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橋野鉄鋼山採掘場跡一般公開~世界遺産登録1年、150年前に思いはせ~

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明治40年代ごろまで使われた半地下式の採掘場跡も見学。入り口周辺の地形は非常に険しい

 

 昨年7月にユネスコ世界文化遺産に登録された釜石市橋野町青ノ木の「橋野鉄鉱山」で11日、普段は公開されていない鉄鉱石採掘場跡と運搬路跡の一般向け見学会が開かれた。昨年秋以来の公開で、市内外から25人が参加。先人たちが心血を注いだ約150年前の鉱山労働に思いをはせた。

 

 参加者は市世界遺産室係長の森一欽さん(文化財調査員)の案内で、高炉場跡から南に約2.6キロメートル離れた山中にある採掘場跡まで歩いて向かった。往路は二又沢の川沿いに続く林道をひたすら登った。二又沢は途中で東と西の沢に分かれており、採掘場跡は西又沢の上流に位置する。東又沢は甲子町大橋までつながっているという。登り進むにつれて、高炉場跡周辺で見られた花こう岩帯が、鉄鉱石を含む地層に変わっていき、採掘場が近づいてくると石の色の違いが見て取れた。

 

 幾つかの険しい坂と補助ロープが設置された急斜面を越えてたどり着いた採掘場跡は、標高約900メートル地点に位置。異形状の地形や作業場を確保するための土留めの石垣が、採掘で人の手が加えられたことを物語る。

 

 「ここでは地表に出てきた鉄鉱石を人力で砕いていく”露天掘り”が行われた。1基の高炉で使う鉄鉱石は1日4トン。鉄鉱石の層を求め掘り進めた」と森さん。現場に残る岩肌には磁石が付く部分があり、参加者が試して鉄鉱石の産出場所であったことを確かめた。

 

 橋野鉄鉱山での採掘は、大島高任が青ノ木に建設した仮高炉での操業に成功した1858(安政5)年から始まった。最盛期、高炉3基が稼働したが1894(明治27)年にすべて閉鎖され、以降は鉄鉱石の採掘のみが1979(昭和54)年まで継続された。

 

 露天堀り跡の近くには、切り立った岩の下に半地下式の採掘場跡もあり、入り口から様子をうかがった。このほか周辺では、後に行われる”坑道掘り”の発破用火薬を収納していた火薬庫跡、トロッコの枕木が残る軌道跡、ズリ捨て場なども見られた。

 

 復路は、牛や人が鉄鉱石や木炭を背負って運んでいた運搬路跡を通った。幅1.8メートルほどだったという平らにならしただけの道は、危険箇所もあり、当時の労苦を感じさせた。

 

 一関市の加藤國男さん(66)は「ただ歩いても険しいのに、なりわいとして行き来した昔の人々のたくましさには頭が下がる」と尊敬の念を抱き、「遺跡見学の楽しみは当時をイメージすること。説明を聞くと、なるほどと痕跡が分かり興味がさらに増す」と胸を躍らせた。

 

 奥州市水沢区の今野慎一さん(74)、光子さん(75)夫妻は共に釜石出身で、慎一さんの父は製鉄所勤務。慎一さんは「当時のままの姿が残されているようだった。たがねや金づちを使い手作業で掘ったかと思うと、ただただ感心するばかり」、光子さんは「幼いころから製鉄所になじんできた私たちにとって、鉄は身近な存在。その礎の場を見ることができた」と喜んだ。

 

 採掘場跡と運搬路跡の見学会は秋にも行われる予定。

 

(復興釜石新聞 2016年6月15日発行 第495号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

黍原豊さん(右)が引く馬に乗り、何ともいえない心地良い感覚に身をゆだねた乗馬体験

「馬と古民家のまきば」体験プログラムスタート~心身癒やす馬との触れ合い

黍原豊さん(右)が引く馬に乗り、何ともいえない心地良い感覚に身をゆだねた乗馬体験

黍原豊さん(右)が引く馬に乗り、何ともいえない心地良い感覚に身をゆだねた乗馬体験

 

 馬との暮らし体験を通じ生きる力を育む釜石市橋野町の一般社団法人三陸駒舎(寄田勝彦代表理事)が、いよいよ今月からホースセラピーの体験プログラムをスタートさせた。5日、拠点とする同町中村の古民家で、馬の世話や乗馬などの体験活動が行われ、市内外からの参加者が馬の魅力に触れて心身ともに癒やされた。

 

 「馬と古民家のまきば」と名付けたプログラムは、12月まで毎月第1日曜日に行われる。初回は、ボランティアを含め13人が参加。馬を世話する同法人理事の黍原豊さん(39)の指導のもと、馬房の掃除、馬のブラッシング、餌やりなど馬が快適に過ごすのに欠かせない仕事に励んだ。馬場では乗馬体験も行われた。

 

 鵜住居小5年の山﨑成美さん(10)は「馬のまつげが長くてかわいい。たてがみもきれい。体は触り心地が良くて安心できる」と、すっかり魅了された様子。餌となる草や馬房に敷く木材チップの運搬などにも精力的に取り組み、「毎日のお世話は大変だと思った」と実感を込めた。

 

 前日から放牧場の柵設置や馬屋2階の改修などのボランティア活動を行っていた宮城県名取市の尚絅学院大3年、原田雄介さん(20)は「馬の体温が動物のぬくもりを感じさせる。こうして人が集まって交流できるのも素晴らしい」と同法人の活動に共感。

