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災害対応の現場を知る!釜石商工高電気電子科 非常時につながる漁業無線 役割学ぶ

モールス信号を打ちながら震災時を振り返る東谷傳局長(右)

モールス信号を打ちながら震災時を振り返る東谷傳局長(右)

  
 東日本大震災発生時、「地域の命綱」として漁業無線が活躍した―。非常時につながる漁業無線の役割を学ぼうと、県立釜石商工高(伊東道夫校長、生徒201人)の電気電子科1年生(10人)は13日、釜石市大平町の釜石漁業用海岸局(通称・釜石漁業無線局)を見学した。釜石局は震災時に避難者を収容する一方、通信と中継機能を生かし、迅速で正確な情報発信を重ねて災害対応に貢献。東谷傳(つたえ)局長(67)は当時の緊迫した状況を振り返りながら、「通信障害がいつ起こるか分からない。あらゆる手段の想定を」と伝えた。
  
震災発生当日の無線局の対応を伝える東谷局長

震災発生当日の無線局の対応を伝える東谷局長

  
 「どう命を守るか、考えるきっかけにしてほしい」。大きな受信機が並ぶ通信室で東谷局長が講話した。当時の津波映像や釜石局が発した非常通信情報の音声記録を流し、モールス信号を打ちながら緊迫した状況を再現。「当時の電波法で、無線局同士の連絡はご法度。違法性の懸念を局員に指摘されたが、覚悟の通信だった」と振り返った。
  
 電話回線が不通となる中、国際遭難周波数を使い、千葉、茨城、青森、大船渡と連絡設定。千葉、茨城を通じて県庁との連絡手段を確保した。日没後、海抜70メートルの高台に位置する局舎には自家発電の明かりを頼りに住民らが避難。東谷局長は市内の状況を県に伝えた後、局の近くにある同校に残った生徒、教職員、住民らの名簿を確認し、他県の無線局を経由して安否情報などを県庁に送信した。
  
 1933(昭和8)年の三陸大津波の際も同様の通信が活躍したことも紹介し、「アナログの無線通信は、非常時に通信が途絶した際、その通信網を補完するために活用できる可能性がある」と強調。最近、発生した通信大手の大規模通信障害に触れ、「通信障害はいつ起こるか分からない。あらゆる手段の活用を想定し、日ごろから備えることが大切」と説いた。
 
メモを取りながら大震災の活動を学ぶ釜石商工高生

メモを取りながら大震災の活動を学ぶ釜石商工高生

  
大きな送信機が並ぶ局内も見学した

大きな送信機が並ぶ局内も見学した

  
 村上颯人君は「焦ったと思うが、しっかり情報を伝えられたのはすごい。災害時に使える無線はこれからも必要になる」と実感。震災当時は小さかったが、津波の怖さは感覚として残っているといい、「備える大切さを伝えたり、命を守るため自分たちにできることを考えたい」と意識を高めた。
  
 同校の復興教育の一環。地元で行われた災害対応について学び、地域の復興・発展を支える人材の育成を目的にする。電気や電子という専門分野に関する興味・関心、学習意欲を高めてもらう狙いも。14日には2年生(14人)が釜石局を見学した。
  
釜石漁業用海岸局の外観

釜石漁業用海岸局の外観

   
 釜石局は1929(昭和4)年に開局。釜石無線漁業協同組合が管理し、県知事と同組合の二重免許を受ける。職員は5人。主に釜石地域に所属する大型漁船(遠洋マグロ船など)40隻、小型漁船(イカ釣り船など)180隻と通信。漁船の動静確認などを毎日行っている。釜石局を示す信号符字は「JFT」。

釜石手仕事マルシェ

釜石手仕事マルシェ

釜石手仕事マルシェ

 

岩手県を中心とした各地から、雑貨・小物や植物、そして食にまつわる作家が32店舗、大集合!
1日かぎりのクラフトマルシェ。テーマは「岩手暮らしのときめきと、出会う。」

 

ジェラートキッチンカーでは釜石の素材をつかった様々なジェラートと冷たいドリンク、そしてキッズスペースでは工作ワークショップをお楽しみいただけます。ぜひ、ご家族で、お友達と、デートに、お越しください。

 

出店者紹介は、釜石青年会議所Instagram をご覧ください。
https://www.instagram.com/jc_kamaishi/

日時

7月24日(日)11時〜17時
※入場無料/雨天決行

場所

釜石市民ホールTETTO ホール前広場(アーケード部分)

