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改修された館内を見学する人たち

旧釜石鉱山事務所リニューアル、近代製鉄発祥の聖地「橋野」と併せ広く発信〜一般公開再開 7月中は無料

テープカットで旧釜石鉱山事務所のリニューアルオープンを祝う関係者

テープカットで旧釜石鉱山事務所のリニューアルオープンを祝う関係者

 

 東日本大震災の地震で建物の一部が壊れ、改修工事のため休館していた釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所が6月30日、一般公開を再開した。耐震補強工事に合わせてレイアウトや展示内容を大幅に見直し、釜石の製鉄の歴史を物語る貴重な資料を公開。昨年、世界遺産に登録された橋野鉄鉱山と併せ、「鉄のまち釜石」を広く発信する。

 

 現地で行われた記念式典には、釜石鉱山株式会社の関係者や地元住民の代表など約60人が出席。野田武則市長は「大橋は橋野よりも先に洋式高炉が稼働した場所で、近代製鉄の聖地と言える。ここで血と汗を流した先人の労苦に思いをはせ、まだ眠っている宝を掘り起こし、国内外に発信していきたい」とあいさつした。

 

 同事務所は鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積1408平方メートル。2008年まで釜石鉱山株式会社の総合事務所として使用されていたが、事務所移転に伴い市が建物の譲渡を受け、釜石鉱山に関する資料も寄託された。09年から一般開放していたが、震災で壁が崩れるなど一部が壊れ、約1億3900万円をかけて改修工事が進められた。13年には国の登録有形文化財(建造物)に指定されている。

 

改修された館内を見学する人たち

改修された館内を見学する人たち

 

 リニューアルオープンした同事務所は、1階にレトロな「昭和の事務所」を再現し、2階には鉱山で採掘に使った道具や採取された鉱物などを展示。ギャラリーでは同鉱山をモチーフにした絵画なども公開する。所蔵する約2800点の資料のうち710点を展示。新たに地図コーナーなども加えた。周辺には、さまざまな史跡や鉄鉱石の選鉱場跡などを散策する見学路も設けた。

 

 95年から99年まで釜石鉱山の社長を務め、同事務所の譲渡を発案した小野崎敏さん(82)=日鉄鉱業名誉顧問、東京都武蔵野市=は「建物を壊す話もあったが、釜石の宝をどうしても残したかった。震災で一部が壊れ心配したが、こういう形で再開され非常にうれしい」と感慨深げ。

 

建設当初のレトロな雰囲気が再現された「昭和の事務所」

建設当初のレトロな雰囲気が再現された「昭和の事務所」

 

 市内浜町から見学に訪れた金沢清美さん(50)は早速、事務所の椅子に腰かけ、「このレトロさがたまらない。周辺の環境もすばらしい。大勢の人に見てもらえるようPRしたい」と話した。

 

 開館は午前9時半から午後4時半まで。火、水曜日と12月9日から3月末までは休館とするが、10人以上の団体で申し込めば休館日の見学も受け入れる。入館料は大人300円、小中学生100円で、7月中は無料とする。

 

(復興釜石新聞 2016年7月2日発行 第500号より)

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大島高任の顔出し看板

「橋野」に大島高任の顔出し看板、インフォメーションセンターに設置〜世界遺産来場者増に期待

大島高任の顔出し看板

橋野インフォメーションセンターの玄関脇に設置された大島高任の顔出し看板

 

 昨年7月にユネスコ世界遺産に登録された釜石市橋野町青ノ木の橋野鉄鉱山インフォメーションセンターに27日、近代製鉄の父と言われる大島高任(1826-1901)の顔出し看板がお目見えした。「世界遺産を観光資源に」と期待する釜石観光物産協会(澤田政男会長)が1年がかりで計画を進め設置した。関係者は「来場者の増加につながれば」と期待を膨らませる。

 

 顔出し看板は観光地などで記念写真を撮るために設けられ、その土地にゆかりの人物などを表現する。橋野にお目見えした看板は縦横2メートルで、表裏はアルミ製。顔の部分をくりぬいた高任像のバックに橋野高炉跡を配したデザインで、市のシンボルキャラクターかまリンが「ようこそ、釜石へ」と来場者を歓迎する。

 

 釜石観光物産協会が昨年6月の総会で看板の設置を計画。本年度事業に製作費約15万円を計上し、世界遺産登録1周年に合わせて設置にこぎ着けた。看板の設置作業に立ち会った地元橋野町振興協議会の菊池成夫会長は「非常に良いアイデア。わざわざ橋野まで足を運んでくれた人の記念になる」と設置を歓迎。釜石観光物産協会所属のガイド、三浦勉さんは「もっと人を呼ぶためには大事なツール」と期待する。

 

 設置後初めて看板に顔をはめてみたのは、盛岡市から笛吹峠を経由し夫婦と友人の4人で訪れた佐藤一夫さん(66)。「(看板使用)第1号と聞いてびっくり。光栄です。これから市内に回り、鉄の歴史館も見学したい」と喜んでいた。

 

 橋野鉄鉱山を含む明治日本の産業革命遺産が世界遺産に登録されて間もなく1年。26日の日曜日には、本年度に入って2番目に多い357人が史跡に足を運んだ。このうちバスで訪れたのは6団体(7台)で187人に上る。

 

(復興釜石新聞 2016年6月29日発行 第499号より)

 

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平成28年度 釜石鉱山坑道見学会

平成28年度 釜石鉱山坑道見学会を開催します

トロッコに乗って釜石鉱山の坑道を見学したり、旧釜石鉱山事務所の展示室や鉄に関する史跡の見学会を開催します。釜石の鉄の歴史に触れてみませんか?

