neuhof1

一緒に楽しく~♪合唱ワークショップ ノイホフ・クワィアー 3月に釜石で演奏会

ノイホフ・クワィアーによる合唱ワークショップ

ノイホフ・クワィアーによる合唱ワークショップ

 
 釜石市の「親と子の合唱団ノイホフ・クワィアー」(小澤一郎代表)による歌のワークショップが3日、小佐野町の小佐野コミュニティ会館で開かれた。今後4回ほど練習日を設けた上で、参加者は3月中旬に予定する演奏会で発表する。
 
 「合唱をしてみたいが敷居が高い…」と感じている人や、「趣味を見つけたい」などと考えている人に、声を出すことの楽しさ、それが重なり合った時の奥深さを体感してもらおうと企画した。ワークショップには小学6年生から50代までの4人が参加。事務局の菊池恵美さん(41)が講師を務めた。
 
 同団は46年の歴史を誇る。入団条件は「楽譜が読めなくてもいい。歌が下手でもいい。0~100歳まで」。みんなで歌う楽しさを感じられるようにと、創立者の故渡辺顕麿さんが設けた。その中にある「楽譜」が特徴の一つ。平行な5本の線に音符が記された五線譜ではなく、ローマ字で「d(ド)/r(レ)/m(ミ)…」とつづった独自の楽譜を使う。
 
音符の代わりにローマ字が並ぶ楽譜がノイホフ流

音符の代わりにローマ字が並ぶ楽譜がノイホフ流

 
ペンを持って文字を追いながら声を出してみる

ペンを持って文字を追いながら声を出してみる

 
 まず、その楽譜の読み方からスタート。例えば、「so(ソ)」という文字の下に黒い点が付いているのは「低いso」、上に付いていれば「高いso」となる。音の長さを示す4分音符(1拍)をノイホフ方式にすると、文字だけの表記に。字の下に線が引かれているものは8分音符(2分の1拍)という感じで、参加者から「頭の体操だ」と声が聞かれた。
 
 演奏会への参加は任意だが出番は決まっていて、歌うのは「涙そうそう」「栄光の架橋」「世界に一つだけの花」の3曲。楽譜に慣れたら、早速声を合わせた。どの曲も耳なじみがあり、小学生の2人は「楽しかった。I like music(音楽が好き)だから」と笑顔を重ねた。
 
みんなで声を合わせる楽しさを体感する参加者

みんなで声を合わせる楽しさを体感する参加者

 
 大槌町の会社員阿部千夏さん(25)は、昨年末の「かまいしの第九」最終公演に感動し、「歌いたい」と刺激を受けた。そんな時に合唱ワークショップを知り、参加を即決。ローマ字表記、手書きの楽譜の珍しさに少し戸惑ったが、「音楽をゼロから感じる楽しさがある」と心を躍らせる。団員の練習風景も見学し、その歌声に背筋が伸びた様子。「一緒に歌えるのが楽しみ。スーッと声が出せるよう調子を整えたい。練習あるのみ」と気合を入れた。
 
ノイホフ団員たちも演奏会に向け練習を重ねる

ノイホフ団員たちも演奏会に向け練習を重ねる

 
 団員は現在、高校3年生から70代まで10人。年に2回程度の定期演奏会を開いている。ワークショップは「入団につながれば」との期待もあるが、体験だけでも歓迎。指揮も務める小澤代表は「楽しく一緒に歌いましょう」と控えめに見守る。
 
 本番となる同団の第145回ファミリーコンサートは3月17日(日)、釜石市民ホールTETTOのホールBで開催される。午後2時開演。

kyodogeinosai1

4年ぶり「釜石市郷土芸能祭」 神楽、鹿踊り、虎舞、太鼓 多彩な演舞に観客大喜び

4年ぶりに開かれた釜石市郷土芸能祭。各団体が躍動した

4年ぶりに開かれた釜石市郷土芸能祭。各団体が躍動した

 
 釜石市郷土芸能祭(市、市教委主催)は4日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。隔年度で開催される同祭だが、前回は新型コロナウイルス感染症の影響で直前に中止を余儀なくされ、今回は4年ぶりの開催。市内から8団体が出演したほか、特別出演として一戸町の1団体が招かれた。延べ約700人が鑑賞し、多彩な芸能が伝承される郷土の魅力を堪能した。
 
 同市では神楽、虎舞、鹿踊り、手踊りなど55の芸能が各地に伝承され、地域信仰とともに受け継がれてきた。無形民俗文化財として県指定が1団体、市指定が13団体ある。同祭は地域に根付く伝統文化である郷土芸能を守り育て、次世代への継承、郷土愛の醸成などにつなげようと1977(昭和52)年度から開始。平成に入ってからは市外の団体も招き、交流を図っている。
 
 26回目の開催となった本年度は市内から、八雲神楽、小川しし踊り(市指定文化財)、松倉太神楽、桜舞太鼓、神ノ沢鹿踊(同)、丹内神楽(同)、両石虎舞(同)、南部藩壽松院年行司支配太神楽(県指定文化財)が出演した。
 
 2017(平成29)年に市指定文化財となった「神ノ沢鹿踊」(同保存会=中村巧会長)は、約330年前に現鵜住居町神ノ沢地区に房州(現千葉県南部)出身者から伝えられたとされる。旧鵜住居村では最も古い芸能。同祭への出演は東日本大震災後の21回公演以来で、文化財指定後は初の演舞となった。
 
2頭の雄鹿が雌鹿を取り合う戦いの様子を表した踊り「突合い」=神ノ沢鹿踊

2頭の雄鹿が雌鹿を取り合う戦いの様子を表した踊り「突合い」=神ノ沢鹿踊

 
激しい踊りの「突合い」は地域の祭りでも最も盛り上がる演目

激しい踊りの「突合い」は地域の祭りでも最も盛り上がる演目

 
 栗林町の「丹内神楽」(砂子畑共正会=栗澤陽一会長、砂子畑芸能保存会=小笠原昭平会長)は同市の無形民俗文化財指定第一号で、1973(昭和48)年指定。山伏神楽の系統で、約180年の歴史を有する。紀州熊野(現和歌山、三重県南部)をルーツに、明治時代以降は本県の黒森、早池峰両神楽を研究し、現在の形になったとされる。同祭には23回以来の出演。
 
式舞の一つである「鶏(とり)子舞」。丹内神楽の代表的演目

式舞の一つである「鶏(とり)子舞」。丹内神楽の代表的演目

 
色鮮やかな装束で華麗に舞う市指定無形民俗文化財第1号の舞を観客が堪能

色鮮やかな装束で華麗に舞う市指定無形民俗文化財第1号の舞を観客が堪能

 
 両石町の「両石虎舞」(同保存会=久保宣利会長)は江戸時代中期から踊られていたと伝えられる。市内の虎舞の中では古い歴史を有し、1998(平成10)年に市指定文化財となった(同年、虎舞4団体指定)。虎頭は木彫りの伝統を守り、相撲の四股を踏むような足さばきで踊るのが特徴。23回以来の同祭出演となった今回は、地域の祭り以外では目にする機会の少ない「刺し鳥舞」も披露し、来場者の注目を集めた。
 
虎頭の振り方、足の運び方など伝統の形を崩さず、今に受け継がれる両石虎舞

虎頭の振り方、足の運び方など伝統の形を崩さず、今に受け継がれる両石虎舞

 
両石虎舞は手踊りも数多く伝承。今回は「刺し鳥舞」(写真)と「甚句」を披露

両石虎舞は手踊りも数多く伝承。今回は「刺し鳥舞」(写真)と「甚句」を披露

 
 同保存会の久保会長(50)は「コロナ禍でしばらく練習できない時期が続いた。地域の祭りでの披露は昨年から本格的に再開。今回の芸能祭出演も確実な継承へのいい後押しとなった」と喜ぶ。地域は震災の津波で甚大な被害を受け、人口が減った。加えて少子高齢化が進み、保存会のメンバー確保には苦慮しているという。「これからは、やりたい人がいれば他地域からも受け入れる体制を整えたい。古くから形を変えずにきた伝統の舞を守りつつ、廃れてきた演目の復活にも取り組みたい」と意欲を見せる。
 
