新入団員迎え、ラグビーキッズら始動 釜石SWジュニア、アカデミー2024年度開校式


2024/04/10
釜石新聞NewS #スポーツ

2024年度の活動をスタートした釜石SWジュニア(幼児・小学生)=7日

2024年度の活動をスタートした釜石SWジュニア(幼児・小学生)=7日

 
開設4年目を迎える釜石SWアカデミー(中学生)の練習=6日

開設4年目を迎える釜石SWアカデミー(中学生)の練習=6日

 
 4月に入り、釜石市内の少年スポーツチームは新入団員を迎えて本年度の活動を始めている。ラグビーの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の子ども育成部門、ジュニア(幼児・小学生)とアカデミー(中学生)は6、7の両日、甲子町の市球技場でそれぞれ2024年度の開校式を行った。新たな仲間を迎え入れ、1年間の活動に意欲を見せる団員らはそれぞれに目標を掲げ、ひたむきに練習や試合に取り組むことを誓い合った。
 
 ジュニアの開校式は7日に行われた。団員を前に大畑勇校長は「今まで以上にラグビーを好きになってください。休まず練習に参加し、情熱を持って取り組んで」とあいさつ。来賓の釜石市ラグビーフットボール協会、小笠原順一会長は「ラグビーは人数の多いスポーツ。友だちや同級生を誘って仲間を増やして」と呼び掛けた。
 
SWジュニア開校式であいさつする大畑勇校長(写真左上)。団員に指導員が紹介された(同下)

SWジュニア開校式であいさつする大畑勇校長(写真左上)。団員に指導員が紹介された(同下)

 
 本年度は小学1、3年の3人が新たに仲間入りし、全27人で活動を開始。兄の背中を追い、入団した桝澤天真君(甲子小1年)は「ラグビー、かっこいいから入りたいと思った。走るのを頑張りたい」と目を輝かせた。今季、主将を務める佐々木舞音さん(甲子小6年)は「あいさつとか基本をしっかりやって、みんなが楽しくラグビーをできるようなチームにしたい」と自覚を新たにし、「タックルが苦手な子が多いので、力を入れて練習したい。高学年を中心に1試合でも多く勝つことが目標」と意気込んだ。
 
本年度、新たに入団した団員3人が紹介された

本年度、新たに入団した団員3人が紹介された

 
写真左上:大和田崇士保護者会長から開校式恒例「ラグビーまんじゅう」の贈呈。写真右上:本年度の目標を寄せ書きする団員ら

写真左上:大和田崇士保護者会長から開校式恒例「ラグビーまんじゅう」の贈呈。写真右上:本年度の目標を寄せ書きする団員ら

 
 SWジュニアは前身の釜石ラグビースクールを含め約50年の歴史を持つ。新日鉄釜石V7時代には団員約80人規模で活動。人口減や少子化により、団員数は減少してきたが、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を機に一時は約70人に増えた。その後、新型コロナウイルス禍などもあり再び減少傾向にある。大畑校長は「“ラグビーのまち釜石”というからには、ジュニアの競技人口拡大は必須要件。小学生団員が増えないと次のアカデミーにもつながらない」とし、団員獲得への方策を模索する。
 
 今季も通常練習(日・水曜)のほか、各種大会への出場、交流事業や地元開催のラグビーイベントへの参加、SW公式戦でのエスコートキッズなどの活動を予定する。
 
新学年になった団員は気持ちも新たに練習に励む

新学年になった団員は気持ちも新たに練習に励む

 
 団は今月3日に台湾東部で発生した大地震を受け、被災地支援のための義援金を送る計画。東日本大震災後、同団員は台湾ラグビーフットボール協会などが主催する被災児童支援の国際交流プロジェクトで台北に招かれ、現地の子どもたちと交流試合などを行った経緯がある(12年から3回)。今回の惨状を映像などで目の当たりにし、「人ごとではない」と支援を決めた。
 
4人の新入団員(前列)を迎えたSWアカデミーの開校式=市球技場クラブハウス

4人の新入団員(前列)を迎えたSWアカデミーの開校式=市球技場クラブハウス

 
 一方、アカデミーの開校式は6日に行われた。坂下功正校長は4人の入団を歓迎し、「3年後の成長を楽しみに基礎をしっかり学んでほしい」と激励。全22人のメンバーに対し、「チーム力をアップして、みんなで力を合わせて戦いたい。一人一人がどれだけうまくなるか、自信を持って挑めるかが大事」と話した。
 
 新入団員はこれまでSWジュニアで活動し、この春中学1年生となった倉田凌雅(大平中)、里舘來河(大槌学園)、鈴木秋音(甲子中)、三浦新都(同)の4選手。坂下校長からアカデミーのジャージーなどウエア一式を受け取ると、「試合で活躍できるよう練習を頑張る」「タックルの力を上げたい」などとそれぞれ抱負を発表した。
 
坂下功正校長からウエア一式を受け取り、抱負を発表する新入団員

坂下功正校長からウエア一式を受け取り、抱負を発表する新入団員

 
キックオフミーティングで本年度の活動へ意欲を高める

キックオフミーティングで本年度の活動へ意欲を高める

 
 チームは本年度も、スローガンに「Challenge(チャレンジ)」を掲げる。失敗を恐れず自分の限界、困難に立ち向かう姿勢を表し、ラグビーだけでなく学校、私生活でも自ら考え行動できる人間を目指す。キックオフミーティングではチームポリシーの「感謝・規律・敬意・勇気・根気」の意味を再確認。メンバーは座学と実践練習で基本的知識、技術を身に付け、体力強化を図っていくこと、ルールを順守することなどを改めて確認し合った。
 
 中学ラグビーのスタートにあたり、「きついこともあるかもしれないがしっかり乗り越え、この3年でタックルの強化、体力向上を図りたい」と話す鈴木秋音さん。元日本代表で震災後、釜石にも幾度となく足を運ぶ五郎丸歩さんを尊敬し、「将来、誰にも負けないような選手になって、日本代表としてW杯のピッチに立つことが目標」と高い志を胸に秘める。
 
目標達成に向け、今季の活動をスタート。試合での勝利も目指す

目標達成に向け、今季の活動をスタート。試合での勝利も目指す

 
 SWアカデミーはジュニアで活動した団員や新たにラグビーを始めようという中学生のトレーニング環境を整え、競技の底辺拡大、トップ選手輩出につなげようと、2021年に開設した。当時1年生だった1期生13人はこの春卒団。約3分の2が県内外の高校ラグビー強豪校に進んだ。鈴木亮大郎ヘッドコーチ(34)は「基本を身に付け、うまくなっていくにつれ、試合もできるようになってきた」と3年間の成果を説明。昨年度はU15(中2、3)とU13(中1)のカテゴリーに単独チームでの出場がかなった。本年度も個々の成長と試合での勝利を両輪に「全国大会につながる太陽生命カップの県予選を勝ち上がれるよう指導していきたい」と気を引き締める。
 
 ジュニア、アカデミーともに引き続き団員を募集中。ジュニアの練習日は日曜の午前9時~同11時(幼児~高学年)、水曜の午後6時半~同8時(中・高学年)。アカデミーの練習は月・水曜の午後6時半~同8時半、土曜の午後2時~同4時(午後1時~座学あり)。練習場所はどちらも市球技場。入団の問い合わせは一般社団法人釜石SWRFC事務局(電話0193・22・1173)へ。

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