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オープニングで元気に市民歌を歌う唐丹、栗林児童館の子どもたち

地域福祉の充実誓い合う、民間の活動計画案 中間発表も〜釜石市社協50周年記念、200人参加し社会福祉大会

震災後、継続的に被災者支援活動を行う団体などへの感謝状の贈呈

震災後、継続的に被災者支援活動を行う団体などへの感謝状の贈呈

 

 地域福祉の充実強化へさらなる協働を誓い合う「釜石市社会福祉大会」が12日、ホテルサンルート釜石で開かれた。37回目となる今年は主催団体の一つ、釜石市社会福祉協議会の創立50周年を記念する大会となり、福祉功労者、子どもたちを対象とした福祉絵画・作文コンクール入賞者の表彰に加え、作家の落合恵子さんの記念講演が行われた。

 

 関係者約200人が参加。唐丹、栗林の両児童館の子どもたちが釜石市民歌を歌い、大会が幕を開けた。大会長を務める市社協の丸木久忠会長はあいさつの中で、「復興住宅の入居の進展、仮設住宅の集約化などで被災者の孤立防止や地域コミュニティーの再生強化への支援が一層求められる。生活困窮者の増加など多様な生活課題への取り組みも必要。住み慣れた地域に健康で安心して暮らし続けたいと願う住民のため、福祉に携わる者が一つになり積極的に福祉施策を推進していく」と決意を述べた。

 

オープニングで元気に市民歌を歌う唐丹、栗林児童館の子どもたち

オープニングで元気に市民歌を歌う唐丹、栗林児童館の子どもたち

 

 大会長表彰として、社会福祉事業と共同募金運動の功労者15人を表彰。在宅介護模範者1人に褒賞を贈った。また、震災以降、釜石の被災者を継続的に支援する市内外の団体などに市社協会長から復興支援感謝状を贈呈。災害ボランティアセンターへの職員派遣、募金活動やイベント開催による寄付、復旧・復興のための現地での作業など幅広い支援活動を行ってきた各地の社協やNPO法人など12団体、1人に感謝の気持ちを伝えた。一昨年2月に釜石市社協と災害時応援協定を結んだ東海市社協の久野久行会長は「震災は東海市民としても決して忘れることのない大惨事。11万人を超える東海市民の3分の1近くは釜石から来られた方。両市の絆を一層強くし、より良い社会のため手を取り合っていきたい」と謝辞に思いを込めた。

 

 「ぼくの・わたしのだいすきなひと」をテーマに作品を募集する幼児福祉絵画コンクールには今年度、市内12施設から195点の応募があった。父母や兄弟(姉妹)、先生などを描いた絵は、ほほ笑ましく色彩感覚に優れた作品が多く、個性豊かにのびのびと表現された8点が入賞作品に選ばれた。小・中・高9校から85点の応募があり8点が入賞した福祉作文コンクールは、どの作品も福祉について真剣に考え主張しており、「障害者への差別、偏見を無くして欲しい」「高齢者や障害者の力になりたい」など、それぞれの体験から芽生えたより良い福祉社会への願いが素直につづられている。両コンクールの入賞者も大会で表彰された。絵画の全応募作品と作文の入賞作品は12月2日から11日まで、イオンタウン釜石2階のイベントスペースで展示される。

 

 大会では、福祉関係者や住民による委員会で策定を進めている「釜石市地域福祉活動計画」案の中間報告も行われた。同計画は市の地域福祉計画策定に合わせ、市社協が主体となって初めて定める民間の活動・行動計画。「つながる釜石 豊かさ育む福祉コミュニティーの創造」を基本理念に、▽人づくり▽地域づくり▽必要に応じたサービス提供▽持続可能な仕組みづくり―を4つの柱に掲げる。来年2月までに計画案を策定し、意見を聞きながら3月中の策定を目指す。

 

落合恵子さん「人権とは誰の足も踏まないこと」

 

 釜石市社協50周年記念の社会福祉大会で講演した作家の落合恵子さん(71)は栃木県宇都宮市出身。明治大文学部英米文学科卒業後、文化放送に入社。ラジオのアナウンサーを経て、作家活動に入った。執筆だけでなく、子どもの本の専門店「クレヨンハウス」などを主宰し、社会的弱者に寄り添った活動で知られる。東京家政大の特任教授も務める。