 

三陸駒舎(橋野町中村)

 

 震災後、釜援隊として復興まちづくりに取り組む中で、馬による心のケアや地域再生の可能性を見いだした黍原さんは、アドバイスを受けた寄田代表と昨年4月、同法人を立ち上げた。市内で復興支援に従事する他団体や釜石に思いを寄せる東京の仲間らと築90年の曲がり家古民家を改修し、活動拠点を整備。今年4月、寄田代表が経営する牧場から雌の道産子馬2頭を連れてきた。

 

 念願の体験プログラム提供にこぎつけた黍原さんは「馬のおかげで人同士のつながりも生まれている。馬との触れ合いが明日への活力をもたらし、良い人間関係を築ける場にもなっていけば」と期待。今後は、古民家の民泊を含むさまざまなニーズのプログラム展開も予定する。

 

 体験の申し込み、問い合わせは黍原さん(電話090・7070・7378)へ。

 

(復興釜石新聞 2016年6月11日発行 第494号より)

関連情報 by 縁とらんす
三陸駒舎 Facebookページ

お互いの首をハムハム。気持ちよさそう。

▼「馬っこ里親」募集!
三陸駒舎では、2頭の馬の毎月のエサ代などの維持費を支えてくれる里親のサポーターを募集しています。(限定60口)
詳細→ https://kamakoma.org/6.html#id9

▼ボランティア募集中
古民家リノベーション、周辺の環境整備を進めています。
半日でも、数日でも参加お待ちしています。
詳細→ https://kamakoma.org/2.html#id19

三陸駒舎さんの投稿 2016年4月23日

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

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HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

 

〜6月21日はミッフィーのお誕生日〜

 

釜石情報交流センターとミッフィーカフェかまいしでは、「HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア」と題して、6月19日(日)から26日(日)までの8日間、ミッフィーのお誕生日を一緒にお祝いしながら子どもも大人も楽しめる9つのイベントを開催します。

 

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア チラシ表

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HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア チラシ裏

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ミッフィーグリーティング

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開催日: 6月19日(日)と26日(日)

6月19日(日)と26日(日)の2日間は、ミッフィーがお客様をお迎えします。
【19日、26日共通】
●場所 ミッフィーカフェかまいし
●1回目 11:00〜11:30
●2回目 13:00〜13:30
※撮影会ではありませんのでご了承下さい。


キッズ&ジュニア ミッフィーファッションショー

開催日: 6月19日(日)

ミッフィーの衣類やアクセサリーを付けた子どもたちによるファッションショーを6月19日(日)に開催します。参加条件を満たせばどなたでも出演できます。(定員あり)
※観覧は自由ですので、皆様ぜひご来場ください。
【参加条件】
●4才〜中学3年生まで
●ミッフィーの衣類やアクセサリーなどのアイテムを2点以上身につけていること(同日開催のフェイスペイントも1点となります)
出演してくれた子どもたちには、ミッフィーグッズのプレゼントや、特別なお楽しみも。
【参加申込】
釜石情報交流センターにてお電話で承ります(0193-27-8751)
●時間 受付14:00/開演14:45
●場所 チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)
●残数により当日受付も行います。

 

フェイスペイント

開催日: 6月19日(日)

6月19日(日)は、釜石情報交流センターラウンジで、ミッフィーのフェイスペイントを開催します。
●時間 9:30〜15:00
●場所 釜石情報交流センター 1階ラウンジ
●参加費 無料
大人も子供も参加OK。専用絵の具でほっぺたなどにミッフィーを描いてもらおう。

 

バースデーケーキ

開催日: 6月21日(火)

6月21日はミッフィーのお誕生日。「ミッフィーカフェかまいし」で、 お食事をご注文の方に、ミニサイズのバースデーケーキをプレゼント。 ミッフィーのお誕生日を一緒にお祝いしましょう。
 
ミッフィー バースデーケーキ
 

ミッフィーの素焼きぬりえワークショップ

開催日: 6月25日(土)

6月25日(土)は、ミッフィーの素焼きぬりえワークショップを開催します。陶器のすやきミッフィーに、アクリル絵の具で自由に色付けができます。
●場所:釜石情報交流センター
●参加費 500 円(当日払い / 作品は持ち帰り OK)
1)11:00 〜(受付 10:30-10:45)
2)13:00 〜(受付 12:30-12:45)
3)15:00 〜(受付 14:30-14:45)
※所用時間は約 30 分 + 絵の具乾燥

 

ミッフィーの映画上映会

開催日: 6月26日(日)

255インチの大型スクリーンで「劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし」を上映します。
●時間 14:30〜15:40(開場 14:00)
●場所 チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)
●入場料 大人も子供も100円(3才以下無料)
●定員 約100名(満員の際は入場をお断りする場合があります)
上映終了後には、「もちまき&お菓子まき」を開催します。

 

 

期間中毎日開催してるイベント

 

スペシャルメニュー

「ミッフィーカフェかまいし」では、わくわくパーティウィーク期間中、スペシャルメニュー(お食事)をご用意しております。
●6月23日(木)はカフェ定休日のためお休みです。

 

スピードくじ

イベント期間中、「ミッフィーカフェかまいし」では、800円のご利用ごとにスピードくじにチャレンジできます。ミッフィーグッズをはじめ、 クーポン券やクッキーなどハズレはありません。
●商品はたくさんご用意していますが、なくなり次第終了となります。
●6月23日(木)はカフェ定休日のためお休みです。