 今回の特別出演には、一戸町の「高屋敷神楽」(同保存会=大木勇司会長)が招かれた。同神楽は県指定無形民俗文化財。三明院という寺院の山伏神楽が源流で、同神楽の流れを継ぐ団体は県外にもあるという。同町内の神楽団体の中でも群を抜いた多数の演目があるのが特徴。震災後の2015(平成27)年には、被災した同市鵜住居町にも慰問に訪れている。今回は「権現舞」のほか「鐘巻き御寺」という演目を披露した。
 
特別出演した一戸町の高屋敷神楽。演目「鐘巻き御寺」の一場面

特別出演した一戸町の高屋敷神楽。演目「鐘巻き御寺」の一場面

 
修業をせずに鐘巻寺に入った娘が鬼人になってしまい、修験者がそれを救うという踊り

修業をせずに鐘巻寺に入った娘が鬼人になってしまい、修験者がそれを救うという踊り

 
 観客は市内外の団体による見応え十分の舞台を存分に楽しみ、郷土芸能の宝庫・岩手の素晴らしさをあらためて実感した。一昨年、同市に転居したという高橋弘枝さん(45)は同祭を見るのは初めて。「いろいろな種類を見られて楽しい。子どもが減って継承が難しくなっている団体も多いと聞くが、釜石は幼稚園や小学校でも郷土芸能に取り組むなど伝承に力を入れているのが素晴らしい」と感心。虎舞が大好きな次男(3)に目を細め、「息子にもやらせてあげたい」と親心をのぞかせた。
 
地域の宝である芸能を受け継ぐ両石虎舞(左)と神ノ沢鹿踊(右)の子どもメンバー

地域の宝である芸能を受け継ぐ両石虎舞(左)と神ノ沢鹿踊(右)の子どもメンバー

idaten1

「逃げろ!高台へ」津波避難の基本を体感 釜石・新春韋駄天競走11年目に 震災の教訓脈々と

津波避難場所の仙寿院境内を目指し、急坂を駆け上がる中学生ら=新春韋駄天競走

津波避難場所の仙寿院境内を目指し、急坂を駆け上がる中学生ら=新春韋駄天競走

 
 「津波発生時は迷わず、近くの高台へ―」。釜石市の津波避難啓発行事「新春韋駄天競走」が4日、大只越町の日蓮宗仙寿院(芝﨑恵応住職)周辺で行われた。同寺、釜石仏教会が主催し11回目の開催。市内外の2~63歳まで89人が参加し、地域の津波避難場所となっている高台の寺までの急坂を必死に駆け上がった。東日本大震災から間もなく13年となる沿岸被災地。今年は能登半島地震もあり、災害への心構えの大切さをより意識する日々が続く。参加者は震災の教訓を心に刻み、命を守る行動を体で覚えた。
 
 同行事は兵庫県西宮神社の新年開門神事「福男選び」をヒントに、“競走”という楽しみを盛り込みながら津波避難を体験してもらう節分行事。只越町の津波浸水域から震災時、1000人余りが避難した寺まで286メートル(高低差約26メートル)を駆け上がる。途中には急カーブや傾斜がきつい坂も。幼い子どもたちは父母に手を引かれながら、小学生以上は日ごろのスポーツ活動で鍛えた脚力も発揮しながら、それぞれにゴールを目指した。
 
午前11時、「親子の部」からスタート

午前11時、「親子の部」からスタート

 
父親に背中を押され、懸命に坂を上る子ども(左)。沿道では見物客が温かい拍手で応援(右)

父親に背中を押され、懸命に坂を上る子ども(左)。沿道では見物客が温かい拍手で応援(右)

 
只越町の消防屯所(集会所)前をスタート。高台の仙寿院までは高低差約26メートル

只越町の消防屯所(集会所)前をスタート。高台の仙寿院までは高低差約26メートル

 
女子、女性陣もありったけの力を振り絞り前へ進む

女子、女性陣もありったけの力を振り絞り前へ進む

 
 6部門を設け、それぞれの1位に「福○○」の称号を授与。芝﨑住職から認定書を受け取った人たちは、午後から行われた豆まきにも参加した。閉会式の最後には参加者や応援に集まった見物客全員で、海の方角に向かって黙とう。震災や能登半島地震の犠牲者の冥福を祈るとともに、同地震被災地の早期復興を願った。会場では能登支援の募金も呼び掛けた。
 
各部門で1位になった人たち。「福○○」のたすきをかけて感想を述べる

各部門で1位になった人たち。「福○○」のたすきをかけて感想を述べる

 
東日本大震災、能登半島地震の犠牲者を思い、黙とうをささげた

東日本大震災、能登半島地震の犠牲者を思い、黙とうをささげた

 
 例年、お囃子の太鼓で参加者を鼓舞している「只越虎舞」は、閉会式準備の間、踊りも披露。今年はメンバー3人がはんてん姿で競走にも参加した。応援側から初めて走る側になった菊池幸紘さん(31)は「きつかったですねー。ゴール直前の坂はかなりこたえた」と息を切らした。自身は震災時、浜町の自宅にいて津波にのまれ、がれきの山に流れついて一命をとりとめた。「早く逃げていれば…という思いは今でもある。『大丈夫だろう』という過信は絶対禁物。やっぱり、すぐに逃げるのが一番」と、教訓を深く心にとどめる。
 
今年初めて競走にも参加した「只越虎舞」のメンバーら

今年初めて競走にも参加した「只越虎舞」のメンバーら

 
ゴールまであと少し!沿道の声援を受けひたすら前へ…

ゴールまであと少し!沿道の声援を受けひたすら前へ…

 
 男性35歳以上の部で「福男」になったのは、一戸町の健康運動指導士西舘敦さん(44)。陸上競技に励む娘の朱里さん(18)と「思い出づくり、力試しに」と初参加。朱里さんも女性の部で「福女」になり、見事“親子福”で新春を飾った。
 
 なかなかの難コースに「気持ちで進まないとゴールにたどりつけない。後続の人を津波と思って、『逃げろ』という一心で駆け上がった」と敦さん。災害時は「誰かの手を引いたり、声を掛けながら一緒に逃げることも考えられる。自分の身は守って当たり前。訓練を重ねることで他の人も助けられる力をつけたい」と話す。親子で2カ月間練習を積んで、この日を迎えた。朱里さんは「いろいろな坂を見つけては走ってきた。今日のコースは本当にきつかったが、最後の最後まで競って福女になれたのは良かった」と喜びの表情。13年前の震災では「大きな揺れに怖い思いをした」記憶が残る。「津波はいつ起きてもおかしくないと聞く。沿岸部にいたら、すぐに逃げることを心がけたい」と気を引き締めた。
 
 「福女」の西舘朱里さん(写真左側奥)は僅差で1位に。父親の敦さん(写真右)は後続を寄せ付けず断トツの1位で「福男」に

「福女」の西舘朱里さん(写真左側奥)は僅差で1位に。父親の敦さん(写真右)は後続を寄せ付けず断トツの1位で「福男」に

 
福男、福女の認定書を手に笑顔を見せる西舘さん親子。母と一緒に記念の一枚!

福男、福女の認定書を手に笑顔を見せる西舘さん親子。母と一緒に記念の一枚!

