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「三陸ジオパーク」をもっと分かりやすく 釜石の観光ガイドら魅力伝達の手法を模索

釜石観光ガイド会員らが参加したジオセミナー=旧釜石鉱山事務所

釜石観光ガイド会員らが参加したジオセミナー=旧釜石鉱山事務所

 
 約5億年前からの大地の歴史が育んだ自然や風土、産業が魅力の「三陸ジオパーク」(2013年、日本ジオパークに認定)。“鉄のまち”を生んだ釜石市のジオ資源をより分かりやすく伝えるためのセミナーが21日、甲子町大橋の釜石鉱山周辺で開かれた。地元の観光ガイドや関連機関の職員ら24人が参加。地質学や自然災害科学が専門の岩手大理工学部、越谷信教授を招き、価値の再確認と伝達手法の意見交換を行った。
 
 日本最大級の鉱山を有し、「近代製鉄発祥の地」として知られてきた釜石市。その歴史的価値は同市観光の柱で、三陸ジオパークの見どころの一つとなっている。ジオサイトとして紹介される釜石鉱山では鉄や銅などの鉱石が採掘されたが、その鉱床ができたのが今から約1億2千年前。マグマの上昇で熱を加えられた岩石がさまざまな性質に変化したことによる。同鉱山では50種類以上の鉱物が確認され、中には国内で2カ所しかとれない貴重な石も。
 
釜石鉱山でとれる鉱物について理解を深めるセミナー参加者

釜石鉱山でとれる鉱物について理解を深めるセミナー参加者

 
 ジオパーク認定を受け、同市の観光ガイドはジオの視点を盛り込んだ説明にも力を入れるが、地質など学問的要素が入る内容をいかに分かりやすく伝えるかが課題となっている。その手法を探ろうと今回のセミナーが企画された。釜石観光ガイド会会員で、三陸ジオパーク認定ガイドの資格を持つ菅原真子さん(56)が模擬ツアーを実演。来訪者の興味を引き、理解促進につなげるためのガイドの仕方、今後の発信などについて参加者が意見を交わした。
 
鉱山施設跡を見学したジオツアー。左下は山の斜面に残る鉄鉱石の選鉱場跡

鉱山施設跡を見学したジオツアー。左下は山の斜面に残る鉄鉱石の選鉱場跡

 
三陸ジオパーク認定ガイドの菅原真子さん(右から2人目)が模擬ツアーを実演

三陸ジオパーク認定ガイドの菅原真子さん(右から2人目)が模擬ツアーを実演

 
正面に見えるズリ堆積場は現在、メガソーラー発電所として活用される

正面に見えるズリ堆積場は現在、メガソーラー発電所として活用される

 
 参加ガイドからは「地学の専門用語をかみ砕き、(イメージしやすい言葉に)言い換えてあげることが大事」、「釜石ならではのジオストーリー(物語)を作り発信すべき」という意見が。観光関係機関の職員からは「日常生活につながる部分を導入部にすると、(ハードルが高い)ジオの話にも入りやすい。年間を通して足を運んでもらう機会を増やすことも重要」との助言があった。
 
 越谷教授の地質研究室に所属する同大4年の浅野奈美さん(22)は、若者の視点から観光客誘致のアイデアを提言。「写真映えするスポットの積極的発信、鉱山の湧水が有名メーカーの化粧品に利用されている親近感などが、ここに興味を持たせるきっかけになるのではないか。『ジオパークとは何か』という根本的な周知も必要」と話した。
 
ガイドの説明を聞く(左から)岩手大理工学部の越谷信教授と学生の浅野奈美さん

ガイドの説明を聞く(左から)岩手大理工学部の越谷信教授と学生の浅野奈美さん

 
 越谷教授(63)は、北部と南部で大地の成り立ちが異なる三陸地域の特徴について解説した。太平洋赤道近くの大陸の一部だった南部、海底の砂や泥、礁などが起源の北部は、共に長い年月をかけて移動しアジア大陸と合体。日本列島の分離、隆起や浸食で現在の姿になった。北部、南部の接合部で、急峻な山ができたのが釜石地域。越谷教授は「両方の複雑な要素が一カ所に集約している。まさに4億年ぐらいの歴史を体現できる場所。地元の人が知る魅力を内外に広めてほしい」と期待する。
 
三陸ジオパークの魅力発信について語り合ったフリートーク

三陸ジオパークの魅力発信について語り合ったフリートーク

 
 三陸ジオパークは13年に日本ジオパーク委員会によって認定されたが、17年に行われた4年ごとの審査では「条件付き再認定」となった。関係機関の連携や周知、活用策など課題改善への取り組みを進め、19年には再認定が決まった。来年は3回目の審査の年にあたる。
 
 三陸ジオパーク推進協議会の土澤智事務局長は、国内最大面積(青森県八戸市~宮城県気仙沼市)を誇る同ジオパークについて、「地域ごと異なる素材に共通テーマを持たせる難しさはあるが、いかに一体性を見い出し発信していけるかが課題。再認定を得られるよう、審査に向けた準備もしっかり進めたい」と話した。

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ヒト・モノ・コト…いろんな「であい」を「つなぐ」 TETTOオープンフェスタ【釜石】

初開催の「きっとてっと」で買い物を楽しむ来場者

初開催の「きっとてっと」で買い物を楽しむ来場者

 
 釜石市大町の市民ホールTETTO(谷澤栄一館長)で23日、オープンフェスタ「きっとてっと」が初開催された。地域内のすてきな人、店、もの、体験などに「であう」「つながる」きっかけにしてもらおうと企画。音楽、食、ものづくり、ショッピング…多様な楽しみを味わえる催しが用意され、大人も子どもも幅広い年代が地域の魅力を再発見した。
 
