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世代超え盤上で深める交流 将棋・釜石市長杯争奪大会 小山怜央四段の直筆色紙 初登場で白熱

世代を超え勝負!盤上での交流を楽しむ将棋大会の参加者

世代を超え勝負!盤上での交流を楽しむ将棋大会の参加者

 
 日本将棋連盟釜石支部(土橋吉孝支部長)主催の世代間交流将棋大会は14日、釜石市上中島町の中妻公民館で開かれた。市長杯をかけ熱い戦いを繰り広げて6回目となる今回、地元出身のプロ棋士・小山怜央四段(30)の名を冠した大会に進化。2つの栄冠を狙って小学4年生~86歳まで、県内外の愛好者48人が盤上で真剣勝負を展開した。
 
 団体戦に16チーム(各3人)が出場。世代を超えて臨む対局はスイス式トーナメント戦4局を行って、勝ち点を競う。棋力に応じて駒落ちハンディ(最高6枚落ち)をつけたり、対局時計の使用に不慣れな人に配慮(数回、大目に見るなど)したり、大会独自のルールを用意する。
 
市長杯のトロフィー、小山怜央四段の色紙を狙って将棋愛好者が集う

市長杯のトロフィー、小山怜央四段の色紙を狙って将棋愛好者が集う

 
 準備を整え、「お願いします」とあいさつして対局開始。真剣な表情で盤面に向かい、パチ、パチ…と駒を打つ音を重ねた。それぞれ持ち時間は15分で、切れたら一手30秒で指す決まり。「う~ん」と頭を悩ませながら、「そうか!」「…失敗したぞ」と思わず声を出してしまったり、戦いは白熱した。勝敗に関わらず「ありがとう」で締めくくり。対局を振り返り、「こんな手、考え方もあるのか」などと棋力を磨き合った。
 
集中力がキラリ!真剣な表情で盤面を見つめる小学生

集中力がキラリ!真剣な表情で盤面を見つめる小学生

 
静かなる熱戦を展開!ベテランたちも負けずに指す

静かなる熱戦を展開!ベテランたちも負けずに指す

 
 柔道に打ち込む仲間とチームを組んで初めて参加した釜石の中学生、山﨑一心さん(14)は「将棋は遊びでやっていた。いい勉強になって楽しかった」と笑った。第1局は2枚落ちのハンディをもらい、地元のベテラン澤田秀人さん(82)に挑んだが敗戦。「ちょっと悔しい。対戦する機会があれば、今度は勝ちたい」と再戦を心待ちにした。
 
 対する澤田さんは「駒落ちはゆるくない(容易ではない、大変だといった意味の方言)。押され気味で、何とか勝たせてもらった感じだな。あと一年もすれば、もっと強くなる」と激励を込めた。この大会には小山四段も過去に出場し、その時に指した経験は思い出として残る。「諦めがつく気持ちになるほど、すごかった」と肌で感じた強さを思い浮かべ、ニヤリと笑う。若手の成長を見るのは喜びで、大会での交流を楽しみにする。対局は体力勝負でもあり、終わった後はどっと疲れもくるが、「一つでも多くいろんな人と対戦したい」とやる気は若者にも負けない。
 
小山四段の対局を横目に自身の戦いに挑む出場者

小山四段の対局を横目に自身の戦いに挑む出場者

 
 この日は、第74回NHK杯テレビ将棋トーナメントに挑んでいる小山四段の1回戦(第2局)の放送日。交流大会の参加者は第1局を終えると、会場に用意されたテレビやスクリーンに映し出された対局の様子を見守った。「私は岩手出身で初の棋士。予選を通過して本戦に臨む際、作戦を練ってきました」とコメントを残していた後手番の小山四段は、大石直嗣七段(34)に110手で勝利。「よし!」と、会場から拍手が沸き起こった。その流れを受け、参加者たちは気合を入れて午後の対局に臨んだ。
 
対局の合間には大人も子どももテレビ画面にくぎ付け

対局の合間には大人も子どももテレビ画面にくぎ付け

 
 年配者と子どもが向かい合って将棋を指す。そんな光景を「原風景」と表現していたのは仙台市から初参戦した菅原歩さん(52)=東北大学大学院経済学研究科准教授。年齢、段や級の棋力差に関わらず勝負の面白さを感じながら多くの人と交流できる環境をつくるこの交流大会は「幸福感をもたらしてくれる。この素晴らしい光景が小山四段という存在を生む背景になったのだろう」と感慨にふけった。
 
 陸前高田市出身の菅原さんは、中学時代に「全国選抜将棋選手権大会で優勝」との経歴を持つ。高校卒業後は学業や仕事に専念し、5年ほど前から「観る将」(将棋を観て楽しむファン)として楽しんできた。大会参加は35年ぶり。以前から親交がある土橋支部長(68)から声がかかり、夢中で盤面に向かっていた頃の“師匠”栗林長悦さん、小林秀雄さん(いずれも奥州市)とともに戦いに臨んだ。「勝ち負けより楽しむ。ミスせず、悔いのないよう戦いたい」と話していたが、チームは見事に優勝。個人では全勝賞も手にした。「心地よい緊張感、集中できる時間」を楽しんだ様子。この原風景が続くことを望み、「また参加したい」と笑顔を残した。
 
優勝した「歩君とその師匠たち」チーム。中央が菅原歩さん(写真・土橋支部長提供)

優勝した「歩君とその師匠たち」チーム。中央が菅原歩さん(写真・土橋支部長提供)

 
 今回、敢闘賞を用意。勝ち越したり、懸命に取り組んだ若手を中心に選出し、小山四段が揮ごうした力強い筆致の色紙を贈った。参加者の戦いぶりに見入っていた小野共市長は「苦難を乗り越え、当初の目的を達した小山さんの努力、生き方に心を動かされる」と話し、活躍が岩手の将棋界にもたらす影響を改めて感じたようだった。
 
 将棋人口の底辺拡大や普及を目的に交流大会を続ける土橋支部長は「昔なじみの顔ぶれ、若手、初心者が集まる場」をうれしそうに見つめる。この日、小山四段は天童市で指導対局の仕事があり大会には顔を出せなかったが、テレビ放送で雄姿を披露。「怜央効果だな。頑張っている姿を見れば、みんな応援したいし、自分もやるぞと意欲も高まる。励まし、励まされる、そんな交流の輪を広げていきたい」とさらに目尻を下げた。
 
「来年もまた」。釜石市長と小山四段の名を冠した大会は続く

「来年もまた」。釜石市長と小山四段の名を冠した大会は続く

 
◇団体戦順位①歩君とその師匠たち(小林秀雄さん、菅原歩さん、栗林長悦さん)②遠野支部(新沼光幸さん、松田吉輝さん、萩野良三さん)③久慈支部B(笹原賢二さん、中川原将洋さん、中川原達哉さん)
 
◇個人全勝賞/菅原さん(歩君とその師匠たち)、新沼さん(遠野支部)、畠山和人さん(稜平と小田代兄弟)、刈谷瑞明さん(正棋会C)、小笠原拓宏さん(将棋教室)