内容

クラフトマルシェ、キッズスペース、ジェラートキッチンカー

主催

一般社団法人釜石青年会議所
共催:株式会社かまいしDMC
後援:釜石市

お問い合わせ

釜石青年会議所Facebookページをご利用ください。
https://www.facebook.com/kamaishi.jc/

株式会社かまいしDMC

株式会社かまいしDMC

釜石の地域DMOとして、地域外からの観光客や繋がり人口の増加と、地域商社として釜石の特産品を域外で販売していくのがミッションです。

問い合わせ:TEL 0193-27-5260 / 〒026-0012 岩手県釜石市魚河岸3-3 / Mail contact@dmo-kamaishi.com / Web

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震災後初 釜石で待望の裏千家淡交会茶会/石川県の和菓子店 絆の岩手支援

茶道裏千家淡交会岩手支部が釜石市民ホールで開いたチャリティー茶会=10日

茶道裏千家淡交会岩手支部が釜石市民ホールで開いたチャリティー茶会=10日

 
 一般社団法人茶道裏千家淡交会岩手支部(鈴木俊一支部長、500人)は10日、釜石市でチャリティー茶会を開いた。各地持ち回りで続ける茶会は、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催。同市で開くのは2006年以来で、東日本大震災後に新設された市民ホールTETTO(大町)が会場となった。市内外から茶道愛好者ら200人以上が集い、心づくしのもてなしを楽しんだ。
 
 釜石、大槌両市町の会員を中心に約40人が運営にあたり、「薄茶席」と「立礼席」で客人を迎えた。来場者は季節感あふれるもてなしを堪能。日常の疲れを癒やす空間で心安らぐひとときを過ごし、笑みを広げた。
 
 新型コロナの流行が続くことから、会場では感染防止対策を徹底。菓子や茶は運んだお盆から各自受け取ってもらい、使用した茶わんは洗浄後、熱湯消毒。菓子や茶をいただく時だけマスクをはずすよう協力を願った。
 
お盆から茶を受け取る来場者。感染症防止の作法

お盆から茶を受け取る来場者。感染症防止の作法

 
待ち望んだ茶会で心地よい時間を楽しむ=薄茶席

待ち望んだ茶会で心地よい時間を楽しむ=薄茶席

 
 来場者に好評だったのが、子どもたちが担当した立礼席。同市で04年度から続けられる裏千家茶道こども教室の受講生15人と茶道に親しむかまいしこども園の園児6人がお点前とお運びで、日ごろの稽古の成果を発揮した。小学1年時から同教室に通う横田楽君(甲子中1年)は一席目でお点前を披露。「いつもよりすごく緊張した」と言いつつも堂々とした所作を見せ、さまざまな人たちと接することができる貴重な場から学びも得ていた。
 
立礼席で薄茶点前を披露する横田楽君。「おいしいお茶を」と真剣そのもの

立礼席で薄茶点前を披露する横田楽君。「おいしいお茶を」と真剣そのもの

 
「お茶をどうぞ」。涼しげな浴衣姿でもてなすこども教室の生徒

「お茶をどうぞ」。涼しげな浴衣姿でもてなすこども教室の生徒

 
 盛岡市の山内敦子さん(61)は「素晴らしい時間を過ごさせてもらい、心が洗われるよう。子どもたちのお席もとても良かった。未来への希望が感じられ、うれしくなった」と喜びの表情。震災から11年が経過したまちの様子にも目を向け、「市民の皆さんが前を向き、復興に力を尽くされてきたのだと改めて実感した。これからも応援していきたい」と思いを込めた。
 
 同支部では来場者から寄せられた募金を後日、釜石市と大槌町に寄付する予定。
 

復興支援の絆 今も強く 「和菓子で笑顔を」石川・行松旭松堂 茶会協力で来釜

 
行松旭松堂(石川県小松市)が開いた和菓子作り体験会=9日、青葉ビル

行松旭松堂(石川県小松市)が開いた和菓子作り体験会=9日、青葉ビル

 
 今回、茶会に欠かせない菓子を提供したのは、石川県小松市の老舗和菓子店「行松旭松堂」(1837年創業)。行松宏展社長(51)は震災後、裏千家淡交会岩手支部が沿岸被災地で行ってきた呈茶のボランティア活動に同行し、菓子の提供や和菓子作り体験で被災者を励ましてきた。釜石訪問は今回が初。茶会前日の9日には、市民対象の和菓子作り体験会も開き、市民と交流を深めた。
 
