約1時間半の清掃活動に取り組んだ参加者。今夏の海開きに期待!!

“withコロナ”時代の遊び方の可能性を広げる「根浜あおぞらパーク」今年度も開設

再生された根浜海岸の砂浜でごみを拾い集める子ども

再生された根浜海岸の砂浜でごみを拾い集める子ども

 

 コロナ禍でストレスをためがちな子どもたちに安全安心な遊び場を提供する「根浜あおぞらパーク」(同実行委主催)が本年度も開設される。釜石市鵜住居町の観光施設・根浜シーサイドを拠点に、5月から毎週末、天然芝の広場(多目的グラウンド)開放や各種体験イベントを行う予定。昨年から積み上げてきた感染症対策を徹底し、“withコロナ”時代の遊び方の可能性を広げる。

 

 同事業は子どもの育成、自然、観光などの分野に関わる民間の7法人・団体が実行委を組織し、昨年5月から開始。11月まで計37回実施し、510組(延べ1423人)の家族が利用した。グラウンドではボール遊びやたこ揚げ、鬼ごっこなど好きな遊びを自由に楽しんでもらい、季節ごとにさまざまな体験メニューも用意。料理教室、海遊び、薪割り、火おこし、ビオガーデン収穫など生きる力を育む活動を取り入れた。

 

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、本年度も継続開催を決定。初回の25日は、4月から立ち入り禁止が解除された根浜海岸の砂浜で清掃活動を実施。親子連れを中心に約70人が参加した。東日本大震災の津波被害を受けた同海岸は、総延長450メートルの砂浜再生工事が完了したばかり。今年7月には震災後初の海開きも計画されており、子どもたちが環境保護意識を高める機会にもなった。

 

ごみがたまりやすい防潮堤の根元付近からはさまざまなごみが回収された

ごみがたまりやすい防潮堤の根元付近からはさまざまなごみが回収された

 

 熊谷咲乃さん(甲子小3年)は初めて同砂浜に足を踏み入れた。「大きいのから小さいのまで、いっぱいごみがある。汚れていると海の生き物も死んでしまうかもしれない。できるだけごみを拾いたい」と熱心に作業。昨年、同パークに何度か足を運んだ松田翔希君(甲子小5年)は「やさしいスタッフと一緒に遊んだりするのが楽しかった。今年は海に入って遊びたい」と望んだ。

 

砂浜には波で打ち寄せられた木の枝なども・・・

砂浜には波で打ち寄せられた木の枝なども・・・

 

 実行委の伊藤聡代表(三陸ひとつなぎ自然学校代表理事)は昨年を振り返り、「ニーズはあった。今は子どもだけの力で自然と触れ合って遊ぶことができにくい時代。まずはイベント的な形でそういう時間をつくっていければ。これはコロナ抜きでも求められている部分だと思う」と実感を込める。本年度も11月まで開催したい意向で、根浜地区以外に出向いて行う出張型も試験的に開催し、ニーズなどを探っていく予定。

 

約1時間半の清掃活動に取り組んだ参加者。今夏の海開きに期待!!

約1時間半の清掃活動に取り組んだ参加者。今夏の海開きに期待!!

 

 同パークは毎週土曜日か日曜日、午前10時から午後3時まで開設。小学生以下が対象(未就学児は保護者同伴)。感染拡大防止のため、県内在住者に限定する。参加費無料(料理教室や海での体験活動などは有料)。大型連休期間中は5月4、5日も開設し、1日はハマナスの種まき、4日はスポーツ雪合戦も行う予定。

 

 問い合わせは三陸ひとつなぎ自然学校(電話/FAX 0193-55-4630、メール hitotsunagi.main@gmail.com )へ。

漁船クルーズに乗って釜石を満喫しよう!

漁船クルーズに乗って釜石を満喫しよう!

漁船クルーズに乗って釜石を満喫しよう!

