再生された根浜海岸の砂浜でごみを拾い集める子ども
コロナ禍でストレスをためがちな子どもたちに安全安心な遊び場を提供する「根浜あおぞらパーク」(同実行委主催)が本年度も開設される。釜石市鵜住居町の観光施設・根浜シーサイドを拠点に、5月から毎週末、天然芝の広場(多目的グラウンド)開放や各種体験イベントを行う予定。昨年から積み上げてきた感染症対策を徹底し、“withコロナ”時代の遊び方の可能性を広げる。
同事業は子どもの育成、自然、観光などの分野に関わる民間の7法人・団体が実行委を組織し、昨年5月から開始。11月まで計37回実施し、510組(延べ1423人)の家族が利用した。グラウンドではボール遊びやたこ揚げ、鬼ごっこなど好きな遊びを自由に楽しんでもらい、季節ごとにさまざまな体験メニューも用意。料理教室、海遊び、薪割り、火おこし、ビオガーデン収穫など生きる力を育む活動を取り入れた。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、本年度も継続開催を決定。初回の25日は、4月から立ち入り禁止が解除された根浜海岸の砂浜で清掃活動を実施。親子連れを中心に約70人が参加した。東日本大震災の津波被害を受けた同海岸は、総延長450メートルの砂浜再生工事が完了したばかり。今年7月には震災後初の海開きも計画されており、子どもたちが環境保護意識を高める機会にもなった。
ごみがたまりやすい防潮堤の根元付近からはさまざまなごみが回収された
熊谷咲乃さん(甲子小3年)は初めて同砂浜に足を踏み入れた。「大きいのから小さいのまで、いっぱいごみがある。汚れていると海の生き物も死んでしまうかもしれない。できるだけごみを拾いたい」と熱心に作業。昨年、同パークに何度か足を運んだ松田翔希君(甲子小5年)は「やさしいスタッフと一緒に遊んだりするのが楽しかった。今年は海に入って遊びたい」と望んだ。
砂浜には波で打ち寄せられた木の枝なども・・・
実行委の伊藤聡代表(三陸ひとつなぎ自然学校代表理事)は昨年を振り返り、「ニーズはあった。今は子どもだけの力で自然と触れ合って遊ぶことができにくい時代。まずはイベント的な形でそういう時間をつくっていければ。これはコロナ抜きでも求められている部分だと思う」と実感を込める。本年度も11月まで開催したい意向で、根浜地区以外に出向いて行う出張型も試験的に開催し、ニーズなどを探っていく予定。
約1時間半の清掃活動に取り組んだ参加者。今夏の海開きに期待!!
同パークは毎週土曜日か日曜日、午前10時から午後3時まで開設。小学生以下が対象(未就学児は保護者同伴)。感染拡大防止のため、県内在住者に限定する。参加費無料(料理教室や海での体験活動などは有料)。大型連休期間中は5月4、5日も開設し、1日はハマナスの種まき、4日はスポーツ雪合戦も行う予定。
問い合わせは三陸ひとつなぎ自然学校(電話/FAX 0193-55-4630、メール hitotsunagi.main@gmail.com )へ。