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SL銀河 釜石の「ものづくりの灯」でラストシーズン運行へ 初日は3月25日

SL銀河点火用の種火を手にする釜石駅の髙橋駅長(右)とJR盛岡車両センターの本倉所長

SL銀河点火用の種火を手にする釜石駅の髙橋駅長(右)とJR盛岡車両センターの本倉所長

 
3月からラストシーズンの運行を始めるSL銀河

3月からラストシーズンの運行を始めるSL銀河

 
 2014年4月からJR釜石線(花巻―釜石間、90.2キロ)で運行されてきた蒸気機関車「SL銀河」が、客車の老朽化のため、本年6月で運行を終了する。3月から始まるラストシーズンに向け21日、機関車に火が入れられた。点火用の種火となったのは、近代製鉄発祥の地・釜石市の象徴「ものづくりの灯(ひ)」。釜石人の魂が込められた高炉の火が、見納めとなるSL運行を力強く支える。
 
 火入れ前日の20日、同市鈴子町釜石駅前広場の「鉄のモニュメント」から採火が行われた。上部で燃え続ける「ものづくりの灯」を釜石ガスの社員がトーチに分灯。釜石駅の髙橋恒平駅長が受け取り、ランタンに火を移した。火はSLの整備を担当するJR東日本盛岡車両センターの本倉幹弘所長に託された。翌21日には盛岡のSL検修庫で火入れ式が行われ、石炭を燃焼させるボイラーに点火された。
 
「鉄のモニュメント」にともされる「ものづくりの灯」を釜石ガスの社員が採火

「鉄のモニュメント」にともされる「ものづくりの灯」を釜石ガスの社員が採火

 
髙橋釜石駅長(右)が採火した火をトーチからランタンに移した

髙橋釜石駅長(右)が採火した火をトーチからランタンに移した

 
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 鉄のモニュメントは近代製鉄発祥150周年を記念し2007年に設置。新日鉄釜石製鉄所(現日本製鉄)構内で保存されてきた高炉の火を分けてもらい、「ものづくりの灯を永遠に」と記した磁鉄鉱石碑と共に“鉄のまち釜石”を発信している。東日本大震災の津波被害で火は一時消えたが、再びともされ、14年のSL銀河運行開始時には今回同様、この火を採火し火入れを行った。
 
 採火に立ち会った髙橋駅長は「ラストシーズンも釜石の大切な火を頂戴し、力強く運行していく。これまで全国から大勢のご乗車をいただいた。感謝の気持ちを込め、最後まで安全、安定輸送に努める」と思いを強くした。今シーズンも沿線の駅などで、さまざまなイベントが企画される。
 
 被災した沿岸地域への誘客など観光面からの復興支援、地域活性化を目的に運行を続けてきたSL銀河。14年4月12日の運行開始以来、春から初冬の土日祝日などに約480本を運行し、約7万人が乗車している。
 
2014年4月の運行開始から人気を集めてきたSL銀河。沿線住民に夢と希望を与えた(写真:復興釜石新聞)

2014年4月の運行開始から人気を集めてきたSL銀河。沿線住民に夢と希望を与えた(写真:復興釜石新聞)

 
各駅では多くの鉄道ファンがカメラを構える=2021年、陸中大橋駅

各駅では多くの鉄道ファンがカメラを構える=2021年、陸中大橋駅

 
 SL銀河ラストシーズンの運行は3月25日から。土日を中心に上下計24本の運行を予定する。最終定期運行は6月3日(釜石行き)と4日(花巻行き)。10、11日の旅行商品専用の団体臨時列車が最後の運行となる。

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「持続可能な観光地域づくり」へ全国8市町が共同宣言 釜石市で初のサミット開催

全国8市町が「持続可能な観光の推進に向けた共同宣言」を行ったサミット=14日、釜石市

全国8市町が「持続可能な観光の推進に向けた共同宣言」を行ったサミット=14日、釜石市

 
 釜石市など全国8市町でつくる日本「持続可能な観光」地域協議会は14日、釜石市民ホールTETTOで初のサミットを開いた。各市町の首長らが集い、「持続可能な観光の推進に向けた共同宣言」を採択。将来を見据え、国際基準を取り入れた観光地域づくりを広域連携で進めていくことをあらためて確認した。専門家の基調講演や各地域の取り組み報告もあり、民間の観光関係者を含め約150人が参加した。
 
 同協議会は2021年7月、釜石市の呼び掛けで発足。北海道ニセコ町、同弟子屈町、長野県小布施町、京都府宮津市、徳島県三好市、熊本県小国町、鹿児島県与論町が参画する。持続可能な観光を目指すための専門的支援、知見や情報の共有、連携する自治体のプロモーションに資する取り組みを推進し、地方創生のモデル地域を形成していくのが狙い。
 
日本「持続可能な観光」地域協議会代表理事の野田武則釜石市長があいさつ

日本「持続可能な観光」地域協議会代表理事の野田武則釜石市長があいさつ

 
 協議会の代表理事を務める野田武則釜石市長はサミット開催にあたり、「他市町の取り組みを参考にしながら共に切磋琢磨(せっさたくま)し、全国に持続可能な観光を発信してもらえれば」とあいさつ。共同宣言文には地域独自の文化と自然環境を保全し、持続可能な観光の国際基準(GSTC)に基づき、地域に貢献する観光を推進していくことが記され、8市町の首長が署名した。各市町からは、これまで経験した観光に関わる問題、課題解決への取り組み、協議会による連携への期待などが述べられた。
 
