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コロナ下でも「やりたい」を実現 釜石高で学校祭 生徒ら、青春の思い出刻む

文化祭を楽しむ釜石高の生徒ら=2日

文化祭を楽しむ釜石高の生徒ら=2日

 
 県立釜石高(青木裕信校長、全日制422人、定時制12人)の「釜高祭」は2、3日、釜石市甲子町の同校で開かれた。釜石南と釜石北の両校の統合から15回目の学校祭。新型コロナウイルス感染症の影響が続き、3年連続で一般公開は見送った。制約が多い中でも「我等(われら)青春謳歌(おうか)隊」をテーマに、できる対策をとって生徒たちの「やりたいこと」を実現。催しやステージ発表で団結を示して特別な思い出を刻んだ。
 
 同校では、感染症の流行で行事が規模縮小になったり部活動の大会が中止になったりと多くのことが制限されてきた。特に3年生は入学時からコロナ禍で過ごし、一番楽しい思い出づくりとなるはずの修学旅行が延期の末、中止された。同祭実行委員長の菊池瑞穂さん(3年)は「高校生は青春をもっとも楽しめる時期。青春を謳歌したい。制約はあるが、思い出をつくる場面、やりたいことは自分たちの手で実現させる」と準備。市内の感染状況を踏まえ非公開としたが、ステージ発表などはユーチューブでライブ配信し、保護者らに校内の雰囲気をアピールした。
  
化学の実験道具でスライム作りに挑む女子生徒=2日

化学の実験道具でスライム作りに挑む女子生徒=2日

 
男子生徒は対戦ゲームに熱中した=2日

男子生徒は対戦ゲームに熱中した=2日

 
模擬店担当の3年生は調理に大忙し=2日

模擬店担当の3年生は調理に大忙し=2日

  
 初日は午後から各クラスの出し物を見て回った。1年生は段ボールで作った迷路やシューティングゲームなどの遊びを企画し、2年生はお化け屋敷を運営。3年生はフライドポテトやチョコバナナなどを売る模擬店で楽しい1日を演出した。文科系クラブは作品展示で活動成果を発表。文部科学省の指定を受けるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の探究活動について、グループ単位で研究成果をまとめたポスターも紹介された。
  
装飾フォトスポットで撮影を楽しむ生徒=2日

装飾フォトスポットで撮影を楽しむ生徒=2日

 
知的好奇心が光る探究活動の成果を紹介=2日

知的好奇心が光る探究活動の成果を紹介=2日

 
 藤井魁都君(1年)は「親とかに見てもらえないのは残念だけど、中止せずに開催してもらい、うれしい。先輩の活動を見て、いいところを取り入れて、もっといい企画を作り上げられるようにしたい」と刺激を受けた。
  
バンド演奏などで文化祭を盛り上げた=3日

バンド演奏などで文化祭を盛り上げた=3日

  
 ステージ発表は3日に実施。体育館で有志によるダンスやバンド演奏があり、多彩な才能を見せた。音楽、吹奏楽部による演奏披露もあった。密になるのを防ぐため、前日に3年生だけで楽しむ機会が設けられた。
 
「銀河鉄道」をモチーフにした定時制の展示コーナー=3日

「銀河鉄道」をモチーフにした定時制の展示コーナー=3日

 
 定時制の文化祭テーマは「歩協和音」。将棋の「歩(ふ)」からとり、「一人の力は小さいかもしれないが、みんなで一つのものを作り上げよう」との思いを込めた。展示は、体験学習で訪れた花巻市の宮沢賢治記念館などから着想を得て「銀河鉄道」をメインモチーフに。日ごろの学習や部活動の様子も掲示した。
 
「こすもっチ」を販売した定時制の生徒=3日

「こすもっチ」を販売した定時制の生徒=3日

 
 農業体験学習で育てたジャガイモを使った焼き菓子「こすもっチ」は3日、1日限定で販売した。「自分たちで育てたことで食材を大事にする気持ちを育むことができた」と生徒会長の佐々木遼(はる)君(3年)。生徒数は少ないが、一人ひとりが頑張りながら学習、生活を楽しんでいるといい、「学年間の壁をなくし、いろんな活動に協力して取り組んでいきたい」と気持ちを新たにした。
 

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Going My Way concert 夢と生きていく Trombone×Percussion×Piano 加藤直明、野尻小矢佳、新崎誠実 釜石から世界へ

Going My Way concert 夢と生きていく Trombone×Percussion×Piano 加藤直明、野尻小矢佳、新崎誠実 釜石から世界へ
 
人気金管五重奏団「バズ・ファイブ」メンバーTrombone加藤直明。「観て、聴いて、感じる」多彩な音楽が魅力Percussion野尻小矢佳。ドビュッシーを中心としたフランス近代作品や邦人作曲家作品をライフワークにするPiano新崎誠実。釜石とゆかりの深い都市やラグビーの国の音楽で”世界とつながろう”
 
<Going My Way concert>
演奏家のトークと、ターニングポイントとなった楽曲を織り交ぜて、その人となりに迫るコンサート。どうして演奏家になったの?夢を叶えるためには?この曲で変わった!昨年に引き続き若手クラシック演奏家として、育成事業にも力を入れて全国で活躍する3名の皆さんにスポットを当てます!
 