 ロビーやギャラリー、屋根のある広場などホール1階を一体的に使用して開放。釜石市や大槌町を拠点に活動するアーティストと触れ合いながら芸術に親しむワークショップ、衣料品や日用品などを安価で販売するフリーマーケット、大ホールでのカラオケ体験、ベリーダンサーによる公演、ストリートピアノ演奏会といった多彩な催しが繰り広げられた。衣料・雑貨を取り扱う市内事業者、黒豚を使ったギョーザなど飲食のキッチンカーも出店。地元の駄菓子屋と谷澤館長がコラボした縁日は子どもたちに人気だった。
 
掘り出し物探しを楽しむフリーマーケット

掘り出し物探しを楽しむフリーマーケット

 
縁日遊びのコーナーは子どもたちに大人気

縁日遊びのコーナーは子どもたちに大人気

 
特設ステージではベリーダンスなどが披露された

特設ステージではベリーダンスなどが披露された

 
 大槌町の佐々木やよえさん(69)と千葉左登子さん(68)は以前から興味があった鹿皮のキーホルダー作りに挑戦。三つ編みの形が少しゆがんで手作り感たっぷりの出来栄えだったが、「夢中になった。機会があったら、またやりたい」と喜んだ。もう一つ楽しんだのが、フリーマーケットでのモノとの「出合い」。手作りアクセサリーやブランド品の服などに目を留め、「キラキラしたものが大好き。女の子だから」と笑顔を重ねた。
 
鹿皮で作ったキーホルダーの出来栄えに満足げな参加者

鹿皮で作ったキーホルダーの出来栄えに満足げな参加者

 
 人との「出会い」を楽しんだのは、フリマでハンドメイド作品を並べた鵜住居町の小林翔子さん(35)。対面販売は客の声を聞いたり、表情を見ることができ、作品作りのヒントになるという。釜石で実施されるイベントへの参加は今回が初めて。「『初めまして』の人が多く、作品を紹介する機会、情報交換の場になった」と手応えを得た。
 
 イラストレーター西川真央さん(26)=活動名・mao=はポストカードや粘土細工などを販売したほか、似顔絵を通じた交流を提供した。京都出身で、1年前に釜石に移住。観光地域づくり会社で働く傍ら、制作活動に取り組む。対面で似顔絵を描きながら会話を楽しみ、「ものづくりが人とのつながりを生み出す」と実感。同じ会場では日本独自の紡績技術「ガラ紡」で紡いだ糸を使った小物作り、ひも状にした粘土を積み重ねる土器作りも行われていて、親子で参加する姿に「クリエイティブなことに挑戦できて、いい街だな~」と目を細めた。
 
モデルと会話を弾ませながら似顔絵を描くmaoさん

モデルと会話を弾ませながら似顔絵を描くmaoさん

 
 同イベントには、同ホールの阿部美香子さん(43)の実体験が反映された。東日本大震災後にUターンした際、地域になじもうと参加したフリマでの出会いが今も続いていて、「そんな出会いを体験してほしい」と企画。「新しい店は気になるが入りづらい」との声を聞き、「店の人とのつながれば、店舗を訪れるきっかけになる」と催しに盛り込んだ。子育て世代へのリサーチも行い、「いろんな形の出合い」をひとまとめにして開催。多様な人が入り混じる様子を見つめ、「人と直接話しながら、目的外のものに出合う機会になったら、うれしい」と思いを明かした。

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art at TETTO vol.6「原点 アジアの旅」photographer 岩間 幸司

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釜石のアーティストの展示会を開催します
art at TETTO vol.6はフォトグラファーの岩間幸司さん
 
art at TETTO 「原点 アジアの旅」photographer 岩間 幸司

 

ワークショップ「スマホで撮る、写真教室!」パンとコーヒー付き

【開催日】10月1日(土)
【1回目】10:00~11:00
【2回目】13:00~14:00
【3回目】15:00~16:00
【定員】各回5名 計15名
【参加費】1,000円
 
★注意事項★
・スマートフォンをお持ちください。
・無料の画像加工アプリ「Fotor(フォーター)」を使用しますので、当日会場でダウンロードをお願いします。
・コンパクトカメラなどの場合でも、撮影のアドバイスをいたします。

 
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インドシナは私にとって、妙に懐かしい、そんな気にさせてくれる土地です。最初に訪れた時から、久しぶりに私の五感は疼き始めました。岩手の田舎で過ごした少年時代の記憶が蘇ってくるようでした。それは私の原風景であるとともに、日本人に共通のノスタルジーでもあるかもしれません。インドシナの街々は路上に生活が溢れ出し、街は大きな長屋のようです。そこで繰り広げられるごく普通の人々の生活は、当たり前の姿の様にも思えるのです。
こんな世の中だからこそ、懐かしく思い出して頂けたらと思います。 岩間幸司

日時

2022年9月30日(金)〜 10月10日(月)
9:00 〜 21:00(最終日16:00まで)

会場

釜石市民ホールTETTO ギャラリー

料金

無料

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

主催

釜石市民ホールTETTO

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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日本スポーツマスターズ岩手大会 軟式野球出場の釜石・ヨーカクラブ 鹿児島代表に善戦

