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劇団もしょこむ 2年ぶり釜石公演 橋野高炉跡を舞台に妖怪が!? 親子など約200人が楽しむ

劇団もしょこむ第7弾公演「橋野高炉跡あやかし野営場」=11日、TETTO

劇団もしょこむ第7弾公演「橋野高炉跡あやかし野営場」=11日、TETTO

 
 釜石市の劇団もしょこむ(小笠原景子代表、10人)は11、12の両日、大町の市民ホールTETTOで7作目の公演を行った。タイトルは「橋野高炉跡あやかし野営場」。世界遺産にもなった市民に身近な山あいの地を舞台に繰り広げられる妖怪たちの物語。釜石在住の高校生や社会人が演じる笑いあり、涙ありの劇を約200人(3公演計)が楽しみ、演者と観客が一体となる芝居空間にたくさんの笑顔を広げた。
 
 「もしょこむ」は東日本大震災後の2015年に旗上げ。被災地でも「やりたいことを形に」と地元在住の若者らが演劇活動を始め、今に至る。市内外で公演し、今回の釜石公演は約2年ぶり。旗揚げ公演で震災被災者の心情を描いた作品が注目を集めた劇作家のこむろこうじさん(葛巻町)が、9年ぶりに脚本を手掛けた。
 
演者が役名などを紹介したオープニング。上段左は脚本を手掛けたこむろこうじさん

演者が役名などを紹介したオープニング。上段左は脚本を手掛けたこむろこうじさん

 
 物語の舞台は橋野高炉跡。翌日に遠野で開催される「妖怪・おばけサミット」の参加者が隣町の同高炉跡野営場に宿泊中、訳ありの女子高生・妖子が訪ねてくる。身の上話を聞いた妖怪たちは「ここで働かせてほしい」と願う妖子を受け入れる。深夜、酒盛りを楽しむ妖怪たちのもとに駆け込んできたのは、遠野から命からがら逃げてきたというカッパ。サミット会場に鬼が現われ、集まっていた妖怪やおばけが全滅したと告げる。次第に「鬼がこの中にいる?」と疑心暗鬼になる妖怪たち。実は鬼の正体は…。
 
橋野高炉の石組みや宿泊用のカラフルなテントが配された舞台(上段)。野営場に現れた女子高生と妖怪たちが繰り広げる物語に観客も引き込まれる

橋野高炉の石組みや宿泊用のカラフルなテントが配された舞台(上段)。野営場に現れた女子高生と妖怪たちが繰り広げる物語に観客も引き込まれる

 
登場したのは(左から)天狗、枕返し、妖子、琵琶法師、トゥブアン(パプアニューギニアの部族に伝わる精霊)。他に河童(カッパ)、ダイダラボッチ(声の出演)も

登場したのは(左から)天狗、枕返し、妖子、琵琶法師、トゥブアン(パプアニューギニアの部族に伝わる精霊)。他に河童(カッパ)、ダイダラボッチ(声の出演)も

 
妖怪を取り込み鬼になった妖子(左)。出生の秘密、母の思いを知り、天に旅立つ

妖怪を取り込み鬼になった妖子(左)。出生の秘密、母の思いを知り、天に旅立つ

 
 出演者は10~50代の6人。昨年11月から稽古を重ね、本番を迎えた。それぞれの個性が光る役柄、演技で観客を楽しませ、地元ならではの会話、小道具の演出などで客席からは子どもたちを中心に笑い声も。ホールBを芝居小屋風に仕立てた会場は同団恒例のスタイルで、今回も観客との距離が近い臨場感あふれる空間を生み出した。
 
 同市の40代男性は「内容もよく考えて練られていて、面白く見させてもらった。団員の一生懸命な姿が印象的。市民に楽しみを提供してくれてありがたい」と満喫した様子。「学校の先生が出演している」と話す同市の皆川尚士君(10)は「先生、一番かっこいい。いつもと違った一面が見られて面白かった。またやってほしい」と願い、自身も演劇に興味を持ったよう。母智美さん(46)は「息子が来たいと言って初めて足を運んだが、とても魅力的。地元を題材に地元の人たちが演じているのがすてき」と親子で有意義な時間を過ごした。
 
初日の公演を終え、観客の拍手に応える団員ら(上)。夜の公演を約80人が楽しんだ

初日の公演を終え、観客の拍手に応える団員ら(上)。夜の公演を約80人が楽しんだ

 
 同団には、転勤や復興支援で移住した人たちも多く在籍してきた。今回、初出演となった三科宏輔さん(28)は神奈川県出身で、同市の地域おこし協力隊員として2022年に移住。「いろいろな方とつながり、初めてのことにも挑戦したい」という思いから、本作出演の誘いにも応じた。演劇自体も初挑戦だったが、「みんなで話し合いながら舞台を創り上げていく過程がすごく楽しくて。本番は緊張したが、お客さんの反応を見ながら演技する面白さも味わえた」と充実の表情。自身が暮らす橋野町が舞台ということもあり、「地域の方も出演を喜んでくれた。感想を聞くのが楽しみ」と声を弾ませた。
 
「天狗」役を演じた三科宏輔さん(左)。演劇初挑戦ながら堂々の演技で存在感を発揮 

「天狗」役を演じた三科宏輔さん(左)。演劇初挑戦ながら堂々の演技で存在感を発揮

 
 脚本を手がけたこむろさんは「メンバーがやりたいということをかなえた作品。今、この釜石で、このメンバーでやる意味、要素を入れ込んだ。コロナ禍も明け、生で見る良さも感じてもらえたかな」と手応えを実感。過去に釜石市民劇場でも3作を手掛け、釜石との縁が深い。同団の活動もずっと見守ってきたこむろさんは「人材育成や地域のネットワークづくりも念頭に、いい舞台を続けてくれている」と喜ぶ。
 
 小笠原代表(39)は久しぶりの“こむろ作品”に「自分たちで考える余地を残してくれて、私たちの声を柔軟に取り入れてくれた。メンバーの個性を生かした作品は演者の成功体験につながり、次回への向上心をかき立てる」と絶大な信頼を寄せる。今回は2日間で3公演を行った。地元での演劇の需要をあらためて実感し、「親子で見てくれた人たちが多くうれしい。演劇をやりたいと思ったら、すぐ手が届くようなまちが私たちの理想。将来、自分たちの劇団を作りたいという若い世代が出てくることを期待したい」と思いを述べた。
 