 
 こうした防災の取り組みに父敦さんは「釜石市は震災伝承や避難の啓蒙活動がすごく盛んな印象。私たちも教訓とさせてもらっている」と刺激を受け、朱里さんも「この行事を周りに広め、避難の大切さを知ってもらいたい」と意識を高めた。
 
 芝﨑住職は「(震災を経験していない)子どもたちの参加が増えているのはありがたい。『大きな地震があったら必ず津波が来ると思って高台に避難をする』。この行事で学んだことを多くの方々に教えていただきたい」と望んだ。
 
震災後に生まれた子どもたちも父母と一緒に参加。津波避難を体で覚える

震災後に生まれた子どもたちも父母と一緒に参加。津波避難を体で覚える

 
ゴール前では芝﨑住職ら釜石仏教会のメンバーが参加者の頑張りをたたえた

ゴール前では芝﨑住職ら釜石仏教会のメンバーが参加者の頑張りをたたえた

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング カマタマーレ讃岐戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT カマタマーレ讃岐戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング カマタマーレ讃岐戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

スペシャル企画

 

スペシャル企画❶

開幕戦となる今回はグルージャ盛岡を運営する”株式会社いわてアスリートクラブ様”のご協力を頂き、選手OBによる解説&ミニトークを開催いたします!
2021年シーズンまで活躍された土井康平(GK)さんが来場予定です。
選手目線での解説やミニトークを交え、楽しくサッカー観戦をお楽しみ頂けます。
 
この他、グルージャグッズのプレゼント抽選会も開催予定です!
新シーズン開幕戦を一緒に応援しましょう!

スペシャル企画❷

スタグルのキッチンカー2店舗が出店!(10時~15時)
・いわてグルージャ盛岡が運営する焼き芋屋さん『IMO鶴』が沿岸地区初出店!
・みんな大好き『Happiece Coffee』出店決定!
ホーム開幕戦より一足お先に、この2店舗がそろい踏み!

スペシャル企画❸

ここでしか買えない、オリジナルのクルージャ応援グッズを数量限定で販売いたします!
オリジナルLEDキーホルダー 1,800円(税込)
※デザインは3種類ご用意しています。

スペシャル企画❹

来場ごとに特典が得られるスタンプカードを今シーズンも発行します!
レアなグッズがもらえるかも?
アウェイ戦を釜石PITで一緒に応援しましょう!

スペシャル企画❺

2024公式グッズを販売します。
3/17ホーム開幕戦前にGETしちゃいましょう!

 

パブリックビューイング概要

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第1節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs カマタマーレ讃岐

日時

2024年2月25日(日) 14:00 キックオフ
開場 13:15

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社、株式会社いわてアスリートクラブ

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

touni_150_1

仲間・絆大切に 伝統を未来へ 釜石・唐丹小創立150周年 地域みんなで祝う

創立150周年記念式典で元気な歌声を響かせる唐丹小児童

創立150周年記念式典で元気な歌声を響かせる唐丹小児童

 
 創立150周年を迎えた釜石市立唐丹小学校(柏﨑裕之校長、児童52人)で3日、記念式典が開かれた。唐丹町の唐丹小中体育館には在校生、教職員のほか、保護者や同窓生でもある住民、来賓ら約170人が集合し、地域みんなで同校の“150歳”をお祝い。歴史を振り返り、伝統を未来につなぐ思いを新たにした。
 
 同校は1873(明治6)年3月、唐丹学校として創立。1896(明治29)年と1933(昭和8)年に三陸大津波、2011(平成23)年には東日本大震災津波で校舎が大きな被害を受けるなど幾度の災禍をこえ、「唐丹村立」から「釜石市立」への移行、統合、校舎移転など歴史を重ねてきた。
 
 震災では片岸地区にあった校舎のほとんどが損壊し、他地域の小学校を間借りして授業を継続。同様に利用不能となった小白浜地区の唐丹中跡地に仮設校舎が設けられると、地区に戻って中学生と一緒に過ごした。すぐそばで進む新校舎(小中併設)の建設を見守り、17年2月から新しい学びやで生活を始めた。
 
東日本大震災後に完成した唐丹小の校舎。中学生と共に学ぶ

東日本大震災後に完成した唐丹小の校舎。中学生と共に学ぶ

 
 唐丹小の卒業児童数は5000人超。「『自ら学び 心豊かで たくましい子ども』の育成」を教育目標に定め、子どもたちは日々学んでいる。地域と学校が一体となって教育振興に取り組んでいるのが特徴。また、30年以上続く新聞教育は内閣総理大臣賞を始め数多くの受賞歴があり、新聞作りを通して児童らは表現力を高め、ものの見方や感じ方を育んでいる。
 
歴史を振り返り、伝統をつなぐ思いを深めた記念式典

歴史を振り返り、伝統をつなぐ思いを深めた記念式典

 
 式典で、創立150周年実行委員会の留畑丈治実行委員長が主催者を代表して式辞。「みんなと一緒にお祝いができてうれしい。たくさんの応援を感じ、地域を愛する気持ちを持ち続けてほしい」と児童に呼びかけた。柏﨑校長は「地域とスクラムを組んで復興の歩みを進めてきた。これからも協働して歩み続ける。変わらぬ愛情と温かさを持って見守ってほしい」と望んだ。
 
 祝辞に立った小野共市長は同校の卒業生(1983年度卒)で、「地域の文化や伝統を引き継ぎ、明るくたくましく立派に成長して」と激励した。高橋勝教育長も地域協働の学校運営が続くことを期待。歴代校長10人、同PTA会長17人、震災関連などの支援者8人に感謝状を贈ったほか、PTA全国表彰を受けた1人に表彰状を伝達した。
 
表彰を受けた歴代校長や支援者、実行委、学校関係者

表彰を受けた歴代校長や支援者、実行委、学校関係者

 
 学校の歴史を振り返る写真をスライドショーで映した後、児童が思い出や祝いの言葉をつなぐ「呼びかけ」と合唱を披露。児童会長の小川原優陽君(6年)は「僕たちは震災の年に生まれた。家族や地域の支え、全国から支援を受けて今がある。すぐには恩返しできないけど、仲間や絆、誰かを支える気持ちを大切にしていきたい」と思いを込めた。「…荒波ときに よするとも 不屈の心 ゆるぎなし…」。校歌斉唱で締めくくった。
 
呼びかけで日頃の感謝を地域に伝える子どもたち

呼びかけで日頃の感謝を地域に伝える子どもたち

 
「来てくれてありがとう」。記念の紅白餅を手渡す児童

「来てくれてありがとう」。記念の紅白餅を手渡す児童

 

記念事業も 教育目標パネル作成、社交ダンス観賞

 
卒業生が制作した教育目標のパネルをお披露目した

卒業生が制作した教育目標のパネルをお披露目した

 
 記念事業として、教育目標を記したパネル(縦122センチ、横200センチ)を作成。式典に先立って除幕し、お披露目した。市外で看板業を営む卒業生が協力。青色の背景は唐丹の空と海をイメージし、輝く虹を加えた。文字はひらがなを多用し、低学年の児童が理解できるよう優しい配慮も。「唐丹から育った子どもたちが平和な世界を築くための懸け橋になってほしい」との願いを込めた。
  
 プロのダンサーとして活躍する卒業生を招いた「ようこそ先輩~社交ダンス鑑賞会」もその一つ。1月24日に同校で開かれ、東京で社交ダンス教室を経営する上村和之さん(40)=1994年度卒=と、妻の迪子さん(39)が講師を務めた。2人は「ワルツ」などで優雅な踊りを披露。特別レッスンでは子どもたちが実際にステップを踏み、ダンスの楽しさに触れた。
 
社交ダンス鑑賞会で華麗に踊る上村和之さん、迪子さんペア

社交ダンス鑑賞会で華麗に踊る上村和之さん、迪子さんペア

 
音楽に合わせてステップを踏んでみる。上村さんへの質問タイムも

音楽に合わせてステップを踏んでみる。上村さんへの質問タイムも

 
 「ペアで踊るのが魅力。頭も使う」と上村さん。プロを目指した理由を聞かれると、「人と向き合う仕事だから」と答えた。友達と向かい合って互いに手を取り、失敗しても楽しそうに歓声を上げる児童らの様子に目を細め、「思い切ってやりたいことをやってほしい」とエールを送った。
「いい思い出に」。先輩との交流を楽しんだ唐丹小6年生