共同宣言署名に先立ち、協議会に参画する8市町の首長らが思いを述べた

共同宣言署名に先立ち、協議会に参画する8市町の首長らが思いを述べた

 
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 日本三景の一つ「天橋立(あまのはしだて)」を有する京都府宮津市の城崎雅文市長は、観光客による交通渋滞やごみ問題を経験した過去を踏まえ、「開発と保全のバランス、まさに持続可能な開発目標(SDGs)に関わる部分が重要になる。本協議会を中心に世界から選ばれる観光地を共に作っていきたい」と意気込んだ。
 
 町面積の約65%が「阿寒摩周国立公園」内という北海道弟子屈町の吉備津民夫副町長は、隣接4市町での「ゼロカーボンパーク」登録を紹介。「サミットを機に気候変動や資源の枯渇、生物多様性の保全など、問題解決への取り組みが全国に広がっていけば」と期待した。
 
 西日本第2の高峰「剣山」を有し、山と川が9割を占める徳島県三好市の高井美穂市長は、日本ジオパークの認定を目指していることを明かし、「自然と共存し、無理なく続けていける観光が地域課題の解決につながる。住民が喜んでもてなし、来た人にも喜んでもらえる好循環が持続可能な観光」との考えを示した。
 
 鹿児島県最南端の離島、与論町は沖縄復帰の前後で観光客数が大きく増減。最盛期に建設された観光施設の廃墟化など負の遺産問題を経験した。久留満博副町長は「一過性、消費型観光ではなく、島に残る美しい環境や貴重な文化、暮らしに配慮した取り組みが必要と考え、協議会に参加した。観光地のマネジメント、危機管理体制の構築などを早急に進めたい」と話した。
 
基調講演する高山傑さん(国連世界観光機関持続可能な観光プログラム諮問委員、観光庁「日本版持続可能な観光ガイドライン」アドバイザー)

基調講演する高山傑さん(国連世界観光機関持続可能な観光プログラム諮問委員、観光庁「日本版持続可能な観光ガイドライン」アドバイザー)

 
 基調講演の講師は、持続可能な観光の国際基準策定、評価における日本での第一人者、高山傑さん(一般社団法人JARTA代表理事)。GSTCの概要や持続可能な観光に必要なマネジメントなどについて説明した。
 
 高山さんは持続可能な観光の国際的定義を「経済、社会、環境への影響を十分に考慮した観光」とし、GSTCを活用した国際社会にも受け入れられる観光地づくりを促した。全ての関係者に支持されるマネジメント、数世代先を見据えた観光戦略の必要性も示し、▽土地の豊かさを失わない方針▽ブームではなく、ルーツにこだわる本物体験の加速▽地域住民の意見を反映した資源マネジメント▽地域で稼ぐための方策と後方支援―などをポイントに挙げた。
 
 GSTCは世界持続可能観光協議会が策定した達成すべき基準で、協議会から認定された第三者機関が実際の認証を行う。グリーン・デスティネーションズ(オランダ)は100項目の評価基準を設け、GSTC認証獲得への第一段階となる「世界の持続可能な観光地トップ100選」を2015年から発表。サミットを開いた地域協議会の8市町では釜石市(18年~5年連続)、ニセコ町(20、21年)、与論町(21年)、小国町(22年)が選出されている。釜石市は22年、全項目の70%で評価を得て、国内で唯一「シルバー賞」も受賞した。
 
釜石市の取り組みについて発表する市の担当者

釜石市の取り組みについて発表する市の担当者

 
 講演後は8市町と、同100選受賞に貢献してきた釜石市の観光地域づくり法人・かまいしDMC(河東英宜代表取締役)の取り組み報告も行われた。

中田薬局『中たオルプロジェクト』不要タオル回収中!

中田薬局『中たオルプロジェクト』不要タオル回収中!
 
現在中田薬局で取り組んでいる「中たオルプロジェクト」をご紹介いたします!
中田薬局では「体操着リユース」に次いで「中たオルプロジェクト」を始動しました。
 
市内の様々な施設にチラシを掲載して頂いておりますので、お見かけの際は是非ご協力をお願いいたします。また各SNS(Facebook、Instagram)にて情報発信をしておりますので是非チェックをお願いします!

概要

市内の不要なタオルを回収

高齢者の方々に雑巾に作り替えて頂く

その雑巾を市内の小学校に寄付する
 
このプロジェクトは、次世代交流とSDGsに繋げる事を目的に行っております。

回収場所

中田薬局各店舗
・松倉店 TEL:0193-23-1230 キクコーストア松倉前店
・小佐野店 TEL:0193-21-3355 せいてつ記念病院前
・上中島店 TEL:0193-21-2050 サンデー上中島店付近
・ハロー薬局 TEL:0193-23-8455 岩手銀行中妻店前

お問い合わせ

お電話またはInstagramDMにて
中田薬局松倉店 TEL:0193-23-1230
Instagram:@nakatapharmacy
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中田薬局

中田薬局

岩手県釜石市を中心に展開する調剤薬局です。地域社会への貢献を目指し様々な取り組みを行っています。公式サイト

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震災の語り部活動、準備中!釜石高生「自分の言葉で伝えたい」 3月、うのスタで

自分の言葉で震災を伝えるため研修や練習に取り組む釜石高生

自分の言葉で震災を伝えるため研修や練習に取り組む釜石高生

 
 東日本大震災の経験や教訓、防災の取り組みを未来につなげようと活動する釜石高(釜石市甲子町)の生徒有志グループ「夢団~未来へつなげるONE TEAM~」。地元のラグビーチーム釜石シーウェイブス(SW)RFCのホーム戦に合わせ、会場の釜石鵜住居復興スタジアム(鵜住居町)で語り部活動を展開してきた。今年も、3月に伝承活動を行う予定。震災被災者の経験談を聞いたり、「伝えたい」思いをまとめたり準備を進めている。
 
