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「餅鉄で鉄瓶を作ろう」 釜石でプロジェクトスタート 原料はどこに? 今も眠るお宝を探せ!

橋野町の沢桧川で餅鉄を探す子どもたち=25日

橋野町の沢桧川で餅鉄を探す子どもたち=25日

 
 釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」の高炉稼働時、製鉄原料の一部となった“餅鉄(もちてつ、べいてつ)”。鉄の含有率が高い丸みを帯びた石は、当時の栗林、橋野両村民によって同所に持ち込まれ、買い取られていたという。今も同地域で見られる餅鉄から鉄を取り出し、鉄瓶を作ってみようという市民参加型のプロジェクトが始動した。25日、同町で原料の餅鉄を探す活動があり、市内外から21人が参加した。
 
 橋野鉄鉱山インフォメーションセンターに集まった参加者は始めに、同町出身の製鉄史研究家三浦勉さん(72)から餅鉄について学んだ。三浦さんの地元橋野では、餅鉄は「べんてつ」「べんこてつ」などと呼ばれるほか、その形状から「馬糞(ばふん)鉄」とも表される。同町には国内最大級とみられる幅83センチ、高さ42センチ、推定重量約300キロの餅鉄が個人宅にある。片羽山雄岳の麓、同町大平の畑で見つかったものだという。
 
餅鉄について学んだ講座=橋野鉄鉱山インフォメーションセンター

餅鉄について学んだ講座=橋野鉄鉱山インフォメーションセンター

 
 餅鉄は多くが川で見つかり、丸みを帯びて表面が滑らかなことから、文献などでは「磁鉄鉱が川の流れで転がり円礫(れき)になったものと考えられる」とされる。これに対し三浦さんは「釜石では川のない山中でも見つかっている。重量感からしても洪水などで長い距離を転がることは無理があるのではないか」と推測。釜石地域の磁鉄鉱は白亜紀(約1億2千万年前)のマグマの貫入で、石灰岩などが熱変成して生まれたものとされており、「餅鉄は川の流れで丸くなったのではなく、火山噴火で大気中に飛んだものではないか」と独自の推論を示した。
 
製鉄史研究家・三浦勉さん(写真上段右)が餅鉄の産地などについて解説

製鉄史研究家・三浦勉さん(写真上段右)が餅鉄の産地などについて解説

 
 火山噴火の可能性を考える根拠としては▽餅鉄がある川で硫黄臭がする白く軽い石(地元ではへったれ石、へっぴり石と呼ばれる)が見られた▽片羽山麓の岩盤で火山岩に見られる結晶「クリストバライト」が確認されている▽最大級の餅鉄が見つかった場所は山麓直下で川の流れによる円礫化は考えにくい―ことなどを挙げた。
 
 この後、参加者は今も餅鉄が多く見られる片羽山麓の沢桧川に向かった。同下流域には市指定文化財の「釜石鉱山田中製鉄所栗橋分工場跡」がある。明治から大正にかけて高炉1基が稼働し、山神社の鳥居や祠(ほこら)が残る。餅鉄の採集は同工場跡近くで行われた。参加者は三浦さんに見つかりやすい場所などを教わりながら探した。
 
沢桧川の餅鉄採集ポイントに向かう参加者

沢桧川の餅鉄採集ポイントに向かう参加者

 
途中には市指定文化財「釜石鉱山田中製鉄所栗橋分工場跡」があり、石垣などの遺構が残る

途中には市指定文化財「釜石鉱山田中製鉄所栗橋分工場跡」があり、石垣などの遺構が残る

 
三浦勉さん(中央)から教わりながら餅鉄を探す

三浦勉さん(中央)から教わりながら餅鉄を探す

 
 判別のポイントは石の色と重さ。他のものに比べ黒っぽく、同じような大きさでも餅鉄は重いのが特徴。鉄成分を含んでいるので磁石がくっつく。参加者は川底に目を凝らし、磁石を近づけてみたりしながら探した。約1時間で10キロ以上の餅鉄が採集された。
 
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磁石にくっつく石が多数。右上と左下は表面が滑らかで丸みを帯び、餅鉄の特徴が見られる

 
 同市の小学生金野龍真君(11)は市が実施する「鉄の検定」で1級を取得。検定の勉強で餅鉄のことは知っていたが、実際に探すのは初めて。「すぐには見つからなくて、探すのは大変だった。これで鉄を作ろうと最初に考えた人の発想がすごい。鉄づくりも楽しみ」と期待感をにじませた。甲子町の50代女性は旧釜石鉱山事務所(愛称:Teson)のイベントで、餅鉄が展示されているのを目にした。今回の採集で「本当にあるんだ」と再確認。「山奥にあると思っていたので、意外にも身近な場所にあってびっくり。最後まで参加して鉄瓶ができるのを見届けたい」と声を弾ませた。
 
餅鉄の多くは流れが緩やかな岸辺側で見つかった

餅鉄の多くは流れが緩やかな岸辺側で見つかった

 
お目当ての「餅鉄」をゲット! 笑顔を見せる子どもたち

お目当ての「餅鉄」をゲット! 笑顔を見せる子どもたち

 
 橋野鉄鉱山稼働時、高炉場にあった御日払所では、村民が持ち込んでくる餅鉄を買っていた。その記録として「餅鉄通」という文書が残っている。釜石の餅鉄は鉄含有率が約70%(磁鉄鉱は約60%)と高く、質の良さも特徴。磁鉄鉱に交ぜて使われたとみられている。
 
 プロジェクトを主催する市世界遺産室の森一欽室長は「鉄原料から製品になるまでを見られる初のイベント。有意義な機会になると思う。釜石には今も身近な所に資源が眠っていることも知ってもらえれば」と話した。
 