 

(株)かまいしDMCでは、ゴールデンウィーク特別企画として漁船クルーズを下記のとおり開催します。特典として、魚河岸テラス2階飲食店で使用できる割引券や釜石大観音拝観料特別券が付いたお得なクルーズとなっております。

日時

令和3年5月1日(土)~5月3日(月)

場所

魚河岸テラス1階 施設窓口(受付)

料金

3,800円/人 ※未就学児は乗船不可

運行時間

約90分 ※予約優先ですが、空きがあれば当日の案内も可能です。

その他

天候により中止となることがあります。出港時間等詳細は下記チラシをご覧ください

問合せ先

釜石市魚河岸3-3 釜石魚河岸にぎわい館「魚河岸テラス」
電話:0193-27-5566

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 観光物産係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021042100037/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
大型犬、小型犬エリアの仕切りを挟んで交流を楽しむ飼い主ら

海が望める高台に広々ドッグラン 釜石・ホテルシーガリアマリン「シーガルパーク」、多様なつながりを広げる場に

大型犬、小型犬エリアの仕切りを挟んで交流を楽しむ飼い主ら

大型犬、小型犬エリアの仕切りを挟んで交流を楽しむ飼い主ら

 

 釜石市平田のホテルシーガリアマリン(倉田昌史社長)は、敷地内にドッグラン施設「シーガルパーク」を整備、24日にオープンさせた。広さは沿岸最大級の約2000平方メートル。高台から太平洋が望め、開放感もあり、立地は抜群だ。犬たちはうれしそうに駆け回り、見守る飼い主たちにも笑顔が浮かぶ。同ホテルでは昨年から犬などと一緒に宿泊できるプランやペットホテル事業も開始。愛犬家や地域住民に新たな憩いの場を提供している。

 

ホテルシーガリアマリンが整備した沿岸最大級のドッグラン施設

ホテルシーガリアマリンが整備した沿岸最大級のドッグラン施設

 

 ドッグランは、ホテルの駐車場だった場所にお目見え。小型犬専用や貸し切りエリア、犬を洗うためのドッグバス(有料)がある。屋根付きの開放的なテラスや足湯など、飼い主らがゆったり過ごせるような施設も設置。隣接する新光建設(倉田信海社長)が整備した。

 

犬を洗うためのドッグバスは室内、屋外の2つを用意している

犬を洗うためのドッグバスは室内、屋外の2つを用意している

 

 オープン初日、愛犬2匹と訪れた平田の高清水由紀さん(46)は「リードを外し、フリーで遊べるのがいい。伸び伸びして、ストレス発散になる。いろんなワンちゃん、人とも交流できる楽しさがある。これからも利用したい」と喜んだ。

 

犬たちは元気に駆け回り、飼い主たちはスマホでパチリ

犬たちは元気に駆け回り、飼い主たちはスマホでパチリ

 

 同ホテルでは、昨年7月に犬や猫などと同室に宿泊できるプランの提供を始めた。家族の一員として犬などペットを飼う人も増えており、飼い主らの「旅行も一緒に楽しみたい」といった思いをくみ取り企画。口コミで広がり、リピータも多くなるなど、「ニーズはある」と手応えを得、現在では客室全30室のうち、11室をペット用に改装した。同12月にはペットホテル事業を開始。さらに、「ペットとの宿泊をより楽しいものに」「地域のワンちゃんも人も遊べる施設を」と、土地を有効活用したドッグランの整備を決めた。

 

遊具や腰掛け用の石があり、遊んだり、休んだり、思い思いに過ごすことができる

遊具や腰掛け用の石があり、遊んだり、休んだり、思い思いに過ごすことができる

 

 同ホテル役員でドッグラン施設責任者の倉田朝海(あさみ)さん(42)は「人も動物も楽しく過ごせる、癒やしの場になれば。いろんな人とつながりを広げる場として気軽に立ち寄ってもらえたら」と期待。愛犬飼育管理士など多様な資格を持ち、犬たちを安全に遊ばせたり、安心して預けられる環境づくりに配慮している。また、公認動物看護士も配置する。

 

ゆったりとした時間を過ごしてもらおうと設けた、海が望める足湯

ゆったりとした時間を過ごしてもらおうと設けた、海が望める足湯

 