 夢団は2019年に結成。うのスタが会場となったラグビーワールドカップ(W杯)開催時に震災の教訓と復興支援への感謝を伝えようと活動した生徒らが、継続的な取り組みにすべく立ち上げた。生徒の発案で「津波伝承うちわ」「安否札」を作成・配布しながら、W杯やSWホーム戦の来場者に震災の記憶や防災力向上を発信してきた。
 
震災体験者の話を聞き取る研修=1月26日、鵜住居町

震災体験者の話を聞き取る研修=1月26日、鵜住居町

 
 今年は5人の生徒が語り部に挑む。いずれも2年生。震災当時は4、5歳で記憶していることは多くない。そこで、1月26日に研修として震災経験者から話を聞いた。鵜の郷交流館(鵜住居町)で体験を伝えたのは、嬉石町の横山幸雄さん(85)。「津波を目の前にして足がすくんだ。とっさに家の中に飛び込んだが、津波にのまれ意識を失った」などと、死と隣り合わせの経験を語った。意識を取り戻し、目についた電線を伝って電柱にたどり着き、奇跡的に命をつないだ。「私の行動は一歩間違えれば命取りになっていた」とした上で、「一番大事なのは命。災害時にどう行動するか、日頃から考えておくべきだ」と力説した。
 
 生徒たちは、住み慣れたまちが津波で失われるのを目の当たりにした時の心境や行動の選択で困ったこと、避難所の様子などを聞き取った。海が近い唐丹や鵜住居、平田で暮らす生徒らは、自身の体験との違いを感じた様子。体験者の話をじかに聞くのが初めての生徒もいて、新たに触れた視点を盛り込んで「伝える」との思いを強めていた。
 
横山さん(左)の経験談に耳を傾ける釜石高の生徒=1月26日、鵜住居町

横山さん(左)の経験談に耳を傾ける釜石高の生徒=1月26日、鵜住居町

 
 横山さんは「震災から10年以上がたち、風化を感じる。だからこそ、伝えていくことが大切だ」と強調。釜石観光ガイド会の一員として語り部活動を実践する先輩の立場から、「災害に負けてたまるか。命さえあれば、どんなことでも頑張れるはず。そう思い語り続けている」と明かし、伝承者としての姿勢を探る生徒たちにヒントを残した。
 
 いのちをつなぐ未来館では、施設職員で語り部の川崎杏樹(あき)さんの案内で展示を見て回りながら、おさらい。うのスタでの活動に向け台本作りも始めた。
 
いのちをつなぐ未来館で震災への理解を深める生徒ら=1月26日、鵜住居町

いのちをつなぐ未来館で震災への理解を深める生徒ら=1月26日、鵜住居町

 
放課後の学校で台本作りの準備をする高堰さん(奥)=2月14日、甲子町

放課後の学校で台本作りの準備をする高堰さん(奥)=2月14日、甲子町

 
 2月中旬からは、個別に台本を仕上げる作業を続けている。語り部デビューを目指す高堰愛さんは14日の放課後、同校で作業。夢団の活動を支える「さんつな」代表の伊藤聡さん(43)にアドバイスを受けながら、考えをまとめている。
 
 学校周辺の地区に住む高堰さんは津波の被災はないが、地震の怖さから車中泊をした記憶を残す。大槌町に祖父母が暮らしており、人的被害はなかったものの何度も訪れた思い出の場所が流されたことにショックを受けた。それでも、「津波を直接的に体験していない自分が語れるのか」「伝えられることもある」と自問自答。震災は被災の有無にかかわらず、多くの人の気持ちにダメージを与えたと感じていて、「(私は)思い出を失ったが、支えられ気持ちが楽になった。今度は支える立場になりたい」との思いを力にする。
 
高堰さんの「伝えたいこと」がつづられたノート=2月14日、甲子町

高堰さんの「伝えたいこと」がつづられたノート=2月14日、甲子町

 
 横山さんの話で印象に残ったのは、避難所での生活。津波から逃れても寒く、苦しく、大変な生活があったことを知った。そうした背景も織り交ぜながら、命を守ることや備えの大切さを伝える考え。「人前で話すのは苦手。でも台本があると読んでしまう」と自己分析し、台本は文章ではなく、伝えたい言葉を書き連ねるだけにするつもりだ。「自分の言葉で語りかけたい」。思いを紡いでいる。
 
 今月末に全体練習。SWホーム戦は3月5日、12日、19日に予定され、生徒たちは12日に思いを発信する。

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ローカル線の維持・存続を JR沿線の住民組織 釜石市に働きかけ要請

野田市長(左)に要請書を手渡す村上会長(左から2人目)ら

野田市長(左)に要請書を手渡す村上会長(左から2人目)ら

  
 釜石市や宮古市など岩手県沿岸の鉄道沿線4市町の住民でつくる「地方ローカル線を守る市町民の会」(村上幸三郎会長)は10日、釜石市役所の野田武則市長を訪ね、JR釜石線をはじめとする地方路線の維持・発展を要請した。JR東日本が本県を含む路線別収支状況を公表したことも踏まえ、存続に向けた環境整備など国、県への働きかけを求めた。
  
 村上会長、趣旨に賛同する連合岩手釜石・遠野地域協議会(小島安友議長)、県交通運輸産業労働組合協議会(山岸伸行議長)の関係者ら8人が訪問。村上会長は野田市長に要請書を手渡し、▽鉄道のあり方を国策として議論すること▽大規模工事を含めた鉄道網整備の検討-を市が各方面に働きかけることを訴えた。
  
