華やかな演舞 観客魅了 釜石・柳家細川流舞踊 福祉支援チャリティーショー
威勢のいい踊りで元気を届けた柳家細川流舞踊
釜石市内を拠点に活動する「柳家細川流舞踊」=細川艶柳華(本名・伊東恵子)家元=は8日、大町の市民ホールTETTOで福祉基金チャリティーショーを開いた。地域を盛り上げようと稽古に励んでき踊り手17人が出演。華やかだったり、にぎやかだったりと多彩な演舞を500人余りの観客が楽しんだ。
家元による格調高く典雅な舞踊「鶴亀」で幕開け。演歌や歌謡曲などに振り付けをした新舞踊を中心に27演目を披露した。踊り手は26歳から81歳と幅広く、師範や名取などベテラン勢が多いが、芸歴の浅い会員もいて、年代・年数に応じた表現、情感を込めた舞を見せた。
稽古の成果を見せる出演者
股旅やマドラスは人気の演目
「曲にドラマあり」。情を込め舞う
名取の踊りで注目を集めたのは、出演者中唯一の男性、細川恵ノ丞(同・千葉陽斗)さん(26)。「天の川情話」「雪恋華」では色香漂うあでやかな女形で観客を魅せ、「俵星玄蕃」では一変して勇ましくりりしい男踊りでうっとりさせた。
得意の女形で魅了する細川恵ノ丞さん
りりしい男踊りで多彩な顔も見せた
フィナーレは踊り手総出の「まつり」。ねじり鉢巻きを付け、そろいの法被に身を包み、「樽みこし」を担いで舞台を駆け回った。にぎやかで元気な踊りに込めたのは「地域を盛り上げたい」との思い。くみ取った客席から盛んな拍手が送られた。
踊り手総出でにぎやかに踊る「まつり」
初めて鑑賞したという甲子町の70代夫婦は「聞きなじみのある歌謡曲に振り付けをしていて見やすい。感動したし、同じ年頃の人には親しみを持った。若い人もいて、これからも続けてもらいたい」と声をそろえた。
同団体は、約40年前に立ち上げられた細川流舞踊の芸を引き継ぐ。「柳家」と加えて再出発して10年。チャリティーショーと銘打つ発表会は5回目で、今回は福祉支援を目的に幕間に出演者が客席に出て協力を呼びかけた。公演終了後はロビーで観客と触れ合う時間も。感動を伝える来場者に笑顔で応えていた。
公演終了後に観客と触れ合う出演者ら
力を出し切り晴れやかな表情を見せた
細川家元(74)は「会員が減少する中、熟練に交じりながら若手が盛り立て、懸命に取り組んできた。みんな、素晴らしいパフォーマンスだった。これからも一丸となって舞踊を楽しんでもらえるよう精進する」と力を込めた。
公演の収益は一部を福祉事業に寄付することにしている。
釜石新聞NewS
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