 青葉ビルで3回に分けて開催した和菓子作り体験会には、地元の親子や茶道関係者ら約80人が参加。初夏を代表する花「夏椿」を模した生菓子作りを行った。4色のあん生地が用意され、参加者は花の形に仕上げる作業に挑戦。薄く延ばした白と緑のあんを重ねて花びらの色合いを再現、丸めた茶あんをくるんだ後、茶巾とビー玉で花の形を作った。最後に網でこした黄あんを雌しべに見立て飾り付けた。
 
出来上がりを想像しながら初めての和菓子作りに挑戦!どんな「夏椿」に?

出来上がりを想像しながら初めての和菓子作りに挑戦!どんな「夏椿」に?

 
網目を通した黄色のあんを慎重にすくい上げる

網目を通した黄色のあんを慎重にすくい上げる

 
 伊藤碧泉さん(双葉小5年)は「あんを包むのが難しかったけど楽しくできた。出来栄えは80点ぐらい。おいしくいただきたい」と満足げ。こども教室で茶道を習う姉の珠奈さん(釜石中3年)は和菓子には親しみがあるが、自分で作るのは初めて。「茶席ではいつもきれいなお菓子を出してもらう。今日の体験で、手間をかけて作られていることも知れた。職人さんに感謝したい」と話した。
 
自分で作った和菓子を手にするボーイスカウト釜石第2団の団員

自分で作った和菓子を手にするボーイスカウト釜石第2団の団員

 
 行松社長は2011年6月下旬に初めて本県被災地を訪問。避難所生活を送っていた被災者らと和菓子作りを行った。以来、年に数回の訪問を継続。仮設住宅、復興住宅などへと生活の場を替えていく被災者らに心潤う時間を届け、寄り添い続けてきた。「被災後間もない大変な時期でも、周りの人のことを思い行動する姿に感銘を受けた。岩手の皆さんのやさしさに触れ、自分自身の人生観も大きく変わった。ご縁をいただいたことに感謝しかない」と行松社長。
 
一生懸命作業する子どもを見守る行松宏展社長

一生懸命作業する子どもを見守る行松宏展社長

 
 今回の茶会では、初めて支援に訪れた時に被災者らと一緒に作った生菓子「星に願いを」を提供。「当時の気持ちを思い出し、皆さんがまた願いをかなえられるよう心を込めて作らせていただきたい」と腕を振るった。
 
茶会で提供した「星に願いを」(左)と体験会で作った「夏椿」(右)

茶会で提供した「星に願いを」(左)と体験会で作った「夏椿」(右)

 
 震災から11年―。今なお続く岩手との絆に行松社長は「喜んでくれる人がいる限りは足を運びたい。『忘れてないよ』という思いを伝えていければ」と末永い交流を願った。

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夜の列車でサファリ気分を満喫!? 三陸鉄道 シカ被害逆手に初の運行企画

三陸鉄道が初めて運行した「ナイトジャングルトレイン」=9日

三陸鉄道が初めて運行した「ナイトジャングルトレイン」=9日

 
 生息域・数の拡大で人間の生活領域への進出が目立つ本県のニホンジカ―。衝突事故で列車の遅延や車両故障などの被害を受ける三陸鉄道(石川義晃社長、本社・宮古市)は、この現状を逆手にとった“シカ見学”ツアー列車を発案。9日夜、釜石―大槌間で初運行した。暗闇の中で野生動物を見つける非日常体験に乗客は大興奮。同社社員も驚く盛り上がりを見せた。
 
 若手運転士のアイデアで実現した企画列車は、その名も「ナイトジャングルトレイン」。シカの目撃が多い夕方から夜にかけて運行され、県内外から家族連れなど35人が乗車した。オリジナルヘッドマークを付けた列車は、午後6時45分ごろ、釜石駅を出発。まだ明るさが残る往路から、沿線の草むらでは複数のシカが見られた。
 
