選手宣誓をする釜石ファイターズの金野悠人主将

球春到来!釜石の少年野球チームが結団式~県大会での健闘誓い合う

今季初の大会となる会長旗杯争奪春季大会=8日

今季初の大会となる会長旗杯争奪春季大会=8日

 

 釜石市野球スポーツ少年団協会(菅原章会長、2チーム)の本年度の結団式は8日、平田公園野球場で行われ、少年野球シーズンが幕を開けた。協会加盟の釜石ファイターズ(31人)と釜石東ジュニア(18人)のメンバーが参加。式の後、7月までに開催される3大会の釜石予選を兼ねた第46回会長旗杯争奪春季大会が開かれ、両チームが新体制でのチーム力を確認。県大会に向けた課題を探った。

 

市野球スポ少協会の結団式に臨む2チームの選手ら

市野球スポ少協会の結団式に臨む2チームの選手ら

 

 昨シーズンの大会優勝旗が返還された後、菅原会長があいさつ。「日ごろの練習の成果を白球に込め、思い切り野球を楽しんでください。新型コロナウイルスの感染拡大が続く。体調管理には十分注意し、1年間頑張ってほしい」と激励した。市体育協会の河東眞澄副会長は「グラウンド整備など陰で支えてくれる多くの方々に感謝の気持ちを持ち、プレーしてほしい」と望んだ。釜石ファイターズの金野悠人主将(6年)が選手宣誓。「大好きな野球ができることに感謝し、仲間と力を合わせて白球に食らいつき、一球一球全力でプレーすることを誓う」と高らかな声を響かせた。

 

選手宣誓をする釜石ファイターズの金野悠人主将

選手宣誓をする釜石ファイターズの金野悠人主将

 

 開幕試合は4つの大会を兼ねた。会長旗杯のほか、高円宮賜杯第41回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント、第43回全国スポーツ少年団軟式野球交流大会(県予選=いわての牛乳杯)、第39回岩手日報杯三陸海岸学童軟式野球大会(第27回マクドナルド・カップ)の各釜石予選。試合は釜石ファイターズが7対5で釜石東ジュニアを下し、29日に開幕する2大会県予選の出場選択権を得た。これにより、ファイターズは全国スポ少交流大会県予選(岩泉町)へ、釜石東は全日本学童大会県予選(大船渡市)へ出場することになった。7月17日からの三陸海岸学童大会(釜石市)にはファイターズが第1代表、釜石東が第2代表で出場する。

 

試合前練習で入念にウオーミングアップ

試合前練習で入念にウオーミングアップ

 

 この日は試合終了後、大会中の地震発生を想定した避難訓練も行われた。災害発生時に選手、観客をどう避難させるか、対応を学ぶためのもので、同協会としては初の試み。1日に同球場で高校野球の試合中に地震があったこと、沿岸部には海岸近くのグラウンドも多いことから、県野球協会の要請を受けて実施した。高台に位置する同球場は津波の危険性は低いものの、揺れが大きかった場合には施設の倒壊も心配される。訓練は事前に監督だけに知らせ、子どもたちには知らされない形で行われた。

 

 少年から壮年まで各大会の運営に関わる市野球協会は、コロナ禍2年目の今シーズンも参加チームや会場の感染症対策を徹底し、安全な大会運営を目指す。

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

高齢者「安心した」 釜石市でコロナワクチン集団接種始まる

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

 

 65歳以上の高齢者を対象にした釜石市の新型コロナウイルスワクチン集団接種が16日、港町のイオンタウン釜石3階催事スペースで始まった。専用のコールセンターを通じて予約した130人が1回目の接種を受けた。

 

 釜石医師会(小泉嘉明会長)の医師2人と看護師や市職員ら34人体制で対応。市によると、接種はおおむねスムーズに進み、体調不良になる人もいなかったという。

 

 1回目から3週間後に2回目を接種する。箱崎町の男性(77)は「痛みもほとんどなく、スムーズにできた。妻にアレルギーの不安もあったが、無事に終わって安心した」と肩の力を抜いた。

 

 野田武則市長(68)も接種を受け、経過観察の合間に取材に応じた。「大きなトラブルがなくて良かった。今回の結果を踏まえて今後に生かす」と強調した。

 