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鉄鉱石産出日本一「釜石鉱山」の価値を後世に デジタル技術活用で保存・理解促進へ

旧釜石鉱山事務所「国登録有形文化財」登録10周年記念事業の公開=甲子町大橋、同事務所

旧釜石鉱山事務所「国登録有形文化財」登録10周年記念事業の公開=甲子町大橋、同事務所

 
 日本最大の鉄鉱山として栄えた釜石市甲子町大橋の「釜石鉱山」。豊富な資源を基に国内で初めて洋式高炉による連続出銑に成功したこの地は、「近代製鉄発祥の地」として知られる。現存する旧釜石鉱山事務所の建物は2008年に日鉄鉱業から同市に寄贈され、市は寄託資料の展示公開を行っている。建物は13年に国の有形文化財(建造物)に登録され、昨年6月で10周年を迎えた。これを記念し、市は同鉱山への関心を高めてもらう各種事業を実施している。
 
建物が国の有形文化財になっている「旧釜石鉱山事務所」。鉱山の歴史を物語る貴重な資料を展示

建物が国の有形文化財になっている「旧釜石鉱山事務所」。鉱山の歴史を物語る貴重な資料を展示

 
 NTT東日本岩手支店(後藤高宏支店長)、NTT Art Technology(アートテクノロジー、国枝学代表取締役社長)の協力で取り組んだのは、デジタル技術を活用した鉱山の歴史の保存と発信。同事務所に残る、ドイツ人地質学者ハインリッヒ・エドムント・ナウマンが手がけた東北部の予察地質図(1886年刊行)を高精細のデジタル化技術で複製。レプリカの展示で実物の劣化を防ぎ、現在の状態を画像データで保存する目的で行われた。実物は明治初期に石版印刷で刷られたものだが、今回のデジタル化で細部の拡大が可能となり、当時の技術の高さが浮き彫りになった。
 
ナウマンの地質図などのデジタル化について説明するNTTアートテクノロジーの国枝学社長

ナウマンの地質図などのデジタル化について説明するNTTアートテクノロジーの国枝学社長

 
 同鉱山の坑道を360度カメラで撮影した映像をパソコンやスマートフォンなどで見られるVR(仮想現実)コンテンツも制作した。普段は一般公開されていない坑道を2キロにわたり撮影。花こう岩の音響実験室(グラニットホール)や鉄鉱石採掘場跡、ミネラルウオーター「仙人秘水」の採水地も現地にいる感覚で見ることができる。旧鉱山事務所のVR映像も制作した。
 
 地質図、坑道、旧事務所の各コンテンツは「釜石鉱山デジタルアーカイブ」(http://kamaishi.org)で公開。同アーカイブには、鉱山労働者らが暮らした大橋社宅街の写真を投稿してもらうフォーマットもある。同事務所(釜石鉱山展示室)では5月13日まで、ナウマンの地質図の実物とレプリカを並べて展示公開。坑道と事務所のVR体験もできる。
 
釜石鉱山坑道を360度カメラで撮影した映像でバーチャルツアーを楽しめる

釜石鉱山坑道を360度カメラで撮影した映像でバーチャルツアーを楽しめる

 
小野共市長(手前右から2人目)もVR体験。「見ると現地にいる感覚に。実際に行って空気感などを体感してみたくなる」

小野共市長(手前右から2人目)もVR体験。「見ると現地にいる感覚に。実際に行って空気感などを体感してみたくなる」

 
 「ナウマンの地質図」実物はどっち?? ぜひ、足を運んで見比べを!

「ナウマンの地質図」実物はどっち?? ぜひ、足を運んで見比べを!

 
 NTTアートテクノロジーの国枝社長は「高精細であればあるほど、本物を見たいという人は多い。デジタルアーカイブを見た人が興味を持って現地を訪れるというような循環につながれば。あらかじめ見どころをつかんで足を運べば、より一層理解も深まると思う」と期待する。同社はこれまで数多くの文化・芸術作品のデジタル保存を手掛けているが、産業関連では今回の釜石での取り組みが初めてだという。
 
 同市とNTT東日本は2022年8月、地域活性化に向けた連携協定を締結。水産業の課題解決や自治体業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化などで一体的な取り組みを進めてきた。今回の事業公開にあたり、6日、同事務所で行われた開会式では小野共市長から後藤支店長に感謝状が贈呈された。後藤支店長は「大変意義ある事業にNTT東日本グループとして参画させていただきうれしい」と話した。
 
 式では、市が昨年募集した旧釜石鉱山事務所の愛称も発表された。全国から6点の応募があり、市職員と釜石鉱山社員14人で選考した結果、釜石市の小林潤(さかえ)さん(52)が考案した「Teson(てっさん)」に決まった。小林さんによると、「鉄山」とスペイン語で“粘り強い”を意味する「teson(テーソン)」を組み合わせ、発音を変えた造語だという。「釜石の歴史を築いてきたのは鉄山だけでなく、その事業を支えた先人たちの粘り強い精神。多くの人たちが釜石を訪れ、その歴史や精神に触れることを願う」と小林さん。
 
考案した愛称「Teson(てっさん)」が採用され、感謝状を贈られる小林潤さん

考案した愛称「Teson(てっさん)」が採用され、感謝状を贈られる小林潤さん

 
釜石鉱山フォトコンテストの全応募作品も公開

釜石鉱山フォトコンテストの全応募作品も公開

 
 記念事業の公開では、昨年実施した釜石鉱山フォトコンテストの応募作品30点も全てプリントして展示。最優秀賞を受賞した釜石市の藤原信孝さん(75)の作品など、応募者の視点で捉えた鉱山の魅力を感じることができる。
 
 記念事業の展示は5月13日まで開催。旧釜石鉱山事務所の開館時間は午前9時から午後5時まで(最終入館は午後4時)。毎週火、水曜日は休館。大型連休中の5月1日(水)は特別開館。入館料は一般300円、小中学生100円。
 
開会式に出席した関係者。旧事務所訪問やVR体験で釜石鉱山の歴史、価値に触れてほしいと願う

開会式に出席した関係者。旧事務所訪問やVR体験で釜石鉱山の歴史、価値に触れてほしいと願う

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日課は洗濯物たたみ おちゃめな100歳!栁田チソノさん 釜石の特養ホームで生活

100歳の栁田チソノさん(前列中央)、お祝いに訪れた家族や釜石市関係者ら

100歳の栁田チソノさん(前列中央)、お祝いに訪れた家族や釜石市関係者ら

 
 釜石市は9日、小佐野町の特別養護老人ホーム・アミーガはまゆり(久喜真施設長/長期・短期入居計100人)に入居する栁田チソノさんに満100歳の特別敬老祝い金5万円と記念品の羽毛肌掛け布団、「寿」の文字をしたためた額入り祝い状を贈った。この日は栁田さんの誕生日。祝い金の贈呈に合わせ誕生会が催され、栁田さんの家族や施設入居者、職員らで“めでたい”節目を祝った。
 