日本スポーツマスターズ岩手大会軟式野球 奄美BBC(鹿児島)―ヨーカクラブ(岩手)

日本スポーツマスターズ岩手大会軟式野球 奄美BBC(鹿児島)―ヨーカクラブ(岩手)

 
 日本スポーツマスターズ2022岩手大会は23日から26日まで県内12市町で11競技を実施。釜石市など沿岸6市町では24日から軟式野球競技が行われた。同市平田総合公園野球場では1回戦から準決勝まで計6試合があり、各都道府県の代表が熱戦を繰り広げた。地元釜石からはヨーカクラブが出場。目標としていた全国の舞台で持てる力を存分に発揮した。マスターズ大会は3年ぶり、本県では初開催となった。
 
 軟式野球は40歳以上の選手で構成する32チームが出場し、トーナメント戦で優勝を競い合った。平田球場の初日は降雨のため、屋内で開始式。第1試合で対戦するヨーカクラブ(開催地枠)と鹿児島県代表の奄美BBC(ベースボールクラブ)が顔をそろえた。大会名誉会長の野田武則釜石市長は、東日本大震災で受けた全国からの復興支援に深く感謝。「全力を尽くして健闘を」と選手らにエールを送った。
 
岩手県野球協会尾形英一副会長が開会宣言。(左から)ヨーカクラブの遠野大輔主将、菅原隆監督

岩手県野球協会尾形英一副会長が開会宣言。(左から)ヨーカクラブの遠野大輔主将、菅原隆監督

 
 始球式には地元の浜っ子野球スポ少、釜石中で5年間野球を続けた佐々木唯さん(20)が登場。その姿を追ってスポ少に入った妹凜さん(釜石商工高3年)が打者、県内唯一の女性審判員として活躍する母美紀さん(45)が球審を務め、式を盛り上げた。
 
始球式で投手を務めた佐々木唯さん(左)。母美紀さん(中)、妹凜さんも協力。写真提供:釜石市野球協会

始球式で投手を務めた佐々木唯さん(左)。母美紀さん(中)、妹凜さんも協力。写真提供:釜石市野球協会

 
 第1試合はグラウンド整備のため1時間余り遅れて開始。両チームの投手は上々の立ち上がりを見せ、味方の堅い守備も手伝って互いに得点を許さない。試合が動いたのは5回裏。ヨーカクラブの先頭打者、9番小笠原大洋が左中間を突く2塁打を放ち、続く1番佐々木博貴の犠打、盗塁で二、三塁の好機に。ここで2番鈴木得之の飛球を一塁手が捕球し損ねる間に小笠原がホームにかえり、待望の先制点。さらに3番阿部裕樹の犠飛で佐々木がホームに滑り込み、2点目を挙げた。
 
ヨーカクラブは5回、鈴木(背26)の打球が相手のミスを誘い、小笠原(背0)がホームにかえり1点を先制

ヨーカクラブは5回、鈴木(背26)の打球が相手のミスを誘い、小笠原(背0)がホームにかえり1点を先制

 
犠飛で三塁の佐々木(背1)がホームに滑り込み追加点。0-2とする

犠飛で三塁の佐々木(背1)がホームに滑り込み追加点。0-2とする

 
 奄美BBCもすかさず反撃。6回表、2安打で出塁後、ヨーカのミスや四球で2点を返し同点に追いつくと、なおも満塁の好機に強打の一発。さらに1点を加え3-2と逆転に成功した。奄美は最終7回にも3本の長打や犠飛で3点を追加。6-2とヨーカを突き放した。
 
 最終回、ヨーカの攻撃は2点を挙げた5回と同じ打順。小笠原の内野安打、佐々木の右前打などでまずは1点。阿部が右翼線に運び追加点を挙げるが、後続が倒れ試合終了。6-4で敗れ、全国大会初勝利は次回への持ち越しとなった。
 
観戦客からは健闘をたたえる拍手が送られた

観戦客からは健闘をたたえる拍手が送られた

 
 早起き野球チームとしてスタートしたヨーカクラブは創部45年。早起き野球は県大会優勝4回、一般(C級)も東北大会出場などを果たすが、全国大会出場は、活動4年目の壮年(40歳以上)チームも含め初めての経験。今大会は、クラブの創始者で昨夏急逝した佐野一男前監督(享年75)の願いをかなえる大舞台となった。
 
試合前、気持ちを一つにするヨーカクラブの選手ら。佐野一男前監督の遺影に黙とうをささげた(左上)

試合前、気持ちを一つにするヨーカクラブの選手ら。佐野一男前監督の遺影に黙とうをささげた(左上)

 
 監督を引き継いだ菅原隆さん(58)は「佐野前監督が口癖のように言っていたのが全国大会出場の夢。一緒に出よう、ヨーカクラブの名を知らしめようと、みんな頑張ってきた。負けたのは残念だが、一つ目標は達成できた」と安堵(あんど)の表情。「来週もOB(壮年)の県大会があるので、今日の悔しさもぶつけて県王者を目指したい」と勢いづいた。
 
 「監督、怒っているだろうな~」。厳しくも選手に慕われた佐野前監督の姿を思い浮かべ、菅原さんと笑顔で口をそろえた佐々木博貴さん(43)。「相手チームは一枚も二枚も上手だったという印象。何とかしがみついてできたのかな」。震災もありながら、野球を楽しめていることに喜びを感じ、「まだまだ強くなれると野球の神様が言ってくれている。釜石のために頑張らねば」と意気込んだ。
 