<Music Program IWATE 4館巡りプロジェクト>
県内4館の公立文化ホール(釜石市民ホール、北上市文化交流センターさくらホール、奥州市前沢ふれあいセンター、大船渡市民文化会館)と、岩手県をこよなく愛するアーティストがタッグを組んで、コンサートやアウトリーチ、地域の演奏者との共演など、星巡りをするようにさまざまな方法で、地域のみなさまと音楽を共有するプロジェクトです。
 
Going My Way concert 夢と生きていく Trombone×Percussion×Piano 加藤直明、野尻小矢佳、新崎誠実 釜石から世界へ
 
新型コロナウイルス感染拡大の状況により、座席数を制限する場合があります。
また以下の項目にご協力をお願いいたします。
・ご来場時、および公演中はマスクの着用をお願いいたします。
・自宅出発前に検温と体調チェックを行い、発熱がある場合や体調がすぐれない場合は、来場をお控えください。
・施設入口に設置しているアルコール消毒液で、手指の消毒をお願いします。
・入場前の検温にご協力お願いします。
・こまめな手洗いと咳エチケットの励行をお願いします。
・会場内では、開場中・休憩中含めて、可能な限り会話をお控えいただくようお願いします。
・体調が悪くなった場合は、ご遠慮なくホールスタッフにお申し出ください。
・連絡先(お名前・連絡先電話番号・住所)のご提供にご協力をいただき、万が一感染者が出た場合は保健所等関係機関と共有させていただく事にご了承願います。
 

日時

2022年9月11日(日)14:00〜15:45予定(開場13:30)

会場

釜石市民ホールTETTO ホールA

プログラム

第1部 Going My Way 夢と生きていく
演奏家それぞれのターニングポイントとなった楽曲の演奏と思い出トーク
 
第2部 世界とつながろう
釜石にゆかりの深い姉妹都市やラグビー関連国の音楽
〇ナミビア:アフリカの民謡「バニレ」
〇ウルグアイ:ロドリゲスの代表作「ラ・クンパルシータ」
〇カナダ・イヌイットの情景音楽「北極の夢1」
〇フィジー:ディズニー「モアナと伝説の海」より
…他
曲目は都合により変更になる場合がございます。予めご了承ください。

出演

加藤 直明 Tadaaki Kato トロンボーン
東京藝術大学音楽学部器楽科(トロンボーン専攻)卒業。
トロンボーンを故白石直之、故永濱幸雄、神谷敏、イアン・バウスフィールド、箱山芳樹、山本浩一郎の各氏に師事。これまでにオーケストラや吹奏楽のエキストラ活動、スタジオワーク、ミュージカル等でも演奏活動を展開。東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師を経て、現在はソリストとして、またTrio“N”や金管五重奏団Buzz Fiveのメンバーとして全国各地を訪問しコンサートやアウトリーチ活動を展開。後進の指導にも力を入れており、吹奏楽の分野ではバンドディレクターとして、アウトリーチの分野では研修会での講師やコーディネーターとしても厚い信頼を得ている。(一財)地域創造公共ホール音楽活性化支援事業登録アーティスト、(公財)ソニー⾳楽財団「こどものためのクラシック」登録アーティスト。Trio“N”、金管五重奏団Buzz Five、アンサンブル東風、The Best Bee-Brass in Japan、シンフォニエッタ静岡の各メンバー。
オフィシャルHP https://tadaakii007.wixsite.com/trombonetune
 
野尻 小矢佳 Sayaka Nojiri パーカッション&マリンバ
「観て、聴いて、感じる」多彩な音楽が魅力の打楽器奏者。幼少より国際文化交流を通して演奏経験を積む。武蔵野音楽大学卒業、特修科修了、同大学奨学生。日本打楽器協会新人グランプリ、岩城賞など受賞多数。国内外で創造性豊かな音楽を届け、学校や地域でのアウトリーチ活動にも力を入れている。寄り添うアプローチから独創的な舞台演出まで幅広く、多種多様なコラボレーションやインスタレーションとしての音空間、作編曲、プロデュースも行う。2019年ドイツ・ベルリン及びハンブルク公演に招聘。2020年歴史的なバシェ音響彫刻復刻演奏を行う。地域連携事業では企画WSから実現に至るまでのファシリテートや、アウトリーチ研修の講師も務める等、後進の育成にも力を入れている。心身への造詣も深め、文化庁ユニバーサル公演事業やバリアフリー公演等にも携わる。工藤昭二・美恵、吉原すみれ、石川武各氏に師事。今までに4枚のCDをリリースし、年間最優秀録音盤など高い評価を得る。各種ホールとの連携による動画配信による新しい取り組みにも参加。(一財)地域創造・公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。KOROGI、REMO、Protection Racket、各エンドーサー。認定心理士。
岩手では、奥州市前沢地区、大船渡市、釜石市、北上市などにて活動し、2011年より毎年、学校等のアウトリーチやホール公演に出演。Smile Music 3.11として各館とともにチャリティー活動も行なった。本事業「Music Program IWATE 4館巡りプロジェクト」もプロデュースし、昨年の釜石&大船渡連携より拡大中。
https://sayakanojiri.com/
 
新崎 誠実 Narumi Arasaki ピアノ
ドビュッシーを中心としたフランス近代作品をライフワークとし、他分野とのコラボ企画、作品創作・ステージ演出などを数多く手掛ける。沖縄県立芸術大学、パリ地方音楽院(現CRR-Paris)最高過程修了。デュプロム取得。第11回おきでんシュガーホール新人演奏会グランプリ受賞や、第38回クロード・カーン国際ピアノコンクール(フランス)第1位、あわせてフォーレ作曲家特別賞受賞など、その他国内外コンクール等で優勝、上位入賞を果たす。 2013年度沖縄タイムス芸術選賞洋楽部門にて奨励賞授賞。(一財)地域創造公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。沖縄県立芸術大学非常勤講師。1st CD『ドビュッシーへの誘い』発売中。
https://arasakinarumi.com

料金

全席自由 一般:1,500円(当日1,700円) 中学生以下:無料 要チケット
 
◎割引 各20%引/各割引チケットはTETTOのみ取扱い
友の会:会員証提示で2枚まで割引
シルバー:65歳以上証明書提示で一般チケット1枚まで割引
まとめ買い:10枚以上同時購入で割引
 
※未就学児入場不可。多目的鑑賞室有 (要申込)
※前売券が完売の場合、当日券の販売はありません。
 
◎大船渡+釜石 2公演チケット購入で最大200円引き!!
9/17(土)大船渡公演(リアスホール)のチケットを提示して11(日)釜石公演(TETTO)のチケットを購入すると、100円引き!同時購入で200円引き!!
【特別割引取扱い】大船渡市民文化会館リアスホール、釜石市民ホールTETTO