公演後、出口で観客に感謝の気持ちを伝える出演者ら。子どもたちはハイタッチでお別れ

公演後、出口で観客に感謝の気持ちを伝える出演者ら。子どもたちはハイタッチでお別れ

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釜石市の新庁舎建設 3月、いよいよ着工へ 住民説明会「積極的に…けど心配」

着工間近となった釜石市役所新庁舎建設の住民説明会

着工間近となった釜石市役所新庁舎建設の住民説明会

 
 巨大地震による津波想定(国・県公表)を受けた計画の見直し、建築工事落札事業者の辞退による再入札などで着工が遅れていた釜石市新庁舎の建設が3月、いよいよ本格化する。新たな工事業者が決定し、着工間近となった2月17日、市は大町の市民ホールTETTOで住民説明会を開催。建設予定地の天神町やその周辺地区の住民を中心にした市民約30人に庁舎建設の概要、スケジュール、工事の安全対策などを伝えた。
 
 小野共市長が新庁舎建設の検討経過などを紹介した後、市新庁舎建設推進室の洞博室長が建設計画の概要を説明。新庁舎は鉄骨鉄筋コンクリート造り4階建てで、車庫棟なども含めた延べ床面積は計約8800平方メートル。敷地を1~2メートル程度かさ上げするが、県の想定では浸水域とされ、ピロティ方式を採用し、1階フロアには機材や書類などの配置を最小限する。一時避難場所として活用を想定し非常用発電設備、受水槽などの防災機能も備える。
 
新庁舎の建物外観イメージ図。市は26年春の開庁を目指す

新庁舎の建物外観イメージ図。市は26年春の開庁を目指す

 
 現庁舎からの移転費用などを含む総事業費は約82億円。うち、建設費は7億5500万円増え、76億6300万円になる見通しだ。財源は庁舎建設基金、市債発行など。防災・減災事業を対象とする国庫補助の活用も見込む。
 
 施工者の戸田・山﨑特定建設工事共同企業体(JV)の現場代理人堀川俊永さんが工事に伴う交通規制、騒音や振動など安全対策について話した。工期は3月1日から25年12月下旬までの約24カ月間。周辺にこども園や復興住宅などがあることから、昼休憩の時間をずらしたり、高性能防音壁などを設置し、「安全確保を最優先する。周辺への影響の少ない方策を講じる」と強調した。
 
新しい釜石市役所の建設予定地

新しい釜石市役所の建設予定地

 
 参加者から、「積極的に進めてほしい」との声があったほか、「かさ上げした土地が災害時に沈下することはないのか」「建物が高くなることで日当たりが悪くなるのでは」といった不安をのぞかせる人もいた。防災機能についての質問も上がった。質疑の後も、生活環境の変化を心配する声は残り、市関係者は「長く使ってもらえるような庁舎をつくるため、引き続き意見を寄せてほしい」と求めた。
 
説明会後、個別により詳しい解説を聞く住民もいた

説明会後、個別により詳しい解説を聞く住民もいた

 
老朽化が進む釜石市役所の現庁舎(築70年)

老朽化が進む釜石市役所の現庁舎(築70年)

 
 只越町にある現庁舎は老朽化が著しく、行政機能が分散していることや耐震性の問題もあって、1986年に新庁舎建設の検討がスタート。2011年の東日本大震災を受け、復興まちづくり基本計画のフロントプロジェクト2に位置づけ、都市機能の融合や拠点性の向上などを視点に議論を深めてきた。19年に新市庁舎の建設基本計画の策定や基本設計業務が完了。津波新想定の公表によって計画の見直しなどの対応が幾たびか必要となった。見直しを重ね、いざ発注手続の段階になると、社会情勢の変化に伴う資材の高騰の影響もあって予定より時間を要する結果に。再入札の結果、昨年12月に請負業者を決定し、やっと本格的な着工にたどり着いた。

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温かさ上乗せ!釜石の思い、能登へ 1杯のコーヒーに添えるメッセージ キッチンカーでお届け

能登を応援するメッセージを書く客を見守る岩鼻伸介さん

能登を応援するメッセージを書く客を見守る岩鼻伸介さん

 
 あの日のお礼です―。釜石市を中心にキッチンカーで営業するコミュニティーカフェ「HAPPIECE COFFEE(ハピスコーヒー)」店主の岩鼻伸介さん(46)は、能登半島地震の被災地へ温かい飲み物を届けている。東日本大震災で大きな被害を受けた釜石・鵜住居町出身で、支援の恩返しのため。そして、懸命に前を向こうとしている人たちに“ホッと”ひと息つける時間をつくってほしいからだ。同じように思いを寄せる市民は多く、その気持ちも届けようと「寄せ書き」集めを開始。託された応援メッセージをコーヒーに添えて能登の人たちに手渡す。
 
1月に訪れた石川県七尾市の避難所での様子(岩鼻さん提供)

1月に訪れた石川県七尾市の避難所での様子(岩鼻さん提供)

 
 「コーヒーを無料で提供中。岩手県釜石市より、あの日のお礼です。2011.3.11→2024.1.1」。1月中旬に約1週間かけて石川県七尾市の避難所3カ所を回り、延べ約900人に無料で振る舞った。「ひと息つけるタイミングなかったね、そういえば…」「こんなおいしいコーヒー、初めて飲んだ」。手渡された一杯のあたたかさに緊張がほぐれたのか、涙する人もいた。「あの時の自分たちにコーヒーを入れている感じだった」と岩鼻さん。
 
 あの日の僕たちがいた―。震災当時、東京でIT関係の経営コンサルタントとして働いていた岩鼻さん。発災から1週間後に釜石入りすると、実家は全壊していた。片付けのため週末に地元に戻る生活をしながら、古里に恩返しできることを思案。もともとコーヒーを介したボランティア活動に取り組んでいて、2011年秋から移動図書館を運営する団体に同行する形で沿岸の仮設住宅などを回ってコーヒーを提供した。キッチンカーでの活動は12年春から。その時に受けた言葉や人々の姿が、能登の今に重なった。
 
キッチンカーの窓越しに撮影した被災地(岩鼻さん提供)

キッチンカーの窓越しに撮影した被災地(岩鼻さん提供)

