花輝く!異質の融和、遊び心で魅せる 草月流・村上マサ子さん、釜石で傘寿生け花展

80歳を迎え集大成の個展を開いた村上マサ子さん
生け花の草月流一級師範理事で釜石草月会顧問の村上翠華(本名・マサ子)さん(80)=大槌町吉里々々=は17、18の2日間、傘寿を記念した個展「翠華展」を釜石市大町の市民ホールTETTOで開いた。生け花に親しんで半世紀以上。究めた技と遊び心、異質な物を融合させた“斬新さ”が光る作品10点を展示した。「集大成」と満面の笑顔を見せ、「欲張らないで、『私の花』をいけていきたい」。花道(はなみち)への愛着は変わらない。
色とりどりの和洋の花、形状が面白い草木などをこだわりの花器にいけた作品はどれも豊かな感性があふれる。「花は、いけたら、人になる」「いける、生きる」という流派の根本をたどる中、見いだした遊び心や異質な物との組み合わせで独特の世界観を表現。22歳で始めた生け花だが、色の対比など日々研究を重ねていて、その成果としての“今”を見せた。

村上さんの感性があふれ出す作品が配置された展示会場
大作「流木オブジェ」は「床の間風」に仕立てた空間に、縁起の良い松や梅、ストレチア(漢字表記は極楽鳥花)などを配し新年の祝いを表した作品。夫でアマチュアカメラマンの民男さん(78)が拾ってきた流木を組み合わせた夫婦共同作だった。

流木を生かした造形美を見せた作品に興味津々

縁起の良い松を3種使い、祝いを込めた「流木オブジェ」
村上さんが大切にしているテーマの一つが「銀河」。金色などで色づけした竹やバショウの葉、大輪の花火のようなアリウム・シュベルティや赤い実を付けたノバラを星に見立てた作品が表現したのは、東日本大震災発生当夜の美しい星空だ。

「大切な人を忘れない」との思いも込めた作品「銀河」
震災で、釜石・鵜住居町の母小川静子さん(当時91)、弟満さん(同62)が犠牲になった。「2人を亡くしたが、15年経ってもあの夜の星空は特別だから」と村上さん。自身が創り出した“天の川”に「明るく元気に生活を過ごせるように(なったよ)」との報告や、亡き人への思いをのせている。
「花とあそぶ」は、私生活の一端をのぞかせるシリーズ。自宅で育てるムラサキジキブなどの花材と孫たちが食した菓子の箱などを組み合わせたり、黒のパンプスに真っ赤なアンスリウムをあしらったり、型に縛られない自由な発想がキラリと輝く。「何でも花材になるの」。村上さんはいたずらっぽく笑った。

遊び心や異質な物を組み合わせた作品がずらり
釜石草月会の会長や草月流岩手支部に所属する「陽の会」のグループ長などの役職を後進につなぎ、「体も頭も暇になった」と感じた時に、「やってみよう」と思ったのが今回の個展。これまで会派の展覧会への出品や民男さんとの「二人展」などを開いてきたが、「80歳。集大成として個展を」とあたためてきた目標を実現させた。
村上さんを知る人や芸術に関心のある人らが来場し、1点1点じっくりと見入った。その中でうれしかったのは「斬新」との声。「50数年培った知識を応用した形。うつり変わる『私の花』は喜びであり、難しさに悩み苦しむことでもあるが、自分の今を表現しているから満足」と充実した表情を見せた。

優しく支える夫の民男さんと寄り添い笑顔の村上さん
一つの目標を達成した村上さん。「欲張らないで、一つ一つ流派の方針についていく」と、生け花への思いは色あせない。次なる目標として掲げるのは「日輪賞」を受けること。草月流の90歳以上の現役指導者に贈られるもので、これからも後進の指導に当たる構えだ。

釜石新聞NewS
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