会場では釜石名物「魚河岸ジェラート」と「仙人秘水」をお振る舞い。参加者の疲れを癒やした

会場では釜石名物「魚河岸ジェラート」と「仙人秘水」をお振る舞い。参加者の疲れを癒やした

 
 3日間の熱戦の結果、優勝したのは愛知県代表の安城ベースボールクラブ。6年ぶり3度目の日本一に輝いた。岩手県代表の永愛友OB、開催地枠の雫石クラブOB、クロニーズは1回戦で敗れた。

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たたら製鉄を体験 釜石・甲子中1年生の学習は15年目 炭にまみれながら奮闘

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炉内から不純物を取り出す「ノロ出し」と呼ばれる作業を見守る甲子中1年生=16日

 
 甲子中(柏舘秀一校長、生徒128人)の1年生45人による「鉄づくり体験」は15、16の両日、釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所前で行われた。2クラス4班がたたら技法による製鉄に挑戦。木炭にまみれながら粗鉄(ケラ)の取り出しに成功した。生徒たちはものづくりの大変さ、力を合わせる大切さ、達成感などを味わいながら、「鉄のまち」の歴史に理解を深めた。
 
 初日は炉の構築、木炭を割る作業に取り組んだ。炉はコンクリートブロックを基盤に耐火レンガ約100個を組み上げ、湯出し口や送風管などを固定した。生徒たちは設計図と写真を基にした炉づくりに悪戦苦闘。土台などを設置せずに作業を進めてしまい、最初からやり直しする班もあった。市文化振興課文化財係の加藤幹樹主任(37)らが指導。「平面の設計図を立体にイメージして」などと助言し、生徒たちの活動を見守った。
 
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設計図を手に話し合いながら炉をつくる生徒たち=15日

 
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子どもたちの活動をそっと見守る加藤主任(後列左)=15日

 
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炉の完成を喜びつつ、炭割り作業にも精を出した=15日

 
 2日目が本格的な製鉄体験。火入れし、木炭約30キロで炉を加熱していった。釜石鉱山産の磁鉄鉱10キロ、石灰1キロを、木炭20キロと共に10回に分けて投入。時間を計り、炉内の温度を確認しながら、炭にまみれる地道な作業を続けた。昼前から不純物(ノロ)の抽出を行い、1000度以上の熱を確認。午後1時過ぎ、前後して4基の炉が解体された。全ての炉でケラが得られ、生徒たちの奮闘は報われた。
 
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鉄鉱石と石灰をまぜたもの、砕いた炭を投入する作業を10回繰り返した=16日

 
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ノロ出しし、作業が順調に進んでいることを確認した=16日

 
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熱さを感じながら炉の解体作業を見つめる生徒たち=16日

 
 B組2班リーダーの佐々木凌空(りく)君は「初めての体験だったが、みんなと力を合わせてできた。レンガは重いし、火は熱いし、この方法でつくっていた人たちのつらさが分かった。大変な中でやり切ったという達成感がすごい。感動」と目を輝かせた。
 
 A組1班リーダーの本多莉奈さんは「今の時代は機械もいろいろとあるが、大島高任は何もないところから作って本当にすごい」と感心。炉づくりで手間取ったというが、「班員をまとめ工夫と試行錯誤を重ねる経験ができた」と充実した表情。10月には文化祭があり、「みんなで協力する必要がある。スムーズに進められるよう、学びを生かしたい」と前を向いた。
 
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全ての炉で鉄の混合物「ケラ」の取り出しに成功。左下写真で白っぽく見える部分が鉄=16日

 
 同校の鉄づくり体験は、総合的学習の一環。近代製鉄発祥の地・釜石の歴史や製鉄の今昔を体験的に学ぶ。幕末に大島高任が近代製鉄技法による鉄の連続出銑に成功して150周年に当たる2008年度から始まり、今年で15年目。1年生は大島に関する講話、鉄の歴史観の見学・鋳造体験、世界遺産「橋野鉄鉱山」の見学も重ねた。一連の学習成果は文化祭「愛校祭」で発表。市などが実施する「鉄の検定」にも挑む。
 
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大島高任が洋式高炉による鉄づくりに挑んだ地で続く子どもたちの製鉄体験

 
 本年度から市内の中学校全5校の1年生が鉄づくり体験に取り組む。加藤主任は「近代製鉄発祥の地で歴史を学び、ものづくりの大変さや大切さを知ってほしい。失敗から学ぶ体験や、同じ目標に向かうチームをまとめ指示を出す人、それを支えるという体験ができる場でもあり、次世代のリーダー育成につながれば」と期待した。

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喜寿、米寿をお祝い 「釜石市敬老会」3年ぶり開催 65歳以上は1万2千人

喜寿、米寿を迎える市民を郷土芸能などで祝った釜石市敬老会=17日

喜寿、米寿を迎える市民を郷土芸能などで祝った釜石市敬老会=17日

 
 釜石市敬老会(市、市社会福祉協議会主催)は17日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていたため、3年ぶりの開催。本年度、喜寿(77歳)、米寿(88歳)を迎える招待者637人のうち、108人が出席した。感染防止対策で規模を縮小しての開催となったが、地元芸能団体の踊りなどを楽しみ、節目の祝い事を心に刻んだ。
 
 式辞に立った野田武則市長は、戦後の激動の時代を生き、釜石発展に尽力してきたことへ敬意と感謝を表し、「人生100年時代は現実のものとなっている。健康や介護、家族の問題など、皆さんが抱える悩みや不安を少しでも解消できるよう相談の窓口を強化していきたい。豊かな人生に必要な人と人とのつながりを持ちながら、今後も社会の一員としてご活躍を」と願った。
 
