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10/31は「ハロウィーン」 平田公民館で子どもらが異文化学ぶ 手形アートや仮装撮影も 

平田公民館でハロウィーンパーティーを楽しむ子どもら=26日

平田公民館でハロウィーンパーティーを楽しむ子どもら=26日

 
 今日10月31日は「ハロウィーン」。米国では祝祭日で、先祖の霊を迎えるとともに悪霊を追い払う日とされる。日本では若者らが仮装して楽しむ姿がクローズアップされがちだが、本来の意味や海外の風習などを知ってもらおうと、釜石市の平田公民館(小笠原達也館長)で26日、講話を交えたイベントが開かれた。
 
 講師に招かれたのは米国出身で、2021年から市の国際交流員として活動するナターシャ・ミリガンさん(26)。同地区の放課後子ども教室を利用する平田小の児童を中心に約30人が集まった。ミリガンさんは母国のハロウィーンの様子を、写真を見せながら紹介。カボチャやカブをくりぬき、目鼻口を施した「ジャック・オー・ランタン」を自宅の周りに飾ったり、魔女やお化けの仮装をした子どもたちが近所の家々を回り、お菓子をもらう風習があることを伝えた。
 
市国際交流員のナターシャ・ミリガンさんが米国のハロウィーンについて説明

市国際交流員のナターシャ・ミリガンさんが米国のハロウィーンについて説明

 
 墓やモンスターを模した飾り、ミイラやお化けに似せた料理など本場のハロウィーンの演出に子どもらは「面白い」「怖すぎる」と声を上げた。「ハロウィーンでキャンディーをもらう時に言う特別な言葉は?」とのミリガンさんの問いには、「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないといたずらするぞ)!」と即答。日本でも近年、幼児施設や子ども向けイベントなどでハロウィーンに親しむ機会が増えているだけあって、元気な声が響いた。
 
 ミリガンさんはクイズも出題した。ハロウィーンの起源やランタンを彫るのに昔使っていた野菜、象徴的な4つの色とその意味などを楽しく教えた。答えた子どもには「ハッピーハロウィーン!」と声をかけながらお菓子を手渡した。
 
ハロウィーンに関するクイズに答える子ども

ハロウィーンに関するクイズに答える子ども

 
クイズに正解すると歓声が…。楽しみながら異文化を学んだ

クイズに正解すると歓声が…。楽しみながら異文化を学んだ

 
 講話の後は手形アートの体験。手のひらに絵の具を塗り、2つの手形を紙に押して逆さまにすると、あら不思議、お化けのような形に…。目や口を書いて顔にし、余白に絵を描いたりシールを貼ったりして、自分だけのハロウィーンアートに仕上げた。カチューシャや顔シールでプチ仮装体験も。みんなで記念写真を撮り、楽しい思い出を心に刻んだ。
 
手形アート体験。どんな作品ができるかな?

手形アート体験。どんな作品ができるかな?

 
絵の具を塗った手で手形を押すと…ごらんの表情!

絵の具を塗った手で手形を押すと…ごらんの表情!

 
見本を見てイメージを膨らませる。この後、楽しい作品が続々

見本を見てイメージを膨らませる。この後、楽しい作品が続々

 
 川﨑蒼大君(平田小6年)はミリガンさんの話を聞き、「日本と外国のハロウィーンの文化の違いに驚いた。(家を飾ったりごちそうを食べたり)日本よりすごくお金がかかっていそう」と初めて見る光景に目を丸くした。
 
 「米国人にとってハロウィーンは毎年楽しみな日。釜石の子どもたちにも少しでも教えられたらと思っていたので、今日は交流できて良かった」とミリガンさん。海外に目を向ける機会が増えることを願い、「こういうイベントを通じて米国や英語のことをもっと伝えていきたい。学童(育成クラブ)や学校施設などで活動できれば」と意欲を示した。
 
個性豊かな手形アート作品が完成。“おうちハロウィーン”を盛り上げそう

個性豊かな手形アート作品が完成。“おうちハロウィーン”を盛り上げそう

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届け!震災の教訓 釜石の小学生伝承者 活動着々 「もっと多くの人に」向上心ふつふつ

「津波てんでんこ」の大切さを伝える歌を披露する佐々木智桜さん

「津波てんでんこ」の大切さを伝える歌を披露する佐々木智桜さん

  
 東日本大震災の体験や教訓を語り継ぐ「大震災かまいしの伝承者」の佐々木智桜(ちさ)さん(鵜住居小4年)は19日、釜石市鵜住居町の津波伝承施設「いのちをつなぐ未来館」で伝承活動を行った。3月にデビューし、今回が4回目の活動。企業向け研修での活動は初めてで、少し緊張しながらも津波避難で気をつけることや備えの大切さを訴えた。
  
 「東日本大震災は自分が生まれる前に起きたことですが、震災で何があったか、どうして命が助かることができたのか、たくさんの人にわかりやすく伝えたいです」。智桜さんがはっきりとした口調で思いを語った。
   
 耳を傾けたのは、防災設備メーカー能美防災(東京都)の社員ら約20人。企業研修の一環で、釜石市や陸前高田市などを巡って行政・民間による防災、復興まちづくりの取り組みに理解を深めている。今回、語り部には智桜さんを指名。学校の防災教育、小学生伝承者としての活動の思いに触れる機会にした。
  
企業研修で伝承活動を行う智桜さん

企業研修で伝承活動を行う智桜さん

  
 智桜さんは同館スタッフの母智恵さん(41)らの質問に答える形で、用意した原稿を読み上げながら伝承者になった理由や活動内容などを紹介した。「震災の3年後、2014年3月11日に生まれました」。その日は祖母と伯母の命日でもあり、2人のことを考えながら語り部活動を行っていると明かした。
  
