心癒す福祉ロボット〜「仙人の里」でふれあい体験、高齢者の笑顔を誘う
笑ったり、驚いたり。ロボットとの触れ合いでさまざまな表情、反応を見せる利用者ら
釜石市甲子町の特別養護老人ホーム仙人の里(高田健二施設長、長期利用者66人、短期利用者14人、デイサービス利用者25人)で6日、福祉ケアロボットとのふれあい体験が行われた。話したり、歌ったり、踊ったり、人工知能を搭載したロボットと接した利用者らは笑みを広げた。
北上市のNPO法人日本地域振興ネット協会(佐藤基理事長)が、高齢者に笑顔を届けようと展開する活動の一環。佐藤理事長(60)らが施設を訪れ、アザラシ形や人形型のロボット4体を披露した。
利用者は話したり、民謡や童謡を歌ったりするロボットを見ると表情を緩め、「めんこいもんだな。よしよし」「お利口だね」などと言いながらやさしくなでたり、抱っこした。ダンスや腕立て伏せなど複雑な動きをするロボットには驚いた表情も見せた。
同施設の佐々木守事務長(63)は「普段笑顔を見せない人も表情が豊かになっている。いつもより話をしている人もいる」と、うれしそうに見守った。人形のロボット2体があるものの、うまく活用できていないと話すのは、生活相談員の佐藤啓祐さん(32)。ロボットとの触れ合いで笑顔を広げる利用者の様子に「刺激を受けたり、癒やしになったり、人それぞれに違った反応がある。有効な活用法を考えたい」と話した。
同協会によるロボットとのふれあい体験は昨年度からスタート。ロボットを借りて北上地域を中心に福祉施設を訪れた。本年度は、いきいき岩手支援財団(盛岡市)の助成を受け約70万円でロボットを購入。訪問先も県内全域に範囲を広げ、12月までに約40施設を回る予定にしている。
釜石での活動は前日からで、市内の別の1施設を訪れた。次回は7月を予定。佐藤理事長は「ロボットとの触れ合いが利用者や施設職員のコミュニケーションにつながれば。利用者が笑顔になると、その様子を見た職員にも笑みが伝わっていく。みんなに喜んでもらえる活動を続けていきたい」と意欲を見せた。
(復興釜石新聞 2018年6月9日発行 第696号より)
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