 
 震災の時は意識していなかったけど、被災して、人や応援のありがたみが分かった―。七尾市での活動時に多かった言葉。喜んでもらっていると感じた岩鼻さんは、活動の継続を決めた。何度も来てくれる支援者の存在に「忘れられていない」と実感できた自身の経験もあるから。交流サイト(SNS)で活動の様子や思いを発信すると、市民や客から「現地に行けないけど、何か協力したい」と声が寄せられた。
 
店先でメッセージを書く人も。岩鼻さんの活動を後押しする

店先でメッセージを書く人も。岩鼻さんの活動を後押しする

 
 「いわて・釜石から想っています」「あせらず一歩」。大町のTETTO周辺で営業する水曜日、店先で客が思いをつづる。1杯に相当する1口500円のカンパを募り、協力した客が紙製カバー「スリーブ」にメッセージを書き込むという支援の仕組みを用意した。寄せ書きには「頑張れ」と書かないのがルール。「頑張れって言うけど、今もすごい頑張っている。これ以上どう頑張れば…」。被災地のつぶやきは「分かりすぎるくらい分かる」からだ。
 
 無理しないで―。大町で石材店を営む清水麻美絵さん(47)は、13年前の津波で被災しつらかった時期に言われてうれしかった言葉を記した。それと、大量の菓子も差し入れ。「コーヒーと甘いもので一服してもらえたら」と願う。
 
釜石高生の協力に笑顔を見せる岩鼻さん(左から2人目)

釜石高生の協力に笑顔を見せる岩鼻さん(左から2人目)

 
 「ちょっとあったまるべ」「コーヒー飲んでひと休み」。釜石高校では寄せ書き会(2月15日)があり、生徒たちはカラフルなペンでメッセージやイラストを書き込んだ。板谷美空(みく)さん(2年)は「苦しさやつらさに寄り添えられたら。少しでもほっと心が楽になるといいな」と思いやる。
 
色とりどりのペンでメッセージを書き込む生徒

色とりどりのペンでメッセージを書き込む生徒

 
被災地を思い釜石市民や客が寄せ書きしたスリーブ

被災地を思い釜石市民や客が寄せ書きしたスリーブ

 
 一瞬でも安らぐ時間を届けたい―。岩鼻さんは寄せ書きを能登半島へ持ち込み、2度目の活動中。今回も、被災者支援団体のメンバーとして七尾市を中心に回っている。思いが詰まったスリーブをカップに巻いて「はい、どうぞ」。人とのつながりが見えた時、より気持ちが伝わると感じていて、「優しい心が伝播(でんぱ)していくといい」と笑顔を添える。
 
こだわりのコーヒーを提供する岩鼻さん

こだわりのコーヒーを提供する岩鼻さん

 
おいしさアップ!会話を楽しむことが隠し味

おいしさアップ!会話を楽しむことが隠し味

 
 幸せのひとかけらを―。「Happy」と「Piece」を組み合わせた造語を店名にし、岩鼻さんはコーヒーという「人に安らぎを与えるもの」を届け続ける。カップからあふれるのは深い香りと味わい。豆は公正な取引を通じ原産国の生産者を支援するフェアトレードで仕入れ、自家焙煎(ばいせん)する。お湯を注いで丁寧に抽出する間が、客との触れ合いタイム。気さくな岩鼻さんの人柄に引かれ、会話目当ての人も多い。コーヒーを通じて人が集える場は釜石から能登へ。カンパ、寄せ書きへの協力を募って活動を継続する考えだ。

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今年2人目 仙人の里で100歳 橋野町出身の打川キクヱさん 小野共市長がお祝い訪問

満100歳を迎えた打川キクヱさん(中)を小野共市長(左)らがお祝い

満100歳を迎えた打川キクヱさん(中)を小野共市長(左)らがお祝い

 
 釜石市甲子町の特別養護老人ホーム仙人の里(千葉敬施設長/長期利用66人、短期同14人)で暮らす打川キクヱさんが13日、満100歳を迎えた。小野共市長が施設を訪れ、市からの祝い品を贈呈。家族らと誕生日を祝った。同施設の100歳以上の方は打川さんを含め4人(最高齢103歳)となった。
 
 小野市長は市からの特別敬老祝い金5万円と自ら筆を執った「寿」の額入り祝い状、記念品の羽毛肌掛け布団を贈呈。ベッド生活中の打川さんに代わり、長男幸吉さん(70)が受け取った。施設を運営する社会福祉法人陽風会の清野信雄理事長は花を贈り、幸吉さんは「いっぱいお祝いをいただいたよ」と母に声をかけた。
 
小野市長(写真上段左)と清野理事長(同右)が記念品を贈呈した

小野市長(写真上段左)と清野理事長(同右)が記念品を贈呈した

 
 打川さんは1924(大正13)年2月13日、同市橋野町和山で生まれた。3姉妹の2番目。20代で当時、同地に山仕事に来ていた秋田県大曲出身の男性と結婚。2男を授かった。農林業で生計を立てた後、野田町に転居。会社勤めを始めた夫を支えながら子育てに奔走した。親族が経営する石材店も長く手伝い、働き者だったという。夫は三味線が得意な人で、打川さんも習い親しんだ。
 
 長男幸吉さん、おいの田中忠肝さん(85)によると、「性格は明るく、おしゃべり好き。友達も多かった」という。田中さんの母(打川さんの姉)は病弱で、叔母(打川さん)と祖母が母親代わり。「叔母はとてもやさしく、自分を気遣ってくれた。育ててもらい感謝している」と田中さん。長年、石材業に携わってきたこともあり、長寿社会の伸展には驚きを隠せない様子で、「30~40年前だったら100歳まで生きられる人はまれだった。時代は変わった。自分の血縁にそういう人が出たのは感慨深い」と実感を込める。
 
打川さん100歳のお祝いに駆け付けた長男幸吉さん(左)、おいの田中忠肝さん(右)/写真提供:仙人の里

打川さん100歳のお祝いに駆け付けた長男幸吉さん(左)、おいの田中忠肝さん(右)/写真提供:仙人の里

 
小野市長は「おめでとうございます。元気でいてください」と声をかけた

小野市長は「おめでとうございます。元気でいてください」と声をかけた

 
 打川さんは2019年に同施設に入った。ベッド生活が長く、今は会話が難しくなったが、食事は口から取ることができている。コロナ禍による面会制限もなくなったことで、幸吉さんらは次に会える時を楽しみに施設を後にした。
 
