話番号「110」の重要性や適切な利用を広報しようと、1985年、警察庁により制定された。全国各地でこの日にちなんだ啓発活動が行われるが、釜石市内では昨年に続き、釜石警察署小佐野交番(川野正行所長、4人)と同釜石駅前交番(髙橋長武所長、7人)が独自の取り組みを行った。「事件、事故は迷わず110番。緊急性のない相談事は地元警察、交番へ連絡を―」。同活動では、いざという時の警察への通報はもちろん、犯罪被害や交通事故に遭わないための意識啓発も行った。
 

子どもたち大喜び! 箱の中身は?? 小佐野交番 ペーパークラフト作品で「110番の日」PR

 
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保育施設に贈るペーパークラフト作品を制作した小佐野交番勤務の警察官ら

 
 小佐野交番では「110番の日」の啓発活動として、子どもたちに警察を身近に感じてもらえるようなペーパークラフト作品を制作。管内の保育施設6園に贈った。大小のパトカー12個、110番通報や交番などをモチーフにした箱型模型6個を交番員4人で約2カ月かけて手作りし、10日前後に各園に届けた。
 
 川野所長の発案で始まった同活動は今年で3年目。一昨年はパトカーや警察官、信号を渡る親子などを配置した釜石の街並み模型、昨年はパトカーと白バイ、交通安全メッセージを添えた大型“デコうちわ”を制作したが…。今年はさらにアイデアを駆使した作品がお目見えした。
 
 空き箱を利用した模型は、ふたを開けると警察の仕事が分かる仕掛け。昨年の“クマ出没増”を受け注意を促すものや、人気刑事ドラマをモチーフにした作品も。交番員それぞれの個性が光り、大人も楽しませる仕上がりとなった。本年度、同交番に赴任した金野章子巡査部長(43)は「工作は小学校以来?かな。大変でした」と笑いつつ、「絵は大きめにカラフルにして、子どもたちが箱を開けた時、『ワー!』ってなるようにしたくて…」と制作過程を振り返った。
 
空き箱を活用したペーパークラフト模型。さまざまなモチーフで警察を身近に感じてもらう

空き箱を活用したペーパークラフト模型。さまざまなモチーフで警察を身近に感じてもらう

 
金野章子巡査部長(右)からクラフト作品を受け取る上中島こども園の園児ら=9日

金野章子巡査部長(右)からクラフト作品を受け取る上中島こども園の園児ら=9日

 
 9日は、金野巡査部長と矢神海輝巡査(21)がクラフト作品を持って、上中島こども園(楢山知美園長、園児31人)を訪問。園児の代表に大小のパトカーと交番模型を手渡した。堀川陽雅君(5)は「お巡りさんがいっぱい。かっこいい」とボックスに目を輝かせた。巡回などで来てくれる矢神巡査が大好きで、先日は不審者対応避難訓練の後に、友達と“矢神さん(警察)ごっこ”をして遊んでいたという堀川君。将来は「みんなを守る人になりたい」と憧れのまなざしを向けた。
 
箱を開ける楽しみもプラスした交番模型。外側にはさまざまな姿の警察官が描かれる

箱を開ける楽しみもプラスした交番模型。外側にはさまざまな姿の警察官が描かれる

 
金野巡査部長と矢神海輝巡査(右)には園児からお礼のペンダントが贈られた。「いつも見守ってくれてありがとう!」

金野巡査部長と矢神海輝巡査(右)には園児からお礼のペンダントが贈られた。「いつも見守ってくれてありがとう!」

 
過去2年分の作品と一緒に、しばらくは入り口で展示(写真右下)。「事件、事故に遭わないよう気を付けます!」

過去2年分の作品と一緒に、しばらくは入り口で展示(写真右下)。「事件、事故に遭わないよう気を付けます!」

 
 子どもたちが犯罪に巻き込まれないように、交通事故に遭わないようにとの願いが込められたクラフト作品。釜石署管内でも子どもへの声掛け事案があり、重大な事件に発展する可能性も否めない。矢神巡査は「子どもたちにも(危険な目にあった時、助けを求める)110番通報があることを知ってほしい。今回の模型などで交番の存在も知ってもらい、いざという時には頼ってもらえれば」と思いを込めた。
 