野田武則市長も1回目を接種。市民の不安解消に腕をまくった

野田武則市長も1回目を接種。市民の不安解消に腕をまくった

 

 今後、イオン釜石会場での集団接種は毎週日曜日に実施していく。高齢者向けの接種に関し、国は7月末完了を目標に掲げる。これを受け、市ではワクチン供給や接種状況を見て医師会と協議しながら、予約枠や開設日増など体制の見直しを図る方針。市新型コロナワクチン接種推進室の佐々木尊子室長は「多くの人が速やかに接種できるよう体制整備に努めていきたい」と話した。

戦没者を慰霊した尾崎神社の鎮魂社例大祭

尾崎神社「鎮魂社」例大祭 戦没者の霊を慰め、平和の永続願う

戦没者を慰霊した尾崎神社の鎮魂社例大祭

戦没者を慰霊した尾崎神社の鎮魂社例大祭

 

 釜石市浜町、尾崎神社(佐々木裕基宮司)の境内にまつられる「鎮魂社」で5日、例大祭が営まれた。太平洋戦争終了から76年目となる今年の例大祭には遺族ら約10人が参列。明治時代以降、幾多の戦争で命を落とした人たちの霊を慰め、平和を願った。

 

 明治から大正、昭和、と続いた戦争では釜石でも軍人、軍属、市民、捕虜など外国人が亡くなった。これらすべての犠牲者に向け、神事で佐々木宮司が祝詞(のりと)を奏上。度重なる戦争で国内外、大海原に散った兵士や戦災犠牲者を悼み、その犠牲の上に今日の平和と平穏な生活がもたらされていることに感謝した。

 

 釜石遺族連合会の西村征勝会長(76)、各地域の遺族会代表ら参列者が玉串を奉納、拝礼した。佐々木宮司は「憲法、日本という国を考える日に」と呼び掛けた。

 

玉串ささげて戦没者の冥福を祈る遺族ら

玉串ささげて戦没者の冥福を祈る遺族ら

 

 義理の父が出征先で病死したという小佐野町の女性(80)は、別の用事で参列できなかった夫に代わり慰霊。「この場を訪れ、思い出すことが供養になると思う。元気なうちは続けたい。参列する遺族も高齢化で年々少なくなり、忘れられていくようで寂しい」と小さくこぼした。

 

鎮魂社の例大祭に参列した遺族ら関係者

鎮魂社の例大祭に参列した遺族ら関係者

 

 鎮魂社は1989(平成元)年5月5日に創建された。社殿、銘板の建立には遺族、市民有志が力を合わせ、同神社が協力。例大祭は同神社が主祭し、若葉に包まれる端午の節句(こどもの日)に行われる。

満開の八重桜を見上げ、顔をほころばせる子ども

桜シーズン締めくくる「八重桜」が満開~春の橋野鉄鉱山を華やかに~

満開の八重桜を見上げ、顔をほころばせる子ども

満開の八重桜を見上げ、顔をほころばせる子ども

 

 釜石市橋野町青ノ木の世界遺産「橋野鉄鉱山」の玄関口を彩る八重桜並木が15日、満開を迎えた。好天に恵まれたこの日は、山里の春を求めて市内外から見物客が訪れ、市街地より一足遅れの花見を楽しんだ。大雨や強風がなければ、花はあと数日は持ちそう。濃桃色の美しい花姿がコロナ禍の人々の心を癒やす。

 

 同所の八重桜は、1980年代に釜石ライオンズクラブが植樹。橋野鉄鉱山が世界遺産登録された2015年には、橋野町振興協議会による植樹も行われ、若木が順調に育っている。山間部ならではの気候で、市街地より遅れて開花する同地区の桜。今春はヤマザクラやソメイヨシノの開花は例年より早かったものの、5月に開花する八重桜は初旬の激しい寒暖差が影響してか、なかなか花が開けずにいた。10日過ぎからようやく咲き始め、1週間ほどで満開を迎えた。

 

 15日は朝から青空が広がり、午前の気温が24度に達するなど夏を思わせる陽気に。世界遺産を目当てに訪れた観光客のほか、豊かな自然を求めて足を延ばした市内の家族連れなどが、思いがけない桜の出迎えに感激しながら散策を楽しんだ。

 

橋野鉄鉱山に続く並木道は格好の散策コース

橋野鉄鉱山に続く並木道は格好の散策コース

 