 同市によると、市内の100歳以上の方は打川さんを含め26人(男1、女25)。最高齢は104歳の女性(市外施設に入所中)。

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小中学校規模、配置の適正化へ 釜石市教委 基本方針策定に向けた地域説明会開始 22日まで

小中学校の規模、配置の適正化基本方針へ住民の意見を聞いた地域説明会=中妻地区生活応援センター、15日

小中学校の規模、配置の適正化基本方針へ住民の意見を聞いた地域説明会=中妻地区生活応援センター、15日

 
 少子化の進行や人口減で、今後さらに児童生徒数の減少が見込まれる釜石市。市教育委員会(髙橋勝教育長)は子どもたちにとって望ましい教育環境を整備するため、小中学校の規模、配置の適正化を図る基本方針案をまとめた。15日から5中学校区の生活応援センターで、同案に対する住民の意見を聞く地域説明会が開かれている。市教委はパブリックコメントや保護者アンケートを含めた意見を参考に、本年度内の基本方針策定を目指す。
 
 市教委は児童生徒数の減少で学校の小規模校化が進む状況を踏まえ、2021年3月、釜石市学校規模適正化検討委員会(14人)を設置。学校、保護者、民間団体などから委嘱された委員が小中学生の教育環境をどう整えるべきか議論を重ね、22年11月、市教委に提言。これを受け、市立小・中の学校規模適正化、適正配置に向けた基本方針(案)が作成された。
 
 同市には9小学校、5中学校があるが、いずれも児童生徒数は年々減少。本年度、小学校全学年でクラス替えが可能なのは2校(小佐野、甲子)だけ。複式学級となっているのは3校(白山、栗林、唐丹)。出生数、居住区を基にした今後の推計で22年度と29年度の児童数を比較すると、釜石、双葉でほぼ半減、小佐野で約100人減が見込まれ、釜石、双葉では複式学級の必要性が出てくる。中学校では今後、双葉、釜石両小の児童数減に伴って釜石中の生徒数が大幅に減少する見込みで、34年度には現在の半数以下になることが予測される。釜石以外の4中学校は同年度には全学年1学級となる見込みで、小規模校化が顕著になっていく。
 
 小規模校化に伴う課題としては、小学校では▽同学年で切磋琢磨する環境を作りにくい▽音楽や体育での学習活動の制限▽複式学級担当教員の負担増、中学校では▽専門教科の免許を有する教員が配置されない▽部活動の選択肢が限られる-などが挙げられる。このため市教委は、子どもたちの望ましい教育環境の実現には「学校規模の適正化、適正配置が必要」とし、「全市的な観点からの学校統合」と「小中一貫教育導入の可能性」について検討したい考え。
 
児童生徒数の減少、学校規模確保への方策などが示された基本方針案について説明

児童生徒数の減少、学校規模確保への方策などが示された基本方針案について説明

 
 検討にあたり、学校は地域コミュニティーの中核的な役割も担っていることから、「当面は現在の5中学校区から学校がなくならないよう配慮し、各区内で1小学校は存続させることを基本」とする。いずれの場合も既存校舎を活用する予定。複式学級の措置は可能な限り行わず、小学校の規模は6学級以上(各学年1学級以上)を基準とする。中学校は9学級以上(各学年3学級以上)が望ましいが、学区が広範囲になるなどの課題があることから8学級以下もやむを得ないものとし、小中一貫教育の導入についても検討する。1学級は15~35人とする。配置は通学条件を考慮。通学時間は小学校45分以内、中学校1時間以内を目安とし、通学距離が小学校でおおむね2.6キロ、中学校で同4キロ以上の場合はスクールバスの運行など通学手段の確保に努める。小規模校を存続させる場合の教育の充実、保護者、地域、市民の理解を得ることも方針に盛り込む。
 
釜石中学校区の子どもを持つ親など地域住民(写真下)が市教委(同上)の説明に耳を傾けた

釜石中学校区の子どもを持つ親など地域住民(写真下)が市教委(同上)の説明に耳を傾けた

 
 基本方針案について意見を聞く地域説明会は15日の中妻地区生活応援センター(釜石中学区)を皮切りに始まった。市教委から髙橋教育長、藤井充彦教育部長(兼学校規模適正化推進室長)ら9人が出席。保護者を含む地域住民約20人が参加した。藤井教育部長が方針の概要を説明後、質疑応答が行われた。参加者からは今後のスケジュールの見通し、スクールバスの稼働状況などについて質問が出されたほか、魅力ある学校、育成の仕方、地域説明会の学校開催などに関し意見が出た。
 
 髙橋教育長は「教委としては、当面は複式学級の解消に力点を置きながら進めていきたい。小規模校も大規模校もそれぞれに良さがある。釜石の現状を踏まえ、子どもたちにとって何を大事にすべきか、皆さんと一緒に考えたい」と話した。
 
参加者からはさまざまな質問、意見が出された

参加者からはさまざまな質問、意見が出された

 
 市教委は策定した基本方針を具現化するため、24年度は推進計画の策定に取り組む。推進計画策定委を設け検討してもらうほか、保護者、地域住民との懇談を行いながら計画案を取りまとめていく予定。
 
 基本方針案の地域説明会は19日(月)に松倉地区コミュニティ消防センター、20日(火)に唐丹地区生活応援センター、22日(木)に平田地区生活応援センターで開催する。時間はいずれも午後6時30分から。事前申し込みは不要。

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追悼、防災の祈り込める竹灯籠 釜石・根浜の津波避難階段で点灯開始 「1.1」被災の能登半島にも心寄せ

竹灯籠が設置された津波避難階段を上ってみる点灯式参加者=11日

竹灯籠が設置された津波避難階段を上ってみる点灯式参加者=11日

 
 東日本大震災命日の「3.11」まで1カ月となった11日、釜石市鵜住居町根浜地区の津波避難階段に竹灯籠が設置された。13年前の同震災で全域が津波にのまれ、甚大な被害を受けた同地区。竹灯籠の明かりで震災犠牲者を追悼し、防災意識を高める取り組みは今年で3年目となる。3月31日まで土日祝日の午後5時から同7時まで点灯。今年は1月1日に発生した能登半島地震の犠牲者を弔い、現地の早期復興を願う気持ちも込める。
 