 ドッグランは、夏季(4~10月)が午前9時~午後5時、冬季(11~3月)は午後4時半まで利用できる。利用料は1日券のビジターが1匹600円、2匹目から500円。年会費1000円のメンバーになると1匹500円、2匹目から400円で、10回以上来場する人に、お得となる仕組みだ。貸し切りエリアは1時間1000円。問い合わせは同ホテル(0193・26・5111)へ。

東北デスティネーションキャンペーン開催記念「かまいし春祭り」

東北デスティネーションキャンペーン開催記念「かまいし春祭り」

東北デスティネーションキャンペーン開催記念「かまいし春祭り」

 

ゴールデンウィークの5月3日、4日に、鈴子町のJR釜石駅前の駅前広場にて「かまいし春まつり」を開催します。
飲食・物産品の販売や、サン・フィッシュ釜石やシープラザ釜石でもイベントに併せて特別企画を実施するほか、観光ガイド会による「街なかガイド」や「橋野鉄鉱山直通シャトルバス」もGW限定で運行されます。是非春の釜石を楽しんで下さい。

 

日時

2021年5月3日(月・祝)〜4日(火・祝) 10:00〜15:00

場所

釜石市鈴子駅前広場

内容

ホタテの稚貝汁お振る舞い
1日200杯限定でお振る舞い(各日11時と13時に100杯ずつ)
※「密」を避けるため、人数を制限をする場合があります。
 
特産品販売
旬の食材を使ったお弁当や水産加工品、焼き鳥や焼きそば、キッチンカーではタルトタタンの生ケーキやオリジナルたい焼き、お好み焼き、コーヒーなどの販売があります。
 
特別企画
●サン・フィッシュ釜石
5/2〜4 朝8時から館内各店舗でご飯と好みの食材を買って「のっけ丼」を作れます。海鮮焼は好みの魚介類を購入して焼器は500円で貸出し。
●シープラザ釜石
館内各店舗でお買物500円で1回スクラッチくじが引けます。商品券が当たるチャンス!

主催

(一社)釜石観光物産協会
共催:サン・フィッシュ釜石、シープラザ釜石テナント会、JR釜石駅、鈴子町内会

問い合わせ

釜石観光総合案内所 TEL 0193-22-5835

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

大渡橋のたもとにある公園で清掃活動に取り組む釜石LCの会員

地域をきれいに 釜石市内で2つのライオンズクラブ「地球デー」奉仕活動

 

 4月22日は「国際地球デー(アースデイ)」。地球の環境について一人ひとりが考える日とされる。これにちなんだ清掃奉仕活動を釜石市内の2つのライオンズクラブ(LC)が展開。新型コロナウイルス感染症の影響もあり開催を迷ったというが、感染対策をし、「やれる人ができることをやろう」と草取りやごみ拾いに励んだ。

 

大渡橋公園周辺の環境整備 釜石LC

 

大渡橋のたもとにある公園で清掃活動に取り組む釜石LCの会員

大渡橋のたもとにある公園で清掃活動に取り組む釜石LCの会員

 

 釜石LC(奥山裕子会長、会員38人)は20日、大渡町の大渡橋公園周辺で清掃活動を行った。会員約10人が枯れ枝を拾い集めたり、花壇などの草取りをした。

 

大渡橋のたもとにある公園で清掃活動に取り組む釜石LCの会員

 

 同クラブでは50年以上前から市内の環境緑化、美化活動を継続。毎年、アースデーには植樹などに取り組んでいる。例年、釜石商工生でつくる釜石レオクラブも活動に協力するが、今回はコロナ禍で参加を控えた。

 

大渡橋のたもとにある公園で清掃活動に取り組む釜石LCの会員

 

 只野義則前会長は「3密を避けるといったルールを守りながら、やれることをやる。コロナ禍だが、たまに外に出て日光浴、おしゃべりを楽しむ機会として奉仕活動に取り組み、コミュニケーションを図ることも大事だ」と強調した。

 

駒木町河川敷で清掃活動 釜石リアスLC

 

釜石リアスLC会員は駒木町や千鳥町の河川敷でごみ拾いを行った

釜石リアスLC会員は駒木町や千鳥町の河川敷でごみ拾いを行った

 