 

ミッフィーグッズ販売

「釜石情報交流センターラウンジ」では、わくわくパーティウィーク期間中、ミッフィーグッズの販売を行います。通常よりも多くのグッズを取り揃えてお待ちしております。

 

会場

釜石情報交流センター
住所:岩手県釜石市大町1-1-10
電話:0193-27-8751
※一般用の駐車場はございません。近隣にある釜石大町駐車場のご利用が便利です。

主催

釜石まちづくり株式会社
共催:オランダ王国大使館、釜石市

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社
TEL 0193-22-3607

 

Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv, 1953-2016   www.miffy.com

 

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

6月30日の一般公開再開を待つ旧釜石鉱山事務所

旧釜石鉱山事務所、一般公開 6月30日から再開〜内装一新 展示に工夫

展示内容を確認する釜石鉱山事務所活用検討委の委員ら

展示内容を確認する釜石鉱山事務所活用検討委の委員ら

 

 東日本大震災以降、耐震補強工事のため一般公開を休止している釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所は、6月30日から一般公開を再開する。これを前に26日、釜石鉱山事務所活用検討委員会(委員長=月舘敏栄・八戸工業大教授、委員8人)が同事務所で開かれ、レイアウトが大幅に見直された展示内容を確認。さらなる改善・工夫の余地や再開後の運営体制などについて意見を交わした。

 

 検討委には委員7人が出席し、3月末で改修工事を終えた同事務所を視察。委員からは「よく整理されている」と展示方法を評価する声が上がったほか、「釜石が三陸ジオパークの一部になっていることを踏まえ、鉱物の成り立ちが分かるような展示を」「世界遺産の橋野鉄鉱山や鉄の歴史館とセットで見学できるコースも必要では」といった提案もあった。

 

6月30日の一般公開再開を待つ旧釜石鉱山事務所

6月30日の一般公開再開を待つ旧釜石鉱山事務所

 

 同事務所は2008年まで釜石鉱山株式会社の総合事務所として使用されていたが、事務所移転に伴い市が建物の譲渡を受け、釜石鉱山に関する資料も寄託された。09年から無料で平日に一般開放していたが、震災で壁が崩れるなど一部が壊れ、約1億3900万円をかけて改修工事が進められてきた。耐震補強のほかトイレなども修繕した。

 

 改修された同事務所は、1階に「昭和の事務室」を再現し、2階には鉱山で採掘に使った道具や採取された鉱物などを展示。ギャラリーでは同鉱山をモチーフにした絵画なども公開する。さまざまな講義などにも使える「鉱山の学校」を配置するほか、懐かしい「鉱山の診療所」なども再現。SLが走った社線など鉱山の鉄道の歴史も紹介する。周辺には、さまざまな史跡や鉄鉱石の選鉱場跡、社宅跡などを散策する見学路も設ける予定だ。

 

 一般公開は12月8日までとし、冬期間(3月末まで)は閉館とする。公開時間は午前9時半から午後4時半までとし、毎週火・水曜日は休館とする。同事務所は13年に国の登録有形文化財に指定されており、登録後の一般公開は初めて。再開に当たり臨時職員2人を配置した。一般公開を有料とするかどうかについては、市議会の6月定例会で審議する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2016年5月28日発行 第490号より)

関連情報 by 縁とらんす
旧釜石鉱山事務所 – 釜石市
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橋野鉄鉱山をまちづくりにどうつなげるか意見を交わしたパネル討論

世界遺産に学び 未来を創ろう〜ユネスコ運動県大会 釜石で開催、橋野鉄鉱山を生かしたまちづくり

橋野鉄鉱山をまちづくりにどうつなげるか意見を交わしたパネル討論

橋野鉄鉱山をまちづくりにどうつなげるか意見を交わしたパネル討論

 

 県ユネスコ協会連盟(三田地宣子会長)、釜石ユネスコ協会(小野共会長)主催の第21回ユネスコ運動県大会は13、14の2日間にわたり釜石市で開かれた。「世界遺産・橋野鉄鉱山に学び、未来を創ろう」をテーマに講演やパネルディスカッションなどがあり、橋野鉄鉱山を生かした復興まちづくりについて活発に意見交換。今後も地域の特性を生かしたユネスコ運動を通して持続可能なまちづくりに取り組むことを確認した。

 

 開会行事は大町のホテルサンルート釜石で開かれ、県内から約150人が参加。三田地会長は「世界遺産登録を機に新しいまちに復興する姿を見ることができる機会。大会が未来に持続可能な社会づくりに取り組む運動の力になることを期待する」とあいさつした。

 

 橋野鉄鉱山を含む「明治日本の産業革命遺産群」の世界遺産登録に携わった内閣官房参与の加藤康子さんが、「世界文化遺産登録までの道のり」と題して基調講演。製鉄・製鋼、造船、石炭産業など8県11市にまたがる23の構成資産について、それぞれの資産価値などを解説した。

 

橋野の価値や世界遺産を生かした観光へのアイデアを話す加藤康子さん

橋野の価値や世界遺産を生かした観光へのアイデアを話す加藤康子さん

 

 パネルディスカッションは「橋野鉄鉱山と復興を見据えてのまちづくり」がテーマ。加藤さんをコーディネーターに、パネリストの小野寺英輝さん(岩手大工学部准教授)ら5人が意見を交わした。

 