 11日午後5時から行われた点灯式には、灯籠製作に協力した市民や階段近くのキャンプ場の滞在客など約50人が集まった。取り組みを行う根浜海岸観光施設「根浜シーサイド」の佐藤奏子さん(かまいしDMC地域創生事業部根浜・箱白地域マネジャー)が趣旨を説明。地元町内会「根浜親交会」の佐々木三男会長(62)が発電機の点灯スイッチを入れると、灯籠に照らされた階段が浮かび上がった。点灯を見守った人たちはさっそく階段を上り下り。美しい光景を目に焼き付けるとともに、津波災害時、いち早く高台に逃れられる階段と周辺の様子を脳裏に刻んだ。
 
竹灯籠は111段の階段の手すり沿いに設置。温かな明かりが「命を守る道」を照らす

竹灯籠は111段の階段の手すり沿いに設置。温かな明かりが「命を守る道」を照らす

 
階段頂上部には4本まとめた灯籠も。美しい模様が目を引く

階段頂上部には4本まとめた灯籠も。美しい模様が目を引く

 
キャンプ場利用者も迅速避難が可能な階段。この日も冬キャンプを楽しむ人たちが多く訪れていた(写真左上がオートサイト)

キャンプ場利用者も迅速避難が可能な階段。この日も冬キャンプを楽しむ人たちが多く訪れていた(写真左上がオートサイト)

 
 この階段は、キャンプ場から高台の市道箱崎半島線(海抜20メートル)に最短で駆け上がれるルートで、2021年春に完成。施設ではキャンプ場利用客には必ず周知しているほか、避難訓練などで災害時のシミュレーションなどを行っている。竹灯籠の点灯は階段の場所を知ってもらい、いざという時の避難行動のあり方を考えてもらうことも狙いの一つ。
 
 家族4人で灯籠製作にも参加した同市の櫻井真衣さん(12)は「自分で作ったものが飾られてうれしい。(明かりがつくと)とてもきれい」と感激。生まれる7カ月前に起こった大震災。学校の授業で当時のことを学び、根浜地区の人からも話を聞いた。能登半島地震の被災状況もテレビなどで目にし、「東日本大震災と似ていると思った」という。地震や津波の怖さを知り、「(もし遭遇したら)冷静に判断して、高台や避難場所にしっかりと逃げたい。この階段を使うことで多くの人の命が救われれば」と願う。
 
自分たちで作った竹灯籠を眺める親子

自分たちで作った竹灯籠を眺める親子

 
チョウやトンボのデザインも(写真左側)。大小の穴からもれる光で辺りは幻想的な空間に…

チョウやトンボのデザインも(写真左側)。大小の穴からもれる光で辺りは幻想的な空間に…

 
 灯籠は地元の山林から切り出した間伐竹を利用。1月に製作体験会を2日間開き、市内の親子らの協力で53本を完成させた。竹の中のLED電球をともす電力は、地域から出る廃食油を精製したバイオディーゼル燃料で発電。地域資源を活用し、環境にも配慮した活動で、持続可能な地域づくりへの一助とする。
 
 同所から近い市指定の緊急津波避難場所は、震災後に盛り土整備された復興団地の山側にある「東の沢奥根浜墓地」。同団地は2017年に完成。同階段を上った先の市道を箱崎方面に少し進んだ所にある。
 
 「のと」の文字を刻んだ灯籠も(中央)。能登半島地震被災地への祈りも込め、3月まで土日祝日の午後5~7時点灯

「のと」の文字を刻んだ灯籠も(中央)。能登半島地震被災地への祈りも込め、3月まで土日祝日の午後5~7時点灯

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広報かまいし2024年2月15日号(No.1826)

広報かまいし2024年2月15日号(No.1826)
 

広報かまいし2024年2月15日号(No.1826)

広報かまいし2024年2月15日号(No.1826)

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【P1】
表紙

【P2-3】
20th Anniversary はたち to わたし

【P4-5】
ーラグビーのまちの伝統を未来へー

【P6-7】
シーウェイブス試合情報、キャプテン&ヘッドコーチインタビュー

【P8-9】
デジタル相談会、エール券追加販売 他

【P10-11】
東日本大震災犠牲者追悼式 他

【P12-13】
まちの話題、すこやかアイドル

【P14】
まなびぃ釜石

【P15-17】
まちのお知らせ

【P18-19】
保健案内板・保健だより

【P20】
市民百景Vol.1佐々凱音さん

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024020700038/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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助け合いの心のせ 釜石野球団、募金活動 能登半島地震の被災地へ「生きる力に」

募金活動を行う釜石野球団のメンバーら

募金活動を行う釜石野球団のメンバーら

 
 釜石市の社会人野球チーム「釜石野球団」(佐藤貴之監督、約30人)とその弟分・小学生を中心とした少年野球チーム「釜石野球団Jr.(ジュニア)」(大瀬優輝監督、23人)は10日、能登半島地震の被災地を支援しようと、大町の商業施設イオンタウン釜石で募金活動を行った。ジュニアメンバーは東日本大震災後に生まれたが、家族ら身近な人の話や学校生活の中で学び、記憶をつなぐ世代。「助けてもらったから、今度は…」。能登の状況を古里の記録に重ね、買い物客に元気いっぱい協力を呼びかけた。
 
 募金は、いち早く応援の取り組みをスタートさせた釜石市赤十字奉仕団(中川カヨ子団長、15人)の主催。野球団は大人、ジュニア合わせて約30人が集まり、奉仕団メンバーら約10人とともに活動した。呼びかけには市社会福祉協議会も協力した。
 
能登半島地震の被災地を思って寄付を呼びかけ

能登半島地震の被災地を思って寄付を呼びかけ

 
「協力を」。奉仕団とともに活動する野球少年ら

「協力を」。奉仕団とともに活動する野球少年ら

 
 参加者は施設入り口3カ所に並び、買い物客に「能登応援の活動をしています」「よろしくお願いします」などと約2時間アピール。ジュニアチーム主将の小林大空(かなた)君(11)は「震災の時は生まれていなかったけど、たくさん助けてもらった(と聞く)。この募金が被災した人たちの生きる力になればうれしい」と思いを寄せた。
 
子どもらの呼びかけに応え、買い物客らが善意を寄せた

子どもらの呼びかけに応え、買い物客らが善意を寄せた

 
 ジュニアは2022年春に発足し、保育園年長から小学生までの男女が野球などの運動に親しむ。能登地震を受け、子どもたちから「何かやらないの?」と声が上がり、応援活動を思案。野球道具の支援や子どもの遊び場確保に役立つことを―とも考えたが、大人たちの経験から「生活再建が最優先」と義援金を送る取り組みに決めた。チーム立ち上げ時に地元企業から運営費の協賛が寄せられたこともあり、地域貢献として施設周辺の美化活動も展開。ごみ袋を手に菓子の空き袋やたばこの吸い殻などを拾い集めた。
 