 同ホームを訪れた平松福寿副市長が「激動の100年を歩み、苦しみを乗り越え、よき日を迎えた」と祝福の言葉をかけながら、栁田さんに記念品を手渡した。久喜施設長も「元気で長寿を重ねてほしい」と気持ちを伝え、花束をプレゼント。担当職員らは寄せ書きや余興の「釜石小唄」でお祝いムードを盛り上げた。
 
栁田さんに記念品を贈る平松福寿副市長(左)ら

栁田さんに記念品を贈る平松福寿副市長(左)ら

 
100歳の祝いを盛り上げる職員有志による余興

100歳の祝いを盛り上げる職員有志による余興

 
 手製のくす玉割りを難なくこなした栁田さんの目の前には、「100」という数字をかたどった3本のろうそくをのせた誕生日ケーキが登場。無事、ろうそくの火を吹き消すと、見守る家族や仲間たちから「おめでとう」と大きな拍手が沸き起こった。うれしそうな栁田さんはマイクを向けられると、「みなさんは150歳まで生きられると思いますから、頑張ってください」と話し、おちゃめに笑った。
 
くす玉を割った栁田さんに降り注ぐ「おめでとう」

くす玉を割った栁田さんに降り注ぐ「おめでとう」

 
職員の応援を受けながら誕生日ケーキに息を吹きかける

職員の応援を受けながら誕生日ケーキに息を吹きかける

 
「ありがとう」と祝いに集まった仲間たちに感謝を伝えた

「ありがとう」と祝いに集まった仲間たちに感謝を伝えた

 
 栁田さんは1924(大正13)年に鵜住居町で生まれた。22歳の時に製鉄所勤めの廣平さん(故人)と結婚し、中妻町の社宅で生活。2男2女を授かった。編み物が好きで子どもたちの服を手づくりしたり、家庭菜園や花の手入れなどを夫と楽しんだ。岩手県外に住む子どもたちの里帰りを楽しみにし、孫8人、ひ孫6人が顔を見せてくれるのが喜びとなっていた。
 
 同ホームには2022年10月に入居。耳は遠くなったが、できることは自分でやり、字の練習や体操に意欲的に取り組む。最近の日課は洗濯物をたたむこと。担当スタッフの前川恵美さん(31)によると、施設で使うタオル類などをたたむ手伝いを買って出るが、「簡単だから、もっと難しいものを持ってきて。頭を使うのが楽しい」と元気だという。
 
笑顔が印象的な栁田さん(中)と、あたたかく見守る家族

笑顔が印象的な栁田さん(中)と、あたたかく見守る家族

 
 次女の上林みや子さん(73、埼玉県在住)は、大正、昭和、平成、令和と4つの時代を生きる母を見つめ、「気丈。苦楽もあったろう。一歩ずつ挑戦し、今がある。健康で過ごせるのも皆さんの支えがあってこそ」と感謝。7年ほど前に古里に戻って同居していた長男(故人)の嫁が定期的に見守っているのも心強い。
 
 釜石市の高齢化率(65歳以上)は2月末現在で40.4%。100歳以上は柳田さんを含め27人(男性2人、女性25人)いる。最高齢は104歳の女性。同施設には103歳の先輩がおり、100歳はもう一人いる。

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広報かまいし2024年4月15日号(No.1830)

広報かまいし2024年4月15日号(No.1830)
 

広報かまいし2024年4月15日号(No.1830)

広報かまいし2024年4月15日号(No.1830)

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【P1】
表紙

【P2-7】
施政方針・当初予算

【P8-9】
ディーニュ・レ・バン姉妹都市提携30周年

【P10-11】
台湾東部沖地震救援金 他

【P12-13】
まちの話題

【P14-17】
保険案内板・まちのお知らせ

【P18-19】
かまいし春まつり・釜石さくら祭り 他

【P20】
市民百景

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024040900029/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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桜の宝庫・釜石 各所で*満開* 昼も夜も花見客繰り出す 写真、ピクニック…春の楽しみ存分に

満開の桜の下で花見を楽しむ親子=13日、上中島町

満開の桜の下で花見を楽しむ親子=13日、上中島町

 
 釜石市内の桜は13日までに多くの場所で満開となり、天候に恵まれた13、14の両日は各地で花見を楽しむ人たちの姿が見られた。新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初の花見シーズンを迎え、桜の木の下で弁当などを広げ飲食を楽しむ光景も戻ってきた。桜とともにツバキやモクレン、レンギョウなどが見られる場所もあり、花色の競演も春の風景を一層引き立てている。山あいの地域ではこれから満開となる桜もあり、釜石の桜シーズンはまだまだ続く。
 
 上中島町の日本製鉄多目的グラウンド広場の桜は薄桃色の花が美しい並木が市道沿いに連なる。13日は家族連れが訪れ、レジャーシートを広げて昼食を楽しんだり、ボール遊びをする姿が見られた。妹、母と鈴子広場(公園)で遊んだ後、昼食を食べようと同所に立ち寄った甲子町の佐藤愛奈ちゃん(5)は「桜はお花がきれいだから大好き。(見られて)うれしい」とにっこり。母手製の弁当を頬張り、春の休日を楽しんだ。
 
青空とのコントラストも美しい桜並木=日本製鉄多目的グラウンド広場

青空とのコントラストも美しい桜並木=日本製鉄多目的グラウンド広場

 
「さくら、きれい。お弁当もおいしいよ!」笑顔も満開の子どもたち

「さくら、きれい。お弁当もおいしいよ!」笑顔も満開の子どもたち

 
 11、12日で一気に咲き進み、満開となった小川川下流域の桜並木。13日は見ごろを逃すまいと多くの人が足を運んだ。両岸に木が並ぶ一帯は2つの橋を渡って周回できる絶好の散歩コース。親和橋のたもとでは花を間近で見ることができ、至近距離で撮影する人たちも。近くの多目的広場では子どもたちや若者グループが遊びに興じ、歓声が響いた。
 
今年もボリューム満点の花を咲かせる小川川沿いの桜並木=13日

今年もボリューム満点の花を咲かせる小川川沿いの桜並木=13日

 
 野田町の佐々木彩加さんは4世代家族8人で訪れた。同所には毎年足を運んでいて、「遠くに行かなくても桜を楽しめる場所があるのはとてもいい」と笑顔。長男(3)は今春、こども園に入園したばかり。「今年も無事に家族みんなで桜を見られた。毎年ここで撮っている写真を見ると、子どもたちの成長を実感する」と幸せいっぱいの表情を浮かべた。
 
 東日本大震災後、小川川に隣接する桜木町は当時あった旧市民体育館が被災者の避難所となり、多目的広場には仮設住宅が建ち並んだ。毎年変わらず花を咲かせる同所の桜は被災者の傷ついた心を癒やしてきた。日本製鉄釜石山神社や市民弓道場近くの桜は2014年から昨年まで運行したSL銀河の撮影スポットにもなり、多くの鉄道ファンでにぎわった。同所には毎年、市内の老人福祉施設の利用者らも訪れており、13日も職員らと花見を楽しむ姿が見られた。
 