 釜石観光物産協会の澤田政男会長は「釜石の観光は弱い。世界遺産で観光に目を向けるようになったが、まずは地元で橋野について学び、価値を理解することが必要ではないか」と指摘。釜石市世界遺産室の森一欽係長は「みんなの遺産として親しんでもらうためには難しいことを分かりやすく伝えることがポイント。鋳造、製鉄体験や鉱石拾いなど体を使えるようなアイテムで橋野を紹介したい」と提案した。

 

釜石ユネスココーラスの合唱で参加者を歓迎した

釜石ユネスココーラスの合唱で参加者を歓迎した

 

 地元橋野町振興協議会の菊池成夫会長は「先人の偉業を無駄にしたくない。鉄と言えば釜石―となるよう地域の教育力を高め、教育旅行を軌道に乗せたい。ものづくりを体験できる実践教育の場になれば」と期待した。

 

 釜石高生徒会長の佐々木希さん(3年)は「世界の鉄のまちを知り、つながりを持てたら釜石のにぎわい、活気にもなると思う。高校生にできることがあるなら挑戦したい」と意欲的。鵜住居小6年の時に震災を経験しており、「今の時代の困難は震災で、さまざまな思いがあるが、先人が残した、諦めず努力するという強い思いを守り、大切にし、今度は私たちが釜石をつくっていく番」と復興への思いも話した。

 

 加藤さんは「世界遺産は永遠に守っていかなければならない宝。橋野は教育という面で可能性があり、愛情を持って育て、誇りを持って守ってほしい」と願った。

 

 最終日の14日はエクスカーションとして、鉄の歴史館、橋野鉄鉱山を見学した。

 

(復興釜石新聞 2016年5月18日発行 第487号より)

 

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橋野鹿踊りオブジェ

鉄滓をオブジェに、「橋野鉄鉱山」に初の土産品〜世界遺産盛り上げ地元資源を活用、モチーフは「鹿踊り」

橋野鹿踊りオブジェ

橋野鹿踊りオブジェを前に談笑する和田タカさんと菊池成夫町内会長(右)、製作を補助する藤原英彦さん(左)

 

 釜石市橋野町早栃地区の住民らが、地元で江戸時代に行われた”たたら製鉄”のスラグ「鉄滓(てっさい)」を使い、郷土芸能「橋野鹿踊り」をモチーフにしたオブジェを製作、5月の大型連休から地元の産直施設「橋野どんぐり広場」で販売を開始した。橋野発の鉄関連の土産品開発は初の試み。地元愛の詰まった手作りの一品が、世界遺産の町を一層盛り上げる。

 

 オブジェ製作のきっかけは、橋野鉄鉱山の世界遺産登録勧告が出された1年ほど前の早栃町内会(18世帯)定例会議。「早栃の山に今も残る鉄滓を世界遺産の発信に生かせないか」と話題に上ったのが始まりだった。

 

 たたら製鉄では砂鉄と木炭を炉に入れて燃焼させ、砂鉄を還元し鉄を作った。その際、砂鉄に含まれる不純物は高温で溶融し、スラグ(ノロ)として排出された。町内会が地元所有者の了承を得て山中を探したところ、冷え固まって長い年月を経た多数の鉄滓を発見。当時の製錬は鉄と不純物の分離が十分でなく、鉄成分が残り重みを感じる鉄滓は、ごつごつとした形状と所々に残る鉄の色みが独特の風情を醸し、活用への可能性を感じさせた。

 

 製作の中心を担う和田タカさん(80)は当初、ペーパークラフトで作った虎舞頭を鉄滓に飾ったオブジェを、どんぐり広場で販売していたが、「橋野の郷土芸能、鹿踊りのモチーフでより地域色の濃い製品にしてはどうか」と近隣住民の提案を受け、”チーム早栃”で鹿踊りオブジェの製作に取りかかることになった。

 

 鉄滓は鹿踊りの胴体部分に利用。洗浄後、金づちで余分な部分を砕いて胴の形に仕上げ、さび止めを兼ね、つや出しスプレーをかける。鹿頭はエコクラフトテープを使い、顔の部分は、テープを裂いて細いひも状にしたものを編んで立体的に仕上げる。鹿頭の背に背負う「カンナガラ」は実際の踊りで使われているもの。胴の前を覆う幕は風呂敷を利用し、本物と同じ紋を消しゴム版で施した。「世界文化遺産 橋野鉄鉱山」と記したのぼり旗のさおは笹竹の先端部を、台座は倒れた山桜の木を加工し、地元資源を最大限に活用している。

 

オブジェに使われる、たたら製鉄で出た「鉄滓」

オブジェに使われる、たたら製鉄で出た「鉄滓」

 

 一連の作業工程は住民5、6人が分担して行うが、鉄滓の加工や鹿頭の製作は和田さんが一手に引き受ける。これまでも竹細工やエコクラフトのかご作りなどを手がける和田さんの器用さは、周辺住民のお墨付き。鹿頭は1時間で5、6個は仕上げるという。「鉄滓の台座に接する面を平らにしたり、鹿頭の目や鼻などを付ける細かい作業が大変」としながらも、試行錯誤を重ね完成させた姿に愛着をにじませる。「みんなの協力でできたこと。早栃の人たちはアイデアが豊富」と和田さん。

 

 同町内会長で、橋野町振興協議会会長も務める菊池成夫さん(74)は「世界遺産登録で橋野を訪れる人が激増したが、ご当地を象徴する土産物が無かった。ここまで形になったのは、地区住民のまとまりのおかげ。橋野ならではの遺産の趣をオブジェからも感じ取ってもらえれば」と期待を込める。