プレイガイド

【釜石】釜石市民ホール
【大船渡】リアスホール
 
電話予約
〇釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266へお電話ください。
 
専用申込フォーム<申込可能期間 9/10(土) 17:00まで>
下記QRコードまたはリンクからもお申込みいただけます。
〇この申込フォームからの申込可能期間は、2022年6月18日(土) 13:00〜8月9日(火) 17:00となります。
〇座席場所はおおまかに希望することができます。希望がない場合はホールにお任せとなります。希望する場所に座席が無い場合は、近い座席から良席をご案内させて頂きます。
〇お申込いただいた後チケットが確保でき次第、登録のメールアドレスへ座席番号をお知らせいたします。迷惑メール設定や受信設定等のご確認をお願いいたします。お知らせは下記お問合せメールアドレスより送付いたします。
〇チケット代金のお支払いは、釜石市民ホールTETTO総合案内にて現金でお願いいたします。当日精算もできます。
★友の会、シルバー割引等各種割引をご希望の場合は、チケット引換の際にお申し出ください。
https://forms.gle/VuVpzP9hreSdHv8x5

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO
TEL:0193-22-2266
mail:daihyo*tetto-kamaishi.jp *を@に変えて送付お願いします

備考

【親子鑑賞室について】(要申込)
客席での鑑賞が難しいお子様連れの方に、多目的鑑賞室のご利用ができます。
[定員]約4~5名
ご利用を希望される方はホールまでお申込みください。
※客席後方3階から見下ろす形になります。予めご了承ください。
 
【駐車場について】
当ホールには、専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。
 
【大町駐車場割引券サービス】
公演当日、ホール総合案内にチケットと大町駐車場券を提示いただくと、駐車1時間サービス券を2枚進呈いたします。ぜひご利用ください。

主催等

【主催】釜石市民ホール
【共催】釜石市
【後援】釜石市教育委員会、岩手日報社
 

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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釜石SW 今季目標「2部3位以内」 新加入17選手迎え、新シーズン始動

記者会見を行った釜石SW首脳陣(前列)と新規加入選手(後列)

記者会見を行った釜石SW首脳陣(前列)と新規加入選手(後列)

 
 ジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは1日、釜石市大町の釜石PITで新シーズン始動の記者会見を開き、今季の目標や体制、新加入選手を発表した。チームは昨季同様、1部昇格につながる「2部3位以内」を目標に掲げる。12月中旬に開幕予定の2年目のリーグに向け、目標達成のための準備を重ねる。
 
 桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)、坂下功正総監督、須田康夫ヘッドコーチ(HC)、小野航大主将と首脳陣は変わらず、新たに17選手が加入した。活動休止となった3部の宗像サニックスブルースからFWを中心に5人、1部、2部チームから3人、海外チームから3人など。坂下総監督は昨季の戦いを踏まえ、「スクラムとラインアウトの安定性、FWの良しあしで状況がかなり変わる。セットプレーでしっかりボールを出せる選手、バックスは最後に得点(トライ)を取れる選手を迎えた」と補強ポイントを示した。
 
あいさつする新加入のLO西井利宏選手。宗像サニックスブルースから移籍

あいさつする新加入のLO西井利宏選手。宗像サニックスブルースから移籍

 
7年ぶりに釜石SW復帰。アシスタントコーチを兼任するWTB片岡将選手(右)。日野レッドドルフィンズから移籍

7年ぶりに釜石SW復帰。アシスタントコーチを兼任するWTB片岡将選手(右)。日野レッドドルフィンズから移籍

 
 須田HCはディフェンスでの失点が多かった昨季の反省から、「80分間いい状態で戦い抜くためのフィジカルの強化、個々のディフェンス力向上、攻撃時間の増加を念頭に、さらに成長できるよう取り組みたい」と話した。
 
 釜石SWは昨季、6チーム中5位(1勝9敗)。1部との入れ替え戦に臨める3位以内という目標は達成できなかった。小野主将は「昨シーズン以上にレベルの高いリーグになると思う。新加入選手は経験豊富な選手も多い。チーム力を高め、いい結果を残したい」と意気込んだ。チームスローガンは釜石ラグビー復活を誓う「REVIVE(リバイブ)2」。
 
今季の目標などを発表した釜石SW記者会見

今季の目標などを発表した釜石SW記者会見

 
リーグワン2年目への意気込みを述べる小野航大主将(前列右)

リーグワン2年目への意気込みを述べる小野航大主将(前列右)

 
 昨季、1試合1千人弱にとどまったホストゲームへの集客について桜庭GMは「事業性でも黒字の分岐点となる2千~3千人を目標に取り組む。チケット販売もネットだけでなく、身近に買える手売り環境も整えたい」と話した。
 
 チームは8月1日から全体練習を開始。高い強度のトレーニング、格上チームとの試合経験を重ねながらリーグ開幕に備える。プレシーズンマッチは今月3日の秋田ノーザンブレッツ戦を皮切りに計5試合の決定が発表された。釜石鵜住居復興スタジアムでは11日に静岡ブルーレヴズ戦、25日に船岡自衛隊ワイルドボアーズ戦、10月9日に東芝ブレイブルーパス東京戦が組まれている。

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「魚河岸ジェラート」に新メニュー 釜石産トマトのうまみ凝縮「すずこまシャーベット」

魚河岸ジェラート部の新メニュー「すずこまシャーベット」

魚河岸ジェラート部の新メニュー「すずこまシャーベット」

 
 釜石市魚河岸の魚河岸テラスで提供されている地域の味を取り入れたジェラートに今夏、地元農家が育てたトマト「すずこま」を使ったメニューが仲間入りした。トマトのうまみを凝縮し、レモン果汁を加えてフルーティーに仕上げた、その名は「すずこまシャーベット」。きれいな赤い色をした見た目も印象的な一品で、10月頃まで楽しめるという。
 
 指定管理者のかまいしDMCが運営する店舗「魚河岸ジェラート部」では常時10種類程度を販売。釜石特産の甲子柿、浜千鳥の酒かす、藤勇醸造のみそを使った菓子などを用いて地元色を前面に押し出した豊かな味わいがそろう。
 