ごみ拾いで地域の美化活動に協力する子どもたち

ごみ拾いで地域の美化活動に協力する子どもたち

 
 佐藤監督(54)は「震災で助けられた経験を伝え聞いている子どもたちは『今度は自分たちが』という意識がある」と見守る。「やるか!」と実行した今回の活動で、「震災の記憶をつなぎ、助け合いの心を養ってもらえたら」と望むのは大瀬監督(34)。野球は助け合いのスポーツでもあり、「プレーに生きてくる」と信じる。
 
 この日、奉仕団は5時間にわたって呼びかけを展開した。託された義援金は28万9353円。他の活動で集まった思いと合わせて日本赤十字社に送り、被災地の人たちの生活支援に役立ててもらう。中川団長(76)は「息の長い活動になる」と、これからも「恩返し」の支援を続ける構えだ。

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一緒に楽しく~♪合唱ワークショップ ノイホフ・クワィアー 3月に釜石で演奏会

ノイホフ・クワィアーによる合唱ワークショップ

ノイホフ・クワィアーによる合唱ワークショップ

 
 釜石市の「親と子の合唱団ノイホフ・クワィアー」(小澤一郎代表)による歌のワークショップが3日、小佐野町の小佐野コミュニティ会館で開かれた。今後4回ほど練習日を設けた上で、参加者は3月中旬に予定する演奏会で発表する。
 
 「合唱をしてみたいが敷居が高い…」と感じている人や、「趣味を見つけたい」などと考えている人に、声を出すことの楽しさ、それが重なり合った時の奥深さを体感してもらおうと企画した。ワークショップには小学6年生から50代までの4人が参加。事務局の菊池恵美さん(41)が講師を務めた。
 
 同団は46年の歴史を誇る。入団条件は「楽譜が読めなくてもいい。歌が下手でもいい。0~100歳まで」。みんなで歌う楽しさを感じられるようにと、創立者の故渡辺顕麿さんが設けた。その中にある「楽譜」が特徴の一つ。平行な5本の線に音符が記された五線譜ではなく、ローマ字で「d(ド)/r(レ)/m(ミ)…」とつづった独自の楽譜を使う。
 
音符の代わりにローマ字が並ぶ楽譜がノイホフ流

音符の代わりにローマ字が並ぶ楽譜がノイホフ流

 
ペンを持って文字を追いながら声を出してみる

ペンを持って文字を追いながら声を出してみる

 
 まず、その楽譜の読み方からスタート。例えば、「so(ソ)」という文字の下に黒い点が付いているのは「低いso」、上に付いていれば「高いso」となる。音の長さを示す4分音符(1拍)をノイホフ方式にすると、文字だけの表記に。字の下に線が引かれているものは8分音符(2分の1拍)という感じで、参加者から「頭の体操だ」と声が聞かれた。
 
 演奏会への参加は任意だが出番は決まっていて、歌うのは「涙そうそう」「栄光の架橋」「世界に一つだけの花」の3曲。楽譜に慣れたら、早速声を合わせた。どの曲も耳なじみがあり、小学生の2人は「楽しかった。I like music(音楽が好き)だから」と笑顔を重ねた。
 
みんなで声を合わせる楽しさを体感する参加者

みんなで声を合わせる楽しさを体感する参加者

 
 大槌町の会社員阿部千夏さん(25)は、昨年末の「かまいしの第九」最終公演に感動し、「歌いたい」と刺激を受けた。そんな時に合唱ワークショップを知り、参加を即決。ローマ字表記、手書きの楽譜の珍しさに少し戸惑ったが、「音楽をゼロから感じる楽しさがある」と心を躍らせる。団員の練習風景も見学し、その歌声に背筋が伸びた様子。「一緒に歌えるのが楽しみ。スーッと声が出せるよう調子を整えたい。練習あるのみ」と気合を入れた。
 
ノイホフ団員たちも演奏会に向け練習を重ねる

ノイホフ団員たちも演奏会に向け練習を重ねる

 
 団員は現在、高校3年生から70代まで10人。年に2回程度の定期演奏会を開いている。ワークショップは「入団につながれば」との期待もあるが、体験だけでも歓迎。指揮も務める小澤代表は「楽しく一緒に歌いましょう」と控えめに見守る。
 
 本番となる同団の第145回ファミリーコンサートは3月17日(日)、釜石市民ホールTETTOのホールBで開催される。午後2時開演。

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4年ぶり「釜石市郷土芸能祭」 神楽、鹿踊り、虎舞、太鼓 多彩な演舞に観客大喜び

4年ぶりに開かれた釜石市郷土芸能祭。各団体が躍動した

4年ぶりに開かれた釜石市郷土芸能祭。各団体が躍動した

 
 釜石市郷土芸能祭(市、市教委主催)は4日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。隔年度で開催される同祭だが、前回は新型コロナウイルス感染症の影響で直前に中止を余儀なくされ、今回は4年ぶりの開催。市内から8団体が出演したほか、特別出演として一戸町の1団体が招かれた。延べ約700人が鑑賞し、多彩な芸能が伝承される郷土の魅力を堪能した。
 
 同市では神楽、虎舞、鹿踊り、手踊りなど55の芸能が各地に伝承され、地域信仰とともに受け継がれてきた。無形民俗文化財として県指定が1団体、市指定が13団体ある。同祭は地域に根付く伝統文化である郷土芸能を守り育て、次世代への継承、郷土愛の醸成などにつなげようと1977(昭和52)年度から開始。平成に入ってからは市外の団体も招き、交流を図っている。
 
 26回目の開催となった本年度は市内から、八雲神楽、小川しし踊り(市指定文化財)、松倉太神楽、桜舞太鼓、神ノ沢鹿踊(同)、丹内神楽(同)、両石虎舞(同)、南部藩壽松院年行司支配太神楽(県指定文化財)が出演した。
 
 2017(平成29)年に市指定文化財となった「神ノ沢鹿踊」(同保存会=中村巧会長)は、約330年前に現鵜住居町神ノ沢地区に房州(現千葉県南部)出身者から伝えられたとされる。旧鵜住居村では最も古い芸能。同祭への出演は東日本大震災後の21回公演以来で、文化財指定後は初の演舞となった。
 
