先輩社会人から生き方や仕事に対する思いを聞いて職業観を広げた釜石商工生

「自分の道」を考える機会に 釜石商工高でキャリア教育授業・釜石コンパス

先輩社会人から生き方や仕事に対する思いを聞いて職業観を広げた釜石商工生

先輩社会人から生き方や仕事に対する思いを聞いて職業観を広げた釜石商工生

 

 釜石商工高(菊池勝彦校長、生徒234人)で5月27日、社会人との対話交流を通じて将来・進路について考えるキャリア教育授業「Kamaishiコンパス」が行われた。3年生94人が働くイメージや仕事に求める価値観などについて自己理解を深め、高校卒業後の進路を自分の意思で前向きに選択する機会にした。

 

 同授業は釜石市と、市内の高校や民間団体で構成する実行委員会が連携して取り組む高校生のキャリア構築支援事業の一環。生き方やキャリアの多様性を知り、視野を広げてもらおうと、県内外のさまざまな業種の人を講師に招いて毎年実施している。

 

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、今回は市外にいる講師とオンラインでつなぐ試みを導入。消防士、銀行員、市職員ら釜石市内の社会人11人による対面型講座のほか、盛岡市にいる建設業者など3人が講師となるオンライン講座が設けられた。

 

オンライン講座を取り入れて行われた釜石コンパス

オンライン講座を取り入れて行われた釜石コンパス

 

 生徒は関心のある講座を1つ選んで、講師を囲んだり、パソコンやスクリーンの画面越しに意見交換。進路や将来を決めた転機、現在の仕事のやりがいなど質問をぶつけた。

 

 同校では3年生の約7割が就職を希望。ただ、「どんな仕事に就くか」「地元に残るか、外に出るか」など、進む道に迷いを持つ生徒も少なくないという。進路を選ぶ時の考え方について生徒が質問すると、釜石地方森林組合の小林怜央(れお)さん(21)は自己理解の大切さを指摘しつつ、「客観的、周りの人の意見も必要。職場見学に参加すると、知らなかった感動に出合ったり、視野が広がる」と実体験を伝えた。

 

 地元就職を考えているが、職種については決めかねている電気電子科の小山内礼君は「知らない分野の仕事を知る機会になった。就職に有利になるよう、取得できる資格があれば挑戦したい」と刺激を受けた。

 

 今回の授業では、講師と1対1で向き合う時間も設けられた。自分の考えを年上の人に伝える経験をしてもらうのが狙い。機械科の近藤秀哉君は県外就職を心に秘めていたというが、講師の「後悔するよりチャレンジした方がいい」との言葉に背中を押された様子で、「親に思いを打ち明けてみる」と行動に移す勇気を得た。

 

社会人との個別対面に臨んだ生徒。年上の人に考えを伝える力を磨いた

社会人との個別対面に臨んだ生徒。年上の人に考えを伝える力を磨いた

大槌湾に注ぐ鵜住居川河口部に設置された水門。総工費は約190億円。県や市の庁舎から遠隔操作もできる

インフラツアーで津波防災意識向上を~修学旅行生が鵜住居川水門を見学

修学旅行で鵜住居川水門を訪れた鶴岡第四中の3年生

修学旅行で鵜住居川水門を訪れた鶴岡第四中の3年生

 

 東日本大震災から10年が経過し、水門や防潮堤など津波防災インフラの整備が完了する中、現地見学を通じて防災意識を高めてもらうツアーの受け入れが釜石市で始まった。県沿岸広域振興局土木部と県立大総合政策学部が昨年度から行ってきた、津波防災施設の利活用に関する地域協働研究の一環。3月に完成したばかりの「鵜住居川水門」には5月27日、山形県の鶴岡市立鶴岡第四中(遠田良弘校長、生徒340人)の3年生122人が修学旅行で訪れ、津波の脅威や震災の教訓を生かした施設整備、いざという時の避難行動を学んだ。

 

 県職員の案内で水門(長さ180メートル、高さ14・5メートル)の各種設備を見学。津波を防ぐ5ゲート(門)は自動閉鎖システムが導入され、注意報、警報発表時に人工衛星を介して閉鎖の指令が送られること、動き出してから4分で閉まることなど、説明を受けた。職員が定期点検の際に入る機械室では生徒の代表が手動によるゲートの上げ下げを体験。外では他の生徒が動きを見守った。津波体験者の話を聞く時間も設けられた。