 JR釜石線について、村上会長は「廃線ありきでの議論では地域の衰退につながる。鉄道の強みを生かしながら、存続に向けた検討を進めるべきだ」と重ねて強調。同席者らも「鉄道はなくてはならないもの」「三陸鉄道につながる路線でもあり、孤立させてはいけない」「マイレール意識を高める取り組みを」などの声が上がった。
  
懇談では鉄道の維持、存続の必要性を共有した

懇談では鉄道の維持、存続の必要性を共有した

  
 国土交通省の有識者検討会は昨年7月、地方鉄道の在り方に関する提言を公表。鉄道事業者や自治体の要請を基に、路線存続の協議会を国主導で設置する。またJR東日本は、利用者の少ない赤字路線の収支を初めて公表。本県関係では大船渡、釜石、北上、八戸、花輪、山田の6路線10区間が含まれている。経営状況の厳しさを示すデータを共有することで、バス高速輸送システム(BRT)への転換を含めた持続可能な交通のあり方を沿線自治体と協議したい意向。一方で自治体の多くは路線維持を求めており、議論は難航が予想される。
   
 野田市長は「廃止の議論が沸き上がり、唐突感が否めない。(要請と)全く同じ考えだ」との見解。路線の維持を守るとの思いを強め、「近隣の市町村と一致団結し、鉄道の利用促進にも目を向けながら積極的に対応したい」などと応じた。
  
沿岸と内陸を結ぶ足として欠かせないJR釜石線

沿岸と内陸を結ぶ足として欠かせないJR釜石線

  
 同会では昨年、県や宮古市に対し同様の要請を行っている。大槌町や山田町への要請も予定。村上会長は「通勤、通学、通院などの足を守り、使いやすい路線を維持しなければ。赤字への対処ではなく、未来志向で考えてほしい。ただ、ローカル線は老朽化も進んでいて、国策として改修を行って利便性を高めてほしい」と望んだ。
 

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第6回 ひなまつり展

第6回 ひなまつり展
 
毎年多くの方にご来場いただいている「ひなまつり展」。
今年もニコー商会様のご協力により、心温まる手づくりのひな飾りを展示いたします。
 
「ひなまつり」は健康で幸せな日々が、末永く続くことを願う節目の日です。
たくさんの願いが込められている吊るし飾りや、ひな人形をぜひご覧ください。
 
第6回 ひなまつり展

日時

2023年2月24日(金)〜 3月8日(水)
9:00 〜 21:00

会場

釜石市民ホールTETTO ギャラリー

料金

無料

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

主催等

【主催】釜石市民ホール
【協力】ニコー商会

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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釜石市民劇場 26日公演 戦時下を生きた女学生、子どもの姿描く 艦砲射撃体験者の証言朗読も

本番まで1週間。釜石市民劇場キャストの稽古=18日、TETTO

本番まで1週間。釜石市民劇場キャストの稽古=18日、TETTO

 
 第36回釜石市民劇場(同実行委主催)は26日、釜石市大町の市民ホールTETTOで公演する。郷土の先人や歴史にスポットを当てた舞台公演を続ける同劇。本年度は太平洋戦争末期、2度の艦砲射撃により壊滅的な被害を受けた同市で、たくましく生き抜いた高等女学生や子どもたちの姿を描く。戦後77年が経過し、戦争体験者が減少していく今、罪なき人々の命を奪う戦争のむごさを確実に後世に伝え、二度と悲劇を繰り返してはならないという強い思いを発信する。当日は、ロシアによる侵攻で苦しい環境下に置かれるウクライナへの支援募金も呼び掛ける。
 
 「七十七年前の出来事」乙女たちの戦い―と題した劇は、戦況が悪化した1945(昭和20)年春から夏の釜石が舞台。国民学校(現小学校)の子どもたちは親元を離れて集団疎開。高等女学校(現中学校)の生徒らは勤労動員や軍事訓練を命ぜられ、敵の標的となった製鉄所では工員が危険と隣り合わせで働いていた。物語は高等女学生を主人公に展開。終戦間際に受けた艦砲射撃のすさまじさ、防空壕で恐怖におびえる市民の様子なども描く。
 
 劇中では当時、釜石高等女学校生徒だった4人の手記の朗読もある。元教諭の箱石邦夫さん(盛岡市在住)が釜石南高勤務時代、生徒たちと一緒に当事者から集めた証言書簡集「八月のあの日・乙女たちの仙人越え」(編者=箱石さん)から抜粋して聞かせる。同書は脚本にも生かされた。
 
小学生キャストは遠野へ疎開した釜石国民学校学童を演じる

小学生キャストは遠野へ疎開した釜石国民学校学童を演じる

 
釜石高等女学校生徒役の釜石商工高なぎなた部員らは劇中で技も披露する

釜石高等女学校生徒役の釜石商工高なぎなた部員らは劇中で技も披露する

 
主人公の両親役(左2人)は経験豊富なキャストが務める

主人公の両親役(左2人)は経験豊富なキャストが務める

 
 キャストは若手を中心とした18人。10人が初参加で、新しい風を吹き込む。公演まで約1週間となった18日は、会場となるホールAでの初稽古。動きながらのセリフ回し、広いステージの使い方などを確認しながら練習に励んだ。
 
 劇中でなぎなたを振るう高等女学生役で出演する高橋ことさん(17)は釜石商工高なぎなた部所属。小学校以来の演劇に挑む。曽祖母から戦時中の話を聞いて育ち、「曽祖母が経験したであろうことを自分が演じるのは不思議な巡り合わせ」と特別な思いを抱く。「公演当日までに完成度を高め、戦時中でも仲間と懸命に生きていた姿を見せられたら」と意を強くする。
 