美しい桜風景に癒やされながら川沿いを散策。桜木町は一日中、花見客でにぎわった

美しい桜風景に癒やされながら川沿いを散策。桜木町は一日中、花見客でにぎわった

 
多目的広場で遊んだり、木の下で飲食を楽しんだりするグループも

多目的広場で遊んだり、木の下で飲食を楽しんだりするグループも

 
 桜が咲くこの時期は鉄道写真愛好家にとっても心躍る季節。鈴子町、釜石駅近くの線路沿いの桜並木は今年も美しい花を咲かせ、JR東日本、三陸鉄道の車両を出迎える。13日は開業40周年を迎えた三陸鉄道が発売した「400円で全線乗り降り自由」の記念切符の利用日。乗客らは沿線の桜風景とともに鉄道旅を満喫した。
 
 山田町の及川祥さん(31)は同切符を利用し、宮古から釜石へ。釜石駅で下車し、昼ごろ、桜並木の下で同駅を発着する2社の車両撮影にいそしんだ。「元々、家の前をJR山田線(現三陸鉄道リアス線)が通っていて、鉄道には昔からなじみがあった。列車の写真を撮り始めたのは10年ぐらい前から。1年の中でも桜の季節は撮影が楽しい」と顔をほころばせる。「この後、ひなび(JR新観光列車)も撮って帰ります。今年は三鉄40周年の企画が目白押しなので期待している」と話した。
 
満開の桜がお出迎え!釜石駅に到着するJR車両

満開の桜がお出迎え!釜石駅に到着するJR車両

 
開業40周年の三陸鉄道は13日限定、400円で乗り放題切符を事前販売。乗客は車窓から見る桜も満喫

開業40周年の三陸鉄道は13日限定、400円で乗り放題切符を事前販売。乗客は車窓から見る桜も満喫

 
 中心市街地を一望できる大町の薬師公園は、昼とともに夜も桜を楽しめる人気スポット。今年も釜石観光物産協会などによる夜間のちょうちん点灯が行われていて、昼とは違った風景を広げている。坂道の遊歩道沿いにはシダレヒガンザクラなどが咲き誇り、頂上広場のソメイヨシノも少し遅れて満開を迎えた。13日は家族連れやカップルが次々に訪れ、ちょうちんや街路灯で浮かび上がる夜桜に見とれた。
 
ちょうちんの明かりで夜桜も堪能できる「薬師公園桜まつり」

ちょうちんの明かりで夜桜も堪能できる「薬師公園桜まつり」

 
 大渡町の女子高校生(16)は下から見える遊歩道のちょうちんの明かりに誘われて足を運んだ。「夜の桜は初めて見た。昼とは違い、幻想的な雰囲気。まるで映画の世界みたい」と感激。スマホカメラでたくさん写真を撮り、「釜石ではなかなか見られない風景。写真は家族に見せたい」と声を弾ませた。ちょうちんの点灯は日没から午後9時までで、21日まで実施。
 
坂道の遊歩道を彩る桜は複数種。ツバキの花、三日月ともコラボ(写真左)

坂道の遊歩道を彩る桜は複数種。ツバキの花、三日月ともコラボ(写真左)

 
訪れた人たちは幻想的な景色にうっとり。写真も撮ってお土産に

訪れた人たちは幻想的な景色にうっとり。写真も撮ってお土産に

 
桜の木々の合間からは市街地の夜景も…。震災復興で建った建物などで多くの明かりが見える

桜の木々の合間からは市街地の夜景も…。震災復興で建った建物などで多くの明かりが見える

 
 市内ではこのほか、小川川上流の日向ダムで管理事務所周辺の桜が満開。ダムの上流、船着き場付近は複数種の桜が咲き始め、これからシダレザクラなどが開花する見込み。橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」周辺のソメイヨシノやヤマザクラは14日時点でつぼみ状態で開花はこれから。同所では高炉場跡の石割桜、道路沿いの八重桜の開花と5月にかけて桜シーズンが続く。
 
日向ダム周辺にも多くの桜が生える。ダム上流部にはこれから開花する花も

日向ダム周辺にも多くの桜が生える。ダム上流部にはこれから開花する花も

かまいし春まつり

かまいし春まつり

 

ゴールデンウィークの5/4に「かまいし春まつり」をシープラザ釜石とサン・フィッシュ釜石で開催します。
それぞれの施設で催しや企画がある他、お振舞いや抽選会も開催しますので、沿岸釜石にお立寄りの予定がある方は、是非JR釜石駅隣のシープラザ釜石とサン・フィッシュ釜石にお越しください。
また、魚河岸テラスでは「ウニ剥き体験」や「漁船クルーズ」の運行も予定されておりますので是非ご検討ください。

 

日時

2024年年5月4日(土・祝) 10:00〜15:00 

場所

シープラザ釜石
サン・フィッシュ釜石

主催

一般社団法人釜石観光物産協会

共催

釜石市、釜石駅前商業協同組合、シープラザ釜石テナント会

問い合わせ

釜石観光案内所
TEL 0193-27-8172

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

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桜前線釜石に 見ごろ予想は今週末 「上栗林のサクラ」ライトアップ&各所の開花状況

青空に映え、美しく咲き誇る釜石市内の桜。写真左下はライトアップされた市指定文化財「上栗林のサクラ」=10日

青空に映え、美しく咲き誇る釜石市内の桜。写真左下はライトアップされた市指定文化財「上栗林のサクラ」=10日

 
 日本の春の象徴、桜の季節が今年もやってきた-。釜石市内の桜は最高気温が20度を超えた7、8の両日で一気に咲き進み、10日時点で5~9分咲きの所が多数。青空が広がった10日は並木道を散歩したり、美しく咲き誇る花をカメラに収めたりする人の姿が各所で見られた。市指定文化財(天然記念物)の「上栗林のサクラ」は7日から夜のライトアップを開始。幻想的な花風景を広げている。
 
 甲子町松倉の甲子川沿いの市道はエドヒガン、ソメイヨシノ、シダレザクラなどが混在する市内有数の並木道。今年は早咲きが4日ごろ開花し、10日にはほぼ満開状態になった。機を逃すまいとカメラを向ける人、車両で通行する人などそれぞれの楽しみ方で美しい光景を目に焼き付けた。
 
甲子川沿い、野田町西端から甲子町松倉まで連なる桜並木。古くから市民に愛される桜スポット

甲子川沿い、野田町西端から甲子町松倉まで連なる桜並木。古くから市民に愛される桜スポット

 
10日午前はわずかにつぼみが残る木もあったがほぼ満開

10日午前はわずかにつぼみが残る木もあったがほぼ満開

 
 同所では6日、かまいし環境ネットワーク(加藤直子代表)主催の「お花見クリーンアップ」が行われた。市民ら約80人が参加し、並木の下や土手、河川敷のごみを拾い集めた。前日には、地区内の久保沢川で工事中の佐野建設(甲子町)がボランティアで同河川を清掃。両日の活動で計約150キロのごみが回収された。31年前、自主的に清掃を始め、同所の環境を見続けてきた加藤代表は「ごみの量は少なくなってきてはいるが、相変わらずポイ捨てが後を絶たない」と話し、通行者のモラル向上を願う。一方地元では、この一斉清掃以外にも個々でごみを拾い集める住民が増えており、着実な環境保護意識の高まりも感じさせる。
 
