自然の豊かさから環境保全を考える~鳥の鳴き声に耳済ませ、福祉の森で観察会
福祉の森で開かれた山野の鳥観察会。参加者は緑生い茂る空間で鳥の観察を楽しんだ
6月は「環境月間」。環境保全に関心と理解を深め、保全活動に対する意欲を高めることを目的にする。環境に配慮することが大切であることは分かっていても、日常の中で意識し続けるのは簡単ではない。
住宅地のすぐそばに森が広がるまち、釜石市。海のイメージが強いが、実は9割が山林で緑豊かな地域。耳を澄ますと、さまざまな鳥の鳴き声が聞こえてくる。ふと見上げた空には悠々と鳥が飛んでいたり、電線や屋根の上にあるテレビアンテナ、庭に植えた木々などで鳥たちが休息していたり。自然の豊かさを身近に感じることができる。
そんな身近な自然に理解を深める観察会が5月16日、甲子町大畑の福祉の森で開かれた。テーマは「山野の鳥」。多彩な鳥を観察することで環境保全について考えてもらおうと、市生活環境課が主催した。
市内から約20人が参加した。釜石野鳥の会(臼澤良一会長)の会員6人を案内役に、参加者は双眼鏡を片手に森の中を散策。鳥の鳴き声に耳を澄ませ、声がする方向に双眼鏡を向けると、高木の枝に止まる鳥の姿を見ることができた。
双眼鏡をのぞき込んで鳥の姿を確認。図鑑と照らし合わせ、名前や特徴を学んだ
午前10時すぎから1時間余りの観察で、鳴き声だけ聞こえたものも含め16種類を確認。シジュウカラ、ヤマガラ、アオゲラ、セグロセキレイなど多様な鳥が姿を見せ、会員らは「多くの種類が見られるほど、自然が残っている、豊かな証拠」と強調した。
生き物が大好きな松田翔希君(甲子小5年)、駿希君(同1年)兄弟は「いろんな鳥が見られて楽しかった」と満喫。父智行さん(51)、母真帆さん(45)は「こんな近くに十何種類も鳥がいるとは驚き。それぞれの特徴を教えてもらいながら散策を楽しめた。地域を知る機会になった」と話した。
福祉の森を抜けた住宅地付近でも鳥の姿を発見。地域にある自然の豊かさを感じた
同課では冬時期に海のそばで野鳥観察会を実施。今後も年2回程度、自然に親しむ機会を設ける考えだ。
自分たちが暮らす地域で耳を澄ましてみると、新たな発見があるかもしれない。野鳥観察のような自然の楽しみ方を生活に取り入れ、地域環境について定期的に思い起こす機会にしてみては―。
釜石新聞NewS
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