「いい思い出に」。先輩との交流を楽しんだ唐丹小6年生

 
 子どもたちは「きれいでした」「カッコいい。また見たい」と感想。佐久間桜音(おと)さん(5年)は「少し難しかった。でもだんだん踊れるようになってうれしかった」と笑った。

kakuteishinkoku1

スマホでトライ!確定申告 ラグビー・釜石SW桜庭吉彦さん、模擬体験…「分かりやすい」

スマートフォンを使った確定申告を模擬体験する桜庭吉彦さん

スマートフォンを使った確定申告を模擬体験する桜庭吉彦さん

 
 2023年分の確定申告が2月16日に始まる。これを前に、釜石税務署(石亀博文署長)は1月30日、スマートフォンを使った電子申告・納税システム「e-Tax(イータックス)」のPRイベントを実施。地元ラグビーチーム「日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)」ゼネラルマネジャーの桜庭吉彦さん(57)が申告を模擬体験した。
 
 釜石市小佐野町の同署が会場。桜庭さんは税務署員のサポートを受けながら、給与所得者が医療費の控除を申告する想定のスマホ申告を体験した。用意されたスマホで二次元コードを読み取り、入力を開始。源泉徴収票をスマホカメラで読み取ると、金額などのデータが自動入力され、10分ほどで申告書を完成させた。
 
源泉徴収票をスマホカメラで読み取り

源泉徴収票をスマホカメラで読み取り

 
 桜庭さんは「とっつきにくいイメージがあったが、スマホを活用することで身近に感じた。分かりやすく、ストレスなくできた」と感想。スマホに不慣れな高齢者にはサポートが必要だと感じたようだったが、「確定申告はスマホでトライ!!」を合言葉に、「ぜひチャレンジしてみて」とガッツポーズを決めた。
 
「確定申告はスマホでトライ」を合言葉にポーズを決めてPR

「確定申告はスマホでトライ」を合言葉にポーズを決めてPR

 
 会社員や年金受給者の多くは申告の必要はないが、収入が複数あり、その所得が20万円以上なら申告義務が生じる。混雑する税務署に行かずに確定申告ができるのがスマホ申告のメリット。パソコンでも、検索欄に国税庁の「確定申告書等作成コーナー」と入れ、サイトにアクセスすると同様の流れで申告ができる。源泉徴収票の項目が自動入力される機能は、マイナンバーカードの利用と専用サイト「マイナポータル」と連携すると可能になる。確定申告期間中は24時間利用でき、自宅など場所を選ばず、「いつでもどこでも」できる手軽さもポイントだ。
 
 石亀署長も「システムを使った申告にトライしてほしい」と呼びかける。加えて、国や県、市町の税金や公的サービス利用料の「キャッシュレス納付」もアピール。こちらもe-Taxや地方税ポータルシステム「eLTAX(エルタックス)」による簡単な操作と、口座振替やスマホ決済などを利用できるという。
 
釜石税務署ではスマホ申告を呼びかけている

釜石税務署ではスマホ申告を呼びかけている

 
 仙台国税局の管内(東北6県)で、e-Taxを使って自宅から22年分の所得税などの申告書を本人が提出したのは25万6000人。前年から約1.4倍に増え、税務署の会場で提出した人の数を初めて上回ったという。特に、パソコンではなくスマホを使った申告は前年に比べ、約1.8倍の11万5000人だった。
 
 今年の所得税の確定申告の期間は3月15日まで。e-Taxによる申告は、既に受け付けている。

arttetto11_3

純粋さがひょっこり!? 釜石に移住したイラストレーター西川真央さん 作品展「自由に楽しんで」

西川真央さんの作品を思い思いに楽しむ来場者

西川真央さんの作品を思い思いに楽しむ来場者

 
 釜石市のイラストレーター西川真央さん(28)の個展「MIRAI」は11日まで、大町の釜石市民ホールTETTOギャラリーで開かれている。水彩やアクリル絵の具で描かれた約20点の作品は空想の世界だったり、目の前に広がる自然風景だったりとモチーフは違っても、柔らかな風合いは共通。「箱馬」を使った目線の低い展示手法を取り入れていて、来場者はその世界観を座ってのんびり楽しんでいる。
 
 京都府舞鶴市出身。東京で社会人生活をスタートさせて少し経った頃、新型コロナウイルスの感染拡大で自宅待機に。1カ月ほど外出を制限され、始めたのが画を描くことだった。「紙とペンがあれば、できるから」。その頃の題材は「頭の中の空想」で、「内側に矢印が向いた作品」だったという。
 
西川真央さんと作品「MIRAI」(右)

西川真央さんと作品「MIRAI」(右)

 
 今回の個展のタイトルとなった「MIRAI」もその頃の作品。画面いっぱいに描かれた子どもの顔が印象的だが、中でも星のようなものが散りばめられた大きな瞳に引き込まれる。「すべての人の心の中には無垢(むく)な部分があって、そこには小さな子どもが住んでいると思う」と西川さん。希望や喜びといった感情、前向きな感じを「キラキラの瞳」で表現した。
 
 釜石に移り住んだのは2021年10月。「人込み苦手だし、何となく面白そう」と、元同僚の誘いに乗って観光地域づくり会社で働き始めた。その傍ら制作活動も続け、Instagram(インスタグラム)で作品を紹介したり、イベントなどに参加して発信したり。都内のカフェなどで作品を飾ったこともあるが、個展は今回が初めてとなる。
 
釜石に移住後に描いた作品。海や森といった自然風景が多い

釜石に移住後に描いた作品。海や森といった自然風景が多い

 
 移住後の作品は8点並べた。釜石大観音から見る海や夕暮れの漁港、五葉山登山や八幡平の旅の思い出など。作品タイトルがないのが特徴で、「固定概念なしに楽しんでほしいから」だ。例えば、青や緑色の四角いもので埋め尽くした作品で表現していたのは「盛岡の空気」。だが、見ていた人から聞こえてきたのは「ガラスかな、ステンドグラス的な」「水面(みなも)だと思った」との声だったり、「迷路だ」とルートを探し始める子もいた。
 
 そんな自由な見方を楽しめる手伝いをしているのが箱馬。撮影や舞台などの現場で足場の高さを調整するためのもので、ホールの備品を有効活用した。いす代わりにして、ゆったりと作品たちに向き合える。画のそばには小さな粘土細工の置物たちもたたずんでいて、穏やかな雰囲気。旅先で拾った石には「古傷がじんわりとにじむ日」など名前が付けられていて、西川さんが持つ独特な心象風景に触れられる空間になっている。
 
箱馬をいす代わりにしてゆったり鑑賞を楽しむ親子

箱馬をいす代わりにしてゆったり鑑賞を楽しむ親子

 
粘土細工の置物や拾った石たちも作品の一部

粘土細工の置物や拾った石たちも作品の一部

 
 期間中の2日間は水彩画の似顔絵を描くワークショップを開催。対面で会話を楽しみながら、その人がまとっている雰囲気やカラー、特徴を捉えて似顔絵を仕上げた。ワクワクした表情で待ったモデルたちは、受け取るとみんな笑顔に。唐丹町の袰岩浩子さん(60)と大町の柳谷直美さん(55)は「かわいい…自分で言うのも何だけど。ほんわかとリラックスした内面が出でいる感じ」などと、仲の良さも表した作品に感激した。
 
約1時間座り続け完成した似顔絵。「似てる?」

約1時間座り続け完成した似顔絵。「似てる?」

 
すてきな似顔絵が完成し笑顔を重ねる夫婦

すてきな似顔絵が完成し笑顔を重ねる夫婦

 
似顔絵も作品の一部に。TETTOスタッフもにこにこ顔

似顔絵も作品の一部に。TETTOスタッフもにこにこ顔

 
 本来は怠け者で、「描きたい時にやるタイプ」と自己分析する西川さん。のんびりペースで活動を続けていくことにしているが、挑戦したいこともある。テーブルの片隅にさりげなく置かれた冊子。自己流で絵本作りに取り組んでいて、「ブラッシュアップしたい」と瞳を光らせる。
 
