「もっと長生きしようね」 釜石市 100歳を迎えた高齢者に記念品贈る
100歳の泉澤つねさん(前列右)、お祝いに訪れた親族や市関係者ら
釜石市は12日、小佐野町のグループホーム「スマートホーム・パティオ」に入居する泉澤つねさんに、満100歳の特別敬老祝い金5万円と記念品の羽毛掛け布団、野田武則市長が筆をとった「寿」の額入り祝い状を贈った。この日は泉澤さんの誕生日。祝い金の贈呈に合わせ誕生会が催され、泉澤さんの親族や職員らで長寿を祝った。
同ホーム管理者の佐藤健太さん(41)は「100歳おめでとう。これからも元気に、一緒に楽しく暮らしていきましょう」とあいさつ。市保健福祉部の小笠原勝弘部長も祝福の言葉をかけながら、泉澤さんに記念品を手渡した。
「ありがとう」。バースデーケーキに思わず笑みをこぼす泉澤さん(右)
泉澤さんは1921(大正10)年に8人きょうだいの4番目として生まれた。実家は住吉町。戦時中は名古屋の軍事工場に勤め、25歳の時に釜石に戻った。その後、製鉄所勤めで2人の娘を持つ清さん(享年89)と結婚。茶道や華道、裁縫など多彩な趣味を楽しみながら、専業主婦として家庭を支えた。
同ホームには2017年5月に入居。食事など、ゆっくりながらできることはやり、自立した生活を送っている。耳は遠くなったが、ゆっくり大きな声で話しかけられると、きちんと受け答えができるという。
泉澤さんに元気の秘訣(ひけつ)を聞くと「自然体でいること。あと、何でも食べることだね」と笑顔を見せた。新型コロナウイルス感染症の影響で外出機会が減っているが、以前は月に2、3回美容院に行くなど、おしゃれが大好き。自由に出歩ける日を楽しみにしている様子だ。
見守る姪の川向和枝さん(72)=小川町=は「戦争で苦労したと聞く。いい思い出ができたようだ。もっと楽しい思いをしながら、のんびり過ごしてほしい。まだまだ長生きしようね」と目を細めた。
釜石市の高齢化率(65歳以上)は3月末現在で40%。100歳以上は泉澤さんを含め30人(男性3人、女性27人)おり、最高齢は105歳の女性。
釜石新聞NewS
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