 

「生まれてきて良かったと思える社会を」と訴える落合さん

「生まれてきて良かったと思える社会を」と訴える落合さん

 

 この日は「いま、人権から…ひとりひとりが『主役』の社会を」と題して講演。「人種、性、年齢の差別、健常者中心主義から解き放たれた時、人は人権に近づく」とし、さまざまな差別意識が人権問題の根底にあることを示唆した。

 

 自身が人権に目を向けるきっかけは母の言葉だったという。戦争で愛する男性と離れ離れになってしまった落合さんの母は、親族らの猛反対を受けながらも出産を決意。父親のいない子どもを生むことが不道徳と言われた時代ゆえに、周囲の風当たりは非常に厳しかったというが、懸命に落合さんを育て、15歳になった落合さんにこう言ったという。「あなたは生まれついて差別される側になってしまった。これからの人生、される側の人と手をつないでいく生き方を見つけてほしい」。障害や特定の病を持つ人、部落などに対する多くの差別を例に挙げ、共に歩むことを願ったという。「母の言葉がその後の人生の宝物になった」と落合さん。

 

 学生には「人権とは誰の足も踏まないこと。誰にも自分の足を踏ませないこと。この場合の足は自分という存在そのもの。それを実行していく上に咲くのが人権という花ではないか」とも話したという。

 

 大会参加者は「人権は自分に引き寄せない限り絵に描いた餅。どこかの誰かのテーマではなく、自分に引き寄せて初めて見えるもの」とする落合さんの言葉に共感しながら、講演に聞き入っていた。

 

(復興釜石新聞 2016年11月16日発行 第538号より)

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

野田市長から長寿の祝いを受ける仙人の里のお年寄り

節目の長寿、12人を祝う〜特養ホーム仙人の里、敬老会130人で

野田市長から長寿の祝いを受ける仙人の里のお年寄り

野田市長から長寿の祝いを受ける仙人の里のお年寄り

 

 釜石市甲子町の特別養護老人ホーム仙人の里(佐野寛施設長、長期入所66人など)の敬老会は14日、ホールで開かれた。節目の年齢を迎えた12人を、家族、職員と、野田武則市長や地元町内会の代表ら来賓の120人が祝った。

 

 同施設は1992年に開所、今年で25年目を迎える。運営する社会福祉法人陽風会の本正美子会長は「厳しい、激動の時代の中で社会を築き、懸命に生きてきたみなさんに敬意を表します。大変でしたね。みなさんが安心してゆったりと、くつろいで過ごせるよう、職員はきめ細かな対応をしていきます」とあいさつした。

 

 野田市長も「みなさんの努力のおかげで、今の豊かな生活がある。健康で長生きし、経験を若い人に伝えてほしい」と祝辞。

 

 主賓は元気に100歳を超えた近江タケさんと、白寿(99歳)、卒寿(90歳)、米寿(88歳)、喜寿(77歳)の合計12人。市、大槌町、陽風会から祝金などが贈られた。米寿の小笠原慶子さんが「毎日を大切に、健康で暮らしてまいります」とお礼の言葉を述べた。

 

 祝いのアトラクションは、施設の季節行事に毎回のように協力する歌手の尾崎都さん。真紅のドレスで登場した尾崎さんは、お年寄りに声を掛けながら、元気な歌声で激励した。昼食は、家族も一緒に味わった。

 

 佐野施設長によると、長期入所者の平均年齢は女性が90歳近く、男性も80代。「最近は入所時の要介護度が高く、長寿を反映している。職員の職業意識は一層充実している」と語った。

 

(復興釜石新聞 2016年9月17日発行 第521号より)

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創立記念行事を入所者・スタッフ一体で楽しみ、祝った

津波に負けず5周年、グループホームやかたで記念行事〜「信頼されるホームへ」気持ち新たに

5周年を迎えたグループホームやかた、関連施設

5周年を迎えたグループホームやかた、関連施設

 

 認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護事業を行うコンフォートライフ(松田宇善代表社員)が釜石市大町で運営するグループホームやかた、小規模多機能ホームやかたで1日、創立5周年記念行事があり、施設入居者や利用者、職員が歌や手品など余興を楽しみ、昼食を食べながら親睦を深めた。

 

 両ホームは2011年4月1日に開所することになっていたが、施設引き渡しの直前に起こった東日本大震災で2階建ての建物の1階が天井まで浸水。開所の延期を余儀なくされたが、行政や県外の福祉関係者の支援により施設を修復し、5カ月後の9月1日に開所した。

 

 グループホームは1ユニット9床という少人数制のゆったりとした家庭的な環境を提供している。通い、泊まり、訪問の3種類のサービスを自由に組み合わせることができる小規模多機能ホームは登録定員25人、通い15人、泊まり5人で、在宅生活を基本として社会の役割や地域の人との関係を維持、継続できるよう支援。今年の5月からはデイサービス(利用者3人)も始めている。

 

創立記念行事を入所者・スタッフ一体で楽しみ、祝った

創立記念行事を入所者・スタッフ一体で楽しみ、祝った

 

 記念行事であいさつに立った松田代表は5年間を振り返り、「多くの人に利用してもらい、介護職員が少ないといわれる中でも人材が集まり、恵まれていると感じる。『釜石に住み続けられてよかった』という利用者さんの言葉を聞き、本当に建ててよかったと思った。5周年はこじんまりだが、10周年は盛大にやりたい。それを目標に長生きしてください」と利用者らに呼び掛けた。

 

 釜石シーウェイブス(SW)RFCに所属する遠藤孝亮さん(26)が同施設で働いており、選手3人、SWを応援するマスコット「なかぴー」「なかりん」がお祝いに駆け付けた。3選手は来週から始まる公式戦に向けた意気込みを語り、遠藤さんはラグビーのニュージーランド代表が試合前などに行う踊り「ハカ」を披露。迫力ある踊りに利用者は驚いた様子だったが、「頑張れ。期待してるよ」などと大きな拍手を送っていた。

 

 「釜石小唄」を歌ったり、職員による手品も。8日に88歳を迎える山﨑博さんの誕生会も併せて行った。

 

 利用者らが楽しむ様子に「感無量」と松田代表。市内外の介護施設などで働いていた時に感じた「住み慣れた地域で安心して暮らし続けてもらいたい」との思いを持ち続け、「やかたに行けば何でも解決してくれると地域に信頼される施設を目指したい」と気持ちを新たにした。

 

(復興釜石新聞 2016年9月3日発行 第517号より)

 

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みんなで支える認知症安心ガイド~釜石市認知症ケアパス~を作成しました

市では、認知症対策推進のため、正しい知識や情報を提供することで、早めの適切な対応を可能にすることと、認知症の人や家族が安心して暮らせるような地域で支えるしくみを構築するため認知症ケアパスを作成しました。ここでの「ケアパス」とは、ケアの流れを意味しています。

 

市ホームページに掲載するほか、各地区生活応援センター窓口に設置して希望者へ配布します。

 

認知症は誰にでも起こり得る脳の病気に起因するものです。
国内の認知症の人の数は、平成24年で約462万人で65歳以上高齢者の約7人に1人と推計されており、軽度の認知障害と推計される約400万人と合わせると、65歳以上高齢者の約4人に1人が認知症の人又はその予備軍とも言われています。

 

自分や家族などが「認知症かな?」と思ったとき、また、認知症の人とどのように接すれば良いのか迷ったときにこのガイドブックをご覧ください。

 

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/oshirase/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/05/29/0000000002.pdf

みんなで支える認知症安心ガイド~釜石市認知症ケアパス~

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〒026-0025 岩手県釜石市大渡町3丁目15番26号
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石“ほっ”とプラン6

釜石”ほっ”とプラン6を策定しました

釜石“ほっ”とプラン6(釜石市高齢者保健福祉計画及び第6期介護保険事業計画)

 

市では、急速に進む超高齢社会の状況を見据え、介護サービスの一層の充実と、支えあいや助けあいによる地域社会を構築するため、方向性を示す釜石“ほっ”とプラン6(釜石市高齢者保健福祉計画及び第6期介護保険事業計画)(計画期間:平成27年度~平成29年度)を策定しました。

 

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/oshirase/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/05/26/0000000001.pdf

釜石“ほっ”とプラン6(釜石市高齢者保健福祉計画及び第6期介護保険事業計画)

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