シカの顔がデザインされたオリジナルヘッドマークを付けた車両

シカの顔がデザインされたオリジナルヘッドマークを付けた車両

 
「いた、いた!」車窓からシカを見つける乗客

「いた、いた!」車窓からシカを見つける乗客

 
 車内では同社の金野淳一運行本部長が沿線に生息する野生動物について紹介。シカのほかキツネやタヌキ、クマ、キジなどさまざまな種類が見られる一方で、線路への侵入が列車運行に支障をきたしている現状も説明した。ゲストの盛岡市動物公園ZOOMOの辻本恒徳園長はニホンジカの生態について解説。草食のシカが2メートルのフェンスを飛び越えるような筋肉を持つ理由など、興味深い話が乗客を引き付けた。
 
シカの生態について教える盛岡市動物公園ZOOMOの辻本恒徳園長

シカの生態について教える盛岡市動物公園ZOOMOの辻本恒徳園長

 
 すっかり暗くなった復路では、最もシカが多く見られる山間ポイントの両石町水海地内で列車を低速走行。車内の明かりを消して乗客がライトで外を照らすと、目が光るシカの姿が各所で浮かび上がった。子どもも大人もシカ探しに夢中になり、ちょっとしたナイトサファリ気分を味わった。
 
窓を開け、ライトを照らしてシカを探す

窓を開け、ライトを照らしてシカを探す

 
線路沿いの草むらにたたずむニホンジカ=三陸鉄道社員が車内から撮影

線路沿いの草むらにたたずむニホンジカ=三陸鉄道社員が車内から撮影

 
 大船渡市から参加した田村恵佑君(5)は「6匹ぐらい見たよ。シカ、大きかった」と初めての遭遇体験にご満悦。母暢子さん(34)は「大船渡でもシカの出没はあるが、あえて見に行こうとはしないので、こういう機会は新鮮。夜の乗車やライトでシカを探すのも面白かった」と列車ならではの楽しさを実感。「また乗ってみたい」と親子で口をそろえた。
 
 「小さいのから大きいのまで、かなり見ました。人生初の経験」と笑う花巻市の小松義次さん(72)。三鉄社員の苦労やシカの生態など学びも深め、有意義な時間を満喫した。震災前は沿線の鵜住居町に暮らしていたこともあり、「懐かしくてね。車とは違う車窓の景色も楽しめた」と魅力いっぱいのツアーを喜んだ。
 
 同社によると、野生動物と列車の衝突はニホンジカが群を抜いて多く、釜石―宮古間がJRから移管された2019年度は同シカだけで126件と急増(前年度26件)。増加傾向は続き、21年度は最も多い162件の発生があった。線路内への侵入を防ぐネットの設置など対策も講じるが、完全には防ぎきれないのが実情。衝突時の後始末の労力や車両修理費用の負担も大きい。
 
車内では夕食の弁当が提供された

車内では夕食の弁当が提供された

 
大槌駅のホームでは停車時間に豚汁のサービスも

大槌駅のホームでは停車時間に豚汁のサービスも

 
 生態系に必要な野生動物と共存し、同鉄道の利用促進を図る今回のチャレンジ企画。車内での弁当提供、大槌駅での豚汁サービスを含む旅行代金は、いわて旅応援プロジェクトの割引適用で実質2500円。乗客募集には定員(35人)の倍の申し込みがあったという。金野運行本部長は予想以上の乗客の反応に、「こんなに喜んでもらえるとは。次回の開催もぜひ検討していきたい」と大きな手応えを感じていた。

タクシー・運転代行利用キャンペーンのご案内

タクシー・運転代行利用キャンペーンのご案内

タクシー・運転代行利用キャンペーンのご案内

 

釜石市では、夜間飲食店の利用を促進するため、18時~24時に飲食店からタクシー・運転代行を利用した際に、料金の一部を値引きするキャンペーンを7月15日から実施しています。

 

※新型コロナウイルス感染症への対策には十分にご注意いただいたうえで、キャンペーンをご利用ください。

 

キャンペーンチラシ[PDF:714KB]

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 商工業支援係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / Fax 0193-22-2762 / メール
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夏が来た!釜石・根浜海岸海水浴場、海開き―気をつけよう!水難事故 唐丹中生が救助体験