108人が元気な顔をそろえ、敬老会を楽しんだ

108人が元気な顔をそろえ、敬老会を楽しんだ

 
 釜石芸能連合会から柳家細川流舞踊が祝いの舞を披露。鵜住居青年会は郷土芸能の虎舞、釜石中3年生は学校で取り組む釜中ソーランで長寿を祝った。コロナ禍で地域の芸能などを楽しむ機会が減っていた出席者らは、久しぶりの華やかなステージに笑みを広げ、心躍るひとときを満喫した。
 
柳家細川流舞踊は祝いの舞で敬老者の長寿を祝福

柳家細川流舞踊は祝いの舞で敬老者の長寿を祝福

 
釜石中3年生はソーランでパワーをプレゼント!

釜石中3年生はソーランでパワーをプレゼント!

 
 同市の敬老会は近年、喜寿、米寿、卒寿(90歳)の敬老者を対象とするが、今年は新型コロナの感染状況などを踏まえ、卒寿の招待を見送った。式典では、例年行う出席者代表への敬老祝い金贈呈を取りやめ、接触回避と時間短縮で感染リスク低減を図った。対象となる88歳の敬老者には振り込みで祝い金を贈った。出席者には記念写真のサービスが行われたほか、紅白まんじゅうや飲料水が贈られた。
 
 鵜住居町の川﨑ヨリ子さん(76)、川崎スメ子さん(76)はご近所同士、誘い合って会に出席。「開催してもらいありがたい。踊りなどもとても良かった」と顔をほころばせた。喜寿を迎えることにヨリ子さんは「気持ち的にはまだまだと思っているが、体はなかなかね。これ以上弱くならないよう頑張りたい」、スメ子さんは「離れて暮らす子どもたちにも元気な姿を見せられるよう長生きしたい」と健康長寿への思いを込めた。
 
敬老会に出席した中小川地区の皆さん。これからもお元気で!

敬老会に出席した中小川地区の皆さん。これからもお元気で!

 
 甲子町(中小川)の松本佳輝さん(87)は喜寿に続いての同会参加だが、「同級生の姿が少なくなり寂しい」とぽろり。若いころからスポーツに親しみ、年を取ってからはグラウンドゴルフやゲートボールを楽しむが、競技人口の減少やコロナ禍で大会がなくなり、出歩く機会が減ってしまった。今は「野球やラグビーなど球技の試合をテレビ観戦するのが専らの楽しみ」だという。「人生は泣き笑い。長生きすればいいこともある」と松本さん。
 
 同市の総人口約3万1千人のうち、65歳以上は約1万2千人。高齢化率は40・3%。100歳以上は女性29人で、市内最高齢者は106歳(9月1日現在)。

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園児が描く「釜石の海」 未来への希望を表現 「海の日」絵画コンクールで7人表彰

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「海の日」絵画コンクールの入賞者、実行委関係者ら

 
 釜石市「海の日」実行委員会(会長・野田武則市長)が主催する絵画コンクールの表彰式が17日、港町のイオンタウン釜石で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの実施。市内の教育・保育施設の園児たちが「釜石の海」をテーマに色彩豊かな作品を寄せ、入賞した7人を表彰した。入賞作を含めた全作品は同会場で19日まで展示された。
  
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「釜石の海」をテーマにした色彩豊かな作品が並んだ

  
 コンクールは海の恩恵に感謝する「海の日」の普及を目的に、写真と絵画部門で作品を募集し実施してきたが、コロナ禍で2020、21年は中止した。3年ぶりとなる今回は海に夢を持った子どもたちを育てるのを狙いに、絵画のみで開催を決定。こども園や幼稚園、保育園などに話を持ち掛け、賛同した8施設から125点が集まった。審査で金賞1点、銀賞1点、銅賞2点のほか、特別賞として市長賞、釜石海上保安部賞、釜石港湾振興協議会賞の各1点を選んだ。
  
 表彰式で、野田市長は「海の素晴らしさや怖さを共有しながら、海と共に生活していくことを小さいころか学んでほしい。海に関心を持ち、みんなで豊かな海、自然を守っていこう」とあいさつ。釜石海保の虻川浩介部長が「青いきれいな海にたくさんの生き物、船をカラフルに描いた作品ばかり。未来に残そうという希望が表現され、頼もしい」と講評した。各賞受賞者に野田市長、虻川部長らから表彰状と記念品が贈られた。
  
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野田市長から表彰を受ける小笠原叶華ちゃん

 
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入賞作品の前で記念写真を撮る子どもの姿も

  
 金賞に輝いた中妻子供の家保育園の小笠原叶華(かのか)ちゃん(6)は、海で船釣り楽しむ家族の様子を描いた。船に乗ったことがなく、「いつかやってみたい」と夢見る思いを表現。釣ってみたい魚を聞くと、「マグロ!」と元気に答えた。
  
 叶華ちゃんを除いた入賞者は次の通り(敬称略)。
▽銀賞=三浦栞乃(小佐野保育園)
▽銅賞=岩井瑠莉(同)、小池一颯(中妻子供の家保育園)
▽釜石市長賞=小笠原大智(かまいしこども園)
▽釜石海上保安部賞=櫻庭えま(同)
▽釜石港湾振興協議会賞=久保夢空瑠(中妻子供の家保育園)