 警備兵役の八幡祐哉さん(37)は職場の先輩に誘われ初参加。「当時の軍人の振る舞いなど想像がつかない部分があるが、やるからにはしっかり演じ切りたい」と役作りに励む。祖父は特攻訓練を経験、祖母は製鉄所のトンネルに避難し砲撃から逃れた。「今回の出演を亡き祖父母にも報告したい。劇を通して戦争を知らない世代にも伝わるものがあれば」と願う。
 
主人公の女学生「みよ」を演じる矢浦望羽さん(中央)。初の大役に奮闘中

主人公の女学生「みよ」を演じる矢浦望羽さん(中央)。初の大役に奮闘中

 
 主人公の女学生「みよ」を演じるのは、同劇8回目の出演となる矢浦望羽さん(17)。初の大役、戦争というテーマに難しさを感じ、「初めての壁にぶち当たっている」と頭を悩ます。みよは「思ったことをはっきり言うタイプ。感情表現もストレート」。場面ごとに異なる感情の表し方を模索し、努力を重ねる。ロシアとウクライナの戦闘は今なお続き、大勢の一般市民が犠牲になっている。「戦争はだめなもの。一生懸命演じることで、何らかのメッセージを受け取ってもらえたら」と矢浦さん。
 
 釜石市民劇場が戦争を題材にするのは、戦後60年で公演した2005年の作品以来。今回脚本を手がけた同実行委の久保秀俊会長(74)は「戦時下で抑圧されながらも、子どもたちは不平不満を言わずに過ごしていたのだろう。劇中では心の底で思っていたであろう本音も会話に盛り込んだ」と話す。当時、高等女学生だった人たちは多くが90歳以上。記憶のある世代の生の声を聞ける機会は今後さらに減っていく。「今だから伝えねば」と久保会長。
 
キャストの稽古を見守る久保秀俊会長(右側写真手前)

キャストの稽古を見守る久保秀俊会長(右側写真手前)

 
公演本番へ向け、役作りに集中。熱のこもった稽古が続く

公演本番へ向け、役作りに集中。熱のこもった稽古が続く

 
 26日は午前10時半、午後2時半の2回公演。前売り券は1000円(中学生以下500円)、当日券は1300円(同700円)。チケットは市民ホールTETTOなどで販売中。

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釜石小6年生 早採りワカメに舌鼓! 自分たちで種付け、2カ月余りの成長に驚き

自分たちで種付けし、成長したワカメをしゃぶしゃぶで味わう釜石小の6年生

自分たちで種付けし、成長したワカメをしゃぶしゃぶで味わう釜石小の6年生

 
 地元の海で行われるワカメ養殖について学んできた釜石小(及川靖浩校長、児童92人)の6年生は9日、最後の学習日を迎え、自分たちで種付けしたワカメを試食した。当日朝の刈り取り作業の様子を映像で見た児童らは、その成長ぶりにも驚き、海の恵みの素晴らしさを実感。地場産業への理解、郷土愛を深めた。
 
 同校は昨年度から海洋教育パイオニアスクールプログラム(笹川平和財団海洋政策研究所など主催)の採択を受け、6年生がワカメ学習に取り組む。岩手大が講師の派遣などで協力。本年度は児童16人が3回シリーズの授業に臨んだ。初回はワカメの一生(生育過程)を座学で学び、2回目は漁船に乗せてもらい、養殖用ロープに種付けする作業を体験した。
 
 学習最終日はワカメの刈り取り現場と学校の理科室をリモートでつなぎ、児童らに見てもらう予定だったが、午後からの授業時間帯に海上の強風予報が出ていたため、生中継は断念。児童らに種付け体験の場を提供した両石町の漁業者久保宣利さん(49)が朝方にワカメを刈る様子を、岩大三陸水産研究センターの齋藤孝信さん(61)が事前収録し、映像を見せながら直接、児童らに解説した。
 
 「早採りワカメ」の収穫作業を映像で見て学ぶ

「早採りワカメ」の収穫作業を映像で見て学ぶ

 
養殖ワカメの刈り取りについて解説する漁師の久保宣利さん(右上)

養殖ワカメの刈り取りについて解説する漁師の久保宣利さん(右上)

 
 久保さんは「今採っている“早採りワカメ”は生で、3月から本格的に採るものは湯通し、塩漬けし“塩蔵ワカメ”として出荷する。間引きを適切にやれば、太いきれいなワカメだけが成長。手をかければそれだけいいものができ、収入にも反映する」と説明。100メートルのロープから早採りは約300キロ、塩蔵用になると約1トンものワカメが収穫できるという。収穫作業は4月末まで続き、5月にはメカブの刈り取りも行う。
 
 児童らが昨年11月28日に種付けしたワカメは、この日まで約70日間で1メートルほどの長さに成長。塩蔵用の収穫期には最大で約3メートルになるといい、児童らを驚かせた。授業では塩蔵作業の様子も映像で見た。児童からはさまざまな質問が飛び出し、漁業や海への関心の高まりを感じさせた。
 
 最後は久保さんが朝採りしたワカメを試食。自分たちで食べやすい長さに切り分け、土鍋を囲んでしゃぶしゃぶで味わった。ドレッシングやしょうゆ、ごま油など複数のつけだれも用意され、さまざまな味わいを試した。
 