 

青いゲートは5つ(1門:幅32メートル、高さ5・17メートル)あり、自動閉鎖システムが導入される

青いゲートは5つ(1門:幅32メートル、高さ5・17メートル)あり、自動閉鎖システムが導入される

 

点検時に入る機械室も見学。職員からは「津波は想定を超える場合も。防御施設を過信せず、注意報が出たら速やかに高台へ」との呼び掛けも

点検時に入る機械室も見学。職員からは「津波は想定を超える場合も。防御施設を過信せず、注意報が出たら速やかに高台へ」との呼び掛けも

 

大槌湾に注ぐ鵜住居川河口部に設置された水門。総工費は約190億円。県や市の庁舎から遠隔操作もできる

大槌湾に注ぐ鵜住居川河口部に設置された水門。総工費は約190億円。県や市の庁舎から遠隔操作もできる

 

 佐藤巧都君は「津波は想像を超えることを判断できないと、自分も周りの人の命も救えない」、五十嵐琉月(るるな)さんは「今日の経験をこれからの人生に生かしていきたい」、阿部千尋君は「復興の様子を家族や知人に伝える。地元でも最近、地震があったので、岩手の人たちの対策を学びたい」と話した。

 

 同校の修学旅行は戦地・沖縄県への訪問を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大で行き先を岩手、秋田両県に変更。これまで続けてきた命の学習を生かす形で、震災被災地・釜石市を訪れた。生徒らは、震災前に小・中学校があった釜石鵜住居復興スタジアムも訪れ、当時の児童生徒がとった避難行動も学んだ。遠田校長(59)は「身近に危険が迫った時、すぐ行動できる人になってほしい。いかに日常的に意識し備えておけるか。若者の率先した行動は地域の命を守ることにつながる」と生徒に期待した。

 

水門と連結する「片岸海岸防潮堤」の広場からゲートの動きを確認する生徒

水門と連結する「片岸海岸防潮堤」の広場からゲートの動きを確認する生徒

 

 県と同大は震災の復旧復興事業で整備された津波防災施設の活用策として、防災意識の普及につながる「インフラツーリズム」に着目。観光事業を手がけるかまいしDMCの協力を得て、修学旅行生の受け入れから開始した。今後、生徒らのアンケートも参考にしながら持続的実施に向けたプログラム化を図る。

 

 同大の三好純矢講師(32)は「インフラ見学の魅力を明確に打ち出し、地域住民や一般旅行者にも足を運んでもらえるよう体制を整えたい。震災の風化は避けられないが、実際に現地に来て肌で感じてもらうことで、防災意識の向上にもつながっていくと思う」と今後の展開を見据えた。

新たな観光コンテンツとして期待が高まるサイクルツーリズム。電動自転車は坂道も楽に上がることができる

電動自転車で巡る栗橋ツーリズム構築へ 7月の本開催に向け試走会

電動自転車で橋野町古里地区を走行する試走会参加者

電動自転車で橋野町古里地区を走行する試走会参加者

 

 豊かな自然や歴史的価値の高い遺産が数多く点在する釜石市栗橋地区(栗林町、橋野町)の新たな観光スタイル構築へ、移動手段に電動自転車を用いるサイクルツーリズムの可能性を探る取り組みが始まった。5月26日、事業化を目指す団体、みちのくソレイユ(福田学代表)と釜石観光物産協会(澤田政男会長)がモニターによる試走会を実施。7月の本格開催に向け、課題を探った。

 

 この取り組みは、世界遺産「橋野鉄鉱山」に至るルート周辺の魅力的なスポットに目を向け、同地区の観光振興につなげようと発案。二次交通が少なく、大型バスの停車も厳しいアクセスの弱点を補うべく、小回りが利き、坂道走行の負担が少ない電動自転車に着目した。

 

 試走会には観光分野を担当する県や市の職員など9人が参加。4台の自転車で鵜住居駅を出発し、栗橋地区の名所8カ所を巡る約5時間半のコースを体験した。自転車に乗る人は最大4人まで双方向通話が可能な無線機能付きヘルメットを着用。三陸ジオパーク認定ガイドの資格を持つ福田代表が先頭を走り、走行中のガイドを務めた。今回は試験的に、釜石観光ガイド会事務局長で、栗林が地元の藤原信孝さんによる各スポットでの説明も行われた。