 学校の防災教育について聞かれ、「毎月11日には命を大切にする日というのがあって…」と答えた智桜さん。そこでの活動として、「津波てんでんこ」の大切さを伝える歌を披露した。そして、締めくくりに強調したのは、父からの教え。「命が一番大事だということ。逃げるのが遅くなると命をなくしてしまうかもしれないから、災害が起きた時や起きそうな時は早く行動してほしい。地震が起きた時は何も持たなくていいから、とにかく逃げて。命さえあればいいんだよ」
  
歌で「てんでんこ」の大切さを伝えた

歌で「てんでんこ」の大切さを伝えた

  
 研修の参加者は、智桜さんのはきはきとした語りに引き込まれた様子で、「伝承者として勉強はどうしているか」「語り部は大変ではないか」などと熱心に質問。今後の活動や目標を聞くと、智桜さんは「英語でも伝えられるようになり、別の国の人に津波のことを教えたい」「防災士の資格も取って、もっといろいろ伝えられるようになりたい」と意欲を見せた。
  
 同社人事課の大野聖華さん(26)は、てんでんこの歌の「100回逃げても空振りばかり それでも今度も逃げるんだ」との歌詞が印象に残った。生活の中で「これくらいなら避難しなくてもいいかな」と思う時もあったと反省し、考えを改める機会に。「目で見て、話を聞き、体験しなければ分からないことが多いと感じた。約2000人の社員がいるが、個々の力の底上げにつながると思うので、学びの輪を広げられるようにしたい」と考えを巡らせた。
  
能美防災の社員らは熱心に耳を傾ける

能美防災の社員らは熱心に耳を傾ける

  
 釜石での研修は3年目。火災防災を主軸とした事業を展開しているが、近年は災害の要因が多様化、激甚化し、さまざまな災害への備えを事業に生かそうと続ける。防災士の資格を取った社員が臨んでいて、これまでの参加者は50人弱。新規事業のアイデアにもつながっているという。事務局を担った同社総合企画室の佐々木聰文(あきふみ)さん(47)は釜石出身。古里の教訓が次の防災に生かされると歓迎する。研修期間は5日間。「密な時間を共に過ごすことで、共通の物事を話せる仲間が増えている。この機運を高めていきたい」と継続を見据えた。
  
はにかみながら名刺を受け渡す智桜さん(右)

はにかみながら名刺を受け渡す智桜さん(右)

  
 智桜さんは3月以降、同館の展示案内などを行いながら伝承者として学びを伝えている。これまでは少人数のグループに対応していて、今回のようにずらりと座り込む大人十数人を前に語るのは、「緊張した」と目を大きくした。それでも「覚えてほしいことは伝えられた」と満足げ。名刺も作製し、伝承活動をさらにパワーアップさせる構えだ。

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活動36年 大正琴白百合会 今年も元気に発表会 和・洋の踊り、歌、書とのコラボで観客魅了

琴城流大正琴「白百合会」発表会~懐かしのメロディーに心踊らせて~

琴城流大正琴「白百合会」発表会~懐かしのメロディーに心踊らせて~

 
 釜石市で活動する琴城流大正琴の白百合会(鈴木琴節永代表、会員8人)は14日、大町の市民ホールTETTOで秋恒例の発表会(市民芸術文化祭参加)を開いた。活動36年目の同会。近年は踊りなどとコラボした華やかなステージが好評で、毎年訪れる観客も多い。今年は約140人が楽しんだ。
 
 指導にあたる鈴木代表と生徒5人が出演。同じ会場で個展を開いた釜石応援ふるさと大使の書家・支部蘭蹊さん(仙台市)の書道パフォーマンスとのコラボ「北の漁場」で幕を開けた。演奏曲は昭和の歌謡曲や演歌、童謡が中心。同会に練習場所を提供する日本キリスト教団新生釜石教会の柳谷雄介牧師らが歌声を重ねて演奏を盛り上げた。
 
復興支援活動でつながる書家・支部蘭蹊さんとのコラボでオープニング

復興支援活動でつながる書家・支部蘭蹊さんとのコラボでオープニング

 
演奏に合わせて歌の披露も。観客も声を重ねる

演奏に合わせて歌の披露も。観客も声を重ねる

 
 同会との共演は6回目という女形舞踊の尚玉泉さんは「川の流れのように」など3曲で観客を魅了した。会の高齢者施設慰問が縁でつながった両者。多くのファンに愛される共演ステージは今回も大好評で、観客からのアンコールにも応え、会場は大いに盛り上がった。
 
 共演の輪はさらなる広がりを見せる。今回は、昨年から入会した木村春美さん(72)が社交ダンスをしている縁で、仲間の高橋道夫さん(73)、姫香さん(74)夫妻と「東京のバスガール」など2曲を大正琴の演奏で踊った。観客は普段、あまり目にする機会の少ないダンスに目がくぎ付けになった。
 
尚玉泉さんの踊りとのコラボは毎回大人気!盛んな拍手が送られた

尚玉泉さんの踊りとのコラボは毎回大人気!盛んな拍手が送られた

 
社交ダンスとのコラボは新たな試み。会場は一層華やいだ

社交ダンスとのコラボは新たな試み。会場は一層華やいだ

 
 只越町の佐々木博子さん(80)は毎年、同発表会に足を運ぶ。「大正琴は音色がいい。年を重ねても頑張っている皆さんに元気をもらう。蘭蹊さんの書も大好き。家にもいっぱいあります」と文化の融合を楽しんだ。
 
 同会会員は60~80代の女性。月に2回、新生釜石教会で稽古を続ける。60歳を過ぎてから大正琴を始めたという会員(81)は「発表会の数だけはこなしている」と笑い、「今日も皆さんの協力でいい演奏ができた。お客さんもたくさん聞きに来てくれて励みになる」と喜んだ。「みんなで一緒に演奏できるのが一番の楽しみ。体が続く限りはやっていきたい」と女性会員。
 
日ごろの稽古の成果を発表する白百合会の会員。釜石の音楽文化発展の一翼を担う

日ごろの稽古の成果を発表する白百合会の会員。釜石の音楽文化発展の一翼を担う

 
 震災後、ボランティア関係の仕事も経験した鈴木代表は「何倍もの知り合いができた。多くの人とつながり、コラボの機会も増えている。観客も私たちも楽しめる発表会になってきた」と協力者に感謝。コロナ禍で控えていた慰問活動も徐々に再開する予定で、今後の活動への意欲をにじませた。
 
1曲終わるまでに書き上げた支部さんの作品。下段は震災後の支援活動で書き残した言葉。原点に立ち返って記した

1曲終わるまでに書き上げた支部さんの作品。下段は震災後の支援活動で書き残した言葉。原点に立ち返って記した

 
発表会には約140人が来場。心豊かな時間を過ごした

発表会には約140人が来場。心豊かな時間を過ごした

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第4回えんむすびマルシェ

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釜石大観音仲見世にて、えんむすびマルシェを開催します。
 
露店やキッチンカーが出店しクレープや月餅、かまだんご、ジェラートなどのスイーツ、ハンドメイドクラフトの雑貨やアクセサリーなどを販売します。釜石商工高校生が出店するブースや、溶接体験のブースも設置予定です。
 
また、同じ会場では、昨年オープンした、子育てママさんのワークスペースLIFULL FaM(ライフル・ファム)のOPEN1周年記念餅まきを実施いたします(午後1時ごろの予定)。
みなさまのご来場をお待ちしております。

日時

令和5年11月4日(土) 9:30~14:30

日時

釜石大観音仲見世(釜石市大平町3-9-1)

内容

出店ブース:15店舗+キッチンカー2台(予定)
料金:入場無料

主催

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト
Facebookページ: https://www.facebook.com/kamaishinakamise

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト

釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクトは、仲見世商店街を再生するためにさまざまな活動を行っています。

問い合わせ (代表/宮崎):090-4857-5693 / t-miya@aa.alles.or.jp

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釜石応援ふるさと大使 書家・支部蘭蹊さん TETTOで初個展 復興支援で結ばれた絆強く

釜石応援ふるさと大使となり、初めて市民ホールTETTOで個展を開いた書家・支部蘭蹊さん

釜石応援ふるさと大使となり、初めて市民ホールTETTOで個展を開いた書家・支部蘭蹊さん

 
 「釜石応援ふるさと大使」を務める宮城県仙台市在住の書家、支部蘭蹊(はせべらんけい=本名・一郎)さん(72)が14日から18日まで、釜石市大町の市民ホールTETTOで個展を開いた。中学、高校時代を釜石市で過ごした支部さんは、東日本大震災後、同期生らと古里へのさまざまな支援活動を展開。被災者らに自らの筆で心を癒やす言葉を贈るなど、明日への希望をつないできた。今回は、被災後に新設された同ホールでの初めての個展。これまでの支援活動で支部さんの作品に魅了されてきた人たちをはじめ、多くの鑑賞者が訪れた。
 
 「書は言葉なり、言葉は心なり」と題した展示会には100点余りが出品された。支部さんの作品は書道を身近に感じられるよう、日常生活で目にできる形に仕上げているのが特徴。額入りや掛け軸のほか、帯地を利用したタペストリー、硯石に刻字した置物、写真に言葉を添えた作品などさまざまな趣向が凝らされている。書かれているのは心を潤す四文字熟語のほか、宮沢賢治や高村光太郎、金子みすゞらの詩、自由律俳句で有名な種田山頭火の句など。支部さん自らが紡いだ文言の作品もある。
 
さまざまな素材に施した書道作品を展示した支部蘭蹊さんの個展

さまざまな素材に施した書道作品を展示した支部蘭蹊さんの個展

 
帯地に歌詞や詩を書いたタペストリーなどが並ぶ一角も(右側)

帯地に歌詞や詩を書いたタペストリーなどが並ぶ一角も(右側)

 
石巻市雄勝町の硯石(玄昌石)を使った石彫刻字作品なども並んだ

石巻市雄勝町の硯石(玄昌石)を使った石彫刻字作品なども並んだ

 
 支部さんが目指すのは「見たいと思わせる(目を引く)書道」。楷書や行書、草書など、どの枠にもはまらない自由で独創的な文字が躍る。書き順にこだわらず、絵を描くように創り上げた文字。試行錯誤しながら自分の字体を創る作業は「まるで脳トレのよう」とも話す。「難しい、読めないといった敷居の高い書の時代は終わり。書道になじみがない人でも読める、楽しい、面白い字を創りたい」と支部さん。
 
 もう一つ、大切にしているのが個展の題名にも入る「言葉」。「文字は皆つながっている。ただ字を書くだけではなく、言葉を感じながら書くことが大事」。写真をはじめ、さまざまな素材とのコラボも新たな可能性を引き出す。「写真に言葉をかけてやると、見る人が言葉を媒体にして自分でストーリーを描くことができる」。支部さんは、これまでにない書の楽しみ方も提案する。
 
珍しい写真と書のコラボ作品はひときわ目を引く

珍しい写真と書のコラボ作品はひときわ目を引く

 
布地の掛け軸などは部屋の居心地も良くしてくれそう

布地の掛け軸などは部屋の居心地も良くしてくれそう

 
来場者が気に入り購入した作品には予約済の札が…

来場者が気に入り購入した作品には予約済の札が…

 
 会場では、気に入った小作品に来場者自らが値段を付けて購入するというユニークな企画も実施した。自分の好きな言葉、名前などをその場で色紙に書いてもらうこともでき、これらの企画で来場者が寄せた代金は復興支援金として釜石市に寄付することにしている。
 
 支部さんの作品の大ファンという市内の高坂タミ子さん(88)は、支部さんが支援活動で釜石に来るたび足を運ぶ。自宅には多くの作品があり、夫婦でそれらを眺めながら穏やかな日々を送ってきたが、昨年、夫が他界。支部さんは今回、「仏心」「流転」の2つの言葉を色紙にしたためた。高坂さん自身がひらめいたという「人生 美の花道」という文言も。「いつも自分の人生に当てはまる言葉を書いてもらえる。夫も『すてきだね』と一緒に喜んでくれた。帰ったら、今日いただいた色紙を供えたい」と高坂さん。支部さんの人柄にも惚れ込み、「これからも応援したい」とほほ笑んだ。
 
来場者の話を聞き、望む言葉を色紙に書く支部さん。2本の筆で味わいのある線を生み出す

来場者の話を聞き、望む言葉を色紙に書く支部さん。2本の筆で味わいのある線を生み出す

 
支部さんに色紙を書いてもらった人たちは大喜び

支部さんに色紙を書いてもらった人たちは大喜び

 
 支部さんは転校で大平中に入り、釜石南(現釜石)高卒業までの6年間を同市で暮らした。震災が起こったのは、中学の同期で還暦のお祝いをした後。同期生から連絡をもらい、市内の仮設住宅などを回る活動を始めた。「言葉を書いている間、涙を流す人もいて…。書道は言葉で皆さんとつながっていける。一つの支えができた。それ以来、こちらを向いてできることをやっていこう」と自身の気持ちも定まった。
 
 後に、高校の同期で復興支援グループ「釜南44」も結成。仙台市で開いたコンサートの収益金を寄付したり、釜石市で作品展示や音楽のイベントを開くなど、精力的に活動を続けてきた。2016年からは釜石市民芸術文化祭にも参加。支部さんは各所で書のコラボパフォーマンスも披露している。
 
宮沢賢治の「星めぐりの歌」も支部さんの筆ですてきな作品に

宮沢賢治の「星めぐりの歌」も支部さんの筆ですてきな作品に

 
金子みすゞの詩を木彫刻字した作品。彫る作業も支部さんが手掛ける

金子みすゞの詩を木彫刻字した作品。彫る作業も支部さんが手掛ける

 
 今回の個展は、昨年就任した同ふるさと大使としての役割を「活動で示したい」と開催した。年齢を重ねていく中で、自分がやってきたことを次につないでいければとの思いもあった。支部さんは「いろいろな人との出会いが私たちの人生を支える。ここに来て会話をしたり、何か気付きを得て帰ってもらう。そういう場を今後も作っていきたい」と、個展の継続開催に意欲を見せた。

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鵜住居駅前を花のプランター、ハンギングバスケットで美化 釜石、東海LCが共同で地域奉仕

三陸鉄道鵜住居駅前に花のプランターを設置する釜石、東海ライオンズクラブ会員ら

三陸鉄道鵜住居駅前に花のプランターを設置する釜石、東海ライオンズクラブ会員ら

 
 釜石ライオンズクラブ(LC、大和田助康会長、会員47人)は13日、友好関係にある愛知県東海市の東海ライオンズクラブ(川上邦敏会長、会員94人)と共同で、釜石市鵜住居町、三陸鉄道鵜住居駅前に花のプランターとハンギングバスケット計25個を設置した。釜石LCの58周年を記念した地域貢献事業として実施。東日本大震災から復興したまちの拠点を美しく彩った。
 
 活動には両クラブの会員26人のほか、三陸鉄道、市、地元の鵜住居町内会から5人が参加した。それぞれの代表のあいさつ後、花を準備した岩泉町の業者が花の種類や管理法などを説明。会員らが設置作業に取り組んだ。プランターは駅前の歩道沿いに置き、ハンギングバスケットはホームに向かう通路の手すりに取り付けた。植えられているのはガーデンシクラメン、ビオラ、スミレ、パンジーなど。これから冬を迎えることから、寒さに強い種類を選んだ。
 
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奉仕活動に協力する東海ライオンズクラブの会員(黄色ベスト)

 
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ホームへの通路にはハンギングバスケットを設置した。写真中央奥に見えるのは鵜住居駅の待合室

 
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市職員(右)らも協力し、設置作業を進めた

 
 LCは世界組織の奉仕団体。釜石、東海の両クラブは2011年の東日本大震災後、復興支援活動などを通じてつながり、12年に友好クラブとなった。以降、互いの周年記念式典などに合わせて行き来し、共同で奉仕活動を展開している。釜石での合同事業は20年の片岸公園への桜植樹以来となる。
 
 会長就任後、初めて釜石を訪れた東海LCの川上会長は「今のまちの様子を拝見すると震災があったようには思えないが、話を聞くと苦労してここまでこられたのだと実感する。つながったご縁を大切に、こうした活動を通じて交流を深め、互いのまちづくりに貢献できれば」と願った。
 
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釜石の会員と共に活動する東海ライオンズクラブの川上邦敏会長(中央)

 
 釜石LCの大和田会長は「東海市と釜石市は姉妹都市ということもあり、震災後、いろいろな形で協力いただいている。私たちも東海まつりの際におじゃまさせてもらい、物産販売の手伝いなどを行っている。今後も協力し合い、両市の奉仕活動に務めていきたい」と話した。
 
 今回、設置したプランターやハンギングバスケットの水やりには地元町内会が協力していく。三陸鉄道の石川義晃社長は今回の活動に「三鉄の震災学習列車は宮古駅を出発し、鵜住居駅で降りていただく方が多い。周辺には釜石鵜住居復興スタジアムやうのすまい・トモスがあり、この地に降り立つ皆さんの心も癒やされると思う」と感謝。活動が行われた日は4年前、同スタジアムで予定されていたラグビーワールドカップ日本大会ナミビア―カナダ戦が台風の影響で中止になった日。試合はできなかったが、会場では大漁旗を振って足を運んだ人らに感謝とおもてなしの気持ちを表した。「そういった意味でも今日、この活動が行われるのは意義深い」と石川社長。
 
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釜石市国際外語大学校 校舎完成 2024年春、開校へ 校名看板・除幕式

来年春に開校予定の釜石市国際外語大学校の校舎

来年春に開校予定の釜石市国際外語大学校の校舎

  
 来春開校予定の専門学校「釜石市国際外語大学校」の校舎が完成し、16日、鈴子町の現地で看板の除幕式が行われた。学校法人龍澤学館(盛岡市)が運営し、外語観光学科と日本語学科の2学科を設置する予定。岩手県沿岸地域の高校生らの進学先として未来への選択肢を広げるとともに、グローバル化の進展を見据え、語学力を生かして地域に貢献できる人材の育成を目指す。
  
 同法人は盛岡中央高校や付属中のほか、ビジネスやデザイン、医療福祉などの専門学校を経営。釜石市とは2012年10月に東日本大震災の復興支援協定を結び、生涯学習や産業振興の支援を行ってきた。21年に市から高等教育機関設置の要望を受け、専門学校の開校を柱とする包括連携協定を締結。これまで重ねてきた取り組み、人口減や少子高齢化など地域課題に対応する人材育成を深化させようと準備してきた。
  
校名の看板を除幕する野田市長(右)と龍澤理事長

校名の看板を除幕する野田市長(右)と龍澤理事長

  
 式には関係者ら約80人が出席した。野田武則市長が「三陸沿岸の振興、発展に志を持つ学校。若い世代にとっても、市にとっても重要な施設で、発展のため協力していく。たくさんの生徒が学び、各界で活躍することを期待する」とあいさつ。同法人の龍澤尚孝理事長は「日本人と外国人が共生し、地域の発展につながるような学びの環境を提供したい」と方向性を示した。
  
校舎は改修された釜石市教育センターを使用する

校舎は改修された釜石市教育センターを使用する

  
 校舎は市教育センター(5階建て、延べ床面積約2000平方メートル)を使用。昨年から改修工事を始め、今年9月に完成した。各学科の教室のほか、図書室や更衣室を整備。教育機関であることから保健室も配置し、各教室の窓には手すりを設けるなど安全面にも配慮する。改修費約3億5900万円を市が負担し、同法人に無償で貸し出す。
  
 来年4月に開始する予定の外語観光学科は2年制で、定員は1学年40人。英語やウェブサイト制作、観光マネジメントなどを学ぶ。選択制として公務員試験対策講座も用意する。外国人留学生を対象とした日本語学科は現在、仙台出入国在留管理局に設置を申請中で、来年10月の開設を目指している。定員は同じく1学年40人。
  
式後には校舎の見学会も。教室などが公開された

式後には校舎の見学会も。教室などが公開された

 
事務室や図書館を配備。教室の窓には手すりを取り付けた

事務室や図書館を配備。教室の窓には手すりを取り付けた

  
 工藤昌雄校長は「留学生と同じ校舎で異文化交流をしながら、地域を支える若者を育てていきたい」と意気込む。釜石商工高で校長として勤務した経験があり、進学や就職で若者の地域外への流失を知る。また近年は、グローバル化の進展で在住外国人の増加も実感。「若い世代は外に目が向きがちだが、地元にも素晴らしい環境はある。地域に目を向け、『自分たちが発展させていく』という気持ちを育みたい」と思い描く。
 
 同法人では今後、校舎の見学会などを行いながら生徒を募集していく。

 

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晴天の空に大漁旗なびく曳き船 秋来たる!釜石まつり 合同みこし渡御…雨でも活気

隊列を組んで釜石湾内を巡る曳き船

隊列を組んで釜石湾内を巡る曳き船

  
 釜石市の秋を彩る「釜石まつり」。浜町の尾崎神社と桜木町の日本製鉄北日本製鉄所釜石地区山神社の合同祭は13日から3日間にわたって行われた。呼び物の「曳(ひ)き船まつり」は14日に釜石湾内で開かれ、好天の下、大漁旗を掲げた船団がにぎやかに海上パレード。最終日の15日は一変して雨模様となったが、両神社のみこし渡御は担ぎ手、神楽や虎舞など奉納団体の舞い手らが負けずに威勢よく市街地を練り歩いた。
  
「大漁だ!」。威勢のいい掛け声で浜を活気づける 

「大漁だ!」。威勢のいい掛け声で浜を活気づける

   
 曳き船まつりは尾崎神社奥宮のご神体をみこしに迎え、海上を渡御する行事。ご神体を載せた船団は午前11時半ごろに魚河岸の市魚市場前に帰港し、大漁旗をなびかせた14隻が豊漁や海上安全を祈りながら湾内を周回した。各船に乗り込んだ郷土芸能団体が虎舞や神楽を繰り広げ、にぎやかなおはやしや舞で活気づけ。みこしを乗せた御召船が岸壁に近づくと、見物客が手を合わせた。
   
虎舞、神楽、七福神…船上で演舞を繰り広げる

虎舞、神楽、七福神…船上で演舞を繰り広げる

  
海を見守る釜石大観音に船上からごあいさつ

海を見守る釜石大観音に船上からごあいさつ

   
 「人であふれるまちに」「健康で幸せに過ごせるように」「けんかばかりしてないで、平和な世に」。近くで見守った80歳代の女性たちは願いを込めた。「船が綱でつながっていたから曳き船まつりっていうんだ。昔はね」などと教えてくれたのは平田の佐藤増雄さん(77)。若い頃には船上から盛り上げていたといい、「太鼓の音を聞くと、気分が乗ってくる。まちをにぎやかにするのは祭りが一番」と心を躍らせた。
 
海上渡御を終えて浜町の尾崎神社里宮へ向かうみこし  

海上渡御を終えて浜町の尾崎神社里宮へ向かうみこし

  
沿道で出迎えた市民らが手を合わせる

沿道で出迎えた市民らが手を合わせる

   
 夕方には家々の前で舞を披露する「かどぶち」をする団体も見られた。大町の釜石情報交流センターにも笛や太鼓といった“祭りの音”が届き、観光客らが見物。施設内のカフェを利用していた親子は「秋田とは違った祭りの雰囲気」に目を見開いたり、笑顔を見せたりした。
   
市外からの観光客には印象深い「かどぶち」

市外からの観光客には印象深い「かどぶち」

   
 合同のみこし渡御には約10の団体、約1000人が参加。雨粒が大きくなる中、鈴子町の釜石消防署脇駐車場を正午ごろに出発した行列は薬師公園と市役所の御旅所に立ち寄りながら、魚河岸まで市中心部の目抜き通りを進んだ。芸能団体は路上での演舞を控えたが、威勢のいい掛け声やおはやしで後押しした。
  
雨に負けじ。活気づけの合同みこし渡御

雨に負けじ。活気づけの合同みこし渡御

   
尾崎神社の六角大みこしは4年ぶりの出番

尾崎神社の六角大みこしは4年ぶりの出番

   
そうした中でも異彩を放ったのが、尾崎神社の六角大みこし。300年以上の歴史を誇るみこしだが、新型コロナウイルス禍や担ぎ手の確保が難しいことなどから見送られてきた。4年ぶりの出番は雨にぬれたが、より輝きが増したようで、傘を差しながら沿道で出迎えた市民らはさい銭をあげて手を合わせたり、写真を撮ったりしていた。
   
 「重くて大変だが、息が合えば安定する」。同神社のみこし担ぎ手団体「輿衆(よしゅう)会」メンバーの小澤清さん(58)は話す。ずぶぬれでつらいが、大みこしを担げる喜びを実感。20年ほど続けるが、年に1回、このまつりでしか顔を合わせない、名も知らない人が多いという。「また、会ったね」とそんな間柄を楽しむ。「いつまで担げるか…」とこぼしつつ、再会を励みに「頑張りましょう」と表情は明るかった。
   
みこしの担ぎ手には笑顔も見える

みこしの担ぎ手には笑顔も見える

  
日本製鉄山神社のみこし。しし踊りが盛り上げる

日本製鉄山神社のみこし。しし踊りが盛り上げる

   
 魚市場御旅所ではみこし還御式が行われ、6団体が演舞を奉納。奥宮にかえるご神体をおはやしで見送った。甲子町の佐々木梨奈さん(25)らと訪れた大槌町吉里吉里の田中雪乃さん(25)は釜石の祭り見物は初めて。「友達や同級生がみこしを担いだり、虎舞もやっていたり活躍していた。次は晴れた時に見たい」と楽しみを残した。
   
魚市場御旅所で芸能団体が演舞し見送った

魚市場御旅所で芸能団体が演舞し見送った

   
 主催の同まつり実行委員会事務局によると、14、15の2日間で計約6000人の人出があった。
 
 

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華やかな演舞 観客魅了 釜石・柳家細川流舞踊 福祉支援チャリティーショー

威勢のいい踊りで元気を届けた柳家細川流舞踊

威勢のいい踊りで元気を届けた柳家細川流舞踊

  
 釜石市内を拠点に活動する「柳家細川流舞踊」=細川艶柳華(本名・伊東恵子)家元=は8日、大町の市民ホールTETTOで福祉基金チャリティーショーを開いた。地域を盛り上げようと稽古に励んでき踊り手17人が出演。華やかだったり、にぎやかだったりと多彩な演舞を500人余りの観客が楽しんだ。
   
 家元による格調高く典雅な舞踊「鶴亀」で幕開け。演歌や歌謡曲などに振り付けをした新舞踊を中心に27演目を披露した。踊り手は26歳から81歳と幅広く、師範や名取などベテラン勢が多いが、芸歴の浅い会員もいて、年代・年数に応じた表現、情感を込めた舞を見せた。
  
稽古の成果を見せる出演者

稽古の成果を見せる出演者

  
股旅やマドラスは人気の演目

股旅やマドラスは人気の演目

 
「曲にドラマあり」。情を込め舞う

「曲にドラマあり」。情を込め舞う

  
 名取の踊りで注目を集めたのは、出演者中唯一の男性、細川恵ノ丞(同・千葉陽斗)さん(26)。「天の川情話」「雪恋華」では色香漂うあでやかな女形で観客を魅せ、「俵星玄蕃」では一変して勇ましくりりしい男踊りでうっとりさせた。
 
得意の女形で魅了する細川恵ノ丞さん

得意の女形で魅了する細川恵ノ丞さん

  
りりしい男踊りで多彩な顔も見せた

りりしい男踊りで多彩な顔も見せた

  
 フィナーレは踊り手総出の「まつり」。ねじり鉢巻きを付け、そろいの法被に身を包み、「樽みこし」を担いで舞台を駆け回った。にぎやかで元気な踊りに込めたのは「地域を盛り上げたい」との思い。くみ取った客席から盛んな拍手が送られた。
 
踊り手総出でにぎやかに踊る「まつり」

踊り手総出でにぎやかに踊る「まつり」

  
 初めて鑑賞したという甲子町の70代夫婦は「聞きなじみのある歌謡曲に振り付けをしていて見やすい。感動したし、同じ年頃の人には親しみを持った。若い人もいて、これからも続けてもらいたい」と声をそろえた。
  