 釜石リアスLC(永澤光雄会長、会員39人)は24日、駒木~千鳥町の甲子川河川敷で活動。会員ら22人が参加し、空き缶やビニールの包装紙など、ごみを拾い集めた。

 

大渡橋のたもとにある公園で清掃活動に取り組む釜石LCの会員

 

 長年、市内各所で環境美化活動を続ける同クラブは、毎年4月のアースデーには大町・青葉通り周辺の植栽などに取り組んできた。今年は、県内LCの代表者らが沿岸部の鉄道旅を楽しむ催しに合わせ、活動を計画。清掃の合間に河川敷で大漁旗を振り、列車の見送りもした。

 

大渡橋のたもとにある公園で清掃活動に取り組む釜石LCの会員

 

 永澤会長は「きれいな環境でおもてなししたい。取り組みを見てもらうことで、環境を守る取り組みに関心を持ってもらう機会にもなる」と期待した。

大土直哉助教(右)から説明を受ける重茂中の生徒ら

大槌湾を拠点に三陸の海を学べる展示施設「おおつち海の勉強室」開室~子どもたちの探究心を伸ばせる環境を

オサガメのはく製が出迎える「おおつち海の勉強室」の展示室

オサガメのはく製が出迎える「おおつち海の勉強室」の展示室

 

 大槌町赤浜の東京大大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター(青山潤センター長)は、三陸の海の生物や環境などを学べる展示施設「おおつち海の勉強室」を新設。18日、開室記念式典を行い、一般開放を始めた。同大の研究成果を地域に還元しながら、地元の海について共に考える交流・連携拠点を目指す。

 

 同施設は震災の津波で被災したセンターの旧研究実験棟跡地に建設。鉄筋コンクリート造り平屋建てで、建物面積75平方メートル。センターのウミガメ研究者でイラストレーターの木下千尋さんが海の生き物を描いた外壁が目を引く。

 

施設の入り口で行われた式典出席者によるテープカット

施設の入り口で行われた式典出席者によるテープカット

 

 室内ではテーマを変えながら行う企画展示があり、今は「大槌湾の藻場と生物多様性」と題し、生物標本約120点が解説を添えて展示される。2019年にセンターの研究者によって発見された新種のカニ「オオヨツハモガニ」の紹介も。生きたヤドカリやウニ、ヒトデは水槽で見ることができる。写真や動画が見られるタッチパネル式の生き物図鑑、大槌湾の水温、風速・風向データや施設から臨む蓬莱島(ひょうたん島)の映像をリアルタイムで公開するモニターなどもある。

 

大槌湾の藻場の生物標本が並ぶ企画展示

大槌湾の藻場の生物標本が並ぶ企画展示

 

 入り口の「みんなでつくる大槌湾マップ」は、センターの調査活動を地図とともに掲示するほか、一般の人が見つけた生物を写真などで報告すると、研究者が調べて返事を書き、マップ上に反映させる展示。メールや投函での情報提供を呼び掛ける。

 

 三陸はウミガメの回遊コースになっていて、センターでも研究が盛ん。施設では、甲羅だけで長さ1・2メートルもあるオサガメの子のはく製が展示され、来遊する夏季には屋外水槽で生きたウミガメを観察できる。

 

 18日の式典には関係者約40人が出席。テープカットで開室を祝い、施設見学が行われた。説明した大土直哉助教(34)は「自然に興味を持つ子どもたちの探究心を伸ばしてあげられる環境が必要。施設を使って知識を深め、次のステップにつなげてもらえたら」と期待。この日は、センターと連携し海の学習に取り組む重茂中(宮古市)の生徒や、研究者と調査活動などを共にする大槌高「はま研究会」のメンバーも訪れ、新施設の活用に夢を膨らませた。

 

大土直哉助教(右)から説明を受ける重茂中の生徒ら

大土直哉助教(右)から説明を受ける重茂中の生徒ら

 

 青山センター長は「地元だけでなく観光客にも三陸の海の魅力を発信する場にしたい。将来的には、古里の海に思いを持つ人たちが企画や運営を担い、まちとして〝おらほの海〟を全国にアピールできれば」と話す。施設への入場は無料。当面は新型コロナウイルス感染予防のため、事前予約で見学を受け付ける(解説員が同行)。申し込みは同センター(電話0193・42・5611)へ。