 

平成28年度 釜石鉱山坑道見学会

 

開催日

第1回 7月25日(月)
第2回 7月27日(水)
第3回 8月2日(火)
第4回 8月6日(土)
第5回 8月8日(月)
※釜石市公式サイトでは、各回の申し込み状況を確認できます。
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/bunka/detail/1193895_2462.html

開催時間

・開催時間:12:30~15:10
・受付時間・場所:大橋地区さわやかトイレ駐車場 12:30まで
 
タイムスケジュール
12:30 さわやかトイレに集合・受付
12:45~ マイクロバスで坑道前へ移動
13:00~ 坑道見学
15:00~ マイクロバスでさわやかトイレへ移動
15:10 解散

対象

小学生以上 ※小学生は保護者同伴で参加ください。

参加料

大学生以上・社会人 1,000円
高校生以下 無料

定員

各回26名
※応募多数の場合、先着順とします。
※参加の可否については、決定後に通知します。

お申し込み方法

①参加を希望する日(第2希望まで)
②参加者全員の氏名(ふりがな)、年齢、住所、電話番号、職業
を記載して、市役所商工労政課までつのいずれかによりお申し込みください。
・はがき……〒026-8686 釜石市只越町3-9-13
・FAX……0193-22-2762
・メール……fujimaru8232★city.kamaishi.iwate.jp(★を@に変えてお送りください。)

お申し込み期限

7月15日(金)必着

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工労政課 工業振興係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111(321・322) / 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/bunka/detail/1193895_2462.html
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ファッションショーに出演した子どもたち

ミッフィー誕生祝うファッションショー、わくわくパーティー 26日まで多彩に〜釜石×オランダ交流フェア

ファッションショーに出演した子どもたち

ファッションショーに出演した子どもたち。ミッフィーに負けないかわいらしい姿で客席にアピール

 

 昨年12月にオープンした釜石市大町の釜石情報交流センターで、施設内に開設されている「ミッフィーカフェかまいし」のキャラクター、ミッフィーの誕生日(6月21日)を祝うイベントが19日から始まった。釜石×オランダ交流フェアとして開催。初日はミッフィーが来場者を迎え、市内外から訪れた家族連れらが楽しい時間を過ごした。「わくわくパーティウィーク」と題したイベントは26日まで展開される。

 

家族連れ フェイスペイントに大喜び

 

 19日は午前と午後の約30分間、ミッフィーが来場者と触れ合った。愛くるしい姿と動きのミッフィーが登場すると、心待ちにしていた子どもらが駆け寄り、笑顔を広げた。来場者は、ふわふわの体と抱き合ったり記念撮影をしたりと大喜び。グッズ販売では通常よりも多くの種類が並び、気に入った商品を買い求める人たちでにぎわった。

 

 ミッフィーのリュックを背負った盛岡市の佐々木葵さん(松園小5年)は、家族4人で初めて同所を訪れた。大好きなミッフィーとの対面に「顔がかわいい」とにっこり。ラグビーボールを抱えた釜石オリジナルのミッフィーぬいぐるみを購入し、思い出の1日となった。

 

ふわふわのミッフィーに抱きつく子ども

ふわふわのミッフィーに抱きつく子ども。その愛らしい姿に子どもも大人もメロメロ

 

 会場にはフェイスペイントコーナーも。中妻町の熊谷莉緒さん(双葉小1年)は妹と頬にミッフィーの絵を描いてもらい、「うれしい」と声を弾ませた。母親の奈々さん(41)は「子どもたちはミッフィーの絵本や番組をよく見ている。こうして子どもたちが楽しめる場所ができて良かった」と見守った。

 

 フェイスペイントを施した横浜市の岡本淳子さん(44)は釜石出身。主婦のかたわら釜石シーウェイブスの応援など、仲間と釜石を元気にする活動を続けている。祖父は100歳を越えてマスターズ陸上で活躍した故・下川原孝さん。震災で祖父と両親を亡くした。「家族がお世話になった釜石の皆さんに恩返しができれば」と今回のイベントにも協力し、「私も震災後、しんどい思いをした。釜石の人に笑顔になってもらえることに力を入れたい」と思いを語った。

 

フェイスペイントをしてもらう子ども

フェイスペイントをしてもらう子ども

 

 この日の注目はファッションショー。2~11歳の子どもたち10人が、ミッフィーの衣類やアクセサリー、バッグなどを身に着けて登場し、決めのポーズで客席を楽しませた。

 

 ミッフィーカフェではイベント期間中、特別メニューとして「三陸シーフードパングラタン」を1日10食限定で提供。旬の生ウニなど地場の魚介を使い、1食で2~3人前というボリュームたっぷりのメニューは、初日から好評で早々に完売した。ミッフィー誕生日の21日には、食事を注文した人にミニサイズのバースデーケーキをプレゼント。期間中は、カフェで800円利用ごとにスピードくじにも挑戦できる。(23日はカフェ定休日)