 平田の藤井恵子さん、沙綾さん(8)、菊池真奈美さん、唯乃さん(7)親子2組は初めて同所を訪れ、満開の桜の歓迎を受けた。唯乃さんは「今も桜が咲いていると思わなかった。きれい。春の花では桜が一番好き」とにっこり。子ども同士が同級生で、一緒に足を運んだ母親の恵子さん、真奈美さんは「いい時期に来ました。目の保養になる。今日は天気も良くて最高。この後、世界遺産の高炉跡も見てみたい」と、並木が連なる緩やかな坂道に向かった。

 

葉が多めながら、濃桃色の花は青空と競演!

葉が多めながら、濃桃色の花は青空と競演!

 

 例年だと花が散るころから葉が出始めるが、今年は満開の花と葉が同居する木が多い。「これも不安定な気候の影響だろうか」と地元住民。橋野鉄鉱山インフォメーションセンターには今年、桜の開花に関しての問い合わせが多く寄せられているという。スタッフは「〝密〟を避けた自然空間で観光やレジャーを楽しもうという人が増えているのかも。コロナ禍を象徴する出来事」と話す。

自動車税納付通知書の発送準備をする沿岸振興局職員

沿岸振興局、自動車税納税通知書を送付 納期限は5月31日

自動車税納付通知書の発送準備をする沿岸振興局職員

自動車税納付通知書の発送準備をする沿岸振興局職員

 

 県沿岸広域振興局は4月30日、2021年度自動車税の納税通知書を送付した。納付期限は5月31日(月)まで。金融機関や広域振興局県税窓口のほか、コンビニエンスストアなどで納付できる。納期限までに納付できない事情がある場合は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、当面の間は電話(0193・25・2703)で相談するよう呼び掛けている。

 

 沿岸振興局によると、同局管内の課税台数は6万5029台で、前年度より536台(0・8%)減少。税額も23億5000万円と3100万円(1・3%)減少した。

 

 このうち本局管内(釜石市、大槌町)の課税台数は1万4823台で、前年度より147台(1%)減少。税額は5億3700万円で、800万円(1・5%)減った。

 

 県内全体の課税台数は50万7878台で、前年度に比べ1108台(0・2%)減少。税額も179億9100万円にとどまり、1億2800万円(0・7%)減った。

 

 20年度に新車新規登録した自動車のうち環境負荷の小さい一定の自動車は軽減される一方、新車新規登録から一定年数を経過した自動車は一部の例外(電気自動車など)を除き、おおむね15%重課される。身体や精神に障害のある人などが使用する自動車で一定の要件に該当する場合は、申請(期限は5月24日まで)により自動車種別割が免除される。

 

 東日本大震災による被災自動車の11年3月11日時点の所有者が今年3月31日までの間に代替自動車を取得した場合に、一定期間の自動車種別割が非課税となる。

 

 沿岸振興局では、期限内納付とともに、引っ越しによる住所変更の連絡などの手続きについても呼び掛ける。

広報かまいし2021年5月15日号(No.1760)

広報かまいし2021年5月15日号(No.1760)

広報かまいし2021年5月15日号(No.1760)

 

広報かまいし2021年5月15日号(No.1760)

広報かまいし2021年5月15日号(No.1760)

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【P1】
ゴールデンウィークのイベントの様子

【P2-3】
新型コロナワクチンQ&A

【P4-5】
聖火リレーの開催に伴う交通規制について
市営住宅入居者募集 ほか

【P6-7】
民生委員・児童委員について

【P8-9】
こどもはぐくみ通信
市民のひろば

【P10-13】
釜石エール券の販売について
まちのお知らせ ほか

【P14-15】
保健案内板
保健だより

【P16】
釜石の歴史よもやま話

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021050700021/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
CINEPIT映画上映会「ステップ」「騙し絵の牙」

CINEPIT映画上映会「ステップ」「騙し絵の牙」

CINEPIT映画上映会「ステップ」「騙し絵の牙」

 

CINEPIT映画上映会「ステップ」「騙し絵の牙」チラシ(PDFファイル/1.2MB)

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため50席制限で実施します。
入場時の検温、名簿記載、手指消毒、マスク着用への記載のご協力をお願いいたします。

 

 

 