救命艇の乗船体験を楽しむ子どもたち=6日

救命艇の乗船体験を楽しむ子どもたち=6日

  
 釜石市にも夏がやって来た。16日に海開きした鵜住居町の根浜海岸海水浴場では家族連れらが思い思いにマリンレジャーを楽しんでいる。身近にあって、暑い日に「涼」を感じられる海だが、気を付けなければいけないのが水難事故。唐丹町の唐丹中(八木稔和校長、生徒20人)は6日に同海岸で救助体験学習を行い、いざという時に身を守るすべを確認した。海水浴場の開設は8月14日まで(午前10時~午後4時)。事前の備えをしつつ、水遊びを思い切り楽しんでたくさんの思い出をつくろう。
  

中学生、身近な海で起こりうる危険への対処法学ぶ

   
転落者に見立てた人形をすくい上げる唐丹中の生徒=6日

転落者に見立てた人形をすくい上げる唐丹中の生徒=6日

   
 唐丹中の水難救助体験学習は6日、同海岸で行われ、全生徒が参加。講師は地元の一般社団法人「根浜MIND(マインド)」のメンバーが務めた。同法人では、東日本大震災の復興支援で根浜地区を訪れた英国の団体から2016年に贈られた救命艇を使い、夏場を中心に子どもを対象にした海の安全教室や同海岸海水浴場の開設期間中の監視活動などを行っている。
  
岩崎理事長(右)の話に耳を傾ける生徒たち=6日

岩崎理事長(右)の話に耳を傾ける生徒たち=6日

  
 同法人の岩崎昭子理事長(66)から救命艇が贈られた経緯などの説明を受けた後、生徒たちは救命艇に順番に乗船。転落者に見立てた人形を発見したら、▽目を離さず指差し▽ゆっくり近づいてすくい上げる―という救助の流れを体験した。
  
 岩澤優真君(3年)は「船が揺れる中、溺れている人を見逃さないよう、目を離さないようにしなければいけないのが難しい」と実感。英国では民間による水難救助活動(ボランティア)が活発に行われていることを知り、「将来、携われたらいいな」と夢を膨らませた。
  
救助用のロープを投げる練習も=6日

救助用のロープを投げる練習も=6日

  
 もしもの時を想定した浮き身の方法を体験する「浮いて待て」では、生徒数人が服を着た状態で海に入り、全身の力を抜いて手足を広げてあおむけに浮く背浮きに挑戦。岸壁にいる他の生徒たちは、助けを待つ友達に救助用のロープを投げて救い出した。
  
 救助される役となった高橋愛里さん(3年)は「今回はライフジャケットを着用していたから楽に浮くことができた。何もないときは焦ってしまうと思うが、体験することで、いざという時に思い出せる」と知識を深めた。
  
救助体験を通じ交流した唐丹中の生徒と根浜マインドのメンバーら=6日

救助体験を通じ交流した唐丹中の生徒と根浜マインドのメンバーら=6日

  
 釜石版復興教育「いのちの教育」の一環。同校では保健体育の中で、AED(自動体外式除細動器)や応急手当、水の事故対応について学んでいる。今回は救命艇に体験乗船することで海の怖さや楽しさ、水難救助の大切さを知ってもらうのが目的。最後に海岸のごみ拾いを行い、廃棄プラスチックによる海洋汚染の実態を確認する機会にもした。
  
海開き前に砂浜でごみ拾いし環境保全に協力=6日

海開き前に砂浜でごみ拾いし環境保全に協力=6日

  

砂浜再生 2年目の海開き

   
 根浜海岸の海水浴場は16日に海開き。悪天候のため、シーズン中の安全を祈願する神事は中止、海遊びイベントは延期。岩崎理事長は「ワクワクする根浜を楽しんでもらえるよう、地域で盛り上げていきたい」と笑顔を見せる。
  
 東日本大震災の津波で失われた砂浜の再生工事を終え全面開放となって2年目の夏。同法人事務局長の佐々木雄治さん(66)は「砂浜あっての根浜海岸。松林も特徴で、長年親しんだ風景が戻ってうれしい。震災後、『海が怖い』という人もいるが、正しい知識と安全マナーを守れば、安心安全で楽しい場所。多くの人に楽しんでもらえたら」と夏場の客足に期待を込めた。
 

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地域で支える認知症 釜石・鵜住居「チームオレンジ」結成 「お互いさま」「おせっかい」精神で 

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認知症の人をサポートするチームオレンジ・はまぼうふうのメンバー

  
 釜石市鵜住居町で6日、認知症の人やその家族を地域で支援するためのボランティア団体「チームオレンジ・はまぼうふう」が結成された。養成講座などで専門知識を身につけた有志の認知症サポーター31人がメンバーとして登録。「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」を目指し、高齢者サロンや声掛け、見守り活動などを展開する。
  