 

 橋野鹿踊りのオブジェは大(2千円)、中(1500円)、小(1千円)の3種類(台座含め高さ約15~20㌢)があり、どんぐり広場で販売中。今後、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで土・日曜日に開いている出前産直でも販売する予定。

 

(復興釜石新聞 2016年5月14日発行 第486号より)

 

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おまけ(どんぐり広場買い物券)も入った餅まきを楽しむ老若男女

世界遺産彩る八重桜、「橋野鉄鉱山」登録後初のまつり〜四季まつり第一弾、人気の餅まき 豚汁にも長い列

高炉跡見学に向かう人々

高炉跡見学に向かう人々は、今にも咲き出しそうな八重桜のつぼみに開花への期待を膨らませた

 

 釜石市の橋野町振興協議会(菊池成夫会長)主催の「橋野鉄鉱山八重桜まつり」は8日、青ノ木グリーンパークで開かれた。昨年7月の「橋野鉄鉱山」世界遺産登録後初めての祭りだったが、高炉跡近くの同パークの八重桜は大型連休中の寒気の影響でつぼみ状態。美しく咲き誇る例年の光景はお預けとなったが、多くの行楽客が高炉跡見学などを楽しみ、豊かな自然の中で心身共にリフレッシュした。天候が順調に推移すれば、今週末には花開く八重桜の姿を見られそうだ。

 

 高炉跡見学には、主催者が運行した無料バスで訪れた市民らを中心に約100人が参加。釜石観光ボランティアガイド会(三浦達夫会長)の4人がガイドを務め、グループごとに約1時間の見学を行った。恒例の餅まきは今年も大人気。約500人が集い、空を舞う1500個の餅に手を伸ばした。手作りの豚汁の振る舞いには長い列ができ、買い求めたおにぎりなどと一緒に青空の下で味わった。

 

おまけ(どんぐり広場買い物券)も入った餅まきを楽しむ老若男女

おまけ(どんぐり広場買い物券)も入った餅まきを楽しむ老若男女

 

 無料バスを利用した大渡町の80代の女性2人は「八重桜の花が見られなくて残念だが、天気に恵まれたのが何より。車中からは満開の山ツツジも見られた」と山あいの春の息吹を満喫。2人とも津波で被災したといい、「精神的に病んでいたが、5年たって花を楽しむ気持ちが出てきた。家の中にばかりいると、うつうつする。思い切って出かけて良かった」と顔をほころばせた。

 

祭り恒例、橋野の女性たち手作りの豚汁を求め並ぶ人たち

祭り恒例、橋野の女性たち手作りの豚汁を求め並ぶ人たち

 

 同パークと周辺には、釜石ライオンズクラブが三十数年前に植樹した数種類の桜の木が育ち、中でも八重桜の濃い桃色の花は、青ノ木の春の代名詞となっている。例年だと5月中旬に見ごろを迎えるが、今年は春先の暖かさでソメイヨシノの開花が早まったことから、祭り日程を前倒しした。ところが大型連休期間に異例の低温に見舞われ、春を感じられる陽気となった日は4月29日から祭り前日までに、わずか2日間だけ。青ノ木地区の背後にそびえる片羽山に雪が積もった日もあり、開花は足踏み状態となり、満開の下での祭りはかなわなかった。

 

 菊池会長は「世界遺産効果で昨年より多くの方々に来ていただいたが、ご覧の状態で申し訳ない。皆さんのこの場所への大きな期待を感じる。今まで以上に手入れをしっかりとし、長く木を持たせたい」と話した。なお、同所では昨年4月、世界遺産登録を祈念する植樹が行われ、新たに140本の八重桜が植えられている。

 

 八重桜まつりは、同協議会が栗橋地区まちづくり会議(遠野健一議長)との共催で行う「はしの四季まつり」の第1弾。同パークで開いていた夏のラベンダーまつりは休止中だが、昨夏、スケート場跡地に300株のラベンダーを新たに植栽しており、あと2年ほどで祭りを復活できそうだという。今年の第2弾は9月のニジマス釣り(橋野どんぐり広場隣)を予定する。

 

(復興釜石新聞 2016年5月11日発行 第485号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」

新緑に響く汽笛「SL銀河」3年目出発進行〜釜石駅へ一番列車 にぎやかに出迎え

新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」

新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」=24日午前10時57分、第三甲子川橋梁

 

 沿線が新緑に包まれ始めたJR釜石線(花巻―釜石間、90・2キロ)で23日から、蒸気機関車「SL銀河」の3年目の定期運行が始まった。釜石駅では、運行再開一番列車を歓迎の横断幕や郷土芸能で出迎え、浜の汁物をお振る舞い。市民らの温かいおもてなしに乗客が喜びの笑顔を広げた。

 

 午後3時7分の釜石駅到着を前に、線路をはさんだシープラザ釜石入り口付近には市民らが集まり、到着を待ちわびた。高らかな汽笛を響かせたSLが姿を現すと、ホームでは観光関係者や釜石市のキャラクター「かまリン」などが手を振ってお出迎え。駅前の「ホテルフォルクローロ三陸釜石」に勤務する釜石シーウェイブスRFCのダラス・タタナ選手(24)はジャージー姿で、ラグビーのまち釜石への訪問を歓迎した。鵜住居青年会が虎舞を披露し、旅の思い出を演出した。

 