 

三浦命助没後100年にあたる1963年に栗林町民によって建立された石碑。裏山に命助の墓もある

三浦命助没後100年にあたる1963年に栗林町民によって建立された石碑。裏山に命助の墓もある

 

釜石観光ガイド会の藤原信孝さん(左)から石碑の説明を受ける参加者

釜石観光ガイド会の藤原信孝さん(左)から石碑の説明を受ける参加者

 

 試走会で立ち寄ったのは、市指定文化財の3巨木・明神かつら(栗林)、上栗林のサクラ、古里の御神楽スギ(橋野)、江戸時代に過酷な取り立てに苦しむ村民救済に奔走した古里嘉惣治・小屋野十三郎(橋野)、幕末最大の三閉伊一揆を率いた三浦命助(栗林)の両顕彰碑、交通の難所「つるぎ」の道路開削に尽力した牧庵鞭牛和尚の功績を示す石碑群、同文化財で岩手の景観賞を受賞している「瀧澤神社奥の院と沢桧川」。いずれもパンフレットで紹介されているものの、実際に足を運ぶ人が少ない場所だ。

 

栗林町に自生する釜石市指定文化財(1973年指定)の巨木「明神かつら」

栗林町に自生する釜石市指定文化財(1973年指定)の巨木「明神かつら」

 

1995年に岩手の景観賞を受賞した「瀧澤神社奥の院と沢桧川」。2007年には市の文化財に指定されている

1995年に岩手の景観賞を受賞した「瀧澤神社奥の院と沢桧川」。2007年には市の文化財に指定されている

 

 試走後の意見交換会では、風を切って進む自転車ならではの爽快感、景観の素晴らしさなど80%以上の満足度が示された一方、ツアー商品化する際の検討課題として料金設定、雨天時の代替メニュー、未舗装路の安全対策、ガイドの仕方などに意見が出された。

 

 ガイド会の藤原事務局長(72)は、豊富な地域資源を効果的に生かす方策として「鉄の道、遠野物語の民話の舞台、郷土の偉人、山里の自然―など客の希望に合わせたコースメニューが必要では」とアドバイス。市商工観光課の二本松史敏主幹(52)は「地元にあるものを再発見できる楽しみがある。まずは市民に利用してもらい、発信力を高めては」と話し、民間主導の取り組みに期待を寄せた。

 

新たな観光コンテンツとして期待が高まるサイクルツーリズム。電動自転車は坂道も楽に上がることができる

新たな観光コンテンツとして期待が高まるサイクルツーリズム。電動自転車は坂道も楽に上がることができる

 

 これまで箱崎半島などの自転車ツアーを企画してきた福田代表(44)は、栗橋コースの優位性について「地域住民が大事にしている場所が多い。参加者と地元の人をつなぐ方法も考えていければ。関係団体と連携しながら、持続可能な仕組みを作りたい」と話した。

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

旧釜石二中跡地に「大天場運動広場」完成 1日から供用開始

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

 

 釜石市は、中妻町の旧昭和園グラウンドに替わる運動施設として、八雲町の旧釜石第二中跡地に「大天場運動広場」を整備。1日から供用を開始した。防球ネットや夜間照明を備えた多目的グラウンドは無料開放され、市民の体力・健康維持や競技団体の練習場など有効活用に期待が寄せられる。

 

 同広場は、市の都市公園「大天場公園」の一部だった旧昭和園グラウンドの機能復旧を目的に、旧釜石二中跡地を代替用地として整備された。面積約5500平方メートルの多目的グラウンドには、コの字型に防球ネット(高さ8~10メートル、延長208メートル)を設置。午後9時まで使用可能な照明13基も備えた(照明使用は市への申請が必要)。グラウンド北側にはトイレ棟、地域の集会所としても利用される詰所、駐車場(23台)を配置した。工期は2020年4月~21年5月。事業費は約2億1700万円。山長建設(山﨑寛代表取締役)が施工した。

 

かけっこ、ウオーキング、球技など多目的に利用できるグラウンド。水はけも良好

かけっこ、ウオーキング、球技など多目的に利用できるグラウンド。水はけも良好

 

グラウンドの周りには防球ネット、夜間照明、ベンチなどが設置された

グラウンドの周りには防球ネット、夜間照明、ベンチなどが設置された

 