 チームオレンジは認知症支援のため国が進める施策で、認知症の人やその家族らの困り事ニーズと認知症サポーターを結び付ける仕組み。2025年までに全市町村に設置することを目標に掲げる。オレンジは認知症サポーターを象徴する色。県内では矢巾町と滝沢市で結成されている。
   
 鵜住居町では認知症の住民に寄り添った地域づくりを推進しようと、13年度からサポーター養成講座を開催。高齢者だけでなく、小中学生も対象にし、地域を挙げて認知症の理解促進に取り組んできた。定期的に設けられている地域課題を話す場で、主体的に活動するチーム立ち上げの機運が高まり、19年度からステップアップ講座など追加の研修を重ねてきた。
  
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結成式でチーム体制や活動内容を確認した

   
 同日、鵜住居地区生活応援センターで結成式があり、登録した60~80代の約20人が参加。チーム体制や役割について共有した。活動のシンボルカラーにちなんだリストバンド「オレンジリング」が配布され、早速身に着けたメンバーは認知機能向上に効果があるという「しゃきしゃき百歳体操」に挑戦。映像に合わせて頭と身体の両方を動かす体操で、2つの動作を同時に行うことに苦戦つつ、笑い声を漏らしていた。
 
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サポーターのシンボル・オレンジリングが配布された

  
 団体名には、浜辺に根を張って育つセリ科の多年草「はまぼうふう(ハマボウフウ)」のように活動が地域に広く浸透してほしい―との願いを込めた。日向(ひかた)地区の川崎シゲさん(81)は「自分だけでなく地域には年寄りが多い。『お互いさま』というように見守り合っている。これからも、家族やきょうだいのように接していきたい」と穏やかに話した。同地区では百歳体操で交流を深めるグループが発足していて、活動を継続していく。
  
 「コロナ禍でおせっかいは引っ込めていたが、これからは前向きにおせっかいになろうと思う」。そう話すのは新神町内会長の岩﨑久延さん(73)。約180世帯が暮らすが、ここ数年は地区を挙げた草刈りで2回ほど顔を合わせる程度になっているという。自身の健康、認知症予防のためにも声を掛け合える地域づくりを望んでいて、「積極的に出かけて話し相手を探したい」と意欲を見せた。
 
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活動の参考にと、しゃきしゃき百歳体操を楽しむメンバーら

  
 今年度はメンバーが中心となって町内会単位での啓発活動や介護予防に取り組む。3カ月に1回集まり、取り組み状況や課題を共有。市社会福祉協議会、同センター、市地域包括支援センターが事務局を担い、活動を後押しする。
  
 市地域包括支援センターでは、高齢者らが行方不明になった際の早期発見を目的に、認知症高齢者徘徊(はいかい)SOSネットワーク事業を実施。昨年11月からQRコードラベルを活用した情報共有システム「どこシル伝言板」を導入し、見守りの広がりを期待する。関係者らは「鵜住居限定の小さな活動が先進的な取り組みとなり、市内全域に波及してほしい」と願う。

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愛称は「釜石はまゆりサクラマス」 釜石湾・養殖2季目初水揚げ ブランド化へ期待

釜石市魚市場に今年初めて水揚げされた養殖サクラマス

釜石市魚市場に今年初めて水揚げされた養殖サクラマス

  
 釜石市や岩手大学などが釜石湾で試験養殖するサクラマスが11日、今季初めて釜石市魚市場に水揚げされた。これに合わせ市は、愛称が「釜石はまゆりサクラマス」に決定したことを発表。ブランド化を目指し、発信に力を入れていく。
  
 この日は午前5時すぎに水揚げが開始。平均体長約50センチ、重さ約2キロに育ったサクラマス約4トンが水揚げされた。1キロ当たり800~1380円で取り引きされ、地元の鮮魚店や水産加工業者などが買い取ったという。
  
関係者らが見守る中で水揚げされた養殖サクラマス

関係者らが見守る中で水揚げされた養殖サクラマス

  
水揚げ後すぐ重さによってより分けられた

水揚げ後すぐ重さによってより分けられた

  
 試験養殖は市と同大三陸水産研究センター、釜石湾漁業協同組合、地元水産会社などが研究コンソーシアムを結成して取り組む。2年目の今回は、昨年11月に開始。釜石湾内に設置したいけす1基に、300グラムほどの稚魚約2万尾を入れ、育てていた。
  