甲子川沿いの桜並木周辺で市民らが行った「お花見クリーンアップ」=6日

甲子川沿いの桜並木周辺で市民らが行った「お花見クリーンアップ」=6日

 
約1時間の清掃で空き缶、ペットボトル、ビニール片などさまざまなごみを拾い集めた

約1時間の清掃で空き缶、ペットボトル、ビニール片などさまざまなごみを拾い集めた

 
 大渡町の大渡橋たもと、橋詰広場の一本桜も10日時点でほぼ満開。橋上市場があった時代の名残を見せる桜は、2011年の東日本大震災の津波にも耐え、毎年花を咲かせている。10日午後には市内の水産加工会社で働くインドネシア出身の女性3人が休暇を使って訪れ、美しい花姿を楽しんだ。釜石に来て1~2年目という3人。来日して初めて目にした日本の桜に「すばらしい。きれいな花を見るとうれしくなる」と笑顔を広げ、しきりにスマホカメラのシャッターを切った。撮った写真は母国の家族に送るといい、「他の場所の桜も見てみたい」と期待を膨らませた。
 
大渡町の橋詰広場の桜もきれいに咲きそろう=10日午後

大渡町の橋詰広場の桜もきれいに咲きそろう=10日午後

 
日本の桜に感動し、撮影の手が止まらないインドネシア出身女性

日本の桜に感動し、撮影の手が止まらないインドネシア出身女性

 
 市内最大とされる栗林町上栗林の一本桜は、気温が20度を超えた7日から多くの花が開花。昨年より5日遅いものの、7、8連日の20度超えで次々に花開き、雨上がりの10日は全体がほぼ咲きそろった。地元住民組織、上栗林振興会(三浦栄太郎会長、28世帯)が行うライトアップは今年で12年目。2色のLED照明で浮かび上がる夜桜は毎年足を運ぶファンも多く、連日、家族連れなどが訪れている。
 
ライトアップ中の「上栗林のサクラ」。今年は県道側に丸太椅子が設置され、座っても観賞できる

ライトアップ中の「上栗林のサクラ」。今年は県道側に丸太椅子が設置され、座っても観賞できる

 
 樹齢400年以上と推定される同桜はエドヒガン種。地元では「種蒔(たねまき)桜」と呼ばれ、開花は農事の目安とされてきた。2007年に市の文化財に指定されている。古木ながら今も成長を続けているとみられ、花勢も衰えてはいない。地元住民によると、今年は花が小ぶりだというが、枝いっぱいに花をつける姿は例年と変わらない。訪れた人たちは見る角度によって違った風情を醸す桜を撮影しながら、春の夜のひとときを楽しんだ。
 
「どこから見てもきれい」。来場者を魅了する一本桜。下から見上げたり、離れた所から観賞したり楽しみ方いろいろ

「どこから見てもきれい」。来場者を魅了する一本桜。下から見上げたり、離れた所から観賞したり楽しみ方いろいろ

 
晴れた日には星空とも競演!周辺を移動時は足元が暗いので十分注意を

晴れた日には星空とも競演!周辺を移動時は足元が暗いので十分注意を

 
 三浦会長(73)は「新型コロナ感染症の余波もあり、道路沿いへの看板掲示はまだ控えている状態だが、一般の方やキッチンカー出店希望者から問い合わせをいただくことも。口コミでの広がりはあり、逆に効果的なよう。来年以降は開花時期に合わせた音楽イベントも企画できれば」と話す。ライトアップは14日までの実施は確実で、以降は花の散り具合により判断する。点灯は午後6時半から同9時半まで。
 
 釜石市内は13、14日も気温が平年より高めに推移する見込みで、桜が満開となる所もさらに増えそう。ここからは10日時点の市内の桜の開花状況を写真で紹介する。
 
 【野田中央公園】住宅地側のヤマザクラは満開。風が吹くと花びらがちらほら。甲子川側の並木はもうすぐ満開

【野田中央公園】住宅地側のヤマザクラは満開。風が吹くと花びらがちらほら。甲子川側の並木はもうすぐ満開

 
【定内公園】「今年は一斉に咲いた感じ。花が特にもきれい」と近所の女性(80)。川をはさんだ小佐野町、せいてつ記念病院敷地の桜も咲き誇る

【定内公園】「今年は一斉に咲いた感じ。花が特にもきれい」と近所の女性(80)。川をはさんだ小佐野町、せいてつ記念病院敷地の桜も咲き誇る

 
【小川川下流域】両岸のソメイヨシノの枝が川に垂れる人気スポット。散歩する80代女性は「5分咲きかな。老木ながら毎年こんなに咲くのには驚き。今週末には満開になるのでは」と予想

 【小川川下流域】両岸のソメイヨシノの枝が川に垂れる人気スポット。散歩する80代女性は「5分咲きかな。老木ながら毎年こんなに咲くのには驚き。今週末には満開になるのでは」と予想

 
【唐丹町本郷】1933(昭和8)年の三陸大津波からの復興を願って植樹された。道路の両側に立ち並び、桜のトンネルを形成。10日は9分咲き

【唐丹町本郷】1933(昭和8)年の三陸大津波からの復興を願って植樹された。道路の両側に立ち並び、桜のトンネルを形成。10日は9分咲き

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サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!SOS編

サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!
 

災害時に役立つスキルを手に入れろ!
 
2024年4月29日(月・祝) SOS編
 
/// 人の手助けができるサバイバルマスター®️に ///
 
全国の子どもたちにお願いです。
災害時は、大人たちだけでは対応できないことが次々に起こります。
そんな時のために一緒に学び続けよう。

8つのサバイバルプログラム

講習を受けると修了証、実技・筆記試験に合格するとワッペンがもらえます。
スキルが身についているか?学んだことを理解しているか?が合格の基準。
8つのプログラムすべてのワッペンがそろうと「サバイバルマスター」として認定されます。
 

サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!チラシ(PDF/545KB)

スケジュール

9:30 受付開始
 
10:00 講習開始
このスキルを身に着けたら、どういった場面で役にたつか、学びながら練習しよう!
 
12:00 昼食
 
13:30 実技試験
スキルが身についているかテスト!
 
14:30 筆記試験
知識がしっかり身についているかテスト!
 