 

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3年ぶり「釜石まつり」10/14~16開催 コロナ対策施し2神社合同みこし渡御

3年ぶりの開催が決まった「釜石まつり」=資料写真(2017年)

3年ぶりの開催が決まった「釜石まつり」=資料写真(2017年)

 
 釜石市の秋を彩る「釜石まつり」は10月14日から3日間、市内東部地区を中心に開催される。新型コロナウイルス感染症の影響で2020、21年は中止されたが、今年は感染症対策を施し、規模を縮小して実施する。15日に開かれた同まつり委員会(委員長=野田武則市長)事務局会議で日程が決定した。
 
 釜石まつりは、浜町の尾崎神社と桜木町の釜石製鉄所山神社の合同祭。1967(昭和42)年の市制施行30周年を機に始まり、同市の秋の一大イベントとして市民に親しまれてきた。委員会は今年、新型コロナの感染状況や、市内経済、郷土芸能の後継者育成への影響などを総合的に判断し、感染症対策をした上での実施を決めた。
 
15日に開かれた釜石まつり委員会事務局会議

15日に開かれた釜石まつり委員会事務局会議

 
 内容はほぼ例年通りだが、最大限の感染防止対策を講じる。渡御行列の参加は市内芸能団体に限定。各団体は参加人数を抑制し、マスクやフェイスガードの着用、手指や道具類の消毒を徹底する。感染対策の責任者を置き、練習参加者の2週間前からの体調確認も行う。各団体には対策費を補助する。
 
 露店は出店数を例年の3分の2程度とし、配置の見直し、出店時間の短縮などで感染リスク低減を図る。各会場ではアナウンスや立て看板などで一般来場者にも対策を呼び掛ける。芸能団体の踊り披露時には、観客との距離を確保する。
 
19年の曳き船まつりは悪天候で中止。今年は4年ぶりの開催となる=資料写真(17年)

19年の曳き船まつりは悪天候で中止。今年は4年ぶりの開催となる=資料写真(17年)

 
2神社合同みこし渡御は例年通り、市内目抜き通りを練り歩く=資料写真(17年)

2神社合同みこし渡御は例年通り、市内目抜き通りを練り歩く=資料写真(17年)

 
 3日間の日程は次の通り。
 
▽10月14日(金) 午後6時~ 尾崎神社宵宮祭(同神社)
 
▽10月15日(土) 午前10時~ 尾崎神社みこし海上渡御「曳き船まつり」(釜石港)/午後5時半~ 日本製鉄(釜石製鉄所)山神社宵宮祭(同神社)
 
▽10月16日(日) 午前8時~ 尾崎神社出御祭(同神社)/午前9時~ 日本製鉄山神社例大祭(同神社)/午前11時20分~ 両神社合同祭神事(鈴子町・釜石消防署横)/午後0時10分~ 合同みこし渡御(鈴子町→大渡町→大町→只越町→魚河岸)/午後3時半~ みこし還御式(魚市場御旅所)

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砂防工事現場 釜石の中学生が見学 沿岸振興局、担い手不足解消へ建設業の魅力紹介

砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた生徒たち

砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた生徒たち

 
 釜石市平田尾崎白浜地区で進められている砂防堰堤(えんてい)の工事現場を14日、大平中(蛸島茂雄校長、101人)の2年生33人が見学した。岩手県沿岸広域振興局土木部が主催したもので、生徒たちは土砂災害を予防する砂防事業や建設業への理解を深めた。
  
 生徒たちは、2019年の台風19号豪雨で発生した土石流などの被害を受けて沿岸振興局が同地区で手掛ける事業の現場2カ所を見学。1年余りかけて今年6月に完成したばかりの砂防堰堤では、大雨時、大量に流れてくる土砂をため込み下流に流れ出るのを防いだり、勢いを弱めたりする機能について説明を受けた。
  
砂防工事の現場見学会に参加した大平中生

砂防工事の現場見学会に参加した大平中生

  
 来年3月中旬までの工期で整備が進む砂防堰堤(堤長64メートル、高さ9・5メートル)では、工事を担う及川工務店(新浜町)の現場責任者らが概要や進ちょく状況を説明。生徒らはショベルカーなど重機に試乗したり、現場で実際に使われている測量機器を使って測量を体験したりもした。
  
建設現場で活躍する重機の試乗体験を楽しむ生徒

建設現場で活躍する重機の試乗体験を楽しむ生徒

 
子どもたちは普段見慣れない測量機器に興味津々

子どもたちは普段見慣れない測量機器に興味津々

  
 学校に戻って座学。沿岸振興局土木部の職員が土砂災害の種類、全国・県内の発生状況、災害対策などを解説した。近年の発生件数は増加傾向にあり、梅雨や台風など雨が多い時期に発生確率が高くなっていて注意が必要とした上で、砂防堰堤などの構造物整備により被害を防いだ県内の事例を紹介。ただ、自然災害は人の想像を超えることがあり、身を守るためには▽家の周りや避難経路などにある危険な場所を事前に確認▽いざという時は、勇気を持って早めに避難する―ことが大切だと強調した。
  
砂防事業の出前講座に臨む大平中の2年生

砂防事業の出前講座に臨む大平中の2年生

  
 模型を使って、土石流が勢いよく家や橋を押し流す様子、流出する土砂の勢いを弱める堰堤の対策の効果も試した。阿部愛華(あゆは)さんは「工事現場を見学するのは初めて。被害が起きないよう高い費用を使っていたり、いろんな人が関わっていることが分かった。災害に対しての備えも大事だとあらためて感じた」と学びを深めた。
  