 

フェアに合わせて新商品が並ぶミッフィーグッズの販売

フェアに合わせて新商品が並ぶミッフィーグッズの販売。期間中、センターラウンジで開催

 

 オーナーの大和田宣之さん(38)は「イベントに新潟や神奈川など遠方から来てくださった方もおり、全国から愛されているのを感じる」と感謝。ミッフィーの国内常設カフェは釜石だけで、旅行の目的にする観光客も多いという。「カフェだけでなくテーマパーク的要素が大きい。時には団体予約も入る」と大和田さん。一方で平日の誘客が課題で、「ミッフィーのコンセプトを守りつつも、地元の人たちのニーズに合ったメニュー、男性客や家族連れが気軽に立ち寄れるような料理も充実させたい」と今後の展開を見据える。

 

 イベントはこの後、25日にミッフィーの素焼きぬりえワークショップ、26日にはミッフィーの映画上映会などが開かれる。問い合わせは、釜石まちづくり会社(電話0193・22・3607)へ。

 

(復興釜石新聞 2016年6月22日発行 第497号より)

 

ミッフィーカフェかまいし公式ページ

 

復興釜石新聞

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橋野鉄鋼山採掘場跡一般公開~世界遺産登録1年、150年前に思いはせ~

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明治40年代ごろまで使われた半地下式の採掘場跡も見学。入り口周辺の地形は非常に険しい

 

 昨年7月にユネスコ世界文化遺産に登録された釜石市橋野町青ノ木の「橋野鉄鉱山」で11日、普段は公開されていない鉄鉱石採掘場跡と運搬路跡の一般向け見学会が開かれた。昨年秋以来の公開で、市内外から25人が参加。先人たちが心血を注いだ約150年前の鉱山労働に思いをはせた。

 

 参加者は市世界遺産室係長の森一欽さん(文化財調査員)の案内で、高炉場跡から南に約2.6キロメートル離れた山中にある採掘場跡まで歩いて向かった。往路は二又沢の川沿いに続く林道をひたすら登った。二又沢は途中で東と西の沢に分かれており、採掘場跡は西又沢の上流に位置する。東又沢は甲子町大橋までつながっているという。登り進むにつれて、高炉場跡周辺で見られた花こう岩帯が、鉄鉱石を含む地層に変わっていき、採掘場が近づいてくると石の色の違いが見て取れた。

 

 幾つかの険しい坂と補助ロープが設置された急斜面を越えてたどり着いた採掘場跡は、標高約900メートル地点に位置。異形状の地形や作業場を確保するための土留めの石垣が、採掘で人の手が加えられたことを物語る。

 

 「ここでは地表に出てきた鉄鉱石を人力で砕いていく”露天掘り”が行われた。1基の高炉で使う鉄鉱石は1日4トン。鉄鉱石の層を求め掘り進めた」と森さん。現場に残る岩肌には磁石が付く部分があり、参加者が試して鉄鉱石の産出場所であったことを確かめた。

 

 橋野鉄鉱山での採掘は、大島高任が青ノ木に建設した仮高炉での操業に成功した1858(安政5)年から始まった。最盛期、高炉3基が稼働したが1894(明治27)年にすべて閉鎖され、以降は鉄鉱石の採掘のみが1979(昭和54)年まで継続された。

 

 露天堀り跡の近くには、切り立った岩の下に半地下式の採掘場跡もあり、入り口から様子をうかがった。このほか周辺では、後に行われる”坑道掘り”の発破用火薬を収納していた火薬庫跡、トロッコの枕木が残る軌道跡、ズリ捨て場なども見られた。

 

 復路は、牛や人が鉄鉱石や木炭を背負って運んでいた運搬路跡を通った。幅1.8メートルほどだったという平らにならしただけの道は、危険箇所もあり、当時の労苦を感じさせた。

 

 一関市の加藤國男さん(66)は「ただ歩いても険しいのに、なりわいとして行き来した昔の人々のたくましさには頭が下がる」と尊敬の念を抱き、「遺跡見学の楽しみは当時をイメージすること。説明を聞くと、なるほどと痕跡が分かり興味がさらに増す」と胸を躍らせた。

 

 奥州市水沢区の今野慎一さん(74)、光子さん(75)夫妻は共に釜石出身で、慎一さんの父は製鉄所勤務。慎一さんは「当時のままの姿が残されているようだった。たがねや金づちを使い手作業で掘ったかと思うと、ただただ感心するばかり」、光子さんは「幼いころから製鉄所になじんできた私たちにとって、鉄は身近な存在。その礎の場を見ることができた」と喜んだ。

 

 採掘場跡と運搬路跡の見学会は秋にも行われる予定。

 

(復興釜石新聞 2016年6月15日発行 第495号より)

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黍原豊さん(右)が引く馬に乗り、何ともいえない心地良い感覚に身をゆだねた乗馬体験

「馬と古民家のまきば」体験プログラムスタート~心身癒やす馬との触れ合い

黍原豊さん(右)が引く馬に乗り、何ともいえない心地良い感覚に身をゆだねた乗馬体験

黍原豊さん(右)が引く馬に乗り、何ともいえない心地良い感覚に身をゆだねた乗馬体験

 