 夫と乗車した紫波町の藤本美奈さん(53)は「一度は乗ってみたいと思っていた。市民の皆さんが本当に歓迎ムードで、気持ち良く到着できた。今度は走っている(SLの)姿を見てみたい」と期待を膨らませた。

 

 駅舎前では釜石観光物産協会がホタテの稚貝汁を乗客に振る舞い、好評を博した。「とてもおいしい」と箸を進めた千葉県千葉市の青木幸弘さん(54)夫妻は、妻律子さんの3年越しの念願がかなってSL銀河に初乗車。「宮沢賢治の物語をモチーフにした列車はロマンチックで座席も快適。車内の駅弁や地ビール、沿線のイベントと魅力いっぱいで、(乗車の)5時間があっという間。今日は釜石に宿泊し、明日もSLで帰ります」と声を弾ませた。

 

乗客を喜ばせたホタテの稚貝汁のお振る舞い

乗客を喜ばせたホタテの稚貝汁のお振る舞い

 

 SL銀河(客車4両、定員176人)は、観光面からの復興支援と沿線地域の活性化を目的にJR東日本が2014年から釜石線に導入。運行2年目の昨年は土・日を中心に75本の定期運行を行い、延べ約1万500人が乗車。平均乗車率は1年目を約1割下回り8割となったが、根強い人気を集めている。

 

 今年の運行日程は8月まで決定。5月の大型連休期間は4、5の祝日も運行される。

 

 24日は、花巻に向かうSL銀河の出発式が釜石駅ホームで行われた。JR東日本盛岡支社の嶋誠治支社長は「SL銀河で多くのお客さまに釜石を訪れていただくことで復興を後押しし、沿線の方々に少しでも喜びを感じてもらえれば」とあいさつ。野田武則市長は「SL銀河は、明治日本の産業革命遺産の原点である日本人が培ってきた技術、将来への思いの象徴とも言える」とたたえ、さらなる観光客増加に期待を示した。

 

楽しいSLの旅を願い出発合図をする角谷駅長とマヘ選手

楽しいSLの旅を願い出発合図をする角谷駅長とマヘ選手

 

 出席者8人でくす玉を割り、釜石駅の角谷公博駅長と釜石シーウェイブスRFCのマヘ・トゥビ選手(35)が出発を合図。唐丹町の桜舞太鼓が威勢のいい太鼓の音を響かせる中、午前10時55分、春の日差しに輝く黒い車体が力強く動き出した。

 

(復興釜石新聞 2016年4月27日発行 第482号より)

 

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Oh! マチ Music Festa 2016

Oh!マチ Music Festa 2016

Oh! マチ Music Festa 2016

 

「Oh!マチ Music Festa」は商店街がつくる音楽イベントです。釡石の東部地区、通称「マチ」では、営業を再開する店が年々増え続け、ようやく街並みができつつあります。そこで、市民バンドの奏でる音楽でマチにぎわいをつくり、 青葉通りに商品を持ち寄ってマルシェ(市場)を開き、マチのお店を知ってもらう機会をつくりたい… そんな思いで今年、第2回目を開催します。5月3日は東部が熱い!来たれ、マチへ!集え、青葉へ!

 

【同時開催】青葉マルシェ
東部地区商店街の自慢の逸品がずらりとテントに並びます。フリーマーケットやキッチンカーも多数出店します!

 

日時

2016年5月3日(祝・火) 11:00〜16:00 ※荒天中止
フィナーレでは餅まきも開催!

場所

岩手県釜石市大町青葉通り

タイムテーブル

■サン・ステージ(ホテルサンルート釜石前)
10:50-11:00 オープニング
11:00-11:30 アクションズ(ロック/釜石市)
11:45-12:15 LOVITT(ロック、釜石市)
12:30-13:00 Dr.AKIPOLD(ロック、花巻市)
13:15-13:45 光(アコースティック / 盛岡市)
14:20-15:00 climbgrow(スペシャルゲスト)
15:20-16:00 fuyuco. feat.K:soul:Y a.k.a.YAN(スペシャルゲスト)
16:00- フィナーレ(挨拶・餅まき)

 

■ベイ・ステージ(釜石ベイシティホテル前)
11:15-11:45 釜石ベンチャーズ(ロック、釜石市)
12:00-12:30 lumberjack(アコースティック / 宮古市)
12:45-13:15 迷奇(ロック、奥州市)
13:30-14:00 久保田雅damit.くぼちー(ポップス、宮古市)
14:15-14:45 ハガ&ゾンビーツ(アコースティック / 埼玉県川口市)
15:00-15:30 いちご☆すたぁ(ロック、滝沢市)

スペシャルゲスト

climbgrow
滋賀県大津市出身のティーンエイジバンド。10代限定のロックフェス『閃光ライオット2014』で1万組を超える応募バンドの中で準グランプリを獲得し、インディーズロックシーンを賑わせている実力派4ピースが岩手県初上陸。このライブはいつかこのマチの伝説になる!

 

fuyuco.(feat.K:soul:Y a.k.a.YAN)
2003年にメロディックパンクバンド L.A.SQUASHを結成。2009年の解散後は自身のルーツに立ち返り、京都を拠点としてピアノの弾き語りによる活動を開始する。今回は、釜石でのボランティア活動に参加した仲間でもある絵描き「K:SOUL:YakaYAN」とのコラボによるライブアートを披露!