詐欺被害防止へ 釜石駅前交番 高齢者宅を訪問し注意喚起「知らない電話には出ないで」

 
高齢者世帯の訪問活動に向かう釜石駅前交番の中川原正紀巡査部長(先頭)ら

高齢者世帯の訪問活動に向かう釜石駅前交番の中川原正紀巡査部長(先頭)ら

 
 釜石駅前交番は13日、市地域包括ケア推進課と連携し、管内の高齢者宅を訪問。全国的に増加する電話などによる詐欺被害防止を呼びかけた。2年目の取り組みで、千鳥町と天神、大只越町地区を2班に分かれて巡回訪問した。
 
 千鳥町では、同交番主任の中川原正紀巡査部長(35)と市地域包括支援センターの社会福祉士、萬武大さん(50)が訪問活動を実施した。高齢者に「変わりないですか?」と近況を聞き取り、緊急時の連絡先を確認。「変な電話や訪問はありませんか?」と聞くと、ほとんどの人が怪しい電話の着信を経験していた。「登録している番号以外は出ない」「出てしまっても、息子などに相談している」と自衛策を取っている人が多く、中川原巡査部長は「身に覚えのない電話は切って。迷惑電話設定や常時、留守番電話にしておくのも手。釜石でも詐欺の予兆電話が増えているので十分気を付けて」と伝えた。
 
詐欺の手口を記したチラシや防犯ガイドを手渡し、被害に遭わないよう注意を促す

詐欺の手口を記したチラシや防犯ガイドを手渡し、被害に遭わないよう注意を促す

 
 特殊詐欺の手口、匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」に関するチラシ、日常生活における防犯生活ガイドも手渡し、緊急時には110番、不急の相談事は釜石署や交番に連絡するよう促した。萬さんも名刺を手渡し、「体調変化や生活の困り事など支援が必要な時は電話を」と伝えた。
 
市地域包括支援センターの萬武大さん(中)ら保健福祉に関わる市職員も同行。地域の高齢者、空き家の状況などを警察と情報共有した

市地域包括支援センターの萬武大さん(中)ら保健福祉に関わる市職員も同行。地域の高齢者、空き家の状況などを警察と情報共有した

 
 中川原巡査部長は「最近は詐欺電話などに対する防犯意識は高い印象だが、犯罪の手口はどんどん巧妙になっているので、素早く的確な情報提供に努めたい。相手はあせらせるのが手口。不安に感じる電話があったら、まずは一呼吸おいて、必ず警察や家族に相談してほしい」と話した。一緒に回った萬さんは「ほとんどの方が地域や家族とつながりを持っていて、そこは安心材料。外とのつながりは介護予防にもなる」と孤立回避の重要性を指摘。警察官との巡回は「必要な情報を共有できるのがメリット。有意義な活動だった」とし、関係機関の連携による高齢者の見守り継続を望んだ。

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音楽の力体感!歌とピアノは「いいコンビ」 釜石市民、美しい音色にニッコリ

演奏に歌声を重ねてコンサートを楽しむ釜石市民

演奏に歌声を重ねてコンサートを楽しむ釜石市民

 
 釜石市小佐野町の小佐野コミュニティ会館で10日、音楽を楽しむ「いきいき小佐野コンサート」が開かれ、住民ら約40人が声楽家らの美しい歌声と演奏に耳を傾けた。小佐野公民館と公益財団法人「音楽の力による復興センター・東北」(仙台市)の共催。釜石高校音楽部が友情出演し、柔らかな歌声で癒やしの空間づくりに一役買った。
 
 声楽家の谷地畝晶子さん(滝沢市)とピアノ奏者の阿部夕季恵さん(盛岡市)が「ふじ山」や「四季の歌」「亜麻色の髪の乙女」「北国の春」など約10曲を披露。住民らはなじみのある曲が演奏されると口ずさんだり、手拍子をして楽しんだ。
 