上映情報

2021年6月5日(土)〜6日(日)
【ステップ】 6月5日(土) 10:30、6月6日(日) 13:30
【騙し絵の牙】 6月5日(土) 13:30、6月6日(日) 10:30
※各回30分前会場
会場 チームスマイル・釜石PIT(先着受付50席)
料金 一般1,000円 高校生500円(中学生以下無料)

主催

CINEPIT運営委員会
(釜石まちづくり株式会社、一般社団法人チームスマイル、釜石市、釜石シネクラブ、みやこ映画生協)

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社 TEL 0193-22-3607
作品に関して:シネマリーン TEL 0193-64-5588(平日10:00〜17:00)

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

子どもたちはタブレット端末を使った速読学習を体験。短時間のトレーニングで1分間に読める文字数がアップした

釜石の人材育成へ同級生がタッグ 6月からオンライン学習塾を開設

釜石の人材育成へ同級生がタッグ 6月からオンライン学習塾を開設

 

 釜石市の一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校(さんつな、伊藤聡代表理事)は、盛岡市で学習塾を展開するSoRaStars(山崎智樹代表取締役)と連携し、6月から小・中学生を対象としたオンライン学習塾を開く。子ども向けの各種体験活動の場を提供するさんつなと、独自の学習法で高い進学実績を誇るSoRa社がタッグを組み、地元に貢献できる人材を育てるのが目的。3日、開設に係る説明会が大町の釜石PITで開かれ、小・中学生と保護者26人が参加した。

 

オンライン学習塾開設の趣旨などを説明する三陸ひとつなぎ自然学校の伊藤聡代表(ステージ左から2人目)とSoRaStarsの山崎智樹代表(同右)

オンライン学習塾開設の趣旨などを説明する三陸ひとつなぎ自然学校の伊藤聡代表(ステージ左から2人目)とSoRaStarsの山崎智樹代表(同右)

 

 震災後の2012年4月に設立されたさんつなは、放課後子ども教室の開設や子どもの自主性を生かした地域活動の伴走コーディネートなど、地域への愛着や未来を生き抜く力を育む活動を行ってきた。震災から10年が経過する中で、地域の担い手育成にはこれまで取り組んできた「非認知能力」の分野と両輪で、学校の勉強など「認知能力」を伸ばすことが重要と考え、オンライン学習塾を発案。釜石で伊藤代表と高校まで同級だった山崎代表に相談を持ち掛け、両者のコラボが実現した。

 

 説明会で山崎代表は、近年の高校入試の出題例を紹介。暗記した知識だけでなく、「自分で考え、自分の言葉(文章)で具体的に答えることを求める問題が増えている」とし、認知的(学力アップ、目標達成)、非認知的(多角的視点獲得)両分野を鍛える必要性を指摘した。山崎代表によると「地域活動に参加している子ほど、国語と算数の得点率が高かった」というデータもあり、同塾では相乗効果を生む教育プログラムで子どもたちを指導している。

 

釜石で受けられる指導について聞く説明会の参加者

釜石で受けられる指導について聞く説明会の参加者

 

 この日は同塾が取り入れる速読トレーニングも体験。文章を固まりで読む訓練を重ねると、より多くの文字を短時間で読めるようになり、試験では問題を読む時間よりも解く時間を多く確保できるメリットがある。体験した市内の中学3年生は「いろいろなトレーニングをしたら、読むスピードが思いの外すぐに上がった。自分は英語などの文を読むのが遅いので、そこに生かせたら。継続してやってみたい」と興味を示した。

 

子どもたちはタブレット端末を使った速読学習を体験。短時間のトレーニングで1分間に読める文字数がアップした

子どもたちはタブレット端末を使った速読学習を体験。短時間のトレーニングで1分間に読める文字数がアップした

 

 「さんつな×SoRa学習塾」は、盛岡市の同塾と釜石市鵜住居町の「さんつなハウス」をオンラインで結び、受講する形をとる。個別指導のほか、中学3年生対象の集団授業、小学生対象の速読解プランも設ける。5月は入塾の検討期間とし、カウンセリングを受けた小・中学生向けに17日から26日まで無料体験授業を実施。その後、個別面談を行い、一人一人に合わせた学習計画を作成する。通常授業(有料)は6月7日からの開始を予定する。

 