参加者は夢中になって“お宝”を探した

参加者は夢中になって“お宝”を探した

 
最後はみんなで採集した餅鉄の重さを計測した

最後はみんなで採集した餅鉄の重さを計測した

 
 餅鉄から鉄を取り出す製鉄体験は9月に甲子町大橋で実施予定。できた鉄は県工業技術センター(盛岡市)で炭素量など成分を調整してもらい、滝沢市の南部鉄器職人田山和康さん(73)に鉄瓶にしてもらう。11~12月ごろに盛岡市で鉄瓶ワークショップを開催する。

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にぎわい創出!釜石大観音仲見世通り 出店促す〝縁結び〟 5回目マルシェ盛況

釜石大観音仲見世通りで開かれた「えんむすびマルシェ」

釜石大観音仲見世通りで開かれた「えんむすびマルシェ」

 
 釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りで25日、地域活性化イベント「えんむすびマルシェ」が開かれた。さまざまな出会いの場を提供しようと、釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト(宮崎達也代表)が主催し、5回目。飲食や手作り雑貨などの出店のほかステージイベントもあり、親子連れら多くの来場者でにぎわった。
 
 市内外から28の団体・個人が出店した。パンやスイーツ、手作りアクセサリー、木工製品などバラエティーに富んだ品ぞろえ。訪れた人たちは店主らと会話を弾ませながら品定めを楽しんだ。クレープやコーヒーなどを提供するキッチンカーも並んだ。
 
飲食や買い物、店主との交流を楽しむ来場者

飲食や買い物、店主との交流を楽しむ来場者

 
多彩な露店が並ぶ中で駄菓子屋は子どもたちに人気

多彩な露店が並ぶ中で駄菓子屋は子どもたちに人気

 
「すてきだね」。和柄のバッグなど手作り品に興味津々

「すてきだね」。和柄のバッグなど手作り品に興味津々

 
 地元釜石の漁師久保宣利さん(51)、翼さん(20)親子はホタテやカキなどが盛りだくさんの海鮮焼き、串焼きを販売。「お客さんとじかに顔を合わせ、反応を見ることができて楽しい」と腕を振るった。「両石港 隆丸」と旗印を掲げ、週末にはイベント出店。自分たちが養殖したり、仲間から買い付けた魚介や海藻を使って地域の海の魅力を発信する。「魚を通して、人とつながれる」。そう実感する親子は、漁業と出店、どちらも本業の“二刀流”でゆく。
 
店先で作って提供…かつての風景が通りに戻ったよう

店先で作って提供…かつての風景が通りに戻ったよう

 
浜の魅力を発信する久保宣利さん、翼さん親子ら

浜の魅力を発信する久保宣利さん、翼さん親子ら

 
 大漁旗柄のフラッグを用いた元気なパフォーマンスで会場を盛り上げたのは、釜石を応援するカラーガードチーム「ちあ釜」。4月に立ち上がったばかりで、地元メンバー4人はこの日が初舞台となった。
 
 小学校教諭の兼澤桃花さん(27)は「青空の下、気持ちよく踊れた」と晴れやかに笑った。佐久間桜音さん(11)、森美惠さん(17)は「緊張したけど楽しかった。かっこよく踊れるよう、もっと練習する」と意欲がアップ。60代のメンバーは「私でもできるので!」と仲間が増えることを期待した。代表の葛巻舞香さん(39)=ラグビー・日本製鉄釜石シーウェイブスオフィシャルサポーター、モデル、フリーアナウンサー=は「笑顔をつないで、みんなでまちをポジティブにしていきたい」と展望した。
 
大漁旗柄のフラッグを振り演舞する「ちあ釜」

大漁旗柄のフラッグを振り演舞する「ちあ釜」

 
地元釜石などから参加するメンバーと葛巻舞香さん(左)

地元釜石などから参加するメンバーと葛巻舞香さん(左)

 
 家族で訪れた同市平田の大和田崇士さん(47)は「正月に初詣で訪れた時より、にぎわっている。このイベントには初めて来たが、市外の人やものと触れ合えていい。続けてもらえれば、客として出店者たちの活動を応援したい」とうなずいた。
 
 同プロジェクトは、「釜石○○(まるまる)会議」から生まれた市民グループで、空き店舗が目立つ同通りを再生させ、にぎわいや交流の場を創出する活動を行う。大観音は「恋人の聖地」にも選定されていて、人のつながりや縁を広げる機会になればと2018年からマルシェを実施。新型コロナウイルス禍で数年見送ったが、23年に再開した。
 
幅広い年代、業種の人たちの縁を生み出す活動は続く
幅広い年代、業種の人たちの縁を生み出す活動は続く幅広い年代、業種の人たちの縁を生み出す活動は続く

 
 空き家となった遊休不動産の利活用を中心に、地元高校生と連携した催しや岩手県内・三陸沿岸地域で活動するアーティストらの展示などの企画にも力を入れる宮崎代表(52)。多様な取り組みを打ち出すことで、「出店したくなるようなまちづくり」を進めていく。

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田んぼは学びがいっぱい! 白山小 伝統の米作り体験スタート 泥まみれの田植えに歓声

田植え作業に汗を流した白山小の児童=24日、上小川

田植え作業に汗を流した白山小の児童=24日、上小川

 
 釜石市の白山小(鈴木慎校長、児童31人)伝統の稲作学習が今年も始まった。24日、3~6年生22人が田植えに挑戦。泥まみれになりながら、昔ながらの手植えで稲苗を植えた。今後、稲の生長観察、稲刈りなどを行い、秋以降、農作物の恵みに感謝する収穫祭も予定する。
 