 馬との暮らし体験を通じ生きる力を育む釜石市橋野町の一般社団法人三陸駒舎(寄田勝彦代表理事)が、いよいよ今月からホースセラピーの体験プログラムをスタートさせた。5日、拠点とする同町中村の古民家で、馬の世話や乗馬などの体験活動が行われ、市内外からの参加者が馬の魅力に触れて心身ともに癒やされた。

 

 「馬と古民家のまきば」と名付けたプログラムは、12月まで毎月第1日曜日に行われる。初回は、ボランティアを含め13人が参加。馬を世話する同法人理事の黍原豊さん(39)の指導のもと、馬房の掃除、馬のブラッシング、餌やりなど馬が快適に過ごすのに欠かせない仕事に励んだ。馬場では乗馬体験も行われた。

 

 鵜住居小5年の山﨑成美さん(10)は「馬のまつげが長くてかわいい。たてがみもきれい。体は触り心地が良くて安心できる」と、すっかり魅了された様子。餌となる草や馬房に敷く木材チップの運搬などにも精力的に取り組み、「毎日のお世話は大変だと思った」と実感を込めた。

 

 前日から放牧場の柵設置や馬屋2階の改修などのボランティア活動を行っていた宮城県名取市の尚絅学院大3年、原田雄介さん(20)は「馬の体温が動物のぬくもりを感じさせる。こうして人が集まって交流できるのも素晴らしい」と同法人の活動に共感。

 

三陸駒舎(橋野町中村)

 

 震災後、釜援隊として復興まちづくりに取り組む中で、馬による心のケアや地域再生の可能性を見いだした黍原さんは、アドバイスを受けた寄田代表と昨年4月、同法人を立ち上げた。市内で復興支援に従事する他団体や釜石に思いを寄せる東京の仲間らと築90年の曲がり家古民家を改修し、活動拠点を整備。今年4月、寄田代表が経営する牧場から雌の道産子馬2頭を連れてきた。

 

 念願の体験プログラム提供にこぎつけた黍原さんは「馬のおかげで人同士のつながりも生まれている。馬との触れ合いが明日への活力をもたらし、良い人間関係を築ける場にもなっていけば」と期待。今後は、古民家の民泊を含むさまざまなニーズのプログラム展開も予定する。

 

 体験の申し込み、問い合わせは黍原さん(電話090・7070・7378)へ。

 

(復興釜石新聞 2016年6月11日発行 第494号より)

関連情報 by 縁とらんす
三陸駒舎 Facebookページ

お互いの首をハムハム。気持ちよさそう。

▼「馬っこ里親」募集!
三陸駒舎では、2頭の馬の毎月のエサ代などの維持費を支えてくれる里親のサポーターを募集しています。(限定60口)
詳細→ https://kamakoma.org/6.html#id9

▼ボランティア募集中
古民家リノベーション、周辺の環境整備を進めています。
半日でも、数日でも参加お待ちしています。
詳細→ https://kamakoma.org/2.html#id19

三陸駒舎さんの投稿 2016年4月23日

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HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

 

〜6月21日はミッフィーのお誕生日〜

 

釜石情報交流センターとミッフィーカフェかまいしでは、「HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア」と題して、6月19日(日)から26日(日)までの8日間、ミッフィーのお誕生日を一緒にお祝いしながら子どもも大人も楽しめる9つのイベントを開催します。

 

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア チラシ表

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HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア

HAPPY MIFFY’S BIRTHDAY〜わくわくパーティウィーク&釜石×オランダ交流フェア チラシ裏

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ミッフィーグリーティング

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開催日: 6月19日(日)と26日(日)

6月19日(日)と26日(日)の2日間は、ミッフィーがお客様をお迎えします。
【19日、26日共通】
●場所 ミッフィーカフェかまいし
●1回目 11:00〜11:30
●2回目 13:00〜13:30
※撮影会ではありませんのでご了承下さい。


キッズ&ジュニア ミッフィーファッションショー

開催日: 6月19日(日)

ミッフィーの衣類やアクセサリーを付けた子どもたちによるファッションショーを6月19日(日)に開催します。参加条件を満たせばどなたでも出演できます。(定員あり)
※観覧は自由ですので、皆様ぜひご来場ください。
【参加条件】
●4才〜中学3年生まで
●ミッフィーの衣類やアクセサリーなどのアイテムを2点以上身につけていること(同日開催のフェイスペイントも1点となります)
出演してくれた子どもたちには、ミッフィーグッズのプレゼントや、特別なお楽しみも。
【参加申込】
釜石情報交流センターにてお電話で承ります(0193-27-8751)
●時間 受付14:00/開演14:45
●場所 チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)
●残数により当日受付も行います。

 

フェイスペイント

開催日: 6月19日(日)

6月19日(日)は、釜石情報交流センターラウンジで、ミッフィーのフェイスペイントを開催します。
●時間 9:30〜15:00
●場所 釜石情報交流センター 1階ラウンジ
●参加費 無料
大人も子供も参加OK。専用絵の具でほっぺたなどにミッフィーを描いてもらおう。