すずこまを使ったシャーベットを開発した新沼さん

すずこまを使ったシャーベットを開発した新沼さん

 
 新メニューは、湯むきしたトマトを角切りにし種ごと煮込み、砂糖やレモン汁を加えてペースト状にしたものを、ベースのシャーベット(水に砂糖を加えて凍結させた冷菓)に混ぜて仕上げた。「そのまんま、すずこまで勝負」と自信を見せるのは、開発を担当した同社の新沼貴子さん(54)。「酸味が強めのトマトで、素材本来の味を生かすため加糖は最小限にとどめ、うまみと爽やかさのバランスを崩さないようこだわった。牛乳など動物性タンパク質を使っていないので、ベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者)の方も楽しめる」とアピールする。
 
 すずこまは東北農業研究センター(盛岡市)などが開発した加熱調理用トマトで、抗酸化作用を持つリコピンを多く含む。生食でも味わえるが、火を通しても煮崩れしない、赤みがあせないなどの特徴があるという。釜石市が推奨する農産物の一つで、2021年度から市内の生産農家4人が試験栽培に取り組んでいる。
 
試食した生産者の佐々木さん(左)と二本松さんの評価は上々

試食した生産者の佐々木さん(左)と二本松さんの評価は上々

 
 8月31日に魚河岸テラスで発表会があり、生産者が試食した。鵜住居町の二本松誠さん(58)は「トマトの味が濃い。うまみがぎゅっと詰まっていておいしい」と太鼓判。すずこまは、「芽かき」作業が不要など栽培時に手間がかからず、40グラムほどの小ぶりな実が“鈴なり”になり、一定の収量も見込める。橋野町の佐々木かよさん(71)は加工品への活用が広がるのを歓迎。自身は遊休農地を活用するため栽培に協力していて、「生産者として作りがいがある。特産へと育ち、釜石を知ってもらうきっかけになれば」と期待した。
 
 すずこまシャーベットは、シングル280円。ジェラート部の開店時間は午後2時~同4時まで(月曜定休)。
 
地元色を押し出した豊かな味わいを提供する「魚河岸ジェラート部」

地元色を押し出した豊かな味わいを提供する「魚河岸ジェラート部」

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TETTO ふらっとコンサート vol.1 フルートとクラリネットの調べ

TETTO ふらっとコンサート vol.1 フルートとクラリネットの調べ
 
ふらっと→気軽に・誰でも、ちょうど良い長さのロビーコンサート
岩手県内で主に活躍しているフルート牧野詩織さん、クラリネット木戸口夏海さん、沖縄出身のピアノ新崎誠実さんによる、ロビーコンサートを開催します。
“ふらっと”お立ち寄りください!
入場無料です!!
 
TETTO ふらっとコンサート vol.1 フルートとクラリネットの調べ
 
新型コロナウイルス感染予防のため、座席数を制限する場合があります。
また以下の項目にご協力をお願いします。
・ご来場時、および公演中はマスクの着用をお願いします。
・自宅出発前に検温と体調チェックを行い、発熱がある場合や体調がすぐれない場合は、来場をお控えください。
・施設入口に設置しているアルコール消毒液で、手指の消毒をお願いします。
・入場前の検温にご協力お願いします。
・こまめな手洗いと咳エチケットの励行をお願いします。
・会場内では、開場中含めて、可能な限り会話をお控えいただくようお願いします。
・体調が悪くなった場合は、ご遠慮なくホールスタッフにお申し出ください。
・連絡先(お名前・連絡先電話番号・住所)のご提供にご協力をいただき、万が一感染者が出た場合は保健所等関係機関と共有させていただく事にご了承願います。
 

日時

2022年9月10日(土)14:00〜14:40(開場13:30)

会場

釜石市民ホールTETTO 共通ロビー

プログラム

古関裕而/釜石市民歌
久石譲/あの夏へ~映画『千と千尋の神隠し』より
F. シュミット/フルート、クラリネット、ピアノのための三重奏曲 より
V. モンティ/チャルダッシュ
ほか
同日開催している美術集団サムデイ45 作品展とのコラボレーションもあります!
曲目は都合により変更となる場合があります。予めご了承ください。

出演

牧野 詩織 Shiori Makino フルート
岩手県花巻市出身、在住。洗足学園音楽大学、同大学院音楽研究科修了。
北上さくらホール・前沢ふれあいセンターの2館連携事業『いわての演奏家とつくる音楽会』登録アーティストとして、アウトリーチ活動や、音楽ワークショップを手掛けるほか、海外招聘アーティストのツアー参加など、県内外で活動中。ライフワークとして、「観る音楽」をテーマに、演劇や舞踊・舞踏、写真、美術作品とのコラボレーション企画を多数発表し、近年では同郷の詩人・作家である宮沢賢治作品をモチーフにした公演を演出、定期的に上演している。
第18 回日本フルートコンヴェンションコンクールアンサンブル部門金賞受賞(フルート二重奏)。フルートを山﨑眞行、佐久間由美子、名雪裕伸、関根雅裕の各氏に師事。
 
木戸口 夏海 Natsumi Kidoguchi クラリネット
北上市出身。専修大学北上高等学校を経て、国立音楽大学演奏・創作学科弦管打楽器専修クラリネット専攻を卒業。これまでに、クラリネットをエマニュエル・ヌヴー、室内楽を大和田智彦、故小林裕の各氏に師事。
岩手県民会館ざ・CLASSIC2019 公開新人オーディション合格。2019 年2 月17 日県民会館にて演奏会参加。BCJ クラリネット・アカデミー2019 に参加。復興支援事業コンサートキャラバン2020 in 宮古に参加。現在、音楽の森ヴァース株式会社講師、さくらホール・前沢ふれあいセンター連携事業アウトリーチ「いわての演奏家とつくる音楽会」第3 期登録アーティストとして活動中。クラリネットアンサンブルグループClarinet Farbe 主宰。
 
新崎 誠実 Narumi Arasaki ピアノ
ドビュッシーを中心としたフランス近代作品をライフワークとし、他分野とのコラボ企画、作品創作・ステージ演出などを数多く手掛ける。沖縄県立芸術大学、パリ地方音楽院(現CRR-Paris)最高過程修了。デュプロム取得。第11回おきでんシュガーホール新人演奏会グランプリ受賞や、第38回クロード・カーン国際ピアノコンクール(フランス)第1位、あわせてフォーレ作曲家特別賞受賞など、その他国内外コンクール等で優勝、上位入賞を果たす。 2013年度沖縄タイムス芸術選賞洋楽部門にて奨励賞授賞。(一財)地域創造公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。沖縄県立芸術大学非常勤講師。1st CD『ドビュッシーへの誘い』発売中。
https://arasakinarumi.com