作業の様子を見守り、笑顔を見せる関係者ら

作業の様子を見守り、笑顔を見せる関係者ら

  
 管理を担う泉澤水産(両石町)の泉澤宏社長は「水温が低く、成育に時間がかかったが、その分脂乗りがいい魚に育った」と自信を持つ。サクラマスは日本の在来種でなじみもあり、「安定供給し、まずは地元で定着させたい」と意欲的。今季は、前年の2倍の約30トンの水揚げを見込んでいる。
  
愛称は「釜石はまゆりサクラマス」。ブランド化を目指す

愛称は「釜石はまゆりサクラマス」。ブランド化を目指す

  
 愛称は市の花「ハマユリ」にちなんだ命名。水揚げの様子を見守った野田武則市長は「東日本大震災の津波で浜辺に自生するハマユリも被害を受けたが、生き延び、花開いた。そんな力強さに、復興への思いや養殖発展への願いを託した。おいしいサクラマスの発信に力を入れたい」と強調した。釜石湾漁協の佐藤雅彦組合長は「新しい漁業」として養殖に期待。不漁が続く秋サケなどに代わる魚種の確保にもなることを願う。
  
 同センターの平井俊朗センター長は2期目の滑り出しを「順調」とするが、全国的に広がるサーモン養殖の中で「サクラマスは歴史が浅く、発展途上」と指摘する。主流のギンザケ、トラウトサーモンに比べると出荷サイズが一回り小さい、産卵期が早いなどの違いがあり、「より養殖に向いた魚」にするための研究が必要だという。環境に適した種苗づくりも進めていて、「サクラマスならではの生産技術を確立させ、ブランド化に生かしたい」と力を込めた。

 

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広報かまいし2022年7月15日号(No.1788)

広報かまいし2022年7月15日号(No.1788)
 

広報かまいし2022年7月1日号(No.1788)

広報かまいし2022年7月15日号(No.1788)

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【P1】
表紙
【P2-3】
花火大会の開催 他
【P4-5】
タクシー・運転代行利用助成
新型コロナワクチン接種
国保料などの減免 他
【P6-7】
市職員・消防士採用
市有地の分譲
復興まちづくり協議会開催 他
【P8-9】
国保税・後期高齢者医療保険料の改正
保険証を送付します
【P10-11】
春の叙勲
まちの話題 他
【P12-15】
市民のひろば、クマ出没注意
まちのお知らせ
7月19日 更新 P13掲載の「ウクライナ支援チャリティー芸能祭」の連絡先を訂正しました
【P16-17】
保健案内板
【P18-19】
夢へのトライ かまいし起業人
【P20】
ラグビー女子日本代表 テストマッチ 他

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022071100036/
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“先輩”ラベンダー園 橋野町青ノ木のフラワーガーデンは16日から刈り取り体験

ラベンダーの開花時期を迎えた「橋野鉄鉱山フラワーガーデン」=10日

ラベンダーの開花時期を迎えた「橋野鉄鉱山フラワーガーデン」=10日

 

※降雨が予報されており、16日の開催は中止となりました。(7/15追記)
 
 釜石市橋野町青ノ木の「橋野鉄鉱山フラワーガーデン」では、あす16日から3日間、園内に植えられているラベンダーの刈り取り体験を楽しむことができる。橋野町振興協議会(和田松男会長)と栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が共催する夏恒例の観賞イベント。「ラベンダーのさわやかな香りに包まれながら、涼しげな花や周辺の緑豊かな自然を楽しんで」と来場を呼び掛ける。
 
 2015年に同振興協によって整備されたラベンダー畑には、約700株のグロッソラベンダーが育つ。今年は年数を重ねて勢いが衰えた株を取り除き、挿し木や株分けで増やした約200株を新たに植栽。若い株は育成途中のため、畑全体の花の数は昨年より少ないが、春先から剪定(せんてい)をするなど手入れをしてきた株は順調に生育。天候や気温にもよるが、イベント期間中には最も香りを楽しめる6~7分咲きになると見込まれる。
 