 同校の同学習は今年で44年目。長年、学校敷地内に設けた“白山水田”で一連の作業を体験してきたが、昨年から、苗の提供を続けてきた甲子町上小川の農業藤井茂さん(84)の水田に場所を移し、学習を継続している。
 
 バスで現地を訪れた児童らは、藤井さんと学習をサポートしてくれる大船渡農業改良普及センターの菊池浩之主任農業普及員、八重樫聡太技師にあいさつ。苗の植え方を教わった後、泥田に足を踏み入れた。約4アールの田んぼに植えるのはもち米種「ヒメノモチ」の苗。藤井さんが付けてくれたます目の線に沿って、両端から植え付けていった。
 
恐る恐る田んぼに足を踏み入れる。何とも言えない泥の感触にこの表情

恐る恐る田んぼに足を踏み入れる。何とも言えない泥の感触にこの表情

 
田んぼの所有者藤井茂さん(右)から植え方を教わる

田んぼの所有者藤井茂さん(右)から植え方を教わる

 
苗がしっかり立つように植える。腰をかがめての作業はけっこうな重労働

苗がしっかり立つように植える。腰をかがめての作業はけっこうな重労働

 
 泥に足を取られたり、中腰の姿勢に苦戦したりしながらも懸命に作業。苗が倒れないようにしっかり植えた。田んぼの中にはカエルやイモリの姿も。周辺にはトンボも飛んでいて、水辺の生き物との出会いも楽しんだ。藤井さんの田んぼは日向ダムの下流域にあり、周りには樹木が生い茂る。児童らは緑豊かな自然空間の中で、さまざまな学びや気付きを得た。
 
写真左:「うっ!足が抜けない」 同右:「泥まみれも楽しー!」

写真左:「うっ!足が抜けない」 同右:「泥まみれも楽しー!」

 
田んぼではイモリやトンボなど水辺に集う生き物の姿も見られた

田んぼではイモリやトンボなど水辺に集う生き物の姿も見られた

 
写真左:奥に日向ダムの堤体も見える 同右:2方向から苗植え。慣れてくるとスピードもアップ

写真左:奥に日向ダムの堤体も見える 同右:2方向から苗植え。慣れてくるとスピードもアップ

 
 初めて田植えを体験した金野瑛飛君(3年)は「カエルや虫もいっぱいいた。苗をちぎって植えるのが楽しい」と笑顔。2年目の川﨑仁遥君(4年)は「なかなか経験できないことが毎年できてうれしい」と喜び、「農家さんは大変な仕事だけど、(みんなに食べてもらい)幸せに暮らせているんだと分かった。ご飯を食べる時は感謝しながらおいしく食べたい」と話した。
 
 児童会長の岡本羚依さん(6年)は「みんなで協力しながらやれている。一連の作業の中でも田植えは大事。まずは最初のところをしっかりやりたい」と意気込む。この学習を通して農業にも関心が高まった様子。「農家さんが減ると(私たちが)食べるものも減ってしまう。農業をやる人が減っていると聞くので、将来、何らかの形で力になれたらいいな」と思いを巡らせた。
 
山の新緑に青空…目にも鮮やかな景色も思い出に

山の新緑に青空…目にも鮮やかな景色も思い出に

 
 「苗、行くよーっ」。あぜ道などから追加の苗を放ってもらう児童。一発キャッチは難しい!?

「苗、行くよーっ」。あぜ道などから追加の苗を放ってもらう児童。一発キャッチは難しい!?

 
たくさんの笑顔が広がった田植え。収穫の秋を楽しみに…

たくさんの笑顔が広がった田植え。収穫の秋を楽しみに…

 
 児童に声を掛けながら作業の様子を見守った鈴木校長は「普段食べている米やお手伝いしてくれる地域の方々への感謝の気持ちが生まれれば。泥の温かさを肌で直接感じたり、生き物に触れ合ったりするのも貴重な経験。心の豊かさを育む活動になれば」と期待。同校と40年来の付き合いとなる藤井さんは、子どもたちが生き生きと作業する姿に「こっちも若返るよう。この中から農業を継ぐ人が一人でも多く出てくれれば」と願った。
 
 同学習では収穫したもち米で餅つきをしてきたが、今年は藤井さんが育てたうるち米の提供を受け、米の炊き方などを学ぶ調理実習と試食を計画する。

岩手県立釜石高等学校 同窓会総会開催のお知らせ

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7月4日(土)に岩手県立釜石高等学校同窓会総会および懇親会を開催します。創立110周年の節目の年の総会です。旧友の方などお誘いあわせの上ふるってご参加くださいますようお願いします。
なお、懇親会に参加される方は事前の申し込みが必要になりますので同窓会事務局までご連絡ください。

日時

令和6年7月6日(土) 総会 17:00
懇親会 総会終了後

会場

ホテルクラウンヒルズ釜石

懇親会費

5,000円

懇親会申込先

岩手県立釜石高等学校同窓会事務局
TEL 0193-23-5317

申込締切

令和6年6月28日(金)

岩手県立釜石高等学校同窓会事務局

岩手県立釜石高等学校同窓会事務局

住所:〒026-0055 岩手県釜石市甲子町10−614−1 / TEL 0193-23-5317 / FAX 0193-23-8611 / Webサイト

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飼い主を求めて…釜石で保護猫の譲渡会 子猫の一時預かり ボランティア募集も