料金

全席自由 無料

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO
TEL:0193-22-2266
mail:daihyo*tetto-kamaishi.jp *を@に変えて送付お願いします

備考

【駐車場について】
当ホールには、専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。
 
【大町駐車場割引券サービス】
公演当日13:30~15:00、ホール総合案内に大町駐車場券を提示いただくと、駐車1時間サービス券を2枚進呈いたします。ぜひご利用ください。

主催等

【主催】釜石市民ホール
【協力】サムデイ45
 

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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震災乗り越え群落形成へ 絶滅危惧植物「ミズアオイ」釜石・片岸町で2年目の開花

片岸公園内の沼地で花を咲かせる「ミズアオイ」

片岸公園内の沼地で花を咲かせる「ミズアオイ」

 
 東日本大震災前、釜石市片岸町の水田地帯に自生していた絶滅危惧植物「ミズアオイ」。津波による被災でその姿を消していたが、震災から11年が経過した今年、群落復活の兆しを見せ始めている。市が整備した遊水池と公園内の沼地で発芽が見られ、8月下旬からは青紫色の花が開花。訪れる人の目を楽しませる。市民らは自然の再生力に驚きながら、かつての原風景復活に期待を寄せる。
 
 ミズアオイは水田地帯や沼地に生える1年草の植物。古くから全国で見られたが、除草剤の使用や水路整備などの成育環境の変化で数が減り、国の準絶滅危惧種、本県レッドデータブックAランク(絶滅の危機にひんしている)に指定される。
 
背丈20~40センチの柔らかい茎の先端に複数の花をつける

背丈20~40センチの柔らかい茎の先端に複数の花をつける

 
青紫色の花被片は6枚。黄色の雄しべとのコントラストが美しい

青紫色の花被片は6枚。黄色の雄しべとのコントラストが美しい

 
 片岸町では約50年前、防潮堤内側の水田地帯にミズアオイの大群落があったが、年々その数は減少。2000年代には所々で見られる程度になっていた。07年、水路改修で生息域を追われる水生生物のために、市内の環境保護団体「かまいし環境ネットワーク」が休耕田を利用してビオトープ(生物生息空間)を整備。土を掘り起こしたことで眠っていたミズアオイの種が芽生え始めた。“水田雑草”とも言われるミズアオイは、田おこしのような土壌のかき回しが発芽条件の一つとされる。
 
 10年には同所で群落が確認できるまでになっていたが、翌11年の震災津波で一帯は壊滅的な被害を受けた。同ネットワークは12年、ミズアオイの復活プロジェクトを始動。専門家らの助言で、かつて群落が確認された場所を重機で掘り、津波で堆積した砂や泥の下にある田んぼの土を採取。栗林町に移し発芽実験を行ったところ、土中に残っていた種からの発芽に成功した。後に鵜住居町田郷の休耕田への移植、漁業用水槽での育成によって命をつないだ片岸のミズアオイは、昨年完成した「片岸公園」の沼地に土ごと返された。
 
震災復興で新設された防潮堤の内側にある「片岸公園」。水辺には多様な植物が生える

震災復興で新設された防潮堤の内側にある「片岸公園」。水辺には多様な植物が生える

 
10年ぶりに古里・片岸に戻り、群落を見せ始めたミズアオイ

10年ぶりに古里・片岸に戻り、群落を見せ始めたミズアオイ

 
 一方で、同じく昨年完成した遊水池では、整備で土が掘り起こされたことで土中に眠っていたとみられる種が自然発芽。片岸公園、遊水池ともに昨年、今年と2年連続で開花が確認された。
 
 3日、現地を訪れた盛岡市の松森猛さん(72)は「自然の回復力は素晴らしい。加えて(保護のため)手を入れてくれた人たちがいたのはありがたいこと」と感心。50年ほど前、仕事の関係で片岸町に暮らしたことがあるが、「その時は全然分からなかった。ミズアオイという植物自体も今回初めて知った。花もきれい」と新たな発見を喜んだ。
 
室浜に向かう高台道路下付近に整備された遊水池

室浜に向かう高台道路下付近に整備された遊水池

 
10年の眠りから覚め、発芽・開花した遊水池のミズアオイ

10年の眠りから覚め、発芽・開花した遊水池のミズアオイ

 
遊水池で自然発芽したミズアオイを愛でる「かまいし環境ネットワーク」の加藤直子代表

遊水池で自然発芽したミズアオイを愛でる「かまいし環境ネットワーク」の加藤直子代表

 
 保護活動に取り組んできた同ネットワークの加藤直子代表(75)は「すごい生命力」とミズアオイが持つ強さに驚嘆。長年、一帯の自然環境を注視してきた経験から「水があり、植物、昆虫、野鳥と豊富な生物が共存する環境があるからこそ、ミズアオイも育つことができるのではないか。その環境を整えてあげることが大事。また眠りに入る可能性もあるが、しばらくは自然のまま見守りたい」と話した。花はあと1週間ぐらいは楽しめそうだ。
 
3日は、前日のニュース番組での紹介もあり、見学者が続々と訪れた=3日、片岸町・遊水池

3日は、前日のニュース番組での紹介もあり、見学者が続々と訪れた=3日、片岸町・遊水池

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行政運営のデジタル化推進・地域産業振興へ 釜石市、2企業と連携協定

釜石市はデジタル化推進に向け県内2企業と連携協定を結んだ

釜石市はデジタル化推進に向け県内2企業と連携協定を結んだ

  
 釜石市は8月24日、行政運営のデジタル化推進や地域産業の振興に向け、ITベンチャー企業のエルテス(本店紫波町、菅原貴弘代表取締役)、NTT東日本岩手支店(盛岡市、片岡千夏支店長)とそれぞれ連携協定を結んだ。ICT(情報通信技術)を活用し、住民サービスの向上や地域活性化につなげる考えだ。
  