14:50 ふりかえり
 
15:00 解散

定員

15名(先着順)※最小催行:3名

インストラクター

■ディレクター
伊藤 聡(さんつな)
72時間サバイバル教育協会 認定ディレクター
釜石高等学校 探求学習講師「防災ゼミ」 外部講師
<<主な資格>>
防災士、防災検定2級、JVCAボランティアコーディネーション力検定2級、MFAチャイルドケアプラス
 
■コーチ
中島 崇(うみと私と)
72時間サバイバル教育協会 認定コーチ
岩手県環境アドバイザー
<<主な資格>>
MCAJキャンプディレクター2級、JSPAインストラクター、赤十字ファーストエイドプロバイダー、MFAチャイルドケアプラス

お申し込み

予約フォームよりお申し込みお願いします!
https://reserva.be/santsuna
 
日程:2024年4月29日(月・祝)
料金(税込):各回3,500円/一人あたり
対象:小学3年生以上
会場:うのすまいトモス (釜石市鵜住居町4丁目901番2)※三陸鉄道 鵜住居駅前
料金に含まれるもの:
※プログラム費、検定費、保険代など含みます
※Tri4JAPANの協力により、通常の参加費(5,500円)より割安になっています
※子ども向けの内容ですが大人も参加大歓迎です
注意事項:
●参加費は当日受付でお支払いお願いします(現金、PayPay)
●保護者や、対象年齢以外のご家族も付き添い(見学のみ)可能です

主催・お問い合わせ

さんつな(三陸ひとつなぎ自然学校)
LINE https://lin.ee/RvMUVBk
TEL 0193-55-4630 / 090-1065-9976
mail santsuna311@gmail.com

協力

うみと私と
Tri4JAPAN
72時間サバイバル教育協会

さんつな

さんつな

自然と災害という二つの要素を織り交ぜながら、若者の生きる力を高めるための体験機会を提供しています。

問い合わせ:0193-55-4630 〒026-0301 岩手県釜石市鵜住居町29-17-20
メール / LINE / 公式サイト / Facebook

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身近な風物 独自の感性で グループ名新たに再出発 「釜石絵画クラブ」作品展

釜石絵画クラブの会員たちが力作を並べた作品展

釜石絵画クラブの会員たちが力作を並べた作品展

  
 昨年6月に改名し新たなスタートを切った釜石市の絵画愛好者グループ「釜石絵画クラブ」の作品展が5~7日に大町の市民ホールTETTOで開かれた。全会員13人と講師1人が、この1年間に仕上げた作品を中心に84点を展示。転機を力に会員たちは創作意欲を高めており、「継続」という共通目標に向かって共に歴史をつなぐ。
 
お気に入りの作品の前で写真撮影を楽しむ姿もあった

お気に入りの作品の前で写真撮影を楽しむ姿もあった

 
 市の社会教育講座「市民絵画教室」として1978年度にスタートした同クラブ。講座は3年間で終了したが、継続を希望する市民らによって自主活動グループに移行し、教室の名を継いで学習を続けた。作品発表やスケッチ旅行なども行い、活発に活動。当初は夜間に開かれ、多い時には子どもや社会人、高齢者まで80人近くが参加した。近年は会員が十数人で、平均年齢も少しずつ高くなり、昼間の活動に変更。現在は60~90代のメンバーが月に2回、隔週水曜日に集う。
 
 昨年の展示会後、会員の高齢化もあって“解散状態”になりかけた。そんな時、市の講座時代から講師を続ける菊池政時さんが「会の名前を変えてスタートしてみたら」と提案。2011年の展示会は会期中に東日本大震災が発生して作品が津波にのまれたが、負けじと翌年には活動を再開させた。そんな「伝統ある会を維持したい」という会員の思いは強く、「釜石絵画クラブ」として再出発を決めた。
 
1年間の成果を見せる「わたくしたちの絵画展」

1年間の成果を見せる「わたくしたちの絵画展」

 
 年一度の作品展「わたくしたちの絵画展」は名前を変えず継続し、今回で43回目を数える。市内の海景や街並み、庭先を彩る植物、自画像など身近な生活の一部をテーマに独自の感性で描いた作品が目立った。画材は油彩、水彩、アクリル、パステル、色鉛筆などさまざま。他グループで活動している人など絵画に親しむ仲間が3人増え、新たな彩りも加わった。
 
釜石港など身近な海を題材にした作品も並んだ

釜石港など身近な海を題材にした作品も並んだ

 
大型の作品をじっくりと見入る来場者

大型の作品をじっくりと見入る来場者

 
 改名に合わせ、会長に就任した小田島ヨシ子さん(82)は、植物を題材にした油彩画など7点を並べた。「朝顔」は、きれいに花開いてくれた喜びを込めた一枚。自宅で育てる朝顔はここ数年、シカの食害に遭っていたといい、「本当にきれいに咲いた。新たなスタートを後押ししてくれているよう」と頬を緩めた。創作活動は苦労もあるというが、何もかも忘れて没頭できる時間や作品として仕上がった時の達成感、見てもらえるうれしさが「たまらない」。出歩くと、いつの間にか目線は画題探しになり、「描きたい気持ちが膨らむ。今、描けることが一番の幸せ」と意欲は衰えない。
 
絵を描く仲間との触れ合いを楽しむ小田島ヨシ子さんと作品「朝顔」

絵を描く仲間との触れ合いを楽しむ小田島ヨシ子さんと作品「朝顔」

 
 新生グループは、再来年の45回展に向け気持ちを高める。これまで会に名を連ねた人や転居して遠方で暮らす人たちの作品も集めて展示しようと計画中。小田島さんは「同じ目標に向かって盛り上がっている。楽しみにしてほしい」と腕をまくった。

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新入団員迎え、ラグビーキッズら始動 釜石SWジュニア、アカデミー2024年度開校式

2024年度の活動をスタートした釜石SWジュニア(幼児・小学生)=7日

2024年度の活動をスタートした釜石SWジュニア(幼児・小学生)=7日

 
開設4年目を迎える釜石SWアカデミー(中学生)の練習=6日

開設4年目を迎える釜石SWアカデミー(中学生)の練習=6日

 
 4月に入り、釜石市内の少年スポーツチームは新入団員を迎えて本年度の活動を始めている。ラグビーの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の子ども育成部門、ジュニア(幼児・小学生)とアカデミー(中学生)は6、7の両日、甲子町の市球技場でそれぞれ2024年度の開校式を行った。新たな仲間を迎え入れ、1年間の活動に意欲を見せる団員らはそれぞれに目標を掲げ、ひたむきに練習や試合に取り組むことを誓い合った。
 
 ジュニアの開校式は7日に行われた。団員を前に大畑勇校長は「今まで以上にラグビーを好きになってください。休まず練習に参加し、情熱を持って取り組んで」とあいさつ。来賓の釜石市ラグビーフットボール協会、小笠原順一会長は「ラグビーは人数の多いスポーツ。友だちや同級生を誘って仲間を増やして」と呼び掛けた。
 
SWジュニア開校式であいさつする大畑勇校長(写真左上)。団員に指導員が紹介された(同下)

SWジュニア開校式であいさつする大畑勇校長(写真左上)。団員に指導員が紹介された(同下)