譲渡会で飼い主との出会いを待つ保護猫

譲渡会で飼い主との出会いを待つ保護猫

 
 岩手県沿岸広域振興局(釜石市)による保護猫譲渡会は25日、釜石市民ホールTETTOで開かれた。釜石、宮古、大船渡の3保健所で保護した猫計8匹が集まり、来場した人たちが自由に見学して相性を確かめた。会場には適正飼育の普及啓発や、一時預かりボランティアの募集に関する掲示物も並び、大切な命をつなぐ心構えや協力を求めた。
 
 猫たちは人慣れしているが、「甘え上手」「穏やか。ひとり遊びもできて手がかからない」「少し怖がり」などと個性派ぞろい。ゲージ越しに猫の様子を見て回った小川町の濱田遥可君(9)は、お気に入りの猫を見つけたようだった。すでに1匹飼っていて、「増やすのは難しいかな」と母親の由紀江さん(47)。地域には野良猫が多いと感じていて、「無責任な飼育はできない。保護猫たちがいい飼い主のもとに引き取られたらいい」と願った。
 
ゲージの中でくつろぐ猫の様子をじっと見つめる来場者

ゲージの中でくつろぐ猫の様子をじっと見つめる来場者

 
 釜石保健所管理の保護猫は現在13匹。県の施設のほか、譲渡会を共催する動物愛護団体「人と動物の絆momo太郎」が運営する譲渡型保護猫ハウス「保護猫アンドゥ」(大渡町)でも一時預かりしている。今回は4匹を紹介。動物を飼う前の心構えや必要な準備を学ぶ講習も行われ、話を聞いた人はいたものの、「再考する」とのことだった。対応した同所獣医師の安田理(あや)さんは受け入れに前向きな様子を感じたといい、「猫と飼い主となる里親さんとの出会いを提供することで、次につながるはず」とうなずいた。
 
 譲渡会は動物愛護思想の高揚、適正な飼養の啓発を目的に実施。6月8日午後1時、宮古市の地区合同庁舎でも予定している。
 
引き取り手を待つ保護猫たちを紹介する宮古地区のコーナー

引き取り手を待つ保護猫たちを紹介する宮古地区のコーナー

 
 釜石保健所では保護された子猫を一時的に自宅で預かり、授乳などを行う「一時預かりボランティア」への登録を呼びかけている。募集人数は若干名。譲渡に適した月齢や体調になるまでボランティアの元で過ごし、譲渡時期が来たら、譲渡会や保健所で新しい飼い主を募る。
 
子猫を一時預かりしてくれるボランティアを求める掲示

子猫を一時預かりしてくれるボランティアを求める掲示

 
ボランティアの手で成長した猫が譲渡会にやってくるかも

ボランティアの手で成長した猫が譲渡会にやってくるかも

 
 現在、子猫は収容されていないが、安田さんによると「年に数匹は保護される」とのこと。生後間もなくだったり、1カ月半程度の時もあるなど、やってくる時期はさまざまだが、離乳するまでの約2カ月程度、家で預かり数時間おきの授乳や排せつの世話、健康チェックと記録などをしてもらう。ミルクなどペットフード、哺乳瓶など関連物品、トイレ砂などは提供される。
 
 ボランティアの条件は釜石市、大槌町在住の20歳以上の人で、▽ペット飼育が可能な施設に居住▽同居家族全員の同意があり、猫アレルギーの人がいない▽終日子猫の世話が可能▽完全室内飼育▽子猫の送迎、資材の運搬が可能―などとしている。応募者を対象に面談と講習会を実施する。
 
 安田さんは「授乳は猫のタイミングに合わせたり、手間がかかることもあるが、愛情をかけて育ててほしい。譲渡につながる手伝いをすると思って、子猫たちの社会化、人慣れに協力してもらえたら。子猫の成長が実感できて楽しいですよ」と話す。
 
 猫の一時預かりボランティアに関する問い合わせは、沿岸広域振興局保健福祉環境部(釜石保健所)環境衛生課(電話0193-27-5523)へ。

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震災後の街並みに彩り 釜石駅前、大町青葉通りに市民ら花植え 奉仕の心次世代にも

釜石駅前広場に花を植えた市民ら=18日

釜石駅前広場に花を植えた市民ら=18日

 
 釜石市鈴子町の釜石駅前広場と大町の青葉通り緑地に、今年も市民らの手によって花が植えられた。東日本大震災後の復興支援活動から市民中心の活動に移行し、今年で4年目。高校生ボランティアの参加も増え、まちの美化活動への意識の高まりを感じさせている。今年は両所にマリーゴールドやサルビアなど約500株が植えられ、秋にかけて市民や同市を訪れる観光客の目を楽しませる。
 
 釜石駅前広場では18日に作業。釜石市赤十字奉仕団(中川カヨ子団長)、釜石、釜石商工両高校、明治安田釜石営業所(山内郁尚所長)、市都市計画課から総勢約50人が参加した。国道283号沿いの花壇にマリーゴールド、サルビア、キンギョソウ、チェリーセージの4種約500株を手分けして植えた。
 
植栽作業には釜石商工高、釜石高の生徒らも尽力

植栽作業には釜石商工高、釜石高の生徒らも尽力

 
普段、交わる機会のない市民同士の交流の場にも

普段、交わる機会のない市民同士の交流の場にも

 
幅広い年代が協力し、釜石の玄関口を花で彩る

幅広い年代が協力し、釜石の玄関口を花で彩る

 
 釜石商工高1年の小林桜子さんは同校ボランティア委員会の仲間と参加。同所の花壇はバス通学の通り道で、「こうして植えられているのを初めて知った。大人の人たちが植え方を丁寧に教えてくれるのでやりやすい」と作業に励んだ。「花は好きなほう。気になったものは花言葉を調べたり、誕生花もチェックしたりする」と観賞だけではない楽しみも明かし、「また参加します」と声を弾ませた。
 