 「単に勉強を教える場ではなく、いろいろな情報を得ることで子どもたちの興味を引き出し、選択肢を広げることにつながれば。ニーズを探りながらより良い形を目指したい」と伊藤代表(41)。12年3月に教育事業を立ち上げた山崎代表(41)は「背景には震災があった。当初から目指してきた人材育成の部分で、直接地元に関わることは望む形」とし、沿岸地域の学力向上など課題克服へ意欲を高めた。

コロナ禍2年目の春を生ブラスで元気に~釜石市民吹奏楽団がコンサート~

コロナ禍2年目の春を生ブラスで元気に~釜石市民吹奏楽団がコンサート~

コロナ禍2年目の春を生ブラスで元気に~釜石市民吹奏楽団がコンサート~

 

 釜石市民吹奏楽団(山内真紀人団長、団員50人)は2日、釜石市大町の市民ホールTETTOでスプリングコンサートを開いた。新型コロナウイルスの全国的な感染拡大の影響で生演奏の場が失われている中、感染防止策を講じた屋外空間で演奏を楽しむスタイルは昨夏に続き2回目。コロナ禍に対応した先駆的取り組みは、市外の音楽愛好者からも注目される。この日は約100人の観客と演奏者が音楽を通じて心を通わせ、共に明日への活力を得た。

 

 前回同様、ホールBと屋根のある広場を一体化する半屋外式の会場設営で実施。来場者は受付で検温、手指消毒、連絡先の記入に協力し、マスク着用の上、間隔をとった客席に着いた。プログラムチラシで、大声での歓声や食事を控えることも呼び掛けられた。

 

ホールBを屋外広場とつないだ開放空間でのコンサート

ホールBを屋外広場とつないだ開放空間でのコンサート

 

 コンサートは「ファンファーレ~天と大地からの恵み~」で幕明け。話題となった映画やアニメの主題歌、CMソング、昭和の歌謡曲など10のプログラムで観客を楽しませた。世界的大ヒットとなった映画「タイタニック」は劇中曲を含めたメドレーで、昨年一大ブームを巻き起こしたアニメ「鬼滅の刃」からは劇場版の主題歌「炎(ほむら)」、日本レコード大賞・栄光の昭和50年代楽曲メドレーでは「北酒場」「ルビーの指輪」など懐かしの4曲を届けた。

 

コロナ禍2年目の春に心を癒やすブラスサウンドを届ける団員ら

コロナ禍2年目の春に心を癒やすブラスサウンドを届ける団員ら

 

 アンコールに応え、演奏したのは「エール・マーチ」。昨年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲だったが、コロナ禍でコンクールは中止に。今年のコンクールが実現すれば同曲を課題曲として演奏予定だという。団員らは2年ぶりのコンクール開催を願いながら、心を込めて演奏した。

 

 釜石市吹の団員と交流のある仙台市の菅原克彦さん(56)は「コロナ禍で軒並みコンサートが中止され、楽器の音が失われている。皆さんに勇気や元気を与える生演奏を続けている釜石の団員に敬意を表したい。こういう時代だからこそ、音楽って必要ではないか」と話した。

 

間隔を空けた客席で演奏を楽しむ来場者

間隔を空けた客席で演奏を楽しむ来場者

 

 釜石市吹は沿岸他市(宮古~気仙沼)の社会人吹奏楽団と一緒に、三陸自動車道の早期完成を願う「ルート45港町コンサート」を1997年から毎年春に開催。今年は震災10年と合わせ、宮古―気仙沼間の全線開通を祝うコンサートを予定していたが、新型コロナの感染拡大を受け、昨年に続き中止を決めた。これに替わる演奏発表の場として、今回のコンサートが企画された。

 

 山内団長(47)は「団員は練習以外のところでも感染防止対策を徹底し、団活動を含む日々の生活に細心の注意を払っている。今のところ体調不良者や感染者は出ていない。医療従事者ら職場の要請で活動を休止している団員も多い。そうした人たちが早く戻ってこられるようになれば」と願う。

鈴子町の釜石駅前広場で開かれた「春まつり」。思い思いに食を満喫した

食で地域を元気に 釜石駅前で「春まつり」 海と山の恵みで魅力発信

鈴子町の釜石駅前広場で開かれた「春まつり」。思い思いに食を満喫した

鈴子町の釜石駅前広場で開かれた「春まつり」。思い思いに食を満喫した

 