移住前の作品。まとめて絵本に仕上げて並べている

移住前の作品。まとめて絵本に仕上げて並べている

 
 心の住む子どもたちがひょっこりと顔を出して、楽しくおしゃべりできるように空間に―。西川さんは「友達のお家に遊びに行くような感覚で見にきて」と来場を呼びかける。
 
 同ホール自主事業「アートアットテット」の一環。午前10時から午後6時(最終日は同4時)まで。入場無料。問い合わせはTETTO(0193・22・2266)へ。

jizokukankoforum01

「世界の持続可能な観光地トップ100選」6年連続選出の釜石でフォーラム 視察者も先進事例学ぶ

釜石持続可能な観光フォーラム=1月29日、釜石PIT

釜石持続可能な観光フォーラム=1月29日、釜石PIT

 
 釜石持続可能な観光フォーラム2024(かまいしDMC、釜石市主催)は1月29日、同市大町の釜石PITで開かれた。観光地域づくり法人(DMO)の先進事例を学ぶため、全国各地から同社の視察に訪れた18人を含む42人が参加。基調講演や、同市の観光振興ビジョン「オープン・フィールド・ミュージアム構想」に基づくこれまでの取り組み成果を聞いた。
 
 同市は観光を通じた東日本大震災からの復興、持続可能な観光の実現を目指し、2017年に同構想を宣言。観光地域づくり法人として設立された、かまいしDMC(河東英宜代表取締役)を中心に体験プログラムの開発、観光マーケティング分析などを行いながら、地域に貢献し、国際社会に認められる観光地づくりに取り組んでいる。持続可能な観光の国際基準(GSTC)の導入を進め、認証を行う第三者機関グリーン・デスティネーションズ(オランダ)が発表する「世界の持続可能な観光地トップ100選」に18年から6年連続で選出され、国内関係者から注目を集める。
 
 フォーラムではGSTC公認トレーナーで、NPO法人大雪山自然学校(北海道)代表理事の荒井一洋さんが基調講演。サステナブルツーリズム(持続可能な観光)と観光を 活用した地域づくりについて話した。国連世界観光機関(UNWTO)が示すサステナブルツーリズムとは「来訪者、産業、環境、受け入れ地域のニーズに適合しつつ、現在と将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮した観光」のこと。荒井さんは「観光の悪影響を減らし、良い部分を伸ばすことがポイント。サステナブルな旅は旅行者にも求められている」とした。
 
講師の荒井一洋さん(左)はNPO法人エコツーリズムセンター理事、北海道アドベンチャートラベル協議会会長なども務める

講師の荒井一洋さん(左)はNPO法人エコツーリズムセンター理事、北海道アドベンチャートラベル協議会会長なども務める

 
 観光を活用した地域づくりを考える場合、重要なのは「観光で何を得たいのかを明確にすること」。客が来ることで収益増、環境や文化の保全、地域維持につながるなど、貢献度を高めることが“持続可能”実現には不可欠だという。荒井さんが勧めるのは、地元住民もやっている体験。「価値をつくるには“本物”のおすそ分けが最適」とし、漁業、林業、防災教育など釜石市民の日常に価値を見いだす。同市ではすでに「ミートアップ釜石」と題した20以上の観光プログラムが提供されており、売り上げも伸びてきている。
 
 この日は、観光人材育成への取り組み発表もあった。本年度、観光庁「地域活性化のための観光教育推進事業」モデル地域に選ばれた同市では、釜石商工高と連携。総合情報科の2年生5人が同市の観光戦略を学び、かまいしDMCが提供する観光プログラムを体験した。釜石湾漁船クルーズ、根浜海岸漂着物調査、ウニむき体験、釜石地方森林組合による講話など全7回の学習を行った。生徒らは地元の自然の豊かさを実感する一方で、地球温暖化を防止するための森林環境整備の大切さ、磯焼け対策として唐丹町漁協が取り組むウニの蓄養についても理解を深めた。
 
地域の観光を学ぶフィールドワークの成果を発表した釜石商工高総合情報科の2年生

地域の観光を学ぶフィールドワークの成果を発表した釜石商工高総合情報科の2年生

 
 生徒らは釜石の観光の課題を考察。発表では「体験プログラムはやり方や見せ方を工夫することで、もっと観光客を呼び込める」「釜石ならではの文化を体験できるような仕掛けをもっと考えるべき」「世界遺産などをうまく活用できていない。イベント開催やSNS発信で知られざる魅力をPRしていくことが必要」といった意見が出された。
 
 小笠原のゑさんは本学習で、環境に関する持続可能な活動の多さ、海と山に囲まれた豊かな自然を武器にした観光に強みを感じたよう。「17年間、釜石で生きてきた中で初めて知ることが多かった。こんなに魅力があるのに何で広まらないのだろう」と疑問が生じ、「自分たちも積極的に行動し、広めていき方をもっと考えたい」と今後の活動に意欲を見せた。
 
 同校では来年度、3年生の選択科目(週2時間)に「観光ビジネス」を導入予定で、今回発表した5人も履修するという。総合情報科科長の正木博之教諭は「本学習で生徒たちは、釜石の取り組みが外部から評価されていることを知り、自分たちの住む地域の可能性をあらためて認識した。地域に貢献したいという思いも芽生え、観光分野の仕事へ興味を持った生徒もいるようだ」と話す。
 
視察に訪れた全国のDMO関係者らも参加し、講演や発表に耳を傾けた

視察に訪れた全国のDMO関係者らも参加し、講演や発表に耳を傾けた

 
 同市の「オープン・フィールド・ミュージアム構想」は市内全域を博物館に見立て、地域に眠る宝(自然、歴史、文化、人、産業など)を発掘しながら、住民と来訪者をさまざまな形でつなぐ観光地域づくりの手法。持続可能な観光の国際基準を採用し、継続的な収益を生むと同時に住民の郷土愛醸成、地域活性化につなげる。
 
 かまいしDMCの河東代表取締役は、常設の体験ブログラムで観光への関わり人口が増え、内容の充実や複数の体験が宿泊にもつながっている状況を説明。体験プログラムの入場料は19年度の約250万円から増加が続き、本年度は3000万円に届く勢いだという。来年度は主に大学生を対象とした「オープン・フィールド・カレッジ」の創設を予定。好調なワーケーションへの対応として、参加企業の寄付で新たな研修施設を建設する計画で、25年3月の完成を目指す。
 
参加者は釜石オープン・フィールド・ミュージアムの取り組みに理解を深めた

参加者は釜石オープン・フィールド・ミュージアムの取り組みに理解を深めた

 
 釜石市の観光客入り込み数はラグビーワールドカップ(W杯)があった2019年度は91万人を超えたが、その後は新型コロナ感染症の影響で減少。21年度は約49万人、22年度は59万8000人とコロナ禍前の6割程度にとどまっている。

denshosyakenkyu1

つなぐ記憶と教訓 発信に一役!?「大震災かまいしの伝承者」に挑戦 記者体験レポート

「大震災かまいしの伝承者」の基礎研修会

「大震災かまいしの伝承者」の基礎研修会

 
 東日本大震災の体験や教訓を後世に語り継ぐ「大震災かまいしの伝承者」。身近な人や市外から訪れる人たちに事実を伝えて記憶の風化を防ぎ、防災意識の向上につなげようと釜石市が養成する。震災から間もなく13年。経験をしていない世代が増える中、記憶を伝え続ける重みは増す。「どう受け継ぎ、残すか」。伝承者の基礎研修会に記者が参加してみた。
 