 友人に誘われ初めて参加した釜石高3年の井ケ田優妃さんは「作業は意外と大変。いろいろな人の手間がかかってできている花壇」と実感。まちを彩る花風景に「いろいろな色があって、見るだけで気持ちが明るくなる。駅前はさまざまな人が行き交う。多くの人の目に留まって、また来たいと思ってもらえる場所になれば」と期待を寄せる。長く維持するために「若い世代が引き継いでいかなければ」と活動の広がりも願った。
 
釜石高からは希望者10人余りが参加し、まちの美化に貢献

釜石高からは希望者10人余りが参加し、まちの美化に貢献

 
 明治安田釜石営業所は3年目の参加。ペットボトルキャップの回収で赤十字奉仕団に協力していた縁でこの活動を知り、継続参加している。今年は7人が作業に協力した。同社の佐々木砂智子さん(50)は「ほとんどが普段、土を触る機会がない人たち。皆さんと会話しながらの屋外作業は気持ちがいい」と笑顔。同社は2022年1月に同市と包括連携協定も締結。市民の健康づくりなど各種活動を市内で展開しており、「協力できる活動が一つでも増えていくのはうれしいこと」と佐々木さん。
 
 駅前広場などへ花を植える活動は震災後の2012年、拓殖大(東京都文京区)の学生による復興支援活動として始まった。新型コロナウイルス感染症の影響で学生の来訪が難しくなってからは、当初から同活動に協力していた同市赤十字奉仕団が中心となって市とともに継続。団は植栽だけでなく、水やりや草取りなど年間を通した管理にも尽力している。中川団長は「高校生の参加も増えていてうれしい限り。いろいろな人が集まれば大きな力となる。この活動が根付いて若い人たちが継承していってくれれば」と思いを込める。
 
花壇の維持管理には釜石市赤十字奉仕団が力を発揮。長期にわたり道行く人たちの目を楽しませる

花壇の維持管理には釜石市赤十字奉仕団が力を発揮。長期にわたり道行く人たちの目を楽しませる

 
植えられた色とりどりの花の苗。成長するとさらに美しい景観に

植えられた色とりどりの花の苗。成長するとさらに美しい景観に

 
 青葉通り緑地への植栽は22日に行われた。地元の大町町内会、近隣の復興住宅、通り沿いに事務所がある一般財団法人岩手県建築住宅センター沿岸支所、市都市計画課から20人余りが参加。同通り南側の花壇にマリーゴールド、ブルーサルビア、ケイトウの3種約500株を植えた。
 
青葉通り緑地(南側)の花壇への花植え作業=22日

青葉通り緑地(南側)の花壇への花植え作業=22日

 
近隣住民や近くの職場で働く人たちが作業に協力

近隣住民や近くの職場で働く人たちが作業に協力

 
 市営、県営住宅の管理業務を担う県建築住宅センター同支所は、地域貢献活動の一環で昨年から協力。今年は5人が参加した。佐々木勝次長は「やり始めると夢中になる。参加者は近くの復興住宅の方が多いので、雑談しながら楽しく作業させてもらっている」と喜ぶ。職場はすぐ近く。「日中は通りのベンチに座ってくつろぐ人の姿も見られる。花があるとさらに心が和むと思う」と作業に勤しんだ。
 
 大町復興住宅5号棟の伊藤清自治会長(77)は「ここは周辺の復興住宅住民が集まる場所。花があるのとないのとでは気分が違う。周りの住民はもちろん、通りがかりの人も喜んでくれる」と、花がある街並みを歓迎した。
 
周辺にはホテルや復興住宅が立ち並ぶ青葉通り。花を植えて街なかのオアシスに

周辺にはホテルや復興住宅が立ち並ぶ青葉通り。花を植えて街なかのオアシスに

 
花の苗は防草シートに開けた穴から植えた

花の苗は防草シートに開けた穴から植えた

 
 同所の花壇は市が管理する。今年から雑草対策として、試験的に土の上に「防草シート」を張った。5年ぐらいの耐久性があり、整備、維持管理に係る職員の負担軽減につなげる。

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CINEPIT映画上映会「チョコレートな人々」

CINEPIT映画上映会「チョコレートな人々」

 
ドキュメンタリー映画『チョコレートな人々』公式サイト
 

上映に合わせ、当日会場内にて「久遠チョコレート」の特別販売をいたします。
数量限定ですので売切れの際はご了承ください。

 

 

日時

2024年6月23日(日)
① 10:00〜
② 13:30〜
※上映時間102分

会場

釜石PIT(座席90席設定)
 
●発熱・体調の悪い方のご入場はご遠慮下さい。
●可能な限りマスク着用の上(任意です)、上映中の発声はご遠慮下さい。
●入場の際は手指消毒をお願いします。

料金

一般1,000円
高校生以下300円
小学生以下無料

主催

CINEPIT運営委員会(釜石まちづくり株式会社)
上映担当:みやこ映画生活共同組合

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社 TEL 0193-22-3607
作品に関して:みやこ映画生活共同組合 TEL 0193-64-5588

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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第6回 かまいし百円市

第6回 かまいし百円市
 
売ってる商品はぜ~~んぶ100円の『かまいし百円市』を開催します。
リユース可能な子供用品、まだまだ使えるおもちゃ、ちょっとしたコレクションアイテム、かつての趣味の名残、ハンドメイド商品・・・など、全て100円のフリーマーケットです!
合言葉は「100円握ってお宝さがし!」

 

※6/2(日)までは出店募集も受付しております。
▼出店については以下のページよりご確認ください。
https://en-trance.jp/news/local/40167.html