 食を通し、まちの魅力を発信する「かまいし春まつり」(釜石観光物産協会主催)は3、4の両日、釜石市鈴子町の釜石駅前広場で開かれた。地元の家族連れらが訪れ、旬の食材を使った弁当や総菜、好みの魚介類をのせて食べる“オリジナル丼”を味わった。

 

 同広場には、“春味”タケノコを使った炊き込みご飯、焼き鳥などを販売する出店が並んだ。釜石湾漁協はホタテ甘辛煮、メカブ山海漬などを紹介し、地元ならではの味をPR。鈴子町内会女性部によるホタテの稚貝汁の無料お振る舞い(各日とも200食限定)もあり、人気を集めた。

 

訪れた人たちは海産物を使った加工品の販売ブースで品定めを楽しんだ

訪れた人たちは海産物を使った加工品の販売ブースで品定めを楽しんだ

 

ホタテ稚貝汁のお振る舞いは列ができ、1時間足らずで大鍋が空になった

ホタテ稚貝汁のお振る舞いは列ができ、1時間足らずで大鍋が空になった

 

 特別企画として、サン・フィッシュ釜石が用意したのは、温かいご飯に好みのおかずをのせて食べる「のっけ丼」と海鮮焼き。マグロの刺身、イクラ、塩ウニ、貝ワサビ、子持ちメカブなど館内店舗が提供する食材で丼を味わい、しちりんで焼き上げる魚介類の香ばしい香りが食をそそった。

 

魚屋さんの助言を受けながら、丼にのせる具を求める女性(右)

魚屋さんの助言を受けながら、丼にのせる具を求める女性(右)

 

 穏やかな晴れとなった4日に市内から家族5人で足を運んだ三浦常大朗君(小佐野小4年)、晴二朗君(同1年)、進平ちゃん(4)の3兄弟は「おいしい」と満足げ。母こずえさん(38)、祖母真由美さん(68)は「コロナ禍だが、対策を考えながら開催してくれていると感じた。いろんなところに行って、釜石のことを知り、楽しみたい」と笑顔を重ねた。

 

 釜石観光ガイド会は1日から5日まで「街なかガイド」を実施。駅前の観光総合案内所発で、利用客の要望に応じて震災や製鉄、まちの歴史などの話をし、おもてなしに一役買った。

 

 同まつりは5月の大型連休期間に合わせて行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に配慮し規模を縮小。東北6県とJR各社が合同で展開する大型観光企画・東北デスティネーションキャンペーン(DC)開催記念として催したが、市外へのPRは控えた。

 

 同協会の澤田政男会長は「コロナ禍でも地域を盛り上げ、楽しんでもらおうと実行。こじんまりとしているが、何か行動することで来場者も事業者も前向きな気持ちになると思う。できる対策を講じ、盛り上げる方法を考えていく」と観光戦略を模索する。

工作や遊びなどおうち時間を楽しめるお薦めの本を集めた企画展

おうち時間を楽しもう!自宅での楽しみ方を提案する本を展示 釜石市立図書館

工作や遊びなどおうち時間を楽しめるお薦めの本を集めた企画展

工作や遊びなどおうち時間を楽しめるお薦めの本を集めた企画展

 

 釜石市小佐野町の市立図書館(川畑広恵館長)は、自宅でできる工作やおやつ作りなどの本を集めた「楽しもう!おうち時間」展を開いている。新型コロナウイルス感染症の影響で外出を控える傾向が続く中、充実した時間を過ごしてもらおうと1階展示ホールでお薦めの本を紹介している。15日まで。

 

 最近よく耳にする「おうち時間」。コロナ禍がまだ続きそうな中、「何をして過ごせばいいの?」と迷う人も少なくない。そんな悩みを解消させて自宅で過ごす時間を充実させる1冊探しを手伝う、関心分野を広げてもらえるようなお薦めの本70冊が並んでいる。

 

 普段とは違った料理を楽しみたい人に世界各地の家庭料理やスイーツのレシピ集、新しいことを始めようと考えている人には家庭菜園、家具づくりDIY(日曜大工)などを紹介。家で過ごす時間が増えたことで「何かに挑戦したい」と考える人を後押しするアイデアを提案する。お金をかけず気軽に家族で楽しめる工作や遊び、クイズ集などもある。