立派に成長したワカメを手に取り、笑顔を見せる児童ら

立派に成長したワカメを手に取り、笑顔を見せる児童ら

 
みんなで協力しながら、食べやすい大きさにワカメを切り分けた

みんなで協力しながら、食べやすい大きさにワカメを切り分けた

 
初めて食べる「早採りワカメ」のおいしさに感動

初めて食べる「早採りワカメ」のおいしさに感動

 
 早採りワカメは初めてという大野雫さんは「やわらかくておいしい」と箸が止まらない様子。「元々、ワカメは好き。麺つゆにつけて食べるのがお気に入り。家でもしゃぶしゃぶで食べてみたい」と笑顔満開。東方智紀君は「採れたては食感が良くて全然違う。かなり売れるんじゃないか」と予想。危険と隣り合わせで作業する漁業者の姿を目にし、「大変な仕事をしてくれる人たちがいるから、食卓で味わうことができる」と尊敬の念を抱いた。前川大有君は刈り取りに使う「間切りナイフ」に興味を持った。海に落としても浮くように柄の部分が空洞になっていることを聞き、「漁師さん専用のナイフがあるとは」とびっくり。初のワカメしゃぶしゃぶを「いろいろな“味変(あじへん)”もできて楽しい」と存分に味わった。
 
ワカメしゃぶしゃぶを楽しむ児童らを見守る岩手大の齋藤孝信さん(左)

ワカメしゃぶしゃぶを楽しむ児童らを見守る岩手大の齋藤孝信さん(左)

 
 一連の学習をサポートしてきた岩大の齋藤さんは「海の仕事は日常で目にする機会が少なく、どうしても距離感がある。こういう学習で海を身近に感じ、魚や漁業にもっと興味を持つことにつながれば。この中から水産関係の仕事を目指す子どもたちが出てくれればうれしい」と“魚のまち釜石”のDNAに期待した。
 
 海洋教育パイオニアスクールプログラムは、海に関する学習を行う学校などを支援する取り組み。市内では本年度、同プログラムを活用し、かまいしこども園がサケの学習、釜石高が深海魚の学習を行った。

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【3月開催】健康体操&楽しい脳トレ交流会

【3月開催】健康体操&楽しい脳トレ交流会

 

コロナ禍によりイベントが減少し、体を動かす機会や住民同士の交流が減少していることから、体を動かす健康体操と交流会(間違い探しなどe-sportsを活用した脳トレ)を開催します。健康体操で心と体を、脳トレで楽しみながら脳を活性化させ健康増進に繋げましょう!

 

開催日

3月2日(木) 10時~12時 片川集会所
3月9日(木) 10時~12時 本郷地区コミュニティ消防センター

講師

健康体操指導士 佐久間定樹さん

主催

釜石まちづくり株式会社
問い合わせ 電話 0193-22-3607

 

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

「第3回 かまいし百円市」の出店者を募集します

「第3回 かまいし百円市」の出店者を募集します

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釜石まちづくり(株)では、2023年3月25日(土)に「第3回かまいし百円市」を開催します。販売商品を全て100円とするフリーマーケットやバザーのような形態で、“100円均一フリマ”と言ったイメージです。

 

例えばこのような商品の出品を想定しています・・・
リユース可能な子供用品、持て余してしまったお歳暮や引き出物の中身、まだまだ使えるおもちゃ、ダブったガチャガチャ、ちょっとしたコレクションアイテム、端数が残ってしまったパック商品、かつての趣味の名残、ハンドメイドグッズに変身する素材たち、野菜やお菓子・・
・・などなど、価格を100円として頂ければ、一部の取扱い禁止商品以外は何でもOKです。

 

全て100円ということで、出店される皆様にとっては大きな販売益には繋がりにくいかもしれませんが、以下のような点に意義を見出して下さる皆様のご出店を募集いたします。
・リユースの促進による社会活動的意義
・みんなで出店する楽しさ
・街の賑わいの場づくり  など

 

各種サークル活動などのグループをはじめ、社会福祉法人やNPO等の社会活動団体、町内会やクラブ・少年団活動等の地域活動の一環として、学校や幼稚園・PTAや保護者会の催しとしてなど、皆様のご出店をお待ちしています(個人での出店も可能です)。

開催概要

日時:2023年3月25日(土)12:00~14:30
場所:釜石市民ホールTETTO・ホール前広場
主催:釜石まちづくり(株)
キャッチコピー:「100円握ってお宝さがし!」

出店の基本情報

◎全ての商品を100円(税込)で販売すること
※この基本ルールを遵守頂けない場合は当日でも出店中止となりますのでご注意下さい
◎50個以上の商品をご用意頂けること(多い分には大歓迎!)
◎開催日時点での新型コロナの状況に応じた対策にご協力頂けること
◎出店について」の要件を遵守頂けること
・参加可能枠を超えるご応募があった際は抽選とさせて頂きます
・チャリティ活動(売上は○○へ寄付、○○を支援、教育や社会福祉活動資金に充当)が
伴う場合は、条件により別枠での出店が可能ですのでご相談下さい
・今後、「五百円市」や「千円市」の実施も検討しています(日時等は未定)

出店について

◆物品の販売以外のサービスを商品として提供することはできません
(マッサージ、ヘアカット、診断、占いなど ※縁日等に類するものや主催者が要請したものは除く)
◆出店料は1,000円となります
◆トルコ・シリア地震のチャリティを目的としたご出店に関しては、出店料(1,000円)は無料といたします
◆出店スペースの広さは、幅2~2.5m×奥行1.5~2mを目安に調整させて頂きます
また、販売台、シート、釣銭等は各自でご準備下さい(主催者による両替には限りがあります)
◆会場は屋外となりますので、各自で出店時の寒さ対策等をお願いします
◆出店者には、釜石大町駐車場の24時間駐車券(通常800円)を500円にて斡旋いたします
(団体の場合は駐車台数分の購入OK)
◆ペット等を同伴しての出店は禁止です(介助犬等を除く)
◆火器の使用や発電機の持込みは禁止です

