尾崎神社「鎮魂社」例大祭 戦没者の霊を慰め、平和の永続願う
戦没者を慰霊した尾崎神社の鎮魂社例大祭
釜石市浜町、尾崎神社(佐々木裕基宮司)の境内にまつられる「鎮魂社」で5日、例大祭が営まれた。太平洋戦争終了から76年目となる今年の例大祭には遺族ら約10人が参列。明治時代以降、幾多の戦争で命を落とした人たちの霊を慰め、平和を願った。
明治から大正、昭和、と続いた戦争では釜石でも軍人、軍属、市民、捕虜など外国人が亡くなった。これらすべての犠牲者に向け、神事で佐々木宮司が祝詞(のりと)を奏上。度重なる戦争で国内外、大海原に散った兵士や戦災犠牲者を悼み、その犠牲の上に今日の平和と平穏な生活がもたらされていることに感謝した。
釜石遺族連合会の西村征勝会長(76)、各地域の遺族会代表ら参列者が玉串を奉納、拝礼した。佐々木宮司は「憲法、日本という国を考える日に」と呼び掛けた。
玉串ささげて戦没者の冥福を祈る遺族ら
義理の父が出征先で病死したという小佐野町の女性(80)は、別の用事で参列できなかった夫に代わり慰霊。「この場を訪れ、思い出すことが供養になると思う。元気なうちは続けたい。参列する遺族も高齢化で年々少なくなり、忘れられていくようで寂しい」と小さくこぼした。
鎮魂社の例大祭に参列した遺族ら関係者
鎮魂社は1989(平成元)年5月5日に創建された。社殿、銘板の建立には遺族、市民有志が力を合わせ、同神社が協力。例大祭は同神社が主祭し、若葉に包まれる端午の節句(こどもの日)に行われる。
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