野田市長と協定書を取り交わしたエルテスの菅原代表取締役(右)=釜石市役所

野田市長と協定書を取り交わしたエルテスの菅原代表取締役(右)=釜石市役所

  
 エルテスとの締結式は釜石市役所で行われ、野田武則市長と菅原代表取締役が協定書を取り交わした。連携内容は▽行政サービスに関する情報取得や手続きなどができる住民総合ポータルアプリの導入▽お散歩アプリ導入による住民の健康促進▽情報セキュリティー研修の実施-など。デジタルリスク対策事業などを手掛ける同社は紫波町や矢巾町と同様の協定を結んでおり、これまでの知見を反映、発展させた取り組みを進める。
 
 菅原代表取締役は「ハイレベルなサービスを提供できる」と強調。野田市長は「誰一人取り残さないデジタル化を進めたい。使い方を広く普及することで利便性を享受できる地域づくりを」と期待した。
  
協定書を手にする野田市長とNTT東日本岩手支店の片岡支店長(左)=釜石情報交流センター

協定書を手にする野田市長とNTT東日本岩手支店の片岡支店長(左)=釜石情報交流センター

  
 NTT東日本岩手支店との締結式は大町の釜石情報交流センターで実施。野田市長と片岡支店長が協定書に署名した。協定書によると、◇養殖サクラマス「釜石はまゆりサクラマス」のブランド化◇市内企業のICT・デジタルトランスフォーメーション(DX)化支援◇ドローン空撮による漁港設備点検の実証など地域資源の新たな価値創造に関する取り組み―などを連携して進める。
  
 同社はすでに市内企業などと協働でサクラマスの脂質測定によるブランド化に取り組んでいて、片岡支店長は「縁を深めた結果の協定。情報通信事業者としての強みを生かし、付加価値を作り上げ、地域の振興発展に貢献したい」と意欲を示した。野田市長は「1次産業を中心とした地域資源の新たな価値創造、地域活性化につながる」と歓迎した。

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自分でさばいてみよう!釜石の魚 サン・フィッシュ鮮魚店指導 魚食普及へ初の教室

サン・フィッシュ釜石で開かれた「魚のさばき方教室」

サン・フィッシュ釜石で開かれた「魚のさばき方教室」

 
 釜石市鈴子町の駅前橋上市場「サン・フィッシュ釜石」で8月22日、一般市民を対象とした魚のさばき方教室が開かれた。水産業の活性化に取り組む同市の担い手型地域おこし協力隊員、清原拓磨さん(24)が主催。地元の海で取れるものの、数量が少なく流通しにくい魚種の利用促進につなげようと初めて企画した。同市場の鮮魚店店主らが講師となり、未経験者らに魚のさばき方の基本を教えた。
 
 高校生から一般まで10人が参加した。用意されたのはこの日朝に地元で水揚げされた約10種で、アジやタナゴ、チダイのほか、タチウオ、シイラなど食卓にはあまりなじみのない魚も。参加者は好みの魚を選び、鮮魚店店主らから手ほどきを受けながら三枚おろしに挑戦した。さばいた魚は刺し身などにし、昼食で味わった。
 
サン・フィッシュの魚屋さん(左)が「三枚おろし」を教えた

サン・フィッシュの魚屋さん(左)が「三枚おろし」を教えた

 
 釜石商工高総合情報科の3年生6人は、授業の一環で地域課題解決に取り組む研究グループのメンバー。7月から同市場と連携した活動を進めていて、この日の教室が初の実地体験となった。リーダーの下形彩夏さんは普段から魚はよく食べるというが、自分でさばくのは初めて。「骨と身を分ける、包丁の入れ方の角度が難しかった。今日学んだことで家でもできそう」と手応えを実感。調理系学校への進学を希望しており、「いい経験になった」と喜んだ。
 
市場を運営する釜石駅前商業協同組合の八幡雪夫理事長から包丁の扱い方を学ぶ釜石商工高生"

市場を運営する釜石駅前商業協同組合の八幡雪夫理事長から包丁の扱い方を学ぶ釜石商工高生

 
教わった方法で魚をさばく岩手大の学生。手先に神経を集中

教わった方法で魚をさばく岩手大の学生。手先に神経を集中

 
 岩手大人文社会科学部3年の照内雄貴さん(20)は、震災復興に関わる活動を行うサークル、三陸委員会「ここより」の代表。メンバー3人で参加した。「生の魚に触るのも初めて。1匹目は苦戦したが、2匹目はある程度自分でもできた。大変だけど自分でさばいた分、愛着が湧く」と照内さん。大学の講義で魚食の衰退についても学び、「(魚食文化を)継承していくことが、地元水産業を守ることにもつながると思う」と話した。
 
 主催した清原さんは岩手大在学中に水産システム学コースを専攻。今年7月から着任した地域おこし協力隊では魚食普及コーディネーターとして水産振興分野を担う。特に注目するのが、水揚げ量は少ないが実はおいしいという地元の未利用魚の活用。「これまではイワシやサンマ、サケなど単一魚種を大量漁獲する漁業が主流だったが、近年の海洋環境の変化で水揚げ量は減少傾向。そうした変化に対応した魚の消費の仕方があるのでは」と、多様な魚種の持続的活用を提案する。
 
釜石の海で漁獲された多様な魚(左上)も紹介

釜石の海で漁獲された多様な魚(左上)も紹介

 
魚への包丁の入れ方を教える清原拓磨さん(右)

魚への包丁の入れ方を教える清原拓磨さん(右)

 
 構想実現への第一段階として企画した今回の教室。年内は月1回ペースでの定期開催を目指す。清原さんは「地元飲食店でもどんどん使ってほしい。地元の魚を出している飲食店の認証などで、外から来た人も“魚のまち”を実感できるようになれば」と夢を描く。
 
自分たちでさばいた魚の刺し身を前に笑顔を見せる釜石商工高生

自分たちでさばいた魚の刺し身を前に笑顔を見せる釜石商工高生

 
今年4月、市場内に設置された「みんなのキッチン」は誰でも利用可能。問い合わせは同管理事務所(TEL0193・31・3668)へ

今年4月、市場内に設置された「みんなのキッチン」は誰でも利用可能。問い合わせは同管理事務所(TEL0193・31・3668)へ

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気楽に過ごせる生徒の居場所 釜石高、官民連携で放課後に開設「774プロジェクト」