 

主催

Oh!マチ Music Festa実行委員会
共催:釜石市大町商店街振興組合
後援:釜石市、釜石商工会議所、釜石観光物産協会、釜石市芸術文化協会、釜石東部コミュニティ振興グループ
協賛:株式会社トヨタレンタリース岩手

問い合わせ

電話 0193-55-4672 / Mail ohmachi.music.festa@gmail.com
公式サイト https://ohmachi-musicfesta.jimdo.com

Oh!マチ Music Festa 実行委員会

Oh!マチ Music Festa 実行委員会

問い合わせ:Oh!マチ Music Festa 実行委員会 / TEL・FAX 0193-24-3660 公式サイト / メール
道の駅 釜石仙人峠

道の駅「釜石仙人峠」1周年 交流5市の物産販売〜初年度は50万人超え 予想を上回る利用に感謝

道の駅 釜石仙人峠

「おかげさまで1周年を迎えることができた」と感謝を込めた企画を準備する菊池部長

 

 道の駅「釜石仙人峠」は23日から、1周年記念企画として、釜石市と交流がある自治体の特産品を集めて販売する。姉妹都市の愛知県東海市や、震災支援で経済交流が始まった山口県下松市など5市の産品を紹介。駅を運営する釜石振興開発の菊池利教部長は「それぞれの地域性を感じる、ちょっと変わった商品をそろえた。楽しい1週間になると思いますよ」と来場を呼びかける。

 

 釜石仙人峠は昨年4月21日、県内で31番目、市内では初の道の駅としてオープンした。地元を中心に20軒以上の農家でつくる販売組合が収穫した野菜などを直売するほか、水産加工品、地酒などを販売。「釜石ラーメン」や地元の老舗「藤勇醸造」のしょうゆを使ったソフトクリームを味わえるコーナーもある。

 

 復興需要に加え、橋野鉄鉱山の世界遺産登録や開催地に決まったラグビーワールドカップ(W杯)などの影響で交通量が多く推移することが見込まれ、内陸部から市中心部に入る「玄関口」の拠点施設として、観光PRや利便性向上の機能を発揮している。「三陸沿岸で一番きれい」を目指し、清掃に力を入れているトイレ棟(24時間利用可能)が利用者に好評で、トイレ休憩のために立ち寄る人も多い。特産品などを販売する多目的棟と合わせ、昨年度は50万人を超える利用があったという。

 

オープン1周年を迎える道の駅「釜石仙人峠」。

オープン1周年を迎える道の駅「釜石仙人峠」。ドライブの合間の休憩場所として利用されている

 

 1周年の記念企画では東海市から「えびせんべい」、下松市からは特産品の「来巻(くるまき)にんにく」を使った焼き肉のたれやみそなど。同じ「製鉄のまち」という縁で、震災後から職員を派遣するなどさまざまな支援活動を継続する北九州市からは「くろがね堅パン」「くろがね羊羹(ようかん)」「ネジチョコ」など鉄のまちをイメージさせる商品を取りそろえる。

 
 沖縄市の菓子や茶、米沢市の漬物やこんにゃくなども並ぶ。27日には震災直後から仮設団地などに支援物資を届け続けている栃木県宇都宮市のリサイクルショップ「飛行船」が自社農場で育てた野菜を持ち込む予定。販売期間は23日から1週間としているが、それぞれ数量限定でなくなり次第終了となる。

 

 菊池部長は「お客さまが気持ちよく利用し、安全なドライブにつなげてもらいたいとの思いで、がむしゃらにやってきた。全国各地から予想を上回る多くの利用をいただき感謝。地元の野菜を常に店頭に並べるための取り組みなど課題もあるが、西の玄関口として釜石のありとあらゆる情報を全国に発信していきたい」と意欲を新たにしていた。

 

 5月の大型連休には記念企画第2弾として、米沢牛や早池峰だんご、アユの塩焼きなどの販売を予定している。

 

 道の駅の営業時間は午前9時から午後6時まで。

 

(復興釜石新聞 2016年4月16日発行 第479号より)

関連情報 by 縁とらんす
道の駅 – 釜石仙人峠
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「ようこそ鉄のまち釜石へ」。ぱしふぃっくびいなすの入港を歓迎した「橋野鹿踊り保存会」のメンバー

大型客船 ぱしふぃっくびいなす 釜石寄港、「橋野」へ オプショナルツアー

「ようこそ鉄のまち釜石へ」。ぱしふぃっくびいなすの入港を歓迎した「橋野鹿踊り保存会」のメンバー

「ようこそ鉄のまち釜石へ」。ぱしふぃっくびいなすの入港を歓迎した「橋野鹿踊り保存会」のメンバーは、勇壮な舞で釜石の素晴らしさを乗船客に印象づけた

 

日本クルーズ客船(大阪市)が運航する客船「ぱしふぃっくびいなす」が2日、横浜港発着で東北を巡る「三陸復興国立公園クルーズ」で釜石港に寄港した。同船の釜石港入港は3回目。接岸した港町の公共ふ頭では、市などが主催する入出港セレモニーが行われ、市民挙げて乗船客を歓迎した。

 

同クルーズは3月31日から4月4日(4泊5日)までの日程で行われ、石巻、釜石、宮古の3港に寄港。釜石港には2日午前8時前に入港した。入港セレモニーで野田武則市長(釜石港湾振興協議会会長)は「釜石港は震災で大きな被害を受けたが、(復旧へ)いち早く整備が進められた。皆さんの楽しいツアーを心から祈念申し上げる」とあいさつ。松井克哉船長らに花束、記念品(入港記念盾、本県特産品、浜千鳥)が贈呈された。