取扱い禁止商品

以下の商品の取扱い及び取引は禁止といたします
 
生鮮食品など衛生管理上好ましくない物、その場で調理提供する飲食品、ペット等の生き物、偽造品や盗品など法律に抵触する商品、受発注や目録を介しての後日取引を前提とした商品、取扱い資格の必要な危険物や薬品(有資格者でも不可)、公序良俗に反する物、大量の火薬類、再販売やオークション等への出品を前提とした取引
 
※大量の酒類を取り扱う場合は事前にご相談ください
※この他、主催者が不適切と判断した商品については取扱いを中止頂く場合があります

新型コロナウイルス感染症対策について

出店及びご来場にあたり、手指の消毒・距離の確保・過度な密集の解消・状況に応じたマスク着用など、各開催日の時点で行政や各種機関が指示及び推奨する対策に準じて頂くほか、主催者や施設の判断による感染症予防策を要請する場合があります。

出店の申し込み方法

出店に関しての各種事項(開催概要、基本条件、出店について、取扱い禁止商品、コロナ対策)を必ずご確認・ご理解のうえ、下記の出店申込書を記入して釜石まちづくり(株)までお申込み下さい。
 
・釜石まちづくり(株)の社員によるご紹介やご案内による場合は直接担当社員まで
・それ以外の場合は、釜石まちづくり(株)FAX <0193-27-8331>
 
申込み締切 2023年3月14日(火)
 
問合せ等については、同様に担当社員にご連絡いただくか、
釜石まちづくり(株)TEL <0193-22-3607> までお願いします。

出店概要&申込書

PDF版(888KB)
「第3回 かまいし百円市」の出店概要&申込書
 
Word版(32KB)
「第3回 かまいし百円市」の出店概要&申込書

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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友好都市 横手市から釜石市へ 災害時にも役立つ木製ブロック塀寄贈 根浜キャンプ場で活用

秋田県横手市から釜石市への木製ブロック塀「木兵衛(もくべえ)」寄贈式

秋田県横手市から釜石市への木製ブロック塀「木兵衛(もくべえ)」寄贈式

 
 釜石市鵜住居町の根浜海岸観光施設「根浜シーサイド」キャンプ場に、友好都市・秋田県横手市(髙橋大市長)から木製ブロック塀「木兵衛(もくべえ)」が寄贈された。木目の美しさなどで知られる“秋田スギ”の間伐材で作られた塀は自然景観になじみ、災害時には解体して燃料のまきに利用することができる。8日、同施設で寄贈式が行われた。
 
 横手市から石山清和副市長、塀を製造する第三セクター・Woody(ウッディ)さんない(代表取締役=石山副市長)の高橋嘉男専務取締役、森岡吉己営業課長が出席。石山副市長が釜石市の野田武則市長に目録を手渡した。
 
横手市の石山清和副市長(右)が釜石市の野田武則市長に目録を贈呈

横手市の石山清和副市長(右)が釜石市の野田武則市長に目録を贈呈

 
横手市のWoodyさんないが製造する木兵衛

横手市のWoodyさんないが製造する木兵衛

 
 「木兵衛」は東日本大震災の経験をもとに同社が開発。コンクリート塀に比べて軽量なため、倒壊による重大事故のリスクを軽減できる。ボルトやくぎなど金物を使わないオールウッド工法で、ブロック状の目隠し板は取り外し可能。災害時は、暖を取ったり煮炊きしたりするための即席燃料として使える。SDGsに配慮した取り組みなどが評価され、昨年、ウッドデザイン賞(ライフスタイルデザイン部門)も受賞した。根浜には高さ90センチ、延長12.6メートルの塀2組を設置した。
 
「木兵衛」の開発経緯について話すWoodyさんないの高橋嘉男専務(左)

「木兵衛」の開発経緯について話すWoodyさんないの高橋嘉男専務(左)

 
災害時には上部の笠木を取り外し、ブロック状の目隠し板を燃料として利用可能。同板には燃焼しても人体に無害な自然塗料を施す

災害時には上部の笠木を取り外し、ブロック状の目隠し板を燃料として利用可能。同板には燃焼しても人体に無害な自然塗料を施す

 
根浜海岸キャンプ場入り口に設置された2組の塀

根浜海岸キャンプ場入り口に設置された2組の塀

 
 森林環境譲与税を活用し、秋田県産材の利用拡大、木製品の普及に取り組む横手市。今回の寄贈に際し石山副市長は「沿岸部の防災の一役を担う形で活用いただければ。これを機に、農林水産業を通じて両市の新たな経済交流へと発展させていければ」と願った。
 
 横手市と釜石市は北緯40度Bラインの北東北横軸連携で、1990年代半ばから行政や民間レベルで交流。釜石で長年行われてきた冬のイベントでは、横手名物「かまくら」の出前、「横手やきそば」の出店などで市民を楽しませた。震災後は横手市から釜石市に多くの応援職員が派遣され、復興推進に力を貸した。野田市長は今回の寄贈とともに、これまでの協力に深く感謝。さらなる交流、連携に期待を寄せた。

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将棋・小山怜央さんプロに 棋士編入試験合格 地元歓喜「釜石の誇り」「勇気もらった」

小山怜央さんの勝利を祝って万歳!釜石に歓喜が広がった=13日

小山怜央さんの勝利を祝って万歳!釜石に歓喜が広がった=13日

 
 釜石市出身で将棋のアマチュア強豪、小山怜央さん(29)=横浜市=は13日、大阪市の関西将棋会館で行われたプロ棋士編入試験5番勝負の第4局に勝利し、通算成績を3勝1敗として合格を決めた。4月1日付でプロ棋士の四段になる。棋士養成機関「奨励会」の未経験者として初の試験合格者。岩手県出身者としても初の棋士となり、地元では歓喜の声が広がった。
  