釜石高生の放課後の居場所「774プロジェクト」=8月25日

釜石高生の放課後の居場所「774プロジェクト」=8月25日>

  
 釜石市甲子町の釜石高(青木裕信校長)の校内に週2回開設されるフリースペース「774(ナナシ)プロジェクト」。勉強や探究、おしゃべりなど放課後に高校生たちが自由な活動をして過ごす。地域の大人と日常的に関わることができる、家庭でも教室でもない、「第3の居場所」をつくろうと官民学が連携し運営。生徒の相談に耳を傾け、やりたいことを支援する場所にもなっていて、高校生にさまざまな刺激を与えている。8月23日には、海外留学などに関心を持つ生徒向けにオンライン国際交流イベントを開催。首都圏の大学に通う留学生らから話を聞き、国際的視野や将来への選択肢を広げた。
 

「海外留学」をテーマにオンライン国際交流

留学をテーマに将来について考えるオンライン国際交流イベント=8月23日

留学をテーマに将来について考えるオンライン国際交流イベント=8月23日

  
 国際交流イベントは、独立行政法人国際協力機構(JICA)海外協力隊の派遣前研修で釜石に滞在中の候補生阿部璃音さん(福島出身)が企画。今年3月に日本体育大(東京)を卒業したばかりで、同大の留学経験のある学生、ドイツや台湾からの留学生をオンラインでつないで体験談を高校生に伝えてもらった。
 
 参加した釜石高生は8人。パソコンの画面越しに、留学を決めた理由や得たことなどを聞いた。新型コロナウイルス禍の留学にためらいを持つ生徒が助言を求めると、1年間スウェーデンに留学した経験を持つ学生は「やりたいと思った時が始めるタイミング。いつかではなく、一歩踏み出す勇気を持って。留学先で何がしたいのか、目的を固めるのも大事。やることが明確になり、収穫も大きい」などと答えた。
 
画面越しでも積極的なやりとりを楽しんだ¬=8月23日

画面越しでも積極的なやりとりを楽しんだ¬=8月23日

  
 チェコ共和国での留学経験を紹介した阿部さんも、言語や生活文化が違うことを認識した上での事前準備の必要性を強調。「言語は情報を得るためのツール。現地で使う言葉を勉強することで、交流の幅が広がる」とアドバイスした。留学生らは日本の歴史、文化に関心があって留学を決めたものの、日本語でのやり取りは難しく、寂しさを感じることがあると本音をポロリ。それでも「好きなことを仕事にする」という目標のため、日々勇気を出して学び、人間関係づくりをしていると前向きな姿勢を見せた。
  
海外留学への思いを強めた生徒たち=8月23日

海外留学への思いを強めた生徒たち=8月23日

  
 釜石高の藤原和海(なごみ)さん(1年)は将来、海外の人と関わる仕事をと思い描く。留学も考えているが、「先延ばし中」と苦笑。学生らの助言に背中を押され、「今できることをやる。語学力、コミュニケーション力を磨きたい」と意識を高めた。中学時代に市の海外派遣事業でオーストラリアを訪問する予定だったが、コロナの影響で中止。悔しさを希望につなげる一歩にしようとしていた。
  

大人が話を聞いてくれる居場所「774」

地域の大人たちとおしゃべりを楽しむ生徒=8月25日

地域の大人たちとおしゃべりを楽しむ生徒=8月25日

   
 774プロジェクトは同校敷地内のセミナーハウスを活用し、2020年8月に開設された。地域の大人との日常的な関りから学びを深めてもらうのを狙いにした官民学連携事業。市教育魅力化コーディネーターや子どもたちの地域参画を後押しする活動を行う大人たちが運営し、毎週火曜日と木曜日の放課後の生徒たちに、▽気楽に立ち寄ることができる場▽興味関心に合わせたイベントの企画など地域資源との接続▽やりたいこと支援-などを提供する。
  
 8月25日の放課後、利用した生徒らは探究活動で使うグッズをつくったり、まちづくりをテーマにした催しの打ち合わせをしたり、思い思いに放課後の時間を過ごした。イベントの企画運営を得意とする大人に、防災に関するプロジェクトの企画案についてアドバイスを受ける女子生徒も。雑談を楽しむグループもあった。
  
企画する催しの打ち合わせをするグループ=8月25日

企画する催しの打ち合わせをするグループ=8月25日

  
 帰りの公共交通を待つ時間つぶしに利用する里見天(そら)さん(2年)は、同コーディネーターの恒屋梢海さんと“恋バナ”で盛り上がっていた。「お菓子を食べに来て」と誘われ利用してみると、居心地の良さで常連に。「何でも話を聞いてくれる大人がいる場所。友達と話しているみたいで、気楽に過ごせる」と目を細めた。
  
「ナナシ」との呼び名は、あえて場所の名を示さない「名無し」という意味もある。そう教えてくれたのは、運営をサポートする釜石まちづくり会社の常陸奈緒子さん(38)。高校生と大人が力を合わせ、自分たちが使いたくなる場所をデザインしていこう―。そんな思いが込められているという。
  
探究活動で使う道具作りに取り組む生徒たちを見守る八木橋さん(右)=8月25日

探究活動で使う道具作りに取り組む生徒たちを見守る八木橋さん(右)=8月25日

  
 同コーディネーターの八木橋朋広さん(27)によると、これまでに利用した生徒は延べ約2000人。月100人程度が足を運ぶ。「学校が地域連携に積極的。大人と接し、話し合いながら、やってみたいことや目標という自己実現の種を見いだす場になっている」と手応えを実感する。一方で、地域おこし協力隊制度を活用した市非常勤職員でもある同コーディネーターには任期があり、連携の在り方が課題と指摘。「民間の力の活用、後継者の発掘・育成に取り組み、継続させてほしい」と願う。

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釜石まんぷくフェス2022

釜石まんぷくフェス2022
 
釜石まるごと味覚フェスティバルの名称を変更し釜石まんぷくフェス2022を釜石鵜住居復興スタジアムに行われるラグビー釜石絆の日と同時に開催いたします。

 

