音楽の力体感!歌とピアノは「いいコンビ」 釜石市民、美しい音色にニッコリ

演奏に歌声を重ねてコンサートを楽しむ釜石市民
釜石市小佐野町の小佐野コミュニティ会館で10日、音楽を楽しむ「いきいき小佐野コンサート」が開かれ、住民ら約40人が声楽家らの美しい歌声と演奏に耳を傾けた。小佐野公民館と公益財団法人「音楽の力による復興センター・東北」(仙台市)の共催。釜石高校音楽部が友情出演し、柔らかな歌声で癒やしの空間づくりに一役買った。
声楽家の谷地畝晶子さん(滝沢市)とピアノ奏者の阿部夕季恵さん(盛岡市)が「ふじ山」や「四季の歌」「亜麻色の髪の乙女」「北国の春」など約10曲を披露。住民らはなじみのある曲が演奏されると口ずさんだり、手拍子をして楽しんだ。

童謡やクラシックの名曲などを聴かせた谷地畝晶子さん

多彩な曲調の演奏を披露した阿部夕季恵さん
ゲストの釜高音楽部の2年生4人は「めでたし、まことの御体よ」など、岩手県合唱小アンサンブルコンテスト(1月24日に盛岡市で開催)で披露する2曲を聴かせた。谷地畝さんとのコラボレーションで「アベマリア」を爽やかに歌い上げた。

谷地畝さんと声を合わせた釜石高校音楽部
近所に住む柏舘文美子さん(69)は「普段聴かない曲や懐かしい曲とさまざまあって楽しかった。高校生の歌声も聴けて良かった。きれいだったね」と感激。印象に残った曲は「ここに幸あり」。1956(昭和31)年に発表され、かつて結婚式の定番ソングだったとの紹介に「あら、生まれた年が一緒。同級生だ。すてきな曲」と思ったそうで、新発見を喜んだ。

美しい歌声と演奏に聴き入り顔をほころばせる参加者
同センターは2011年3月の東日本大震災を受け、音楽の力で東北復興を後押ししようと、仙台フィルハーモニー管弦楽団と市民有志によって設立され、12年9月に法人化。発災直後から宮城県各地や福島、岩手両県の避難所、仮設住宅などで開催するコンサートのコーディネートを担ってきた。
釜石では14年から寺院や商業施設などで演奏会を開催。20年からは岩手県の「被災者の参画による心の復興事業費補助金」を活用し、災害公営住宅や公民館などで一般向けの音楽会を続け、谷地畝さん、阿部さんが協力してきた。

住民との交流に笑顔を見せる谷地畝さんと阿部さん
今回は10~12日の日程で来釜し、大槌町と合わせて6公演を開催。谷地畝さんは「5年通い、街や人の雰囲気が好きになった」と話し、「復興支援コンサートは最後になりそう。また違った形でお目にかかれたら。元気に過ごしてください」と、来場者に声をかけた。
「最後かも」という言葉に反応した男性は「歌とピアノの、あのコンビ、いいもんな」と名残惜しそうに話した。以前から、公演を“はしご”しているようで、「青葉(12日のコンサート)にも行こうか…な」と、頭の中で展開させた問答を口にした。
公演で来釜した際、谷地畝さんらは釜高音楽部へのボイストレーニングも行い、今回の友情出演が実現した。歌う前の発声準備やトレーニング方法などの助言を思い出しながら舞台に立った同部の八幡陽梛子部長は「思ったより人が多くて驚いたが、練習よりいいハーモニーを響かせられた」と手応えを感じた。

コンサートを終え、笑顔を重ねる出演者たち
声楽家と一緒に歌う機会は、部員の川崎茜羽さん、乘富優奈さん、佐々木翼光さんにとっても刺激になった様子。1年生部員を含め5人で臨むコンテストでは「コミュニケーションを取りながら響き、音色が調和した一つの歌声を届けたい」と力を込めた。
同館の三浦慎輔館長は、住民らの笑顔を見つめ「楽しい時間はあっという間。高校生も出演して、ひと味違った趣のあるコンサートになった。素晴らしい音楽に触れ、心安らぐ時間を過ごしてもらえたようだ」と感謝。谷地畝さんと阿部さんには住民から花束が贈られた。
同センターシニア・コーディネーターの千田祥子さんは「コンサートは一期一会。聴く人も演奏曲も同じにはならないから、その時を目いっぱい楽しむ。長く続いたことで人がつながり、地元の団体とコラボもできた」と話した。今年度、東北地方の学術や芸術などの発展に貢献した個人や団体に贈られる河北文化賞(河北新報社主催)を受賞したといい、「協力する音楽家、公演を受け入れる各地の方々、みんなで受けた賞」と強調。その上で、「音楽の力」を生かした活動を継続したい考えを示した。

釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム











