釜石市国際外語大学校 校舎完成 2024年春、開校へ 校名看板・除幕式


2023/10/24
釜石新聞NewS #文化・教育

来年春に開校予定の釜石市国際外語大学校の校舎

来年春に開校予定の釜石市国際外語大学校の校舎

  
 来春開校予定の専門学校「釜石市国際外語大学校」の校舎が完成し、16日、鈴子町の現地で看板の除幕式が行われた。学校法人龍澤学館(盛岡市)が運営し、外語観光学科と日本語学科の2学科を設置する予定。岩手県沿岸地域の高校生らの進学先として未来への選択肢を広げるとともに、グローバル化の進展を見据え、語学力を生かして地域に貢献できる人材の育成を目指す。
  
 同法人は盛岡中央高校や付属中のほか、ビジネスやデザイン、医療福祉などの専門学校を経営。釜石市とは2012年10月に東日本大震災の復興支援協定を結び、生涯学習や産業振興の支援を行ってきた。21年に市から高等教育機関設置の要望を受け、専門学校の開校を柱とする包括連携協定を締結。これまで重ねてきた取り組み、人口減や少子高齢化など地域課題に対応する人材育成を深化させようと準備してきた。
  
校名の看板を除幕する野田市長(右)と龍澤理事長

校名の看板を除幕する野田市長(右)と龍澤理事長

  
 式には関係者ら約80人が出席した。野田武則市長が「三陸沿岸の振興、発展に志を持つ学校。若い世代にとっても、市にとっても重要な施設で、発展のため協力していく。たくさんの生徒が学び、各界で活躍することを期待する」とあいさつ。同法人の龍澤尚孝理事長は「日本人と外国人が共生し、地域の発展につながるような学びの環境を提供したい」と方向性を示した。
  
校舎は改修された釜石市教育センターを使用する

校舎は改修された釜石市教育センターを使用する

  
 校舎は市教育センター(5階建て、延べ床面積約2000平方メートル)を使用。昨年から改修工事を始め、今年9月に完成した。各学科の教室のほか、図書室や更衣室を整備。教育機関であることから保健室も配置し、各教室の窓には手すりを設けるなど安全面にも配慮する。改修費約3億5900万円を市が負担し、同法人に無償で貸し出す。
  
 来年4月に開始する予定の外語観光学科は2年制で、定員は1学年40人。英語やウェブサイト制作、観光マネジメントなどを学ぶ。選択制として公務員試験対策講座も用意する。外国人留学生を対象とした日本語学科は現在、仙台出入国在留管理局に設置を申請中で、来年10月の開設を目指している。定員は同じく1学年40人。
  
式後には校舎の見学会も。教室などが公開された

式後には校舎の見学会も。教室などが公開された

 
事務室や図書館を配備。教室の窓には手すりを取り付けた

事務室や図書館を配備。教室の窓には手すりを取り付けた

  
 工藤昌雄校長は「留学生と同じ校舎で異文化交流をしながら、地域を支える若者を育てていきたい」と意気込む。釜石商工高で校長として勤務した経験があり、進学や就職で若者の地域外への流失を知る。また近年は、グローバル化の進展で在住外国人の増加も実感。「若い世代は外に目が向きがちだが、地元にも素晴らしい環境はある。地域に目を向け、『自分たちが発展させていく』という気持ちを育みたい」と思い描く。
 
 同法人では今後、校舎の見学会などを行いながら生徒を募集していく。

 

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