 通常、プロ棋士となるには、26歳までに奨励会で四段に昇段する必要がある。編入試験は奨励会とは別にプロを目指す制度。アマ出場枠があるプロ公式戦で一定の成績を収めれば受験資格を得られる。試験は若手棋士5人と対戦し、3勝すれば合格。小山さんは昨年11月の第1局で徳田拳士四段(25)、12月の第2局で岡部怜央四段(23)を連続で破ったが、今年1月の第3局では狩山幹生四段(21)に敗れ、2勝1敗となっていた。
  
 この日は、振り飛車党の横山友紀四段(23)と対局。先手番の小山さんは、「四間飛車」と得意の戦型で構える横山四段に対抗すべく「居飛車穴熊」に駒を組み、戦機をつかんで序盤から優勢に進めた。中盤に形勢が接近した場面もあったが動揺せずに立て直し、粘る横山四段を133手で振り切った。
 
中妻地区生活応援センターで行われた大盤解説会=13日

中妻地区生活応援センターで行われた大盤解説会=13日

 
解説を聞きながら戦況を見つめる釜石市民ら=13日

解説を聞きながら戦況を見つめる釜石市民ら=13日

 
 「よし、やった」「強い」。午後3時半過ぎ、釜石市上中島町の中妻地区生活応援センターで大盤解説を聞きながら戦況を見守っていた小山さんの父・敏昭さん(60)、母・聖子さん(60)、将棋愛好者ら約25人から拍手と歓声が湧き起こった。幼少期の小山さんに将棋を教え、大盤解説を務めた日本将棋連盟釜石支部長の土橋吉孝さん(67)は「相手を研究した手順でうまく仕掛けた。横山さんが序盤で1時間半使ったところ、怜央は15分でとどめ、優位に立てた」と勝因を挙げた。
  
 小山さん優位で進んだ第4局だが、小山さんの〝意外な手〟で緊張感が走る展開に。土橋さんは「気分的には嫌なところ。震えかな。もっと良くしようと考えすぎ、うっかり見落としてしまった」と推測した。一時接戦になりながらも、冷静に指し回す小山さんの様子に「ミスをしても崩れない。気持ちを切り替え対局に臨んでいる。いける」と確信。「怜央は終盤に鮮やかな寄せを見せる。時間で差がついているので気持ちを切らずにつなげれば、楽しみはある」「攻めるは守りなり。息を吹き返した」「大丈夫ですよ」と解説を続けた。
  
タブレットを手に戦況を見守る小山さんの父敏昭さん(右)、母聖子さん=13日

タブレットを手に戦況を見守る小山さんの父敏昭さん(右)、母聖子さん=13日

 
勝利を信じ、祈るように解説に耳を傾ける人も=13日

勝利を信じ、祈るように解説に耳を傾ける人も=13日

  
 集まった人たちは硬い表情で祈るように盤面を見つめていたが、土橋さんの読み通りに〝勝ち〟が決まると、「おめでとう」「やったね」と祝福の言葉が飛んだ。聖子さんは「うれしい。ずっとハラハラ、心配で心配で仕方なかった。好きなことを仕事にして、今からまた頑張れるね。釜石に帰ってきたら、おいしいもの、好きなものを食べさせてあげたい」と目を赤くした。
 
快挙を喜ぶ(左から)聖子さん、土橋さん、敏昭さん=13日

快挙を喜ぶ(左から)聖子さん、土橋さん、敏昭さん=13日

 
「おめでとう」。勝利に拍手を送る将棋愛好者ら=13日

「おめでとう」。勝利に拍手を送る将棋愛好者ら=13日

 
 小学2年生の頃に将棋を始めた小山さん。高校2年生だった2011年3月、東日本大震災で鵜住居町の自宅を失い、避難所や仮設住宅での生活を余儀なくされたが将棋を続け、岩手県立大在学中の14年に学生名人に。その後は将棋講師をしながら「プロ棋士」という夢を胸に抱き続けてきた。敏昭さんは「避難所で弟と将棋を指している光景を思い出した。好きなことを諦めず頑張ってきた本人の努力と周囲の方のおかげ。よく頑張った。息子ながら褒めたい」と喜びをかみしめた。
 
 会場には野田武則市長も駆け付け、「岩手初のプロ棋士誕生は釜石の誇り」とたたえた。地元の愛好団体「正棋会」で将棋を楽しむ定内町の吉光島司さん(74)は「岩手の将棋界に一つの光を照らした。釜石は人口が減り寂しさを感じることもあるが、『ここでもやれるんだ』と勇気をもらった。小山君は粘りがすごいし、強い。負けていられない」と目を細めた。
  
大盤解説した土橋さん。「さらに上を目指し精進を」と激励=13日

大盤解説した土橋さん。「さらに上を目指し精進を」と激励=13日

 
 土橋さんは「彼は昔から本当に将棋が大好き。へこたれず努力してきた。報われて良かった」と感慨に浸った。さらに、「怜央は麦踏みのように太く丈夫に育った。底力、地力をつけ、はるかに強くなっている。行けるだけ上を目指し精進を」とエール。そして、これに続く釜石、岩手の子どもたちの成長にも期待し、「伝統文化をつなげる手伝いも一緒にしてほしい」と望んだ。
  
小山さんのプロ棋士編入試験合格を祝って釜石市役所に設置された懸垂幕=14日

小山さんのプロ棋士編入試験合格を祝って釜石市役所に設置された懸垂幕=14日

  
 「祝 岩手出身初!! 将棋プロ棋士誕生へ」。試験合格から一夜明けた14日には、快挙をたたえる懸垂幕が市役所第1庁舎(只越町)に掲げられた。庁舎を訪れた人たちが立ち止まって見上げ、祝福ムードを広げている。