運動広場の完成を喜ぶ供用開始式典の出席者=1日

運動広場の完成を喜ぶ供用開始式典の出席者=1日

 

 1日に行われた供用開始式典には、市や地元町内会の代表ら約20人が出席。野田武則市長は「市民に広く周知し、多くの人に親しまれ、活用される場所にしていきたい」とあいさつ。八雲睦会、大天場公園愛護会の木下義男会長に詰所の鍵が、市体育協会の下村恵壽事務局長にグラウンド入り口の鍵が引き渡された。

 

 旧昭和園グラウンドは、製鉄所従業員の労働環境整備の一環で1930年に開場。地域に開かれた運動場として多くの歴史を刻んできた。2011年の東日本大震災後は仮設住宅用地(118戸)となり、現在は釜石警察署が立地する。一方、06年に閉校した旧釜石二中は震災後、体育館が遺体安置所になった。校舎・体育館は13年に解体。校庭には11年に同警察署の仮設庁舎が建設され、現庁舎に移転する19年まで業務を続けた。

 

旧釜石二中の校舎。2013年に解体された

旧釜石二中の校舎。2013年に解体された

 

 八雲地区親交会の西村晴夫会長(79)は「子どものころから親しんできた昭和園グラウンドがなくなるのは寂しかった。家族全員の母校である二中跡地も思い出の場所。高齢化が進む地域にとって、グラウンドは住民の健康増進に役立つ。ここは海抜19メートルあり、津波避難場所としても活用できる」と喜んだ。

 

 グラウンドは誰でも自由に利用できるが、スポーツ大会など独占使用を希望する場合は市都市計画課に問い合わせてほしいとのこと(市都市公園条例に基づき、使用料が発生する場合あり)。詰所は地元町内会が管理する。問い合わせは市都市計画課管理係(電話0193・27・8435)へ。

かまいし軽トラ市

かまいし軽トラ市

かまいし軽トラ市

 

\釜石の“美味しいモノ”大集結!!/

 

釜石市では、市内産農産物・加工品等の販売を行う「かまいし軽トラ市」を開催します。各店舗で購入した際にもらえるスタンプを集めると、景品がもらえるスタンプラリーも実施します。釜石の“美味しいモノ”が大集結した軽トラ市にぜひお越しください。

開催日時・場所

6月から11月までの期間、月1回(日曜日)開催
開催時間:9:00〜11:00(各回共通)
 
第1回 6月20日(日) 釜石市民ホールTETTO前広場
第2回 7月25日(日) うのすまい・トモス前広場
【開催中止】第3回 8月22日(日) 釜石市民ホールTETTO前広場
【開催中止】第4回 9月19日(日) うのすまい・トモス前広場
第5回 10月24日(日) 釜石市民ホールTETTO前広場(釜石市役所前駐車スペースより場所変更)
第6回 11月14日(日) 釜石市民ホールTETTO前広場
 
※新型コロナウイルス感染症対策として、マスク着用・手指消毒・会場での検温にご協力をお願いします。
※市内の感染状況によっては、中止とする場合があります。

出店申し込み

詳しくは釜石市公式サイトをご覧ください。
令和3年度「かまいし軽トラ市」を開催します – 釜石市

 
農産物以外の出店申込については、(一社)釜石観光物産協会 にて受け付けております。
TEL 0193-27-8172

主催・共催

主催:釜石市
共催:(一社)釜石観光物産協会、(株)かまいしDMC

問い合わせ

釜石市産業振興部水産農林課
TEL 0193-27-8426

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

親子で仲良く田植え作業。貴重な思い出の1ページ

2年ぶりの田植えに笑顔~「浜千鳥酒造り体験塾」スタート~

親子で仲良く田植え作業。貴重な思い出の1ページ

親子で仲良く田植え作業。貴重な思い出の1ページ

 

 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)が行う酒造り体験塾の第1弾、田植え体験会が5月30日、大槌町の契約農家、佐々木重吾さん(64)の田んぼで開かれた。新型コロナウイルス感染防止策を講じて2年ぶりの開催。釜石・大槌地区を中心に親子連れなど約90人が参加し、1部と2部に分けて酒米「吟ぎんが」の苗を植え付けた。体験塾は24年目を迎える。

 

 昨年はコロナ対策の一環で、希望者に苗を配り自宅のバケツで育ててもらう代替企画を行ったため、田んぼでの田植え体験は一昨年以来。例年、団体参加するボーイスカウト釜石第2団の隊員30人は、個人参加者が到着する前に作業。その後、家族で申し込んだ人たちなどが例年より短い約1時間の作業で、7アールの田んぼの半分ほどまで植え付けた。

 

作業が進むにつれ、青苗の列がきれいに並ぶ田んぼ

作業が進むにつれ、青苗の列がきれいに並ぶ田んぼ

 

あぜから放られた苗の束をナイスキャッチ!!