 
 本年度は小学1、3年の3人が新たに仲間入りし、全27人で活動を開始。兄の背中を追い、入団した桝澤天真君(甲子小1年)は「ラグビー、かっこいいから入りたいと思った。走るのを頑張りたい」と目を輝かせた。今季、主将を務める佐々木舞音さん(甲子小6年)は「あいさつとか基本をしっかりやって、みんなが楽しくラグビーをできるようなチームにしたい」と自覚を新たにし、「タックルが苦手な子が多いので、力を入れて練習したい。高学年を中心に1試合でも多く勝つことが目標」と意気込んだ。
 
本年度、新たに入団した団員3人が紹介された

本年度、新たに入団した団員3人が紹介された

 
写真左上:大和田崇士保護者会長から開校式恒例「ラグビーまんじゅう」の贈呈。写真右上:本年度の目標を寄せ書きする団員ら

写真左上:大和田崇士保護者会長から開校式恒例「ラグビーまんじゅう」の贈呈。写真右上:本年度の目標を寄せ書きする団員ら

 
 SWジュニアは前身の釜石ラグビースクールを含め約50年の歴史を持つ。新日鉄釜石V7時代には団員約80人規模で活動。人口減や少子化により、団員数は減少してきたが、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を機に一時は約70人に増えた。その後、新型コロナウイルス禍などもあり再び減少傾向にある。大畑校長は「“ラグビーのまち釜石”というからには、ジュニアの競技人口拡大は必須要件。小学生団員が増えないと次のアカデミーにもつながらない」とし、団員獲得への方策を模索する。
 
 今季も通常練習(日・水曜)のほか、各種大会への出場、交流事業や地元開催のラグビーイベントへの参加、SW公式戦でのエスコートキッズなどの活動を予定する。
 
新学年になった団員は気持ちも新たに練習に励む

新学年になった団員は気持ちも新たに練習に励む

 
 団は今月3日に台湾東部で発生した大地震を受け、被災地支援のための義援金を送る計画。東日本大震災後、同団員は台湾ラグビーフットボール協会などが主催する被災児童支援の国際交流プロジェクトで台北に招かれ、現地の子どもたちと交流試合などを行った経緯がある(12年から3回)。今回の惨状を映像などで目の当たりにし、「人ごとではない」と支援を決めた。
 
4人の新入団員(前列)を迎えたSWアカデミーの開校式=市球技場クラブハウス

4人の新入団員(前列)を迎えたSWアカデミーの開校式=市球技場クラブハウス

 
 一方、アカデミーの開校式は6日に行われた。坂下功正校長は4人の入団を歓迎し、「3年後の成長を楽しみに基礎をしっかり学んでほしい」と激励。全22人のメンバーに対し、「チーム力をアップして、みんなで力を合わせて戦いたい。一人一人がどれだけうまくなるか、自信を持って挑めるかが大事」と話した。
 
 新入団員はこれまでSWジュニアで活動し、この春中学1年生となった倉田凌雅(大平中)、里舘來河(大槌学園)、鈴木秋音(甲子中)、三浦新都(同)の4選手。坂下校長からアカデミーのジャージーなどウエア一式を受け取ると、「試合で活躍できるよう練習を頑張る」「タックルの力を上げたい」などとそれぞれ抱負を発表した。
 
坂下功正校長からウエア一式を受け取り、抱負を発表する新入団員

坂下功正校長からウエア一式を受け取り、抱負を発表する新入団員

 
キックオフミーティングで本年度の活動へ意欲を高める

キックオフミーティングで本年度の活動へ意欲を高める

 
 チームは本年度も、スローガンに「Challenge(チャレンジ)」を掲げる。失敗を恐れず自分の限界、困難に立ち向かう姿勢を表し、ラグビーだけでなく学校、私生活でも自ら考え行動できる人間を目指す。キックオフミーティングではチームポリシーの「感謝・規律・敬意・勇気・根気」の意味を再確認。メンバーは座学と実践練習で基本的知識、技術を身に付け、体力強化を図っていくこと、ルールを順守することなどを改めて確認し合った。
 
 中学ラグビーのスタートにあたり、「きついこともあるかもしれないがしっかり乗り越え、この3年でタックルの強化、体力向上を図りたい」と話す鈴木秋音さん。元日本代表で震災後、釜石にも幾度となく足を運ぶ五郎丸歩さんを尊敬し、「将来、誰にも負けないような選手になって、日本代表としてW杯のピッチに立つことが目標」と高い志を胸に秘める。
 
目標達成に向け、今季の活動をスタート。試合での勝利も目指す

目標達成に向け、今季の活動をスタート。試合での勝利も目指す

 
 SWアカデミーはジュニアで活動した団員や新たにラグビーを始めようという中学生のトレーニング環境を整え、競技の底辺拡大、トップ選手輩出につなげようと、2021年に開設した。当時1年生だった1期生13人はこの春卒団。約3分の2が県内外の高校ラグビー強豪校に進んだ。鈴木亮大郎ヘッドコーチ(34)は「基本を身に付け、うまくなっていくにつれ、試合もできるようになってきた」と3年間の成果を説明。昨年度はU15(中2、3)とU13(中1)のカテゴリーに単独チームでの出場がかなった。本年度も個々の成長と試合での勝利を両輪に「全国大会につながる太陽生命カップの県予選を勝ち上がれるよう指導していきたい」と気を引き締める。
 
 ジュニア、アカデミーともに引き続き団員を募集中。ジュニアの練習日は日曜の午前9時~同11時(幼児~高学年)、水曜の午後6時半~同8時(中・高学年)。アカデミーの練習は月・水曜の午後6時半~同8時半、土曜の午後2時~同4時(午後1時~座学あり)。練習場所はどちらも市球技場。入団の問い合わせは一般社団法人釜石SWRFC事務局(電話0193・22・1173)へ。

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釜石で専門学校、開校! 国際外語大学校が入学式 1期生「地元で学べる意義を実感」

釜石市国際外語大学校の開校・入学式

釜石市国際外語大学校の開校・入学式

 
 外国語や観光マネジメントなどを学べる専門学校「釜石市国際外語大学校」が5日、鈴子町に開校した。学校法人龍澤学館(盛岡市)が運営し、新規高卒者向けの外語観光学科(2年制)と、留学生を受け入れる日本語学科(1年半と2年制)の2学科(いずれも定員は1学年40人)を設置。外語観光学科が先駆けて始動し、同日、入学式が行われた。岩手県沿岸地域の高校生らの進学先として選択肢を増やし、若者の居住や定着で地域活性化が期待されたが、入学者は1人。厳しいスタートとなった。一方の日本語学科は法的手続きが遅れていたが、3月末に正式に開設が決定。1年半コースの10月開始に向け、準備を進める。
 
開校した釜石市国際外語大学校の校舎

開校した釜石市国際外語大学校の校舎

 
 開校・入学式には関係者ら約30人が出席。同法人の龍澤尚孝理事長が開校を宣言し、「10月には留学生も入学してくる。10代、20代の学生が集うことで、まちが明るくにぎやかになるだろう。多文化共生社会をつくっていければ。さまざまあるプログラムを存分に利用して学び、釜石を引っぱる人材になってほしい」とあいさつした。
 