 

バースデーケーキ

開催日: 6月21日(火)

6月21日はミッフィーのお誕生日。「ミッフィーカフェかまいし」で、 お食事をご注文の方に、ミニサイズのバースデーケーキをプレゼント。 ミッフィーのお誕生日を一緒にお祝いしましょう。
 
ミッフィー バースデーケーキ
 

ミッフィーの素焼きぬりえワークショップ

開催日: 6月25日(土)

6月25日(土)は、ミッフィーの素焼きぬりえワークショップを開催します。陶器のすやきミッフィーに、アクリル絵の具で自由に色付けができます。
●場所:釜石情報交流センター
●参加費 500 円(当日払い / 作品は持ち帰り OK)
1)11:00 〜(受付 10:30-10:45)
2)13:00 〜(受付 12:30-12:45)
3)15:00 〜(受付 14:30-14:45)
※所用時間は約 30 分 + 絵の具乾燥

 

ミッフィーの映画上映会

開催日: 6月26日(日)

255インチの大型スクリーンで「劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし」を上映します。
●時間 14:30〜15:40(開場 14:00)
●場所 チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)
●入場料 大人も子供も100円(3才以下無料)
●定員 約100名(満員の際は入場をお断りする場合があります)
上映終了後には、「もちまき&お菓子まき」を開催します。

 

 

期間中毎日開催してるイベント

 

スペシャルメニュー

「ミッフィーカフェかまいし」では、わくわくパーティウィーク期間中、スペシャルメニュー(お食事)をご用意しております。
●6月23日(木)はカフェ定休日のためお休みです。

 

スピードくじ

イベント期間中、「ミッフィーカフェかまいし」では、800円のご利用ごとにスピードくじにチャレンジできます。ミッフィーグッズをはじめ、 クーポン券やクッキーなどハズレはありません。
●商品はたくさんご用意していますが、なくなり次第終了となります。
●6月23日(木)はカフェ定休日のためお休みです。

 

ミッフィーグッズ販売

「釜石情報交流センターラウンジ」では、わくわくパーティウィーク期間中、ミッフィーグッズの販売を行います。通常よりも多くのグッズを取り揃えてお待ちしております。

 

会場

釜石情報交流センター
住所:岩手県釜石市大町1-1-10
電話:0193-27-8751
※一般用の駐車場はございません。近隣にある釜石大町駐車場のご利用が便利です。

主催

釜石まちづくり株式会社
共催:オランダ王国大使館、釜石市

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社
TEL 0193-22-3607

 

Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv, 1953-2016   www.miffy.com

 

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

6月30日の一般公開再開を待つ旧釜石鉱山事務所

旧釜石鉱山事務所、一般公開 6月30日から再開〜内装一新 展示に工夫

展示内容を確認する釜石鉱山事務所活用検討委の委員ら

展示内容を確認する釜石鉱山事務所活用検討委の委員ら

 

 東日本大震災以降、耐震補強工事のため一般公開を休止している釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所は、6月30日から一般公開を再開する。これを前に26日、釜石鉱山事務所活用検討委員会(委員長=月舘敏栄・八戸工業大教授、委員8人)が同事務所で開かれ、レイアウトが大幅に見直された展示内容を確認。さらなる改善・工夫の余地や再開後の運営体制などについて意見を交わした。

 

 検討委には委員7人が出席し、3月末で改修工事を終えた同事務所を視察。委員からは「よく整理されている」と展示方法を評価する声が上がったほか、「釜石が三陸ジオパークの一部になっていることを踏まえ、鉱物の成り立ちが分かるような展示を」「世界遺産の橋野鉄鉱山や鉄の歴史館とセットで見学できるコースも必要では」といった提案もあった。

 

6月30日の一般公開再開を待つ旧釜石鉱山事務所

6月30日の一般公開再開を待つ旧釜石鉱山事務所

 

 同事務所は2008年まで釜石鉱山株式会社の総合事務所として使用されていたが、事務所移転に伴い市が建物の譲渡を受け、釜石鉱山に関する資料も寄託された。09年から無料で平日に一般開放していたが、震災で壁が崩れるなど一部が壊れ、約1億3900万円をかけて改修工事が進められてきた。耐震補強のほかトイレなども修繕した。

 

 改修された同事務所は、1階に「昭和の事務室」を再現し、2階には鉱山で採掘に使った道具や採取された鉱物などを展示。ギャラリーでは同鉱山をモチーフにした絵画なども公開する。さまざまな講義などにも使える「鉱山の学校」を配置するほか、懐かしい「鉱山の診療所」なども再現。SLが走った社線など鉱山の鉄道の歴史も紹介する。周辺には、さまざまな史跡や鉄鉱石の選鉱場跡、社宅跡などを散策する見学路も設ける予定だ。

 

 一般公開は12月8日までとし、冬期間(3月末まで)は閉館とする。公開時間は午前9時半から午後4時半までとし、毎週火・水曜日は休館とする。同事務所は13年に国の登録有形文化財に指定されており、登録後の一般公開は初めて。再開に当たり臨時職員2人を配置した。一般公開を有料とするかどうかについては、市議会の6月定例会で審議する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2016年5月28日発行 第490号より)

