市民ホールTETTOにて「旧市民文化会館展」開催~津波で被災し解体された旧会館の収蔵品などを公開
旧市民文化会館の懐かしい写真や収蔵品が並ぶ企画展
東日本大震災の津波で被災し解体された旧釜石市民文化会館の歴史を振り返る企画展が、後継施設・釜石市大町の市民ホールTETTOギャラリーで開かれている。1978(昭和53)年の開館までの動きを紹介する資料や写真、収蔵品など約20点を展示。「さまざまな公演や催事に通いつめた」といった市民の思い出も並ぶ。25日まで。
旧文化会館は1978年12月に開館し、市民の文化活動や優れた芸術の実践・鑑賞の拠点として幅広く利用されてきた。2011年3月11日、震災の津波で大きな被害を受け、15年3月に解体された。企画展では旧会館の建設工事中の様子、大ホールや和室、研修室などの写真を展示。落成を記念し、連日舞台で行われた演奏会や郷土芸能祭などの公演、「三味線と民謡教室で教えている弟子たちに、ひのき舞台を踏ませてやりたい」「すばらしい会館を大切にしたい」など市民の声をつづった市政広報も掲示している。
市の花、木、鳥が描かれた中ホールの緞帳(どんちょう)のデザイン画、「農村」と題名がついた作者不明の絵画など収蔵作品、建設費や備品など寄付者を刻んだ芳名録も紹介。会場には旧会館の思い出や詳細不明となっている展示作品の情報を書き込めるコーナーもある。
開館に合わせ企業経営者から贈られた絵画「農村」。作者不明となっているが・・・
収蔵された経緯、作品名、作者など詳細について記録がない作品
企画展は旧会館の収蔵品を保管する市文化振興課が発案。「地域にある優れた作品を埋もれさせたくない」との思いに共感した同ホールが、市郷土資料館の協力を得て開催。同ホールの阿部美香子さん(42)は「展示品には懐かしさ、味があり、当時の楽しい思い出がよみがえってくると思う。脳内タイムトラベルを楽しんでもらえたら」と来場を呼び掛ける。
開催時間は午前9時~午後9時までで、入場無料。問い合わせは同ホール(0193・22・2266)へ。
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