新型コロナウイルスワクチン集団接種~5月中旬からの実施に向けイオンタウン釜石で模擬訓練


2021/04/23
釜石新聞NewS #医療・健康

問診ブースのシミュレーション

問診ブースのシミュレーション

 

 釜石市は、5月16日から始まる高齢者の新型コロナウイルスワクチン集団接種に向けた模擬訓練を17日、接種会場となるイオンタウン釜石3階催事スペースで行った。一連の流れを確認し課題を修正した上で、実際の接種に臨むために実施。担当する釜石医師会(小泉嘉明会長)の医師と看護師、保健師ら市の職員が、地域の高齢者の協力を得てシミュレーションし、改善点などを洗い出した。対象となる65歳以上の高齢者には23日までに接種券が郵送される予定で、26日から予約を受け付ける。

 

 訓練には大町、只越町に暮らす高齢者28人が協力。関係者合わせ約120人が参加した。接種は①検温・手指消毒②受付③問診④診察⑤接種⑥接種済証発行⑦状態観察⑧2回目の接種予約―の順に進む。各ブースで担当者が実践し、人員、備品、会場内の配置などについてチェック。副反応が出た場合の救護体制も確認し、安全でスムーズに接種できるよう本番に向けて課題を整理した。

 

看護師による接種の模擬訓練

看護師による接種の模擬訓練

 

 大町の亀谷英男さん(78)は「概ねスムーズにいったんじゃないか。不安もなかった。今は家から出るのは食料の買い出しぐらい。ワクチンを打てば少しは安心かな」。大町の中川カヨ子さん(73)は「戸惑った部分もあったが、本番に向け体験できて良かった。ボランティアで高齢者や子どもたちがいる所に行く機会が多いので、接種は安心材料になる」と期待した。

 

接種後15~30分の状態観察で体調などを確認

接種後15~30分の状態観察で体調などを確認

 

 訓練後、各担当が気付いた点を発表。問診時のアクリル板設置による聞き取りづらさ、既往症歴や服薬状況が分からない時の対処、接種時の服の着脱時間短縮の工夫、2回目予約のシステムトラブルが発生した場合の対応、誘導係の増員―など、さまざまな指摘、改善への提案があり、検討して本番に備えることになった。医師会の小泉会長は「一番の問題は問診。トラブル回避のため、分からないことは医師に聞いてほしい。なるべく早く多くの人が接種できるよう、医師会も全面協力する」と話した。

 
2回目の接種予約をして終了

2回目の接種予約をして終了

 

 市によると市内の接種対象高齢者は約13000人。長期入院患者、施設入所者と職員への接種は今週から開始された。その他の高齢者接種は、市内17医療機関(かかりつけ医)での個別接種が5月10日から順次開始。イオン釜石会場での集団接種は5月16日から毎週日曜日に実施される。いずれも事前予約が必要。

 

 市では集団接種の対象者を、かかりつけ医療機関を持たない1800人程度と推定。ワクチン供給や接種状況を見て医師会と協議しながら、6月上旬をめどに体制(予約枠、開設日増など)の見直しを図る。市新型コロナワクチン接種推進室の佐々木尊子室長は「2回目接種の分も考え、最初は慎重にスタートする。住民が安心して受けられるよう体制整備に万全を尽くしたい」と意を強くする。

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