 

昨年、世界文化遺産に登録された「橋野鉄鉱山」がクルーズのオプショナルツアーに組まれたことから、地元橋野町の「橋野鹿踊り」が伝統の舞で歓迎の気持ちを表した。メンバーの菊池ひかりさん、小笠原優美さん、遠藤綾佳さんは花束贈呈者も務めた。鹿踊りに同行した女性(66)は「ドラマで見るようなすごい船。憧れます。地元の芸能で歓迎できたことも良かった」と貴重な機会を喜んだ。

 

同船は1998年に就航。全長183.4メートル、幅25メートル、総トン数2万6594トン。最大乗客数は620人。釜石港には公共ふ頭が完成した2007年に初めて寄港し、東日本大震災後は14年以来の寄港となった。松井船長は「心のふるさとに帰ってきたよう。鉄の意志で未曾有の災害を乗り越え、世界遺産登録、ラグビーW杯開催地決定にこぎ着けられたことに心から拍手を送りたい。今回の滞在で釜石復興に協力できれば」と思いを寄せた。

 

同クルーズには約300人が参加。妻と乗船した愛知県大府市の新井好夫さん(86)は「入港する先々での歓迎を毎回楽しみに来る。今日は乗ってみたかったレトロ列車(三陸鉄道)にも乗る。テレビで見ていた被災現場がどう変わったか、しっかり目に焼き付けたい」と話した。

 

この日のオプショナルツアーは世界遺産見学や三鉄乗車のほか、鉄の歴史館見学、遠野市観光などさまざまなコースが設けられ、約170人が楽しんだ。午後5時までの接岸中は、岸壁で一般見学や地場産品の販売、事前申込者の船内見学が行われ、出港セレモニーでは釜石東中吹奏楽部の演奏で宮古港に向かう同船を見送った。

 

(復興釜石新聞 2016年4月6日発行 第476号より)

 

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4カ国語対応の音声ガイド機器

冬越え「橋野鉄鉱山」センター再開、外国人観光客対応充実 音声ガイド開始〜世界遺産登録2年目 高まる期待

二番高炉前で観光ボランティアガイドの説明を聞く「ぱしふぃっくびいなす」の乗船客ら

二番高炉前で観光ボランティアガイドの説明を聞く「ぱしふぃっくびいなす」の乗船客ら

 

 冬季間(12月9日~3月31日まで)、休館していた釜石市橋野町の「橋野鉄鉱山インフォメーションセンター」が4月1日から開館した。センターでは増加が見込まれる外国人観光客にも対応可能な設備を追加。高炉跡内の説明看板も更新され、「橋野鉄鉱山」の世界遺産登録から1年を迎える本年度の、さらなる関心の高まりに期待が寄せられる。

 

 同センターの今季の開館に伴い、センターや高炉跡にはさっそく県内外から家族連れや団体客などが訪れている。2日は客船「ぱしふぃっくびいなす」のオプショナルツアーで乗船客22人が見学に訪れた。釜石観光ボランティアガイドの案内でセンターの映像や展示物を見学後、高炉跡を巡り、日本の近代化に大きく貢献した釜石の製鉄の歴史に理解を深めた。

 

 妻とツアーに参加した岐阜県美濃市の朝日繁光さん(80)は「鉄を扱う仕事をしていたので一度来てみたかった。こんな山奥に近代製鉄の礎があったとは。釜石で作られた銑鉄が全国に行ってますからね。素晴らしいですね」と感心した様子でバスに乗り込んだ。

 

 同センターでは、明治日本の産業革命遺産・橋野鉄鉱山を説明する映像(約11分)に新たに英語版を追加。画面下のボタンを選択すると、英語表記の映像と音声が流れる。高炉跡の見学時に携帯できる音声ガイド機器の貸し出し(300円)も開始しており、100セットを用意する。日本語、英語、中国語、韓国語のいずれかを選択でき、ペン状の機器を地図上のポイントにタッチすると、その場所についての解説を聞くことができる。音量も十分で少人数グループの見学にも対応できる。高炉跡内の説明看板は4基(一番高炉、二番高炉、御日払所、大門=高炉入り口)を更新した。

 

4カ国語対応の音声ガイド機器

4カ国語対応の音声ガイド機器

 

 同センターには昨年度(4月1日~12月8日まで開館)、前年度に比べ7.18倍の4万3316人が来館。世界遺産登録勧告が出された5月4日以降、来館者が急増し、登録が正式決定した7月は約7千人、お盆で帰省、観光客が増えた8月は9千人近くが訪れた。1日で約1千人を記録した日もあり、登録後の土・日曜は平均300~400人で推移した。高炉跡に直接、足を運んだ人も含めると、見学者数は同数字をさらに上回ると見られる。

 

 センターの管理には市から委託された橋野町振興協議会(菊池成夫会長)があたり、本年度は1日2人体制で来館者の応対や遺跡敷地内のパトロールを行う。菊池会長は世界遺産登録後の大きな反響に驚きつつ、「他の世界遺産の例を聞くと登録の翌年の方がさらに見学者が増えるという話もある。今年が大事。遺跡の価値を十分に理解してもらえるよう音声機器や現地ガイドの利用を勧め、周辺の自然環境も含め見学者の満足度を高めていけるよう努力していきたい」と話す。

 

 同センターの開館時間は午前9時半~午後4時半まで。

 

(復興釜石新聞 2016年4月6日発行 第476号より)

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