看護師による接種の模擬訓練

新型コロナウイルスワクチン集団接種~5月中旬からの実施に向けイオンタウン釜石で模擬訓練

問診ブースのシミュレーション

問診ブースのシミュレーション

 

 釜石市は、5月16日から始まる高齢者の新型コロナウイルスワクチン集団接種に向けた模擬訓練を17日、接種会場となるイオンタウン釜石3階催事スペースで行った。一連の流れを確認し課題を修正した上で、実際の接種に臨むために実施。担当する釜石医師会(小泉嘉明会長)の医師と看護師、保健師ら市の職員が、地域の高齢者の協力を得てシミュレーションし、改善点などを洗い出した。対象となる65歳以上の高齢者には23日までに接種券が郵送される予定で、26日から予約を受け付ける。

 

 訓練には大町、只越町に暮らす高齢者28人が協力。関係者合わせ約120人が参加した。接種は①検温・手指消毒②受付③問診④診察⑤接種⑥接種済証発行⑦状態観察⑧2回目の接種予約―の順に進む。各ブースで担当者が実践し、人員、備品、会場内の配置などについてチェック。副反応が出た場合の救護体制も確認し、安全でスムーズに接種できるよう本番に向けて課題を整理した。

 

看護師による接種の模擬訓練

看護師による接種の模擬訓練

 

 大町の亀谷英男さん(78)は「概ねスムーズにいったんじゃないか。不安もなかった。今は家から出るのは食料の買い出しぐらい。ワクチンを打てば少しは安心かな」。大町の中川カヨ子さん(73)は「戸惑った部分もあったが、本番に向け体験できて良かった。ボランティアで高齢者や子どもたちがいる所に行く機会が多いので、接種は安心材料になる」と期待した。

 

接種後15~30分の状態観察で体調などを確認

接種後15~30分の状態観察で体調などを確認

 

 訓練後、各担当が気付いた点を発表。問診時のアクリル板設置による聞き取りづらさ、既往症歴や服薬状況が分からない時の対処、接種時の服の着脱時間短縮の工夫、2回目予約のシステムトラブルが発生した場合の対応、誘導係の増員―など、さまざまな指摘、改善への提案があり、検討して本番に備えることになった。医師会の小泉会長は「一番の問題は問診。トラブル回避のため、分からないことは医師に聞いてほしい。なるべく早く多くの人が接種できるよう、医師会も全面協力する」と話した。

 
2回目の接種予約をして終了

2回目の接種予約をして終了

 

 市によると市内の接種対象高齢者は約13000人。長期入院患者、施設入所者と職員への接種は今週から開始された。その他の高齢者接種は、市内17医療機関(かかりつけ医)での個別接種が5月10日から順次開始。イオン釜石会場での集団接種は5月16日から毎週日曜日に実施される。いずれも事前予約が必要。

 

 市では集団接種の対象者を、かかりつけ医療機関を持たない1800人程度と推定。ワクチン供給や接種状況を見て医師会と協議しながら、6月上旬をめどに体制(予約枠、開設日増など)の見直しを図る。市新型コロナワクチン接種推進室の佐々木尊子室長は「2回目接種の分も考え、最初は慎重にスタートする。住民が安心して受けられるよう体制整備に万全を尽くしたい」と意を強くする。

鈴木弘文会長(右)の解説に聞き入る参加者

「津波に耐えた樹木の観察会」~市内4地点を巡り、大津波に耐えた環境特性を学ぶ

鈴木弘文会長(右)の解説に聞き入る参加者

鈴木弘文会長(右)の解説に聞き入る参加者

 

 東日本大震災の津波に襲われながらも流されずに残った樹木の観察会が11日、釜石市内の大槌湾沿岸域で行われた。市内外から13人が参加。企画した「釜石植物の会」の鈴木弘文会長(75)の案内で4つのポイントを巡った。「なぜ大津波の威力に耐えられたのか」その環境特性を学び、自然と人間の暮らしとの関わりにも目を向けた。

 