 この制度は2019年にスタート。地震のメカニズムと津波被害の特質、市が震災後に定めた防災市民憲章などに理解を深める基礎研修を終えると伝承者に認定される。第3期まで実施していて、累計で98人が修了。認定期間はおおむね2年間で、現在は59人が認定されている。伝承手法などを学べるステップアップ研修(任意)もある。
 
 今回、記者が臨んだのは4期目となる基礎研修会。1月28日に鵜住居町の鵜住居公民館で行われ、中学生から50歳代までの12人が参加した。これまで座学とグループワークを組み合わせ“一日がかり”だったが、今期はグループ活動を行わず、半日で終える内容に変更。代わりに、「釜石の震災」に重点を置く形にし、市の伝承施設「いのちをつなぐ未来館」の見学を組み込んだ。
 
基礎研修で配付されたテキスト

基礎研修で配付されたテキスト

 
メモを取りながら熱心に耳を傾ける参加者

メモを取りながら熱心に耳を傾ける参加者

 
 座学の講師は、岩手大学地域防災研究センターの山本英和准教授(地域防災工学)、小笠原敏記教授(海岸工学)、福留邦洋教授(都市防災・都市計画・復興まちづくり)の3人。合わせると90分ほどの講義は駆け足で進んだ印象。振り返りが必要だ。
 
講師を務めた岩手大学地域防災研究センターの教授ら

講師を務めた岩手大学地域防災研究センターの教授ら

 
 講師陣に共通する指摘は「災害は繰り返し発生し、どこにいても災禍に見舞われる可能性があること」。近年はさまざまな自然災害が各地で多発。講義で示された防災科学技術研究所「地震ハザードステーション」によると、今後30年間に岩手県沿岸地域が大きな揺れに見舞われる確率は約3%だという。が、空き巣や火災、ひったくり被害に遭うのと同程度の確率と聞けば、「低くない。あるかも」と感じた。
 
 「いつかはくる」と予想できても、「予知はできない」と講師ら。だからこそ、「備えを」と繰り返した。過去の災害の経験を後世に伝え、次の災害に備えることは大切である―。記憶の橋渡し、伝承者に期待される役割だと背筋が伸びる気がした。
 
いのちをつなぐ未来館を見学する参加者

いのちをつなぐ未来館を見学する参加者

 
語り部の川崎杏樹さん。経験を織り交ぜ教訓を伝える

語り部の川崎杏樹さん。経験を織り交ぜ教訓を伝える

 
 未来館を案内したのは、施設職員で語り部の川崎杏樹(あき)さん(27)。当時の小中学生が命を守り抜くことができた背景にある実践的な防災教育を紹介し、「この教訓を私たちと同じように発信してほしい」と望んだ。
 
 一方、避難した大勢が亡くなった鵜住居地区防災センターの事実を伝えるコーナーで強調したのは「避難場所」(災害から身を守るため一時的に逃げ込む先)と「避難所」(避難者が一定期間滞在し生活環境を確保できる場所)の違い。「2つの言葉の違いを覚えておく。こういう最低限の知識を身に付けていればいいと思う。小さい防災力が集まれば、大きな防災力になる」と訴えた。
 
研修を終えた参加者に伝承者証が手渡された

研修を終えた参加者に伝承者証が手渡された

 
 こうして研修は無事終了。12人に伝承者証と名札が交付された。これで認定者は71人に。震災の津波で祖父母を亡くした菊池音乃(のんの)さん(釜石高2年)は「当時は何もできなかったけど、これからは語り継ぐことで、災害で悲しむ人を少しでも減らしたい」と意欲を見せた。一緒に伝承者となった妹の音羽さん(甲子中1年)は地域を知る大切さを感じた様子だった。
 
伝承者証を手にする菊池音乃さん(左)と音羽さん姉妹

伝承者証を手にする菊池音乃さん(左)と音羽さん姉妹

 
 国土交通省東北地方整備局職員の沼﨑健(たける)さん(27)は、当時釜石東中2年生。独自に語り部として活動していたが、「独りよがりにならないよう共通認識を」と、古里が勤務地になったのを機に研修を受けた。高校入学時に地域を離れたこともあり、「その間の動きに触れることができ、有意義だった」と感想。同級生の川崎さんが熱心に伝える姿に刺激を受け、そして仲間も得て「語り続ける」気持ちを強めた。
 
 市震災検証室の正木浩二室長は「震災の体験、聞いたこと、学んだこと、防災市民憲章の理念を身近なところで、大切な人に、機会があるごとに語り継いでほしい」と求める。震災から時がたつこともあってか、研修への参加希望者は減少。それでも「未来の命を守るためにも伝え続けなければいけない」と、研修の内容など模索を続ける。
 
伝承者に仲間入りした12人と講師陣

伝承者に仲間入りした12人と講師陣

 
 「覚えてほしい」。講師や語り部たちが時折こぼした言葉。それを誰かに話す―それも伝承になるのではないか。体験者ではなくても、教訓を受け継ぎ、伝えることはできる。その行動が災害に備え、防災意識を高めることにつながるはず。あの日、津波にのまれるまちを「何だろう」とただ眺めていた…気がする。記者となったのは震災後。「自分の記憶も振り返ってみよう」。研修を終え、そんな気持ちになった。その気づきを生かし、まちの動き、市民の思いを伝え続けられるように。

100yenichi_05thum

「第5回 かまいし百円市」の出店者を募集します

「第5回 かまいし百円市」の出店者を募集します

 

釜石まちづくり(株)では、2024年3月17日(日)「第5回かまいし百円市」 (以下、百円市) を開催します。販売商品を全て100円とするフリーマーケットやバザーのような形態で、 “100円均一フリマ”と言ったイメージです。

 

例えばこのような商品の出品を想定しています・・・
リユース可能な子供用品、持て余してしまったお歳暮や引き出物の中身、まだまだ使えるおもちゃ、ダブったガチャガチャ、ちょっとしたコレクションアイテム、端数が残ってしまったパック商品、かつての趣味の名残、ハンドメイド商品、お菓子などの食品・・・・などなど、価格を100円として頂ければ、一部の取扱い禁止商品以外は何でもOKです。

 

均一価格のため販売益は限定されるかもしれませんが、以下のような点に意義を見出して下さる皆様のご出店を募集いたします。
・リユースの促進による社会活動的意義
・みんなで出店する楽しさ
・街の賑わいの場づくり
・ハンドメイド作品などの販売機会  など

 

各種サークル活動などのグループをはじめ、社会福祉法人やNPO等の社会活動団体、町内会やクラブ・少年団活動等の地域活動の一環として、学校や幼稚園・PTAや保護者会の催しとしてなど、皆様のご出店をお待ちしています(個人での出店も可能です)。

開催概要

日時:2024年3月17日(日)10:00~14:00
場所:釜石市民ホールTETTO・ホール前広場
主催:釜石まちづくり(株)

 

◇令和6年能登半島地震に対し、募金や寄付等の支援活動を実施する予定です。
◇その他同日には、会場隣接の釜石PITにて映画上映会「CINE PIT」も開催予定です。詳細については釜石情報ポータルサイト「縁とらんす」イベントページ等での情報更新をお待ちください。

出店の基本情報

◎全ての商品を以下の価格で販売すること
・100円(税込)
◎下記の品数をご用意頂けること(多い分には大歓迎!)
 ・50個以上
◎「出店について」の要件を遵守頂けること
・参加可能枠を超えるご応募があった際は抽選とさせて頂きます
・チャリティ活動(売上は○○へ寄付、○○を支援、教育や社会福祉活動資金に充当)が伴う場合は、条件により別枠での出店が可能ですのでご相談下さい。

出店について

◆物品の販売以外のサービスを商品として提供することはできません
(マッサージ、ヘアカット、診断、占いなど ※縁日等に類するものや主催者が要請したものは除く)
◆出店料は以下となります
・500円
◆出店スペースの広さは、幅2~2.5m×奥行1.5~2mを目安に調整させて頂きます
また、販売台、シート、釣銭等は各自でご準備下さい(主催者による両替には限りがあります)
◆会場は屋外となりますので、各自で出店時の気候対策等をお願いします
◆出店者には、釜石大町駐車場の24時間駐車券(通常800円)を500円にて斡旋いたします(団体の場合は駐車台数分の購入OK)
◆ペット等を同伴しての出店は禁止です(介助犬等を除く)
◆火器の使用や発電機の持込みは禁止です

