釜石SW 格上・静岡と2年ぶりに交流試合 新戦力活躍で3トライ 防御の課題確認
『黄金の國、いわて。』presentsともだちマッチ2022 釜石SW(赤)―静岡ブルーレヴズ=釜石鵜住居復興スタジアム
NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは11日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、同1部の静岡ブルーレヴズと交流試合を行った。東日本大震災後の釜石支援を機に交流を続ける両チームの対戦は2年ぶり。格上の静岡相手に釜石は3トライを挙げたが、地力で勝る静岡の猛攻を受け、19-59(前半7-38)で敗れた。
釜石にとっては今季のプレシーズンマッチ2戦目、初のホーム戦となり、約1千人が客席を埋めた。今季、17人の新加入選手を迎えた釜石は、先発7人が新加入。前半、攻撃のペースをつかめず、防戦一方の釜石は、静岡に6トライを奪われるなど苦しい展開となった。終了間際の40分、敵陣22メートルライン内にボールを持ち込んだ釜石は、新加入のCTB石垣航平が強力な突破で相手を振り切り中央にトライ。SO中村良真のゴールも決まって、7-38で前半を折り返した。
前半40分、釜石はボールを持ったCTB石垣航平が力強く前進しトライ。初得点を挙げた
後半開始直後の2分、釜石は石垣のパスを受けた新加入のWTB阿部竜二が絶妙なキックでボールを前に運び、自ら拾って左サイドから回り込んで中央にトライ(ゴール成功)。14-38とした。18分には相手ペナルティーで得たボールを敵陣5メートルラインからSH村上陽平が右に展開。SO中村、ロック/タタナ・ダラスとつなぎ、ダラスが右隅にトライ(ゴール失敗)。19-38と点差を縮めたが、その後は得点に至らず、さらに3トライを重ねた静岡に19-59で敗れた。
後半18分、相手タックルをかわしトライを決めた釜石のロック/タタナ・ダラス(左)
トライを決めた石垣、ダラスは今季、宗像サニックスブルースから移籍(ダラスは2018年以来の釜石復帰)。紫波町出身の阿部は今春、関東学院大を卒業し入団した。試合後の記者会見で石垣選手は「攻めきれない場面が多かったが、ディフェンス、アタックともに前に出ることを意識した。応援してくれる地域の方々のためにもっと頑張りたい」と意を強くした。
須田康夫ヘッドコーチ、小野航大主将は、静岡の激しいブレイクダウン、セットプレーでプレッシャーを受け失点を重ねたことを反省点としながらも、「自分たちがボールを持ち、やりたいことをできた時間帯は通用している感覚があった。そういう時間をどれだけ長くできるかが今後の課題」とし、ディフェンスの修正、集中力の維持など改善点を示した。
小野主将は震災後、交流試合を継続してくれている静岡に感謝。「トップレベルを感じられる機会。近い将来、このグラウンドで(静岡と)公式戦をできるよう、一刻も早く1部に上がりたいという思いが強くなった。チームとして共有し、やっていければ」と願った。
観客の前で健闘をたたえ合う釜石、静岡の選手ら
震災を機に結ばれた両チームの絆はさらに強く…
釜石SWのプレシーズンマッチ3戦目は今月25日。同スタジアムで、トップイーストリーグの船岡自衛隊ワイルドボアーズと対戦する(観戦無料)。
釜石新聞NewS
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