砂防堰堤の設置の効果を模型で試す実習もあった

砂防堰堤の設置の効果を模型で試す実習もあった

  
 工事現場の見学会は建設業の担い手不足解消に向けた取り組みの一環で、中学生に建設業へ興味を持ってもらうのが目的。道路や橋などの社会基盤をつくる「土木」、住宅など建物をつくる「建築」の2種類があり、構造物の維持・修繕や災害復旧など「みんなが安心して暮らせるよう地域を守る」という役割があると魅力、やりがいも伝えた。砂防工事の現場を通じ、土砂災害とその対処の方法を知ってもらう狙いもある。東日本大震災後、釜石・大槌地区では初めての実施。本年度は1校のみだが、次年度以降も継続していく予定だ。

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釜石SW 格上・静岡と2年ぶりに交流試合 新戦力活躍で3トライ 防御の課題確認

『黄金の國、いわて。』presentsともだちマッチ2022 釜石SW(赤)―静岡ブルーレヴズ=釜石鵜住居復興スタジアム

『黄金の國、いわて。』presentsともだちマッチ2022 釜石SW(赤)―静岡ブルーレヴズ=釜石鵜住居復興スタジアム

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは11日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、同1部の静岡ブルーレヴズと交流試合を行った。東日本大震災後の釜石支援を機に交流を続ける両チームの対戦は2年ぶり。格上の静岡相手に釜石は3トライを挙げたが、地力で勝る静岡の猛攻を受け、19-59(前半7-38)で敗れた。
 
 釜石にとっては今季のプレシーズンマッチ2戦目、初のホーム戦となり、約1千人が客席を埋めた。今季、17人の新加入選手を迎えた釜石は、先発7人が新加入。前半、攻撃のペースをつかめず、防戦一方の釜石は、静岡に6トライを奪われるなど苦しい展開となった。終了間際の40分、敵陣22メートルライン内にボールを持ち込んだ釜石は、新加入のCTB石垣航平が強力な突破で相手を振り切り中央にトライ。SO中村良真のゴールも決まって、7-38で前半を折り返した。
 
前半40分、釜石はボールを持ったCTB石垣航平が力強く前進しトライ。初得点を挙げた

前半40分、釜石はボールを持ったCTB石垣航平が力強く前進しトライ。初得点を挙げた

 
 後半開始直後の2分、釜石は石垣のパスを受けた新加入のWTB阿部竜二が絶妙なキックでボールを前に運び、自ら拾って左サイドから回り込んで中央にトライ(ゴール成功)。14-38とした。18分には相手ペナルティーで得たボールを敵陣5メートルラインからSH村上陽平が右に展開。SO中村、ロック/タタナ・ダラスとつなぎ、ダラスが右隅にトライ(ゴール失敗)。19-38と点差を縮めたが、その後は得点に至らず、さらに3トライを重ねた静岡に19-59で敗れた。
 
後半18分、相手タックルをかわしトライを決めた釜石のロック/タタナ・ダラス(左)

後半18分、相手タックルをかわしトライを決めた釜石のロック/タタナ・ダラス(左)

 
 トライを決めた石垣、ダラスは今季、宗像サニックスブルースから移籍(ダラスは2018年以来の釜石復帰)。紫波町出身の阿部は今春、関東学院大を卒業し入団した。試合後の記者会見で石垣選手は「攻めきれない場面が多かったが、ディフェンス、アタックともに前に出ることを意識した。応援してくれる地域の方々のためにもっと頑張りたい」と意を強くした。
 
 須田康夫ヘッドコーチ、小野航大主将は、静岡の激しいブレイクダウン、セットプレーでプレッシャーを受け失点を重ねたことを反省点としながらも、「自分たちがボールを持ち、やりたいことをできた時間帯は通用している感覚があった。そういう時間をどれだけ長くできるかが今後の課題」とし、ディフェンスの修正、集中力の維持など改善点を示した。
 
 小野主将は震災後、交流試合を継続してくれている静岡に感謝。「トップレベルを感じられる機会。近い将来、このグラウンドで(静岡と)公式戦をできるよう、一刻も早く1部に上がりたいという思いが強くなった。チームとして共有し、やっていければ」と願った。
 
観客の前で健闘をたたえ合う釜石、静岡の選手ら

観客の前で健闘をたたえ合う釜石、静岡の選手ら

 
震災を機に結ばれた両チームの絆はさらに強く…

震災を機に結ばれた両チームの絆はさらに強く…

 
 釜石SWのプレシーズンマッチ3戦目は今月25日。同スタジアムで、トップイーストリーグの船岡自衛隊ワイルドボアーズと対戦する(観戦無料)。

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TETTO Open Festa 2022「きっとてっと」

TETTO Open Festa 2022「きっとてっと」
 
「きっと出会うステキな人 TETTOで繋がる大切なもの」
 
新しい事に挑戦したり
お店の人とお話したり
キュンとする物を探したり
 
「きっとてっと」はそんな体験が気軽にできるイベントです。
 
ネットで何でもできる時代ですが
TETTOで繋がるいろんなカタチの出会いをどうぞお楽しみください。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
 
TETTO Open Festa 2022「きっとてっと」

日時

2022年9月23日(金)
10:30 〜 15:30

会場

釜石市民ホールTETTO 全館

内容

詳細は随時更新中!
 