取扱い禁止商品

以下の商品の取扱い及び取引は禁止といたします
 
生鮮食品など衛生管理上好ましくない物、その場で調理提供する飲食品(キッチンカーを除く)、ペット等の生き物、偽造品や盗品など法律に抵触する商品、受発注や目録を介しての後日取引を前提とした商品、取扱い資格の必要な危険物や薬品(有資格者でも不可)、公序良俗に反する物、大量の火薬類、再販売やオークション等への出品を前提とした取引
 
※大量の酒類を取り扱う場合は事前にご相談ください
※この他、主催者が不適切と判断した商品については取扱いを中止頂く場合があります

出店の申し込み方法

出店に関しての各種事項(開催概要、基本条件、出店について、取扱い禁止商品)を必ずご確認・ご理解のうえ、下記の出店申込書を記入して釜石まちづくり(株)までお申込み下さい。
・釜石まちづくり(株)の社員によるご紹介やご案内による場合は直接担当社員まで
・それ以外の場合は、釜石まちづくり(株)FAX <0193-27-8331>
※FAXでのお申込みが難しい場合は「釜石情報交流センター(釜石市大町1丁目1−10)」の受付にお越しいただき、出店申込希望の旨をお伝えください。
 
申込み締切 2024年3月5日(火)
 
問合せ等については、同様に担当社員にご連絡いただくか、
釜石まちづくり(株)TEL <0193-22-3607> までお願いします。

出店概要&申込書

PDF版(908KB)
「第5回 かまいし百円市」の出店概要&申込書
 
Word版(33KB)
「第5回 かまいし百円市」の出店概要&申込書

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

oraho1

方言の力で復興後押し「南部弁サミット」10周年 “おらほ弁”で語る昔話 末永く後世に

方言満載の民話劇「釜石版・笠地蔵」で楽しませる漁火の会のメンバーら

方言満載の民話劇「釜石版・笠地蔵」で楽しませる漁火の会のメンバーら

 
 「おらほ弁で昔話を語っぺし」南部弁サミットin釜石(岩手大主催)が開催10周年を迎えた。方言の力を活用した被災地の復興、地域コミュニティー再生を文化庁が支援。2015年から回を重ねてきた同イベントには、釜石市のほか青森県や本県遠野市の民話語り部団体が出演し、東日本大震災で傷ついた市民らの心にひとときの潤いをもたらしてきた。釜石に眠る民話の発掘も進み、今後の文化振興への寄与も期待される。
 
 同イベントは大町の市民ホールTETTOで行われた。方言による民話の伝承活動に取り組む釜石市の「漁火の会」(会員7人)が釜石小唄を踊ってオープニング。小学生の語りとして瓦田莉桜さん(小佐野小5年)、はなさん(同1年)姉妹が「座敷わらし」を語り聞かせた。
 
「座敷わらし」を仲良く語る(右から)瓦田莉桜さん、はなさん姉妹

「座敷わらし」を仲良く語る(右から)瓦田莉桜さん、はなさん姉妹

 
 漁火の会は6人が出演。遠野物語(418話)に収録される「橋野の笛吹峠」、箱崎半島に伝わる「鬼岩」、昔の酒蔵に由来するとみられる「釜石の造り酒屋」といった地元の民話のほか、全国的に知られる昔話などを“おらほ弁”で披露した。「極楽見てきた婆(ばあ)様」を語った藤原マチ子さんは自身が描いた絵で情景を再現。「遠野三山」を語った磯崎彬子さんは話に込められた教えをわかりやすく解説し、観客を物語の世界に引き込んだ。
 
左:「笠地蔵」を語る和田京子さん。右:「橋野の笛吹峠」を語る菊池有美子さん

左:「笠地蔵」を語る和田京子さん。右:「橋野の笛吹峠」を語る菊池有美子さん

 
左:「鬼岩」を語る千葉まき子さん。右:「遠野三山」を語る磯崎彬子さん

左:「鬼岩」を語る千葉まき子さん。右:「遠野三山」を語る磯崎彬子さん

 
自ら描いた絵をバックに「極楽見てきた婆(ばあ)様」を語る藤原マチ子さん

自ら描いた絵をバックに「極楽見てきた婆(ばあ)様」を語る藤原マチ子さん

 
 交流が続く民話の宝庫・遠野市からは「遠野昔話語り部の会」の細越澤史子さん、堀切初さんが出演。堀切さんは遠野物語には浜の話が25話あることを紹介し、その中から「山田の蜃気楼」を聞かせた。青森県からは「十和田こまくさの会」、「八戸童話会」の2人がビデオ出演した。
 
“民話のふるさと”遠野市からは細越澤史子さん(右)と堀切初さんが出演。熟練の語りで観客を魅了

“民話のふるさと”遠野市からは細越澤史子さん(右)と堀切初さんが出演。熟練の語りで観客を魅了

 
 最後は漁火の会のおはこ“動く民話劇”。「釜石版・笠地蔵」と題し、全国的に有名な昔話を劇仕立てで見せた。方言のセリフや小道具で随所に地元色を出し、観客の笑いを誘った。相撲甚句の節で震災を伝える活動も行う藤原さんの歌声で舞台を締めくくると、約130人の観客から温かい拍手が起こった。
 
雪の中、すげがさが足りず、自分の頭の手拭いを地蔵にかぶせてあげるじい様(左)。「笠地蔵」の1シーン

雪の中、すげがさが足りず、自分の頭の手拭いを地蔵にかぶせてあげるじい様(左)。「笠地蔵」の1シーン

 
貧しくも心優しい老夫婦のために正月用の米や酒を夜中にこっそり届ける地蔵たち

貧しくも心優しい老夫婦のために正月用の米や酒を夜中にこっそり届ける地蔵たち

 
 親子で初めて足を運んだ野田町の山崎鮎子さん(46)は「各地にいろいろな昔話があるんだなと。劇も笑いありで面白かった。方言も何とかわかるかな」。今は核家族化が進み、「祖父母から方言や昔話を聞く機会も少なくなった。娘(小学5年)は聞き取れたかな?」と感想を楽しみにした。
 
 天神町の女性(77)は「世の中の変化で標準語が主流になってきたが、方言や昔話など古いものを見直すことは大事。親が使っていた言葉もあり、懐かしさを感じた」。震災で身内を亡くし、しばらく外出できなかった時期もあるが、「気持ちや生活が落ち着いてきた今は、自分で楽しむ時間はかけがえのないものと感じる。このイベントも毎回ウキウキします」と声を弾ませた。
 
 この文化庁支援事業は昨年度から、東北大が受託する「消滅の危機にある方言の記録及び啓発事業」という新たな枠組みで行われる。本県のほか青森、宮城、福島、茨城の各県の大学が中心となり事業が進められる。初回から携わる岩手大教育学部の大野眞男名誉教授は「釜石の皆さんに元気になってもらえることをと始めたが、少しでも笑ったり喜んでいただけたことは意味があったと思う。こういう活動で人と人が心を通わせられるのは幸せなこと。方言、昔話、語り手がそろう釜石を次世代につないでいきたい」と話した。
 
 漁火の会の北村弘子事務局長(71)は「釜石は津波のたびに、書き留められた民話も語り手も失われてきた。実際には遠野に負けないぐらいの話があるとみられる。会では発足時からその発掘作業に取り組んできた」と明かす。震災後は岩手大との新たな活動も始まった。サミット10周年を機に「また一から出直して頑張りたい。今後は若手の育成にも努めていきたい」と夢を描く。
 
漁火の会事務局長の北村弘子さん(中央)。劇では露天商を好演

漁火の会事務局長の北村弘子さん(中央)。劇では露天商を好演

 
締めは同サミット恒例となった藤原マチ子さん(中央)の相撲甚句で…

締めは同サミット恒例となった藤原マチ子さん(中央)の相撲甚句で…

TETTO_Cinema4_webthum

TETTO Cinema vol.4 邦画名作上映会

TETTO_Cinema4_web
 
~日本映画の新たな顔として活躍を続ける監督たちが描く、様々な家族ドラマ~
国立映画アーカイブ所蔵の映画フィルムの中から、近年の邦画名作を上映いたします。
フィルムならではの味わいのある映像を、TETTOの大スクリーンでお楽しみください!
 