日時

2024年6月23日(日)11:00~15:00

場所

釜石市民ホールTETTO・ホール前広場

主催・お問合せ

釜石まちづくり(株)
TEL 0193-22-3607

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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新緑にきらめく橋野鉄鉱山 汗爽やかウオーキング 釜石協会、仲間とふれあい楽しむ

新緑に囲まれた橋野鉄鉱山でウオーキングを楽しむ参加者

新緑に囲まれた橋野鉄鉱山でウオーキングを楽しむ参加者

 
 世界遺産・橋野鉄鉱山がある釜石市橋野町の自然や歴史に触れながらウオーキングを楽しむ催しが18日にあり、市内外の40人が心地よい汗を流した。インフォメーションセンターを発着点に、高炉跡、普段は一般公開されていない「運搬路跡」をたどる往復約6キロのコース。新緑の木々や川のせせらぎ、動植物の息吹きなどを感じながら、「きれい」「いい季節だ」などと会話も弾ませた。
 
 地域の自然・風土、歴史・文化、仲間という3つの触れ合いを楽しみながら健康づくりに取り組んでいる釜石市ウオーキング協会(遠野健一会長、会員約50人)が主催。5月の例会行事だが、他地域の団体や一般参加も受け入れていて、今回は一関市や盛岡市、遠野市からの参加もあった。同協会員で釜石観光ガイドとしても活動する地元の小笠原明彦さん(67)が案内役を務めた。
 
 遠野会長(80)の「いつものように楽しく元気に足腰を鍛えよう」との掛け声を受け、準備体操をして出発。許可を得て立ち入りが制限されている区域に足を踏み入れた参加者は足取りも軽く、緩やかに続く上り坂を進んだ。道端の草花やそばを流れる川の眺め、木々の間から差し込む日の光、そよぐ風、鳥や虫といった生き物たちの気配…。さまざまな刺激を受け、「上も下も楽しむ要素がいっぱいでいいね」と明るい声が響いた。
 
絶好のウオーキング日和。参加者は元気よく歩き出す

絶好のウオーキング日和。参加者は元気よく歩き出す

 
普段は一般公開されていない場所を歩くため記録にパチリ

普段は一般公開されていない場所を歩くため記録にパチリ

 
動植物、自然との触れ合いに参加者は顔をほころばせた

動植物、自然との触れ合いに参加者は顔をほころばせた

 
 一般参加した金ヶ崎町の桝井紀子(としこ)さん(79)、大槌町の佐藤正子さん(80)は「青空と木漏れ日が最高。日陰もあるから快適だし、とにかく楽しい」と笑顔を重ねた。ヤマフジやクリンソウなどを見つけては立ち止まり、川のせせらぎに耳を傾けて涼しさを共有しながら、ゆっくり散策。「普段は歩けない場所に来れて、いい思い出になる」と満足げだった。
 
 今回は、二又沢橋を渡ったところで折り返し。この先、1キロほど進むと「鉄鉱石の採掘(露天掘り)跡」があるといい、小笠原さんが解説を加えた。帰りは、林道と並行するように残る運搬路跡を希望者がほんの少し歩いてみて、高炉が稼働した時代を想像。3基ある高炉跡では、それぞれの炉の特徴を聞いたりしながら鉄の歴史や人々の営みに思いをはせた。
 
折り返し地点に到着。参加者は元気いっぱいで余力を残す

折り返し地点に到着。参加者は元気いっぱいで余力を残す

 
林道より高い地点に残る運搬路跡。一部をたどってみた

林道より高い地点に残る運搬路跡。一部をたどってみた

 
山道を抜けて高炉跡の散策コースを歩く参加者

山道を抜けて高炉跡の散策コースを歩く参加者

 
三番高炉。ガイドの説明を聞いて鉄の歴史に触れた

三番高炉。ガイドの説明を聞いて鉄の歴史に触れた

 
 民話のまち遠野ウオーキング協会は16人で参加。人や牛が鉄鉱石を背負って運んでいた運搬路跡、高炉の石組みを見た千葉隆司さん(84)は「今でこそ機械があるから楽にできることも、当時は手作業。大したもんだ」とうなずいた。健康維持にと毎日歩いていて、「何も考えず、あちこちの景色を眺められる」のが続く理由。この日もスタスタと前に進み、元気いっぱいだった。
 
 釜石協会の遠野会長は「人生100年時代、運動が大事と言われている。手っ取り早いのは歩くこと。いつでも、どこでも、誰でもできる。個人でもいいが、団体ならではの楽しみもある」と強調。今回のように大人数で歩くことでクマなどの動物に存在を知らせて森林浴を楽しんだり、普段とは違った場所を歩けるのもメリットだという。気になるのは会員の減少。「若い人たちにも参加してほしい。3つの触れ合いを一緒に楽しみましょう」と望む。
 
おしゃべりに励まし合い…仲間と歩く楽しさを実感

おしゃべりに励まし合い…仲間と歩く楽しさを実感

 
橋野鉄鉱山の景色や自然を満喫した参加者たち

橋野鉄鉱山の景色や自然を満喫した参加者たち

 
 2024年度に同協会では24回のウオーキング行事を計画。釜石市内だけでなく、岩手県内各地の協会主催行事に参加したり、年1回の県外遠征も予定する。行事のほとんどは距離別に2コース用意されていて、健脚もゆっくりと散策を楽しみたい人もそれぞれ楽しめるよう配慮。協会に所属していなくても、開催当日に集合場所に行くと参加できる。参加料として300円が必要。問い合わせは釜石協会事務局(電話090-2279-1064)へ。
 
 6月にはJR盛岡駅が出発点の「壬生義士伝のまち・盛岡散策路」、山田町の鯨と海の科学館を出発点にした「船越半島 海辺散策ウオーク」を予定する。9月の「遠野物語・土淵のみち」は人気のコース。10月には15回目の「鉄と魚とラグビーのまち釜石潮騒ウオーク」もある。
 詳しくは、「令和6年度釜石ウオーキング協会行事計画(エクセルファイル:45KB)」をチェック!