【ホールA】ホールAでカラオケ体験「広ーいステージで歌ってみませんか?」(無料)
 
【ホールB】フリーマーケット
出店者募集中!下記URLよりお申込みください。
フリーマーケット申込フォーム
https://forms.gle/A9hd4S7vBTn3TYAB9
 
【ロビー】
◆釜石のお店屋さん
「Shifa / レザークラフト&エスニック衣料」
「Bridge clothing/ 衣料・雑貨 」
「藤勇醸造 / しょうゆ、みそ、グッズ、化粧品」
◆ウェルカムドリンク 「創作農家こすもす」のハーブティ(限定100杯)
◆ベリーダンス「Riim bellydance」(11:30~)
◆読み聞かせ 「文化琴と読み聞かせの会さくら」(13:30~)
◆ストリートピアノ「誰でも自由にひけるピアノ演奏会」随時受付!
時間(10:30~11:20、12:00~13:20、14:10~15:30)
 
【ギャラリー / ワークショップ会場】
◆JASMINE 「ガラ紡糸やモチーフを自由に飾り付けて作る」
随時受付!(参加費300円~1,500円) ①コースター②ランチョンマット③ミニトート
 
◆澤田麟太郎 「紐づくりで土器をつくろう!」
10:30~ / 13:00~(参加費1,000円 各回5組 受付20分前から)
 
◆mao 「雑貨と似顔絵の販売」
随時受付!( 似顔絵 1人1,000円、2人1,500円)
 
◆大槌ジビエソーシャルプロジェクト
随時受付!(簡単キーホルダー500円、三つ編みキーホルダー1,500円)
 
【スタジオA】
◆KIKI DANCE SCHOOLのダンス体験レッスン
AM こどもクラス / PM 大人クラス(参加費500円 受付20分前から)
 
【広場】
◆松坂商店の駄菓子とおもちゃ
◆館長の手づくり縁日
◆キッチンカー「HAPPIECE COFFEE」(釜石)、「竹松や」(山田)、「和み餃子」(岩泉)
 
TETTO Open Festa 2022「きっとてっと」-チラシ裏

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

主催等

【主催】釜石市民ホールTETTO
【協賛】株式会社エクシング(カラオケ)

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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震災復興へ願い込め、グリーンベルトに桜植樹 釜石市民「かけがえのない故郷の風景を」

グリーンベルトに桜の苗木を植える地域住民

グリーンベルトに桜の苗木を植える地域住民

  
 東日本大震災の津波で被災した釜石市東部地区、釜石港周辺に築造された盛り土避難路(通称・グリーンベルト)に10日、桜の木が植えられた。市と釜石に桜を植える会(中川淳会長、会員17人)が植樹会を開き、市民ら約60人が参加。まちの復興と震災の風化防止を願い、「きれいに咲いた桜並木を歩く日」を想像しながら、協力し合って作業に励んだ。
  
 グリーンベルトは、港湾労働者や港周辺にいる人が津波発生時に、いち早く高台の避難場所まで安全に避難できるようにする堤状の盛り土緑地。普段は市民の散歩コースになるなど、憩いの場としても利用されている。
  
 セレモニーで、野田武則市長は「桜をめでながら散策を楽しんだり、地域の人に喜ばれる場に。いざという時に人と地域を守る場でもあることを忘れないでほしい」とあいさつ。代表者13人が、エドヒガンザクラを記念植樹した。
  
桜の苗木を記念植樹する野田武則市長ら

桜の苗木を記念植樹する野田武則市長ら

  
釜石に桜を植える会メンバーらも記念植樹

釜石に桜を植える会メンバーらも記念植樹

  
 その後、参加者は手分けして植樹。エドヒガンのほか、ジンダイアケボノ、ヤエザクラ、ヤエベニシダレザクラの4種計80本の苗木を植えた。枝には、参加者の名前を書いた木札を結び付けた。「桜もみんなも元気になりますように」「きれいな花を見せて。会いに来ます」。桜の成長に込めた思いや願いをつづった。
  
子どもも大人も協力し合って作業に励んだ

子どもも大人も協力し合って作業に励んだ

  
名前や願いをつづった木札を結びつけた

名前や願いをつづった木札を結びつけた

  
 丁寧に作業を進めていた野田町の佐々木ヨネ子さん(77)は「丈夫に育ってほしい。花が咲いた頃、歩くのが楽しみ」と期待。初対面の子どもたちとの交流も楽しんだ様子で、「みんなが笑顔で集える場になればいいね」と待ち望んでいた。
  
「未来の釜石を桜の里に」と願いを込めた植樹会の参加者

「未来の釜石を桜の里に」と願いを込めた植樹会の参加者

  
 釜石に桜を植える会は2013年に発足。復興のシンボルとして桜を植え、未来の遺産とすることを目的に活動してきた。全国から多くの苗木や支援金が寄せられ、これまでに市内の津波被災地区や老人福祉施設、公園などに1000本超を植えた。グリーンベルトには16年に70本余を植えたが、シカの食害で残ったのは数本。この植樹会を前に約40本を追加で植樹した。今回は、幹にテープを巻き付けるなど食害防止の対策も施した。
  
 古里を離れ北海道函館市で暮らす中川会長は「震災で色彩を失った故郷の懐かしい風景をよみがえらせたい。植えるのは始まり。手をかけ育ち、咲いた花を見て豊かな心をほころばせてほしい。この桜並木が、新しい時代を生きていく人々のかけがえのない故郷の風景になるだろう」とメッセージを寄せた。