2頭の雄鹿が雌鹿を取り合う戦いの様子を表した踊り「突合い」=神ノ沢鹿踊

2頭の雄鹿が雌鹿を取り合う戦いの様子を表した踊り「突合い」=神ノ沢鹿踊

 
激しい踊りの「突合い」は地域の祭りでも最も盛り上がる演目

激しい踊りの「突合い」は地域の祭りでも最も盛り上がる演目

 
 栗林町の「丹内神楽」(砂子畑共正会=栗澤陽一会長、砂子畑芸能保存会=小笠原昭平会長)は同市の無形民俗文化財指定第一号で、1973(昭和48)年指定。山伏神楽の系統で、約180年の歴史を有する。紀州熊野(現和歌山、三重県南部)をルーツに、明治時代以降は本県の黒森、早池峰両神楽を研究し、現在の形になったとされる。同祭には23回以来の出演。
 
式舞の一つである「鶏(とり)子舞」。丹内神楽の代表的演目

式舞の一つである「鶏(とり)子舞」。丹内神楽の代表的演目

 
色鮮やかな装束で華麗に舞う市指定無形民俗文化財第1号の舞を観客が堪能

色鮮やかな装束で華麗に舞う市指定無形民俗文化財第1号の舞を観客が堪能

 
 両石町の「両石虎舞」(同保存会=久保宣利会長)は江戸時代中期から踊られていたと伝えられる。市内の虎舞の中では古い歴史を有し、1998(平成10)年に市指定文化財となった(同年、虎舞4団体指定)。虎頭は木彫りの伝統を守り、相撲の四股を踏むような足さばきで踊るのが特徴。23回以来の同祭出演となった今回は、地域の祭り以外では目にする機会の少ない「刺し鳥舞」も披露し、来場者の注目を集めた。
 
虎頭の振り方、足の運び方など伝統の形を崩さず、今に受け継がれる両石虎舞

虎頭の振り方、足の運び方など伝統の形を崩さず、今に受け継がれる両石虎舞

 
両石虎舞は手踊りも数多く伝承。今回は「刺し鳥舞」(写真)と「甚句」を披露

両石虎舞は手踊りも数多く伝承。今回は「刺し鳥舞」(写真)と「甚句」を披露

 
 同保存会の久保会長(50)は「コロナ禍でしばらく練習できない時期が続いた。地域の祭りでの披露は昨年から本格的に再開。今回の芸能祭出演も確実な継承へのいい後押しとなった」と喜ぶ。地域は震災の津波で甚大な被害を受け、人口が減った。加えて少子高齢化が進み、保存会のメンバー確保には苦慮しているという。「これからは、やりたい人がいれば他地域からも受け入れる体制を整えたい。古くから形を変えずにきた伝統の舞を守りつつ、廃れてきた演目の復活にも取り組みたい」と意欲を見せる。
 
 今回の特別出演には、一戸町の「高屋敷神楽」(同保存会=大木勇司会長)が招かれた。同神楽は県指定無形民俗文化財。三明院という寺院の山伏神楽が源流で、同神楽の流れを継ぐ団体は県外にもあるという。同町内の神楽団体の中でも群を抜いた多数の演目があるのが特徴。震災後の2015(平成27)年には、被災した同市鵜住居町にも慰問に訪れている。今回は「権現舞」のほか「鐘巻き御寺」という演目を披露した。
 
特別出演した一戸町の高屋敷神楽。演目「鐘巻き御寺」の一場面

特別出演した一戸町の高屋敷神楽。演目「鐘巻き御寺」の一場面

 
修業をせずに鐘巻寺に入った娘が鬼人になってしまい、修験者がそれを救うという踊り

修業をせずに鐘巻寺に入った娘が鬼人になってしまい、修験者がそれを救うという踊り

 
 観客は市内外の団体による見応え十分の舞台を存分に楽しみ、郷土芸能の宝庫・岩手の素晴らしさをあらためて実感した。一昨年、同市に転居したという高橋弘枝さん(45)は同祭を見るのは初めて。「いろいろな種類を見られて楽しい。子どもが減って継承が難しくなっている団体も多いと聞くが、釜石は幼稚園や小学校でも郷土芸能に取り組むなど伝承に力を入れているのが素晴らしい」と感心。虎舞が大好きな次男(3)に目を細め、「息子にもやらせてあげたい」と親心をのぞかせた。
 
地域の宝である芸能を受け継ぐ両石虎舞(左)と神ノ沢鹿踊(右)の子どもメンバー

地域の宝である芸能を受け継ぐ両石虎舞(左)と神ノ沢鹿踊(右)の子どもメンバー

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「逃げろ!高台へ」津波避難の基本を体感 釜石・新春韋駄天競走11年目に 震災の教訓脈々と

津波避難場所の仙寿院境内を目指し、急坂を駆け上がる中学生ら=新春韋駄天競走

津波避難場所の仙寿院境内を目指し、急坂を駆け上がる中学生ら=新春韋駄天競走

 
 「津波発生時は迷わず、近くの高台へ―」。釜石市の津波避難啓発行事「新春韋駄天競走」が4日、大只越町の日蓮宗仙寿院(芝﨑恵応住職)周辺で行われた。同寺、釜石仏教会が主催し11回目の開催。市内外の2~63歳まで89人が参加し、地域の津波避難場所となっている高台の寺までの急坂を必死に駆け上がった。東日本大震災から間もなく13年となる沿岸被災地。今年は能登半島地震もあり、災害への心構えの大切さをより意識する日々が続く。参加者は震災の教訓を心に刻み、命を守る行動を体で覚えた。
 
 同行事は兵庫県西宮神社の新年開門神事「福男選び」をヒントに、“競走”という楽しみを盛り込みながら津波避難を体験してもらう節分行事。只越町の津波浸水域から震災時、1000人余りが避難した寺まで286メートル(高低差約26メートル)を駆け上がる。途中には急カーブや傾斜がきつい坂も。幼い子どもたちは父母に手を引かれながら、小学生以上は日ごろのスポーツ活動で鍛えた脚力も発揮しながら、それぞれにゴールを目指した。
 
午前11時、「親子の部」からスタート

午前11時、「親子の部」からスタート

 
父親に背中を押され、懸命に坂を上る子ども(左)。沿道では見物客が温かい拍手で応援(右)