関連情報 by 縁とらんす
旧釜石鉱山事務所 – 釜石市
復興釜石新聞

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橋野鉄鉱山をまちづくりにどうつなげるか意見を交わしたパネル討論

世界遺産に学び 未来を創ろう〜ユネスコ運動県大会 釜石で開催、橋野鉄鉱山を生かしたまちづくり

橋野鉄鉱山をまちづくりにどうつなげるか意見を交わしたパネル討論

橋野鉄鉱山をまちづくりにどうつなげるか意見を交わしたパネル討論

 

 県ユネスコ協会連盟(三田地宣子会長)、釜石ユネスコ協会(小野共会長)主催の第21回ユネスコ運動県大会は13、14の2日間にわたり釜石市で開かれた。「世界遺産・橋野鉄鉱山に学び、未来を創ろう」をテーマに講演やパネルディスカッションなどがあり、橋野鉄鉱山を生かした復興まちづくりについて活発に意見交換。今後も地域の特性を生かしたユネスコ運動を通して持続可能なまちづくりに取り組むことを確認した。

 

 開会行事は大町のホテルサンルート釜石で開かれ、県内から約150人が参加。三田地会長は「世界遺産登録を機に新しいまちに復興する姿を見ることができる機会。大会が未来に持続可能な社会づくりに取り組む運動の力になることを期待する」とあいさつした。

 

 橋野鉄鉱山を含む「明治日本の産業革命遺産群」の世界遺産登録に携わった内閣官房参与の加藤康子さんが、「世界文化遺産登録までの道のり」と題して基調講演。製鉄・製鋼、造船、石炭産業など8県11市にまたがる23の構成資産について、それぞれの資産価値などを解説した。

 

橋野の価値や世界遺産を生かした観光へのアイデアを話す加藤康子さん

橋野の価値や世界遺産を生かした観光へのアイデアを話す加藤康子さん

 

 パネルディスカッションは「橋野鉄鉱山と復興を見据えてのまちづくり」がテーマ。加藤さんをコーディネーターに、パネリストの小野寺英輝さん(岩手大工学部准教授)ら5人が意見を交わした。

 

 釜石観光物産協会の澤田政男会長は「釜石の観光は弱い。世界遺産で観光に目を向けるようになったが、まずは地元で橋野について学び、価値を理解することが必要ではないか」と指摘。釜石市世界遺産室の森一欽係長は「みんなの遺産として親しんでもらうためには難しいことを分かりやすく伝えることがポイント。鋳造、製鉄体験や鉱石拾いなど体を使えるようなアイテムで橋野を紹介したい」と提案した。

 

釜石ユネスココーラスの合唱で参加者を歓迎した

釜石ユネスココーラスの合唱で参加者を歓迎した

 

 地元橋野町振興協議会の菊池成夫会長は「先人の偉業を無駄にしたくない。鉄と言えば釜石―となるよう地域の教育力を高め、教育旅行を軌道に乗せたい。ものづくりを体験できる実践教育の場になれば」と期待した。

 

 釜石高生徒会長の佐々木希さん(3年)は「世界の鉄のまちを知り、つながりを持てたら釜石のにぎわい、活気にもなると思う。高校生にできることがあるなら挑戦したい」と意欲的。鵜住居小6年の時に震災を経験しており、「今の時代の困難は震災で、さまざまな思いがあるが、先人が残した、諦めず努力するという強い思いを守り、大切にし、今度は私たちが釜石をつくっていく番」と復興への思いも話した。

 

 加藤さんは「世界遺産は永遠に守っていかなければならない宝。橋野は教育という面で可能性があり、愛情を持って育て、誇りを持って守ってほしい」と願った。

 

 最終日の14日はエクスカーションとして、鉄の歴史館、橋野鉄鉱山を見学した。

 

(復興釜石新聞 2016年5月18日発行 第487号より)

 

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橋野鹿踊りオブジェ

鉄滓をオブジェに、「橋野鉄鉱山」に初の土産品〜世界遺産盛り上げ地元資源を活用、モチーフは「鹿踊り」

橋野鹿踊りオブジェ

橋野鹿踊りオブジェを前に談笑する和田タカさんと菊池成夫町内会長(右)、製作を補助する藤原英彦さん(左)

 

 釜石市橋野町早栃地区の住民らが、地元で江戸時代に行われた”たたら製鉄”のスラグ「鉄滓(てっさい)」を使い、郷土芸能「橋野鹿踊り」をモチーフにしたオブジェを製作、5月の大型連休から地元の産直施設「橋野どんぐり広場」で販売を開始した。橋野発の鉄関連の土産品開発は初の試み。地元愛の詰まった手作りの一品が、世界遺産の町を一層盛り上げる。

 

 オブジェ製作のきっかけは、橋野鉄鉱山の世界遺産登録勧告が出された1年ほど前の早栃町内会(18世帯)定例会議。「早栃の山に今も残る鉄滓を世界遺産の発信に生かせないか」と話題に上ったのが始まりだった。

 