童謡やクラシックの名曲などを聴かせた谷地畝晶子さん

童謡やクラシックの名曲などを聴かせた谷地畝晶子さん

 
多彩な曲調の演奏を披露した阿部夕季恵さん

多彩な曲調の演奏を披露した阿部夕季恵さん

 
 ゲストの釜高音楽部の2年生4人は「めでたし、まことの御体よ」など、岩手県合唱小アンサンブルコンテスト(1月24日に盛岡市で開催)で披露する2曲を聴かせた。谷地畝さんとのコラボレーションで「アベマリア」を爽やかに歌い上げた。
 
谷地畝さんと声を合わせた釜石高校音楽部

谷地畝さんと声を合わせた釜石高校音楽部

 
 近所に住む柏舘文美子さん(69)は「普段聴かない曲や懐かしい曲とさまざまあって楽しかった。高校生の歌声も聴けて良かった。きれいだったね」と感激。印象に残った曲は「ここに幸あり」。1956(昭和31)年に発表され、かつて結婚式の定番ソングだったとの紹介に「あら、生まれた年が一緒。同級生だ。すてきな曲」と思ったそうで、新発見を喜んだ。
 
美しい歌声と演奏に聴き入り顔をほころばせる参加者

美しい歌声と演奏に聴き入り顔をほころばせる参加者

 
 同センターは2011年3月の東日本大震災を受け、音楽の力で東北復興を後押ししようと、仙台フィルハーモニー管弦楽団と市民有志によって設立され、12年9月に法人化。発災直後から宮城県各地や福島、岩手両県の避難所、仮設住宅などで開催するコンサートのコーディネートを担ってきた。
 
 釜石では14年から寺院や商業施設などで演奏会を開催。20年からは岩手県の「被災者の参画による心の復興事業費補助金」を活用し、災害公営住宅や公民館などで一般向けの音楽会を続け、谷地畝さん、阿部さんが協力してきた。
 
住民との交流に笑顔を見せる谷地畝さんと阿部さん

住民との交流に笑顔を見せる谷地畝さんと阿部さん

 
 今回は10~12日の日程で来釜し、大槌町と合わせて6公演を開催。谷地畝さんは「5年通い、街や人の雰囲気が好きになった」と話し、「復興支援コンサートは最後になりそう。また違った形でお目にかかれたら。元気に過ごしてください」と、来場者に声をかけた。
 
 「最後かも」という言葉に反応した男性は「歌とピアノの、あのコンビ、いいもんな」と名残惜しそうに話した。以前から、公演を“はしご”しているようで、「青葉(12日のコンサート)にも行こうか…な」と、頭の中で展開させた問答を口にした。
 
 公演で来釜した際、谷地畝さんらは釜高音楽部へのボイストレーニングも行い、今回の友情出演が実現した。歌う前の発声準備やトレーニング方法などの助言を思い出しながら舞台に立った同部の八幡陽梛子部長は「思ったより人が多くて驚いたが、練習よりいいハーモニーを響かせられた」と手応えを感じた。
 
コンサートを終え、笑顔を重ねる出演者たち

コンサートを終え、笑顔を重ねる出演者たち

 
 声楽家と一緒に歌う機会は、部員の川崎茜羽さん、乘富優奈さん、佐々木翼光さんにとっても刺激になった様子。1年生部員を含め5人で臨むコンテストでは「コミュニケーションを取りながら響き、音色が調和した一つの歌声を届けたい」と力を込めた。
 
 同館の三浦慎輔館長は、住民らの笑顔を見つめ「楽しい時間はあっという間。高校生も出演して、ひと味違った趣のあるコンサートになった。素晴らしい音楽に触れ、心安らぐ時間を過ごしてもらえたようだ」と感謝。谷地畝さんと阿部さんには住民から花束が贈られた。
 
 同センターシニア・コーディネーターの千田祥子さんは「コンサートは一期一会。聴く人も演奏曲も同じにはならないから、その時を目いっぱい楽しむ。長く続いたことで人がつながり、地元の団体とコラボもできた」と話した。今年度、東北地方の学術や芸術などの発展に貢献した個人や団体に贈られる河北文化賞(河北新報社主催)を受賞したといい、「協力する音楽家、公演を受け入れる各地の方々、みんなで受けた賞」と強調。その上で、「音楽の力」を生かした活動を継続したい考えを示した。