ご来場される皆様へ【ご協力お願い】
○発熱や体調不良時には来館や来場をお控えください。
○施設内でのマスク着用は個人の判断となります。混雑時や継続的な発声を伴う公演等、必要に応じて着用してください。
○施設内での咳エチケットや手洗いの励行を推奨します。
 

プログラム<上映スケジュール>

2月10日(土)
10:30~12:33
GO
原作:金城一紀、脚本:宮藤官九郎、監督:行定勲
出演:窪塚洋介、柴咲コウ、山崎努、大竹しのぶ、細山田隆人

2001年 「GO」製作委員会

(カラー/アメリカン・ビスタ/ドルビーSR/123分)
在日韓国人三世の高校生が、親世代との関係、魅惑的な恋、親友の喪失、自らの将来に煩悶しながら、アイデンティティを確立していく物語。初の劇場公開監督作の『ひまわり』(2000)で釜山国際映画祭批評家連盟賞を受賞した当時新進気鋭の若手監督行定勲が、同世代の金城一紀の直木賞受賞小説を、同じく30代前半の宮藤官九郎の脚本で映画化。自身のアイデンティティの葛藤を抱えながらもクールに生きようとする主人公を体現した窪塚洋介の魅力や、バイタリティ溢れる両親役の大竹しのぶと山崎努の怪演もあいまって、差別の問題の痛みを伴いながらも、ポップでエネルギッシュな疾走感が溢れる痛快な青春ドラマに仕上がっている。「キネマ旬報」ベストテン第1位のほか、同年の国内映画賞を作品賞、監督賞、主演・助演・男女優賞、脚本賞など独占した。
 
14:00~16:15
愛を乞うひと
原作:下田治美、脚本:鄭義信、監督:平山秀幸
出演:原田美枝子、野波麻帆、中井貴一、小日向文世、熊谷真実

1998年 東宝=角川書店=サンダンス・カンパニー

(カラー/アメリカン・ビスタ/ドルビーSR/135分)
70年代から多数の助監督経験を積んだ平山秀幸は、監督デビューした90年代に「学校の怪談」(1995-1999)シリーズの大ヒットをおさめ、本作で国内の映画賞を主演の原田美枝子とともに独占。その後も多様なジャンルで問題作を発表し続けている現代日本映画の代表的な監督である。実母から凄惨な虐待を受け続けて育った女性が、中年となり、幼い時に死に別れた父親の遺骨を探して娘と共に台湾へ向かう。母と父の過去を通して、母と自身に向き合っていく…。鄭義信の脚本、平山と多数の作品でコンビを組んでいる柴崎幸三の撮影、主人公と母を演じた原田美枝子の迫真の演技が、見る者に緊張感とともに深い痛みを伝え、ラストでは静かな感動をもたらす。「キネマ旬報」ベストテン第2位、モントリオール映画祭では国際批評家連盟賞を受賞。
 
2月11日(日)
10:30~12:19
幻の光
原作:宮本輝、脚本:萩田芳久、監督:是枝裕和
出演:江角マキコ、内藤剛志、浅野忠信、柏山剛毅、渡辺奈臣

1995年 テレビマンユニオン

(カラー/アメリカン・ビスタ/モノラル/109分)
是枝裕和の劇映画監督第一作で、テレビマンユニオンの創立25周年記念映画。原作は宮本輝の同名小説。幼い時に祖母の失踪を防げなかったことを悔いる女性が、幸せな結婚生活の最中に突然、夫に自殺されてしまう。数年後、幼子を連れて能登の一家に嫁いだ彼女は、新しい家族と平穏で幸福な日々を過ごすが、かつて愛する人に去られた心の傷が彼女の心を苛んでいく…。それまで多数のテレビドキュメンタリーを手掛けた是枝監督が、テレビとは異なる映画的な表現としてロングショットを多用し、登場人物が知覚する光や音とともに彼らの感情を表現する方法で、喪失と心の再生のドラマを描いた。撮影の中堀正夫が、繊細な光の表現を駆使した静謐な映像美で応え、「キネマ旬報」ベストテン第4位、ヴェネチア国際映画祭金のオゼッラ賞ほか、国内外で多くの賞を受賞。
 
14:00~15:59
ゆれる
脚本・監督:西川美和
出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子

2006年 「ゆれる」製作委員会

(カラー/アメリカン・ビスタ/ドルビーSR/119分)
オリジナル脚本の『蛇イチゴ』(2002)で映画監督デビューし、一躍注目を集めた西川美和の長編第2作。日常生活を見つめながら普通の人間の奥深くに秘められた心理を冷徹に描きだした本作は、カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、「キネマ旬報」ベストテン第2位の他、多数の賞を受賞し、監督の評価を確立した。プレイボーイの弟を演じたオダギリジョーと家業を継いだ真面目な兄役の香川照之も多くの男優賞を受賞。母の一周忌で故郷の実家に帰った写真家が、恋人だった幼馴染と兄の親しい様子を見て、兄に隠れて彼女を誘う。翌日、兄と彼女と一緒に渓谷へ出かけるが、彼女がつり橋から転落し、一緒にいた兄は裁判にかけられる…。事故か事件か、主人公は目撃したのか、真実は何か、多くの疑問に重ねて、兄弟の心理的葛藤が交錯する緊張感に満ちた心理劇。

日時

2024年2月10日(土)〜 2月11日(日)
開場時間:各作品30分前

会場

釜石市民ホールTETTO ホールA

料金

全席自由・各回入替制 1作品 500円 当日200円増
◎割引 各20%引/各割引チケットはTETTOのみ取扱い
友の会:会員証提示で2枚まで割引
シルバー:65歳以上証明書提示で一般チケット1枚まで割引
まとめ買い:10枚以上同時購入で割引

※未就学児入場不可。
※前売券が完売の場合、当日券の販売はありません。

プレイガイド

【釜石】釜石市民ホール
電話予約<受付開始 12/18(月) 13:00~>
〇釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266へお電話ください。
 
専用申込フォーム<受付期間 12/18(月) 13:00~2/9(金) 17:00>
下記QRコードまたはリンクからもお申込みいただけます。

https://forms.gle/rGJxwNg7UNm9r59G9
〇お申込いただいた後チケットが確保でき次第、登録のメールアドレスへお知らせいたします。迷惑メール設定や受信設定等のご確認をお願いいたします。お知らせは下記お問合せメールアドレスより送付いたします。
〇チケット代金のお支払いは、釜石市民ホールTETTO総合案内にて現金でお願いいたします。当日精算もできます。
★友の会、シルバー割引等各種割引をご希望の場合は、チケット引換の際にお申し出ください。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO
TEL:0193-22-2266
mail:daihyo*tetto-kamaishi.jp *を@に変えて送付お願いします

備考

【駐車場について】
当ホールには、専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。
 
【大町駐車場割引券サービス】
公演当日、ホール総合案内に本公演チケットと大町駐車場券を提示いただくと、駐車1時間サービス券を2枚進呈いたします。ぜひご利用ください。

主催等

【主催】釜石市民ホール、国立映画アーカイブ
【共催】釜石市
【特別協力】文化庁、(一社)日本映画製作者連盟、全国興行生活衛生同業組合連合会、東映株式会社、東宝株式会社

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9