あぜから放られた苗の束をナイスキャッチ!!

 

 同市上中島町の鈴木さゆりさん(33)は昨年度、同塾の仕込み、しぼり体験に参加。「今年は田植えから」と、小学1年になった愛娘あやなさん(6)を連れて訪れた。あやなさんは「泥があったかくて気持ち良かった。稲がいっぱい大きくなるといい」と期待。さゆりさんは「ぬかるみに足をとられるのも面白かった。この米でできたお酒を飲むのが楽しみ。娘には米づくりの過程も知ってほしい。なかなか体験できないので」と稲刈りへの参加も望んだ。

 

 同社が大槌産酒米で酒造りを始めたのは2003年から。佐々木さんが会長を務める大槌酒米研究会(9人)は今年、昨年並みの計約20ヘクタールを作付けする。昨年は収穫した酒米約78トン(精米して55%が原料になる)を同社に供給した。今では同社が使う米の約40%が大槌産吟ぎんがで、「ゆめほなみ」や「純米大吟醸」など10銘柄に使われる。

 

田植えを頑張った〝証し〟泥の付いた手を広げ、記念写真に収まる参加者

田植えを頑張った〝証し〟泥の付いた手を広げ、記念写真に収まる参加者

 

 新里社長は「大槌産の米で造る酒は認知度も上がってきた。研究会には品質の高い米を毎年作っていただき、仕込んだ酒は賞も取っている」と感謝。順調にいけば、10月には仕込みが開始される。体験塾の第2弾、稲刈りは10月初旬に行われる予定。

こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

バラが咲き誇る庭へようこそ 釜石・甲子町オープンガーデン「陽子の庭」

こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

 

 約120種類のバラを中心に、季節の花や緑を楽しめるオープンガーデンが、釜石市甲子町洞泉の民家で開かれている。約700坪ある自宅庭を「陽子の庭」として開放しているのは、菊池秀明さん(73)、陽子さん(74)夫妻。「今年も頑張っちゃいました。ふらっと気楽に寄ってください」と公開6年目の庭の鑑賞を呼び掛けている。10日まで。

 

釜石自動車道を望む高台にある「陽子の庭」は開放感も抜群

釜石自動車道を望む高台にある「陽子の庭」は開放感も抜群

 

 咲き始めと開花後の花色が大きく変わる品種の代表格と言われる「チャールストン」、深いピンク色の中輪花を長く楽しめる「プリンセス・アン」、とげのないしなやかな枝に小花を多数咲かせる「春風」―さまざまなバラが今年も開花。サツキなど開花を迎えた花々との競演も見所の一つになっている。

 

 庭は10年ほど前から夫婦で、こつこつ手作り。ツツジなどで彩った日本庭園、華やかに咲き誇るバラと可憐に咲く野の花が混植されたイングリッシュガーデンなど和洋それぞれの雰囲気を楽しめる庭がある。昨年からは約50本のバラを集めたバラ園がお目見え。庭を一望できる「見晴らし台」もあり、高台からは周囲に広がる自然風景と合わせ、釜石自動車道を行き交う車の流れなど街の様子も見ることができる。

 

バラと草花の競演を楽しむことができるイングリッシュガーデン風の庭

バラと草花の競演を楽しむことができるイングリッシュガーデン風の庭

 

 菊池夫妻は「一年、手を掛けてきた結果を自分たちだけで楽しむのはもったいない。花それぞれに良さがあり、たくさんの人たちと共有したい。好きな花を見つけて、ゆったり過ごしてもらえたら」と笑顔を重ねる。

 

 見学時間は午前9時から午後4時まで。入場無料。5日にはmia&リアスバンドによるミニコンサート、6日は水晶でできた楽器クリスタルボウルの演奏会を予定する。各日とも午前11時から。問い合わせは菊池さん(電話0193・27・2141)へ。