 

 子ども向けに本との出合いを提案する企画展も実施。赤ちゃんと一緒に絵本に親しんでもらう「スタートブック」や読み聞かせにお薦めの本などが並んだが、現在は終了。紹介した本は乳幼児向けコーナーで手に取ることができるようにしている。

 

本との触れ合いを促す「ブックスタート」のための乳幼児向け絵本も充実している

本との触れ合いを促す「ブックスタート」のための乳幼児向け絵本も充実している

 

 コロナ禍の中、同館では検温器や手指の消毒液の設置、換気、マスク着用の呼び掛けなど対策を取り、安心安全な読書空間づくりに努める。図書館の書籍を安心して利用してもらおうと、図書除菌機も導入。利用者が本を借りる際に自由に使用でき、ウイルスや菌を除去して持ち帰ることができる。

 

石市立図書館に導入された図書除菌機。利用者も自由に利用できる

石市立図書館に導入された図書除菌機。利用者も自由に利用できる

 

 今後も郷土について学んだり、季節の行事に合わせた特集などニーズに応える企画展を展開。感染対策に工夫を凝らしながら定期イベントの映画会(第2土曜日)、おはなし広場(第3土曜日)も継続し、読書の楽しさを発信する。

 

 川畑館長は「目先を変え、楽しんで過ごしてもらえるような取り組みを考えていきたい」と先を見据える。

クマ出没注意!~市が呼び掛け「農作業、入山時は十分な対策を」

クマ出没注意!~市が呼び掛け「農作業、入山時は十分な対策を」

クマ出没注意!~市が呼び掛け「農作業、入山時は十分な対策を」

 

 春を迎え、釜石市内でもクマ(ツキノワグマ)の目撃情報が増え始めている。不意の遭遇などで人身被害も予想されることから、十分な注意が必要。県や市は入山時、農作業中の予防行動、家屋にクマを寄せ付けないことなど被害防止を呼び掛ける。

 

 釜石市によると、4月1日~29日までに市に寄せられたクマの目撃情報は23件。目撃場所は甲子、定内、大平、平田、両石、橋野と市内一円にわたり、防災行政無線で注意を呼び掛けた。例年この時期は、冬眠明けのクマが活発に動き出し、えさを求めて人里に近づくケースが見られる。

 

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橋野町青ノ木で4月に目撃されたクマ

 

 市内では昨年、鵜住居、栗林、甲子で3件の人身事故が発生。農作業や散歩中などに被害にあい、負傷者が出た。市水産農林課林業振興係の佐々木徳明係長は「一人でもくもくと農作業をしているところにクマが鉢合わせし、驚いたクマが襲ってくるケースが多いよう。ラジオの音とかで人がいることをクマに知らせることが大事」と話す。

 

 農作業時には他に、①クマの行動が活発になる早朝、夕方は特に気を付ける②農地周辺の刈り払いを行う③できるだけ単独での作業は避ける―といった対策が必要。農地や民家にクマを引き寄せないために、①生ごみや廃棄野菜・果実の適切処理②収穫後の放置果実の適切除去③収穫物収納庫の施錠―なども呼び掛ける。

 

えさを探して歩き回る?

えさを探して歩き回る?

 

 これからの季節は山菜採り、登山、渓流釣りなどで山に入る人も増える。突然出会ってしまう危険性が一層高くなるため、対策を組み合わせて自身の安全を確保することが重要。複数で音(鈴、ラジオ)を出しながらの行動、周囲に気を配る、食べ残しは放置しない―など人里と同様の対策に加え、①周りの音が消される強風時や沢沿いは特に注意する②夜間、明け方、夕方の入山回避③クマ撃退グッズ(忌避スプレー、鉈など)の携行④地域のクマ情報の事前確認―を促す。

 

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畑の外の防護柵の木によじ登る姿も

 

 もし出会ってしまったら、「走って逃げない。背中を見せない。持ち物(リュックなど)を置いて注意をそらす。静かにゆっくり後退」が基本。クマを驚かせないように、落ち着いてその場を離れることが大切だという。山に入ることはクマの生活場所に入ること。何よりも出会わない工夫をすることが身を守ることにつながる。

 

資料写真提供/三浦勉さん