 同団体は、約40年前に立ち上げられた細川流舞踊の芸を引き継ぐ。「柳家」と加えて再出発して10年。チャリティーショーと銘打つ発表会は5回目で、今回は福祉支援を目的に幕間に出演者が客席に出て協力を呼びかけた。公演終了後はロビーで観客と触れ合う時間も。感動を伝える来場者に笑顔で応えていた。
  
公演終了後に観客と触れ合う出演者ら

公演終了後に観客と触れ合う出演者ら

  
力を出し切り晴れやかな表情を見せた

力を出し切り晴れやかな表情を見せた

  
 細川家元(74)は「会員が減少する中、熟練に交じりながら若手が盛り立て、懸命に取り組んできた。みんな、素晴らしいパフォーマンスだった。これからも一丸となって舞踊を楽しんでもらえるよう精進する」と力を込めた。
  
 公演の収益は一部を福祉事業に寄付することにしている。

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第17回水車まつり

第17回水車まつり

橋野どんぐり広場での餅まきの様子

 

橋野町振興協議会と栗橋地区まちづくり会議では、恵みの秋に感謝して第17回水車まつりを開催します。

日時

2023年11月5日(日) 11時〜13時

場所

橋野どんぐり広場と親水公園

参加料

無料

内容

餅まき、水車や農具の実演、トン汁のお振る舞い、各種出店(手打ちそば、きびの焼き団子、雑穀おにぎりなどの販売)を予定

 

きびの焼き団子

きびの焼き団子

無料バスの運行

会場までの無料バスを運行します。希望者は11月2日(木)までに(株)岩手旅行社(TEL:31-1300)までお申し込み下さい。
おおよその時刻は次のとおり。
 
●無料バス運行表(行き)
9:50 ビレッジハウス洞泉前
9:55 松倉駅前
10:00 小佐野駅前
10:05 昭和園前
10:10 釜石駅前
10:15 釜石中央
10:25 鵜住居
10:35 砂子畑
10:40 上栗林
 
※帰りは橋野どんぐり広場を13時に出発します。

問い合わせ

橋野町振興協議会事務局 TEL 090-4639-3225

橋野町振興協議会

橋野町振興協議会

問い合わせ:TEL 090-4639-3225 / FAX 0193-57-2212 / 〒026-0041 岩手県釜石市橋野町34-13-12

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プレミアムな夕べを堪能 一流料理、芸能を世界遺産で 「ビストロわんこ」釜石で初開催

世界文化遺産・橋野鉄鉱山で開かれた「ビストロわんこ」=7日

世界文化遺産・橋野鉄鉱山で開かれた「ビストロわんこ」=7日

 
 岩手の食文化、民俗芸能、歴史をまるごと味わう屋外レストラン「ビストロわんこ」が7、8の両日、釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」で開かれた。本年1月、ニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52カ所」に盛岡市が掲載されたのを機に、国の「観光再始動事業」を活用して県が行う観光活性化イベントの一環。釜石市は平泉町、盛岡市に次ぐ3カ所目の開催となった。
 
 橋野鉄鉱山インフォメーションセンター駐車場が会場。2日間の開設に計60人が申し込んだ。イベント限定の特別メニューをプロデュースしたのは、釜石市鈴子町で「和の膳 みや川」を営む宮川徹さん(50)。同市と周辺の厳選食材を使った「プレミアムわんこ膳(9品)」を提供した。
 
 メニューは▽釜石産アイナメ煮おろし▽茸のひっつみ▽釜石産ドンコフライのタルタル仕立て▽釜石産アナゴ天そば▽大船渡産アワビと地元野菜の焚(た)き合わせ▽釜石産タコのカルパッチョ▽大槌産鹿肉と豚のパテ▽南部どりのパロティーヌ▽地場野菜とムール貝のバリグール。さらに芋の子汁、栗ご飯、デザート3種(浜千鳥の酒粕チーズケーキなど)が付いた。料金は6千円(税込み)。
 
地元食材をふんだんに使ったスペシャルメニュー「わんこ膳」9品

地元食材をふんだんに使ったスペシャルメニュー「わんこ膳」9品

 
栗ご飯(左下)も彩り鮮やかに。秋ならではの一品に顔もほころぶ

栗ご飯(左下)も彩り鮮やかに。秋ならではの一品に顔もほころぶ

 
絶品料理を味わいながら郷土芸能も鑑賞。思い出に残る特別な時間

絶品料理を味わいながら郷土芸能も鑑賞。思い出に残る特別な時間

 
 午後4時のオープンとともに会場入りした客は地酒や地ビールなどの飲み物で喉を潤した後、お膳を受け取り、ストーブのあるテント客席で料理を味わった。辺りが暗くなり始めた午後5時からは郷土芸能の披露があり、7日は桜舞太鼓、中村さんさ、鵜住居虎舞、8日は臼澤鹿子踊、大槌虎舞、外山鹿踊が伝統の演舞で楽しませた。高炉場跡では三番高炉とその周辺のライトアップが行われ、普段は見られない幻想的な遺跡空間に来場者が感嘆の声を上げた。
 
大迫力の演奏で来場者を魅了した釜石市唐丹町本郷の「桜舞太鼓」

大迫力の演奏で来場者を魅了した釜石市唐丹町本郷の「桜舞太鼓」

 
釜石市橋野町中村に伝わる「中村さんさ」。1920(大正9)年ごろ、発電所の建設工事に来ていた盛岡の夫婦から習ったのが始まりとされる

釜石市橋野町中村に伝わる「中村さんさ」。1920(大正9)年ごろ、発電所の建設工事に来ていた盛岡の夫婦から習ったのが始まりとされる

 
幻想的な夜のステージで踊りを披露。子どもたちもイベントを盛り上げた

幻想的な夜のステージで踊りを披露。子どもたちもイベントを盛り上げた

 
 仕事仲間3人で訪れた奥州市在住の米国人ベロニカ・ダウさん(28)は「食事はどれもおいしくて、郷土芸能も素晴らしい」と感激。夜は冷え込んだが、「今年は猛暑が続いただけに、いよいよ秋が来たなという感じ」と季節の移ろいも楽しんだ。来日7年目。現在、奥州市役所でILC(国際リニアコライダー)関連の業務に携わる。県内の食文化にもほれ込み、「最も印象に残るのはじゃじゃ麺。お気に入り」と笑った。
 