父親に背中を押され、懸命に坂を上る子ども(左)。沿道では見物客が温かい拍手で応援(右)

 
只越町の消防屯所(集会所)前をスタート。高台の仙寿院までは高低差約26メートル

只越町の消防屯所(集会所)前をスタート。高台の仙寿院までは高低差約26メートル

 
女子、女性陣もありったけの力を振り絞り前へ進む

女子、女性陣もありったけの力を振り絞り前へ進む

 
 6部門を設け、それぞれの1位に「福○○」の称号を授与。芝﨑住職から認定書を受け取った人たちは、午後から行われた豆まきにも参加した。閉会式の最後には参加者や応援に集まった見物客全員で、海の方角に向かって黙とう。震災や能登半島地震の犠牲者の冥福を祈るとともに、同地震被災地の早期復興を願った。会場では能登支援の募金も呼び掛けた。
 
各部門で1位になった人たち。「福○○」のたすきをかけて感想を述べる

各部門で1位になった人たち。「福○○」のたすきをかけて感想を述べる

 
東日本大震災、能登半島地震の犠牲者を思い、黙とうをささげた

東日本大震災、能登半島地震の犠牲者を思い、黙とうをささげた

 
 例年、お囃子の太鼓で参加者を鼓舞している「只越虎舞」は、閉会式準備の間、踊りも披露。今年はメンバー3人がはんてん姿で競走にも参加した。応援側から初めて走る側になった菊池幸紘さん(31)は「きつかったですねー。ゴール直前の坂はかなりこたえた」と息を切らした。自身は震災時、浜町の自宅にいて津波にのまれ、がれきの山に流れついて一命をとりとめた。「早く逃げていれば…という思いは今でもある。『大丈夫だろう』という過信は絶対禁物。やっぱり、すぐに逃げるのが一番」と、教訓を深く心にとどめる。
 
今年初めて競走にも参加した「只越虎舞」のメンバーら

今年初めて競走にも参加した「只越虎舞」のメンバーら

 
ゴールまであと少し!沿道の声援を受けひたすら前へ…

ゴールまであと少し!沿道の声援を受けひたすら前へ…

 
 男性35歳以上の部で「福男」になったのは、一戸町の健康運動指導士西舘敦さん(44)。陸上競技に励む娘の朱里さん(18)と「思い出づくり、力試しに」と初参加。朱里さんも女性の部で「福女」になり、見事“親子福”で新春を飾った。
 
 なかなかの難コースに「気持ちで進まないとゴールにたどりつけない。後続の人を津波と思って、『逃げろ』という一心で駆け上がった」と敦さん。災害時は「誰かの手を引いたり、声を掛けながら一緒に逃げることも考えられる。自分の身は守って当たり前。訓練を重ねることで他の人も助けられる力をつけたい」と話す。親子で2カ月間練習を積んで、この日を迎えた。朱里さんは「いろいろな坂を見つけては走ってきた。今日のコースは本当にきつかったが、最後の最後まで競って福女になれたのは良かった」と喜びの表情。13年前の震災では「大きな揺れに怖い思いをした」記憶が残る。「津波はいつ起きてもおかしくないと聞く。沿岸部にいたら、すぐに逃げることを心がけたい」と気を引き締めた。
 
 「福女」の西舘朱里さん(写真左側奥)は僅差で1位に。父親の敦さん(写真右)は後続を寄せ付けず断トツの1位で「福男」に

「福女」の西舘朱里さん(写真左側奥)は僅差で1位に。父親の敦さん(写真右)は後続を寄せ付けず断トツの1位で「福男」に

 
福男、福女の認定書を手に笑顔を見せる西舘さん親子。母と一緒に記念の一枚!

福男、福女の認定書を手に笑顔を見せる西舘さん親子。母と一緒に記念の一枚!

 
 こうした防災の取り組みに父敦さんは「釜石市は震災伝承や避難の啓蒙活動がすごく盛んな印象。私たちも教訓とさせてもらっている」と刺激を受け、朱里さんも「この行事を周りに広め、避難の大切さを知ってもらいたい」と意識を高めた。
 
 芝﨑住職は「(震災を経験していない)子どもたちの参加が増えているのはありがたい。『大きな地震があったら必ず津波が来ると思って高台に避難をする』。この行事で学んだことを多くの方々に教えていただきたい」と望んだ。
 
震災後に生まれた子どもたちも父母と一緒に参加。津波避難を体で覚える

震災後に生まれた子どもたちも父母と一緒に参加。津波避難を体で覚える

 
ゴール前では芝﨑住職ら釜石仏教会のメンバーが参加者の頑張りをたたえた

ゴール前では芝﨑住職ら釜石仏教会のメンバーが参加者の頑張りをたたえた

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング カマタマーレ讃岐戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT カマタマーレ讃岐戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング カマタマーレ讃岐戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

スペシャル企画

 

スペシャル企画❶

開幕戦となる今回はグルージャ盛岡を運営する”株式会社いわてアスリートクラブ様”のご協力を頂き、選手OBによる解説&ミニトークを開催いたします!
2021年シーズンまで活躍された土井康平(GK)さんが来場予定です。
選手目線での解説やミニトークを交え、楽しくサッカー観戦をお楽しみ頂けます。
 
この他、グルージャグッズのプレゼント抽選会も開催予定です!
新シーズン開幕戦を一緒に応援しましょう!

スペシャル企画❷

スタグルのキッチンカー2店舗が出店!(10時~15時)
・いわてグルージャ盛岡が運営する焼き芋屋さん『IMO鶴』が沿岸地区初出店!
・みんな大好き『Happiece Coffee』出店決定!
ホーム開幕戦より一足お先に、この2店舗がそろい踏み!

スペシャル企画❸

ここでしか買えない、オリジナルのクルージャ応援グッズを数量限定で販売いたします!
オリジナルLEDキーホルダー 1,800円(税込)
※デザインは3種類ご用意しています。

スペシャル企画❹

来場ごとに特典が得られるスタンプカードを今シーズンも発行します!
レアなグッズがもらえるかも?
アウェイ戦を釜石PITで一緒に応援しましょう!

スペシャル企画❺

2024公式グッズを販売します。
3/17ホーム開幕戦前にGETしちゃいましょう!

 

パブリックビューイング概要

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第1節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs カマタマーレ讃岐

日時

2024年2月25日(日) 14:00 キックオフ
開場 13:15

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社、株式会社いわてアスリートクラブ

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト