日課は洗濯物たたみ おちゃめな100歳!栁田チソノさん 釜石の特養ホームで生活


2024/04/16
釜石新聞NewS #福祉

100歳の栁田チソノさん(前列中央)、お祝いに訪れた家族や釜石市関係者ら

100歳の栁田チソノさん(前列中央)、お祝いに訪れた家族や釜石市関係者ら

 
 釜石市は9日、小佐野町の特別養護老人ホーム・アミーガはまゆり(久喜真施設長/長期・短期入居計100人)に入居する栁田チソノさんに満100歳の特別敬老祝い金5万円と記念品の羽毛肌掛け布団、「寿」の文字をしたためた額入り祝い状を贈った。この日は栁田さんの誕生日。祝い金の贈呈に合わせ誕生会が催され、栁田さんの家族や施設入居者、職員らで“めでたい”節目を祝った。
 
 同ホームを訪れた平松福寿副市長が「激動の100年を歩み、苦しみを乗り越え、よき日を迎えた」と祝福の言葉をかけながら、栁田さんに記念品を手渡した。久喜施設長も「元気で長寿を重ねてほしい」と気持ちを伝え、花束をプレゼント。担当職員らは寄せ書きや余興の「釜石小唄」でお祝いムードを盛り上げた。
 
栁田さんに記念品を贈る平松福寿副市長(左)ら

栁田さんに記念品を贈る平松福寿副市長(左)ら

 
100歳の祝いを盛り上げる職員有志による余興

100歳の祝いを盛り上げる職員有志による余興

 
 手製のくす玉割りを難なくこなした栁田さんの目の前には、「100」という数字をかたどった3本のろうそくをのせた誕生日ケーキが登場。無事、ろうそくの火を吹き消すと、見守る家族や仲間たちから「おめでとう」と大きな拍手が沸き起こった。うれしそうな栁田さんはマイクを向けられると、「みなさんは150歳まで生きられると思いますから、頑張ってください」と話し、おちゃめに笑った。
 
くす玉を割った栁田さんに降り注ぐ「おめでとう」

くす玉を割った栁田さんに降り注ぐ「おめでとう」

 
職員の応援を受けながら誕生日ケーキに息を吹きかける

職員の応援を受けながら誕生日ケーキに息を吹きかける

 
「ありがとう」と祝いに集まった仲間たちに感謝を伝えた

「ありがとう」と祝いに集まった仲間たちに感謝を伝えた

 
 栁田さんは1924(大正13)年に鵜住居町で生まれた。22歳の時に製鉄所勤めの廣平さん(故人)と結婚し、中妻町の社宅で生活。2男2女を授かった。編み物が好きで子どもたちの服を手づくりしたり、家庭菜園や花の手入れなどを夫と楽しんだ。岩手県外に住む子どもたちの里帰りを楽しみにし、孫8人、ひ孫6人が顔を見せてくれるのが喜びとなっていた。
 
 同ホームには2022年10月に入居。耳は遠くなったが、できることは自分でやり、字の練習や体操に意欲的に取り組む。最近の日課は洗濯物をたたむこと。担当スタッフの前川恵美さん(31)によると、施設で使うタオル類などをたたむ手伝いを買って出るが、「簡単だから、もっと難しいものを持ってきて。頭を使うのが楽しい」と元気だという。
 
笑顔が印象的な栁田さん(中)と、あたたかく見守る家族

笑顔が印象的な栁田さん(中)と、あたたかく見守る家族

 
 次女の上林みや子さん(73、埼玉県在住)は、大正、昭和、平成、令和と4つの時代を生きる母を見つめ、「気丈。苦楽もあったろう。一歩ずつ挑戦し、今がある。健康で過ごせるのも皆さんの支えがあってこそ」と感謝。7年ほど前に古里に戻って同居していた長男(故人)の嫁が定期的に見守っているのも心強い。
 
 釜石市の高齢化率(65歳以上)は2月末現在で40.4%。100歳以上は柳田さんを含め27人(男性2人、女性25人)いる。最高齢は104歳の女性。同施設には103歳の先輩がおり、100歳はもう一人いる。

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