刈り取り体験ができるラベンダー畑

刈り取り体験ができるラベンダー畑

 
10日の撮影時は1~2分咲き。晴れて気温が上がれば一気に開花が進む

10日の撮影時は1~2分咲き。晴れて気温が上がれば一気に開花が進む

 
 期間中は、はさみで刈り取ったラベンダーを一束300円で持ち帰ることができる。会場では株分けした苗や地元住民が手作りした匂い袋なども販売される。同振興協のスタッフが花や茎の活用法や苗の育て方をアドバイスする。
 
 畑の手入れを続ける同振興協の小笠原明彦さん(66)は「ラベンダーの香りは寝付きを良くし、深い睡眠を得られることで知られる。他にもさまざまな用途で活用できるので、試してみては」と勧める。
 
2020年の刈り取り体験の様子。いい香りに包まれて…

2020年の刈り取り体験の様子。いい香りに包まれて…

 
 同ガーデンは橋野鉄鉱山インフォメーションセンターの隣にある。刈り取り体験は16~18日の午前10時~午後3時まで受け入れる。花の観賞は時間外でも可能。イベントの問い合わせは、同振興協事務局(TEL090・4639・3225)へ。

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SL銀河お出迎え虎舞(7月〜9月)

SL銀河お出迎え虎舞(7月〜9月)
 
JR釜石線で運行中の「SL銀河」において、釜石駅到着時にホームで郷土芸能「釜石虎舞」を披露しております。
ホームでの披露の後に隣接するシープラザ釜石のイベントステージでも披露する日がありますので、是非、迫力ある虎舞を間近でお楽しみください!

開催日

ホームでの披露日程 ※(2)は2回披露の日
 
7月
2日 平田青虎会(ホーム・シープザラ釜石)
9日 白浜虎舞好友会(ホーム・シープザラ釜石)
16日 只越虎舞(ホーム)
23日 尾崎青友会(ホーム)
30日 錦町虎舞(ホーム・シープザラ釜石)
 
8月
6日 平田青虎会(ホーム)
20日 尾崎青友会(ホーム・シープザラ釜石)
27日 錦町虎舞(ホーム)
 
9月
10日 平田青虎会(ホーム)
17日 錦町虎舞(ホーム)
24日 只越虎舞(ホーム・シープザラ釜石)
 
※天候やコロナの状況等で中止になる場合があります。

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

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「大きく育って、きれいに咲いて」 釜石の子どもたち、ラベンダー植栽 観光農園整備をお手伝い

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整備中の観光農園にラベンダーの苗を植える甲子小児童ら

 
 釜石市が甲子町に整備を進めている観光農園で4日、ラベンダー苗の定植会が行われた。近くにある甲子小(菊池一章校長)の3年生42人が植栽の作業をお手伝い。きれいに花咲く畑が広がる姿を想像しながら丁寧に植えた。
 
 児童のほか、保護者や市水産農林課の職員や市農政推進協議会のメンバーら約30人も参加。児童と大人が班をつくり、協力しながら約1000平方メートルにラベンダーの苗約200株を植え付けた。「土が気持ちいい」と歓声を上げる子どもたち。「大きく育ってね」と定植した苗にたっぷりと水をかけた。
 
市職員らに植え方を教えてもらいながら丁寧に苗を植え付けた

市職員らに植え方を教えてもらいながら丁寧に苗を植え付けた

 
 千葉優那さん(9)は「苗を植えるのは大変だったけど楽しかった。みんなで協力して植えたから、きれいに咲いてくれると思う。心が明るくなり、また来たくなるような観光農園になってほしい」と願った。
 
「大きく育ってほしい」。植えた苗を笑顔で見つめる子どもたち

「大きく育ってほしい」。植えた苗を笑顔で見つめる子どもたち

 
 ラベンダー畑を主とした観光農園の整備は、釜石の姉妹都市ディーニュ・レ・バン市でラベンダー栽培が盛んなことがきっかけ。友好の証しとして栽培を提案され、市民が自然に触れる場をつくろうと2021年度に取り組みをスタートさせた。甲子町の道の駅釜石仙人峠そばの遊休農地を活用し、昨年9月にも約200株を植えており、順調に生育中。市水産農林課の小山田俊一課長はラベンダーで埋め尽くされた畑の姿を思い描き、「多くの人が集える場に。自然のものを育てる楽しみ、癒やしを感じる農園になれば」と期待する。今後も畑を広げながらさらに定植し、3年後のフルオープンを目指す。