釜石の「食」満喫、まるごと味覚フェスタ〜今回は青葉通りを会場に、市内外から39事業者


2017/10/10
復興釜石新聞アーカイブ #観光

各地の特産品が並んだ産業まつりブースでは自慢の味をPRする声が飛び交った

各地の特産品が並んだ産業まつりブースでは自慢の味をPRする声が飛び交った

 

 釜石まるごと味覚フェスティバル(釜石観光物産協会主催)は9月30日、10月1日の2日間、釜石市大町の青葉通り周辺で開かれた。21回目の今回は2019年ラグビーワールドカップ(W杯)に向けた「ファンゾーン・プレイベント」や「釜石ワインフェスティバル」を加えた盛りだくさんな内容で、例年開催していた鈴子町から会場を移し趣向を変えて実施。各地の味覚、多彩な催しを目当てに大勢の人が集まり、「食べてまんぷく、遊んで満足、楽しめる釜石」を満喫した。

 

 味覚フェスには市内外から39事業者が出店し、自慢の味で来場者を楽しませた。水産まつりの目玉、炭火焼きサンマのお振る舞いでは両日とも、地元で水揚げされた500匹を提供。今年は全国的に深刻な不漁となっているが、地元の協力で確保されたサンマは人気を集め、長蛇の列が続いた。

 

サンマの炭火焼きは大人気。行列が絶えなかった

サンマの炭火焼きは大人気。行列が絶えなかった

 

 焼きサンマを手にした人たちは「大きい。おいしそう」と笑顔に。家族ら5人で味わった小川町の野田由美子さん(65)は「脂が乗っておいしい。食べる機会がなかったから来て良かった。会場も開放的な雰囲気で伸び伸びできる。太陽の下で、みんなで食べるのがいい」と喜んだ。

 

サンマのお振る舞いに顔をほころばせる来場者。大ぶりでおいしそうな一匹を品定め

サンマのお振る舞いに顔をほころばせる来場者。大ぶりでおいしそうな一匹を品定め

 

 農業祭では地元の産直などが野菜や加工品を販売。釜石地区森林組合はシイタケの詰め放題や木工教室などを開いて地元産の良さをPRした。市農業委員会が遊休農地を活用し試験的に栽培したラグビーボールのような形をしたカボチャの試食や郷土料理のお振る舞いも。大町広場で行われた野菜&餅まきは今年も盛況で、老若男女が手を伸ばした。

 

 地元産直による販売ブース。新鮮野菜に思わず手が伸びる来場者

地元産直による販売ブース。新鮮野菜に思わず手が伸びる来場者

 

 産業まつりでは姉妹、友好都市の商工担当者らもご当地の特産品を販売。「鉄のまち」と世界遺産つながりで釜石の復興支援を継続する福岡県北九州市は、小倉を代表する郷土料理「ぬか炊き」やレトルト食品「門司港焼きカレー」などを陳列した。同市産業経済局食の魅力創造・発信室地元いちばん係の柳川尚孝係長は来場者から掛けられた「楽しみにしていたよ」との声に感激。「つながりを大切にしたい」と望んだ。

 

 北上市から足を運んだ斉藤俊道さん(53)は「思いがけず、いろんな地域の味に出会えたのが良かった。いろんな香りを楽しみながら歩くのもいい」と街歩きも楽しんだ。

 

ワイナリーの味が飲み比べできるワインフェスタ。来場者は交流も楽しんだ

ワイナリーの味が飲み比べできるワインフェスタ。来場者は交流も楽しんだ

 

 30日に釜石PITで行われたワインフェスには県内外の9ワイナリーが出店。来場者は、地酒「浜千鳥」なども合わせ約50種の中から気になるものを飲み比べた。今年5月に発売(約100本)され、即完売した「釜石ワイン」もこの日、特別に用意。ブドウ栽培の技術指導や醸造を行っている長野県東御市の「はすみふぁーむ」代表取締役の蓮見よしあきさん(45)は「釜石ワインは始まったばかり。長い目で見てもらい、大事に育てていきたい。海の幸と合わせて味わえる、地域に根ざしたワインになれば」と願った。

 

(復興釜石新聞 2017年10月4日発行 第627号より)

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