 たたら製鉄では砂鉄と木炭を炉に入れて燃焼させ、砂鉄を還元し鉄を作った。その際、砂鉄に含まれる不純物は高温で溶融し、スラグ(ノロ)として排出された。町内会が地元所有者の了承を得て山中を探したところ、冷え固まって長い年月を経た多数の鉄滓を発見。当時の製錬は鉄と不純物の分離が十分でなく、鉄成分が残り重みを感じる鉄滓は、ごつごつとした形状と所々に残る鉄の色みが独特の風情を醸し、活用への可能性を感じさせた。

 

 製作の中心を担う和田タカさん(80)は当初、ペーパークラフトで作った虎舞頭を鉄滓に飾ったオブジェを、どんぐり広場で販売していたが、「橋野の郷土芸能、鹿踊りのモチーフでより地域色の濃い製品にしてはどうか」と近隣住民の提案を受け、”チーム早栃”で鹿踊りオブジェの製作に取りかかることになった。

 

 鉄滓は鹿踊りの胴体部分に利用。洗浄後、金づちで余分な部分を砕いて胴の形に仕上げ、さび止めを兼ね、つや出しスプレーをかける。鹿頭はエコクラフトテープを使い、顔の部分は、テープを裂いて細いひも状にしたものを編んで立体的に仕上げる。鹿頭の背に背負う「カンナガラ」は実際の踊りで使われているもの。胴の前を覆う幕は風呂敷を利用し、本物と同じ紋を消しゴム版で施した。「世界文化遺産 橋野鉄鉱山」と記したのぼり旗のさおは笹竹の先端部を、台座は倒れた山桜の木を加工し、地元資源を最大限に活用している。

 

オブジェに使われる、たたら製鉄で出た「鉄滓」

オブジェに使われる、たたら製鉄で出た「鉄滓」

 

 一連の作業工程は住民5、6人が分担して行うが、鉄滓の加工や鹿頭の製作は和田さんが一手に引き受ける。これまでも竹細工やエコクラフトのかご作りなどを手がける和田さんの器用さは、周辺住民のお墨付き。鹿頭は1時間で5、6個は仕上げるという。「鉄滓の台座に接する面を平らにしたり、鹿頭の目や鼻などを付ける細かい作業が大変」としながらも、試行錯誤を重ね完成させた姿に愛着をにじませる。「みんなの協力でできたこと。早栃の人たちはアイデアが豊富」と和田さん。

 

 同町内会長で、橋野町振興協議会会長も務める菊池成夫さん(74)は「世界遺産登録で橋野を訪れる人が激増したが、ご当地を象徴する土産物が無かった。ここまで形になったのは、地区住民のまとまりのおかげ。橋野ならではの遺産の趣をオブジェからも感じ取ってもらえれば」と期待を込める。

 

 橋野鹿踊りのオブジェは大(2千円)、中(1500円)、小(1千円)の3種類(台座含め高さ約15~20㌢)があり、どんぐり広場で販売中。今後、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで土・日曜日に開いている出前産直でも販売する予定。

 

(復興釜石新聞 2016年5月14日発行 第486号より)

 

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おまけ(どんぐり広場買い物券)も入った餅まきを楽しむ老若男女

世界遺産彩る八重桜、「橋野鉄鉱山」登録後初のまつり〜四季まつり第一弾、人気の餅まき 豚汁にも長い列

高炉跡見学に向かう人々

高炉跡見学に向かう人々は、今にも咲き出しそうな八重桜のつぼみに開花への期待を膨らませた

 

 釜石市の橋野町振興協議会(菊池成夫会長)主催の「橋野鉄鉱山八重桜まつり」は8日、青ノ木グリーンパークで開かれた。昨年7月の「橋野鉄鉱山」世界遺産登録後初めての祭りだったが、高炉跡近くの同パークの八重桜は大型連休中の寒気の影響でつぼみ状態。美しく咲き誇る例年の光景はお預けとなったが、多くの行楽客が高炉跡見学などを楽しみ、豊かな自然の中で心身共にリフレッシュした。天候が順調に推移すれば、今週末には花開く八重桜の姿を見られそうだ。

 

 高炉跡見学には、主催者が運行した無料バスで訪れた市民らを中心に約100人が参加。釜石観光ボランティアガイド会(三浦達夫会長)の4人がガイドを務め、グループごとに約1時間の見学を行った。恒例の餅まきは今年も大人気。約500人が集い、空を舞う1500個の餅に手を伸ばした。手作りの豚汁の振る舞いには長い列ができ、買い求めたおにぎりなどと一緒に青空の下で味わった。

 

おまけ(どんぐり広場買い物券)も入った餅まきを楽しむ老若男女

おまけ(どんぐり広場買い物券)も入った餅まきを楽しむ老若男女

 

 無料バスを利用した大渡町の80代の女性2人は「八重桜の花が見られなくて残念だが、天気に恵まれたのが何より。車中からは満開の山ツツジも見られた」と山あいの春の息吹を満喫。2人とも津波で被災したといい、「精神的に病んでいたが、5年たって花を楽しむ気持ちが出てきた。家の中にばかりいると、うつうつする。思い切って出かけて良かった」と顔をほころばせた。

 

祭り恒例、橋野の女性たち手作りの豚汁を求め並ぶ人たち

祭り恒例、橋野の女性たち手作りの豚汁を求め並ぶ人たち

 

