「魚河岸ジェラート」に新メニュー 釜石産トマトのうまみ凝縮「すずこまシャーベット」


2022/09/07
釜石新聞NewS #産業・経済 #観光

魚河岸ジェラート部の新メニュー「すずこまシャーベット」

魚河岸ジェラート部の新メニュー「すずこまシャーベット」

 
 釜石市魚河岸の魚河岸テラスで提供されている地域の味を取り入れたジェラートに今夏、地元農家が育てたトマト「すずこま」を使ったメニューが仲間入りした。トマトのうまみを凝縮し、レモン果汁を加えてフルーティーに仕上げた、その名は「すずこまシャーベット」。きれいな赤い色をした見た目も印象的な一品で、10月頃まで楽しめるという。
 
 指定管理者のかまいしDMCが運営する店舗「魚河岸ジェラート部」では常時10種類程度を販売。釜石特産の甲子柿、浜千鳥の酒かす、藤勇醸造のみそを使った菓子などを用いて地元色を前面に押し出した豊かな味わいがそろう。
 
すずこまを使ったシャーベットを開発した新沼さん

すずこまを使ったシャーベットを開発した新沼さん

 
 新メニューは、湯むきしたトマトを角切りにし種ごと煮込み、砂糖やレモン汁を加えてペースト状にしたものを、ベースのシャーベット(水に砂糖を加えて凍結させた冷菓)に混ぜて仕上げた。「そのまんま、すずこまで勝負」と自信を見せるのは、開発を担当した同社の新沼貴子さん(54)。「酸味が強めのトマトで、素材本来の味を生かすため加糖は最小限にとどめ、うまみと爽やかさのバランスを崩さないようこだわった。牛乳など動物性タンパク質を使っていないので、ベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者)の方も楽しめる」とアピールする。
 
 すずこまは東北農業研究センター(盛岡市)などが開発した加熱調理用トマトで、抗酸化作用を持つリコピンを多く含む。生食でも味わえるが、火を通しても煮崩れしない、赤みがあせないなどの特徴があるという。釜石市が推奨する農産物の一つで、2021年度から市内の生産農家4人が試験栽培に取り組んでいる。
 
試食した生産者の佐々木さん(左)と二本松さんの評価は上々

試食した生産者の佐々木さん(左)と二本松さんの評価は上々

 
 8月31日に魚河岸テラスで発表会があり、生産者が試食した。鵜住居町の二本松誠さん(58)は「トマトの味が濃い。うまみがぎゅっと詰まっていておいしい」と太鼓判。すずこまは、「芽かき」作業が不要など栽培時に手間がかからず、40グラムほどの小ぶりな実が“鈴なり”になり、一定の収量も見込める。橋野町の佐々木かよさん(71)は加工品への活用が広がるのを歓迎。自身は遊休農地を活用するため栽培に協力していて、「生産者として作りがいがある。特産へと育ち、釜石を知ってもらうきっかけになれば」と期待した。
 
 すずこまシャーベットは、シングル280円。ジェラート部の開店時間は午後2時~同4時まで(月曜定休)。
 
地元色を押し出した豊かな味わいを提供する「魚河岸ジェラート部」

地元色を押し出した豊かな味わいを提供する「魚河岸ジェラート部」

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