入学式であいさつする龍澤尚孝理事長(左写真)、式辞を述べる竹内新也校長

入学式であいさつする龍澤尚孝理事長(左写真)、式辞を述べる竹内新也校長

 
 式辞に立った竹内新也校長は「入学者の確保という点で課題を抱えたまま、この日を迎えた。我々の力不足で残念」と厳しい状況を認識する。だからこそ、「第1期生を迎えられたことに大変感動している。ようこそ!」と喜びもひとしお。常勤する7人の講師や学校スタッフに、非常勤講師らも加わりサポート体制を整えていることを伝え、「学び成長する、ときに失敗もするだろうが、その一歩一歩が本校の歴史の1ページとなる。得がたい経験をエンジョイして。未来志向でポジティブに前に進んでいこう」とエールを送った。
 
 1期生となる新入生は「地元に残るのにためらいがなかったわけではない。外の世界を見たいという気持ちもあったが、学びたいこと、やりたいことを地元でできることに大きな意義を感じている。外国人留学生の仲間が間もなく入ってくる。釜石を好きになってもらえるよう積極的にコミュニケーションをとっていきたい。将来、自分の力で地域に恩返ししていけるよう、まい進する」と、ハキハキとした声で思いを伝えた。
 
新入生が宣誓。龍澤学館の関係者らが拍手を送って歓迎した

新入生が宣誓。龍澤学館の関係者らが拍手を送って歓迎した

 
 釜石市の小野共市長が祝辞を述べ、「若い世代の定着、地域や世界で活躍する人材の育成につながる新たな学びの場の開設は市が目指す持続可能なまちづくりに呼応する」と強調した。市は、同法人と東日本大震災後の2012年に復興支援協定、21年には専門学校の開校を柱とする連携協定を締結。市教育センター(5階建て)を約3億6000万円かけて改修し学校として無償貸与しており、今後も協力関係を維持する考えを示した。
 
校舎は改修された市教育センターを使用する

校舎は改修された市教育センターを使用する

 
式後、新入生に常駐する教職員らが紹介された

式後、新入生に常駐する教職員らが紹介された

 
 外語観光学科は昨年9月に設置認可を受け、同10月に学生の募集を始めた。大半の高校生は進路を決めた後だったこともあり、入学者の確保に苦戦。同校は今月いっぱい入学者を募る。高卒程度の資格があれば年齢に制限はなく受験が可能。20日にはオープンキャンパスを予定する。
 
 日本語学科には現時点でネパールから20人超が入学を希望しているという。留学生を受け入れるには、日本語教育機関として国に告示(認可)されなければならないが、受け入れの手続きや体制が整っていないなどを理由に再審査が必要となり、開校が遅れていた。
 
 問い合わせは同校(0193・27・7202)へ。

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ラグビーも!防災も!釜石・鵜住居で熱く 全国強豪校交流会 花園めざし刺激し合う

全国の高校ラグビー強豪校が集った交流会=2日、釜石鵜住居復興スタジアム

全国の高校ラグビー強豪校が集った交流会=2日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 高校ラグビーの強豪校が釜石市に集う東北復興高校ラグビー交流会(同実行委主催)は1~3日まで、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムと根浜シーサイド天然芝広場グラウンドで開かれた。常翔学園(大阪府)や東福岡(福岡県)、桐蔭学園(神奈川県)など、県内外の20校約600人が熱い戦いを繰り広げた。
 
 同スタジアムが会場となったラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会の顕彰と、東日本大震災の復興支援などが目的。昨年に続いて2回目の開催で、大会レガシーをつなぐべく今年もスタジアムに高校ラガーの歓声が響いた。
 
釜石鵜住居復興スタジアムに集った高校ラグビー部の選手たち

釜石鵜住居復興スタジアムに集った高校ラグビー部の選手たち

 
 20分1本の変則ルールで実施。選手の出場機会を増やし、より多くのチームと試合ができるよう対戦カードが組まれた。3日には、2日間の交流試合で選出されたベスト選手によるエキシビションマッチも。参加した各校は間もなく始まる新たなチームづくりに向け、自他の力を知って方向性を探る機会にした。
 
交流試合で熱いプレーを繰り広げる選手たち

交流試合で熱いプレーを繰り広げる選手たち

 
 交流会の目的の一つが防災学習。2日は同スタジアムに全参加者が集合し、震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」スタッフの川崎杏樹さん(27)から、震災の津波から難を逃れた行動、楽しく学ぶ防災、備えの大切さを聞いた。この日の夜明け前、釜石で震度4を観測する地震があったこともあり、耳を傾ける生徒たちの表情は真剣そのもの。「災害はいつ来るか分からない」と改めて実感し、学びを伝えることで「誰か助かる人がいる」と気づきを得た。未来館の見学などでさらに学びを深める学校もあった。
 
震災を経験した川崎杏樹さん(左上写真)の話に耳を傾けた参加者

震災を経験した川崎杏樹さん(左上写真)の話に耳を傾けた参加者

 
 盛岡工業高2年の土橋遼治さん(ポジション・SH)は釜石出身。幼少期から競技に親しみ、岩手県内の伝統校で充実した日々を過ごす。他県の選手と触れ合い、「それぞれが地元に誇りを持っていると感じた。互いに手の内は見せたくないが、この貴重な経験を進化させプレーにつなげたい」と刺激を受けた。同級生のチームメート本田聖成さん(同・SO)も新たなシーズンにやる気が上昇。県内の戦いを勝ち抜き、「花園へ」と拳を握った。
 
盛岡工業(紺白しま)と北海道遠軽の試合=2日、根浜シーサイド

盛岡工業(紺白しま)と北海道遠軽の試合=2日、根浜シーサイド

 
「花園へ、ベスト16が目標」と土橋遼治さん(右)と本田聖成さん

「花園へ、ベスト16が目標」と土橋遼治さん(右)と本田聖成さん

 
 札幌山の手高(北海道札幌市)ラグビー部約40人は3月30日に釜石入り。同スタジアムでバックスタンドの木製座席の塗装をし直すボランティア活動にも取り組んだ。「部活動ができるのは当たり前、ではない」と話す黒田弘則監督(52)は釜石出身。津波で被災した学校跡地に震災後につくられたスタジアムでラグビーW杯を実現させた小さなまちの挑戦、古里の人々が込めた思いに触れることが生徒たちの成長につながると考えている。試合に臨む選手らを厳しく見つめる一方で、交流会をきっかけに「チームがまとまってほしい」と期待。今シーズンの目標は「正月を花園で迎えること」で、静かに闘志を燃やしながらハッパをかけていた。
 
常翔学園との戦いぶりを見つめる札幌山の手(オレンジ)の黒田弘則監督(右下写真)

常翔学園との戦いぶりを見つめる札幌山の手(オレンジ)の黒田弘則監督(右下写真)

 
 実行委員長を務めた釜石市ラグビーフットボール協会の小笠原順一会長(64)は「強豪校の強さを感じるチャンスで、地元の高校も参加できればよかったが…」と残念がる。それでも、高校生が集うことで「ラグビーのまちの活性化につながる」と感じ、継続開催を視野に入れる。