 同パークと周辺には、釜石ライオンズクラブが三十数年前に植樹した数種類の桜の木が育ち、中でも八重桜の濃い桃色の花は、青ノ木の春の代名詞となっている。例年だと5月中旬に見ごろを迎えるが、今年は春先の暖かさでソメイヨシノの開花が早まったことから、祭り日程を前倒しした。ところが大型連休期間に異例の低温に見舞われ、春を感じられる陽気となった日は4月29日から祭り前日までに、わずか2日間だけ。青ノ木地区の背後にそびえる片羽山に雪が積もった日もあり、開花は足踏み状態となり、満開の下での祭りはかなわなかった。

 

 菊池会長は「世界遺産効果で昨年より多くの方々に来ていただいたが、ご覧の状態で申し訳ない。皆さんのこの場所への大きな期待を感じる。今まで以上に手入れをしっかりとし、長く木を持たせたい」と話した。なお、同所では昨年4月、世界遺産登録を祈念する植樹が行われ、新たに140本の八重桜が植えられている。

 

 八重桜まつりは、同協議会が栗橋地区まちづくり会議(遠野健一議長)との共催で行う「はしの四季まつり」の第1弾。同パークで開いていた夏のラベンダーまつりは休止中だが、昨夏、スケート場跡地に300株のラベンダーを新たに植栽しており、あと2年ほどで祭りを復活できそうだという。今年の第2弾は9月のニジマス釣り(橋野どんぐり広場隣)を予定する。

 

(復興釜石新聞 2016年5月11日発行 第485号より)

 

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新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」

新緑に響く汽笛「SL銀河」3年目出発進行〜釜石駅へ一番列車 にぎやかに出迎え

新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」

新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」=24日午前10時57分、第三甲子川橋梁

 

 沿線が新緑に包まれ始めたJR釜石線(花巻―釜石間、90・2キロ)で23日から、蒸気機関車「SL銀河」の3年目の定期運行が始まった。釜石駅では、運行再開一番列車を歓迎の横断幕や郷土芸能で出迎え、浜の汁物をお振る舞い。市民らの温かいおもてなしに乗客が喜びの笑顔を広げた。

 

 午後3時7分の釜石駅到着を前に、線路をはさんだシープラザ釜石入り口付近には市民らが集まり、到着を待ちわびた。高らかな汽笛を響かせたSLが姿を現すと、ホームでは観光関係者や釜石市のキャラクター「かまリン」などが手を振ってお出迎え。駅前の「ホテルフォルクローロ三陸釜石」に勤務する釜石シーウェイブスRFCのダラス・タタナ選手(24)はジャージー姿で、ラグビーのまち釜石への訪問を歓迎した。鵜住居青年会が虎舞を披露し、旅の思い出を演出した。

 

 夫と乗車した紫波町の藤本美奈さん(53)は「一度は乗ってみたいと思っていた。市民の皆さんが本当に歓迎ムードで、気持ち良く到着できた。今度は走っている(SLの)姿を見てみたい」と期待を膨らませた。

 

 駅舎前では釜石観光物産協会がホタテの稚貝汁を乗客に振る舞い、好評を博した。「とてもおいしい」と箸を進めた千葉県千葉市の青木幸弘さん(54)夫妻は、妻律子さんの3年越しの念願がかなってSL銀河に初乗車。「宮沢賢治の物語をモチーフにした列車はロマンチックで座席も快適。車内の駅弁や地ビール、沿線のイベントと魅力いっぱいで、(乗車の)5時間があっという間。今日は釜石に宿泊し、明日もSLで帰ります」と声を弾ませた。

 

乗客を喜ばせたホタテの稚貝汁のお振る舞い

乗客を喜ばせたホタテの稚貝汁のお振る舞い

 

 SL銀河(客車4両、定員176人)は、観光面からの復興支援と沿線地域の活性化を目的にJR東日本が2014年から釜石線に導入。運行2年目の昨年は土・日を中心に75本の定期運行を行い、延べ約1万500人が乗車。平均乗車率は1年目を約1割下回り8割となったが、根強い人気を集めている。

 

 今年の運行日程は8月まで決定。5月の大型連休期間は4、5の祝日も運行される。

 

 24日は、花巻に向かうSL銀河の出発式が釜石駅ホームで行われた。JR東日本盛岡支社の嶋誠治支社長は「SL銀河で多くのお客さまに釜石を訪れていただくことで復興を後押しし、沿線の方々に少しでも喜びを感じてもらえれば」とあいさつ。野田武則市長は「SL銀河は、明治日本の産業革命遺産の原点である日本人が培ってきた技術、将来への思いの象徴とも言える」とたたえ、さらなる観光客増加に期待を示した。

 

楽しいSLの旅を願い出発合図をする角谷駅長とマヘ選手

楽しいSLの旅を願い出発合図をする角谷駅長とマヘ選手

 

 出席者8人でくす玉を割り、釜石駅の角谷公博駅長と釜石シーウェイブスRFCのマヘ・トゥビ選手(35)が出発を合図。唐丹町の桜舞太鼓が威勢のいい太鼓の音を響かせる中、午前10時55分、春の日差しに輝く黒い車体が力強く動き出した。

 

(復興釜石新聞 2016年4月27日発行 第482号より)

 

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