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DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT SC相模原戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT SC相模原戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第15節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs SC相模原

日時

2024年6月2日(日) 14:00 キックオフ
開場 13:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・PV会場限定 オリジナルLEDキーホルダーも販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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同じ釜の飯!?釜石サクラマス 岩手大の学生、レシピ考案中 学食提供めざし“浜の母ちゃん”とタッグ

サクラマスを使った料理作りに取り組む岩手大釜石キャンパスの学生ら

サクラマスを使った料理作りに取り組む岩手大釜石キャンパスの学生ら

 
 岩手大釜石キャンパスの学生が、地元の漁協女性部の手を借り、釜石湾で養殖されたサクラマスを使ったレシピづくりに取り組んでいる。サクラマスの認知度を高めて販路拡大やブランド化の進展を図るのが狙い。盛岡市上田のキャンパスにある学生食堂で提供するのが目標で、学生が手を出したくなるメニューや量、価格帯など試行錯誤中だ。
 
 レシピづくりを進めるのは、釜石市平田のキャンパスで学ぶ岩大農学部食料生産環境学科水産システム学コース4年の阿部美幸さんと工藤りおさん。2020年度から継続する「浜のお母さんに学ぶ郷土料理教室」や、市を挙げてブランド化に取り組む「釜石はまゆりサクラマス」を合わせた活動を先輩から引き継ぎ、実現させようと奮闘する。
 
 協力するのは、釜石湾漁業協同組合平田女性部(高澤友子部長、部員約30人)。釜石キャンパス特任専門職員の齋藤孝信さん(62)が調整役を担う。今年3月に上田キャンパスの学食で担当者から実現の可能性や課題を聞き取り、5月の上旬からメニューづくりを本格化させた。
 
漁協女性部メンバー(左)の手を借りて試作に取り組む

漁協女性部メンバー(左)の手を借りて試作に取り組む

 
 6品考案し、レシピ化。15日には魚河岸の魚河岸テラスで試作し、学生に試食してもらった。この日のメニューは、火を通したサクラマスの身をほぐしカブと合わせたサラダ、みそや塩こうじに漬けた焼き物、しょうゆとみりんで下味をつけて揚げたフライの3品。学生たちは「一週間分の魚を食べた気分」と喜びつつ、「焼き物系はパサパサ。改善した方がいい」「サラダは酸味がいいアクセント。でも生臭さと混じるのを不快に感じる人もいるかも」と率直な感想を伝えた。一番人気はフライ。「外がサクサク、中はふっくらで食感がいい」と上々の評価だった。
 
焼き物やサラダなどを試作し、仲間に味わってもらった

焼き物やサラダなどを試作し、仲間に味わってもらった

 
 同じキャンパスで学ぶ仲間の声にうなずきながら耳を傾けた阿部さんと工藤さん。「机の上でしか考えていなかったが、料理として再現することで、学食で提供するイメージができた」と手応えを感じた。活動を後押しする“浜の母ちゃん”、高澤部長と中谷地万惠子副部長(ともに71)は「若い人たちに魚をいっぱい食べてほしいし、料理も覚えてほしい」と目を細めていた。
 
 今回使用したサクラマスは昨年水揚げされたものを市内の加工業者が急速冷凍した半身のフィレ。60~80グラムにそれぞれ切り分け、1食分のサイズ、原価なども考えながら調理した。20日にも残り3品の試作、試食の場を設定。食後のアンケートを用意し、味や量、見た目のほか、「単品だったら、いくら出す?」と問いかけていて、学生の反応を参考にしながら献立を絞り込む。
 
スマホで撮影しながら記録を残しつつ作業を進める

スマホで撮影しながら記録を残しつつ作業を進める

 
 「一切れのサイズは?」とイメージを膨らませながら調理

「一切れのサイズは?」とイメージを膨らませながら調理

 
「同じ釜の飯」を味わってもらおうと試行錯誤を続けるメンバーたち

「同じ釜の飯」を味わってもらおうと試行錯誤を続けるメンバーたち

 
 阿部さん、工藤さんはこの活動に「同じ釜の旬を食う」と名を付ける。24年度の同大学生支援事業「NEXT STEP工房」(学内基金)を活用したい考えで、応募に向け準備。「実現させて、釜石サクラマスの名とおいしさを多くの人たちに知ってもらいたい」と腕をまくる。

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写真で「癒やし」のひとときを― 釜石・芳賀憲一さん 震災機に継続の展示会3年ぶりに

 「癒やし」をテーマに開かれた芳賀憲一さんの写真展=18日

「癒やし」をテーマに開かれた芳賀憲一さんの写真展=18日

 
 釜石市のアマチュア写真家、芳賀憲一さん(77)が17日から3日間、同市大町の市民ホールTETTOで写真展を開いた。東日本大震災後、撮りためた作品を「皆さんの癒やしになれば」と公開し続ける芳賀さん。今回は2021年3月以来の展示会で、自身の“喜寿”記念も兼ねて開催。この3年で撮影した市内外の風景や動植物などを主に70点を展示した。
 