 最初に訪れたのは、震災前、鵜住居川河口部に面していた片岸町の岩場。津波で河口は失われ、周辺の光景は一変したが、岩を抱えるように根を張るマツやケヤキは波の衝撃に耐え抜き、今も生命力をみなぎらせる。樹齢100年以上とみられるケヤキは、海岸側から見上げると根元の形状がよく分かり、見事な枝ぶりとともに参加者を驚かせた。

 

岩を抱えるように根を張るケヤキ=片岸町=

岩を抱えるように根を張るケヤキ=片岸町=

 

 鵜住居町の根浜海岸には、防潮堤の背後に立ち並ぶクロマツの林が残る。鈴木会長はマツに交じって生えるケヤキについて触れ、「地中深く根を張る広葉樹(ケヤキなど)が地盤を強くし、横に根を伸ばす針葉樹(マツなど)の生育環境を助けている。こういう環境が津波から松林を守ることにつながった」とし、複数の樹木の共生関係で自然が成り立っていることを教えた。

 

 箱崎町の漁港に面する高台の箱崎神社では、津波で境内斜面に生えていた一部の木が倒れ、震災後伐採されたが、社周辺のヤブツバキやタブノキなどは残り、この日は青々と葉が生い茂る姿を確認できた。津波は社の床上1㍍まで達したという。

 

 最後は、箱崎白浜地区まで足を伸ばし、復興事業で整備された新しい防潮堤周辺を見て回った。堤防内側には地域のシンボル的存在だったケヤキの巨木3本があり、津波にも耐えて生き残ったが、防潮堤工事のため2本が伐採された。残る1本は幹周り約4・4メートル、樹高は14・5メートルの防潮堤を優に超える高さ。参加者は2本の切り株も観察し、3本が立ち並ぶ姿に想像をめぐらせた。

 

箱崎白浜の防潮堤内側にそびえ立つケヤキの巨木

箱崎白浜の防潮堤内側にそびえ立つケヤキの巨木

 

 友人3人で参加した小佐野町の小林祐介さん(36)は「岩を巻き込んで育つなど木の根の力は強い。津波にも耐え、たくましさとともにしなやかさを感じる」と目を奪われた。自然と人間の関係にも言及。「自然を生かしながら人の暮らしも守る。難しいとは思うが、未来のためには必要」と実感を込めた。

 

 鈴木会長は「200年後のことを考えれば、樹木がしっかり根を張った大地はコンクリートに勝る。環境破壊によって人間が危険にさらされるようなことはあってはならない」と植物保護への関心の高まりを期待する。

旧市民文化会館の懐かしい写真や収蔵品が並ぶ企画展

市民ホールTETTOにて「旧市民文化会館展」開催~津波で被災し解体された旧会館の収蔵品などを公開

旧市民文化会館の懐かしい写真や収蔵品が並ぶ企画展

旧市民文化会館の懐かしい写真や収蔵品が並ぶ企画展

 

 東日本大震災の津波で被災し解体された旧釜石市民文化会館の歴史を振り返る企画展が、後継施設・釜石市大町の市民ホールTETTOギャラリーで開かれている。1978(昭和53)年の開館までの動きを紹介する資料や写真、収蔵品など約20点を展示。「さまざまな公演や催事に通いつめた」といった市民の思い出も並ぶ。25日まで。

 

開館に合わせ企業経営者から贈られた絵画「農村」。作者不明となっているが・・・

 

 旧文化会館は1978年12月に開館し、市民の文化活動や優れた芸術の実践・鑑賞の拠点として幅広く利用されてきた。2011年3月11日、震災の津波で大きな被害を受け、15年3月に解体された。企画展では旧会館の建設工事中の様子、大ホールや和室、研修室などの写真を展示。落成を記念し、連日舞台で行われた演奏会や郷土芸能祭などの公演、「三味線と民謡教室で教えている弟子たちに、ひのき舞台を踏ませてやりたい」「すばらしい会館を大切にしたい」など市民の声をつづった市政広報も掲示している。

 