 釜石市鵜住居町の田村昭さん(55)、明美さん(60)夫妻は「期待以上。料理もおいしいし、にぎやかで楽しい」とイベントを満喫。昭さんの転勤でこれまで東北各地での暮らしを経験してきた。「せっかくなので、いる間はその土地特有のものを楽しもうと思って。橋野鉄鉱山には来たことがあるが、今日はライトアップされるというのでとても楽しみ。来年も(イベントが)あったらまた来たい」と声を弾ませた。
 
三番高炉の炉底部を赤く照らし、当時の操業をイメージさせる演出が施されたライトアップ

三番高炉の炉底部を赤く照らし、当時の操業をイメージさせる演出が施されたライトアップ

 
山神社の鳥居と両側にそびえる大樹、御日払所の石垣を緑や青の光で浮かび上がらせた圧巻の光景

山神社の鳥居と両側にそびえる大樹、御日払所の石垣を緑や青の光で浮かび上がらせた圧巻の光景

 
 メニューを手掛けた宮川さんは以前から、食の原点に関わる地域資源や文化を見直した料理活動を展開。今回も共に活動する県内の仲間らと8人で料理やデザートを提供した。「釜石をはじめ三陸の食材を中心としたメニュー。芋の子汁には北上特産の二子さといもを使い、栗ご飯、釜石の甲子柿のクラフティ(デザート)など秋の味覚にもこだわった」と宮川さん。近代製鉄の礎を築いた「橋野鉄鉱山」をより多くの人に知ってもらい、釜石に足を運んでもらうことも期待し、「私は“食”の部分で(おもてなしや魅力発信に)貢献できれば。それこそが地元で料理人をしている意味」と語った。
 
この日の特別メニューをプロデュースした「和の膳 みや川」の宮川徹さん(左)

この日の特別メニューをプロデュースした「和の膳 みや川」の宮川徹さん(左)

 
 県はニューヨーク・タイムズ紙の反響を追い風に、「2023年に行くべき盛岡・岩手宝探しの旅」と銘打った各種企画を9~10月に開催している。「ビストロわんこ」は県内3世界遺産(平泉、橋野鉄鉱山、御所野遺跡)と盛岡城跡公園の各特設会場で15日までに行われた。盛岡市ではこの他、伝統酒蔵見学ツアー、わんこそば世界大会も実施。21、22日には国重要文化財の歴史的建造物「岩手銀行赤レンガ館」でのジャズカフェが予定されている。
 
郷土芸能出演者との記念撮影の時間も設けられた

郷土芸能出演者との記念撮影の時間も設けられた

 
中村さんさの応援に駆け付けた地元住民。さかんな拍手を送った

中村さんさの応援に駆け付けた地元住民。さかんな拍手を送った

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【事業者向け】「障がい者雇用促進セミナー」のご案内

【事業者向け】「障がい者雇用促進セミナー」のご案内

 

障がい者の法定雇用率(現在2.3%)は、令和6年度以降段階的に引き上げられ、令和8年7月には2.7%になります。
そのため、県では、県内事業所における障がい者の雇用を促進し、法定雇用率の向上を図るため、事業所を対象としたセミナーを開催します。

開催概要

日時・会場

日時 令和5年11月9日(木)10:00~15:10
(受付 第一部 9:30~、第二部 13:00~)
 
会場
【第一部】セミナー 釜石情報交流センター 多目的集会室(釜石市大町1丁目1-10)
【第二部】視察   岩手県立釜石祥雲支援学校(釜石市平田町3丁目1700)
※終日参加、第一部のみ、第二部のみのいずれかで申込みが可能です。
※駐車場は、市営釜石大町駐車場(釜石市大町1丁目3-7)をご利用ください。会場で駐車チケットをお渡しします。

対象・定員

岩手県内事業所の人事・採用担当者 先着50名

プログラム

第一部 雇用促進セミナー

  • 事務局、岩手県からご案内
  • 障がい者雇用への理解と受入時のポイント
    講師:岩手障害者職業センター 所長 石井賢治
  • 障がい者雇用における制度と地域の現状
    講師:ハローワーク釜石 上席職業指導官 平賀天幸
  • 障がい者雇用優良事業所講演
    講師:株式会社エフビー 人事部部長 加賀屋剛

 
第二部 技能認定会視察

  • 特別支援学校技能認定会視察
  • 特別支援学校高等部生徒による、職業生活等に必要な技能の認定とデモンストレーションを見学します。

 
タイムスケジュール等の詳細は岩手県ホームページをご確認ください。
岩手県 – 令和5年度障がい者雇用促進セミナーを開催します (pref.iwate.jp)

お申込み方法

下記申込用紙に記入の上FAXでお申し込みいただくか、チラシ記載のQRコードからGoogleフォームにアクセスし、必要事項を入力ください。
障がい者雇用促進セミナー チラシ兼参加申込書[PDF:735KB]
FAX:019-601-5529
申込締切 令和5年11月2日(木)

お問い合わせ先

キャリアバンク株式会社 パブリックサービス事業部 盛岡オフィス
TEL 019-601-5528  FAX 019-601-5529
メール morioka@career-bank.co.jp

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 商工業支援係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023092500027/
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