 サクラ、ヒマワリなど季節の花々、昨年運行を終了したSL銀河、釜石まつりの呼び物「曳き船」、市街地で憩うシカ…。芳賀さんが独自の視点で捉えた一枚一枚が来場者の目をくぎ付けにした。色彩の美しさ、構図のうまさ、貴重な一瞬を逃さない技術力の高さに加え、しゃれっ気たっぷりの作品タイトルなど、見る人を魅了する要素が満載の展示会となった。
 
TETTOでの開催は2019年、21年に続き3回目

TETTOでの開催は2019年、21年に続き3回目

 
写真左:魚眼レンズで撮影したヒマワリ畑と紅葉。同右上:ハスの花びらが水滴に乗った作品のタイトルは「花筏(いかだ)」。同右下:リニューアル前の大只越公園。イチョウの落ち葉の上にできた2本の木の影で「道しるべ」

写真左:魚眼レンズで撮影したヒマワリ畑と紅葉。同右上:ハスの花びらが水滴に乗った作品のタイトルは「花筏(いかだ)」。同右下:リニューアル前の大只越公園。イチョウの落ち葉の上にできた2本の木の影で「道しるべ」

 
作品名「柿をとる」。左は(スマホカメラで)撮る、右は(手をのばして)もぎ採る

作品名「柿をとる」。左は(スマホカメラで)撮る、右は(手をのばして)もぎ採る

 
 今回、初めて取り入れたのは写真に書を施した作品コーナー。釜石応援ふるさと大使を務める仙台市在住の書家支部蘭蹊さん(73)が、芳賀さんの写真にさまざまな言葉を添えた作品で、2つの芸術の融合が新たな世界観を生み出している。「いつか、支部さんと二人展もできれば」と芳賀さん。
 
芳賀さんの写真に支部さんが言葉をしたためたコラボ作品。右下は芳賀さんの写真展への思いを書いてもらった作品

芳賀さんの写真に支部さんが言葉をしたためたコラボ作品。右下は芳賀さんの写真展への思いを書いてもらった作品

 
 会場には市内外から多くの人たちが足を運んだ。「ここはどこ?」「どこから撮ったの?」と質問する来場者。釜石大観音など見慣れたモチーフも撮る場所や時間帯、気象条件によって違った表情を見せており、興味をそそられながら見入る人の姿も。
 
季節や撮影場所によってさまざまな景観を生み出す釜石大観音

季節や撮影場所によってさまざまな景観を生み出す釜石大観音

 
写真展を開いた芳賀憲一さん(中央)。来場者との会話も楽しみの一つ

写真展を開いた芳賀憲一さん(中央)。来場者との会話も楽しみの一つ

 
 芳賀さんは同市大只越町出身・在住。2004年に発生した新潟県中越地震の復興事業に土木技術者として2年間派遣された際、休日を利用して、釜石にはない風景を撮影したのが写真を始めるきっかけとなった。帰釜後、「古里にもまだ見ぬ景色がある」と日常的にカメラを手にするように。市内外に出向いて撮影を楽しんだ。
 
 63歳で退職した直後の2011年3月、東日本大震災が発生。被災者の力になりたいと、仮設住宅を担当する市の臨時職員(中妻地区生活応援センター配属)として働き始めた。仮設入居者の生活が落ち着き、各種支援も減ってきたころ、引きこもりの増加が問題に。「外に出るきっかけになれば」と思いついたのが、殺風景だった仮設の談話室に自身が撮りためていた写真を飾ることだった。「ぜひ見に来て」と積極的に声掛けをしたところ、自室にこもりがちだった人たちも足を運び、「癒やされた」と安らぎの表情を浮かべたという。
 
 市内に復興住宅が建設され、仮設からの移住が進んだ2017年、上中島復興住宅に併設整備された同センター(中妻公民館)で再び写真展を開催した。市の臨時職員の仕事は7年間続けた。この間、地元の写真愛好家グループ「釜石写遊会」にも所属。先輩会員から技術を学び、会の展示会でも作品を発表してきた。同会解散後は、個展が唯一の発表の場となり、TETTOでの開催は本展で3回目を迎えた。
 
写真左:写真愛好家をはじめ多くのファンに愛されたSL銀河。同右:2羽のハクチョウの首がハート形を作り出したユニークな一枚

写真左:写真愛好家をはじめ多くのファンに愛されたSL銀河。同右:2羽のハクチョウの首がハート形を作り出したユニークな一枚

 
芳賀さんの専属モデルは2人の孫娘。姉妹愛あふれる作品

芳賀さんの専属モデルは2人の孫娘。姉妹愛あふれる作品

 
 「常にカメラを持ち歩き、撮りたいものがあればすぐに…」と芳賀さん。意図して撮りに行く以外にも、心引かれる被写体との偶然の出会いで思わずシャッターを切ることも。撮影の原動力は「見た人が喜んでくれること」だといい、「自分がその写真の中にいる感覚を味わってほしい。実際に現地で見ているかのように」と思いを込める。
 
 会場では「きれいだね」「いいねぇー」「楽しませてもらった」など、感激の声が聞かれた。「ありがたい。やったかいがある」とうれしさをにじませる芳賀さん。今後、撮ってみたい題材を尋ねると、「お年寄りの穏やかな部分。日なたぼっこをしている姿とか、和めるものを撮りたい」。人物撮影では「背中から撮らせてもらうほうが好き。『何を話しているのかな』とか想像が膨らむ」とベストショットを狙う。
 
 今回、会場の一角には能登半島地震の被災者支援のための募金箱も設置され、協力者には芳賀さん撮影の写真がプレゼントされた。
 
能登半島地震被災者支援の募金も呼び掛け。プレゼント用の写真はどれも素敵で迷っちゃいます!

能登半島地震被災者支援の募金も呼び掛け。プレゼント用の写真はどれも素敵で迷っちゃいます!