 市の花、木、鳥が描かれた中ホールの緞帳(どんちょう)のデザイン画、「農村」と題名がついた作者不明の絵画など収蔵作品、建設費や備品など寄付者を刻んだ芳名録も紹介。会場には旧会館の思い出や詳細不明となっている展示作品の情報を書き込めるコーナーもある。

 

開館に合わせ企業経営者から贈られた絵画「農村」。作者不明となっているが・・・

開館に合わせ企業経営者から贈られた絵画「農村」。作者不明となっているが・・・

 

収蔵された経緯、作品名、作者など詳細について記録がない作品

収蔵された経緯、作品名、作者など詳細について記録がない作品

 

企画展は旧会館の収蔵品を保管する市文化振興課が発案。「地域にある優れた作品を埋もれさせたくない」との思いに共感した同ホールが、市郷土資料館の協力を得て開催。同ホールの阿部美香子さん(42)は「展示品には懐かしさ、味があり、当時の楽しい思い出がよみがえってくると思う。脳内タイムトラベルを楽しんでもらえたら」と来場を呼び掛ける。

 

開催時間は午前9時~午後9時までで、入場無料。問い合わせは同ホール(0193・22・2266)へ。

新しい消防ポンプ車が配備された消防団第6分団第4部の団員ら

釜石市消防団・第6分団第4部に新型消防ポンプ車を導入

新しい消防ポンプ車が配備された消防団第6分団第4部の団員ら

新しい消防ポンプ車が配備された消防団第6分団第4部の団員ら

 

 釜石市消防団・第6分団第4部=片岸町中心部(柏﨑成好部長、7人)に3月26日、新しい消防ポンプ車が引き渡され、部員が新たな機能と性能を確認した。2020年度の消防団関係の消防設備整備事業はほかに、小型ポンプ・積載車2台が更新され、3月末に第6分団第5部(鵜住居町川目地区)の消防屯所が移転・新築を完了した。

 

 新車両の操作説明会は鈴子町の釜石大槌地区行政事務組合消防本部庁舎で行われ、柏﨑部長ら4人が参加。車両の運転特性と、消防車独自の無線やアナウンスなど付帯装置の説明を受けた。甲子川の対岸、千鳥町の河川敷に移動し、ポンプ操作、メンテナンスを重点に説明を受け、実際に放水能力を確認した。

 

甲子川河川敷で新車両の放水能力を確認

甲子川河川敷で新車両の放水能力を確認

 

 新車両はディーゼルエンジン(3000㏄)を搭載、4WD、5速オートマチックミッションで、ダブルキャブ、乗車定員5人。最新の照明、電子サイレン、カーナビとバックモニター連動装置、ドライブレコーダーも装備した。ポンプは放水手順の迅速化が図られ、無給油式真空ポンプは吸水、放水能力(規格放水量毎分2㌧)とも同タイプの最高レベルだ。

 

 年度末の退団を控えた柏﨑部長(69)は「新しいポンプ車は最高だ。操作に早く習熟するよう訓練する必要がある。若い団員が加入してくれれば」と期待を語った。

 

 新ポンプ車の整備事業費は税込みで2612万5千円。旧車両は1998年度に配備され、22年が経過した。

満開の桜の下でごみ拾いに励む子どもら

“自然にお返しをする気持ち”で環境意識の向上へ~「お花見クリーンアップ」に親子連れも多数参加

満開の桜の下でごみ拾いに励む子どもら

満開の桜の下でごみ拾いに励む子どもら

 

 釜石市が誇る桜の名所の一つ、甲子町松倉の甲子川沿いの市道で4日、「お花見クリーンアップ」と銘打った清掃活動が行われた。環境保護活動団体「かまいし環境ネットワーク」(加藤直子代表)が主催。満開を迎えた桜並木の下で参加者がごみを拾い集め、美しい景観の保全へ意識を高めた。

 

 清掃範囲は県立釜石病院裏手から市球技場付近まで。新型コロナウイルス感染防止策として密集を避けるため、活動時間(午前9時~10時)内で自由参加、解散という形をとった。参加者はごみ袋を手に土手や河川敷、並木の根元周辺を歩き回り、さまざまなごみを拾い集めた。

 