福祉の森で開かれた山野の鳥観察会。参加者は緑生い茂る空間で鳥の観察を楽しんだ

自然の豊かさから環境保全を考える~鳥の鳴き声に耳済ませ、福祉の森で観察会

福祉の森で開かれた山野の鳥観察会。参加者は緑生い茂る空間で鳥の観察を楽しんだ

福祉の森で開かれた山野の鳥観察会。参加者は緑生い茂る空間で鳥の観察を楽しんだ

 

 6月は「環境月間」。環境保全に関心と理解を深め、保全活動に対する意欲を高めることを目的にする。環境に配慮することが大切であることは分かっていても、日常の中で意識し続けるのは簡単ではない。

 

 住宅地のすぐそばに森が広がるまち、釜石市。海のイメージが強いが、実は9割が山林で緑豊かな地域。耳を澄ますと、さまざまな鳥の鳴き声が聞こえてくる。ふと見上げた空には悠々と鳥が飛んでいたり、電線や屋根の上にあるテレビアンテナ、庭に植えた木々などで鳥たちが休息していたり。自然の豊かさを身近に感じることができる。

 

 そんな身近な自然に理解を深める観察会が5月16日、甲子町大畑の福祉の森で開かれた。テーマは「山野の鳥」。多彩な鳥を観察することで環境保全について考えてもらおうと、市生活環境課が主催した。

 

 市内から約20人が参加した。釜石野鳥の会(臼澤良一会長)の会員6人を案内役に、参加者は双眼鏡を片手に森の中を散策。鳥の鳴き声に耳を澄ませ、声がする方向に双眼鏡を向けると、高木の枝に止まる鳥の姿を見ることができた。

 

双眼鏡をのぞき込んで鳥の姿を確認。図鑑と照らし合わせ、名前や特徴を学んだ

双眼鏡をのぞき込んで鳥の姿を確認。図鑑と照らし合わせ、名前や特徴を学んだ

 

 午前10時すぎから1時間余りの観察で、鳴き声だけ聞こえたものも含め16種類を確認。シジュウカラ、ヤマガラ、アオゲラ、セグロセキレイなど多様な鳥が姿を見せ、会員らは「多くの種類が見られるほど、自然が残っている、豊かな証拠」と強調した。

 

 生き物が大好きな松田翔希君(甲子小5年)、駿希君(同1年)兄弟は「いろんな鳥が見られて楽しかった」と満喫。父智行さん(51)、母真帆さん(45)は「こんな近くに十何種類も鳥がいるとは驚き。それぞれの特徴を教えてもらいながら散策を楽しめた。地域を知る機会になった」と話した。

 

祉の森を抜けた住宅地付近でも鳥の姿を発見。地域にある自然の豊かさを感じた

福祉の森を抜けた住宅地付近でも鳥の姿を発見。地域にある自然の豊かさを感じた

 

 同課では冬時期に海のそばで野鳥観察会を実施。今後も年2回程度、自然に親しむ機会を設ける考えだ。

 

 自分たちが暮らす地域で耳を澄ましてみると、新たな発見があるかもしれない。野鳥観察のような自然の楽しみ方を生活に取り入れ、地域環境について定期的に思い起こす機会にしてみては―。

広報かまいし2021年6月1日号(No.1761)

広報かまいし2021年6月1日号(No.1761)

広報かまいし2021年6月1日号(No.1761)

 

※本号は、新型コロナワクチンに関するお知らせを折り込んでおります。
高齢者のいる世帯では、内容を十分に確認し、接種が完了するまで大切に保管するようお願いします。
別冊_新型コロナワクチン接種[PDF:650KB]

 

広報かまいし2021年5月15日号(No.1760)

広報かまいし2021年6月1日号(No.1761)

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【P1】
災害時の避難情報の変更について

【P2-3】
東京2020聖火リレーについて
ラグビー人財の募集について ほか

【P4-5】
大天場運動広場・片岸公園の供用開始について

【P6-7】
大町地区津波避難経路の完成について
結婚新生活補助金・結婚新生活スタートアップセミナー 
かまいし学生エール便

【P8-9】
各種U・Iターン向け補助金
しごと・くらしサポートセンターのリニューアルについて ほか

【P10-11】
まちのお知らせ ほか

【P12】
かまいし軽トラ市の開催について
サンドウィッチマン ライブツアー釜石公演 ほか

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021052600084/
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