2年ぶりの田植えに笑顔~「浜千鳥酒造り体験塾」スタート~
親子で仲良く田植え作業。貴重な思い出の1ページ
釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)が行う酒造り体験塾の第1弾、田植え体験会が5月30日、大槌町の契約農家、佐々木重吾さん(64)の田んぼで開かれた。新型コロナウイルス感染防止策を講じて2年ぶりの開催。釜石・大槌地区を中心に親子連れなど約90人が参加し、1部と2部に分けて酒米「吟ぎんが」の苗を植え付けた。体験塾は24年目を迎える。
昨年はコロナ対策の一環で、希望者に苗を配り自宅のバケツで育ててもらう代替企画を行ったため、田んぼでの田植え体験は一昨年以来。例年、団体参加するボーイスカウト釜石第2団の隊員30人は、個人参加者が到着する前に作業。その後、家族で申し込んだ人たちなどが例年より短い約1時間の作業で、7アールの田んぼの半分ほどまで植え付けた。
作業が進むにつれ、青苗の列がきれいに並ぶ田んぼ
あぜから放られた苗の束をナイスキャッチ!!
同市上中島町の鈴木さゆりさん(33)は昨年度、同塾の仕込み、しぼり体験に参加。「今年は田植えから」と、小学1年になった愛娘あやなさん(6)を連れて訪れた。あやなさんは「泥があったかくて気持ち良かった。稲がいっぱい大きくなるといい」と期待。さゆりさんは「ぬかるみに足をとられるのも面白かった。この米でできたお酒を飲むのが楽しみ。娘には米づくりの過程も知ってほしい。なかなか体験できないので」と稲刈りへの参加も望んだ。
同社が大槌産酒米で酒造りを始めたのは2003年から。佐々木さんが会長を務める大槌酒米研究会(9人)は今年、昨年並みの計約20ヘクタールを作付けする。昨年は収穫した酒米約78トン(精米して55%が原料になる)を同社に供給した。今では同社が使う米の約40%が大槌産吟ぎんがで、「ゆめほなみ」や「純米大吟醸」など10銘柄に使われる。
田植えを頑張った〝証し〟泥の付いた手を広げ、記念写真に収まる参加者
新里社長は「大槌産の米で造る酒は認知度も上がってきた。研究会には品質の高い米を毎年作っていただき、仕込んだ酒は賞も取っている」と感謝。順調にいけば、10月には仕込みが開始される。体験塾の第2弾、稲刈りは10月初旬に行われる予定。
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