 空き缶・瓶、ペットボトル、菓子袋、たばこの吸い殻など〝ポイ捨て〟ごみのほか、トタン、金網、タイヤなど不法投棄が疑われる重量系ごみも目立ち、美しい桜とは真逆の足元の状況に参加者が心を痛めた。

 

河川敷からは大型ごみも回収された

河川敷からは大型ごみも回収された

 

 同活動に初めて参加した中田清乃さん(甲子小6年)は「ごみの量は予想以上。特にマスク、ビニール、プラスチック類が多かった」と驚き、「きれいな環境で桜を楽しめるよう、ごみは絶対に捨てないでほしい」と切望。母貴世江さんも「普段、車で通るが土手下までは見ることがない。こんなに汚れているとは。いい勉強になった」と話し、次代を担う子どもたちの環境意識向上にも期待した。

 

 例年の満開は4月中旬という同所の桜。今年は、3月からの暖かさで開花が早まり、4月のスタートとともに一気に咲きそろった。

 

 「きれいな花で楽しませてもらう分、私たちも自然にお返しをする気持ちが大事。何をしてあげられるか。考えた先に地球温暖化対策がある」と加藤代表。川沿いのごみ拾いは海のごみをなくすことにもつながる。「地球上の生き物を守ることに目を向けるきっかけにもなれば」と願う。

 

 今年は親子連れの参加も多く、昨年を上回る50人以上が活動した。

自動車愛好家らの自由参加型ミーティング「カマミー」今春から定例開催~コロナ禍を乗り越え地域のにぎわい創出に

自動車愛好家らの自由参加型ミーティング「カマミー」今春から定例開催~コロナ禍を乗り越え地域のにぎわい創出に

キッチンカーなども並び、華やぐカマミー会場=根浜シーサイド駐車場

 

 釜石市鵜住居町、根浜シーサイド駐車場を会場にした自動車愛好家らの自由参加型ミーティング「カマミー」(Car-maishi Meeting、同実行委主催)が、今春から定例開催されることになり、3月28日、キックオフイベントが開かれた。毎月第4日曜日を開催日とし、今年は11月まで実施予定。愛好家の交流のみならず、地域のにぎわい創出、経済効果を狙いに定着を図る。

 

 同イベントは、釜石市出身の自動車ライター金秀樹さん(48)と甲子町在住の愛好家佐野仁彦さん(52)が共同運営。昨年2回のプレ開催を経て、今年から本開催にこぎつけた。
 28日は県内外の愛好家が自慢の愛車約100台を持ち寄り、車談議に花を咲かせた。会場には新旧の国産車、輸入車など多種多様な車が勢ぞろい。一般来場者も含め子どもから大人まで幅広い年代が、見物や写真撮影、所有者との会話を楽しんだ。

 

オーナー自慢の愛車が勢ぞろい。見学者も興味津々

オーナー自慢の愛車が勢ぞろい。見学者も興味津々

 

 一関市の小野寺莉子さん(18)は高校卒業を控え、5日前に運転免許を取得したばかり。父利典さん(53)の影響で車好きという莉子さんは、一家が所有する4台のうち、日産チェリー系販売会社の創立15周年記念モデル「パルサーEXAコンバーチブル」(1985年製、100台限定)を運転して来場。「オートマより断然楽しい。今ではない車体の形にも引かれる」とクラシックカーの魅力を語り、「コロナが収まったら車で関東に行ってみたい」と夢を膨らませた。4月からは自動車整備の専門学校に進学し、整備士を目指すという。

 

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 三陸沿岸道路の開通を追い風に実現した同イベント。実施にあたっては、新型コロナウイルス感染防止策を徹底し、リスクを避けながら地域活性化に貢献する新たな形を模索する。
 実行委の佐野さんは「ストレスを発散しながらコロナ禍を乗り切る一つのモデルになれば。民間発信のにぎわい創出で周辺の飲食、観光産業救済にもつなげられたら」と期待。震災で大きなダメージを受けた観光地・根浜海岸の再生も見据える金さんは「三陸道のドライブスポット、和みの場にしたい。キッチンカーやフリーマーケットの出店もさらに促し、地元の人にも気軽に足を運んでもらえる形に」と意気込んだ。