釜石まんぷくフェス2022 会場案内表(JPG/885KB)

開催日程

令和4年9月24日(土)、25日(日)9:00~15:00

場所

釜石市鵜住居町 釜石鵜住居復興スタジアム
 
無料シャトルバス運行します
無料巡回シャトルバスが、釜石駅〜釜石中央〜魚河岸テラス〜鵜住居駅〜スタジアムで運行します。
三陸鉄道に乗ってイベントに行こう!
イベントチラシに付いている三陸鉄道運賃補助券を使えば、会場最寄駅の鵜住居駅までお得に乗車出来ます。

内容

  • 出店エリア
    ラーメン、冷麺、焼きそば、焼きうどんなどの麺類や、市内、県内外の特産品から水産加工品まで美味い物が大集合、県産材を使った木工教室なども開催。(愛知県東海市、富山県朝日町、東京都荒川区、福岡県北九州市、秋田県横手市、北海道室蘭市などの交流都市から出店)

  • スタンプラリー
    会場全体の周遊を目的としてスタンプラリー抽選会を実施

  • 震災学習ガイド
    観光ガイドによる鵜住居地区を歩いて震災学習や三陸ジオパークの魅力を案内

  • 働く自動車展
    警察、消防、海上保安部、自衛隊、建設業協会による車両展示

  • 釜石絆の日【同時開催イベント】
    釜石SWの強化試合の開催(vs船岡自衛隊ワイルドボアーズ)、
    釜石SWアカデミーvs友好ジュニアチーム
    東海市、袋井市、釜石市の小学生の交流試合、ラグビー教室などの開催

  • ステージイベント
    歌手、郷土芸能などの披露

  • 25日のみ
    うのすまいトモスにおいて軽トラ市、朝市を開催産直販売の他、餅まき・野菜巻きや郷土芸能を披露

主催・共催

主催:(一社)釜石観光物産協会
共催:釜石市、釜石ラグビー応援団、JR釜石駅

お問合せ

(一社)釜石観光物産協会 TEL:0193-22-5835
イベント当日:080-6682-0070

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

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広報かまいし2022年9月1日号(No.1791)

広報かまいし2022年9月1日号(No.1791)
 

広報かまいし2022年9月1日号(No.1791)

広報かまいし2022年9月1日号(No.1791)

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【P1】
シェイクアウト訓練週間 他

【P2-3】
釜石絆の日 他

【P4-5】
新型コロナウイルス感染症関連
かまいし健康チャレンジポイント

【P6-7】
中小企業者など向け支援金
ジョブカフェかまいしをご利用ください

【P8-9】
結婚新生活補助金
子育て世帯支援金 他

【P10-11】
まちのお知らせ

【P12】
イベント案内
市民体育館利用再開

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022090100024/
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釜石港にサンマ第一船 4・7トン水揚げ 関係者「漁の好転」切に願う

釜石市・新浜町魚市場へのサンマ初水揚げ=8月28日午前6時20分ごろ

釜石市・新浜町魚市場へのサンマ初水揚げ=8月28日午前6時20分ごろ

 
 釜石市の新浜町魚市場に8月28日朝、今季初のサンマが水揚げされた。ここ5年では最も早い8月中の初水揚げとなったが、量は約4・7トンと低迷。地球温暖化の影響とみられる海水温の上昇や燃料費の高騰などサンマ漁を取り巻く環境は厳しさを増すが、関係者は「何とか好転してほしい」と本格化するシーズンに期待を寄せる。
 
 釜石港に入ったのは富山県魚津市の中島漁業の大型船、第八珠(す)の浦丸(199トン、乗組員17人)。大型船漁解禁日の20日、北海道根室市の花咲港を出港し、同港から東に約1300キロの北太平洋公海で操業。7年連続で釜石に初サンマを届けた。港では野田武則釜石市長や市漁業協同組合連合会の木村嘉人会長ら関係者が出迎え、飲料水などを差し入れした。サンマは1匹100グラム以下と全般に小型で、1キロ当たり430円で取引された。
 
サンマ水揚げのため釜石港に入る「第八珠の浦丸」=28日午前5時45分ごろ

サンマ水揚げのため釜石港に入る「第八珠の浦丸」=28日午前5時45分ごろ

 
猟田雄輔漁労長(中)に仙人秘水などを差し入れ

猟田雄輔漁労長(中)に仙人秘水などを差し入れ

 
北太平洋公海で漁獲されたサンマ

北太平洋公海で漁獲されたサンマ

 
 全量買い取った新浜町の水産加工会社「平庄」の平野隆司社長(46)は「8月に(サンマ船が)釜石に入るのはまれ。初水揚げはうれしいが、型が小さく単価的には厳しい」と複雑な面持ち。それでも、「昨年よりは取れるという予報もある。これから型が良くなり、量も増えてくれれば」と望みを託した。この日のサンマは大部分が関東方面に鮮魚出荷された。
 
釜石に初サンマを届けた第八珠の浦丸の乗組員ら

釜石に初サンマを届けた第八珠の浦丸の乗組員ら

 

 
 ロシアのウクライナ侵攻による日ロ関係悪化の影響で、公海に漁船が集中する今年のサンマ漁。ロシアが主張する排他的経済水域(EEZ)を迂回して漁場に向かう船もあり、航行距離が延びることでの燃料費の負担増なども漁業者を悩ませる。第八珠の浦丸の猟田雄輔漁労長(67)は「1つの漁場に外国船が約100隻、日本船が40~50隻集まっている。水温が高く、サンマが散って船の下に寄ってこない状況もあり、かなり厳しい。9月下旬になれば少しはいい型がでてくるとは思うが…」と現状を話した。
 

 
 釜石港の昨年のサンマ水揚げ量は255トン(取引額約2億468万円)。全国同様、過去最低の水揚げ量となった。近年の不漁傾向で先は見通せないが、市漁連の木村嘉人会長(68)は「廻来船が来てくれると市場の運営としても助かる。入る、入らないでは市場の活気も違う。1隻でも多く入港し、水揚げしてもらえれば」と漁の好転を願う。